JPH06311876A - 食用乾燥剤 - Google Patents
食用乾燥剤Info
- Publication number
- JPH06311876A JPH06311876A JP10296493A JP10296493A JPH06311876A JP H06311876 A JPH06311876 A JP H06311876A JP 10296493 A JP10296493 A JP 10296493A JP 10296493 A JP10296493 A JP 10296493A JP H06311876 A JPH06311876 A JP H06311876A
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- Japan
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- trehalose
- anhydrous
- water
- edible
- desiccant
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- Freezing, Cooling And Drying Of Foods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 吸湿後の潮解固結および流動性の低下が少な
い食用乾燥剤を提供する。 【構成】 無水α,α−トレハロースを含有することを
特徴とする食用乾燥剤。この食用乾燥剤は、吸湿力が高
く、かつ吸湿後の難潮解性および流動性が極めて良好で
ある。
い食用乾燥剤を提供する。 【構成】 無水α,α−トレハロースを含有することを
特徴とする食用乾燥剤。この食用乾燥剤は、吸湿力が高
く、かつ吸湿後の難潮解性および流動性が極めて良好で
ある。
Description
【0001】[発明の背景]
【産業上の利用分野】本発明は、無水α,α−トレハロ
ースを用いた食用乾燥剤に関するものである。
ースを用いた食用乾燥剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品、薬品、化粧品等の湿気による変質
を防止することは、食品の鮮度保持において大変重要な
問題である。このような問題を解決する方法として、例
えばシリカゲルが用いられている。シリカゲルは多孔性
の非晶質で、その吸湿機構は吸着であることがわかって
いる。よって湿度の違いによって吸水量が異なり、高湿
度から低湿度に移したとき水分の再放出が起こる。また
シリカゲルは食用ではないので、食品中に混合する事が
できない。よって、食品中に混入しないようにシリカゲ
ルを袋などに入れる必要がある。また同様に、消石灰
(酸化カルシウム)なども用いられるが、強アルカリ性
のため、シリカゲル同様に食品との接触がないようにす
る必要がある。その他、吸湿力のある金属塩結晶の無水
物としては、硫酸ナトリウム(ぼう硝)、硫酸銅、硫酸
マグネシウム等があるが、これらはいずれも食用に適さ
ないため、食用乾燥剤としては利用しにくい。一方、糖
類を乾燥して無水物に変換後、乾燥剤として利用したも
のとして、最近、フラクトオリゴ糖の1種であるニスト
ースの食用乾燥剤用途について述べられている(食品と
科学11月号、1992年、食品と開発11月号、19
92年)。しかし、この乾燥剤としての効果は十分では
ない。そのほかの結晶水を持つ糖類であるグルコース、
マルトースおよびラフィノースの無水物の乾燥剤として
の利用も考えられるが、これらの無水物はさらに効果が
弱く、その上これらは吸湿後潮解してしまうという欠点
があり、単に結晶水を除いた糖無水物が乾燥剤用途に使
用できるわけではない。また一方、結晶水を持たない糖
類では弱い吸湿力はあっても、その吸湿特性は付着水に
よるものであり、温度の変化に応じて水分と脱吸着し、
乾燥剤としてふさわしいものではない。さらにその吸湿
物は、もはや一般に固体(結晶)のもとの流動性が低下
または失っているもので、潮解しているものが多く、食
品中で用いる場合問題になる。
を防止することは、食品の鮮度保持において大変重要な
問題である。このような問題を解決する方法として、例
えばシリカゲルが用いられている。シリカゲルは多孔性
の非晶質で、その吸湿機構は吸着であることがわかって
いる。よって湿度の違いによって吸水量が異なり、高湿
度から低湿度に移したとき水分の再放出が起こる。また
シリカゲルは食用ではないので、食品中に混合する事が
できない。よって、食品中に混入しないようにシリカゲ
ルを袋などに入れる必要がある。また同様に、消石灰
(酸化カルシウム)なども用いられるが、強アルカリ性
のため、シリカゲル同様に食品との接触がないようにす
る必要がある。その他、吸湿力のある金属塩結晶の無水
物としては、硫酸ナトリウム(ぼう硝)、硫酸銅、硫酸
マグネシウム等があるが、これらはいずれも食用に適さ
ないため、食用乾燥剤としては利用しにくい。一方、糖
類を乾燥して無水物に変換後、乾燥剤として利用したも
のとして、最近、フラクトオリゴ糖の1種であるニスト
ースの食用乾燥剤用途について述べられている(食品と
科学11月号、1992年、食品と開発11月号、19
92年)。しかし、この乾燥剤としての効果は十分では
ない。そのほかの結晶水を持つ糖類であるグルコース、
マルトースおよびラフィノースの無水物の乾燥剤として
の利用も考えられるが、これらの無水物はさらに効果が
弱く、その上これらは吸湿後潮解してしまうという欠点
があり、単に結晶水を除いた糖無水物が乾燥剤用途に使
用できるわけではない。また一方、結晶水を持たない糖
類では弱い吸湿力はあっても、その吸湿特性は付着水に
よるものであり、温度の変化に応じて水分と脱吸着し、
乾燥剤としてふさわしいものではない。さらにその吸湿
物は、もはや一般に固体(結晶)のもとの流動性が低下
または失っているもので、潮解しているものが多く、食
品中で用いる場合問題になる。
【0003】[発明の概要]
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
吸湿力、および吸湿後の難潮解性、流動性等に関する性
状に優れた食用乾燥剤を提供することを目的とする。
吸湿力、および吸湿後の難潮解性、流動性等に関する性
状に優れた食用乾燥剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、乾燥剤用
途で用いることができる糖類を鋭意検討した結果、無水
α,α−トレハロースが、食品乾燥剤として使用する場
合に要求される諸条件において優れた性質を有すること
を見出し、すなわち、無水α,α−トレハロースが吸湿
力、および吸湿後の難潮解性(潮解しにくい性質)、流
動性等に関する性質において優れた性状を有することを
見出し、この知見をもとに本発明を完成されるに至っ
た。すなわち、本発明による食用乾燥剤は、無水α,α
−トレハロースを含有することを特徴するものである。
途で用いることができる糖類を鋭意検討した結果、無水
α,α−トレハロースが、食品乾燥剤として使用する場
合に要求される諸条件において優れた性質を有すること
を見出し、すなわち、無水α,α−トレハロースが吸湿
力、および吸湿後の難潮解性(潮解しにくい性質)、流
動性等に関する性質において優れた性状を有することを
見出し、この知見をもとに本発明を完成されるに至っ
た。すなわち、本発明による食用乾燥剤は、無水α,α
−トレハロースを含有することを特徴するものである。
【0005】[発明の具体的説明]食用乾燥剤 本発明による食用乾燥剤は、無水トレハロース、具体的
には無水α,α−トレハロースを含有することを特徴と
するものであることは前記したところである。α,α−
トレハロースはパン酵母、茸中に大量に含有しており、
無毒で安全な糖である。本発明におけるトレハロース原
料としては、上記酵母あるいは茸から既知の方法、たと
えばMyback & Ortenblad(Biochem.Z.,288 ,329(1936)),
Stewart,Richtmeyer & Hudson(J.Am.Chem.Soc., 72 ,20
59(1950)),佐藤&津村(日本農芸化学会誌、27 ,412(19
53))等に記載された方法によって得られたもの(α,α
−トレハロース)を用いることも可能であるが、市販の
ものから適当に選択して使用することができる。トレハ
ロースがすでに無水物となっているものはそのまま本発
明乾燥剤に用いることができるが、水和物の場合には更
に結晶水を除去して用いる必要がある。結晶水の除去に
ついては融点以上の高温で加熱等の激しい条件も考えら
れるが、そのような条件では結晶構造が破壊されること
により、吸水速度あるいは吸水量が低下してしまう。よ
って、本発明に用いるα,α−トレハロース無水物は、
水和物を融点付近あるいはそれ以下の温度で通常0.1
〜10パスカル(Pa)、好ましくは1Pa〜5Paの
減圧下で乾燥させることにより得ることができる。乾燥
時間についても極力短くすることが望ましく、乾燥中重
量が平衡に達した時点で処理を終了することが望まし
い。また、一度乾燥剤として使用して吸湿したものにつ
いても、上記したような処理をすることによって再使用
することが可能である。本発明において、食用乾燥剤は
通常無水α,α−トレハロースそれ自体から構成される
のが基本であるが、必要に応じて他の添加物(たとえば
デキストリンなど)を配合することもできる。α,α−
トレハロースは、その低甘味度ゆえに食品中に比較的大
量に混合してもその食品本来の味を損なう事なく効果を
発揮する事ができる。さらにこのトレハロースは食用と
して安全であるため、通気性に富む通常の乾燥剤用袋に
包んで使用する他に、食品中に直接混合することも可能
である。
には無水α,α−トレハロースを含有することを特徴と
するものであることは前記したところである。α,α−
トレハロースはパン酵母、茸中に大量に含有しており、
無毒で安全な糖である。本発明におけるトレハロース原
料としては、上記酵母あるいは茸から既知の方法、たと
えばMyback & Ortenblad(Biochem.Z.,288 ,329(1936)),
Stewart,Richtmeyer & Hudson(J.Am.Chem.Soc., 72 ,20
59(1950)),佐藤&津村(日本農芸化学会誌、27 ,412(19
53))等に記載された方法によって得られたもの(α,α
−トレハロース)を用いることも可能であるが、市販の
ものから適当に選択して使用することができる。トレハ
ロースがすでに無水物となっているものはそのまま本発
明乾燥剤に用いることができるが、水和物の場合には更
に結晶水を除去して用いる必要がある。結晶水の除去に
ついては融点以上の高温で加熱等の激しい条件も考えら
れるが、そのような条件では結晶構造が破壊されること
により、吸水速度あるいは吸水量が低下してしまう。よ
って、本発明に用いるα,α−トレハロース無水物は、
水和物を融点付近あるいはそれ以下の温度で通常0.1
〜10パスカル(Pa)、好ましくは1Pa〜5Paの
減圧下で乾燥させることにより得ることができる。乾燥
時間についても極力短くすることが望ましく、乾燥中重
量が平衡に達した時点で処理を終了することが望まし
い。また、一度乾燥剤として使用して吸湿したものにつ
いても、上記したような処理をすることによって再使用
することが可能である。本発明において、食用乾燥剤は
通常無水α,α−トレハロースそれ自体から構成される
のが基本であるが、必要に応じて他の添加物(たとえば
デキストリンなど)を配合することもできる。α,α−
トレハロースは、その低甘味度ゆえに食品中に比較的大
量に混合してもその食品本来の味を損なう事なく効果を
発揮する事ができる。さらにこのトレハロースは食用と
して安全であるため、通気性に富む通常の乾燥剤用袋に
包んで使用する他に、食品中に直接混合することも可能
である。
【0006】食用乾燥剤の用途 本発明による食用乾燥剤の利用用途は、上記したように
従来の袋に封入して使用する形態の他に、新たに食品に
直接混合して使用する食品添加剤としての形態も可能と
なり、後者の場合には、例えば非常に低湿下に保存しな
ければならないような用途にも適している。これらの用
途を具体的にあげれば、例えば(i )スプレードライ製
品の二次乾燥などに利用すれば、その品質の劣化防止に
つながる、(ii)天然系の着色料の保存に使用すれば、
その退色が抑えられる、(iii )ビフィズス菌などの微
量の水分を嫌う生菌剤の保存に使用すれば、低水分活性
を維持して生菌数の減少が抑制できる、(iv)焼き海苔
の保存に使用すれば、海苔の湿りや相互の付着の防止が
できる、(v )吸湿してももとの流動性を保つため固結
抑制剤として利用できる、(vi)凍結乾燥した酵素製剤
に使用すれば、湿気による活性低下を防止することがで
きる、(vii )安全性が必要とされる様な湿度を嫌う薬
剤(例えば抗生物質等)の安全化剤として使用すること
ができる、(viii)脱酸素剤等の鮮度保持剤を併用する
ことによって効果は更に増強される、などである。
従来の袋に封入して使用する形態の他に、新たに食品に
直接混合して使用する食品添加剤としての形態も可能と
なり、後者の場合には、例えば非常に低湿下に保存しな
ければならないような用途にも適している。これらの用
途を具体的にあげれば、例えば(i )スプレードライ製
品の二次乾燥などに利用すれば、その品質の劣化防止に
つながる、(ii)天然系の着色料の保存に使用すれば、
その退色が抑えられる、(iii )ビフィズス菌などの微
量の水分を嫌う生菌剤の保存に使用すれば、低水分活性
を維持して生菌数の減少が抑制できる、(iv)焼き海苔
の保存に使用すれば、海苔の湿りや相互の付着の防止が
できる、(v )吸湿してももとの流動性を保つため固結
抑制剤として利用できる、(vi)凍結乾燥した酵素製剤
に使用すれば、湿気による活性低下を防止することがで
きる、(vii )安全性が必要とされる様な湿度を嫌う薬
剤(例えば抗生物質等)の安全化剤として使用すること
ができる、(viii)脱酸素剤等の鮮度保持剤を併用する
ことによって効果は更に増強される、などである。
【0007】
【実施例】以下に、具体的な実施例を示して本発明をよ
り詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。実施例1 無水α,α−トレハロースの調製 1および
吸湿特性 α,α−トレハロース(融点97℃)1gを30℃にて
減圧(1Pa)乾燥した。このときの重量減少曲線を図
1に示す。その結果無水α,α−トレハロースは、理論
値通り9.5%の重量減少があり結晶水が除かれたもの
と判断された。このうち3時間乾燥したもの1gの相対
湿度30%、50%、80%における吸湿特性を測定し
た。その結果を表1および2に示す。この場合の初期吸
湿速度とは、処理された無水トレハロースをそれぞれの
湿度下に放置し始めたときの重量増加速度であり、吸湿
量とは吸湿前重量に対する吸湿して平衡に達した後の重
量増加率である。相対湿度の変化により吸湿速度は変化
するものの、吸湿量は変化なかった。他の糖無水物に比
べると、特に低湿度における吸湿性が優れている(比較
例2参照)。吸湿した水分は低湿度下に置いても水分を
再放出しなかった。さらにこの無水α,α−トレハロー
スが水分を再吸収して得られた再含水物は潮解せず、固
体の流動性を保持しており、熱分析等から結晶構造を維
持していることからトレハロース水和物結晶であること
が確認された。これを再び同様な条件で乾燥することに
よって乾燥剤として再利用できた。
り詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。実施例1 無水α,α−トレハロースの調製 1および
吸湿特性 α,α−トレハロース(融点97℃)1gを30℃にて
減圧(1Pa)乾燥した。このときの重量減少曲線を図
1に示す。その結果無水α,α−トレハロースは、理論
値通り9.5%の重量減少があり結晶水が除かれたもの
と判断された。このうち3時間乾燥したもの1gの相対
湿度30%、50%、80%における吸湿特性を測定し
た。その結果を表1および2に示す。この場合の初期吸
湿速度とは、処理された無水トレハロースをそれぞれの
湿度下に放置し始めたときの重量増加速度であり、吸湿
量とは吸湿前重量に対する吸湿して平衡に達した後の重
量増加率である。相対湿度の変化により吸湿速度は変化
するものの、吸湿量は変化なかった。他の糖無水物に比
べると、特に低湿度における吸湿性が優れている(比較
例2参照)。吸湿した水分は低湿度下に置いても水分を
再放出しなかった。さらにこの無水α,α−トレハロー
スが水分を再吸収して得られた再含水物は潮解せず、固
体の流動性を保持しており、熱分析等から結晶構造を維
持していることからトレハロース水和物結晶であること
が確認された。これを再び同様な条件で乾燥することに
よって乾燥剤として再利用できた。
【0008】実施例2 無水α,α−トレハロースの調
製 2および吸湿特性 α,α−トレハロース1gを85℃にて乾燥した。この
ときの重量減少曲線を図1に示す。その結果α,α−ト
レハロースは理論値通り9.5%の重量減少があり、結
晶水が除かれたものと判断された。このうち6時間乾燥
したものを用いてその吸湿量を調べた。その結果を表2
に示す。この無水トレハロースが水分を再吸収して得ら
れた再含水物は潮解せず、固体の流動性を保持してお
り、熱分析等から結晶構造を維持していた。
製 2および吸湿特性 α,α−トレハロース1gを85℃にて乾燥した。この
ときの重量減少曲線を図1に示す。その結果α,α−ト
レハロースは理論値通り9.5%の重量減少があり、結
晶水が除かれたものと判断された。このうち6時間乾燥
したものを用いてその吸湿量を調べた。その結果を表2
に示す。この無水トレハロースが水分を再吸収して得ら
れた再含水物は潮解せず、固体の流動性を保持してお
り、熱分析等から結晶構造を維持していた。
【0009】実施例3 無水α,α−トレハロースの調
製 3 α,α−トレハロース1gを105℃にて乾燥した。こ
のときの重量減少曲線を図1に示す。その結果α,α−
トレハロースは理論値通り9.5%の重量減少があり、
結晶水が除かれたものと判断された。このうち1時間乾
燥したものを用いてその吸湿量を調べた。この無水物も
高湿度下でひとたび吸湿した水分は低湿度下に置いても
水分を再放出がしなかった。よってこれもまた乾燥剤と
して使用できる。
製 3 α,α−トレハロース1gを105℃にて乾燥した。こ
のときの重量減少曲線を図1に示す。その結果α,α−
トレハロースは理論値通り9.5%の重量減少があり、
結晶水が除かれたものと判断された。このうち1時間乾
燥したものを用いてその吸湿量を調べた。この無水物も
高湿度下でひとたび吸湿した水分は低湿度下に置いても
水分を再放出がしなかった。よってこれもまた乾燥剤と
して使用できる。
【0010】比較例1 シリカゲル1gの相対湿度30%、50%、80%にお
ける吸湿特性を測定した。その結果を表1および2に示
す。シリカゲルの吸湿が水の吸着によるものであるか
ら、湿度によって吸湿量が変わる。よって高湿度下に置
いて水分を吸着させたものを、低湿度下に置くと水分の
再放出が起こる。
ける吸湿特性を測定した。その結果を表1および2に示
す。シリカゲルの吸湿が水の吸着によるものであるか
ら、湿度によって吸湿量が変わる。よって高湿度下に置
いて水分を吸着させたものを、低湿度下に置くと水分の
再放出が起こる。
【0011】比較例2 結晶水を有しているニストース、ラフィノース、マルト
ースについてその無水物の吸湿特性を調べた。結果を表
1および2に示す。無水ニストース、無水ラフィノース
および無水マルトースは無水トレハロースと比較して吸
湿速度、吸水量ともに劣っていた。さらにラフィノース
およびマルトースは、それぞれの融点近くで乾燥した場
合、高湿度下では、吸湿後潮解してしまう欠点を有して
いた。
ースについてその無水物の吸湿特性を調べた。結果を表
1および2に示す。無水ニストース、無水ラフィノース
および無水マルトースは無水トレハロースと比較して吸
湿速度、吸水量ともに劣っていた。さらにラフィノース
およびマルトースは、それぞれの融点近くで乾燥した場
合、高湿度下では、吸湿後潮解してしまう欠点を有して
いた。
【0012】実験例1 得られた食用乾燥剤の効果を調べるため、麦芽エキス1
0gに無水α,α−トレハロース0.1g(添加量1
%)を容器に入れ軽くふたををして放置した。1カ月後
その麦芽をエキスを無添加のものと比較したところ、添
加したものは試験前とほとんど変わらず流動性を維持し
ていたが、無添加のものはかなりべとついていた。また
この時の水分活性(Aw)値は無添加のものは水分活性
値が徐々に上昇していくのに対し、添加したものは低い
水分活性を維持していた。
0gに無水α,α−トレハロース0.1g(添加量1
%)を容器に入れ軽くふたををして放置した。1カ月後
その麦芽をエキスを無添加のものと比較したところ、添
加したものは試験前とほとんど変わらず流動性を維持し
ていたが、無添加のものはかなりべとついていた。また
この時の水分活性(Aw)値は無添加のものは水分活性
値が徐々に上昇していくのに対し、添加したものは低い
水分活性を維持していた。
【0013】実験例2 粉末食品用酵素製剤10gに無水α,α−トレハロース
1gを容器に入れ軽くふたををして放置した。1カ月後
その酵素活性を無添加のものと比較した。その結果添加
したものは活性を維持していたが、無添加のものは活性
が低下していた。またこの時の水分活性(Aw)値は無
添加のものは水分活性値が徐々に上昇していくのに対
し、添加したものは低い水分活性を維持していた。
1gを容器に入れ軽くふたををして放置した。1カ月後
その酵素活性を無添加のものと比較した。その結果添加
したものは活性を維持していたが、無添加のものは活性
が低下していた。またこの時の水分活性(Aw)値は無
添加のものは水分活性値が徐々に上昇していくのに対
し、添加したものは低い水分活性を維持していた。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、α,α−トレハロース
を乾燥し結晶水を取り除いて得られた無水トレハロース
は食用乾燥剤として有用である。しかも、この無水トレ
ハロースは吸湿力が強く、かつ吸湿後においてももとの
結晶の流動性を維持しており、食品中に直接混合するこ
とも可能である。無水α,α−トレハロースのこのよう
な特性は思いがけなかったことである。
を乾燥し結晶水を取り除いて得られた無水トレハロース
は食用乾燥剤として有用である。しかも、この無水トレ
ハロースは吸湿力が強く、かつ吸湿後においてももとの
結晶の流動性を維持しており、食品中に直接混合するこ
とも可能である。無水α,α−トレハロースのこのよう
な特性は思いがけなかったことである。
【図1】トレハロース乾燥時の重量減少曲線を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】無水α,α−トレハロースを含有すること
を特徴する食用乾燥剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10296493A JPH06311876A (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | 食用乾燥剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10296493A JPH06311876A (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | 食用乾燥剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06311876A true JPH06311876A (ja) | 1994-11-08 |
Family
ID=14341470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10296493A Withdrawn JPH06311876A (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | 食用乾燥剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06311876A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002034472A (ja) * | 2000-07-21 | 2002-02-05 | Kanebo Ltd | 温熱付与剤及びそれを用いた食品並びに加水食品の製法 |
JP2006111616A (ja) * | 2004-09-14 | 2006-04-27 | Toyo Shinyaku:Kk | 葛花処理物を含有する固形物 |
JP2011092205A (ja) * | 2011-01-11 | 2011-05-12 | Kracie Foods Ltd | 温熱付与剤並びに温熱付与された加水食品調製用食品及び加水食品の調製方法 |
-
1993
- 1993-04-28 JP JP10296493A patent/JPH06311876A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002034472A (ja) * | 2000-07-21 | 2002-02-05 | Kanebo Ltd | 温熱付与剤及びそれを用いた食品並びに加水食品の製法 |
JP2006111616A (ja) * | 2004-09-14 | 2006-04-27 | Toyo Shinyaku:Kk | 葛花処理物を含有する固形物 |
JP2011092205A (ja) * | 2011-01-11 | 2011-05-12 | Kracie Foods Ltd | 温熱付与剤並びに温熱付与された加水食品調製用食品及び加水食品の調製方法 |
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