JP2001203570A - Pll回路及び半導体集積回路 - Google Patents

Pll回路及び半導体集積回路

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JP2001203570A
JP2001203570A JP2000017775A JP2000017775A JP2001203570A JP 2001203570 A JP2001203570 A JP 2001203570A JP 2000017775 A JP2000017775 A JP 2000017775A JP 2000017775 A JP2000017775 A JP 2000017775A JP 2001203570 A JP2001203570 A JP 2001203570A
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voltage
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JP2000017775A
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Jiro Sakaguchi
坂口治朗
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 PLL回路の動作の安定化を図ることにあ
る。 【解決手段】 チャージポンプ電流を入力信号の周波数
に応じて制御するための制御手段(14)と、チャージ
ポンプ(15)の動作に同期して電圧電流変換器の出力
電流を制御することにより電流制御発振器(18)の出
力信号に所定の周波数偏差を与えるためのスイッチ回路
とを設け、上記チャージポンプ電流を上記入力信号の周
波数に応じて制御することで、入力信号の周波数にかか
わらずにPLL回路の動作の安定化を図る。チャージポ
ンプの動作に同期して電圧電流変換器の出力電流が制御
されることにより、電流制御発振器の出力信号に所定の
周波数偏差を与え、ループフィルタ抵抗を省略すること
でバンド幅ωnが固定値となるのを回避する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PLL(Phase Lo
cked Loop;位相同期ループ)回路の改良技術に係り、
半導体集積回路に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】PLL回路の基本的な回路は、古くから
良く知られており、例えば1985年に、株式会社産業
報知センターから発行された「PLL−ICの使い方
(第9頁〜)」にも記載されているように、入力信号と
電圧制御発振器の出力信号との位相比較を行い、上記電
圧制御発振器の出力信号の周波数が、入力信号の周波数
及び位相に一致するようにフィードバック制御すること
により、入力信号に同期したクロック信号を得ることが
できる。
【0003】マイクロコンピュータなどの半導体集積回
路においては、高速クロック信号のスキュー(位相ず
れ)の低減やクロック周波数の逓倍などを目的として、
PLL回路が内蔵されている。そのようなPLL回路の
設計において、回路を安定動作させるために、ダンピン
グファクタdやループバンド幅ωnが重要となる。例え
ば、「IEEE JOURNAL OF SOLID−
STATE CIRCUITS.VOL31,NO.1
1,NOVEMBER 1996 pp1727」に記
載されているように、PLL回路のダンピングファクタ
dと、ループバンド幅ωnは、それぞれ数1、数2によ
って示される。
【0004】
【数1】d=(Rf/2)・SQRT(Icp・Kv・
Cf/N)
【0005】
【数2】ωn=(2・d)/(Rf・Cf)
【0006】ここで、SQRTは平方根を意味する。ま
た、Rfはループフィルタ抵抗、Cfはループフィルタ
容量、Kvは電圧制御発信回路(VCO利得)、Icp
はチャージポンプ電流、Nは分周比である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】PLL回路を安定動作
させるには、ダンピングファクタd=0.5〜1の範囲
で使用する必要があるが、ループフィルタ抵抗Rf、及
びループフィルタ容量Cfを固定すると、分周比Nの増
大に伴ってダンピングファクタdが小さくなって回路動
作が不安定になる。それを回避するには、Icp/N=
一定となるよう、分周比Nに応じてチャージポンプ電流
Icpを可変にすることが考えられる。
【0008】しかしながら、ダンピングファクタdを一
定にした場合、数2から明らかなように、ループバンド
幅ωnが固定値となるために、PLL回路の安定動作の
条件であるループバンド幅ωnと参照入力クロック周波
数ωrefとの関係式(ωn/ωref)から、入力ク
ロック周波数ωrefに下限が生じ、結果的に分周比N
(<ωvco/ωn)の許容範囲が制限されてしまう。
【0009】本発明の目的は、入力周波数や分周比にか
かわらずPLL回路を安定動作させるための技術を提供
することにある。
【0010】本発明の前記並びにその他の目的と新規な
特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるで
あろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0012】すなわち、ループフィルタ容量と、上記ル
ープフィルタ容量の充放電に基づく電圧レベルに応じた
電流を発生させるための電圧電流変換器と、上記電圧電
流変換器に基づいて発振周波数が決定される電流制御発
振器と、入力信号と上記電流制御発振器からフィードバ
ックされた信号との位相比較を行う位相比較器と、上記
ループフィルタ容量の充電及び放電のためのチャージポ
ンプ電流を形成するチャージポンプと、上記チャージポ
ンプ電流を上記入力信号の周波数に応じて制御するため
の制御手段と、上記チャージポンプの動作に同期して上
記電圧電流変換器の出力電流を制御することにより上記
電流制御発振器の出力信号に所定の周波数偏差を与える
ためのスイッチ回路とを含んでPLL回路を構成する。
【0013】上記の手段によれば、上記制御手段は、上
記チャージポンプ電流を上記入力信号の周波数に応じて
制御し、このことが、入力信号の周波数にかかわらずに
PLL回路の動作の安定化を達成する。また、上記スイ
ッチ回路は、上記チャージポンプの動作に同期して上記
電圧電流変換器の出力電流を制御することにより上記電
流制御発振器の出力信号に所定の周波数偏差を与える。
それにより、上記電流制御発振器の出力信号に所定の周
波数偏差を与えるためにループフィルタ容量に直列接続
されていたループフィルタ抵抗を省略することができ
る。ループフィルタ抵抗が省略されることで、ループバ
ンド幅ωnが固定値となるのが回避され、ループバンド
幅ωnを十分に小さな値とすることができるので、入力
周波数の広い範囲にわたりωn<ωrefを満足させる
ことができ、分周比の広い範囲において回路の安定動作
を達成する。
【0014】さらに具体的な態様では、ループフィルタ
容量と、上記ループフィルタ容量の充放電に基づく電圧
レベルに応じた電流を発生させるための電圧電流変換器
と、上記電圧電流変換器に基づいて発振周波数が決定さ
れる電流制御発振器と、入力信号と上記電流制御発振器
からフィードバックされた信号との位相比較を行う位相
比較器と、上記ループフィルタ容量に充電するための第
1定電流源と、上記ループフィルタ容量から放電するた
めの第2定電流源と、上記位相比較器の位相比較結果に
応じて上記第1定電流源から上記ループフィルタ容量に
至る充電経路を形成するための第1スイッチ回路と、上
記位相比較器の位相比較結果に応じて上記ループフィル
タ容量から上記第2定電流源に至る放電経路を形成する
ための第2スイッチ回路と、上記第1定電流源及び上記
第2定電流源の双方の定電流値を上記入力信号の周波数
に比例するように制御する制御手段と、上記第1スイッ
チ回路及び上記第2スイッチ回路の動作に同期して上記
電圧電流変換器の出力電流を制御することにより上記電
流制御発振器の出力信号に所定の周波数偏差を与えるた
めの第3スイッチ回路とを含んでPLL回路を構成す
る。
【0015】上記の手段によれば、制御手段は、上記チ
ャージポンプ電流を上記入力信号の周波数に応じて制御
し、このことが、入力信号の周波数にかかわらずにPL
L回路の動作の安定化を達成する。また、上記第3スイ
ッチ回路は、上記チャージポンプの動作に同期して上記
電圧電流変換器の出力電流を制御することにより上記電
流制御発振器の出力信号に所定の周波数偏差を与える。
それにより、上記電流制御発振器の出力信号に所定の周
波数偏差を与えるためにループフィルタ容量に直列接続
されていたループフィルタ抵抗を省略することができ
る。ループフィルタ抵抗が省略されることで、ループバ
ンド幅ωnが固定値となるのが回避され、ループバンド
幅ωnを十分に小さな値とすることができるので、入力
周波数の広い範囲にわたりωn<ωrefを満足させる
ことができ、分周比の広い範囲において回路の安定動作
を達成する。
【0016】このとき、上記電圧電流変換器は、上記電
圧電流変換器の出力電流の一部を形成するための複数の
電流源を備えて成り、上記複数の電流源が上記第3スイ
ッチ回路によって選択的に回路動作に関与されるように
構成することができる。
【0017】そして、上記PLL回路と、上記PLL回
路から出力されたクロック信号に同期動作される回路ブ
ロックとを含んで半導体集積回路を構成することができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】図14には本発明にかかる半導体
集積回路の一例が示される。
【0019】図14に示される半導体集積回路21は、
特に制限されないが、公知のLSI製造技術により、単
結晶シリコン基板などの一つの半導体基板に形成され
る。
【0020】半導体集積回路21のチップは、略矩形状
に形成され、その縁辺部には、外部とのデータのやり取
りや、外部からの電源供給を可能とする複数のI/O
(インプット・アウトプット)部22が配列され、その
I/O部22に包囲されるよに内部回路が配置される。
内部回路は、外部から入力されたクロック信号(参照ク
ロック信号)Finを同期化するためのPLL(フェー
ズ・ロックド・ループ)回路24や、このPLL回路2
4により同期化されたクロック信号に同期動作する複数
の回路ブロック23が配置されて成る。複数の回路ブロ
ック23には、ランダム・アクセス・メモリやレジスタ
が含まれる。
【0021】図15に示されるように、上記PLL回路
24から複数の回路ブロック23へクロック信号が伝達
されるようになっており、このクロック伝達を可能とす
るためのクロック伝達経路が形成されている。特に制限
されないが、上記クロック伝達経路は、ツリー状に形成
されたクロック伝達経路(幹線)になっており、PLL
回路24から複数の回路ブロック23のそれぞれのクロ
ック入力端子までのクロック遅延量は、複数の回路ブロ
ック間でほぼ等しくされる。PLL回路24から出力さ
れるクロック信号は、クロックバッファツリー10を介
してフリップフロップ20など、このPLL回路24が
適用される半導体集積回路の各回路ブロックに伝達され
る。
【0022】図1には上記PLL回路24の構成例が示
される。
【0023】第1分周器(÷M)11が設けられ、この
第1分周器11は、入力信号Finを1/Mに分周す
る。分周器11の出力信号はFrefで示される。第2
分周器(÷N)12が設けられ、この第2分周器12
は、後述する電流制御発振器18の出力信号を1/Nに
分周する。位相比較器(PFC)13が設けられ、この
位相比較器13は、位相比較器13への入力信号Fre
fと上記第2分周器12の出力信号との位相を比較す
る。この位相比較結果は、後段のチャージポンプ15に
入力される。チャージポンプ15の出力端子と低電位側
電源Vssとにループフィルタ容量Cfが結合されてお
り、チャージポンプ15は、上記位相比較結果13の出
力信号に応じて上記ループフィルタ容量Cfの充放電を
行う。この充放電によって上記ループフィルタ容量Cf
の端子に得られた電圧Vcpは電圧電流変換器(VI
C)16に伝達される。この電圧電流変換器16は、入
力された電圧Vcpに応じた電流を発生する。また、こ
の電圧電流変換器16は、後に詳述するように上記位相
比較器13の出力信号に基づいて出力電流量を変化させ
る機能を有する。電圧電流変換器16は3系統の出力端
子Iup、Ictrl、Idwnを有し、この3系統の
出力端子Iup、Ictrl、Idwnからの出力電流
が、後段に配置された加算器17によって加算されるよ
うになっている。この加算器17の出力電流は後段の電
流制御発振器(ICOSC)18に入力される。この電
流制御発振器18では、入力電流に応じた周波数の信号
Fvcoを出力する。この出力信号Fvcoは、クロッ
クバッファツリー10の一部を介して上記第2分周器1
2に伝達されることでフィードバックされる。
【0024】また、位相比較器13への入力信号Fre
fの周波数に応じてチャージポンプ15におけるチャー
ジポンプ電流Icpの電流量を制御するためのバイアス
電流源(Bias Gen)14が設けられている。具
体的には、位相比較器13への入力信号Frefの周波
数に比例するようにチャージポンプ電流Icpを制御す
る。すなわち、位相比較器13への入力信号Frefの
周波数が高くなるとチャージポンプ電流Icpを増加さ
せるようにチャージポンプ15の内部回路を制御する。
ここで、このバイアス電流源14が、本発明における制
御手段の一例とされる。
【0025】尚、上記電圧電流変換器16、加算器1
7、及び電流制御発振器18を含んで電圧制御発振器
(VCO)19が形成される。
【0026】次に、各部の詳細な構成例について説明す
る。
【0027】図2には上記位相比較器13の構成例が示
される。
【0028】図2に示されるように位相比較器13は、
フリップフロップ回路131,132とアンドゲート1
33とが結合されて成る。フリップフロップ回路13
1,132は、データ入力端子D、クロック入力端子C
K、非反転出力端子Q、反転出力端子QN、及びリセッ
ト端子Rを有する。フリップフロップ回路131におい
て、データ入力端子Dは高電位側電源Vccに結合さ
れ、クロック入力端子CKには位相比較器13への入力
信号Frefが入力され、非反転出力端子Dからはアッ
プ信号upが出力され、反転出力端子QNからはそれの
反転信号up*(*はローアクティブ又は信号反転を意
味する)が出力される。フリップフロップ回路132に
おいて、データ入力端子Dは高電位側電源Vccに結合
され、クロック入力端子CKには第2分周器12の出力
信号Fbが入力され、非反転出力端子Dからはダウン信
号dwnが出力され、反転出力端子QNからはそれの反
転信号dwn*が出力される。また、アンドゲート13
3において、上記アップ信号upとダウン信号dwnと
のアンド論理が得られ、そのアンド論理出力がフリップ
フロップ回路131,132のリセット端子に伝達され
ることにより、フリップフロップ回路131,132が
リセットされるようになっている。
【0029】図3には上記チャージポンプ15の構成例
が示される。
【0030】チャージポンプ15は、pチャンネル型M
OSトランジスタ151〜154とnチャンネル型MO
Sトランジスタ155〜158とが結合されて成る。p
チャンネル型MOSトランジスタ151とnチャンネル
型MOSトランジスタ158とが直列接続され、pチャ
ンネル型MOSトランジスタ152とnチャンネル型M
OSトランジスタ157とが直列接続される。また、p
チャンネル型MOSトランジスタ153,154と、n
チャンネル型MOSトランジスタ155,156とが直
列接続される。nチャンネル型MOSトランジスタ15
8のゲート電極にはバイアス電流源14の出力信号VG
Nが伝達される。pチャンネル型MOSトランジスタ1
52,153は、pチャンネル型MOSトランジスタ1
51にカレントミラー接続されており、バイアス電流源
14からの出力信号VGNに応じたチャージポンプ電流
Icpがpチャンネル型MOSトランジスタ153に流
れるようになっている。また、nチャンネル型MOSト
ランジスタ156は、nチャンネル型MOSトランジス
タ157にカレントミラー接続されることにより、上記
バイアス電流源14からの出力信号VGNに応じたチャ
ージポンプ電流Icpがnチャンネル型MOSトランジ
スタ156にも流れるようになっている。pチャンネル
型MOSトランジスタ154のゲート電極には、上記位
相比較器13からのアップ信号up*が伝達され、nチ
ャンネル型MOSトランジスタ155のゲート電極には
上記位相比較器13からのダウン信号dwnが伝達され
るようになっている。pチャンネル型MOSトランジス
タ154とnチャンネル型MOSトランジスタ155と
の直列接続箇所から、このチャージポンプ15の出力端
子CPoutが引き出される。上記位相比較器13から
のアップ信号up*がローレベルのとき、pチャンネル
型MOSトランジスタ154がオンされ、pチャンネル
型MOSトランジスタ153から出力端子CPoutに
向かってチャージポンプ電流Icpが流れる。この電流
によってループフィルタ容量Cfが充電される。また、
上記位相比較器13からのダウン信号dwnがハイレベ
ルのとき、nチャンネル型MOSトランジスタ155が
オンされ、出力端子CPoutからnチャンネル型MO
Sトランジスタ156を介して低電位側電源Vssに向
かってチャージポンプ電流Icpが流れる。この電流に
よってループフィルタ容量Cfが放電される。ループフ
ィルタ容量Cfの充放電するためのチャージポンプ電流
Icpの値は、バイアス電流源14からの出力信号VG
Nによって制御される。すなわち、バイアス電流源14
からの出力信号VGNのレベルが高くなるほど、チャー
ジポンプ電流Icpも多くなる。
【0031】ここで、上記pチャンネル型MOSトラン
ジスタ153が本発明における第1定電流源の一例であ
り、上記nチャンネル型MOSトランジスタ156が本
発明における第2定電流源の一例である。また、上記p
チャンネル型MOSトランジスタ154が本発明におけ
る第1スイッチ回路の一例であり、上記nチャンネル型
MOSトランジスタ155が本発明における第2スイッ
チ回路の一例である。
【0032】図4には上記バイアス電流源14の構成例
が示される。
【0033】pチャンネル型MOSトランジスタ141
とnチャンネル型MOSトランジスタ144とが直列接
続される。pチャンネル型MOSトランジスタ141と
nチャンネル型MOSトランジスタ144に流れる電流
の差分によって容量CBが充放電される。この充電によ
って容量CBの端子に生ずる電圧vaが後段のコンパレ
ータ146において基準電圧Vrefと比較される。こ
の比較結果は後段のフリップフロップ回路147に伝達
される。フリップフロップ回路147はデータ入力端子
Dとクロック入力端子CKと非反転出力端子Qとを有す
る。このフリップフロップ回路147において、入力端
子Dには上記コンパレータ146の出力信号が伝達さ
れ、クロック入力端子CKには位相比較器13への入力
信号Frefが入力され、非反転出力端子Qからの出力
電圧vbは後段のノアゲート149やナンドゲート15
0に伝達される。フリップフロップ回路148はデータ
入力端子Dとクロック入力端子CKと非反転出力端子Q
とを有し、上記位相比較器13への入力信号Frefを
1/2分周するための分周器として機能する。フリップ
フロップ回路148の非反転出力端子Qからの出力信号
は、nチャンネル型MOSトランジスタ144のゲート
電極や、ナンドゲート150に伝達される。また、フリ
ップフロップ回路148の非反転出力端子Qからの出力
信号は論理反転されてからデータ入力端子Dやノアゲー
ト149に伝達される。ノアゲート149は、フリップ
フロップ回路147の出力信号と、フリップフロップ回
路148から出力された信号の反転信号と、第1分周器
11から出力された信号Frefとのノア論理を得る。
このノア論理は後段のpチャンネル型MOSトランジス
タ151のゲート電極に伝達される。このpチャンネル
型MOSトランジスタ151にはpチャンネル型MOS
トランジスタ152が並列接続される。pチャンネル型
MOSトランジスタ151,152のソース電極は高電
位側電源Vccに結合される。また、pチャンネル型M
OSトランジスタ151,152のドレイン電極は、定
電流源153を介して低電位側電源Vssに結合され
る。pチャンネル型MOSトランジスタ152にpチャ
ンネル型MOSトランジスタ157がカレントミラー接
続され、このpチャンネル型MOSトランジスタ157
に流れる電流iuによって容量159の充電が行われ
る。また、ナンドゲート150は、第1分周器11から
出力された信号Frefの反転信号とフリップフロップ
回路148の出力信号とフリップフロップ回路147の
出力信号とのナンド論理を得る。このナンド論理は後段
のnチャンネル型MOSトランジスタ155のゲート電
極に伝達される。nチャンネル型MOSトランジスタ1
55にはnチャンネル型MOSトランジスタ156が並
列接続される。nチャンネル型MOSトランジスタ15
5,156のドレイン電極は定電流源154を介して高
電位側電源Vccに結合される。nチャンネル型MOS
トランジスタ155,156のソース電極は低電位側電
源Vssに結合される。nチャンネル型MOSトランジ
スタ156にはnチャンネル型MOSトランジスタ15
8がカレントミラー接続され、このnチャンネル型MO
Sトランジスタ158に流れる電流idによって上記容
量159の放電が行われる。この容量159の端子電圧
のレベルに応じてnチャンネル型MOSトランジスタ1
60のドレイン・ソース間のオン抵抗が制御されること
により、このnチャンネル型MOSトランジスタ160
のドレイン電流が調整される。nチャンネル型MOSト
ランジスタ160にはpチャンネル型MOSトランジス
タ142が直列接続される。そしてこのpチャンネル型
MOSトランジスタ142にpチャンネル型MOSトラ
ンジスタ141,143がカレントミラー接続されてお
り、このpチャンネル型MOSトランジスタ141,1
43には、それぞれカレントミラー比に応じた電流i
b,iBが流れる。pチャンネル型MOSトランジスタ
143にはnチャンネル型MOSトランジスタ161が
直列接続され、このnチャンネル型MOSトランジスタ
161のドレイン電極からバイアス電流源14の出力電
圧VGNが得られる。
【0034】図5にはバイアス電流源14の動作タイミ
ングが示される。
【0035】第1分周器11からの出力信号Frefが
フリップフロップ回路148で1/2分周されることに
より、バイアス制御の基準クロックが得られる。コンパ
レータ146において容量CBの端子電圧vaと基準電
圧Vrefとの比較が行われ、この比較において容量C
Bの端子電圧vaが基準電圧Vrefを越えた場合にコ
ンパレータ146の出力電圧cmp_outがハイレベ
ルになり、フリップフロップ回路147の出力信号vb
がハイレベルにされる。この出力信号vbのハイレベル
は、ダウン(down)を意味する。このとき、ナンド
ゲート150の出力に基づいてnチャンネル型MOSト
ランジスタ158に流れる電流idによって容量159
が放電される。また、容量CBの端子電圧vaと基準電
圧Vrefとの比較において、容量CBの端子電圧va
が基準電圧Vrefを越えない場合には、フリップフロ
ップ回路147の出力信号vbがローレベルである。こ
れはアップ(up)を意味する。そしてその場合には、
ノアゲート149の出力に基づいてpチャンネル型MO
Sトランジスタ157に流れる電流iuによって容量1
59が充電される。このように容量159の充放電が行
われることで当該容量159の端子電圧が決定され、そ
れに基づいてpチャンネル型MOSトランジスタ143
に電流ibが流れることにより、チャージポンプ電流を
制御するための出力電圧VGNのレベルが決定される。
第1分周器11からの出力信号Frefの周波数が高く
なると、pチャンネル型MOSトランジスタ143に流
れる電流ibが多くなり、出力電圧VGNのレベルが高
くなる。また、第1分周器11からの出力信号Fref
の周波数が低くなると、pチャンネル型MOSトランジ
スタ143に流れる電流ibが少なくなり、出力電圧V
GNのレベルが低くなる。
【0036】図6には電圧電流変換器16の構成例が示
される。
【0037】pチャンネル型MOSトランジスタM1と
nチャンネル型MOSトランジスタM2と、抵抗Raと
が直列接続される。pチャンネル型MOSトランジスタ
M1のソース電極は高電位側電源VCCに結合され、抵
抗Raの一端は低電位側電源Vssに結合される。上記
pチャンネル型MOSトランジスタM1にpチャンネル
型MOSトランジスタMa,Mb,Mcがミラー結合さ
れる。pチャンネル型MOSトランジスタMaにスイッ
チsw1が直列接続される。このスイッチSW1はpチ
ャンネル型MOSトランジスタによって形成され、その
ゲート電極には位相比較器12からのダウン信号dwn
が入力される。また、pチャンネル型MOSトランジス
タMcにスイッチsw2が直列接続される。このスイッ
チSW2はpチャンネル型MOSトランジスタによって
形成され、そのゲート電極には位相比較器12からのア
ップ信号upが入力される。そして、スイッチsw1,
sw2を形成するpチャンネル型MOSトランジスタの
ドレイン電極と、pチャンネル型MOSトランジスタM
bのドレイン電極は、加算器17を介して低電位側電源
Vssに結合される。この加算器17はpチャンネル型
MOSトランジスタによって形成され、このpチャンネ
ル型MOSトランジスタに流れる電流ICOがカレント
ミラーにより、上記電流制御発振器18に伝達される。
【0038】ここで、pチャンネル型MOSトランジス
タMbのサイズを1とし、pチャンネル型MOSトラン
ジスタMa,Mcのミラー比をαとする。
【0039】図7には図6におけるスイッチsw1,s
w2のオン/オフ状態と出力電流との関係が示される。
【0040】スイッチsw1,sw2が共にオンされて
いる状態がアップ(up)状態、スイッチsw1がオフ
(off)され、スイッチsw2がオンされている状態
は、フォールド(HOLD)状態、スイッチsw1,s
w2共にオフされている状態がダウン(DOWN)状態
とされる。電流ICOは、アップ(up)状態では
「(1+2α)i」とされ、フォールド(HOLD)状
態では「(1+α)i」とされ、ダウン(DOWN)状
態では「i」とされる。
【0041】ホールド(HOLD)状態を基準にする
と、アップ信号upがアサートされたアップ時には(α
i)の電流増加を生じ、ダウン信号dwnがアサートさ
れたダウン時にはそれとは逆に(αi)の電流減少を生
ずる。これにより電流制御発振器18では、上記アップ
時には(αi)の電流増加により、それに応じた周波数
上昇分(Δf)を生じ、上記ダウン時には(αi)の電
流減少により、それに応じた周波数低下分(Δf)を生
ずる。このような関係から、電圧電流変換器16、加算
器17、及び電流制御発振器18を含んで成る電圧制御
発振器19の特性は、図8に示されるように、アップ
(UP)、ホールド(HOLD)、ダウン(DOWN)
で傾きが異なる。
【0042】ここで、上記スイッチsw1,sw2が本
発明における第3スイッチ回路の一例である。
【0043】図9には電流制御発振器18の構成例が示
される。
【0044】図9に示されるようにこの電流制御発振器
18は、ディレイ回路を形成するために互いに直列接続
された5個のディレイ素子181〜185と、ディレイ
素子185の出力信号の波形整形を行うための波形整形
回路186とを含んで成る。ディレイ素子185の出力
信号は上記波形整形回路186に伝達されるとともに、
ディレイ素子181にフィードバックされる。また、デ
ィレイ素子181〜185に流れる電流が加算器17か
らの出力信号Vbnによって制御されるようになってい
る。ディレイ素子181〜185に流れる電流が多くな
ると発振周波数が高くなり、ディレイ素子181〜18
5に流れる電流が少なくなると発振周波数が低くなる。
【0045】図10には上記ディレイ素子181の構成
例が代表的に示される。
【0046】図10に示されるように上記ディレイ素子
181は、二つのpチャンネル型MOSトランジスタ1
01,102が並列接続され、それにnチャンネル型M
OSトランジスタ103が直列接続されて成る。nチャ
ンネル型MOSトランジスタ103のゲート電極には、
上記加算器17の出力信号Vbnが供給される。これに
より、このnチャンネル型MOSトランジスタ103
は、加算器17を形成するnチャンネル型MOSトラン
ジスタに対してカレントミラー接続され、加算器17に
流れる電流ICOに等しい電流がnチャンネル型MOS
トランジスタ103に流れるため、加算器17による電
流制御可能とされる。尚、ディレイ素子182〜185
は、ディレイ素子181と同一構成とされる。
【0047】図11には、図1に示されるPLL回路の
比較対象とされる回路が示される。
【0048】図11に示されるPLL回路119は、第
1分周器111、第2分周器112、位相比較器11
3、バイアス電流源114、チャージポンプ115、ル
ープフィルタ抵抗Rf、ループフィルタ容量Cf、電圧
電流変換器116、電流制御発振器118を含んで成
る。バイアス電流源114によってチャージポンプ11
5に流れるチャージポンプ電流が決定されるが、この電
流値は固定的であり、このPLL回路119が適用され
る半導体集積回路毎に適切な値に設定される。また、チ
ャージポンプ115の出力端子には、ループフィルタ抵
抗Rftとループフィルタ容量Cfとの直列回路が設け
られている。ループフィルタ抵抗Rftは、チャージポ
ンプ115のアップ期間及びダウン期間に流れる電流に
よって所定の電圧ΔVを発生する。
【0049】図12には、図11に示されるPLL回路
における主要部の動作タイミングが示される。
【0050】ループフィルタ抵抗Rfは、PLL回路1
19の安定動作を図るためにチャージポンプ115のア
ップ期間及びダウン期間に流れるチャージポンプ電流I
cpによって所定の電圧ΔV(=Rf・Icp)を発生
する。この電圧ΔVは、チャージポンプ電流Icpによ
ってループフィルタ容量Cfが充電されることにより当
該ループフィルタ容量Cfに生じた端子電圧Vcpに重
畳されて電圧電流変換器116に入力される。これによ
り、電流制御発振器18の出力信号Fvcoには、上記
電圧ΔVに応じた発振周波数偏差Δfを生ずる。
【0051】このPLL回路119におけるダンピング
ファクタd、及びループバンド幅ωnは、それぞれ上記
数1,数2によって示される。
【0052】既述したように、PLL回路を安定動作さ
せるには、数1で示されるダンピングファクタd=0.
5〜1の範囲で使用する必要があるが、ループフィルタ
抵抗Rf、及びループフィルタ容量Cfを固定すると、
分周比Nの増大に伴ってダンピングファクタdが小さく
なって回路動作が不安定になる。それを回避するには、
Icp/N=一定となるよう、Nに応じてチャージポン
プ電流Icpを可変にする選択回路が必要になる。しか
しながら、ダンピングファクタdを一定にした場合、数
2から明らかなように、ループバンド幅ωnが固定値と
なるために、PLL回路の安定動作の条件であるループ
バンド幅と参照入力クロック周波数ωrefとの関係式
(ωn<ωref)から、入力クロック周波数ωref
に下限が生じ、結果的に分周比N(<ωvco/ωn)
の許容範囲が制限されてしまう。
【0053】これに対して、図1に示されるPLL回路
19においては、バイアス電流源14によって、位相比
較器13への入力信号Frefの周波数に比例したチャ
ージポンプ電流Icpが発生するように制御される。そ
れにより、ダンピングファクタdの低下を防いでいる。
また、電流電圧変換器16において、位相比較器13か
らのアップ信号up、ダウン信号dwnに従って、スイ
ッチsw1,sw2を制御することにより、アップ/ダ
ウン時における電圧制御発振器19の出力信号の周波数
偏差Δfを形成することができるので、図11における
ループフィルタ抵抗Rfを有する場合と同等の特性を得
ることができるので、図1においては、このループフィ
ルタ抵抗Rfを省略することができる。これにより、P
LL回路24のループバンド幅ωnが固定化されるのが
回避され、入力クロック周波数ωrefに下限が生じる
のが回避されるため、結果的に分周比N(<ωvco/
ωn)の許容範囲を広げることができる。
【0054】図1に示されるPLL回路24において、
チャージポンプ電流Icpは数3によって示される。
【0055】
【数3】Icp=Kcp・Fref
【0056】ここで、Kcpは、ループフィルタ容量C
fの電荷によって決定される定数であり、(A0・CB
・Vref)に等しい。ここで、A0は、MOSトラン
ジスタのサイズ比によって決定される定数である。
【0057】また、アップ/ダウン動作時の電圧制御発
振器19からの出力信号Fvcoの周波数偏差Δf(=
Rf・Icp・Kv)と、当該出力信号Fvcoとの比
αは数4で示される。
【0058】
【数4】α=Rf・Icp・Kv/Fvco
【0059】数3及び数4を、数1及び数2に導入して
ダンピングファクタd及びループバンド幅ωnを求めて
みると、それぞれ次式のようになる。ただし、Fvco
=N・Frefとする。
【0060】
【数5】d=(α/2)・SQRT〔(Fvco・C
f)/(Kcp・Kv)〕
【0061】
【数6】ωn=Fref・SQRT〔(Kcp・Kv)
/(Cf・Fvco)〕
【0062】
【数7】ωn/ωref=ωn/2π・Fref=(1
/2π)・SQRT〔(Kcp・Kv)/(Cf・Fv
co)〕
【0063】上記数5から明らかなように、ダンピング
ファクタdは、出力周波数Fvcoに依存し、分周比N
には無関係となる。また、上記数7より、ループバンド
幅ωnと位相比較器13への入力信号Frefの周波数
との比は、出力信号Fvcoの周波数で決定され、分周
比Nや位相比較器13への入力信号Frefの周波数に
無関係となる。
【0064】このようにダンピングファクタdが分周比
Nに無関係となり、ループバンド幅ωnと位相比較器1
3への入力信号Frefの周波数との比が分周比Nや位
相比較器13への入力信号Frefの周波数に無関係と
なるため、特別な設定をすることなく、広い分周比、入
力周波数の範囲でPLL回路24を安定に動作させるこ
とができる。このため、PLL回路24が別の半導体集
積回路に搭載される場合に、回路定数の大幅な変更を必
要としない。そのような意味でPLL回路24の汎用性
の向上を図ることができる。
【0065】また、安定動作の条件であるダンピングフ
ァクタや、(ループバンド幅)/(入力クロック周波
数)の比がチップ内の容量構成素子の相対比で決定され
るため、プロセスばらつきに依存せず、安定動作が期待
できる。
【0066】上記数5〜7は、何れも(Kcp/Cf)
で表されており、この定数Kcp=A0・CB・Vre
fであることから、結果的に(CB/Cf)の容量比で
決定される。ここで、容量CB,Cfは同一チップ内の
容量であるため、(CB/Cf)のばらつきは少ない。
【0067】上記した例によれば、以下の作用効果を得
ることができる。
【0068】(1)バイアス電流源14において、チャ
ージポンプ電流Icpが入力信号の周波数に応じて制御
されることから、入力信号の周波数にかかわらずにPL
L回路の動作の安定化を達成することができる。また、
上記スイッチ回路sw1,sw2は、上記チャージポン
プ15の動作に同期して上記電圧電流変換器16の出力
電流を制御することにより上記電流制御発振器18の出
力信号に所定の周波数偏差を与えるので、図11におい
てループフィルタ容量Cfに直列接続されていたループ
フィルタ抵抗Rfを省略することができる。ループフィ
ルタ抵抗Rfが省略されることで、ループバンド幅ωn
が固定値となるのが回避され、ループバンド幅ωnを十
分に小さな値とすることができるので、入力周波数の広
い範囲にわたりωn<ωrefを満足させることがで
き、分周比の広い範囲において回路の安定動作を図るこ
とができる。
【0069】(2)電圧電流変換器16は、この電圧電
流変換器16の出力電流の一部を形成するための複数の
電流源としてpチャンネル型MOSトランジスタMa,
Mbを備えているので、上記電流制御発振器18の出力
信号に所定の周波数偏差を容易に与えることができる。
【0070】(3)ダンピングファクタdが分周比Nに
無関係となり、ループバンド幅ωnと位相比較器13へ
の入力信号Frefの周波数との比が分周比Nや位相比
較器13への入力信号Frefの周波数に無関係となる
ため、特別な設定をすることなく、広い分周比、入力周
波数の範囲でPLL回路24を安定に動作させることが
できる。このため、PLL回路24が別の半導体集積回
路に搭載される場合において、PLL回路24の回路定
数の大幅な変更を必要としない。そのような意味でPL
L回路24の汎用性の向上を図ることができる。また、
安定動作の条件であるダンピングファクタや、(ループ
バンド幅)/(入力クロック周波数)の比がチップ内の
容量構成素子の相対比で決定されるため、プロセスばら
つきに依存せず、安定動作が期待できる。
【0071】図13には、バイアス電流源14の別な構
成例が示される。
【0072】図13に示されるバイアス電流源14はD
LL(ディレイ・ロックド・ループ)を使用しており、
ディレイ素子171〜174、バッファ175、容量C
1〜C5、位相比較器176、チャージポンプ177と
が結合されて成る。ディレイ素子171〜174及びバ
ッファ175は互いに直列接続される。ディレイ素子1
71〜174の出力端子に容量C2〜C5が結合され
る。このディレイ段において、位相比較器13への入力
信号Frefをほぼ1周期遅延させる。位相比較器17
6は、位相比較器13への入力信号Frefと、上記バ
ッファ175の出力信号との位相比較を行う。この比較
結果として、アップ信号up*、ダウン信号dwnが形
成され、それが後段のチャージポンプ177に入力され
る。このチャージポンプ177は、上記位相比較器17
6の出力信号に基づいて容量C1の充放電を行う。この
充放電によって容量C1の端子に生じた電圧VGNが、
チャージポンプ電流制御のためにチャージポンプ15に
供給され、また、ディレイ素子171〜174のバイア
ス電流制御のために当該ディレイ素子171〜174に
供給される。
【0073】尚、ディレイ素子171〜174として
は、図1に示される構成を採用することができ、その場
合において容量C1の端子電圧VGNは、nチャンネル
型MOSトランジスタ103のゲート電極に供給され
る。
【0074】このようにバイアス電流源14を構成した
場合でも、位相比較器13への入力信号Frefの周波
数に比例するように出力電圧VGNを制御することがで
きるので、上記の例と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0075】以上本発明者によってなされた発明を具体
的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であるこ
とはいうまでもない。
【0076】例えば、上記の例では、第1分周器11を
設け、この第1分周器11の出力信号を位相比較器13
に入力するようにしたが、この第1分周器11を省略し
て入力信号Finを位相比較器13に直接取り込むよう
にしても良い。
【0077】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその背景となった利用分野である半導体
集積回路のクロック供給系に適用した場合について説明
したが、本発明はそれに限定されるものではなく、クロ
ック信号を取り扱う回路において広く適用することがで
きる。
【0078】本発明は、少なくともループフィルタ容量
と、上記ループフィルタ容量の充放電に基づく電圧レベ
ルに応じて発振周波数が決定される電圧制御発振器とを
備えることを条件に適用することができる。
【0079】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0080】すなわち、チャージポンプ電流が入力信号
の周波数に応じて制御されるため、入力信号の周波数に
かかわらずにPLL回路の動作の安定化を図ることがで
きる。また、チャージポンプの動作に同期して電圧電流
変換器の出力電流が制御されることにより、電流制御発
振器の出力信号に所定の周波数偏差が与えられるので、
電流制御発振器の出力信号に所定の周波数偏差を与える
ためにループフィルタ容量に直列接続されていたループ
フィルタ抵抗を省略することができる。ループフィルタ
抵抗が省略されることで、ループバンド幅ωnが固定値
となるのが回避され、ループバンド幅ωnを十分に小さ
な値とすることができるので、入力周波数の広い範囲に
わたりωn<ωrefを満足させることができ、分周比
の広い範囲において回路の安定動作を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる半導体集積回路に含まれるPL
L回路の構成例ブロック図である。
【図2】上記PLL回路における位相比較器の構成例回
路図である。
【図3】上記PLL回路におけるチャージポンプ回路の
構成例回路図である。
【図4】上記PLL回路におけるバイアス電流源の構成
例回路図である。
【図5】図4に示されるバイアス電流源の動作タイミン
グ図である。
【図6】上記PLL回路における電圧電流変換器の構成
例回路図である。
【図7】上記電圧電流変換器の動作状態の説明図であ
る。
【図8】上記PLL回路における電圧制御発振器の特性
図である。
【図9】上記PLL回路における電流制御発振器の構成
例回路図である。
【図10】上記電流制御発振器におけるディレイ素子の
構成例回路図である。
【図11】上記PLL回路の比較対象とされる回路の構
成例ブロック図である。
【図12】図11に示されるPLL回路の動作タイミン
グ図である。
【図13】図1に示されるPLL回路におけるバイアス
電流源の別の構成例回路図である。
【図14】上記PLL回路が適用される半導体集積回路
の全体的な構成例説明図である。
【図15】上記PLL回路とそれに結合される回路との
接続状態の説明図である。
【符号の説明】
10 クロックバッファツリー 20 フリップフロップ 24 PLL回路 11 第1分周器 12 第2分周器 13 位相比較器 14 バイアス電流源14 15 チャージポンプ 16 電圧電流変換器 17 加算器 18 電流制御発振器 19 電圧制御発振器 151〜154 pチャンネル型MOSトランジスタ 155〜158 nチャンネル型MOSトランジスタ sw1,sw2 スイッチ回路 Cf ループフィルタ容量

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ループフィルタ容量と、上記ループフィ
    ルタ容量の充放電に基づく電圧レベルに応じた電流を発
    生させるための電圧電流変換器と、上記電圧電流変換器
    に基づいて発振周波数が決定される電流制御発振器と、
    入力信号と上記電流制御発振器からフィードバックされ
    た信号との位相比較を行う位相比較器と、上記ループフ
    ィルタ容量の充電及び放電のためのチャージポンプ電流
    を形成するチャージポンプと、上記チャージポンプ電流
    を上記入力信号の周波数に応じて制御するための制御手
    段と、上記チャージポンプの動作に同期して上記電圧電
    流変換器の出力電流を制御することにより上記電流制御
    発振器の出力信号に所定の周波数偏差を与えるためのス
    イッチ回路とを含むことを特徴とするPLL回路。
  2. 【請求項2】 ループフィルタ容量と、上記ループフィ
    ルタ容量の充放電に基づく電圧レベルに応じた電流を発
    生させるための電圧電流変換器と、上記電圧電流変換器
    に基づいて発振周波数が決定される電流制御発振器と、
    入力信号と上記電流制御発振器からフィードバックされ
    た信号との位相比較を行う位相比較器と、上記ループフ
    ィルタ容量に充電するための第1定電流源と、上記ルー
    プフィルタ容量から放電するための第2定電流源と、上
    記位相比較器の位相比較結果に応じて上記第1定電流源
    から上記ループフィルタ容量に至る充電経路を形成する
    ための第1スイッチ回路と、上記位相比較器の位相比較
    結果に応じて上記ループフィルタ容量から上記第2定電
    流源に至る放電経路を形成するための第2スイッチ回路
    と、上記第1定電流源及び上記第2定電流源の双方の定
    電流値を上記入力信号の周波数に比例するように制御す
    る制御手段と、上記第1スイッチ回路及び上記第2スイ
    ッチ回路の動作に同期して上記電圧電流変換器の出力電
    流を制御することにより上記電流制御発振器の出力信号
    に所定の周波数偏差を与えるための第3スイッチ回路と
    を含むことを特徴とするPLL回路。
  3. 【請求項3】 上記電圧電流変換器は、上記電圧電流変
    換器の出力電流の一部を形成するための複数の電流源を
    備え、上記複数の電流源が上記第3スイッチ回路によっ
    て選択的に回路動作に関与される請求項2記載のPLL
    回路。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れか1項記載のPL
    L回路と、このPLL回路から出力されたクロック信号
    に同期動作される回路ブロックとを含んで1チップ化さ
    れて成る半導体集積回路。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6853223B2 (en) 2002-03-08 2005-02-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Phase comparator and clock recovery circuit
KR100903055B1 (ko) * 2007-04-06 2009-06-18 삼성전자주식회사 위상 고정 루프 및 위상 고정 방법
US7764092B2 (en) 2006-01-10 2010-07-27 Samsung Electronics Co., Ltd. Phase locked loop and phase locking method
CN112953521A (zh) * 2019-12-11 2021-06-11 精工爱普生株式会社 电荷泵电路、pll电路和振荡器

Cited By (5)

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