JPH06303134A - Pll回路 - Google Patents

Pll回路

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JPH06303134A
JPH06303134A JP5112267A JP11226793A JPH06303134A JP H06303134 A JPH06303134 A JP H06303134A JP 5112267 A JP5112267 A JP 5112267A JP 11226793 A JP11226793 A JP 11226793A JP H06303134 A JPH06303134 A JP H06303134A
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JP
Japan
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circuit
voltage
frequency
pll
output
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP5112267A
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English (en)
Inventor
Kazufumi Suzukawa
一文 鈴川
Takayuki Kuchiki
隆之 朽木
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Hitachi Microcomputer System Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Microcomputer System Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Microcomputer System Ltd, Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Microcomputer System Ltd
Priority to JP5112267A priority Critical patent/JPH06303134A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 その低消費電力化を図りつつ、電圧制御型発
振回路を含むPLL回路の使用可能な周波数領域を拡大
する。これにより、PLL回路を含むクロック発生回路
を備えるシングルチップ型マイクロコンピュータ等の多
機能化を推進し、その適用可能な応用分野を拡大する。 【構成】 シングルチップ型マイクロコンピュータ等の
クロック発生回路CPGに含まれるPLL回路(PL
L)に、それぞれ異なる出力周波数特性を有しかつその
使用可能な周波数領域が互いに連続すべく設計される複
数の電圧制御型発振回路VCO1〜VCO3と、これら
の電圧制御型発振回路の出力信号C1〜C3を選択制御
信号CM1〜CM3に従って択一的に伝達する出力選択
回路OSLとを設けるとともに、電圧制御型発振回路V
CO1〜VCO3を選択制御信号CM1〜CM3に従っ
て択一的に動作状態とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、PLL(フェーズロ
ックループ)回路に関するもので、例えば、シングルチ
ップ型マイクロコンピュータのクロック発生回路に含ま
れるPLL回路に利用して有効な技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】入力クロック信号と内部クロック信号の
位相差に応じた位相差信号を形成する位相比較回路と、
この位相差信号に応じた制御電圧を形成するローパスフ
ィルタと、この制御電圧に応じたパルス信号を形成する
電圧制御型発振回路とを含み、入力クロック信号に位相
同期された内部クロック信号を形成するPLL回路があ
る。また、PLL回路を含むクロック発生回路があり、
このようなクロック発生回路を含むシングルチップ型マ
イクロコンピュータがある。
【0003】PLL回路ならびにその基本原理について
は、例えば、平成4年4月1日、シータスク社発行の
『PLLの設計と実用回路−実験を通して学ぶ−(第4
版)』第1頁〜第2頁等に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者等は、この
発明に先立って、そのクロック発生回路に上記PLL回
路を用いたシングルチップ型のマイクロコンピュータを
開発した。このマイクロコンピュータにおいて、クロッ
ク発生回路CPGは、図7に示されるように、外部端子
XA及びXBを介して水晶発振子XTLに結合されるこ
とで水晶発振子XTLの固有振動数と同一周波数の入力
クロック信号COを形成する発振回路OSCと、位相比
較回路PFC,ローパスフィルタLPF,電圧制御型発
振回路VCOならびに分周回路FD1及びFD2を含む
PLL回路(PLL)と、分周回路FD1の出力信号つ
まりクロック信号CDを受けるクロック整形回路CTと
を含む。このうち、PLL回路の位相比較回路PFC
は、発振回路OSCから出力される入力クロック信号C
Oと分周回路FD2の出力信号として得られる内部クロ
ック信号CPの位相を比較し、その位相差に応じたパル
ス幅を有する位相差信号を形成する。また、ローパスフ
ィルタLPFは、位相比較回路PFCから出力される位
相差信号のパルス幅に応じた直流電位を有する制御電圧
VCを形成し、電圧制御型発振回路VCOは、ローパス
フィルタLPFから出力される制御電圧VCに応じた所
定の周波数を有するクロック信号CGを形成する。電圧
制御型発振回路VCOから出力されるクロック信号CG
は、分周回路FD1によりその周波数がp分の1に分周
されてクロック信号CDとなり、さらに分周回路FD2
によりq分の1に分周されて内部クロック信号CPとな
る。
【0005】PLL回路を構成する分周回路FD1の出
力信号つまりクロック信号CDは、クロック整形回路C
Tによって遅延・整形され、n相のシステムクロック信
号CP1〜CPnとなる。これらのシステムクロック信
号は、中央処理装置CPUを含むマイクロコンピュータ
の各部に供給され、これらを同期動作させるための基本
クロック信号となる。これにより、このマイクロコンピ
ュータでは、比較的低い固有振動数を有する水晶発振子
XTLをもとに、そのq倍の周波数を有するシステムク
ロック信号CP1〜CPnを形成することができる。
【0006】ところが、マイクロコンピュータの多機能
化が進みその応用分野が拡大されるにしたがって、上記
のようなPLL回路には次のような問題点が生じること
が本願発明者等によって明らかとなった。すなわち、上
記PLL回路は1個の電圧制御型発振回路VCOを含
み、システムクロック信号CP1〜CPnの制御可能な
周波数領域は、この電圧制御型発振回路VCOの出力周
波数特性によって左右される。周知のように、電圧制御
型発振回路VCOの出力周波数を安定かつ的確に制御で
きる周波数範囲は、水晶発振子XTLの固有振動数のバ
ラツキを補償しうる程度の比較的狭いものとされる。し
かし、マイクロコンピュータの多機能化が進みその応用
分野が拡大されると、相応してそのシステムクロック信
号として要求される周波数範囲も拡大されるため、上記
PLL回路ではこのようなニーズに対応できなくなり、
これによってマイクロコンピュータの多機能化ならびに
その適用可能な応用分野が制約を受けるものである。
【0007】この発明の目的は、使用可能な周波数領域
の拡大を図ったPLL回路を提供することにある。この
発明の他の目的は、PLL回路を含むクロック発生回路
を備えるシングルチップ型マイクロコンピュータ等の多
機能化を推進し、その適用可能な応用分野を拡大するこ
とにある。
【0008】この発明の前記ならびにその他の目的と新
規な特徴は、この明細書の記述及び添付図面から明らか
になるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次
の通りである。すなわち、シングルチップ型マイクロコ
ンピュータ等のクロック発生回路に含まれるPLL回路
に、それぞれ異なる出力周波数特性を有しかつその使用
可能な周波数領域が互いに連続すべく設計される複数の
電圧制御型発振回路と、これらの電圧制御型発振回路の
出力信号を所定の選択制御信号に従って択一的に選択す
る出力選択回路とを設けるとともに、複数の電圧制御型
発振回路を上記選択制御信号に従って択一的に動作状態
とする。
【0010】
【作用】上記手段によれば、電圧制御型発振回路の消費
電流を抑制しつつ、PLL回路の使用可能な周波数領域
を拡大することができる。この結果、PLL回路を含む
クロック発生回路を備えるシングルチップ型マイクロコ
ンピュータ等の多機能化を推進し、その適用可能な応用
分野を拡大することができる。
【0011】
【実施例】図1には、この発明が適用されたPLL回路
を含むクロック発生回路CPGを備えるシングルチップ
型マイクロコンピュータの一実施例のブロック図が示さ
れている。同図により、まずこの実施例のマイクロコン
ピュータの構成及び動作の概要について説明する。な
お、図1の各ブロックを構成する回路素子は、特に制限
されないが、水晶発振子XTLを除き、公知のMOSF
ET(金属酸化物半導体型電界効果トランジスタ。この
明細書では、MOSFETをして絶縁ゲート型電界効果
トランジスタの総称とする)集積回路の製造技術によ
り、単結晶シリコンのような1個の半導体基板上に形成
される。
【0012】図1において、この実施例のマイクロコン
ピュータは、ストアドプログラム方式の中央処理装置C
PUをその基本構成要素とする。また、外部端子XA及
びXBを介して水晶発振子XTLに結合されるクロック
発生回路CPGを備え、さらに内部バスBUSを介して
上記中央処理装置CPUに結合されるタイマー回路TI
M,リードオンリーメモリROM,ランダムアクセスメ
モリRAMならびにシリアルコミュニケーションインタ
フェースSCIを備える。
【0013】ここで、中央処理装置CPUは、クロック
発生回路CPGから供給されるシステムクロック信号C
P1〜CPnに従って同期動作し、リードオンリーメモ
リROMに格納されるプログラムに従って所定の演算処
理を実行するとともに、マイクロコンピュータの各部を
制御・統轄する。また、リードオンリーメモリROM
は、所定の記憶容量を有するマスクROM等からなり、
中央処理装置CPUの制御に必要なプログラムや固定デ
ータ等を格納する。さらに、ランダムアクセスメモリR
AMは、所定の記憶容量を有するスタティック型RAM
等からなり、中央処理装置CPUによる演算結果や制御
データ等を一時的に格納する。
【0014】次に、タイマー回路TIMは、クロック発
生回路CPGから供給されるシステムクロック信号CP
1〜CPnをもとに所定の時間計時を行い、中央処理装
置CPUの時間管理やカレンダー機能を実現する。ま
た、シリアルコミュニケーションインタフェースSCI
は、例えばマイクロコンピュータの外部に結合されるシ
リアル入出力装置等と中央処理装置CPU又はランダム
アクセスメモリRAMとの間の一連のデータ授受を制御
・管理する。
【0015】一方、クロック発生回路CPGは、水晶発
振子XTLの固有振動数に対応した所定のシステムクロ
ック信号CP1〜CPnを形成し、マイクロコンピュー
タの各部に供給する。この実施例において、クロック発
生回路CPGは、後述するように、PLL回路を含み、
このPLL回路は、その出力周波数特性がそれぞれ異な
る3個の電圧制御型発振回路VCO1〜VCO3と、こ
れらの電圧制御型発振回路の出力信号を択一的に有効と
する出力選択回路OSLとを含む。電圧制御型発振回路
VCO1〜VCO3は、外部端子CM1〜CM3を介し
て供給される選択制御信号CM1〜CM3に従って択一
的に動作状態とされ、出力選択回路OSLは、上記選択
制御信号CM1〜CM3に従って電圧制御型発振回路V
CO1〜VCO3の出力信号を択一的に選択する。な
お、外部端子CM1〜CM3は、必要とされるシステム
クロック信号CP1〜CPnの周波数に応じてその一つ
が択一的に回路の電源電圧に結合され、その他は開放状
態のままとされる。
【0016】図2には、図1のマイクロコンピュータに
含まれるクロック発生回路CPGならびにこれに含まれ
るPLL回路(PLL)の一実施例のブロック図が示さ
れている。また、図3及び図4には、図2のクロック発
生回路のPLL回路に含まれる電圧制御型発振回路VC
O1及び出力選択回路OSLの一実施例の回路図がそれ
ぞれ示され、図6には、図2のクロック発生回路CPG
のPLL回路の一実施例の出力周波数特性図が示されて
いる。これらの図をもとに、この実施例のマイクロコン
ピュータのクロック発生回路及びPLL回路の具体的な
構成及び動作ならびにその特徴について説明する。な
お、電圧制御型発振回路に関する以下の説明は電圧制御
型発振回路VCO1を例に進めるが、その他の電圧制御
型発振回路VCO2及びVCO3については、この電圧
制御型発振回路VCO1と同様な構成とされるため類推
されたい。また、図3において、そのチャンネル(バッ
クゲート)部に矢印が付されるMOSFETはPチャン
ネル型であって、矢印の付されないNチャンネルMOS
FETと区別して示される。
【0017】図2において、この実施例のクロック発生
回路CPGは、一対の外部端子XA及びXBを介して水
晶発振子XTLに結合される発振回路OSCと、位相比
較回路PFC,ローパスフィルタLPF,3個の電圧制
御型発振回路VCO1〜VCO3,出力選択回路OSL
ならびに分周回路FD1及びFD2を含むPLL回路
と、PLL回路の分周回路FD1の出力信号つまりクロ
ック信号CDを受けるクロック整形回路CTとを含む。
このうち、発振回路OSCは、水晶発振子XTLを励起
する帰還増幅回路を含み、水晶発振子XTLの固有振動
数と同じ周波数の入力クロック信号COを形成して、P
LL回路の位相比較回路PFCの一方の入力端子に供給
する。また、クロック整形回路CTは、分周回路FD1
から出力されるクロック信号CDを遅延・整形して、n
相のシステムクロック信号CP1〜CPnを形成し、マ
イクロコンピュータの各部に供給する。
【0018】PLL回路の位相比較回路PFCの他方の
入力端子には、分周回路FD2の出力信号つまり内部ク
ロック信号CPが供給される。位相比較回路PFCは、
上記入力クロック信号COと内部クロック信号CPの位
相(周波数)を比較し、その位相差に応じたパルス幅を
有する位相差信号を形成する。この位相差信号は、ロー
パスフィルタLPFによりそのパルス幅に応じた直流電
位を有する制御電圧VCに変換され、3個の電圧制御型
発振回路VCO1〜VCO3に共通に供給される。この
実施例において、ローパスフィルタLPFから出力され
る制御電圧VCの電位は、内部クロック信号CPの位相
が入力クロック信号COの位相より遅れることによって
徐々に高くされ、逆に内部クロック信号CPの位相が入
力クロック信号COの位相より進むことによって徐々に
低くされる。
【0019】電圧制御型発振回路VCO1〜VCO3に
は、上記のように、ローパスフィルタLPFの出力信号
つまり制御電圧VCが共通に供給されるとともに、外部
端子CM1〜CM3を介して対応する選択制御信号CM
1〜CM3がそれぞれ供給される。これらの外部端子C
M1〜CM3と回路の接地電位との間には、プルダウン
抵抗R1〜R3がそれぞれ設けられる。この実施例にお
いて、外部端子CM1〜CM3は、システムクロック信
号CP1〜CPnの周波数に応じてその一つが択一的に
回路の電源電圧VCCに結合され、その他は開放状態の
ままとされる。したがって、選択制御信号CM1〜CM
3は、対応する外部端子CM1〜CM3が回路の電源電
圧VCCに結合されるときハイレベルとされ、開放状態
とされるとき回路の接地電位のようなロウレベルとされ
るものとなる。
【0020】ここで、電圧制御型発振回路VCO1〜V
CO3は、図3の電圧制御型発振回路VCO1に代表し
て示されるように、それぞれ回路の電源電圧及び接地電
位間に直列形態に設けられた4個のPチャンネルMOS
FETP3及びP4ならびにNチャンネルMOSFET
N4及びN3,PチャンネルMOSFETP5及びP6
ならびにNチャンネルMOSFETN6及びN5,Pチ
ャンネルMOSFETP7及びP8ならびにNチャンネ
ルMOSFETN8及びN7,PチャンネルMOSFE
TP9及びPAならびにNチャンネルMOSFETNA
及びN9あるいはPチャンネルMOSFETPB及びP
CならびにNチャンネルMOSFETNC及びNBから
なる5個のインバータV1〜V5を含む。このうち、M
OSFETP4及びN4,P6及びN6,P8及びN
8,PA及びNAならびにPC及びNCは、そのゲート
及びドレインがそれぞれ共通結合されることによってC
MOS(相補型MOS)インバータ形態とされ、MOS
FETP3及びN3,P5及びN5,P7及びN7,P
9及びN9ならびにPB及びNBは、これらのCMOS
インバータに動作電流を供給するための電流源として作
用する。
【0021】CMOSインバータ形態とされるMOSF
ETP4及びN4,P6及びN6,P8及びN8,PA
及びNAならびにPC及びNCの共通結合されたゲート
は、対応するインバータV1〜V5の入力端子となり、
これらのMOSFETの共通結合されたドレインは、対
応するインバータV1〜V5の出力端子となる。インバ
ータV1〜V5の入力端子及び出力端子は、順次リング
状に結合され、これによって1個のリングオシレータが
構成される。このリングオシレータの出力端子つまりM
OSFETPC及びNCの共通結合されたドレインは、
電圧制御型発振回路VCO1の出力端子C1に結合され
るとともに、NチャンネルMOSFETNEを介して回
路の接地電位に結合される。
【0022】インバータV1〜V5を構成するMOSF
ETP3,P5,P7,P9及びPBのゲートは共通結
合され、さらにPチャンネルMOSFETP1及びP2
のゲートに結合される。このうち、MOSFETP2の
ソースは回路の電源電圧に結合され、そのドレインはN
チャンネルMOSFETN2及びNDを介して回路の接
地電位に結合される。また、MOSFETP1のソース
は回路の電源電圧に結合され、そのドレインは、そのゲ
ートに結合されるとともに、NチャンネルMOSFET
N1及び上記MOSFETNDを介して回路の接地電位
に結合される。MOSFETN2のゲートは、そのドレ
インに結合されるとともに、インバータV1〜V5を構
成するMOSFETN3,N5,N7,N9及びNBの
ゲートに共通結合される。一方、MOSFETN1のゲ
ートには、前記ローパスフィルタLPFの出力信号つま
り制御電圧VCが供給される。また、MOSFETND
のゲートには、前記選択制御信号CM1が供給され、上
記MOSFETNEのゲートには、そのインバータV6
による反転信号が供給される。
【0023】これらのことから、MOSFETP1は、
MOSFETN1のドレイン電流を伝達する形でMOS
FETP1ならびにインバータV1〜V5を構成するM
OSFETP3,P5,P7,P9及びPBと電流ミラ
ー形態とされ、MOSFETN2は、MOSFETP2
のドレイン電流を伝達する形でインバータV1〜V5を
構成するMOSFETN3,N5,N7,N9及びNB
と電流ミラー形態とされる。言うまでもなく、MOSF
ETN1のドレイン電流は、MOSFETNDがオン状
態とされることを条件に選択的に得られ、その値は、制
御電圧VCの電位に応じたものとなる。また、MOSF
ETP3,P5,P7,P9及びPBならびにN3,N
5,N7,N9及びNBに伝達される電流の値は、イン
バータV1〜V5の動作速度を決定し、これらのインバ
ータからなるリングオシレータの発振周波数を決定す
る。したがって、電圧制御型発振回路VCO1の出力信
号つまりクロック信号C1の周波数は、制御電圧VCの
電位が高くされることで、言い換えるならば内部クロッ
ク信号CPの位相が入力クロック信号COの位相より遅
れることによって徐々に高くされ、逆に制御電圧VCの
電位が低くされることで、言い換えるならば内部クロッ
ク信号CPの位相が入力クロック信号COの位相より進
むことによって徐々に低くされるものとなる。
【0024】選択制御信号CM1がロウレベルとされイ
ンバータV6の出力信号がハイレベルとされるとき、電
圧制御型発振回路VCO1では、MOSFETNDがオ
フ状態とされ、MOSFETNEがオン状態とされる。
このため、MOSFETN1は、制御電圧VCに応じた
ドレイン電流を流すことが出来ず、インバータV1〜V
5を構成するMOSFETP3,P5,P7,P9及び
PBならびにN3,N5,N7,N9及びNBに伝達さ
れる電流の値もゼロとなる。また、MOSFETNEが
オン状態とされることで、電圧制御型発振回路VCO1
の出力端子C1がこのMOSFETE1を介して回路の
接地電位に結合される。この結果、電圧制御型発振回路
VCO1は、その出力信号つまりクロック信号C1をロ
ウレベルに固定する形で非動作状態となり、その動作電
流も遮断される。
【0025】一方、選択制御信号CM1がハイレベルと
されインバータV6の出力信号がロウレベルとされる
と、電圧制御型発振回路VCO1では、MOSFETN
Dがオン状態とされ、MOSFETNEはオフ状態とさ
れる。このため、電圧制御型発振回路VCO1の出力端
子C1が、MOSFETNEを介する回路の接地電位へ
の短絡から解放され、MOSFETN1は、制御電圧V
Cに応じたドレイン電流を流す。このドレイン電流は、
MOSFETP1を介してインバータV1〜V5を構成
するMOSFETP3,P5,P7,P9及びPBに伝
達され、また、MOSFETP2及びN2を介してイン
バータV1〜V5を構成するMOSFETN3,N5,
N7,N9及びNBに伝達される。これにより、インバ
ータV1〜V5からなるリングオシレータは動作状態と
され、その出力端子つまり電圧制御型発振回路VCO1
の出力端子C1には、制御電圧VCの電位に応じた所定
の周波数を有するクロック信号C1が得られる。
【0026】以上の説明から明らかなように、PLL回
路に設けられる3個の電圧制御型発振回路VCO1〜V
CO3は、対応する選択制御信号CM1〜CM3がハイ
レベルとされることで選択的に動作状態とされる。この
動作状態において、電圧制御型発振回路VCO1〜VC
O3は、制御電圧VCの電位に応じた周波数を有するク
ロック信号C1〜C3を形成し、出力選択回路OSLに
供給する。また、それが非動作状態とされるき、電圧制
御型発振回路VCO1〜VCO3の動作電流は遮断さ
れ、これによってPLL回路の低消費電力化が図られ
る。
【0027】次に、出力選択回路OSLは、図4に示さ
れるように、その一方の入力端子に対応する電圧制御型
発振回路VCO1〜VCO3の出力信号つまりクロック
信号C1〜C3を受ける3個のアンド(AND)ゲート
AG1〜AG3と、その第1ないし第3の入力端子にア
ンドゲートAG1〜AG3の出力信号をそれぞれ受ける
ノア(NOR)ゲートNOG1とを含む。アンドゲート
AG1〜AG3の他方の入力端子には、対応する選択制
御信号CM1〜CM3がそれぞれ供給される。また、ノ
アゲートNOG1の出力信号は、出力選択回路OSLの
出力信号つまりクロック信号CGとして分周回路FD1
の入力端子に供給される。
【0028】これにより、出力選択回路OSLの出力端
子CGには、選択制御信号CM1がハイレベルとされる
とき、電圧制御型発振回路VCO1の出力信号つまりク
ロック信号C1の反転信号に対応するクロック信号CG
が出力され、選択制御信号CM2又はCM3がハイレベ
ルとされるとき、電圧制御型発振回路VCO2又はVC
O3の出力信号つまりクロック信号C2又はC3の反転
信号に対応するクロック信号CGが出力されるものとな
る。
【0029】出力選択回路OSLの出力信号つまりクロ
ック信号CGは、分周回路FDによってその周波数がp
分の1に分周され、クロック信号CDとなる。また、ク
ロック信号CDは、前述のように、クロック整形回路C
Tにより遅延・整形されてn相のシステムクロック信号
CP1〜CPnとなり、さらに分周回路FD2によって
その周波数がq分の1に分周されて、内部クロック信号
CPとなる。以上のことから、この実施例のPLL回路
では、電圧制御型発振回路VCO1〜VCO3つまりは
出力選択回路OSLの出力信号として、水晶発振子XT
Lの固有振動数のp×q倍の周波数を有するクロック信
号CGが得られ、これを分周することによってそのq倍
の周波数を有するクロック信号CDつまりはシステムク
ロック信号CP1〜CPnが得られる。この結果、比較
的低い固有振動数の水晶発振子XTLを利用して、比較
的高い周波数のシステムクロック信号を得ることがで
き、これによってマイクロコンピュータの高速化を推進
できるものである。
【0030】ところで、この実施例のPLL回路におい
て、電圧制御型発振回路VCO1〜VCO3は、図6に
示されるように、制御電圧VCに対してそれぞれ異なる
出力周波数特性を持つべく設計され、しかもその使用可
能な周波数領域は互いに連続するものとされる。すなわ
ち、電圧制御型発振回路VCO1は、制御電圧VCが電
位V1から電位V2に変化されることにより、周波数F
1〜F2に対応した使用可能な周波数領域を有する。ま
た、電圧制御型発振回路VCO2は、制御電圧VCが電
位V1から電位V2に変化されることにより、周波数F
2〜F3に対応した使用可能な周波数領域を有し、電圧
制御型発振回路VCO3は、制御電圧VCが電位V1か
ら電位V2に変化されることにより、周波数F3〜F4
に対応した使用可能な周波数領域を有する。これらのこ
とから、この実施例のマイクロコンピュータは、そのシ
ステムクロック信号として比較的大きな周波数領域に対
応しうるものとなり、これによってマイクロコンピュー
タの多機能化ならびにその適用可能な応用分野の拡大を
図ることができるものとなる。
【0031】以上の本実施例に示されるように、この発
明をシングルチップ型マイクロコンピュータのクロック
発生回路に含まれるPLL回路に適用することで、次の
ような作用効果が得られる。すなわち、 (1)シングルチップ型マイクロコンピュータ等のクロ
ック発生回路に含まれるPLL回路に、それぞれ異なる
出力周波数特性を有しかつその使用可能な周波数領域が
互いに連続すべく設計される複数の電圧制御型発振回路
と、これらの電圧制御型発振回路の出力信号を所定の選
択制御信号に従って択一的に選択する出力選択回路とを
設けることで、PLL回路ひいてはマイクロコンピュー
タの使用可能な周波数領域を拡大することができるとい
う効果が得られる。 (2)上記(1)項において、複数の電圧制御型発振回
路を上記選択制御信号に従って択一的に動作状態とする
ことで、電圧制御型発振回路の動作電流を抑制すること
ができるという効果が得られる。 (3)上記(1)項及び(2)項により、その低消費電
力化を図りつつ、シングルチップ型マイクロコンピュー
タ等の多機能化を推進し、その適用可能な応用分野を拡
大することができるという効果が得られる。
【0032】以上、本発明者によってなされた発明を実
施例に基づき具体的に説明したが、この発明は、上記実
施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない
範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例え
ば、図1において、外部端子XA及びXBには、寄生発
振防止用の容量を付加することができる。また、マイク
ロコンピュータは、他の各種の機能ブロックを備えるこ
とができるし、そのブロック構成は種々の実施形態を採
りうる。
【0033】図2において、PLL回路は、4個以上の
電圧制御型発振回路を備えることができるし、3個以上
の分周回路を備えることもできる。また、選択制御信号
CM1〜CM3の入力条件はこの実施例による制約を受
けないし、プルダウン抵抗R1〜R3も入力条件に応じ
てその結合形態が変化する。マイクロコンピュータが入
力クロック信号COの周波数を判定するための機能ブロ
ックを備える場合、選択制御信号CM1〜CM3を、例
えば内部バスBUSを介して中央処理装置CPUからP
LL回路に与えるようにしてもよい。
【0034】図3において、リングオシレータを構成す
るインバータの数は任意に設定できるし、電圧制御型発
振回路VCO1〜VCO3を選択的に動作状態とするた
めの方法も任意である。出力選択回路OSLは、図5に
示されるように、選択制御信号CM1〜CM3が択一的
にハイレベルとされることで対応する電圧制御型発振回
路VCO1〜VCO3の出力信号つまりクロック信号C
1〜C3を選択的に伝達するクロックドインバータCV
1〜CV3によって構成することができる。図6におい
て、電圧制御型発振回路VCO1〜VCO3の出力周波
数特性は、その使用可能な周波数領域が必ずしも連続す
るものである必要はない。さらに、図2に示されるクロ
ック発生回路CPG及びPLL回路のブロックの構成
や、図3〜図5に示される電圧制御型発振回路VCO1
〜VCO3及び出力選択回路OSLの具体的な構成及び
電源電圧の極性等は、種々の実施形態を採りうる。
【0035】以上の説明では、主として本発明者によっ
てなされた発明をその背景となった利用分野であるマイ
クロコンピュータのクロック発生回路に含まれるPLL
回路に適用した場合について説明したが、それに限定さ
れるものではなく、例えば、PLL回路として単体で形
成されるものや、同様なPLL回路を含む各種の論理集
積回路装置及び通信用集積回路装置等にも適用できる。
この発明は、少なくとも電圧制御型発振回路を含むPL
L回路ならびにこのようなPLL回路を含む半導体装置
に広く適用できる。
【0036】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。すなわち、シングルチップ型マイクロ
コンピュータ等のクロック発生回路に含まれるPLL回
路に、それぞれ異なる出力周波数特性を有しかつその使
用可能な周波数領域が互いに連続すべく設計される複数
の電圧制御型発振回路と、これらの電圧制御型発振回路
の出力信号を所定の選択制御信号に従って択一的に選択
する出力選択回路とを設けるとともに、複数の電圧制御
型発振回路を上記選択制御信号に従って択一的に動作状
態とすることで、電圧制御型発振回路の消費電流を抑制
しつつ、PLL回路ひいてはマイクロコンピュータの使
用可能な周波数領域を拡大することができる。この結
果、PLL回路を含むクロック発生回路を備えるシング
ルチップ型マイクロコンピュータ等の多機能化を推進
し、その適用可能な応用分野を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用されたPLL回路を含むクロッ
ク発生回路を備えるマイクロコンピュータの一実施例を
示すブロック図である。
【図2】図1のマイクロコンピュータに設けられるクロ
ック発生回路ならびにこれに含まれるPLL回路の一実
施例を示すブロック図である。
【図3】図2のPLL回路の電圧制御型発振回路の一実
施例を示す回路図である。
【図4】図2のPLL回路の出力選択回路の第1の実施
例を示す回路図である。
【図5】図2のPLL回路の出力選択回路の第2の実施
例を示す回路図である。
【図6】図2のPLL回路の一実施例を示す出力周波数
特性図である。
【図7】この発明に先立って本願発明者等が開発したマ
イクロコンピュータのクロック発生回路の一例を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
CPU・・・中央処理装置、CPG・・・クロック発生
回路、XTL・・・水晶発振子、BUS・・・内部バ
ス、TIM・・・タイマー回路、ROM・・・リードオ
ンリーメモリ、RAM・・・ランダムアクセスメモリ、
SCI・・・シリアルコミュニケーションインタフェー
ス。OSC・・・発振回路、PLL・・・PLL(フェ
ーズロックループ)回路、PFC・・・位相比較回路、
LPF・・・ローパスフィルタ、VCO1〜VCO3,
VCO・・・電圧制御型発振回路、OSL・・・出力選
択回路、FD1〜FD2・・・分周回路、CT・・・ク
ロック整形回路、R1〜R3・・・抵抗。P1〜PC・
・・PチャンネルMOSFET、N1〜NE・・・Nチ
ャンネルMOSFET、V1〜V6・・・インバータ。
AG1〜AG3・・・アンド(AND)ゲート、NOG
1・・ノア(NOR)ゲート、CV1〜CV3・・・ク
ロックドインバータ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その制御電圧に対する出力周波数特性が
    それぞれ異なりかつその出力信号が所定の選択制御信号
    に従って択一的に有効とされる複数の電圧制御型発振回
    路を具備することを特徴とするPLL回路。
  2. 【請求項2】 上記複数の電圧制御型発振回路の上記制
    御電圧に対する出力周波数特性は、その使用可能な周波
    数領域が互いに連続すべく設定されるものであることを
    特徴とする請求項1のPLL回路。
  3. 【請求項3】 上記複数の電圧制御型発振回路は、上記
    選択制御信号に従って択一的に動作状態とされ、択一的
    に所定の動作電流を流すものであることを特徴とする請
    求項1又は請求項2のPLL回路。
  4. 【請求項4】 上記PLL回路は、シングルチップ型マ
    イクロコンピュータのクロック発生回路に含まれるもの
    であって、上記選択制御信号は、上記マイクロコンピュ
    ータの所定の外部端子を介して供給されるものであるこ
    とを特徴とする請求項1,請求項2又は請求項3のPL
    L回路。
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