JPH0630924Y2 - 浄水器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、浄水器、特に内部の汚染防止を行う浄水器に
関する。

（従来の技術） 従来の浄水器としては第６図に示す浄水器１００があ
る。浄水器１００は、たとえば、水道水中に含まれるカ
ルキ臭の原因となる残留塩素やカビ臭の原因となるジオ
スミン、２−メチルイソボルネオール等の有機物質を除
去するための活性炭等の吸着剤層１０１と、吸着剤層１
０１に繁殖した雑菌等を除去する膜モジュール１０２と
を備えている。すなわち浄水器１００を使用しない間に
吸着剤層１０１に繁殖した雑菌等が通水初期に濾過水に
混入することを防止するものである。

一方、このような膜モジュール１０２を用いると、膜モ
ジュール１０２によって除去した物質が膜面に徐々に堆
積し、膜の目詰まりによって膜モジュール１０２の通水
抵抗が増大し、所望の流量が得られなくなるので、予め
大量の中空系膜を膜モジュール１０２に充填する必要が
ある。また水道水中に錆等の微粒子が多いものにおいて
は膜モジュール１０２の寿命が著しく低下する。

そこで、上記膜モジュール１０２を洗浄する洗浄手段が
浄水器１００に設けられている。すなわち、第７図に示
すように、浄水器１００内に水道水の原水を吸着剤層１
０１と膜モジュール１０２に順に濾過させて濾過する濾
過系水路１０３，１１２と、膜モジュール１０２表面を
洗浄する洗浄系水路１１３とを備えている。両水路を経
た水は出口１１６から排出されるようになっている。

一方、浄水器には水道水の流路を濾過系水路１０３と洗
浄系水路１０４に切換えるための切換弁１１４が設けら
れている。１１７は、水道から原水をえるための原水取
水口であり、１１８は水道水を浄水器１００又は原水取
水口へ切換えて流す切換弁である。

第７図には上記浄水器１００の具体的構成を示してお
り、図において第６図に示したと同一要素には同一符号
を付して説明すると、１２０が有底円筒状のハウジング
で、このハウジング１２０内に筒状に構成された円筒状
隔壁１２１を介して膜モジュール１０２が挿入され、隔
壁１２１とハウジング１２０の間に形成される通水路１
０３に膜モジュール１０２を取囲むように吸着剤層１０
１が配設されている。一方、この膜モジュール１０２下
方、すなわちハウジング１２０の底部には逆止弁１３０
が配設され、膜モジュール１０２の上方には、ハウジン
グ１２０の開口部を閉塞する蓋体１２２に保持される切
換バルブ１１４が配設されている。この切換バルブ１１
４は切換レバー１１４ａを回動操作することにより流路
を切換えるようになっている。

また、水道の原水を取る場合には、切換弁１１８を原水
取水口１１７の方へ切り換え、浄水を得たい場合には切
換弁１１８を切り換えて浄水器１００を選択するように
なっている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記した従来技術の浄水器１００によれ
ば、水出口が２ケ所となるので不便であるという問題ま
た、浄水器１００をしばらく使わない場合、浄水器内部
に水の滞留が起こり、そのため細菌が繁殖して水の腐敗
が生じるという問題があった。

浄水器１００内部に水の滞留が起こり、水の腐敗が起こ
ることについては、しばらく浄水器１００を使わなかっ
た場合に、数分間浄水をたれ流しにして、内部の洗浄を
行うかまたはフラッシング機械を用いて数分間のフラッ
シングを行うように対応するが、この場合、あえて洗浄
を行わなければならない手間と、たれ流しにするときに
水の無駄といった問題がある。

本考案は、上記諸問題に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、長期間に亘って浄水器を使用しない
場合において浄水をたれ流しして水を無駄にすることが
ないように内部の汚染を防止し得る浄水器を提供するこ
とにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を有する本考案は、水道蛇口から供給される水
道水中に含まれる異味臭及び細菌類を除去する浄化層を
有する浄水器において水道水を受け入れる水道水受入口
と、浄化された水道水を受け入れる浄水受入口と、浄水
器へ水道水を供給する水道水供給口と、水道水若しくは
浄水を出す出口と、水道水受入口、水道水供給口及び出
口間の流量を選択的に選択し得る弁体とからなる切換弁
を有し、前記弁体には、水道水受入口と水道水供給口あ
るいは出口と連通する通路と、該通路が水道水供給口あ
るいは出口と連通時に連通していない出口あるいは水道
水供給口と水道水受入口とを連通する前記通路の径より
小さい絞り部とを有する。

（作用） 而して、本考案の浄水器は、切換弁を有する。この切換
弁を有することによって原水選択時には、水道水はほと
んど大部分が通路を介してそのまま出入口から出るが、
極微量の水が絞り部を介して浄水器へ供給され内部での
水の滞留を防ぎ、腐敗を妨げる。この場合、浄水器への
供給割合は、絞り部で、調整され、浄化剤の寿命への負
担を極力抑え、かつ、浄水器内部の汚染防止効果に充分
なように設定され得る。

浄水選択時には、ほとんどの水が通路を介して浄水器に
導かれ、浄水が切換弁部に戻ってくるが、この時ごくわ
ずかの原水が絞り部を介して流れ出てきて浄水中に含ま
れる。

これによって、得られた浄水は、原水中のほとんどの異
臭味、微粒子等は除去されているが、殺菌剤であるカル
キが濃度０となることはなく安全な水といえる。また、
この状態で止水した場合にも、出水口先端部にはカルキ
が残ることになり、ここからの空気中に浮遊する雑菌等
による逆汚染といった現象は防ぐことができる。

（実施例） 以下、本考案を図示の実施例に基づいて説明する。第１
図は本考案の浄水器の切換弁で全体を１で表わす。切換
弁１は水道蛇口２の先端部に取り付けられる。切換弁１
は切換弁本体３を有する。切換弁本体３は、水道蛇口２
に取り付けられたネジ込み式リング３ａと切換弁本体の
ネジ込み式押えリング４とによって水道蛇口２に取りつ
けられている。５はゴムパッキンである。

一方、切換弁本体３には水道水受け入れる水道水受入口
６を有する。また浄水器７へ水道水を供給する水道水供
給口８が設けられ、切換弁本体３の下方には、水道水又
は浄水を出す出口９が設けられ、さらに切換弁本体２に
は、浄化された水道水を受け入れる浄水受入口１０が設
けられている。

また切換弁本体３中には、水道水受入口６と水道水供給
口８と出口９間の流量を選択的に選択し得る弁体９ａが
回動可能に取り付けられている。弁体９ａには、通常の
径を有する通路１１と、狭い径を有する絞り部１２とを
有する。

また、弁体９ａには弁体９ａを回動させるように、ハン
ドル１３が設けられている。

一方、浄水器７は、たとえば、水道水中に含まれるカル
キ臭の原因となる残留塩素やカビ臭の原因となるジオス
ミン、２−メチルイソボルネオール等の有機物質を除去
するための活性炭等の吸着剤層と、吸着剤層に繁殖した
雑菌等を除去する膜モジュールとを備えている。すなわ
ち浄水器７を使用しない間に吸着剤層に繁殖した雑菌等
が通水初期に濾過水に混入することを防止するものであ
る。この吸着剤層と膜モジュールによって浄化層が形成
されている。

このように構成された浄水器は次のように作動する。

原水選択時には、第１図及び第２図に示すように、水道
水受入口６と出口９は弁体９ａの通路１１で連通され、
水道水受入口６と水道水供給口８とは絞り部１２で連通
される。この場合、水道水はほとんど大部分がそのまま
出口９から出るが、極微量の水が水道水供給口８を介し
て浄水器７へ供給され浄水器７内部での水の滞留を防
ぎ、腐敗を妨げる。この、浄水器７への供給割合は絞り
部１２で、調整され、浄化剤の寿命への負担を極力抑
え、かつ、浄水器７内部の汚染防止効果に充分なように
設定され得る。

浄水選択時には、第３図及び第４図に示すように、ハン
ドル１３を回転させて水道水受入口６と水道水供給口８
とは通路１１で連通され水道水受入口６と出口９は絞り
部１２で連通される。このようにしてほとんどの水が浄
水器７に導かれ、浄水が切換弁部に戻ってくるが、この
時ごくわずかの原水が浄水中に含まれる。

これによって、得られた浄水は、原水中のほとんどの異
臭味、微粒子等は除去されているが、殺菌剤であるカル
キが濃度０となることはなく、安全な水といえる。ま
た、この状態で止水した場合にも、出口９の先端部には
カルキが残ることになり、ここからの空気中に浮遊する
雑菌等による逆汚染といった現象は防ぐことができる。

第５図は、本考案の浄化器の構造を示しており、(a)は
原水選択時の流れを示し、(b)は浄水選択時の水の流れ
を示す。第５図(a)(b)の切換弁１中の点線は、絞り部１
２を通過する微少量の水の流れを示す。

（考案の効果） 本考案は、上記したような構成を有するために、原水選
択時には浄水器へ少量の水道水が絞り部を介して供給さ
れて水の滞留を防ぎ水の腐敗を防止できる。この場合、
浄水器への供給割合は、絞り部で、調整され、浄化剤の
寿命への負担を極力抑え、かつ、浄水器内部の汚染防止
効果に充分なように設定され得る。

一方、浄水選択時には絞り部を介して少量の原水を浄水
中に含ませるため、カルキがわずかに含まれて安全な水
が得られる。また、この状態で止水した場合にも、出口
の先端部にはカルキが残ることになり、ここからの空気
中に浮遊する雑菌等による逆汚染といった現象は防ぐこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、本考案の浄水器の原水選択時の切
換弁の縦断面図、第３図及び第４図は、本考案の浄水器
の浄水選択時の縦断面図、第５図(a)(b)は、本考案の浄
水器の構成図であり、(a)は原水選択時の構成図、(b)は
浄水選択時の構成図、第６図は、従来技術の浄水器の構
成図、第７図は従来技術の浄水器の縦断面図である。 符号の説明 １……切換弁、２……水道蛇口 ３……切換弁本体、３ａ……ネジ込み式リング ６……水道水受入口、７……浄水器 ８……水道水供給口、９……出口 １２……絞り部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水道蛇口から供給される水道水中に含まれ
   る異味臭及び細菌類を除去する浄化層を有する浄水器に
   おいて、 水道水を受け入れる水道水受入口と、浄化された水道水
   を受け入れる浄水受入口と、浄水器へ水道水を供給する
   水道水供給口と、水道水若しくは浄水を出す出口と、水
   道水受入口、水道水供給口及び出口間の流量を選択的に
   選択し得る弁体とからなる切換弁を有し、 前記弁体には、水道水受入口と水道水供給口あるいは出
   口と連通する通路と、該通路が水道水供給口あるいは出
   口と連通時に連通していない出口あるいは水道水供給口
   と水道水受入口とを連通する前記通路の径より小さい絞
   り部とを有することを特徴とする浄水器。