JPH06305517A - 組立ラインにおける傾斜棚用部品供給システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】傾斜式流動棚に部品箱を自動で投入する。 【構成】部品を収容した部品箱Ｂを収納する収納部を投
入口側から払い出し口側に向かって下方に傾斜させ、そ
の傾斜によって投入口側から投入された部品箱Ｂを払い
出し口側に案内するようにした傾斜式流動棚１を、払い
出し口側に設けられた組立ラインＫに沿って並設する。
傾斜式流動棚１の投入口側に、傾斜式流動棚１に沿って
走行用レール１６を配設し、走行レール１６上を走行す
るスタッカクレーン１７には、部品箱Ｂを載置する昇降
キャリッジを設ける。昇降キャリッジには、部品箱Ｂを
収納部に受渡すためのベルトコンベアが設けられ，該ベ
ルトコンベア上に部品箱Ｂが載置される。このとき、収
納部は複数個の部品箱Ｂを縦列収納できるスペースであ
って、その収納される部品箱Ｂの在庫を検知する箱検出
センサを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は傾斜棚に係り、詳しくは
スタッカクレーン等の移動体にて荷及び部品箱等を供給
するシステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の技術として、特開昭６２
−２４４８０７には、各棚列が傾斜した物品貯蔵枠棚の
出庫側の荷の払出し作業を自動で行うために、その出庫
側に設置されたオーダピッキング装置が開示されてい
る。

【０００３】この物品貯蔵棚枠には多段多列に棚が設け
られ、その棚各棚列は緩かに傾斜した貯蔵棚に急傾斜の
取出し棚を連接した奥行きのあるローラ棚で構成されて
いる。そして、各棚には、該貯蔵棚及び取出し棚の傾斜
に沿って物品収納箱が保持されている。更に、それぞれ
の棚毎に異なる品種の物品が貯蔵されており、それら物
品収納箱内には同一品種の複数の物品が収納されてい
る。

【０００４】このとき、オーダピッキング装置は前記各
棚の傾斜に沿って取出し棚に保持されている物品収納箱
をピッキングすることにより出庫するようになってい
る。そして、オーダピッキング装置が取出し棚に保持さ
れている物品収納箱をピッキングすると、貯蔵棚の最前
列に保持されていた物品収納箱が傾斜に従って取出し棚
に移動し保持される。

【０００５】しかしながら、このオーダピッキング装置
によれば物品収納箱等の荷を自動で出庫することはでき
るが、入庫するための作業は手作業で行わなければなら
ないという問題がある。

【０００６】又、組立ライン等で使用する各種組立用部
品を収容した部品箱を保管する棚として、該部品箱を保
管しておく収納部がその投入口側から払い出し口側にか
けて下方に傾斜した傾斜式流動棚が提案されている。こ
の傾斜式流動棚によれば、投入口から収納部に投入され
た部品箱はその傾きに従って払い出し口側へと移動し、
その収納部における払い出し口側に部品箱が案内される
ようになっている。このようにして、棚の各収納部には
複数の部品箱が並んで保管されている。

【０００７】払い出し口側に配置された部品箱は、その
中に収容された部品が作業者によって取り出され、組立
ラインを流れているワークに組付けられる。そして、部
品箱の中の部品がなくなり部品箱が空になると、その空
の部品箱を払い出して、後続の部品が収容された部品箱
を棚の傾斜を利用して払い出し口側に導くようにしてい
る。従って、作業者は部品箱が空になっても、その部品
箱を払い出すだけで部品を収容した後続の部品箱が払い
出し口側に導入されているため、部品が欠乏し組立作業
に支障をきたすことなくスムーズに作業を続けることが
できる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この傾
斜式流動棚においても、部品箱の投入作業、即ち補充作
業は作業者が手作業で行わなければならず、人手がかか
るという問題がある。又、生産量等が変動した場合に
は、作業者がその補充作業を手作業で調整しなければな
らず手間がかかるという問題がある。

【０００９】更に、傾斜式流動棚に収納されている部品
箱が一定の在庫状態から不足した場合であっても、その
不足した状態等を判断することは、作業者に委ねられて
いるため、不足状態を的確に判断し、在庫状態を一定の
状態に保持することは難しいという問題がある。

【００１０】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は部品箱を自動で投入する
ことができる組立ラインにおける傾斜棚用部品供給シス
テムを提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、第１の発明は、部品を収容した部品箱を収納する収
納部を投入口側から払い出し口側に向かって下方に傾斜
させ、その傾斜によって投入口側から投入された部品箱
を払い出し口側に案内するようにした傾斜棚と、その傾
斜棚の投入口側に、傾斜棚に沿って走行用レールを配設
し、その走行レール上を走行する移動体を有するととも
に、移動体には、部品箱を載置し上下に昇降可能なキャ
リッジを設け、キャリッジには部品箱を前記収納部に受
け渡す受渡し手段を設けたことをその要旨とする。

【００１２】第２の発明は、第１の発明の組立ラインに
おける傾斜棚用部品供給システムにおいて、前記走行レ
ールは少なくとも１つの直線又は曲線からなるレールで
あることをその要旨とする。

【００１３】第３の発明は、第１の発明の組立ラインに
おける傾斜棚用部品供給システムにおいて、前記走行レ
ールは複数のレールからなり、それぞれのレール間を前
記移動体が移動するレール切替え手段を有することをそ
の要旨とする。

【００１４】第４の発明は、第１の発明の組立ラインに
おける傾斜棚用部品供給システムにおいて、前記受渡し
手段は前記キャリッジに設けられ、駆動装置を有するベ
ルトコンベアからなることをその要旨とする。

【００１５】第５の発明は、第１の発明の組立ラインに
おける傾斜棚用部品供給システムにおいて、部品を収容
した部品箱を収納する収納部を上下方向に複数段形成
し、移動体はキャリッジを昇降動させる昇降手段を備え
たことをその要旨とする。

【００１６】第６の発明は、第１の発明の組立ラインに
おける傾斜棚用部品供給システムにおいて、各収納部は
複数個の部品箱の縦列収納できるスペースであって、そ
の収納される部品箱の在庫を検知する箱検知手段を備え
たことをその要旨とする。

【００１７】第７の発明は、第１の発明又は第６の発明
の組立ラインにおける傾斜棚用部品供給システムにおい
て、前記走行レールに沿って、部品箱が収納された部品
供給棚を設置するとともに、前記移動体のキャリッジに
は部品供給棚から部品箱を取り出す取り出し手段を備え
たことをその要旨とする。

【００１８】

【作用】従って、第１の発明によれば、移動体は部品を
収容した部品箱をキャリッジに載置して、走行レール上
を走行する。更に、キャリッジが昇降動して、傾斜棚に
おける目的の収納部に該キャリッジは位置決めされる。
このとき、受渡し手段は該部品箱を投入口から該目的の
収納部に投入する。すると、部品箱は収納部の傾斜に従
って投入口側から払い出し口側に案内される。そして、
作業者は払い出し口から該部品箱に収容された部品を取
り出して組立ラインにて各種の組立作業を行う。

【００１９】第２の発明によれば、第１の発明におい
て、組立ラインの形態に応じて、走行レールは１つの直
線又は曲線よりなっている。第３の発明によれば、第１
の発明において、走行レールは複数のレールからなって
いる。このとき、レール切替え手段により移動体が移動
するレールが切替えられる。

【００２０】第４の発明によれば、第１の発明におい
て、ベルトコンベア上に部品箱を載置し、駆動装置を駆
動することにより、ベルトコンベアは駆動され、該ベル
トコンベア上の部品箱は投入口から収納部に投入され
る。

【００２１】第５の発明によれば、傾斜棚に設けられた
収納部は上下方向に複数段形成されている。このとき、
キャリッジは昇降手段により移動体上を上下方向に昇降
動して、目的の収納部に部品箱を投入する。

【００２２】第６の発明によれば、第１の発明におい
て、傾斜棚に設けられた各収納部にはそれぞれ複数個の
部品箱が収納できる。このとき、各収納部の箱検知手段
により部品箱の在庫状態が検知される。

【００２３】第７の発明によれば、第１の発明又は第６
の発明において、前記走行レールに沿って、部品箱が収
納された部品供給棚が設置されている。このとき、移動
体に備えられた取り出し手段によって、部品供給棚の部
品箱が取り出される。

【００２４】

【実施例】以下、本発明を組立ラインにおける部品供給
システムに具体化した一実施例を図１〜図５に従って説
明する。

【００２５】図１は、組立ラインに傾斜棚としての傾斜
式流動棚１を導入したシステムを示している。即ち、組
立ラインＫと対向する位置に複数の傾斜式流動棚１が該
組立ラインＫに沿って直線状に並設されている。この傾
斜式流動棚１には、図４に示すように、組立ラインＫに
使用される部品が収容された各部品箱Ｂが収納されてい
る。

【００２６】そして、作業者は組立ラインＫ上を流れる
ワークＷの組立作業に必要な部品を部品箱Ｂから取り出
して、各種組立作業を行うようになっている。図４に示
すように、この傾斜式流動棚１には略直方体状の枠体２
が形成されている。この枠体２は４本の支柱３と、その
各支柱３の上部間を連結する上部ビーム４と、各支柱３
の前側を除く下部間を連結する下部ビーム５と、両側部
において、上部ビーム４と下部ビーム５間を斜状に連結
する側部ビーム６とから構成されている。

【００２７】この枠体２内には上下方向にそれぞれ略四
角形状の３個の棚段７が等間隔に設けられている。この
棚段７は該枠体２内において後部から前部に向かって下
方に傾いた状態で斜状に形成されている。この棚段７は
前後の支柱３間に連結された左右一対の側部フレーム８
ａ、その側部フレーム８ａの前端部間に連結された前部
フレーム８ｂ、側部フレーム８ａの後端部間に連結され
た後部フレーム８ｃとから構成されている。又、前部フ
レーム８ｂと後部フレーム８ｃとの間には２本のガイド
板１０が等間隔にかつ側部フレーム８ａに平行に連結さ
れている。更に、ガイド板１０にて仕切られた棚段７の
下面には、そのガイド板１０及び側部フレーム８ａに沿
ってホイールレール９が前部フレーム８ｂと後部フレー
ム８ｃとの間に連結されている。

【００２８】そして、ガイド板１０にて仕切られた棚段
７上の３個の空間がそれぞれ収納部１１となる。つま
り、図４に示すこの傾斜式流動棚１には全部で９個の収
納部１１が形成されている。詳述すると、最下段に配設
された棚段７の図面右下に位置する収納部１１から順に
収納部１１ａ〜１１ｉが形成されている。このとき、収
納部１１の投入口側（傾斜式流動棚１の後部側）から投
入された部品箱Ｂはホイールレール９上をその傾きに従
って収納部１１の払い出し口１３（傾斜式流動棚１の前
部側）側へと搬送される。そして、各収納部１１に投入
口１２から投入された部品箱Ｂは投入された順に従っ
て、該収納部１１内に配置される。

【００２９】各収納部１１ａ〜１１ｉにはそれぞれ異な
る部品が収容された部品箱Ｂが収納されている。従っ
て、作業者はどの収納部１１ａ〜１１ｉに収納された部
品箱Ｂかを選択することにより、必要な部品を選択でき
るようになっている。そして、作業者は払い出し口１３
側に配置された部品箱Ｂから順に部品を取り出して、空
になった部品箱Ｂを払い出すようにしている。

【００３０】部品箱Ｂが払い出しされると、後述するス
タッカクレーン１７によって払い出された収納部１１の
投入口１２より同種の部品を収容した部品箱Ｂが補充さ
れるようになっている。

【００３１】尚、本実施例では、各収納部１１には最大
４個の部品箱Ｂが収納できるようになっている。そし
て、部品箱Ｂがなくなるという危険を補償するための予
備ストック（最小在庫）として、各収納部１１ａ〜１１
ｉには少なくとも２個の部品箱Ｂが収納されるように管
理されている。つまり、各収納部１１ａ〜１１ｉの所定
の位置としての払い出し口側１３から２個目の部品箱Ｂ
が載置されるホイールレール９の位置には箱検知手段と
しての光検出方式の箱検出センサ１４（収納部１１ｉに
取着された箱検出センサ１４のみ図示）がそれぞれ取着
されている。即ち、各収納部１１ａ〜１１ｉにおいて、
箱検出センサ１４は払い出し口１３側から２個目の部品
箱Ｂを検出するようになっている。つまり、補充遅れが
生じて払い出し口１３から２個目に位置する部品箱Ｂが
払い出し口１３側に移り、その２個目の位置に後続の部
品箱Ｂがない場合、その無い状態を箱検出センサ１４が
検出する。

【００３２】又、図３に示すように、各傾斜式流動棚１
におけるそれぞれの後部フレーム８ｃには、それぞれ収
納部１１ａ〜１１ｉの略中央部に位置する部位に横長状
の切欠孔１５が形成されている。

【００３３】図１，図３に示すように、前記傾斜式流動
棚１の後部における床面には、該傾斜式流動棚１と平行
となる走行レール１６が敷設されている。同様に、走行
レール１６の上方であって、前記傾斜式流動棚１の高さ
より高い位置にはアッパーレール１６ａが同走行レール
１６に平行に配設されている。この走行レール１６とア
ッパーレール１６ａとの間には移動体としてのスタッカ
クレーン１７が配置されている。

【００３４】スタッカクレーン１７は走行レール１６上
を走行する走行台１９の両端部に一対のマスト２０が立
設され、その一対のマスト２０の上端部間に前記アッパ
ーレール１６ａに沿って走行するアッパーフレーム２０
ａを連結している。走行台１９には一対の走行輪１８が
設けられ、走行輪１８は一方のマスト２０の基端外側に
設けた走行モータＭ１の駆動によって正逆回転して、ス
タッカクレーン１７を走行レール１６に沿って往復走行
させるようになっている。

【００３５】又、一対のマスト２０の間には、昇降動可
能に配設された昇降手段としての昇降キャリッジ２１が
備えられている。昇降キャリッジ２１の左右両端外側に
は、それぞれ一対のローラ２１ａがマスト２０の前後面
を挟むように配設されている。従って、昇降キャリッジ
２１はローラ２１ａの転動を介してガタ付くことなくマ
スト２０に沿って上下動する。そして、前記走行用モー
タＭ１の上側に設けた昇降用モータＭ２が一対のマスト
２０の内側に配設された図示しないチェーンを上下動さ
せることによって、昇降キャリッジ２１は昇降可能とな
る。

【００３６】昇降キャリッジ２１上には受渡し手段とし
てのベルトコンベア２２が前後方向に設けられ、同キャ
リッジ２１に設置されたコンベア駆動モータＭ３（図５
参照）によって同コンベア２２に載置される部品箱Ｂを
傾斜式流動棚１側に搬送させるようになっている。ベル
トコンベア２２の一側（図２においては左側）には、ガ
イド部材２２ａが設けられ、他側には左右方向に移動可
能な押さえ板２３が配設されている。押さえ板２３はキ
ャリッジ２１に設置された押さえ板駆動モータＭ４（図
５参照）に基づいて左右方向に移動するようになってい
て、ガイド部材２２ａと押さえ板２３とでコンベア２２
上の部品箱Ｂを挟持するようになっている。

【００３７】又、キャリッジ２１の棚１側の中央位置に
は光検出方式からなる孔検出センサ２４が取着されてい
る。そして、孔検出センサ２４は前記後部フレーム８ｃ
に形成した切欠孔１５を検出するようになっていて、孔
検出センサ２４が切欠孔１５を検出したとき、その検出
位置が収納部１１と相対向する位置となる。

【００３８】尚、図１，図３に示すように、走行レール
１６の一側には被検出板２５が所定の間隔で配置され、
その被検出板２５の大きさは切欠孔１５より大きく形成
されている。又、各被検出板２５の設置位置は、それぞ
れの上下方向に配置された各収納部１１に形成された切
欠孔１５を通る面と交差する床面の位置にそれぞれ配設
されるようになっている。又、走行台１９の下面中央位
置には光検出方式からなる板検出センサ２６が設けら
れ、前記各被検出板２５を検出する。

【００３９】又、前記各モータＭ１〜Ｍ４は左側マスト
２０の基端部外側に設けたクレーン制御装置２７によっ
て駆動制御され、そのクレーン制御装置２７は組立ライ
ンＫに隣接した位置に設置されたホストコンピュータＨ
Ｐからの制御指令に従って各モータＭ１〜Ｍ４を制御す
る。

【００４０】更に、走行レール１６の一側には部品供給
ステーション２８が設けられ、部品供給ステーション２
８に設けたベルトコンベア２８ａを介して昇降キャリッ
ジ２１のベルトコンベア２２に対して部品箱Ｂの受渡し
を行うようになっている。

【００４１】次に、組立ラインにおける部品供給システ
ムにの電気的構成について簡単に説明する。図５に示す
ように、クレーン制御装置２７は光通信装置Ｔ１，Ｔ２
を介してホストコンピュータＨＰと接続されている。こ
のとき、ホストコンピュータＨＰには、各種データを表
示するためのディスプレイ装置が設けられている。更
に、ホストコンピュータＨＰには、各収納部１１に設け
られた箱検出センサ１４がそれぞれ接続されている。

【００４２】又、クレーン制御装置２７には、切欠孔検
出センサ２４及び板検出センサ２６が接続されている。
更に、クレーン制御装置２７には、各駆動回路Ｓ１，Ｓ
２，Ｓ３，Ｓ４を介して走行用モータＭ１、昇降用モー
タＭ２、コンベア駆動モータＭ３及び押さえ板駆動モー
タＭ４が接続されている。

【００４３】次に、上記のように構成された組立ライン
における部品供給システムの作用及び効果について説明
する。まず、スタッカクレーン１７が部品供給ステーシ
ョン２８に待機している。そして、収納部１１における
部品箱Ｂの在庫状態が１個になると、その収納部１１に
取着された箱検出センサ１４から不足信号がホストコン
ピュータＨＰに出力される。すると、ホストコンピュー
タＨＰはその在庫不足の発生した収納部１１がどの連
（長さ方向の収納部１１の位置を示す）のどの段（高さ
方向の収納部１１の位置を示す）かをその不足信号から
求めるとともに、その収納部１１に収納すべき部品箱Ｂ
等のデータをディスプレイ装置に表示させる。

【００４４】作業者はディスプレイ装置の表示に基づい
て不足した部品箱Ｂをステーション２８を介してスタッ
カクレーン１７の昇降キャリッジ２１上に載置する。ク
レーン制御装置２７は押さえ板駆動モータＭ４を駆動さ
せて押さえ板２３にて部品箱Ｂを挟持する。続いて、ホ
ストコンピュータＨＰは求めた在庫不足の収納部１１に
スタッカクレーン１７の昇降キャリッジ２１を案内する
ための指令信号、即ち、走行台１９の走行制御指令信号
及び昇降キャリッジ２１の昇降制御指令信号を作成す
る。

【００４５】その各指令信号は、光通信装置Ｔ２にて光
信号に変換されて送信される。光通信装置Ｔ１は光通信
装置Ｔ２からの光信号を受信して、その指令信号を各指
令信号に再変換してクレーン制御装置２７に出力する。

【００４６】そして、クレーン制御装置２７はこの走行
制御指令信号に基づいて駆動回路Ｓ１を介して走行用モ
ータＭ１を駆動させて走行台１９を目的の収納部１１の
連まで走行させる。

【００４７】このとき、クレーン制御装置２７は板検出
センサ２６がステーション２８側から被検出板２５を検
出した数をカウントし、そのカウント数により走行台の
走行位置を判断する。例えば、クレーン制御装置２７が
ステーション２８側から被検出板２５を３枚カウントし
た場合には、図１において、最もステーション２８側に
配設された傾斜式流動棚１の最左端に形成されている収
納部１１と対応する位置にある被検出板２５（図中矢
印）を検出する位置にスタッカクレーン１７が位置して
いると判断される。

【００４８】そして、板検出センサ２６からの検出信号
に基づいて走行台１９が目的の収容部１１の連まで到達
すると、クレーン制御装置２７は走行用モータＭ１を停
止させる。次に、クレーン制御装置２７は昇降制御指令
信号に基づいて駆動回路Ｓ２を介して昇降用モータＭ２
を駆動させ、キャリッジ２１を目的の収納部１１の棚段
７まで上昇させる。このとき、クレーン制御装置２７は
上昇するキャリッジ２１に設けた孔検出センサ２４が検
出する各棚段７の切欠孔１５に基づいてキャリッジ２１
が目的の収容部１１の棚段７まで到達すると、クレーン
制御装置２７は昇降用モータＭ２を停止させる。このと
き、目的の収納部１１とスタッカクレーン１７の昇降キ
ャリッジ２１が部品箱Ｂを投入するための相対向する位
置となる。

【００４９】そして、クレーン制御装置２７は押さえ板
駆動モータＭ４を逆転させて押さえ板２３を開放させた
後、ベルトコンベア駆動モータＭ３を駆動させてベルト
コンベア２７上の部品箱Ｂを目的の収納部１１に投入す
る。

【００５０】このように、スタッカクレーン１７は箱検
出センサ１４の検出信号に基づいて収納部１１に配置さ
れた部品箱Ｂが最小在庫より不足した場合には、不足し
ている部品箱Ｂを不足した収納部１１に投入するように
なっている。

【００５１】そして、作業者は傾斜式流動棚１に配設さ
れた部品箱Ｂから部品を取り出して、組立ラインＫにお
ける各種組立作業を行うようになっている。以上詳述し
たように本実施例によれば、既存の傾斜式流動棚１にス
タッカクレーン１７を使用することにより、部品箱Ｂを
自動で該傾斜式流動棚１に投入することができる。この
とき、箱検出センサ１４により、各収納部１１に配置さ
れている部品箱Ｂの個数を管理している。従って、各収
納部１１における部品箱Ｂの個数が最小在庫（２個）よ
り不足した状態となると、作業者にその状態を知らせる
ようになっている。そして、部品箱供給用ベルトコンベ
ア２８に不足している部品箱Ｂを供給することにより、
スタッカクレーン１７に部品箱Ｂが供給され、自動で該
部品箱Ｂが不足している収納部１１にその部品箱Ｂを供
給することができる。更に、該箱検出センサ１４により
必要な時に必要な部品箱Ｂを的確に不足している収納部
１１に投入することができる。

【００５２】更に、これら箱検出センサ１４により検出
された各収納部１１における部品箱Ｂの不足状態をホス
トコンピュータＨＰのディスプレイ装置に表示したの
で、作業者は容易に各収納部１１における部品箱Ｂの在
庫状態を視認することができる。

【００５３】又、スタッカクレーン１７に載置された部
品箱Ｂを移載する移載装置としてベルトコンベア２２を
使用したので、容易に傾斜式流動棚１の収納部１１に部
品箱Ｂを入庫することができる。しかも、傾斜式流動棚
１にスタッカクレーン１７を使用したので、工場等にお
ける各組立ラインＫにおいて、省人化を促進することが
できる。

【００５４】更に、生産量及び生産機種が変動し、各々
の部品箱Ｂを収納すべき収納部１１を変更したい場合に
は、ホストコンピュータＨＰに変更後に部品箱Ｂを収納
すべき収納部１１を登録し、ホストコンピュータＨＰが
その収納部１１にスタッカクレーン１７の昇降キャリッ
ジ２１を案内するための指令信号を作成することにより
自動で変更することができる。

【００５５】又、異なる大きさの部品箱Ｂを投入する場
合においても、スタッカクレーン１７のベルトコンベア
２２上に設けられた押さえ板２３によりガイド部材２２
ａ側に押さえ付けることができることにより、常にガイ
ド部材２２ａ側に部品箱Ｂが載置された状態で部品箱Ｂ
を搬送することができる。従って、大きさの異なる部品
箱Ｂであっても、傾斜式流動棚１の所望の収納部１１に
部品箱Ｂを確実に搬送することができ、自動で投入する
ことができる。

【００５６】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することができる。 （１）上記実施例では、被検出板２５にて走行台１９の
走行方向の位置を検出するとともに、切欠孔１５にて上
下方向における昇降キャリッジ２１の位置を検出し、該
昇降キャリッジ２１を目的の収納部１１と相対向する位
置に位置決めした。これを、クレーン制御装置２７が走
行モータＭ１及び昇降モータＭ２の回転量に基づいて走
行台１９及び昇降キャリッジ２１を位置決めする等のそ
の他の位置決め方法で、目的の収納部１１と相対向する
位置に該昇降キャリッジ２１を位置決めしてもよい。

【００５７】又、孔検出センサ２４及び板検出センサ２
６は光検出方式の検出センサを使用したが、磁気検出方
式の検出センサを使用してもよい。更に、接触式のセン
サであってもよい。

【００５８】（２）上記実施例において、傾斜式流動棚
１における棚段７を上下方向に１段のみで構成した型の
傾斜式流動棚に適用してもよい。傾斜式流動棚の棚段７
の上下方向における段数は特に限定することなく２段又
は４段以上の複数段であってもよい。

【００５９】（３）上記実施例では、傾斜式流動棚１に
おける在庫状態が不足して、最小在庫の状態となると、
箱検出センサ１４の不足信号に基づいてホストコンピュ
ータＨＰのディスプレイ上にその旨の表示がなされるよ
う構成されている。これを、傾斜式流動棚１の在庫状態
が最小在庫となって、箱検出センサ１４がホストコンピ
ュータＨＰに異常信号を出力した場合には、例えば非常
回転灯を点灯させるよう構成してもよい。

【００６０】（４）上記実施例では、最小在庫を検出す
るための箱検出センサ１４を各収納部１１において、２
個目の部品箱Ｂを検出する位置に取着されたが、１個で
あってもよい。又、各収納部１１に複数個の箱検出セン
サ１４を取着し、各収納部１１における部品箱Ｂの在庫
状態を検出するよう構成してもよい。このとき、各収納
部において、通常の在庫状態を示す標準在庫の数量を検
出するための箱検出センサ及び過剰在庫の状態を示す最
大在庫の数量を検出するための箱検出センサを取着して
もよい。

【００６１】（５）上記実施例において、スタッカクレ
ーン１７の一方のマスト２０に、該マスト２０と所定の
間隔を持たせ、かつ昇降経路全長に渡って伸びる帯状板
を設ける。そして、走行方向と同様に昇降方向において
も、その帯状板に収納部を検知するための該収納部に対
応した縦長状の切欠孔を設け、その切欠孔を昇降キャリ
ッジに取着された検出器によって検出することにより、
昇降方向の位置決めを行ってもよい。

【００６２】（６）上記実施例において、傾斜式流動棚
１における切欠孔１５を収納部１１の略中央部に形成し
た。これを、適宜所望の位置に設定してもよい。即ち、
スタッカクレーン１７側の孔検出センサ２４が該切欠孔
１５を検出したときに、スタッカクレーン１７の昇降キ
ャリッジ２１がその収納部と相対向する位置に位置決め
されればよい。又、昇降キャリッジ２１上に載置された
部品箱Ｂの大きさに従って孔検出センサ２４の位置を移
動可能に設けてもよい。

【００６３】（７）上記実施例において、傾斜式流動棚
１から払い出された部品箱Ｂを自動で搬送するためのベ
ルトコンベアを傾斜式流動棚１の払い出し口１３側に設
けてもよい。

【００６４】（８）上記実施例において、図６に示すよ
うに、組立ラインＫの流れが途中で屈曲しており、この
組立ラインＫに沿って、奥行きの異なる傾斜式流動棚１
が設置されている。更に、これらの傾斜式流動棚１の投
入口１２側に沿って、走行レール１６が設置される。こ
の走行レール１６はその延長線上の両側に部品供給棚２
９が立設され、この部品供給棚２９には、前記傾斜式流
動棚１のそれぞれの収納部１１に収納すべき各種部品箱
Ｂがスタッカクレーン１７の昇降キャリッジ２１によっ
て所定の位置毎に保管される。そして、収納部１１に取
着された箱検出センサ１５からの不足信号に基づいてホ
ストコンピュータＨＰがその不足した部品箱Ｂが部品供
給棚２９のどの位置にあるかを割り出す。

【００６５】次に、ホストコンピュータＨＰはクレーン
制御装置２７を介してスタッカクレーン１７を制御し、
該部品供給棚２９から昇降キャリッジ２１に設けられた
取り出し手段である移載装置３０によって目的の部品箱
Ｂを取り出し、スタッカクレーン１７の走行によって目
的の収納部１１に部品箱Ｂを投入する。尚、部品供給棚
２９への部品箱Ｂの保管は、ステーション２８に投入さ
れた部品箱Ｂを走行クレーン１７の移載装置３０で受け
取り、所定の棚位置に供給することで行われる。

【００６６】一方、前記走行レール１６は傾斜式流動棚
１の奥行きに応じて不連続に形成される。ここで、走行
レール１６の不連続端にはスタッカクレーン１７の走行
レール１６を切り替える切替え手段としてのレール切替
え手段３１が設けられている。スタッカクレーン１７は
このレール切替え手段３１により不連続な走行レール１
６間を相互に移動できる。更に、走行レール１６は組立
ラインＫに沿って屈曲部１６ａを有し、スタッカクレー
ン１７は走行レール１６の屈曲に対応して、案内される
ように走行する。

【００６７】この実施例によれば、払い出される部品箱
Ｂの不足に応じて、自動的に部品箱Ｂが部品収納棚２９
から取り出されるためステーション２８で不足の都度の
部品箱Ｂの投入が不要となる。

【００６８】又、スタッカクレーン１７は傾斜式流動棚
１の奥行きの違いや屈曲した走行レール１６に対応でき
るため、組立ラインＫの形態に自由に対応できる。

【００６９】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、傾
斜棚に部品箱を自動で投入することができる優れた効果
がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を具体化した一実施例において、組立ラ
インにおける部品供給システムを示す概略構成図であ
る。

【図２】一実施例におけるスタッカクレーンと傾斜式流
動棚の位置関係を示す平面図である。

【図３】一実施例におけるスタッカクレーンと傾斜式流
動棚の位置関係を示す正面図である。

【図４】一実施例において、傾斜式流動棚を示す斜視図
である。

【図５】一実施例における電気ブロック図である。

【図６】別例において、組立ラインにおける部品供給シ
ステムを示す概略構成図である。

【符号の説明】

１…傾斜棚としての傾斜式流動棚、１１…収納部、１２
…投入口、１３…払い出し口、１６…走行用レール、１
７…移動体としてのスタッカクレーン、２１…キャリッ
ジとしての昇降キャリッジ、２２…受渡し手段としての
ベルトコンベア、１４…箱検知手段としての箱検出セン
サ、３０…取り出し手段としての移載装置、Ｂ…部品
箱、Ｋ…組立ライン、Ｍ２…昇降手段としての昇降用モ
ータ。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 部品を収容した部品箱を収納する収納部
   を投入口側から払い出し口側に向かって下方に傾斜さ
   せ、その傾斜によって投入口側から投入された部品箱を
   払い出し口側に案内するようにした傾斜棚と、 その傾斜棚の投入口側に、傾斜棚に沿って走行用レール
   を配設し、その走行レール上を走行する移動体を有する
   とともに、 移動体には、部品箱を載置し上下に昇降可能なキャリッ
   ジを設け、 キャリッジには部品箱を前記収納部に受け渡す受渡し手
   段を設けた組立ラインにおける傾斜棚用部品供給システ
   ム。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の組立ラインにおける傾
   斜棚用部品供給システムにおいて、 前記走行レールは少なくとも１つの直線又は曲線からな
   るレールである組立ラインにおける傾斜用部品供給シス
   テム。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の組立ラインにおける傾
   斜棚用部品供給システムにおいて、 前記走行レールは複数のレールからなり、それぞれのレ
   ール間を前記移動体が移動するレール切替え手段を有す
   る組立ラインにおける傾斜棚用部品供給システム。
4. 【請求項４】 請求項１に記載の組立ラインにおける傾
   斜棚用部品供給システムにおいて、 前記受渡し手段は前記キャリッジに設けられ、駆動装置
   を有するベルトコンベアからなる組立ラインにおける傾
   斜棚用部品供給システム。
5. 【請求項５】 請求項１に記載の組立ラインにおける傾
   斜棚用部品供給システムにおいて、 部品を収容した部品箱を収納する収納部を上下方向に複
   数段形成し、移動体はキャリッジを昇降動させる昇降手
   段を備えた組立ラインにおける傾斜棚用部品供給システ
   ム。
6. 【請求項６】 請求項１に記載の組立ラインにおける傾
   斜棚用部品供給システムにおいて、 各収納部は複数個の部品箱の縦列収納できるスペースで
   あって、その収納される部品箱の在庫を検知する箱検知
   手段を備えた組立ラインにおける傾斜棚用部品供給シス
   テム。
7. 【請求項７】 請求項１又は請求項６記載の組立ライン
   における傾斜棚用部品供給システムにおいて、 前記走行レールに沿って、部品箱が収納された部品供給
   棚を設置するとともに、前記移動体のキャリッジには部
   品供給棚から部品箱を取り出す取り出し手段を備えた組
   立ラインにおける傾斜棚用部品供給システム。