JPH0630144B2 - 磁気記録媒体の潤滑膜の形成法 - Google Patents
磁気記録媒体の潤滑膜の形成法Info
- Publication number
- JPH0630144B2 JPH0630144B2 JP15543485A JP15543485A JPH0630144B2 JP H0630144 B2 JPH0630144 B2 JP H0630144B2 JP 15543485 A JP15543485 A JP 15543485A JP 15543485 A JP15543485 A JP 15543485A JP H0630144 B2 JPH0630144 B2 JP H0630144B2
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- Japan
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- thin film
- recording medium
- magnetic recording
- polymer layer
- metal alcoholate
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- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
- Magnetic Record Carriers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 情報産業分野等で利用される高記録密度の磁気記録媒体
の潤滑膜の形成法に関する。
の潤滑膜の形成法に関する。
従来の技術 高記録密度の情報記録媒体として、強磁性金属薄膜を非
磁性支持体上に形成したものの研究がおこなわれてい
る。
磁性支持体上に形成したものの研究がおこなわれてい
る。
しかしながら、このような磁気記録媒体においては、磁
性層表面に金属が露出しているために、磁気記録、再生
の際の磁気ヘッド等との相対運動による摩擦が大きく、
走行耐久性が低いという問題がある。
性層表面に金属が露出しているために、磁気記録、再生
の際の磁気ヘッド等との相対運動による摩擦が大きく、
走行耐久性が低いという問題がある。
このような実情から強磁性金属薄膜上に接着促進剤を含
有させてなるアルコキシシランの加水分解重合物層を形
成することが提案されている。(特開昭60−2993
5号公報) 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、この場合、耐摩耗性に関して未だ十分で
はない。これは、アルコキシシランの加水分解重合物層
は、強度が十分でなく、走行中にこの加水分解重合物層
が破壊し記録膜を傷つけてしまうためである。
有させてなるアルコキシシランの加水分解重合物層を形
成することが提案されている。(特開昭60−2993
5号公報) 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、この場合、耐摩耗性に関して未だ十分で
はない。これは、アルコキシシランの加水分解重合物層
は、強度が十分でなく、走行中にこの加水分解重合物層
が破壊し記録膜を傷つけてしまうためである。
問題点を解決するための手段 非磁性基板上に設けた強磁性金属薄膜面上に、SiとZrを
含む金属アルコレート層をつくり、100℃以上で焼成
して、金属アルコレートの加水分解重合物層としたの
ち、この加水分解重合層上に極性基を有する脂肪族化合
物層を設けて潤滑膜とする。
含む金属アルコレート層をつくり、100℃以上で焼成
して、金属アルコレートの加水分解重合物層としたの
ち、この加水分解重合層上に極性基を有する脂肪族化合
物層を設けて潤滑膜とする。
作用 金属アルコレートが、加熱によって加水分解し、重合し
て非晶質の硬い物質を与えることは公知である。ここで
SiとZrを含む金属アルコレートの加水分解重合物層は、
Zrイオンが、シリカの網目構造の空間にはいり、その強
度を向上させていると考えられる。
て非晶質の硬い物質を与えることは公知である。ここで
SiとZrを含む金属アルコレートの加水分解重合物層は、
Zrイオンが、シリカの網目構造の空間にはいり、その強
度を向上させていると考えられる。
この金属アルコレートの加水分解重合物層は、多孔質と
なることが知られている。極性基を有する脂肪族化合物
は、この細孔に吸着するため、金属アルコレートの加水
分解重合物層に強固に結合すると考えられる。
なることが知られている。極性基を有する脂肪族化合物
は、この細孔に吸着するため、金属アルコレートの加水
分解重合物層に強固に結合すると考えられる。
実施例 図は、本発明の磁気記録媒体の断面図である。1は非磁
性基板、2は強磁性金属薄膜、3はSiとZrを含む金属ア
ルコレートの加水分解重合物層、4は極性基を有する脂
肪族誘電体層である。
性基板、2は強磁性金属薄膜、3はSiとZrを含む金属ア
ルコレートの加水分解重合物層、4は極性基を有する脂
肪族誘電体層である。
非磁性基板1としては、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロー
ス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、ポリアミド等の高分子材料、非磁性金
属材料、ガラス、磁器等のセラミック材料等周知の材料
からなるフィルム、板等を用いることができる。
ス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、ポリアミド等の高分子材料、非磁性金
属材料、ガラス、磁器等のセラミック材料等周知の材料
からなるフィルム、板等を用いることができる。
強磁性金属薄膜2を形成する強磁性材料としては周知の
材料を使用でき、例えば鉄、コバルト、ニッケルの1種
以上の合金またはこれらと他の金属、例えばマンガン、
クロム、チタン、リン、イットリウム、サマリウム、ビ
スマス等とを組み合わせた合金があり、また上記金属と
の酸化物等がある。
材料を使用でき、例えば鉄、コバルト、ニッケルの1種
以上の合金またはこれらと他の金属、例えばマンガン、
クロム、チタン、リン、イットリウム、サマリウム、ビ
スマス等とを組み合わせた合金があり、また上記金属と
の酸化物等がある。
非磁性基板1上に強磁性金属薄膜2を形成するにあたっ
ては、メッキ法、蒸着法、スパッタリング法、イオンプ
レーティング法等任意の周知の方法を用いることができ
る。
ては、メッキ法、蒸着法、スパッタリング法、イオンプ
レーティング法等任意の周知の方法を用いることができ
る。
金属アルコレートとしては、テトラエトキシシランとジ
ルコニアn−プロポキシドが一般に用いられる。
ルコニアn−プロポキシドが一般に用いられる。
金属アルコレートの加水分解重合物層3を設けるために
は、金属アルコレート層を強磁性金属薄膜2の表面に形
成する工程と、これを加熱して加水分解させる工程が必
要である。
は、金属アルコレート層を強磁性金属薄膜2の表面に形
成する工程と、これを加熱して加水分解させる工程が必
要である。
金属アルコレート層を強磁性金属薄膜2の表面に形成す
る工程では、金属アルコレートを2−プロパノール、エ
チルアルコール等に溶かし、その溶液の層をディップ
法、スピンコート法、塗布法等により強磁性金属薄膜2
面上に形成する。
る工程では、金属アルコレートを2−プロパノール、エ
チルアルコール等に溶かし、その溶液の層をディップ
法、スピンコート法、塗布法等により強磁性金属薄膜2
面上に形成する。
金属アルコレートを加水分解重合し、多孔質のものを作
成するためには、100℃以上で焼成する必要がある。
100℃未満で加熱した場合、加水分解重合が十分にす
すまないため、膜の強度が低い。
成するためには、100℃以上で焼成する必要がある。
100℃未満で加熱した場合、加水分解重合が十分にす
すまないため、膜の強度が低い。
さらに金属アルコレートの加水分解重合物層3上に極性
基を有する脂肪族化合物層4を形成するにあたっては、
ディップ法、スピンコート法、塗布法、蒸着法をもちい
ることができる。
基を有する脂肪族化合物層4を形成するにあたっては、
ディップ法、スピンコート法、塗布法、蒸着法をもちい
ることができる。
以下に具体的な例を挙げて本発明を説明する。
実施例1〜8 厚さ20μmのポリイミドフィルム基板上に真空蒸着法
によりコバルト(80%)−クロム(20%)からなる
膜厚1500Åの強磁性金属薄膜を形成した。
によりコバルト(80%)−クロム(20%)からなる
膜厚1500Åの強磁性金属薄膜を形成した。
テトラエトキシシランとジルコニアn−プロポキシドを
SiO2,ZrO2換算で、モル比で7:3で混合した液に、重
量で5倍となるように2−プロパノールを加えた。
SiO2,ZrO2換算で、モル比で7:3で混合した液に、重
量で5倍となるように2−プロパノールを加えた。
この溶液を強磁性金属薄膜上にスピンコートし、150
℃、4時間焼成して金属アルコレートの加水分解重合物
層を作成した。
℃、4時間焼成して金属アルコレートの加水分解重合物
層を作成した。
各種脂肪族化合物が重量で1000ppmとなるよう2−
プロパノールで希釈した溶液を、金属アルコレートの加
水分解重合物層上にスピンコートして、表に示すような
実施例1〜8を得た。
プロパノールで希釈した溶液を、金属アルコレートの加
水分解重合物層上にスピンコートして、表に示すような
実施例1〜8を得た。
比較例1 実施例1〜8と同様に基板上に形成した強磁性金属薄膜
上に、次のような組成の塗布液を用いて保護膜を形成し
た。
上に、次のような組成の塗布液を用いて保護膜を形成し
た。
テトラエトキシシランに重量で20%となるように2−
プロパノールを加え、この溶液に接着促進剤として無水
リン酸とP2O5とをSiO2固形分に対してそれぞれ重量で7
%、5%ずつ添加し、3日間熟成した。
プロパノールを加え、この溶液に接着促進剤として無水
リン酸とP2O5とをSiO2固形分に対してそれぞれ重量で7
%、5%ずつ添加し、3日間熟成した。
この溶液を強磁性金属薄膜上にスピンコートし、150
℃、4時間焼成して接着促進剤を含んだ金属アルコレー
トの加水分解重合物層を作成した。
℃、4時間焼成して接着促進剤を含んだ金属アルコレー
トの加水分解重合物層を作成した。
比較例2 実施例1〜8と同様に基板上に形成した強磁性金属薄膜
上に、実施例1〜8と同様に作成したZrとSiの元素を含
む金属アルコレート溶液をスピンコートし、150℃、
4時間焼成して金属アルコレートの加水分解重合物層を
作成した。
上に、実施例1〜8と同様に作成したZrとSiの元素を含
む金属アルコレート溶液をスピンコートし、150℃、
4時間焼成して金属アルコレートの加水分解重合物層を
作成した。
比較例3〜5 実施例1〜8と同様に基板上に形成した強磁性金属薄膜
上に、テトラエトキシシランに重量で20%となるよう
に2−プロパノールを加えた溶液をスピンコートし、1
50℃、4時間焼成して金属アルコレートの加水分解重
合物層を作成した。
上に、テトラエトキシシランに重量で20%となるよう
に2−プロパノールを加えた溶液をスピンコートし、1
50℃、4時間焼成して金属アルコレートの加水分解重
合物層を作成した。
各種脂肪族化合物が重量で1000ppmとなるよう2−
プロパノールで希釈した溶液を金属アルコレートの加水
分解重合層上にスピンコートして、表に示すような比較
例3〜5を得た。
プロパノールで希釈した溶液を金属アルコレートの加水
分解重合層上にスピンコートして、表に示すような比較
例3〜5を得た。
比較例6 実施例1〜8と同様に基板上に形成した強磁性金属薄膜
上に、実施例1〜8と同様に作成したZrとSiの元素を含
む金属アルコレート溶液をスピンコートし、90℃、4
時間焼成したが、十分に固化しなかった。
上に、実施例1〜8と同様に作成したZrとSiの元素を含
む金属アルコレート溶液をスピンコートし、90℃、4
時間焼成したが、十分に固化しなかった。
これらのサンプルにつき、以下の測定を行なった。
1)動摩擦係数 サンプルの動摩擦係数を動摩擦係数計(協和界面科学社
製DF−PM型)を用いて25℃、50%RHの条件下
で測定した。用いたヘッドは直径12mmの鋼球で、ヘッ
ド荷重10g、ヘッドの走行速度1.0mm/secにて初期
と、500回摺動後に測定した。
製DF−PM型)を用いて25℃、50%RHの条件下
で測定した。用いたヘッドは直径12mmの鋼球で、ヘッ
ド荷重10g、ヘッドの走行速度1.0mm/secにて初期
と、500回摺動後に測定した。
2)走行耐久性 サンプルを市販のフロッピーディスクドライブと同等な
機能を有する試験機で走行させ、1000時間後に顕微鏡観
察により、傷の発生の有無を調べた。
機能を有する試験機で走行させ、1000時間後に顕微鏡観
察により、傷の発生の有無を調べた。
表より、本発明による実施例1〜8の磁気記録媒体は、
動摩擦係数が初期および500回摺動後もたいへん小さ
く、比較例1〜6よりもすぐれていることがわかる。さ
らに耐久性に関しても市販のフロッピーディスクドライ
ブと同等の機能を有する試験機で1000時間摺動する
ことにより比較例1〜6はすべて、強磁性金属薄膜に傷
がみられたが、実施例1〜8では、傷は全くみられなか
った。
動摩擦係数が初期および500回摺動後もたいへん小さ
く、比較例1〜6よりもすぐれていることがわかる。さ
らに耐久性に関しても市販のフロッピーディスクドライ
ブと同等の機能を有する試験機で1000時間摺動する
ことにより比較例1〜6はすべて、強磁性金属薄膜に傷
がみられたが、実施例1〜8では、傷は全くみられなか
った。
発明の効果 磁気記録媒体の潤滑膜として、潤滑性にすぐれ、耐摩耗
性が良好な膜を形成することができる。
性が良好な膜を形成することができる。
図は本発明の一実施例における磁気記録媒体の断面図で
ある。 1……非磁性基板、2……強磁性金属薄膜、3……加水
分解重合物層、4……脂肪族化合物層。
ある。 1……非磁性基板、2……強磁性金属薄膜、3……加水
分解重合物層、4……脂肪族化合物層。
Claims (1)
- 【請求項1】非磁性基板上に設けた強磁性金属薄膜面上
に、SiとZrを含む金属アルコレート層を形成し、100
℃以上で焼成して金属アルコレートの加水分解重合層と
したのち、この加水分解重合物層上に極性基を有する脂
肪族化合物層を設けることを特徴とする磁気記録媒体の
潤滑膜の形成法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15543485A JPH0630144B2 (ja) | 1985-07-15 | 1985-07-15 | 磁気記録媒体の潤滑膜の形成法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15543485A JPH0630144B2 (ja) | 1985-07-15 | 1985-07-15 | 磁気記録媒体の潤滑膜の形成法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6216243A JPS6216243A (ja) | 1987-01-24 |
JPH0630144B2 true JPH0630144B2 (ja) | 1994-04-20 |
Family
ID=15605938
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15543485A Expired - Lifetime JPH0630144B2 (ja) | 1985-07-15 | 1985-07-15 | 磁気記録媒体の潤滑膜の形成法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0630144B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2790367B2 (ja) * | 1990-09-27 | 1998-08-27 | 新日本製鐵株式会社 | 含鉄冷材溶解法 |
-
1985
- 1985-07-15 JP JP15543485A patent/JPH0630144B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6216243A (ja) | 1987-01-24 |
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