JPH06310141A - 水素吸蔵合金電極およびその製造法 - Google Patents

水素吸蔵合金電極およびその製造法

Info

Publication number
JPH06310141A
JPH06310141A JP5124971A JP12497193A JPH06310141A JP H06310141 A JPH06310141 A JP H06310141A JP 5124971 A JP5124971 A JP 5124971A JP 12497193 A JP12497193 A JP 12497193A JP H06310141 A JPH06310141 A JP H06310141A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
alloy
hydrogen storage
storage alloy
plating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5124971A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichiro Tsuji
庸一郎 辻
Koji Yamamura
康治 山村
Hajime Seri
肇 世利
Naoko Maekawa
奈緒子 前川
Tsutomu Iwaki
勉 岩城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP5124971A priority Critical patent/JPH06310141A/ja
Publication of JPH06310141A publication Critical patent/JPH06310141A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高活性、高容量で、長寿命の水素吸蔵合金電
極を提供する。 【構成】 水素吸蔵合金粉末を含む電極の表面に、Ni
−Co−M合金またはNi−Mo−M合金(MはFe、
CuおよびWよりなる群から選ばれる少なくとも1種)
をメッキする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素吸蔵合金を使用し
た電極およびその製造法に関するものである。さらに詳
しくは、ニッケル−水素蓄電池などのアルカリ蓄電池に
有用な水素吸蔵合金電極およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の電源として広く使われている蓄電
池としては、鉛蓄電池とアルカリ蓄電池がある。このう
ちアルカリ蓄電池は、高信頼性が期待でき、小形軽量化
も可能などの理由から小型電池は各種ポ−タブル機器用
に、また大型電池は産業用にそれぞれ使われてきた。こ
のアルカリ蓄電池において、正極は一部空気極や酸化銀
極なども取り上げられているが、ほとんどの場合ニッケ
ル極である。ポケット式から焼結式に代わって特性が向
上し、さらに密閉化が可能になるとともに用途も広がっ
た。一方、負極としてはカドミウムの他に亜鉛、鉄、水
素などが対象となっている。最近、一層の高エネルギ−
密度を達成するために、水素吸蔵合金電極を使ったニッ
ケル−水素蓄電池が注目され、製法などに多くの提案が
されている。
【0003】水素吸蔵合金極の製法としては、合金粉末
を焼結する方式と、発泡状金属、繊維状金属、パンチン
グメタルなどの多孔性支持体に合金粉末を充填ないし塗
着する方式のペ−スト式とがある。このうち製法が簡単
なのがペ−スト式である。水素吸蔵合金は、カドミウム
極や亜鉛極などと同様に電子伝導性の点で比較的優れて
いるので、非焼結式電極の可能性は大きい。すなわち、
水素吸蔵合金粉末を結着剤とともにペ−スト状とし、こ
れを3次元あるいは2次元構造の多孔性導電板に充填あ
るいは塗着する方法である。その中で、水素吸蔵合金電
極の特性を改善するために、たとえば水素吸蔵合金粉末
の粒子表面をニッケルや銅でメッキして多孔性の金属層
を形成する技術が、とくに耐酸化性、利用率、成形性を
改善するものとして知られている(特開平2−2018
70号公報)。しかし、これらの方法でもまだ特性は充
分ではなく、また、合金粒子すべてにメッキすることは
電極の重量あたりのエネルギー密度の低下を招く不都合
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の水素吸蔵合金を
用いた電池は、充放電サイクルの初期での充放電特性
や、利用率、高率放電特性がいまだ満足された特性にな
っていない。特に、実際の電極での合金の重量あたりの
放電容量はその合金の持つ能力の80%程度であった。
すなわち、水素吸蔵合金を電極にした場合、例えば合金
粉末に導電材として多量のNi粉末を混合して作製した
ような理想的な電極での放電容量に比べて、ペースト式
電極などの実際の電池で使用される電極の放電容量は、
80%程度に低下してしまう。この利用率の向上が電極
の高容量化に対して重要な課題であった。本発明は、前
記従来技術の課題を解決するため、合金の利用率を向上
し、高容量、高活性な水素吸蔵合金電極およびその製造
法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の水素吸蔵合金電極は、水素を電気化学的に
吸蔵・放出する水素吸蔵合金粉末を含む電極であって、
前記電極表面にNi−Co−M合金またはNi−Mo−
M合金(ただし、MはFe、CuおよびWよりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種)がメッキされていることを
特徴とする。
【0006】さらに、本発明の水素吸蔵合金電極の製造
法は、前記のメッキされた電極を真空中あるいは水素ガ
ス中において300〜1000℃で熱処理することを特
徴とする。前記構成においては、水素吸蔵合金の主成分
が、一般式ABα(α=1.5〜2.5)で表され、合
金相が実質的に金属間化合物のラーバス(Laves)
相に属し、その結晶構造が六方対称のC14型および/
または立方対称のC15型であることが好ましい。ま
た、前記構成においては、メッキ合金中のNi量は50
重量%以上、メッキ合金中のM元素の割合は15重量%
以下が好ましい。また、前記構成においては、水素吸蔵
合金粉末によって形成された電極に対する合金メッキ量
は、水素吸蔵合金重量に対して1〜10%程度が好まし
い。
【0007】
【作用】本発明により、電極表面にNi−Co−M合金
またはNi−Mo−M合金をメッキすることにより、水
素吸蔵合金の利用率を向上し、高容量、高活性な水素吸
蔵合金電極とすることができる。すなわち、電極の高容
量化、急速充放電特性、寿命の改善が図れる。また、水
素吸蔵合金の主成分が、一般式ABα(α=1.5〜
2.5)で表され、合金相が実質的に金属間化合物のラ
ーバス相に属し、その結晶構造が六方対称のC14型お
よび/または立方対称のC15型であると、さらに電極
の前記特性の改善が図れる。さらに、前記のメッキされ
た電極を真空中、あるいは水素ガス中で300〜100
0℃で熱処理することによって電極の上記特性の改善が
図れる。
【0008】熱処理温度に関しては、300℃より低い
温度では還元力が弱く、活性の向上がみられない。ま
た、1000℃より高い温度では、水素吸蔵合金の融点
に近づくため、メッキ層との焼結が急速に進行し、合金
の水素吸蔵量が減少することにより、電極容量が減少す
る。メッキ合金中の成分量は、Niはアルカリ溶液中で
メッキ層のマトリックスとして働くことや、水素化反応
に対する触媒効果があることから、50重量%以上であ
ることが望ましい。また、Fe、Cu、Wの添加効果
は、現在のところまだはっきりわかっていないが、おそ
らくこれら遷移元素の添加によって水素の吸着エネルギ
ーが変化すること、あるいは、メッキ合金の析出形態が
変化することによるものであると考えられる。したがっ
て、これらの添加量は15重量%以下で充分であり、そ
れ以上加えても特性は良くならない。
【0009】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく
説明する。 [実施例1]水素吸蔵合金には、主たる合金相がC15
型ラーバス相である合金の一例としてZrMn0.65
0.2Ni1.2合金を用いた。これを機械的に38μm以下
に粉砕し、ポリビニルアルコールの3重量%水溶液を加
えてペーストにした。ついで、このペ−ストを多孔度9
5%、厚さ0.8mmの発泡状ニッケル板に充填し、厚
さ方向に加圧圧縮して電極とした。この電極に、Ni、
Co、Mの塩を含むメッキ液を用いてメッキを行った。
Feを含むメッキを行った電極を電極Aとする。同様に
Cuを含むメッキをしたものを電極B、Wを含むメッキ
をしたものを電極Cとする。それぞれの電極のメッキ合
金中の各元素の割合は、電極AがNi63%、Co27
%、Fe10%、電極BがNi67%、Co21%、C
u12%、電極CがNi58%、Co34%、W8%で
あった。比較例として、メッキを行わない電極を電極
D、Ni−Co合金をメッキした電極を電極Eとする。
電極EのCo量は、Niに対して40%である。また、
メッキ量はすべての電極において、水素吸蔵合金重量に
対して8%とした。
【0010】これらの電極を負極とし、対極に過剰の電
気容量を有する酸化ニッケル電極を配し、電解液に比重
1.30の水酸化カリウム水溶液を用い、電解液が豊富
な条件下で水素吸蔵合金負極で容量規制をする開放系で
充放電を行った。充電は水素吸蔵合金1gあたり100
mAで5.5時間、放電は合金1gあたり50mAで端
子電圧が0.8Vまでとした。この結果を図1に示す。
電極Dは、充放電サイクル初期での放電容量が低く、飽
和放電容量に達するまでに4サイクル以上を要し、飽和
容量も0.336Ah/gと小さい。また、電極Eは、
活性化が早くなり、飽和容量も0.352Ah/gに増
大している。電極A、B、Cは、電極Eに比べて、さら
に活性化が早くなり、飽和容量も0.36Ah/g以上
まで増加している。また、20サイクル充放電を行った
時の容量低下は、電極Dが飽和容量から0.02Ah/
g程度減少したのに対し、メッキを行った電極A、B、
C、Eは、ほとんど減少がみられなかった。したがっ
て、本発明による電極は、初期活性に優れ、合金の利用
率、サイクル特性が向上していることがわかる。
【0011】次に、上記の電極を使用して密閉電池を構
成した結果について説明する。先の電極A、B、C、
D、Eをそれぞれ幅3.3cm、長さ21cm、厚さ
0.50mmに調整し、リード板を所定の2カ所に取り
付けた。そして、正極、セパレータと組み合わせて渦巻
き状に捲回にしてSCサイズの電槽に収納した。このと
きの正極は、公知の発泡式ニッケル電極を選び、幅3.
3cm、長さ16cmとして用いた。この場合もリード
板を2カ所に取り付けた。またセパレータには、親水性
を付与したポリプロピレン不織布を用いた。電解液とし
ては、比重1.30の水酸化カリウム水溶液に水酸化リ
チウムを30g/l溶解したものを用いた。これを封口
して密閉形電池とした。この電池は、正極容量規制で、
公称容量は3.0Ahである。このような密閉形電池
で、負極に電極Aを用いて構成した電池を電池a、同様
に電極B、C、D、Eを用いた電池をそれぞれ電池b、
c、d、eとする。
【0012】これらの電池をそれぞれ10個ずつ作成
し、充放電サイクル試験によって評価した。20℃にお
いて、5時間率で容量の150%を定電流充電し、同様
に5時間率で1.0Vまで定電流放電をしたところ、電
池a、b、c、eの放電容量は1サイクル目からほぼ
3.0Ahであった。つまり正極規制の電池になってい
ると考えられる。ところが電池dは、平均放電電圧は
1.05Vであり、放電容量は1サイクルで2.4A
h、2サイクル目からほぼ3.0Ahとなった。これは
負極の活性化がメッキ処理によって早められたためであ
ると考えられる。
【0013】これらの電池を充放電サイクルを繰返して
充分に活性化した後、20℃において5時間率で150
%充電し、20℃および0℃において1時間率で終止電
圧1.0Vまで放電した。このときの放電容量の20
℃、5時間率放電時の放電容量に対する放電容量比、お
よび放電時の中間電圧を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】表1から電池a、b、cは、高率放電にお
いて優れた特性を示すことがわかる。特に、放電電位が
高くなっているが、これは、メッキによって放電過電圧
が減少したことによると考えられる。次に、各電池それ
ぞれ5セルを用い、1/2時間率で150%充電し、1
/2時間率で1.0Vまで放電する定電流充放電により
寿命特性を比較した。その結果を図2に示す。電池a、
b、cは、600サイクルでそれぞれ初期放電容量の9
3%、90%、92%を維持しているが、電池eは86
%である。また、電池dは、300サイクルで負極律速
になり、初期の80%まで容量が低下した。このように
本発明による水素吸蔵合金電極を用いた電池は、寿命特
性も向上する。
【0016】[実施例2]水素吸蔵合金に、主たる合金
相がC15型ラーバス相である合金の一例としてZrM
0.6Cr0.10.2Ni1.3合金を用いた。まず、電極作
製について説明する。前記の合金を機械的に38μm以
下に粉砕し、ポリエチレン粉末を3重量%加え、アルコ
ールでペーストにした。このペ−ストを多孔度95%、
厚さ0.8mmの発泡状ニッケル板に充填し、加圧して
電極を得た。この電極に、Ni、Mo、Mの塩を含むメ
ッキ液を用いてメッキを行った。Feを含むメッキをし
た電極を電極Fとする。同様にCuを含むメッキをした
ものを電極G、Wを含むメッキをしたものを電極Hとす
る。それぞれの電極のメッキ合金中の各元素の割合は、
電極FがNi75%、Mo19%、Fe6%、電極Gが
Ni73%、Mo17%、Cu10%、電極HがNi6
5%、Mo23%、W12%であった。比較例として、
メッキを行わない電極を電極I、Ni−Mo合金をメッ
キした電極を電極Jとする。電極JのMo量は、Niに
対して30%である。また、メッキ量はすべての電極に
おいて、水素吸蔵合金重量に対して5%とした。
【0017】これらの電極を負極とし、対極に過剰の電
気容量を有する酸化ニッケル電極を配し、電解液に比重
1.30の水酸化カリウム水溶液を用い、電解液が豊富
な条件下で水素吸蔵合金負極で容量規制をする開放系で
充放電を行った。充電は水素吸蔵合金1gあたり100
mAで5.5時間、放電は合金1gあたり50mAで端
子電圧が0.8Vまでとした。この結果を図3に示す。
電極Iは、充放電サイクル初期での放電容量が低く、飽
和放電容量に達するまでに7サイクル以上を要し、飽和
容量も0.33Ah/gと小さい。また、電極Jは、活
性化が早くなり、飽和容量も0.344Ah/gに増大
している。電極F、G、Hは、電極Jに比べて、さらに
活性化が早くなり、飽和容量も0.36Ah/g程度ま
で増加している。
【0018】次に、これらの電極を使用して密閉電池を
構成した結果について説明する。先の電極F、G、H、
I、Jをそれぞれ幅3.3cm、長さ21cm、厚さ
0.50mmに調整し、リード板を所定の2カ所に取り
付けた。そして、正極、セパレータと組み合わせて渦巻
き状に捲回してSCサイズの電槽に収納した。このとき
の正極は、公知の発泡式ニッケル電極を選び、幅3.3
cm、長さ16cmとして用いた。この場合もリード板
を2カ所に取り付けた。またセパレータは、親水性を付
与したポリプロピレン不織布を用いた。電解液として
は、比重1.30の水酸化カリウム水溶液に水酸化リチ
ウムを30g/l溶解したものを用いた。これを封口し
て密閉形電池とした。この電池は、正極容量規制で公称
容量は3.0Ahである。このような密閉形電池で、電
極Fを用いた電池を電池f、同様に電極G、H、I、J
を用いた電池をそれぞれ電池g、h、i、jとする。
【0019】これらの電池をそれぞれ10個ずつ作成し
て充放電サイクル試験によって評価した結果を説明す
る。20℃において5時間率で容量の150%まで定電
流充電し、同様に5時間率で1.0Vまで定電流放電を
したところ、電池f、g、h、jの放電容量は1サイク
ル目からほぼ3.0Ahであった。つまり正極規制の電
池になっていると考えられる。ところが電池iは、平均
放電電圧は1.01Vであり、放電容量は1サイクルで
3.0Ahに達せずサイクルの増加と共に放電容量が増
大し、正極規制になるまでに3サイクルを必要とした。
【0020】これらの電池を充分に充放電サイクルを繰
返した後、20℃において5時間率で150%まで充電
し、20℃および0℃において1時間率で終止電圧1.
0Vまで放電した。このときの放電容量の20℃、5時
間率放電時の放電容量に対する放電容量比、および放電
時の中間電圧を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】表2から電池f、g、hは、高率放電にお
いて優れた特性を示すことがわかる。特に、放電電位が
高くなっている。これはメッキによって放電過電圧が減
少したことによると考えられる。
【0023】[実施例3]本実施例では、メッキを行っ
た電極を熱処理する効果について説明する。実施例1、
2で用いた電極A、B、F、Hを水素雰囲気中で500
℃または、800℃で3時間熱処理を行った。これらの
電極を負極とし、対極に過剰の電気容量を有する酸化ニ
ッケル電極を配し、電解液に比重1.30の水酸化カリ
ウム水溶液を用い、電解液が豊富な条件下で水素吸蔵合
金負極で容量規制をする開放系で充放電を行った。充電
は水素吸蔵合金1gあたり100mAで5.5時間、放
電は合金1gあたり50mAで端子電圧が0.8Vまで
とした。電極Aに対する熱処理の効果の例を図4に示
す。熱処理温度が高いほどサイクル初期での活性化が早
くなっている。また、飽和容量は500℃では活性の増
加にともなって若干増加したが、800℃では若干減少
した。これはメッキ層と水素吸蔵合金との焼結によって
合金組成が変化したためであると考えられる。また、熱
処理による活性向上の効果は、メッキ層中の酸化され易
い遷移金属が熱処理によって還元され、より高い触媒活
性を示すようになったためであると考えられる。
【0024】同様に電極B、F、Hについても熱処理に
よって活性の向上がみられた。次に、これらの電極を使
用して密閉電池を構成した結果について説明する。実施
例1、2と同様の方法でそれぞれの電極を負極に用いて
SCサイズの密閉電池を構成した。いずれの電池も正極
容量規制で、公称容量は3.0Ahである。これらの電
池をそれぞれ10個ずつ作成し充放電サイクル試験によ
って評価した。20℃において5時間率で容量の150
%定電流充電し、同様に5時間率で1.0Vまで定電流
放電をしたところ、すべての電池は1サイクル目の充放
電から正極容量規制となっていた。これらの電池をさら
に充放電サイクルを繰返して充分に活性化した後、20
℃において5時間率で150%まで放電し、20℃およ
び0℃において1時間率で終止電圧1.0Vまで放電し
た。熱処理温度に対する0℃、1時間率放電での20
℃、5時間率放電容量に対する放電容量比と中間電圧の
関係を図5、図6に示す。中間電圧は、熱処理温度が高
いほど増加する傾向がみられた。また、放電容量も熱処
理温度が高いほど増加したが、熱処理温度が高いと合金
の容量が若干減少するために、放電容量比の増加の割合
は小さくなった。熱処理温度に関しては、300℃より
低い温度では還元力が弱く、活性の向上がみられなかっ
た。また、1000℃より高い温度では水素吸蔵合金の
融点に近づくため、メッキ層との焼結が急速に進行し、
合金の水素吸蔵量が減少するため、電極容量が減少し
た。
【0025】なお、上記の実施例では、合金成分Mとし
てそれぞれ1種類だけを用いた例を示したが、たとえば
FeとCuを同時に加えたり、3種類同時に加えるなど
しても同様に効果が得られる。しかし、メッキ浴中の元
素が多くなると、それだけ浴の管理が難しくなるため、
実際には1種類の元素の添加で充分な性能を得ることが
できる。なお、このような効果は、他の組成のAB2
ラーバス相合金はもちろんのこと、MmNi3.7Mn0.3
Al0.3Co0.7などのCaCu5構造を有するAB5型水
素吸蔵合金に対しても同様に得られた。
【0026】
【発明の効果】以上述べたことから明らかなように、本
発明によれば、従来からの問題であった合金の初期活
性、利用率を向上させ、充放電効率も改善することが可
能となり、高性能な水素吸蔵合金電極を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び従来例の水素吸蔵合金電極
の開放系における放電特性を比較した図である。
【図2】本発明の実施例及び従来例の電極を用いた密閉
電池の寿命を比較した図である。
【図3】本発明の実施例及び従来例の電極の開放系にお
ける放電特性を比較した図である。
【図4】本発明の実施例の電極の熱処理温度と開放系に
おける放電特性の関係を示した図である。
【図5】本発明の実施例の電極の熱処理温度と同電極を
用いた密閉電池の低温高率放電における容量の関係を示
した図である。
【図6】本発明の実施例の電極の熱処理温度と同電極を
用いた密閉電池の低温高率放電における中間電圧の関係
を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前川 奈緒子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 岩城 勉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素を電気化学的に吸蔵・放出する水素
    吸蔵合金粉末を含む電極であって、前記電極表面にNi
    −Co−M合金(ただし、MはFe、CuおよびWより
    なる群から選ばれる少なくとも1種)がメッキされてい
    ることを特徴とする水素吸蔵合金電極。
  2. 【請求項2】 水素を電気化学的に吸蔵・放出する水素
    吸蔵合金粉末を含む電極であって、前記電極表面にNi
    −Mo−M合金(ただし、MはFe、CuおよびWより
    なる群から選ばれる少なくとも1種)がメッキされてい
    ることを特徴とする水素吸蔵合金電極。
  3. 【請求項3】 主たる水素吸蔵合金が、一般式ABα
    (α=1.5〜2.5)で表され、合金相が実質的に金
    属間化合物のラーバス相に属し、その結晶構造が六方対
    称のC14型および立方対称のC15型の少なくとも一
    方の結晶構造を含む請求項1または2記載の水素吸蔵合
    金電極。
  4. 【請求項4】 水素を電気化学的に吸蔵・放出する水素
    吸蔵合金粉末を含む電極の表面に、Ni−Co−M合金
    またはNi−Mo−M合金(ただし、MはFe、Cuお
    よびWよりなる群から選ばれる少なくとも1種)のメッ
    キをした後、真空中あるいは水素ガス中において300
    〜1000℃で熱処理することを特徴とする水素吸蔵合
    金電極の製造法。
JP5124971A 1993-04-27 1993-04-27 水素吸蔵合金電極およびその製造法 Pending JPH06310141A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5124971A JPH06310141A (ja) 1993-04-27 1993-04-27 水素吸蔵合金電極およびその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5124971A JPH06310141A (ja) 1993-04-27 1993-04-27 水素吸蔵合金電極およびその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06310141A true JPH06310141A (ja) 1994-11-04

Family

ID=14898755

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5124971A Pending JPH06310141A (ja) 1993-04-27 1993-04-27 水素吸蔵合金電極およびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06310141A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3246345B2 (ja) アルカリ蓄電池用ニッケル正極とこれを用いたニッケル・水素蓄電池
JP3010724B2 (ja) 電池用水素吸蔵合金極
JPH0765833A (ja) 水素吸蔵合金電極
JPH05101821A (ja) 水素吸蔵合金電極の製造法
JP2579072B2 (ja) 水素吸蔵合金電極
JP3533766B2 (ja) 水素吸蔵合金電極およびその製造法
JP3136738B2 (ja) 水素吸蔵合金電極の製造法
JPH06310141A (ja) 水素吸蔵合金電極およびその製造法
JP2987873B2 (ja) アルカリ蓄電池
JP2553780B2 (ja) 水素吸蔵合金電極
JP2000012011A (ja) ニッケル−水素蓄電池の製造方法
JP3370111B2 (ja) 水素吸蔵合金電極
JP3189361B2 (ja) アルカリ蓄電池
JP2586752B2 (ja) 水素吸蔵合金電極
JP3118812B2 (ja) アルカリ蓄電池
JP2929716B2 (ja) 水素吸蔵合金電極
JP3092262B2 (ja) 水素吸蔵合金電極の製造法
JPH073365A (ja) 水素吸蔵合金および水素吸蔵合金電極
JPS61168870A (ja) 金属−水素アルカリ蓄電池
JP2840336B2 (ja) 水素吸蔵合金電極の製造方法
JPH0582125A (ja) 水素吸蔵合金電極
JPS61233966A (ja) 密閉形ニツケル−水素蓄電池の製造法
JPH06124704A (ja) 水素吸蔵合金電極の製造法及び水素吸蔵合金電極
JPH06231760A (ja) 水素吸蔵合金電極及びその製造方法
JPH08319529A (ja) 水素吸蔵合金および水素吸蔵合金電極