JPH06308669A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH06308669A
JPH06308669A JP5098096A JP9809693A JPH06308669A JP H06308669 A JPH06308669 A JP H06308669A JP 5098096 A JP5098096 A JP 5098096A JP 9809693 A JP9809693 A JP 9809693A JP H06308669 A JPH06308669 A JP H06308669A
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JP
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dye
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silver halide
sensitive material
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JP5098096A
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Akira Onishi
明 大西
Taketoshi Yamada
岳俊 山田
Yasushi Usagawa
泰 宇佐川
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 良好な吸収スペクトル特性を有し、かつ耐拡
散性である染料を含有するハロゲン化銀写真感光材料を
提供する。 【構成】 支持体上に下記一般式〔I〕〜〔III〕
で表される染料の少なくとも1種を含有するハロゲン化
銀写真感光材料。 一般式〔I〕 一般式〔II〕 一般式〔III〕 〔式中、Rは水素原子等、R,R及びRはシア
ノ基、アルコキシカルボニル基等、Rは水素原子、ア
ルキル基等、Rはアルキル基等、を表す。Qはアリー
ル基、複素環基、Zは5員または6員の含窒素複素環を
形成するに必要な原子群、L,L及びLはメチン
基、1及びpは0または1、mは0,1または2、nは
1または2を表す。〕 上記一般式〔I〕〜〔III〕で表される染料の少な
くとも1種が、分子中にカルボキシ基、スルホンアミド
基、スルファモイル基から選ばれる基を少なくとも1つ
有し、かつ固体微粒子分散体として含有している記載
のハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な染料を含有する
ハロゲン化銀写真感光材料に関し、更に詳しくは迅速処
理中における流出脱色性が改良された新規な耐拡散性染
料を含有するハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料(以下、感光
材料と略す)には、鮮鋭性や色再現性等の優れた高画質
特性が要求されており、更に近年競合する電子写真材料
の即時性に対抗するために、より一層の処理時間の短
縮、即ち迅速処理適性が要求されている。
【0003】感光材料においては、光吸収フィルター、
ハレーション防止、イラジェーション防止あるいは感光
性乳剤の感度調節の目的で、特定の波長の光を吸収させ
るべく感光材料の構成層中に染料を含有させることはよ
く知られているところであり、染料によって親水性コロ
イド層を着色させることは従来から行われてきている。
【0004】上記の感光材料の構成層のうち、フィルタ
ー層は、通常感光性乳剤層の上層あるいは該乳剤層とも
う1つの乳剤層との間に位置し、乳剤層に到達する入射
光を好ましい分光組成に変える役割を果たすものであ
る。又、ハレーション防止層は画像の鮮鋭度を改良する
目的で感光性乳剤層と支持体との間に、あるいは支持体
裏面に設けて、乳剤層と支持体との界面や支持体背面等
での有害な反射光を吸収せしめて画像の鮮鋭性を向上さ
せている。
【0005】また、染料を用いて感光性乳剤層を着色し
て、ハロゲン化銀粒子に対する有害な反射光や散乱光等
を吸収させイラジェーションを防止することによって画
像の鮮鋭性を改良させることも行われている。
【0006】最近ではカラー写真感光材料における黄色
コロイド銀の代替を目的とした染料(以下「YC染料」
と称す)やX線写真感光材料におけるクロスオーバーカ
ット層の染着染料、印刷写真感光材料における非感光性
乳剤層を染着する染料等その用途は広がっている。
【0007】このような目的で用いられる染料として
は、その使用目的に応じて良好な吸収スペクトル特性を
有することは勿論、例えば現像処理中に完全に脱色さ
れ、現像処理中に感光材料中から容易に溶出され、処理
後に染料による残色汚染が生じないこと、感光性乳剤に
対してカブリ、減感等の悪影響を及ぼさないこと、着色
された層から他層へ拡散しないこと、感光材料あるいは
溶液中において、経時安定性に優れ、変褪色しないこと
等の諸条件を満足させるものでなければならない。
【0008】今日までに、前記諸条件を満足する染料を
見出すことを目的として、多数の研究が行われ、例えば
米国特許3,540,887号、同3,544,325号、同3,560,214
号、特公昭31-10578号及び特開昭51-3623号等にはベン
ジリデン染料が、また英国特許506,385号及び特公昭39-
22069号にはオキソノール染料が、米国特許2,493,747号
にはメロシアニン染料が、米国特許1,845,404号にはス
チリル染料がそれぞれ提案されている。
【0009】これら従来の染料のいくつかは、乳剤性能
に及ぼす作用が比較的小さく、処理工程において、漂白
・溶出・消色されるなどの性能を有しているが、耐拡散
性の点からみると不充分であった。即ち、複数の乳剤層
のうちの特定の層を選択的に着色させてフィルター層あ
るいはハレーション防止層として用いる場合は、他層へ
の拡散が著しく、光吸収効果が低下するばかりでなく、
他層に対して感度低下、階調変動やカブリ異常等の好ま
しくない作用を与えるという欠点がみられた。染料の他
層への拡散移行を防止する手段として染料自体を耐拡散
性にした、例えば米国特許2,538,008号、同2,539,009
号、同4,420,555号、 特開昭61-204630号、同62-32460
号、 同63-184749号などが開示されているが、これらの
染料のいずれもが脱色性や処理液に対する溶解性が優れ
ず、そのため残色汚染を多くするという欠点を有してい
る。
【0010】更に、媒染剤を用いた解離性染料を固着し
耐拡散化する方法として例えば、米国特許2,548,564号、
同3,625,694号及び同4,124,386号などが開示されてい
る。
【0011】しかし、媒染剤を用いる方法は、感光材料
構成層中のバインダーである例えばゼラチンが、媒染剤
と凝集物を形成したり、粘度を増加したりして塗布性に
ムラ、ハジキ等の重大な障害を招く欠点があり、また層
間の拡散の抑制も十分ではなく、しかも処理中の溶出
性、脱色性が悪く、高いpHの処理浴を必要としたり、
迅速処理適性に劣るという欠点があった。
【0012】更に別途方法として、染料自体のpKaを分
子設計することでpHの高い溶液で溶け易くした染料を、
固体微粒子分散体としてpHの低い親水性コロイド層中に
分散した例えば米国特許4,855,221号、同4,857,446号、
同4,948,717号、特開昭52-92716号、同55-155350号、 同
55-155351号、 同56-12639号、 同63-197943号、 特開平2-
110453号、 同2-1838〜9号、 同2-191942号、 同2-264247
号、 同2-264936号、 同2-277044号、 同4-37841号、 世界
特許88/04794号などが開示されている。
【0013】しかしながら、該方法は染料分子に必要な
pKaを与えるために構造的に染料種類が限定される結果
となり、所望の吸収波長を持った染料が得られにくいと
言う欠点があり、迅速処理での脱色性が十分ではなく、
残色汚染を生じる欠点があった。従って脱色性がよく、
所望の分光特性を有した耐拡散化染料が強く望まれてい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の第1の
目的は、感光性ハロゲン化銀乳剤層または非感光性コロ
イド層中に、良好な吸収スペクトル特性を有し、かつ耐
拡散性である染料を含有するハロゲン化銀写真感光材料
を提供することにある。
【0015】本発明の第2の目的は、写真処理工程中の
溶出性及び脱色性に優れ、かつ迅速処理適性に優れる染
料を含有するハロゲン化銀写真感光材料を提供すること
にある。
【0016】本発明の第3の目的は、感光性ハロゲン化
銀乳剤に対してカブリや減感等の写真特性に悪影響を与
えることのない染料を含有するハロゲン化銀写真感光材
料を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成またはによって達成される。
【0018】 支持体上に下記一般式〔I〕〜〔II
I〕で表される染料の少なくとも1種を含有するハロゲ
ン化銀写真感光材料
【0019】
【化2】
【0020】〔式中、R1は水素原子、アルキル基、ア
リール基を表し、R2,R3及びR4はシアノ基、アルコ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カル
バモイル基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基、スルファモイル基を表し、R5は水素
原子、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ア
シル基を表し、R6はアルキル基、アリール基を表す。
Qはアリール基、複素環基を表し、Zは5員または6員
の含窒素複素環を形成するに必要な原子群を表し、
1,L2及びL3はメチン基を表し、1及びpは0また
は1を表し、mは0、1または2を表し、nは1または
2を表す。〕 上記一般式〔I〕〜〔III〕で表される染料の少な
くとも1種が、分子中にカルボキシ基、スルホンアミド
基、スルファモイル基から選ばれる基を少なくとも1つ
有し、かつ固体微粒子分散体として含有していることを
特徴とする記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0021】以下に、本発明に係る一般式〔I〕〜〔II
I〕で示される染料について説明す。
【0022】一般式〔I〕〜〔III〕のR1,R5,及び
6で表されるアルキル基としては、例えばメチル基、
エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、t-ブチル
基、n-ヘキシル基、n-ペンチル基、n-オクチル基、2-エ
チルヘキシル基、n-ドデシル基、n-ペンタデシル基、エ
イコシル基等が挙げられる。該アルキル基は置換基を有
するものを含み、該置換基としては、例えばアルキル基
(例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピ
ル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基等)、ハロゲン原子
(例えば塩素、臭素、沃素、弗素等の各原子)、アリー
ル基(例えばフェニル基、ナフチル基等)、シクロアル
キル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル
基)、ヘテロ環基(例えばピロリジル基、ピリジル基、
フリル基、チエニル基等)、スルホン酸基、カルボキシ
ル基、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、アミノ基(例
えばアミノ基、ジエチルアミノ基等)、アルキルオキシ
基(例えばメチルオキシ基、エチルオキシ基、n-ブチル
オキシ基、n-オクチルオキシ基、イソプロピルオキシ基
等)、アリールオキシ基(フェニルオキシ基、ナフチル
オキシ基等)、カルバモイル基(例えばアミノカルボニ
ル基、メチルカルバモイル基、n-ペンチルカルバモイル
基、フェニルカルバモイル基等)、アミド基(例えばメ
チルアミド基、ベンズアミド基、n-オクチルアミド基
等)、アミノスルホニルアミノ基(例えばアミノスルホ
ニルアミノ基、メチルアミノスルホニルアミノ基、アニ
リノスルホニルアミノ基等)、スルファモイル基(例え
ばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、フェニ
ルスルファモイル基、n-ブチルスルファモイル基等)、
スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド基、n-
ヘプタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基
等)、スルフィニル基(例えばメチルスルフィニル基、
エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、オク
チルスルフィニル基等)、アルキルオキシカルボニル基
(例えばメチルオキシカルボニル基、エチルオキシカル
ボニル基、2-ヒドロキシエチルオキシカルボニル基、n-
オクチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカル
ボニル基(例えばフェニルオキシカルボニル基、ナフチ
ルオキシカルボニル基等)、アルキルチオ基(例えばメ
チルチオ基、エチルチオ基、n-ヘキシルチオ基等)、ア
リールチオ基(例えばフェニルチオ基、ナフチルチオ基
等)、アルキルカルボニル基(例えばアセチル基、エチ
ルカルボニル基、n-ブチルカルボニル基、n-オクチルカ
ルボニル基等)、アリールカルボニル基(例えばベンゾ
イル基、p-メタンスルホンアミドベンゾイル基、p-カル
ボキシベンゾイル基、ナフトイル基等)、シアノ基、ウ
レイド基(例えばメチルウレイド基、フェニルウレイド
基等)、チオウレイド基(例えばメチルチオウレイド
基、フェニルチオウレイド基等)等が挙げられる。
【0023】一般式〔I〕〜〔III〕のR1,R5及びR6
で表されるアリール基としては、例えばフェニル基、ナ
フチル基が挙げられる。該アリール基は置換基を有する
ものを含み、該置換基としては、例えば前記R1,R5
びR6で表されるアルキル基の置換基として挙げた前述
の基が挙げられる。
【0024】一般式〔I〕〜〔III〕のR2,R3,R4
びR5で表されるアルコキシカルボニル基としては、例
えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i-
プロポキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、ペ
ンチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル
基等が挙げられる。
【0025】一般式〔I〕〜〔III〕のR2,R3,R4
びR5で表されるアリールオキシ基としては、例えばフェ
ノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0026】一般式〔I〕〜〔III〕のR2,R3,R4
びR5で表されるアリールオキシカルボニル基として
は、例えばフェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキ
シカルボニル基等が挙げられる。
【0027】一般式〔I〕〜〔III〕のR2,R3,R4
びR5で表されるカルバモイル基としては、例えばアミ
ノカルボニル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバ
モイル基、i-プロピルカルバモイル基、t-ブチルカルバ
モイル基、ドデシルカルバモイル基、フェニルカルバモ
イル基、2-ピリジルカルバモイル基、4-ピリジルカルバ
モイル基、ベンジルカルバモイル基、モルホリノカルバ
モイル基、ピペラジノカルバモイル基等が挙げられる。
【0028】一般式〔I〕〜〔III〕のR2,R3,R4
びR5で表されるアシル基としては、例えばメチルカル
ボニル基、エチルカルボニル基、i-プロピルカルボニル
基、t-ブチルカルボニル基、オクチルカルボニル基、ド
デシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチル
カルボニル基等が挙げられる。
【0029】一般式〔I〕〜〔III〕のR2,R3及びR4
で表されるアリールスルホニル基としては、例えばフェ
ニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等が挙げられ
る。
【0030】一般式〔I〕〜〔III〕のR2,R3及びR4
で表されるアルキルスルホニル基としては、例えばメチ
ルスルホニル基、エチルスルホニル基、i-プロピルスル
ホニル基、ブチルスルホニル基、オクチルスルホニル
基、ドデシルスルホニル基等が挙げられる。
【0031】一般式〔I〕〜〔III〕のR2,R3,R4
びR5で表されるスルファモイル基としては、例えばア
ミノスルホニル基、メチルスルファモイル基、i-プロピ
ルスルファモイル基、t-ブチルスルファモイル基、ドデ
シルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基、2-
ピリジルスルファモイル基、4-ピリジルスルファモイル
基、モルホリノスルファモイル基、ピペラジノスルファ
モイル基等が挙げられる。
【0032】上記アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、カルバモイル基、アシル基、アルキ
ルスルホニル基、アリールスルホニル基及びスルファモ
イル基の各基は、置換基を有するものを含み、該置換基
としては、例えば前記R1,R5及びR6で表されるアル
キル基の置換基として挙げた前述の基が挙げられる。
【0033】一般式〔I〕〜〔III〕のR2として好まし
くは、シアノ基である。
【0034】一般式〔I〕のQで表されるアリール基と
しては、例えばフェニル基、ナフチル基、ジュロリジル
基等が挙げられる。また、Qで表される複素環として
は、例えばピリジン、キノリン、イソキノリン、ピロー
ル、ピラゾール、イミダゾール、インドール、フラン、
ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン等が挙げ
られる。
【0035】該アリール基及び該複素環は、置換基を有
するものを含み、該置換基としては、例えばアルキル
基、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
カルボキシ基、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト
基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシ
ル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、ウレイド基、
スルファモイル基、スルホンアミド基が挙げられ、これ
ら置換基を2種以上組み合わせてもよい。好ましくは、
炭素数1〜6のアルキル基(例えばメチル基、エチル
基、ブチル基、2-ヒドロキシエチル基等)、ヒドロキシ
基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子
等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、
メチレンジオキシ基、2-ヒドロキシエトキシ基、n-ブト
キシ基等)、置換アミノ基(例えば、ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基、ジ(n-ブチル)アミノ基、N-エ
チル-N-ヒドロキシエチルアミノ基、N-エチル-N-メタン
スルホンアミドエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリ
ジノ基、ピロリジノ基等)、カルボキシ基、スルホンア
ミド基(例えばメタンスルホンアミド基、ベンゼンスル
ホンアミド基等)、スルファモイル基(例えばスルファ
モイル基、メチルスルファモイル基、フェニルスルファ
モイル基等)があり、これら置換基を組み合わせてもよ
い。
【0036】一般式〔III〕のZで表される5員または
6員の含窒素複素環は、ベンゾ縮環したものも含み、例
えば、2H-ピリジン、4H-ピリジン、2H-キノリン、オキ
サゾリジン、オキサゾリン、ベンズオキサゾリン、チア
ゾリジン、チアゾリン、ベンズチアゾリン、ピロリジ
ン、2H-インドール、インドレニンが好ましい。該含窒
素複素環は、置換基を有するものを含み、該置換基とし
ては、前記Qで表されるアリール基、複素環基の置換基
として挙げた前述の基が挙げられる。
【0037】一般式〔I〕〜〔III〕のL1,L2及びL3
で表されるメチン基は、置換基を有するものを含み、該
置換基としては例えば炭素原子数1〜6のアルキル基
(例えばメチル、エチル、プロピル、イソブチル等)、
アリール基(例えばフェニル、p-トリル、p-クロロフェ
ニル等)、炭素原子数1〜4のアルコキシ基(例えばメ
トキシ基、エトキシ基)、アリールオキシ基(例えばフ
ェニル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、フェ
ネチル基等)、複素環基(例えばピリジル、フリル、チ
エニル等)、置換アミノ基(例えばジメチルアミノ、テ
トラメチレンアミノ、アニリノ等)、アルキルチオ基
(例えばメチルチオ基等)が挙げられる。
【0038】本発明の一般式〔I〕〜〔III〕で表され
る染料は、好ましくは分子中にカルボキシ基、スルホン
アミド基、スルファモイル基から選ばれる基を少なくと
も1つ有する染料である。
【0039】次に、本発明の染料の代表的具体例を挙げ
る。
【0040】
【化3】
【0041】
【化4】
【0042】
【化5】
【0043】
【化6】
【0044】
【化7】
【0045】
【化8】
【0046】
【化9】
【0047】
【化10】
【0048】
【化11】
【0049】
【化12】
【0050】
【化13】
【0051】
【化14】
【0052】
【化15】
【0053】
【化16】
【0054】
【化17】
【0055】本発明に用いられる一般式〔I〕〜〔II
I〕の染料は、H.Junek,Monatsh. chem.第95巻1201〜120
6頁(1964年)、同第96巻2046〜2050頁(1965年)、及
び特開昭63-197943号、同64-40827号、特開平2-1838号
等に記載された方法に準じて合成することができる。
【0056】以下に具体的合成例を示す。
【0057】合成例1(例示染料I−3) 1-(4-カルボキシフェニル)-3-シアノ-2-ジシアノメチレ
ン-6-ヒドロキシ-4-メチル-1,2-ジヒドロピリジン15.9
g,4-ジメチルアミノベンズアルデヒド8.2g,トリエ
チルアミン5.1g,及びメタノール300mlの混合物を還流
下、2時間加熱撹拌した。反応混合物を放冷後、酢酸7.
5gを加え、生成物を濾取した。生成物をメタノール中
で還流下にスラリーとし、濾取することにより精製し、
染料(I−3)12.5gを得た。化合物の構造をNMR,
IR,及びMASSスペクトルにより確認した。
【0058】合成例2(例示染料II−4) 1-(4-カルボキシフェニル)-3-シアノ-2-ジシアノメチレ
ン-6-ヒドロキシ-4-メチル-1,2-ジヒドロピリジン15.9
g,トリメトキシプロペン4.0g,トリエチルアミン7.5
g及びエタノール300mlの混合物を還流下、2時間加熱
撹拌した。放冷後、酢酸10.0gを加え、生成物を濾取し
た。生成物をエタノール中で還流下にスラリーとし、濾
取することにより精製し、染料(II−4)9.0gを得
た。化合物の構造をNMR,IR,及びMASSスペク
トルにより確認した。
【0059】本発明の染料は、ハロゲン化銀乳剤層や、
その他の親水性コロイド層に含有させて用いることがで
きる。本発明の染料は、有機溶媒あるいは弱アルカリ性
水溶液に溶解して、前記層中に含有させることができ
る。好ましくは、本発明の染料を固体微粒子分散体とし
て、含有させることができる。
【0060】固体微粒子分散体とは、実質的に層中で耐
拡散性であるサイズの固体として分散している状態を言
う。具体的には界面活性剤(ノニオン性界面活性剤)を
用いて乳化分散しゼラチン溶液で安定化する例えば特開
昭63-197943号記載の方法を用いることができる。
【0061】固体微粒子分散体は、染料を弱アルカリ性
溶液に溶解し、pHを調整して弱酸性にして微粒子分散体
を生成させる方法、あるいは分散剤の存在下で微粒子化
する公知の方法例えば、ボールミリング、サンドミリン
グ、コロイドミリング、ローラーミリングなどによって
調製することができる。固体微粒子分散体中の微粒子
は、平均粒径が0.01〜10μmであることが好ましく、特
に好ましくは0.01〜1μmである。本発明に用いられる染
料の好ましい使用量は、染料の種類、感光材料の特性な
どにより一様ではないが、好ましくは本発明の感光材料
1m2当たり1mg〜1gであり、特に好ましくは10mg〜50
0mgである。光学濃度としては0.05〜3.0の範囲になるよ
うに使用される。
【0062】本発明において写真構成層とは、例えば、
青感性乳剤層、緑感性乳剤層、赤感性乳剤層、下塗り
層、中間層、保護層、フィルター層、ハレーション防止
層、イラジエーション防止層であり、本発明の染料は、
これに感光層あるいは非感光層に用いることができる。
さらに該感光層側とは反対側のバッキング層、保護層、
下塗り層などの親水性層に用いることもできる。これら
感光層側とは反対側の親水性層に用いる場合は、支持体
に最も近い層が好ましい。
【0063】本発明の染料は、感光材料の感色性によっ
て所望の吸収波長を得るために2種以上組み合わせて用
いてもよく、また必要によっては、本発明の染料と従来
用いられる公知の写真用染料を組み合わせて用いてもよ
い。
【0064】親水性コロイド層は、親水性バインダーと
して各種ゼラチン、合成又は天然のポリマーを含有せし
めることができる。例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと
他の高分子とのグラフトポリマー或はポリビニルアルコ
ール、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ-N-
ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリアクリルアミド等の単一体又は共重合体を用い
ることができる。
【0065】本発明の感光材料に用いるハロゲン化銀乳
剤としては、臭化銀、沃臭化銀、沃塩化銀、塩臭化銀、
塩沃臭化銀及び塩化銀等の通常のハロゲン化銀乳剤に使
用される任意のものを用いることができる。ハロゲン化
銀粒子は、立方体、8面体、12面体、14面体あるいは平
板状の形状をもつ任意のものであってよく、また、種々
の形状の粒子の混合から成るものも用いられる。好まし
くは、規則的な形状をもち、粒径分布の狭い粒子であ
る。ハロゲン化銀粒子の平均粒径は、0.02〜3.0μmであ
ることが好ましく、さらに好ましくは、0.05〜2.0μmで
ある。平板状ハロゲン化銀粒子の厚さとしては0.05〜1.
0μmであることが好ましく、さらに好ましくは、0.05〜
0.4μmである。ハロゲン化銀粒子の粒径分布としては、 (粒径の標準偏差/平均粒径)×100=粒径分布の広さ
(%) によって分布の広さを定義したとき20%以下のものが好
ましく、さらに好ましくは15%以下である。
【0066】該ハロゲン化銀乳剤は、公知の各種増感法
を用いることができ、化学増感をする場合は硫黄増感
法、還元増感法、貴金属増感法などを単独または組み合
わせて用いることができる。また、増感色素を用いて所
望の波長域に光学的に増感できる。
【0067】ハロゲン化銀乳剤には、カブリ防止剤、安
定剤等を加えることができ、特に印刷製版用として使用
する場合は、いわゆる硬調化剤として知られるテトラゾ
リウム化合物あるいはヒドラジン化合物等を添加しても
よい。該乳剤のバインダーとしては、ゼラチンを用いる
のが有利である。
【0068】乳剤層、その他の親水性コロイド層は、硬
膜することができ、また可塑剤、水不溶性又は難溶性合
成ポリマーの分散物(ラテックス)を含有させることが
できる。
【0069】カラー写真用感光材料の乳剤層には、カプ
ラーが用いられる。
【0070】更に色補正の効果を有しているカラードカ
プラー、競合カプラー及び現像主薬の酸化体とのカップ
リングによって現像促進剤、漂白促進剤、現像剤、ハロ
ゲン化銀溶剤、調色剤、硬膜剤、カブリ剤、カブリ防止
剤、化学増感剤及び分光増感剤及び増感剤のような写真
的に有用なフラグメントを放出する化合物等が用いられ
る。
【0071】感光材料には、フィルター層、ハレーショ
ン防止層、イラジエーション防止層等の補助層を設ける
できるが、これらの層及び/又は乳剤層中には現像処理
中に感光材料から流出するかもしくは漂白される染料が
含有させられてもよい。
【0072】感光材料中には、ホルマリンスカベンジャ
ー、蛍光増白剤、マット剤、滑り剤、画像安定剤、界面
活性剤、色カブリ防止剤、現像促進剤、現像遅延剤や漂
白促進剤を添加できる。
【0073】感光材料の支持体としては、ポリエチレン
等をラミネートした紙、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム、バライタ紙、三酢酸セルロース等を用いること
ができる。
【0074】本発明の感光材料を用いて画像を得るには
露光後、通常知られている写真処理を行うことができ
る。
【0075】本発明に使用できる公知の添加剤その他と
しては、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)N
o.17643(1978年12月)、同No.18716(1979年11月)及
び同No.308119(1989年12月)に記載されており、それ
らの記載箇所を以下に示した。
【0076】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV 減感色素 23 IV 998 IV 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651 左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜7 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 支持体 28 XVII 1009 XVII
【0077】
【実施例】以下に本発明の具体的実施例を挙げるが、本
発明の実施の態様はこれらに限定されない。
【0078】実施例1 (乳剤層用塗布液の調製)溶液A 水 9.7l 塩化ナトリウム 20g ゼラチン 105g溶液B 水 3.8l 塩化ナトリウム 365g ゼラチン 94g 臭化カリウム 450g ヘキサクロロイリジウム酸カリウム塩の0.01%水溶液 28ml へキサブロモロジウム酸カリウム塩の0.01%水溶液 1.0ml溶液C 水 3.8l 硝酸銀 1.700g 40℃に保温された上記溶液A中にpH3、pAg7.7に保ちな
がら上記溶液B及び溶液Cを同時に関数的に60分間にわ
たって加え、更に10分間撹拌し続けた後炭酸ナトリウム
水溶液でpHを6.0に調整し、20%硫酸マグネシウム水溶
液2l及びポリナフタレンスルホン酸の5%水溶液2.55
lを加え、乳剤を40℃にてフロキュレート化し、デカン
テーションを行い水洗して過剰の水溶液の塩を除去す
る。
【0079】次いで、それに3.7lの水を加えて分散さ
せ、再び20%の硫酸マグネシウム水溶液0.9lを加えて同
様に過剰の水溶液の塩を除去する。それに3.7lの水と1
41gのゼラチンを加えて、55℃で30分間分散させる。
【0080】これによって臭化銀38モル%、塩化銀62モ
ル%、平均粒径0.25μm、単分散度9の粒子が得られ
る。この粒子に1%クエン酸の水溶液140ml、5%臭化
カリウムの水溶液を57ml加えた後、0.1%チオ硫酸ナト
リウムの水溶液を70mlを加えて58℃で70分間熟成した。
【0081】得られた乳剤に安定剤として4-ヒドロキシ
-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデンを10g、ゼラチ
ンの20%水溶液を1,600ml加えて熟成を停止した後、下
記増感色素(a)を3.5g、(b)を1g、(c)を1g添加
し、更に硬調化剤として化合物(d)を7g添加し、続い
て延展剤としてp-ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムを10g、サポニン30g、ポリマーラテックスとしてア
クリル酸ブチルとアクリル酸とスチレンの共重合体を12
0g、pAg調節剤として臭化カリウムを3g、増粘剤とし
てスチレン−無水マレイン酸共重合体を20g添加し、硬
膜剤としてホルマリンとグリオキザールを添加して乳剤
層用塗布液を調製した。
【0082】
【化18】
【0083】(保護層用塗布液の調製)ゼラチン500gを
7.5lの水に溶解したのち、延展剤として下記化合物(e)
を15g、マット剤として平均粒径3.5μmのシリカを10
g、硬膜剤としてホルマリンを添加して保護層用塗布液
を調製した。
【0084】
【化19】
【0085】(バッキング下層用塗布液の調製)ゼラチ
ン650gを10lの水に溶解した後、下記表1に示す染料を
固体微粒子分散し、0.2g/m2となるように添加し、つい
で延展剤としてサポニン30g、ポリマーラテックスとし
てアクリル酸ブチルと塩化ビニリデンの共重合体を30
g、被膜物性改良剤としてコロイダルシリカを150g、
増粘剤としてスチレン−無水マレイン酸共重合体を3
g、硬膜剤としてグリオキザールを2.5g添加して、バッ
キング下層用塗布液を調製した。
【0086】染料の固体微粒子分散は、以下の手順に従
ってボールミル分散を行った。ボールミル容器に水と界
面活性剤アルカノールXCを入れ、それぞれの染料を加
え、酸化ジルコニウムのビーズを入れて、容器を密閉
し、4日間ボールミル分散した。
【0087】(バッキング上層用塗布液の調製)ゼラチ
ン400gを水600mlに溶解した後、マット剤として平均粒
径4μmのポリメチルメタアクリレートを20g、延展剤
としてビス-(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸エステ
ルナトリウム塩を3g、硬膜剤としてグリオキザールを
添加してバッキング上層用塗布液を調製した。
【0088】(試料の作製)下引き加工を施した厚さ10
0μmのポリエチレンテレフタレートフィルムベース上に
バッキング下層および上層を同時重層塗布し、続いてバ
ッキング層とは反対側の面上に乳剤層と保護層を同時重
層塗布した。塗布銀量は4.2g/m2、ゼラチン付量は乳剤
層が1.95g/m2、保護層が1.2g/m2バッキング下層が2.7
g/m2、バッキング上層が1.0g/m2であった。
【0089】得られた試料を下記処方による現像液及び
定着液を用いて自動現像機GR−27(コニカ〔株〕製)
にて処理し、網点品質及び保存安定性の評価を行い、結
果を表1にまとめた。
【0090】評価項目及び評価基準は以下の通りであ
る。
【0091】(網点品質)網点面積90%となるように網
がけ露光をしたのち処理し、網点品質を10段階にわけて
評価した。網点品質最良を10とし、1を極めて悪いレベ
ルとし、5以上を実用可能なレベルとした。
【0092】(保存安定性)得られた試料を温度23℃、
RH50%にて調湿したのち、乳剤面側とバッキング両側を
接触させて重ね密封した。この試料を温度50℃、RH20%
の条件下で5日間保存し、保存前の試料の感度を100と
した保存後の試料の感度を求めた。
【0093】ここに感度は濃度2.5を得るのに必要な露
光量の逆数を用いた。
【0094】現像処理条件 (工程) (温度) (時間) 現 像 28℃ 30秒 定 着 28℃ 約20秒 水 洗 常温 約20秒 乾 燥 45℃ 20秒現像液組成 (組成A) 純水(イオン交換水) 150ml エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 2g ジエチレングリコール 50g 亜硫酸カリウム(55%W/V 水溶液〉 100ml 炭酸カリウム 50g ハイドロキノン 15g 5-メチルベンゾトリアゾール 200mg 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 30mg 臭化カリウム 4.5g 水酸化カリウム水溶液 pHを10.4にする量 (組成B) 純水(イオン交換水) 3mg ジエチレングリコール 50g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 25mg 酢酸(90%水溶液) 0.3ml 5-ニトロインダゾール 110mg l-フェニル-3-ピラゾリドン 500mg 現像液の使用時に水500ml中に上記組成A、組成Bの順
に溶解し、1lに仕上げて用いた。
【0095】定着液処方 (組成A) チオ硫酸アンモニウム(72.5%W/V水溶液) 240ml 亜硫酸ナトリウム 17g 酢酸ナトリウム・3水塩 6.5g クエン酸ナトリウム・2水塩 2g 硼酸 6g 酢酸(90%W/V水溶液) 13.6ml (組成B) 純水(イオン交換水) 17ml 硫酸(50%W/V水溶液) 4.7g 硫酸アルミニウム 26.5g (Al203換算含有量が8.1%W/V水溶液) 定着液の使用時に水500ml中に上記組成A、組成Bの順
に溶解し、1lに仕上げて用いた。
【0096】この定着液のpHは約4.3であった。
【0097】
【化20】
【0098】
【表1】
【0099】表1から明らかなように本発明の試料1−
3〜1−8は網点品質がよく、保存安定性も優れている
ことがわかる。
【0100】一方、バッキング下層塗布液から染料を除
き、支持体と乳剤層との間に染料の固体微粒子分散体を
含有するハレーション防止層を設けた試料を作成した。
【0101】(ハレーション防止層用塗布液の調製)ゼ
ラチン550gを10lの水に溶解した後、表1に示す染料
を固体微粒子分散し、0.2g/m2となるように添加し、つ
いで延展剤として前記化合物(e)を14g、ポリマーラ
テックスとしてアクリル酸ブチルと塩化ビニリデンの共
重合体を20g、増粘剤としてスチレン−無水マレイン酸
共重合体を1.5g、硬膜剤としてホルマリンを添加し
て、ハレーション防止層用塗布液を調製した。
【0102】(試料の作製)下引き加工を施した厚さ10
0μmのポリエチレンテレフタレートフィルムベース上に
バッキング下層および上層を重層塗布し、続いて、バッ
キング層とは反対側の面上にハレーション防止層, 乳剤
層及び保護層を重層塗布した。ハレーション防止層のゼ
ラチン付量は、0.65g/m2であった。
【0103】得られた試料について、同様に評価したと
ころ、網点品質が向上し、保存安定性も優れていること
がわかった。
【0104】実施例2 本実施例においては、下記のようにしてハロゲン化銀写
真感光材料を作製した。
【0105】まず、次のようにして乳剤を調製した。
【0106】(A)単分散乳剤の作成 反応釜の条件として60℃,pAg=8,そしてpH=2に保
ちつつダブルジェット法により、平均粒径0.3μmの沃化
銀2モル%を含む沃臭化銀の単分散立方晶乳剤を得た。
電子顕微鏡観察によれば、双晶の発生率は個数で1%以
下であった。この乳剤を種晶として、さらに以下のよう
に成長させた。
【0107】反応釜内にゼラチン水溶液を40℃に保ち上
記種晶を添加し、さらにアンモニア水と酢酸を加えてpH
=9.5に調整した。
【0108】アンモニア性銀イオン液にてpAgを7.3に調
整後、pH及びpAgを一定に保ちつつアンモニア性銀イオ
ンと沃化カリウムと臭化カリウムを含む溶液をダブルジ
ェット法で添加し、沃化銀30モル%を含む沃臭化銀層を
形成せしめた。
【0109】酢酸と臭化銀を用いてpH=9,pAg=9.0に
調整した後にアンモニア性銀イオン液と臭化カリウムを
同時に添加し成長後粒径の90%にあたるまで成長させ
た。この時pHは9.0から8.20まで徐々に下げた。
【0110】臭化カリウム液を加えpAg=11とした後に
さらにアンモニア性銀イオン液と臭化カリウムを加えて
pHを徐々にpH8まで下げながら成長せしめ、平均粒径0.
7μm、沃化銀2モル%を含む沃臭化銀乳剤を得た。
【0111】また乳剤の調製の際に、下記増感色素
(A)を乳剤中の銀1モル当たり300mg、増感色素
(B)を15mg添加し、乳剤を得た。
【0112】
【化21】
【0113】次に、下記に示すように、過剰塩をとり除
く脱塩工程を行った。
【0114】ハロゲン化銀乳剤溶液を40℃に保ち、下記
化合物(イ)(特開昭58-140322号公報中に示してある例
示化合物II−1)を加えてハロゲン化銀粒子を沈降せし
め、上澄液を排出後さらに40℃の純水を加えた。そして
硫酸マグネシウムを添加し再度ハロゲン化銀粒子を沈降
せしめ上澄液をとりさる。これをもう一度行いゼラチン
を加えpH6.0,pAg8.5の乳剤を得た。
【0115】
【化22】
【0116】上記により得られた乳剤を55℃に保ち、塩
化金酸そしてハイポを加えて化学増感を行い4-ヒドロキ
シ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデンを加えて感光
性乳剤を得た。これを乳剤(A)とする。
【0117】上記(A)の感光性乳剤に添加剤としてハロ
ゲン化銀1モル当たり、 t-ブチル-カテコール 400mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 1.0g スチレン−無水マレイン酸共重合体 2.5g トリメチロールプロパン 10.0g ジエチレングリコール 5.0g ニトロフェニル-トリフェニルフォスフォニウムクロライド 50mg 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 4.0g 2-メルカプトベンゾイミダゾール-5-スルホン酸ソーダ 5.0mg
【0118】
【化23】
【0119】
【化24】
【0120】 平均粒径7μmのポリメチルメタクリレートからなるマット剤 7mg 平均粒径0.013μmのコロイダルシリカ 70mg 2-ヒドロキシ-4,6-ジクロロトリアジンナトリウム 30mg 上記各塗布液を用いた、以下のごとき試料2−1を作成
した。
【0121】試料2−1 下引液としては、グリジジルメタクリレート50Wt%、メ
チルメタクリレート10wt%、ブチルメタクリレート40wt
%の共重合体をその濃度が、10wt%になるように希釈し
た共重合体水性分散液を用い、これを両面に塗布するこ
とにより下引加工した支持体を得た。ついで該支持体上
に片面銀量として3.2g/m2となるように乳剤層を、片面
ゼラチン量として0.98g/m2となるように保護層、 塗布
スピード140m/分で両面同時塗布した。
【0122】試料2−2 試料2−1に対して、乳剤層と下引層の間に、表2に示
す染料を含有するクロスオーバーカット層を挿入するよ
うに塗布を行った。染料の添加方法は、染料を少量のト
リエチルアミンを含むメタノールに溶解後、ゼラチン水
溶液に添加してpHを6.0とし塗布液とした。
【0123】試料2−3〜2−10 試料2−2と同様にクロスオーバーカット層を挿入する
ように塗布を行った。ただし染料の添加方法は、実施例
1で行ったと同様の固体微粒子分散を行い、染料を添加
した。試料2−2〜2−10の染料の添加量は両面1m2
り50mg/m2となるようにした。
【0124】得られた試料に対し、次の評価を行った。
【0125】(センシトメトリーの測定)「新編、照明
のデータブック」に記載の標準の光Bを光源とし、露光
時間0.1秒、3.2cmsでノンフィルターでフィルムの両面
に同一の光量となるように露光した。上記試料は、SRX
−501自動現像機(コニカ〔株〕製)を用い、XD−SR現
像液で45秒処理を行い、次いで定着、乾燥後、各試料の
感度を求めた。感度は、黒化濃度が1.0だけ増加するの
に必要な光量の逆数を求め、表2の試料2−1の場合の
感度を100とした相対感度で表した。
【0126】(MTFの評価)0.5〜10ライン/mmの鉛
製の矩形波の入ったMTFチャートを蛍光スクリーンKO
−250(コニカ(株)製)のフロント側の裏面に密着さ
せ、フィルム面の鉛のチャートで遮蔽されていない部分
の濃度が、両面で約1.0になるようにX線を照射した。
【0127】上記のようにしてX線を照射した試料を前
述と同様の現像処理をした後、記録された矩形波のパタ
ーンをサクラマイクロデンシトメーターM−5型(コニ
カ〔株〕製)を用い、測定した。なお、この時のアパー
チャーサイズは矩形波の平行方向に300μm、直角方向に
25μmであり、拡大倍率は20倍であった。得られたMT
F値を代表し、空間周波数2.0ライン/mmの値で示す。
【0128】
【表2】
【0129】
【化25】
【0130】以上のように本発明の試料は、比較試料と
比べて、感度低下が少ないにもかかわらず鮮鋭性が向上
している。
【0131】一方、前記単分散乳剤(A)に代えて、次に
示す多分散乳剤(B)及び平板粒子(C)を調製した。
【0132】(B)多分散乳剤の調製 順混合法により、下記の4種の溶液により調製した。
【0133】 A液 硝酸銀 100g アンモニア水(28%) 78ml 水を加えて 240ml B液 オセインゼラチン 8g 臭化カリウム 80g ヨウ化カリウム 1.3g 水を加えて 550ml C液 アンモニア水 6ml 氷酢酸 10ml 水 34ml D液 氷酢酸 226ml 水を加えて 400mlに仕上げる。
【0134】溶液Bと溶液Cを乳剤調製用の反応釜に注
入し、回転数300回転/分のプロペラ型撹拌器で撹拌
し、反応温度を55℃に保った。
【0135】次に、A液を1容:2容の割合に分割し、
その内の1容である100mlを1分間かけて投入した。10
分間撹拌を続けた後、A液の残余の2容である200mlを1
0分間かけて投入した。更に30分間撹拌を継続した。そ
して、D液を加えて、反応釜中の溶液のpHを6.0に調整
し、反応を停止させた。
【0136】ハロゲン化銀粒子の平均粒径は0.56μmで
あり、分散度は0.32であった。また沃化銀含有率は1.2
モル%であった。
【0137】(C)平板粒子の調製 水1l中にKBr10.5g、チオエーテル化合物[HO(CH2)2S
(CH2)2S(CH2)20H]0.5wt%水溶液10ml、及びゼラチン30
gを加えて溶解し70℃に保った。
【0138】この溶液中に撹拌しながら、硝酸銀水溶液
(0.88モル/リットル)30mlと、沃化カリウムと臭化カ
リウム(モル比3.5:96.5)の水溶液(0.88モル/リッ
トル)30mlとをダブルジェット法により添加し、平均粒
径0.60μmで沃化銀含有率が3.5モル%の粒子を得た。該
混合溶液の添加終了後40℃まで降温した。これにナフタ
レンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物及びM
gSO4をそれぞれ24.6g/AgX1モル添加し、pH4.0に
降下させ脱塩を行い、その後、ゼラチン15g/AgX1モ
ルを添加して、乳剤を調製した。
【0139】上記(B),(C)で得られた乳剤について、
化学増感を行った。つまり、チオシアン酸アンモニウム
と塩化金酸とハイポを加え、金−硫黄増感を施した。
【0140】化学増感終了後、4-ヒドロキシ-6-メチル-
1,3,3a,7-テトラザインデンを加えた。その後、沃化カ
リウム150mg/AgX1モルと、増感色素(A),(B)を乳
剤(A)のときと同量添加して、分光増感を行った。これ
により得られた乳剤を、それぞれ乳剤(B),(C)とす
る。
【0141】(B),(C)それぞれの感光性乳剤に添加剤
として(A)と同様の添加剤を添加して乳剤塗布液とし
た。これらの塗布液及び前述の保護層液を使用して実施
例1と同じように本発明の染料を用いて固体微粒子分散
添加を行い、クロスオーバーカット層を挿入するように
塗布を行った所、同様に感度低下が少なく鮮鋭性の向上
した試料が得られた。
【0142】
【発明の効果】本発明により、カブリが少なく、保存に
おける経時安定性が改良され、かつ写真特性の優れたハ
ロゲン化銀写真感光材料が提供される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に下記一般式〔I〕〜〔III〕
    で表される染料の少なくとも1種を含有することを特徴
    とするハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 〔式中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基を表
    し、R2,R3及びR4はシアノ基、アルコキシカルボニ
    ル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、
    アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
    基、スルファモイル基を表し、R5は水素原子、アルキ
    ル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、アリール
    オキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル基を表
    し、R6はアルキル基、アリール基を表す。Qはアリー
    ル基、複素環基を表し、Zは5員または6員の含窒素複
    素環を形成するに必要な原子群を表し、L1,L2及びL
    3はメチン基を表し、1及びpは0または1を表し、m
    は0、1または2を表し、nは1または2を表す。〕
  2. 【請求項2】 上記一般式〔I〕〜〔III〕で表される
    染料の少なくとも1種が、分子中にカルボキシ基、スル
    ホンアミド基、スルファモイル基から選ばれる基を少な
    くとも1つ有し、かつ固体微粒子分散体として含有して
    いることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真
    感光材料。
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