JPH06303717A - 保護継電器装置の自動点検方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 系統事故などにより遮断器が引外しできるか
否かを、強制的に継電器装置を動作させ自動点検する
時、監視すべき遮断器トリップ回路のトリップ用接点に
事故時におけるトリップ電流に相当する電流を流す。 【構成】 監視すべき遮断器トリップ回路のトリップ用
接点を二重化するとともに、自動点検時に前記トリップ
用接点に事故時のトリップ電流相当の電流を流す監視用
補助リレ−回路を付加する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、保護継電器装置におけ
る接点方式の回路器引外し（トリップ）回路の自動点検
方式に関する。

【０００２】

【従来の技術】図１は、従来から通常に行なわれている
保護継電器装置における接点方式の回路遮断器引外し回
路の自動点検方式を示すものである。

【０００３】図１において、１は継電器装置(Ａ)におけ
る補助リレー(Ｔx)であって、主要素の接点(６,Ｍ）と
フェイルセーフ要素の接点（８,Ｆs）を介して電源Ｐ'-
Ｎ'間に接続され 付勢されて作動する。５は回路遮断器
（Ｂ，図示せず）のトリップコイル（Ｔｃ）であって、
継電器装置(Ａ)における前記補助リレー(１,Ｔx）のト
リップ用ａ接点(２,Ｔｘ')及び自動点検時ロック用ｂ接
点(４,11Ｔ）を介して電源Ｐ-Ｎ間に接続されて付勢さ
れ作動する。また、７は前記補助リレ−(１,Ｔx) のト
リップ用ａ接点(２,Ｔx')の動作を監視するために、同
じく補助リレ−(１,Ｔx) のａ接点(３,Ｔx")の動作をも
って補助リレ−(１,Ｔx)の動作を監視する監視手段であ
る。

【０００４】図１に示される継電器装置(Ａ)は、通常は
系統の事故などにより主要素接点(６，Ｍ)がオンされる
ことによって作動し、その補助リレーのａ接点（２,Ｔ
x')とオン状態にある自動点検時ロック用ｂ接点(４，11
Ｔ)を介して、回路遮断器(Ｂ)のトリップコイル（５,Ｔ
c)を付勢して、回路遮断器(Ｂ)を引外し系統を保護する
ものである。

【０００５】そして、自動点検時においては、強制的に
継電器装置（Ａ）を作動させるために、主要素（図示せ
ず）を作動させて主要素接点（６，Ｍ）がオンすると、
フェイルセ−フ要素の接点（Ｆs）がオン状態にある条
件下で補助リレ−(１,Ｔx)が作動し、回路遮断器(Ｂ)の
トリップ回路のトリップ用ａ接点(２,Ｔx')がオン状態
となるが、自動点検時ロック用ｂ接点（４,11Ｔ）がオ
フ状態にされているので、回路遮断器（Ｂ，図示せず）
は引外し（トリップ）されない。同時に補助リレ−(１,
Ｔx) の作動は、別のａ接点(３,Ｔx")を介して補助リレ
−(１,Ｔx)の動作監視手段(７)を作動させ、それによっ
て補助リレ−(１,Ｔx)の接点(２,Ｔx)の状態を監視する
ことができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】以上のような、従来の
保護継電器装置にあっては、自動点検時において、強制
的に継電器装置（Ａ）を動作させたとき、監視すべき接
点である回路遮断器(Ｂ)のトリップ回路のトリップ用ａ
接点(２,Ｔx')には電流が流れておらず、また該トリッ
プ用ａ接点(２,Ｔx')そのものを監視しているものでも
ない。

【０００７】したがって、系統の事故などにより、回路
遮断器（Ｂ，図示せず）がトリップできるか否かは、補
助リレ−(１,Ｔx)のａ接点(２,Ｔx')の信頼性に依存す
ることになるため、従来から、前記補助リレ−(１,Ｔx)
（接点Ｔx'を含めて）をケ−スに入れたり、継電器装置
(Ａ)ユニットを密閉型にして外部からの異物混入や外気
汚染を防止し、接点の接点不良を防止しているが、製造
時における原因などによる接点不良は防止することがで
きない。

【０００８】本発明は、従来における保護継電器装置の
上記欠点に鑑みてなされたものであり、特に、従来の継
電器装置に比べ大型かつ複雑化することなく、信頼性の
高い保護継電器装置の回路遮断器引外し（トリップ）回
路の自動点検方式を提供するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段、作用】本発明は、保護継
電器装置の動作用の補助リレ−ａ接点（回路遮断器(Ｂ)
トリップ回路のトリップ用ａ接点）を二重化するととも
に、自動点検時に前記補助リレ−二重化接点に回路遮断
器トリップ電流相当の電流を流す監視用補助リレ−回路
を付加し、該監視用補助リレ−回路の作動により前記補
助リレ−二重化接点の接触状態を監視する接点動作監視
手段を設ける。

【００１０】

【実施例】以下、図２を参照して、本発明の実施例を説
明する。

【００１１】図２において、１は継電器装置（Ａ）にお
ける主要素の接点（６，Ｍ）とフェルセ−フ要素の接点
（８,Ｆs）を介して電源Ｐ'-Ｎ'間に接続されて付勢さ
れ作動する補助リレ−（Ｔx）、２は例えば従来の継電
器装置（図１，Ａ）における補助リレ−（Ｔx）のａ接
点Ｔx'ともうーつのａ接点Ｔx"からなる二重化接点によ
って構成されている前記補助リレー（１,Ｔx） のトリ
ップ用二重化接点、５は継電器装置（Ａ）における前記
補助リレ−（１,Ｔx）のトリップ用ａ接点（２,Ｔx',Ｔ
x"）及び自動点検時ロック用ｂ接点（４,11Ｔb）を介し
て電源Ｐ-Ｎ間に接続され付勢される回路遮断器（図示
せず）の引外し巻線（トリップコイルＴｃ）、９は監視
用補助リレー（10,Ｍx）の両端に接続されたトリップ用
ａ接点（２,Ｔx',Ｔx"）の電流制限用抵抗器、１０は前
記補助リレー（１,Ｔｘ）のトリップ用二重化接点（２,
Ｔx',Ｔx"）のオン動作によって付勢され作動する該ト
リップ用二重化接点（２,Ｔx',Ｔx"）監視のための監視
用補助リレー（10,Ｍx）、７は接点動作監視手段であっ
て前記監視用補助リレー（10,Ｍx）の接点（３,Ｍx'）
を介して電源Ｐ'-Ｎ'間に接続されて付勢され、その作
動によって継電器装置(Ａ)の動作時の前記補助リレー
（１,Ｔx）のトリップ用二重化接点（２,Ｔx',Ｔx"）の
動作を監視するものである。

【００１２】次に継電器装置(Ａ)における接点方式の回
路遮断器トリップ回路の自動点検方式を説明する。

【００１３】自動点検時において、監視すべき接点であ
るトリップ用の二重化接点（２,Ｔx',Ｔx"）に適切な電
流を通電するために、電流の大きさを制限抵抗器（９,
Ｒ）の調節によって決定する。このときの適切な電流は
回路遮断器（Ｂ，図示せず）がトリップするに要するト
リップコイル（５,Ｔc）の電流値であり，流す時間も極
短時間で十分であるから制限抵抗（２,Ｒ）の容量は大
きくする必要はない。

【００１４】通常は、系統の事故などにより継電器装置
(Ａ)内の主要素（６,Ｍ）がオン状態となり、フェイル
セーフ接点（Ｆs）のオン状態を条件に補助リレー（１,
Ｔx）が付勢し作動して、その二重化接点（２,Ｔx',Ｔ
x"）を介して電源Ｐ-Ｎにより回路遮断器（Ｂ）のトリ
ップコイル（５,Ｔc）が付勢され、該回路遮断器（５，
図示せず）はトリップされる。

【００１５】次に、自動点検時において、強制的に継電
器装置(Ａ)を動作させるために、主要素の接点（６,
Ｍ）がオン状態にされると、フェイルセーフ要素の接点
（Ｆs）がオン状態である条件で補助リレー（１,Ｔx）
が付勢され作動し、該補助リレー（１,Ｔx）のトリップ
用二重化接点（２,Ｔx',Ｔx"）がオン状態となるが、自
動点検時ロック用ｂ接点（４,11Ｔb）がオフ状態にされ
ているので、回路遮断器（Ｂ，図示せず）のトリップは
行なわれない。同時に、自動点検時ロック用ａ接点
（４,11Ｔa）がオン状態にされるので、前記トリップ用
二重化接点（２,Ｔx',Ｔx"）に電流制限抵抗器（９,
Ｒ）で決定された電流（回路遮断器トリップ電流に相当
する）が流れるとともに、監視用補助リレー（10,Ｍx）
が付勢され作動する。該監視用補助リレー（10,Ｍx）の
作動により、その接点（３,Ｍx'）がオン状態となり接
点動作監視手段(７)を作動させ、それによって補助リレ
ー（１,Ｔx）の二重化接点（２,Ｔx',Ｔx"）の状態を監
視することができる。

【００１６】

【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、回路遮
断器のトリップ回路のトリップ用接点を二重化とすると
ともに、自動点検時に前記トリップ用接点に回路遮断器
トリップ電流相当の電流を流す監視用補助リレー回路を
付加したことにより次のとおりの作用効果を奏すること
ができる。

【００１７】(１).回路遮断器トリップ回路のトリップ
用接点である継電器装置動作用の補助リレーの接点を二
重化することにより、該トリップ用接点の接触信頼性が
格段に向上する。

【００１８】(２).継電器装置動作用（回路遮断器トリ
ップ用）の補助リレー（Ｔx）は、パワーリレーである
が、接点を二重化してもその大きさ重量は殆ど変わるこ
となく、また、監視用補助リレー（Ｍx）の接点容量は
小さいものでよいから、該監視用補助リレー（Ｍx）の
大きさ及び重量は小さく全体の実装に余り影響を与える
ことがない。

【００１９】(３).自動点検時に、継電器装置動作用
（回路遮断器トリップ用）の補助リレー（Ｔx）接点に
電流が通電することによって、接点表面に付着した異物
などが除去されるので接触不良が回復する可能性があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の保護継電器装置の接点方式の遮断器引外
し回路

【図２】本発明の保護継電器装置の接点方式の遮断器引
外し回路

【符号の説明】

Ａ．継電器装置 Ｂ．回路遮断器 １．継電器動作用補助リレ−・コイル ２．補助リレ−のトリップ用（二重化）接点 ３．補助リレ−の接点 ４．自動点検時ロック用接点 ５．回路遮断器トリップコイル ６．継電器装置の主要素の接点 ７．継電器動作用補助リレ−接点の動作監視手段 ８．継電器フェイルセ−フ要素の接点 ９．回路遮断器トリップ用二重化接点の電流制限抵抗 10．回路遮断器トリップ用二重化接点の監視用接点の監
視用補助リレ−

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 継電器装置の主要素(６)の接断により作
   動する継電器動作用補助リレー(１)の接点(２)と、自動
   点検用接点(４)と、及び回路遮断器引外し巻線(５)との
   直列接続からなる回路遮断器引外し回路の自動点検方式
   において、前記継電器動作用補助リレー(１)の接点(２)
   を二重化接点とするとともに、自動点検時、前記補助リ
   レー(１)の二重化接点(２)に電流を流す第２の自動点検
   用接点(４')と電流制限抵抗(９)と監視用リレー(10)と
   からなる監視用リレー回路を付加し、該付加回路の監視
   用リレー(10)の作動により前記継電器動作用補助リレ−
   (１)の動作を監視する監視手段(７)を具備したことを特
   徴とする保護継電器装置の自動点検方式。
2. 【請求項２】 継電器動作用補助リレ−(１)は、継電装
   置の主要素（６)接断とフェイルセ−フ要素(８)の接断
   によって作動することを特徴とした請求項１記載の保護
   継電器装置の自動点検方式。