JPH0630475Y2 - 固形塗布剤用ホルダ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はシャープペンシル、チョーク、クレヨン、口
紅、修正用固形白色塗料等、塗布により先端が減ってい
く塗布部剤を繰り出し、または引っ込めて収納するホル
ダに関するものである。

（従来技術） 従来、この種のものとしては、シャープペンシル、口紅
等にこの種のホルダが用いられており、螺旋状の案内溝
を有するもの、ノック式繰り出し等のものがあった。こ
れらのものは携帯時には、固形塗布剤をホルダ内に収容
して携帯することができ、したがって被服ポケット等を
固形塗布剤によって汚すような虞れもないし、また使用
するときにはホルダから繰り出して使用することがで
き、また固形塗布剤の先端が擦り減ったときには、さら
にホルダ内から固形塗布剤を繰り出して使用することが
できる等という点で極めて便利なものであった。

しかるに、従来のものには次のような問題点があった。

（従来技術の問題点） 例えば螺旋状案内溝を有するものにあっては、該案内溝
と案内片との間があまりに隙間なく嵌合していると、か
えって摺動に大きな摩擦をきたし、繰り出し引き込みが
スムーズに行われないし、またノック式繰り出し引き込
み装置においても同様であって、ノックするだけの余裕
がなければならず、必然的にこれらの余裕あるいは隙間
によってこれらの塗布剤を使用するときに、塗布剤の先
端に圧力がかかると塗布剤はその圧力によって内側に引
っ込み、圧力がなくなると前記余裕、あるいは隙間の分
だけ外へ出てしまうということにより、どうしても塗布
剤のがたつきということが避けられなかった。

（問題を解決するための手段および作用） 本考案は前記のような従来の固形塗布剤用ホルダの欠点
を改良し、がたつきがなくしかもスムーズに繰り出し引
き込みのできるような固形塗布剤用ホルダを提供するこ
とを目的とするものであって、固形塗布剤取り付け要素
に一個以上のバネを取り付け、該バネの他端に係止片を
設け、該係止片を、螺旋状案内間隙を有し相対的に回転
可能に構成した案内具の、案内間隙を貫通して外筒の内
壁に圧着させて構成することによって、使用時における
固形塗布剤のがたつきがなく、しかもスムーズに繰り出
し引き込みができるような固形塗布剤用ホルダに関する
ものである。

（実施例） 以下本考案を図面に示す実施例に従って詳細に説明す
る。

第１図は本考案を修正用固形白色塗布剤に実施した例を
示す側面図であって、１は外筒、２はキャップ、３は回
転つまみである。

第２図は第１図に示す固形塗布剤用ホルダの縦断面側面
図であって、図示を省略した、丁度クレヨンと同様な形
状の白色修正用固形塗布剤を取り付け要素６に取り付け
る、取り付け要素の形状はどのようなものであってもよ
いが、図面に示すものは前記固形塗布剤の直径よりもや
や小さい内径を有する筒状のものであって、これにクレ
ヨン状の形状の固形塗布剤の末端部を圧入して保持する
のである。

前記取り付け要素６には図示のようにバネ７及び７′を
とりつけ、該バネ７及び７′の他端には係止片８、８′
を取り付ける。

ここで本考案の案内具について説明する。

第３図（Ａ）は本考案を実施するのに使用する案内具の
一例を示す側面図。第３図（Ｂ）は第３図（Ａ）の右側
面図であるが、同各図に示すようにこの案内具は螺旋状
の間隙５を有する円筒状の用具であって、硬質プラスチ
ックまたは金属板で構成する。実施例の場合には、第３
図（Ｂ）に示すように一方の端には回転つまみ３取りつ
け用の多角形突出部１１に、図示のように回転つまみ３
を嵌め合わせることによって、外部からこの案内具を回
転させることができるような構成にしておく。もちろん
案内具４を外部から回転させる構造は前記のものに限る
必要はないが、実施例のように案内具と回転つまみとを
別に構成して前記のように嵌め合わせて用いるようにす
るのが、成形上便利である。

さて、前記に示した係止片８、８′は第３図（Ａ）に示
した螺旋状案内間隙５の間隙を貫通して、外筒の内壁９
に圧着するように構成しておくのである。図面に示す実
施例においては、外筒１の内側には硬質プラスチックの
ような表面が滑らかで比較的精密に成形できる部材を用
いた内壁スリーブ１０を挿入してあり、前記係止片８、
８′は外筒の内壁である内壁スリーブ１０の内壁９に圧
着させるように構成しているのであるが、本考案の実施
にはこれに限らず外筒は一重であって、その内壁に係止
片８、８′が圧着するように構成してもよい。

２はキャップであり、１２は固形塗布剤の繰り出し口で
あって、図示を省略したクレヨン状の固形塗布剤はこの
繰り出し口１２から外部に繰り出されるものであって、
使用しないときには、固形塗布剤をホルダ内に繰り込
み、且つ固形塗布剤が乾燥しやすいものである場合には
キャップ２を密閉することによって乾燥を防ぐこともで
きるように構成した。

本考案は前記のように構成したものであって、次のよう
に使用する。

回転つまみ３によって案内具４を反時計方向に回転させ
れば、該案内具の案内間隙５に貫通している係止片８、
８′は図示左方向に送られるから、取りつけ要素６に取
り付けた固形塗布剤は繰り出し口１２から図示左方向に
繰り出されることになるのである。また前記繰り出され
た固形塗布剤をホルダ内に繰り込むときには、回転つま
みを時計方向に回転させれば案内間隙５によって係止片
８、８′は図示右方向に摺動せられ、これによってバネ
７、７′を介して取り付けられた取り付け要素、並びに
該取り付け要素６に取り付けられた固形塗布剤は、図示
右方向に移動されて繰り出し口１２からホルダ内に収容
されることになるのである。

ところで、本考案について案内具４を回転させたとき
に、係止片８、８′が同じ方向へ回転するのを阻止する
機構は格別には設けてない。そのため、案内具４を時計
方向に回転させたときに、係止片８、８′も案内具４と
同じ方向へ多少は回転することになるが、この回転しよ
うとする力は、上記バネ７、７′によって生じる係止片
８、８′と外筒１の内壁との間の圧着による摩擦によっ
て減殺され、その分だけ係止片８、８′を、従ってホル
ダ６を、図示左方向へ押し出すことになるのである。

従って、ホルダ６が図示左方向へ移動する量は、必ずし
も案内具４を回転させる角度とは比例しないかも知れな
いが、その代わり係止片が横に回転するのを阻止する機
構がない分だけ案内具の回転が軽くスムーズに操作でき
るし、またクレヨンや口紅等のように固形塗布剤の繰り
出し量をさほど正確に制御する必要のない場合において
は、上記のようなホルダの移動する量が案内具の回転角
と比例しないことが欠点とはならないのである。

ところで本考案は、前記のように係止片８、８′をバネ
７、７′によって外筒の内壁に圧着されるように構成し
てあるから、係止片８、８′と外筒の内壁９との摩擦に
よって取り付け要素６、したがって図示を省略した固形
塗布剤が、ホルダ内で図示左右方向に動くことなく固定
され、固形塗布剤のがたつきが防止されるのである。

（考案の効果） 本考案は、前記のように構成したものであって、固形塗
布剤を取り付けた取り付け要素はバネ７、７′を介し
て、係止片８、８′が案内具４の間隙５を貫通して外筒
の内壁に圧着されているから、取り付け要素６は回転つ
まみ３や、案内具４によって移動された所望の位置に完
全に固定され、そのため本件固形塗布用ホルダを使用す
る場合に固形塗布剤の先端に圧力がかかったり、あるい
は圧力がかからなくなったりしたときにも固形塗布剤は
図示左右方向にがたつき、または遊び動くことがない、
そのため繰り出し口１２と固形塗布剤の外径との間隙を
精密に製作しておけば、この固形塗布剤を使用するにあ
たって固形塗布剤は図示上下方向にも図示左右方向にも
がたつくことがなく、そのため特にシャープペンシルの
ように固形塗布剤、すなわち鉛筆の芯の先端部を精密に
完全にコントロールして塗布したい場合に便利である。
また実施例に示すような修正用白色固定塗布剤を用いて
文章修正する場合にも、所望の位置に正しくこの塗布剤
を塗布することができることになる。

また、従来の同様な構造のものと比較して、案内具を回
転させたときに係止片が同じ方向へ回転してしまうのを
阻止する機構は、格別には設けていないから、案内具の
回転が軽くスムーズに行えることも本考案の長所といえ
る。

（他の実施例） もちろん本考案は前記実施例にのみ限定される必要がな
いことは言うまでもないことであって、シャープペンシ
ルのように固形塗布剤が乾燥する虞れがまったく無い場
合には、キャップ２は省略してもよいし、案内具４を回
転させるための構造も前記に限る必要はない。

またバネについても、板バネにかぎらず、例えばコイル
バネを横方向に取り付ける等の設計上の余地もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施せる固形塗布剤用ホルダの外見の
側面図である。第２図は第１図に示すホルダの縦断面側
面図である。第３図（Ａ）は本考案を実施するのに用い
る案内具の一実施例であり、第３図（Ｂ）は第３図
（Ａ）の右側面図である。 図中１はホルダの外壁、４は案内具、５は案内具に設け
られた案内間隙、６は取りつけ要素、７、７′はバネ、
８、８′は係止片、９は外筒の内壁である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外筒の内側に、螺旋状案内間隙を有し相対
   的に回転可能に構成した案内具を備え、該案内具の内側
   に挿入する固形塗布剤取り付け要素に一個以上のバネを
   取り付け、該バネの他端に係止片を設け、該係止片を上
   記案内具の、案内間隙を貫通して外筒の内壁に圧着させ
   て構成した固形塗布剤用ホルダ。