JPH06303086A - 圧電振動子の電極構造 - Google Patents

圧電振動子の電極構造

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JPH06303086A
JPH06303086A JP10760293A JP10760293A JPH06303086A JP H06303086 A JPH06303086 A JP H06303086A JP 10760293 A JP10760293 A JP 10760293A JP 10760293 A JP10760293 A JP 10760293A JP H06303086 A JPH06303086 A JP H06303086A
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JP
Japan
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electrode
piezoelectric substrate
spurious
dimension
diameter
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JP10760293A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Nakamura
勝幸 中村
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Daishinku Corp
Original Assignee
Daishinku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スプリアス特性の良好な、より安定した主振
動発振が行える信頼性の高い圧電振動子を提供する。 【構成】 圧電基板11の表裏面に対向して励振電極2
1a、21bを設け、表裏面のうち一方の励振電極21
aの直径Aを他方の励振電極51aの直径Bよりも1.
3倍〜1.7倍の大きさで設けるとともに、前記励振電
極21aの保持方向に所定の幅寸法Tを隔てて、補助電
極41を設け、前記補助電極は前記励振電極51aと電
気的に短絡させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水晶振動子等の圧電振
動子の電極構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高周波化にともない、圧電振動子
においてもオーバートーン振動子が多く利用されるよう
になってきたのが現状である。周知のように、従来の一
般的な厚みすべり圧電振動子は、図5、図6に示すよう
に例えば、ATカットの水晶板からなる圧電基板1の表
裏面中央部に金属蒸着等の手段を用いて、表面電極2及
び裏面電極5を設けており、表面電極2から圧電基板1
の一端部までリード電極2bが形成され、裏面電極5か
らは圧電基板1の反対側の端部までリード電極5bが形
成されている。そして、圧電基板1は図示しない支持構
体により電気的機械的な固着がなされ、図示しない外装
構体により気密封止し最終的な圧電振動子として機能を
持たせている。そして、この圧電振動子を例えば三次オ
ーバートーン振動子として用いる場合、あらかじめ発振
回路側で、圧電振動子の三次オーバートーンモードを選
択的に取り出すようにするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】オーバートーン圧電振
動子の主振動Fの近傍には比較的大きなスプリアスL
1、L2が存在する。このスプリアスL1、L2は厚みすべ
り系の奇数モードのものと考えられる。しかし、従来の
ような表裏同径の励振電極の場合、スプリアスL1とス
プリアスL2と非常に近接して発生するため、図7に示
すように、スプリアスL1がスプリアスL2に結合される
ようにして、結果的にスプリアスL2が大きく成長する
ため、スプリアス発振の原因となっていた。このスプリ
アスによる影響は、高次オーバートーンモードになるほ
どその影響を受けやすい。上記構成により三次オーバー
トーン振動子として用いた場合、特に、主振動(三次オ
ーバートーン)近傍のスプリアスL1,L2がある程度大
きく成長してしまうためにスプリアス発振することが多
くみられた。例えば、圧電基板の直径8.0φで表裏の励
振電極径を3.5φに形成した圧電振動子を用いて三次オ
ーバートーンで49.475MHz発振させた圧電振動
子を例にすると、主振動F(三次オーバートーン)に対
するスプリアスL2の減衰量Sは−4〜−8dBであり
(図7参照)、主振動F(三次オーバートーン)の振動
エネルギーとさほど変わらないために、スプリアス発振
したりすることがあり、安定した主振動発振(三次オー
バートーン)が得られず信頼性の点で問題があった。
【0004】本発明の目的は、スプリアス特性の良好
な、より安定した主振動発振が行える信頼性の高い圧電
振動子を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、圧電
基板の表裏面に対向して励振電極を設け、前記各々の励
振電極には引き出し電極を設けた圧電振動子の電極構造
において、表裏面のうち一方の励振電極直径を他方の励
振電極直径よりも1.3倍〜1.7倍の大きさで設ける
とともに、前記他方の励振電極の保持方向に所定の幅寸
法Tを隔てて、少なくとも一つの補助電極を設け、前記
補助電極は前記1.3倍〜1.7倍の大きさで設けられ
た励振電極と電気的に短絡させた。
【0006】
【作用】つまり、一方の励振電極径Bを他方の励振電極
径Aより次第に大きく設けると、スプリアスL1、L2の
周波数差が広がり、互いに分離してくるため(スプリア
スL1がスプリアスL2以上に主振動Fに近づいてく
る)、スプリアスL2は小さくなり、逆にスプリアスL1
は大きく成長してくる。(図8、図9参照)これはスプ
リアスL1、L2は互いに異なる軸方向に変位を持ってお
り、電極比を変えることで波長差が明確に出てくるもの
である。このスプリアスL1、L2の成長のバランスがと
れる電極比はB/A=1.3〜1.7の範囲である(図
8参照)。つまり、スプリアスL1、L2の振るまいを利
用して、これらスプリアスL1、L2の成長のバランスを
変え、スプリアス特性を改善し、主振動発振しやすいよ
うにしてやろうとするものである。
【0007】また、補助電極によっても、スプリアスの
成長を抑制する。これは、主振動Fが電極の中心付近に
変位しているのに対して、スプリアスL1、L2はそれよ
りも広い範囲に分布しており、補助電極をスプリアスL
1、L2の変位に近づけていくことで、これらのスプリア
スL1、L2の変位エネルギーを外部に逃がしてやろうと
するものである。
【0008】上記作用を実験データーをもとに説明す
る。図3は、三次オーバートーン発振で49.475M
HZの水晶振動子において、T寸法を1.0mmとし、表裏
のうち一方の励振電極径Aを3.0mmと定め、他方を電
極径Bを3.0mmから5.5mmへと0.5mmずつと変化さ
せたときのスプリアスL1,L2の減衰量を近似値で表わ
したグラフである。図3が示すように、スプリアスL1
はB/Aの値が増えるにしたがってスプリアス減衰量が
減っており、スプリアスL2はB/Aの値が増えるにし
たがってスプリアス減衰量が増えるグラフとなってい
る。B/Aの値が1.3から1.7の範囲にあるとき、
スプリアス特性が良くなる効果(スプリアスL1,L2の
減衰量のバランスが取れている)があり、特にB/Aの
値を1.5程度に設定したとき、スプリアスL1,L2減
衰量Tは−10〜−14dBと改善され、顕著な効果が
あるのが分かる。
【0009】また、図4は、三次オーバートーン発振で
49.475MHZの水晶振動子において、一方の励振
電極径Aを3.0mmと定め、他方を電極径Bを4.5mmと
し、T寸法を変化させたときのスプリアスL2の減衰量
を近似値で表わしたグラフである。図4が示すように、
T寸法が小さくなるにつれ、スプリアス特性が良くなる
効果があり、特にT=0.2mm程度に設定したときスプ
リアスL2の減衰量は−16dBと改善され、顕著な効
果があるのが分かる。つまり、前記直径3.0mmの励振
電極に短絡しない程度に幅寸法Tを狭めるに従って効果
が増大する。
【0010】
【実施例】次に、本発明の実施例について、図1、図2
を参照にして説明する。図1は本発明の実施例を示す圧
電基板の平面図であり、図2は図1のY−Y線に沿う断
面図である。圧電基板11は、厚みすべり振動を行うA
Tカット水晶板からなり、その圧電基板11の表面に
は、表面電極21aが設けられ、圧電基板11の保持方
向に向かって幅寸法Tの電極不在部31が設けられ更に
その外部に副部電極41aが設けられている。ここで
は、電極不在部31の幅寸法Tを1.0mmとした。ま
た、圧電基板11の裏面には、表面電極21aの直径の
1.5倍の大きさで形成された裏面電極51aが設けら
れている。また、表面電極21aから圧電基板11の一
端部までリード電極21bが形成され、副部電極41a
及び裏面電極51aは圧電基板11の反対側の端部まで
リード電極41b,51bが形成されている。そして、
これらの電極は真空蒸着により形成される。そして、圧
電基板11は図示しない支持構体により電気的機械的な
固着がなされ、図示しない外装構体により気密封止し最
終的な圧電振動子として機能を持たせている。尚、前記
リード電極41bと51bは前記支持構体により電気的
な短絡がなされる。そして、この圧電振動子を例えば三
次オーバートーン振動子として用いる場合、あらかじめ
発振回路側で、圧電振動子の三次オーバートーンモード
を選択的に取り出すようにするものである。尚、本実施
例では、裏面電極を表面電極21aの直径の1.5倍の
大きさとしたが、表面電極21aの直径の1.3倍〜
1.7倍の範囲の大きさであれば同様のスプリアス抑制
効果がある。また、前記電極不在部31の幅寸法Tを1.
0mmとしたが、幅寸法Tを1.0mm以下の範囲で形成す
ることにより、より一層のスプリアス抑制効果がある。
つまり、表面電極の直径をAとし、裏面電極の直径をB
とした場合における各々の直径比B/A、及び、電極不
在部の幅寸法Tによりスプリアス抑制効果が変化するた
め、所望の効果を得るためあらかじめ設定する必要があ
る。また、本発明の実施例では、三次オーバートーン振
動子について説明したが、より高調波モードの振動子に
ついても実施することは可能であり、スプリアス特性を
改善する効果がある。
【0011】
【発明の効果】本発明による一方の励振電極の直径を他
方の励振電極の直径の1.3倍〜1.7倍で形成し、か
つ、前記他方の励振電極の保持方向には所定の幅寸法T
を隔てた補助電極を設けることにより、例えば三次オー
バートーン振動子として用いた場合、特に、主振動(三
次オーバートーン)近傍のスプリアスL1,L2がある程
度大きく成長することによるスプリアス発振がなく、よ
り安定した主振動発振が行える信頼性の高い圧電振動子
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す圧電基板の平面図であ
る。
【図2】図1のY−Y線に沿う断面図である。
【図3】圧電基板の表裏のうち一方の励振電極径を3.0
mmと定め、他方を電極径を3.0mmから5.5mmへと変
化させたときのスプリアスL1,L2の減衰量を近似値で
表わしたグラフである。
【図4】圧電基板の表裏のうち一方の励振電極径を3.0
mmと定め、他方を電極径を4.5mmとし、T寸法を変
化させたときのスプリアスL2の減衰量を近似値で表わ
したグラフである。
【図5】従来の実施例を示す圧電基板の平面図である。
【図6】図5のX−X線に沿う断面図である。
【図7】励振電極Bと励振電極Aが同径(B/A=1)
の場合の周波数特性グラフである。
【図8】励振電極Bと励振電極Aとの比がB/A=1.
3〜1.7の場合の周波数特性グラフである。
【図9】励振電極Bと励振電極Aとの比がB/A>1.
7の場合の周波数特性グラフである。
【符号の説明】
1,11・・・圧電基板 2,21a・・・表面電極 31・・・電極不在部 41a・・・副部電極 5,51a・・・裏面電極 2b,21b,5b,51b・・・リード電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板の表裏面に対向して励振電極を
    設け、前記各々の励振電極には引き出し電極を設けた圧
    電振動子の電極構造において、表裏面のうち一方の励振
    電極の直径をAとし、また、他方の励振電極の直径をB
    とした場合、次式 1.3≦B/A≦1.7 の関係を満たす大きさで設けるとともに、前記一方の励
    振電極の保持方向には所定の幅寸法Tを隔てて少なくと
    も一つの補助電極を設け、前記補助電極は前記他方の励
    振電極と電気的に短絡されていることを特徴とする圧電
    振動子の電極構造。
JP10760293A 1993-04-09 1993-04-09 圧電振動子の電極構造 Pending JPH06303086A (ja)

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