JPH0631120Y2 - 避難梯子装置 - Google Patents

避難梯子装置

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JPH0631120Y2
JPH0631120Y2 JP10390990U JP10390990U JPH0631120Y2 JP H0631120 Y2 JPH0631120 Y2 JP H0631120Y2 JP 10390990 U JP10390990 U JP 10390990U JP 10390990 U JP10390990 U JP 10390990U JP H0631120 Y2 JPH0631120 Y2 JP H0631120Y2
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ladder
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、たとえば高層建築物や一般住宅建物のベラ
ンダや張出し部等の床面に設置されて、火災等の緊急避
難時に階下側へ降下させて使用されるパンタグラフ式梯
子をもった避難梯子装置に関するものである。
〔従来の技術〕
マンションのような高層建築物におけるこの種の従来の
避難梯子装置は、周知のようにベランダ等の床面の開口
部に嵌着された格納箱内に収納されており、この格納箱
の蓋体を開放操作することにより、それに連動して折り
畳み状態に収納されているパンタグラフ式の梯子を自重
降下により階下のベランダ床面まで伸長させるように構
成されていた。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、避難者はパンタグラフ式梯子が垂直姿勢より
も斜め姿勢になっている方が降り易いので、この梯子を
自重降下させる際も垂直面に対して一定の角度をもった
斜め方向へ向かって伸長させることが望まれる。しか
し、上記した従来の装置では、上記梯子の降下をその自
重に任せていただけであるので、垂直姿勢にセットでき
ない場合が多い。また、梯子を例え斜め方向へ向けて放
出したとしても、伸長するにつれて次第にカーブして全
体または一部が円弧状に湾曲した姿勢となって、人が降
りにくくなり、また、降下の姿勢が定まらないので、階
下の状況を確認しながら梯子を降ろさないと、階下側の
避難者にも危険を及ぼすことになりかねず、緊急を要す
る梯子装置としては非常に使いにくいものであった。
この考案は上記実情に鑑みてなされたもので、パンタグ
ラフ式梯子を人が降下し易い角度をもった傾斜姿勢に確
実容易にセットすることができ、緊急時に安全に使用で
きる避難梯子装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、この考案に係る避難梯子装
置は、自重降下で伸長可能なパンタグラフ式梯子を折り
畳み状態に収納する格納箱に設けられた梯子用支持杆と
上記梯子の最上段となる枠組体とを4節平行リンク機構
を介して連結し、このリンク機構における原節リンクと
連接リンクとの連結点に、上記原節リンクを固定体の垂
直面に沿ってガイドして、上記リンク機構を介して梯子
の降下を所定の角度をもった方向へ規制するガイドロー
ラを枢着したものである。
〔作用〕
上記構成によれば、パンタグラフ式梯子の降下が開始さ
れると、ガイドローラが固定体の垂直面に沿って転動し
て4節平行リンク機構の原節リンクをガイドしてガイド
リンク機構の伸長変形方向を決めるので、上記梯子もこ
れに規制されて所定の角度をもった方向へ降下されるこ
とになり、これにより、梯子が人の降りやすい斜めの姿
勢にセットされるうえに、階下に対する危険性も少なく
なる。
〔実施例〕
以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図ないし第4図はこの考案に係る避難梯子装置の一
例を示すものである。
同図において、1は高層建築物の床2に形成された開口
部であり、この開口部1には、避難器具用の格納箱3が
取り付けられている。この格納箱3は、鉄板等により平
面四角状の枠形に形成されて上記開口部1に嵌着固定さ
れた本体4と、この本体4の上端に枢着されて上方に開
動可能な上蓋5と、上記本体4の下端に枢着されて下方
に開動可能な下蓋6とからなり、この上蓋5と下蓋6と
は、上蓋5の開閉操作に連動するように開閉用リンク部
材7,8で連結されている。
9は上記格納箱3内に伸長可能に収納されたパンタグラ
フ式避難梯子であり、この避難梯子9は、例えば左右一
対の縦材10,10と両縦材10の下端同志を連結する
ように連設されたステップ用横材11とで構成されたU
字形の枠材12と、各縦材10,10の各中央にピン1
3を介してそれぞれ枢着された左右一対の連結縦材1
4,14とにより枠組体15を構成し、この枠組体15
を縦方向へ複数組配設するとともに、これらの各枠組体
15同志を連結したものである。すなわち、この避難梯
子9は、各枠組体15における連結縦材14の一端を、
隣接枠組体15における横材11が連成されている縦材
10の一端部にピン16で枢着し、隣接枠組体15にお
ける連結縦材14の他端を上記縦材10の他端部にピン
17で枢着することにより、パンタグラフ式に伸縮可能
に組み立てられている。
上記格納箱本体4には、支持杆18の両端部を支持する
固定体としての1対の支持取付金具19,19がボルト
20等で固設されている。上記支持杆18と梯子9の最
上段となる側との間は、後述する4節平行リンク機構で
連結されている。上記支持杆18の両端部には、第5図
および第6図に示すようにステップ用横材11で連結さ
れた左右一対のステップ用リンク21,21の各基端部
21aがそれぞれ枢支されている。これら両リンク2
1,21の上記ステップ用横材11による連結部に近い
部分に上記梯子9における最上段となる側の連結縦材1
4の一端部14aがピン22を介してそれぞれ枢着さ
れ、また上記リンク21,21の各中央に一端部24a
がピン23で枢着された従節リンク24の延長部24b
に、上記梯子9の最上段となる側の縦材10の一端部1
0aがピン25を介して枢着されている。
26,26は上記ステップ用リンク21の各基端部21
aに一端部がピン27で枢着された左右一対の原節リン
ク、28,28は両端部28a,28bがそれぞれピン
30,31を介して上記原節リンク26の他端部および
従節リンク24の延長部24aに枢着された連接リンク
である。上記ステップ用リンク21の一部、原節リンク
26、従節リンク24の一部および連接リンク28によ
り、4節平行リンク機構29が構成されている。32は
上記ピン30に支承されたガイドローラであり、上記固
定体としての支持杆取付金具19における垂直面19a
に沿って上記原節リンク26をガイドさせることによ
り、上記リンク機構29を介して梯子9の自重降下を第
2図に示すように、所定の角度θをもった方向へ規制す
るように構成されている。
なお、上記ステップ用リンク21,21の各外側面に
は、折り畳まれる際の梯子9の横ずれを阻止するために
一対の整列用当て板66,66が設けられている。ま
た、67は上記従節リンク24の他端に設けられたスト
ッパー部材である。
上記一対の支持杆取付金具19,19間には、ブレーキ
取付板33が固定されており、このブレーキ取付板33
には、上記梯子9の自重降下時に動作する緩降装置34
が取り付けられている。35は上記梯子9の格納時の引
き上げ用のワイヤロープであり、その一端は、上記梯子
9の最下端側となる縦材連結棒36にフック37を介し
てつながれており、他端側は後述する捲上ドラムに巻回
されている。
第8図乃至第11図において、38は上記緩降装置34
における後面開放の金属製の円筒コップ形ハウジングで
あり、このハウジング38はその後端開口を閉じるよう
に上記ブレーキ取付板33にボルト39等で固定されて
いる。40はハウジング38の軸心に位置して配設され
た回転軸であり、その両端部40a,40bは上記ハウ
ジング38の前側壁38aおよび上記取付板38に軸受
41,42を介して回転可能に支承されており、この回
転軸40に上記ワイヤロープ35を矢印a方向の回転で
巻き込む捲上ドラム43が固定されている。44は、上
記回転軸40の前端部40aにねじ体45で固定された
ラチェットである。46は上記ブレーキ取付板33にス
ペーサ部材47やボルト48により固定されたレバー取
付板であり、このレバー取付板46には、先端側がハウ
ジング38の切欠孔49から侵入して上記ラチェット4
4に係脱可能に係合するラチェットレバー50が軸51
を介して上下方向へ回動可能に支持されている。このラ
チェットレバー50には、第10a図および第10b図
に示すコイルばね52によりその先端が上記ラチェット
44に係合する方向へのばね力が付与されており、これ
により、上記捲上ドラム43がワイヤロープ35の繰り
出し方向(矢印b方向)へ回転するのを阻止させてい
る。
上記レバー取付板46には、上記ラチェットレバー50
の基端部に対する押下げ動作でラチェット44との係合
を解除して上記ワイヤロープ35を繰り出させるペダル
53が取り付けられている。54は上記レバー取付板4
6にボルト55で回動可能に枢着された復帰レバーであ
り、ラチェットレバー50の押下時にコイルばね56の
ばね力により第10a図および第10b図の時計方向へ
回動してラチェットレバー50の押下状態、すなわちラ
チェット44に対する係合解除状態を保持するようにな
っている。
上記回転軸40には、第11図のように金属製の円盤形
ブレーキ取付板57が嵌挿されてねじ体58で固定され
ており、このブレーキ取付板57の前側面には、ポリア
セタールのような合成樹脂で円弧状に形成された複数、
たとえば2つのブレーキ片59A,59Bが円周方向に
等間隔に配置されており、これら両ブレーキ片59A,
59Bの各基端部59aは互いに点対称位置でリベット
のような支持ピン60A,60Bにより半径方向へ回動
可能に枢着されている。
上記ブレーキ片59A,59Bの各基端部の前側面に
は、上記支持ピン60A,60Bに枢着されて半径方向
へ揺動可能とされた板形の振り子部材61A,61Bの
各基端部が枢着され、また上記ブレーキ片59A,59
Bの各自由端部の後側面には、半径方向へ揺動可能に設
定れる板形の振り子部材62A,62Bの各基端部が支
持ピン63A,63Bを介してそれぞれ枢着されてい
る。上記振り子部材61Aの自由端部と振り子部材62
Bの自由端部とは互いに対向しており、そこには、ブレ
ーキ片59A,59Bと同一平面内において、支持ピン
64を介して円形の重錘65Aが揺動自在に枢着されて
おり、また、振り子部材61Bの自由端部と振り子部材
62Aの自由端部も互いに対向しており、そこには、同
様に円形の重錘65Bが揺動自在に枢着されている。こ
れら重錘65A(65B)は、ワイヤロープ35の繰り
出し時の回転軸40の回転による遠心力で上記振り子部
材61A(61B),62B(62A)を介して両ブレ
ーキ片59A,59Bを径方向へ変位させてハウジング
38の周壁38bに圧接させるように構成されている。
つぎに、上記構成の動作について説明する。
パンタグラフ式梯子9は常時第3図および第4図に示す
ように格納箱3内に折り畳み状に格納されている。
火災等の非常時に、避難者が格納箱3の上蓋5を開放す
ると、リンク部材7,8により下蓋6も開放される。つ
いで、避難者がペダル53を踏み込むと、ラチェットレ
バー50が押し下げられてラチェット44に対する係合
が解除され、これと同時に、復帰レバー54が第10a
図の時計方向へ回動して第10b図のようにラチェット
レバー50を解除位置に保持する。
上記ラチェット44が開放されると同時に、避難用梯子
9がその自重降下で伸長して階下のベランダまで到達す
る。
ところで、上記梯子9の降下開始時(第7図)に、4節
リンク機構29における原節リンク26に対してガイド
ローラ32が第6図のように支持杆取付金具19の垂直
面19aに沿って移動してガイドされて従節リンク24
の拡開変位を規制する。これにより、上記梯子9は第2
図のように垂直面19aに対して所定の角度θをもって
斜め下方へ向けて降下して階下ベランダの床面に届き、
所定の傾斜姿勢に自動的にセットされることになる。し
たがって、避難者は素早く梯子9に伝わって階下に降り
ることができる。さらに、梯子9が所定の角度θをもっ
て降下するので、階下側での梯子9の到達点が明確にな
り、階下に対する安全性も確保することが可能である。
また、上記梯子9の降下角度θが一定に規制されること
によって、梯子9の伸長具合も一定に保たせることがで
きる。
一方、上記ラチェット44の開放によって梯子9につな
がれているワイヤロープ35を巻回している捲上ドラム
43を通して回転軸40に回転力が与えられる。この回
転軸40の回転により緩降装置34におけるブレーキ取
付板57が回転すると、上記重錘65A,65Bが遠心
力で径方向外方へ変位して振り子部材61A,62Bな
らびに61B,62Aを同方向へ揺動変位させるので、
上記ブレーキ片59A,59Bが第12a図の位置から
各支持ピン60A,60Bを支点にして第12b図に示
すように径方向外方へ回動して倍力作用でハウジング3
8の周壁38bに圧接し、これによって生じる摩擦力で
回転軸40を制動して一定の回転速度にするので、上記
避難梯子9は自重による降下速度が制御されてゆっくり
と伸長しながら階下の床面近くで停止し、上記梯子9に
は大きな衝撃を伴なうことなない。
また、上記した緩降装置34においては、重錘65A,
65Bにより駆動制御されるブレーキ片59A,59B
を重錘65A,65B等と同一平面内において径方向へ
変位させるようにしているので、軸方向の小寸法化を図
り易い。特に、重錘65A,65Bの遠心力による変位
方向とブレーキ片59A,59Bの変位方向とが同一方
向であるので、重錘65A,65Bの変位に応動する制
動動作がスムースになされることになる。
上記避難梯子9の使用後は、復帰レバー54を第10b
図の状態からコイルばね56のばね力に抗して反時計方
向へ回動させて第10a図の位置に設定することによ
り、ラチェットレバー50がコイルばね52のばね力で
復帰し、その先端がラチェット44に係合する。この状
態で、ハンドル(図示せず)を回転軸40の前端部40
aに差し込んだ後、ハンドルを廻してワイヤロープ35
を捲上ドラム43に巻き込んでいくと、上記ワイヤロー
プ35に最下位でつながれている波9は最下段側から折
り畳まれて引き上げられる。ついで、上蓋5を閉鎖する
と、下蓋6も閉鎖されて上記梯子9は格納箱3内に格納
される。
〔考案の効果〕
以上のように、この考案によれば、自重降下で伸張可能
なパンタグラフ式梯子の支持杆と該梯子の最上段となる
側とを4節平行リンク機構を介して連結し、この4節平
行リンク機構に設けたガイドローラを固定体の垂直面に
沿って転動させて梯子の降下方向を所定の角度に規制す
るようにしたので、梯子を人の降りやすい傾き姿勢に自
動的にセットすることができるとともに、階下側の床面
への到達点のずれも殆んどなく、階下に対する安全性も
確保することができる。したがって、緊急を要するこの
種の避難梯子装置として非常に安全に使用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はそれぞれこの考案の実施例の避難
梯子装置を示す正面図および側面図、第3図および第4
図はそれぞれ避難梯子の格納部分の半縦断上面図および
側面図、第5図および第6図はそれぞれ避難梯子の支持
部分の拡大正面図および側面図、第7図は避難梯子の降
下開始時の説明図、第8図および第9図はそれぞれ避難
梯子装置における緩降装置を示す上面図および正面図、
第10a図および第10b図はそれぞれラチェットレバ
ーおよび復帰レバーを異なる動作状態で示す側面図、第
11図は緩降装置の断面図、第12a図および第12b
図はそれぞれ緩降装置の要部の動作説明図である。 3……格納箱、9……梯子、15……枠組体、18……
支持杆、19……支持杆取付金具(固定体)、19a…
…垂直面、26……原節リンク、28……連接リンク、
29……4節平行リンク機構、32……ガイドローラ。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】自重降下で伸長可能なパンタグラフ式梯子
    を折り畳み状態に収納する格納箱に設けられた梯子用支
    持杆と上記梯子の最上段となる枠組体とを4節平行リン
    ク機構を介して連結し、このリンク機構における原節リ
    ンクと連接リンクとの連結点に、上記原節リンクを固定
    体の垂直面に沿ってガイドして、上記リンク機構を介し
    て梯子の降下を所定の角度をもった方向へ規制するガイ
    ドローラを枢着したことを特徴とする避難梯子装置。
JP10390990U 1990-10-01 1990-10-01 避難梯子装置 Expired - Lifetime JPH0631120Y2 (ja)

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JPH0462800U JPH0462800U (ja) 1992-05-28
JPH0631120Y2 true JPH0631120Y2 (ja) 1994-08-22

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