JPH0630021U

JPH0630021U - 緩衝紙箱

Info

Publication number: JPH0630021U
Application number: JP6650092U
Authority: JP
Inventors: 利幸蔦原
Original assignee: Toppan Inc
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1992-09-24
Filing date: 1992-09-24
Publication date: 1994-04-19

Abstract

(57)【要約】【目的】緩衝空間を形成し緩衝機能を有する紙箱の、緩
衝空間を形成する素材を紙箱と同一の紙（ダンボール）
とすることで環境問題に対応して、なおかつ一枚のブラ
ンク板から箱と一体で区画された緩衝空間を形成し緩衝
機能を備えるとともに、コスト面、製造効率を向上させ
ることができ緩衝紙箱を提供する。【構成】背面板(10)の両側に連設した側部緩衝部材(E,
E) を折り立てて、貼着板(20,20) を背面板(10)に貼り
つけ、角筒形状に区画された側部緩衝空間を形成し、底
部緩衝部材(T) の脚片(19)を背面板(10)に当接するまで
折り込み、差し込み板(18,18) を切り込み(K,K) に挿入
し底部緩衝空間を区画形成し、前記蓋板に設けた差し込
み片(S) と側部差し込み片(S1,S1) を内底板(17)と差し
込み板(18,18) に当接させて挿入閉鎖してなる構成の緩
衝紙箱(30)。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、箱と一体に同一素材にて両側部及び底部に区画した緩衝空間を形成し、精密機器や付属品等を収納して衝撃から収納物を護る緩衝機能付きの緩衝紙箱に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から精密機器やその付属品等を収納する厚紙やダンボール等の収納紙箱に緩衝機能を持たせるため、通常は発泡部材或いはエアーキャップ等を紙箱の内面に貼りつけたり収納品を包む等して、衝撃から護るため収納紙箱とは別な素材で緩衝材を装着することが行われてきた。また、発泡スチロールを収納する品物の形に合わせて、発泡させた緩衝機能を有する収納容器も多用されている。しかし、近年環境問題等により、従来のような緩衝材を使用することは好ましくなく、これに代わる素材を使用する必要が生じてきた。例えば紙箱と同一素材（ダンボール等）を用いて角筒状に形成した緩衝部材を箱体内面に必要数貼りつけたり、或いは一枚のブランク板を折り畳み一部分に区画した緩衝空間を形成した紙箱は公知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、衝撃に対して弱い精密機器や付属品（例えば、電子機器、電子部品等）等を収納する場合の箱体は、多くの緩衝部や緩衝空間が必要となり、しかも、従来の発泡部材など使用することなく、紙箱と同一素材によって、かつ、一枚のブランク板から多くの緩衝部や緩衝空間を形成して、体裁よく収納できる紙箱は少なかった。

【０００４】そこで本考案は、緩衝空間を形成する素材を紙箱と同一の紙（ダンボール）とすることで環境問題に対応して、なおかつ、一枚のブランク板から箱と一体で区画された緩衝空間を形成して緩衝機能を備えるとともに、部材を貼りつけたり詰めたりする必要がないため、コスト面製造効率を向上させることができる緩衝紙箱を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前述の課題を解決するために本考案は、背面板(10)の両側に縦折り目線(P1,P1 ) を介して、外側板(11,11) と前面板(12,12) と内側板(13,13) と先端には貼着板(20,20) を順に設け、該前面板(12,12) の下部には切り込み(K,K) を形成して側部緩衝部材(E,E) とし、前記背面板に設けた横折り目線(Y1,Y1) を介して上辺側に天蓋(14a) と前蓋板(14)と先端の中央に差し込み片(S) と両側に側部差し込片(S1,S1) を設け、一方下辺側には底板(15)と底部前面板(16)と先端に脚片(19) を有する内底板(17)と、該底部前面板の両端部に差し込み板(18,18) を連設して底部緩衝部材(T) を構成してなる緩衝紙箱において、前記側部緩衝部材(E,E) を折り立て、貼着板(20,20) を背面板(10)に貼りつけ角筒形状に区画された側部緩衝空間を形成し、前記底部緩衝部材(T) の脚片(19)を背面板(10)に当接するまで折り込み、差し込み板(18,18) を切り込み(K,K) に挿入し底部緩衝空間を区画形成して、前記蓋板に設けた差し込み片(S) と側部差し込み片(S1,S1) を内底板(1 7)と差し込み板(18,18) に当接させて挿入閉鎖してなる構成とした緩衝紙箱である。

【０００６】本考案は、一枚のブランク板(B) を折り立てて収納部(H) の側面と底部に緩衝空間を区画形成した緩衝紙箱であって、図１、図２に示すように、背面板(10)両側の縦折り目線(P1,P1) を介して連設した側部緩衝部材(E,E) を、縦折り目線(P ,P) から折り立てて、先端に設けた貼着板(20,20) を背面板(10)に貼りつけると、角筒形状に区画された緩衝空間が背面板の両側部に形成される。次に底板(15) と底部前面板(16)を横折り目線(Y1,Y)から折り曲げ、内底板(17)と脚片(19)を折り曲げて脚片(19)を内側板(13,13) 下端の切り欠き(13a,13a) に係止することで角筒形状に区画された側部緩衝空間と内底板(17)に囲まれた収納部(A) が形成される。更に、内底板(15)の両側に設けた差し込み板(18,18) を切り込み(K,K) に挿入することで、図２に示すように、側部緩衝空間の下部で、且つ、底板(15)に当接しない所に差し込板(18,18) と角筒の内側板(13,13) によって、仕切られた底部緩衝空間が構成される。これによって角筒形状に区画された緩衝空間の底部にも仕切られた緩衝空間ができ、上部が開口している側部緩衝空間は、付属品等が収納できる緩衝空間を兼ねた収納小室(A1,A1) となる。更に前蓋板(14)と天蓋 (14a) で収納部(A) を覆い、差し込み片(S) と側部差し込み片(S1,S1) を内底板 (17)と差し込み板(18,18) に当接させて挿入すると、収納小室の底部は二枚の差し込み板で仕切られるので、重量のある付属品等を収納しても耐えることができる。

【０００７】

【作用】

本考案の緩衝紙箱(30)は、側部緩衝部材(E,E) を折り立て貼着板(20,20) を背面板(10)に貼りつけることで角筒形状に区画された緩衝空間が形成される。この角筒の下部に形成した切り込み(K,K) に前面板(16)の両端に連設した差し込み板 (18,18) を挿入すると、角筒内の底部を仕切る緩衝片となって、角筒形状に区画された緩衝空間が精密機器の付属品等を収納する収納小室(A1,A1) とすることができる。しかも、重量のある部品を収納しても、この差し込み板による緩衝片の先端は素材の剛性によって湾曲はするが、底板（15) に当接せず緩衝機能が生ずる。また、折れ曲がっても底部に三角形状の緩衝空間を形成し、収納物は底板に直接当接することがない。更に前蓋板(14)を被せて側部差し込み片(S1,S1) を差し込み板に当接させて挿入すると、二枚の重なった差し込み片の緩衝片となって重量物の収納にも折れ曲がることがない。

【０００８】

【実施例】

図に基づき実施例を説明する。図１は本考案の実施例による緩衝紙箱の一例を示す展開図であり、図２は上記のブランク板を組立てた緩衝紙箱の一例をを示す斜視図である。

【０００９】本考案の緩衝紙箱に用いた基材は緩衝空間を形成し、しかも、精密機器や付属品等を収納するのである程度の衝撃やショックに対応できるＥダンボールを使用して製箱したものである。図１に示すように、背面板(10)の両側に縦折り目線(P1,P1) を介して、外側板 (11,11) と前面板(12,12) と内側板(13,13) と、先端に貼着板(20,20) を順次設け、この前面板(12,12) の下部には内側板(13,13) 内に一部かかるように切り込み(K,K) を形成したものである。この切り込みは貼着板(20,20) の下端の位置に合せ平行に形成した。また、内側板(13,13) の下端には貼着板の下端と同じ高さまで切り欠き(13a,13a) を形成して側部緩衝部材(E,E) を構成したものである。更に、前記背面板(10)の上下辺に横折り目線(Y1,Y1) を介して、上辺側に天蓋 (14a) と横折り目線(Y,Y) を介して前蓋板(14)と中央に差し込み片(S) と、この両側に側部差し込み片(S1,S1) を連設し、一方下辺側には底板(15)と横折り目線 (Y) を介して底部前面板(16)に内底板(17)と脚片(19)と、この底部前面板(16)の両側端に内底板(17)を挟むように差し込み板(18,18) を連設して、底部緩衝部材 (T) を構成し緩衝紙箱のブランク板(B) とした。

【００１０】組立ては、側部緩衝部材(E,E) を折り立てて角筒形状として、先端の貼着板(2 0,20) を背面板(10)に貼りつけて角筒形状に区画された緩衝空間を形成する。次に底部緩衝部材(T) を折り曲げ脚片(19)を背面板(10)に当接するまで折り込んで切り欠き(13a,13a) に係止すると底板(15)と、内底板(17)と底部前面板(16)によって区画された底部緩衝空間が形成されるとともに、内底板(17)と角筒の内側板 (13,13) に囲まれた収納部(A) ができる。更に、底部前面板(16)に連設した差し込み板(18,18) を角筒の下部に形成された切り込み(K,K) に挿入すると、角筒形状に区画された側部緩衝空間内の底部が仕切られた底部緩衝空間となる。また、角筒形状に区画された緩衝空間の上部が開口しているので、この角筒内が付属品等を収納することができる収納小室(A1,A1) とすることができる。次に天蓋(14a ) と前蓋板(14)を折り曲げ収納部(A) を覆うように閉鎖し、先端に設けた差し込み片(S) と側部差し込み片(S1,S1) を内底板(17)と差し込み板(18,18) に当接させて挿入すると閉鎖された緩衝紙箱(30)となる。

【００１１】前述の角筒形状に区画され底部が仕切られた側部緩衝空間の収納小室(A1,A1) に収納物を収納すると、挿入された差し込み板が緩衝片となり収納物を保護し、また、重量のある収納物を収納して挿入した差し込み板が、例えば折れ曲っても先端が底板に当接し、三角形状の緩衝空間を形成して、収納物を底部からのショックから守ることができる。更に、前蓋板(14)の側部差し込み片(S1,S1) を挿入すると、差し込み板が二重になり、重い収納物でも折れ曲ることがなくなる。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は、ブランク板の両側の側部緩衝部材を折り立て貼着板を貼りつけることで、角筒形状に区画された側部緩衝空間が形成され、更に内底板を折り曲げ先端の差し込み板を切り込みに挿入すると区画された底部緩衝空間が形成され、同時に角筒の内側板と内底板に囲まれた収納部を形成した緩衝紙箱となる。また、この緩衝紙箱は側部と底部に区画された緩衝空間を紙箱と一体で製箱することができる。更に、角筒内に挿入した差し込み板によって側部緩衝空間の底部が仕切られ、しかも上部は開口しているので付属品等を収納する収納小室とすることができる。また、本考案は１箇所を貼着するだけで（機械貼も可能である）あとは簡単に組立てることができるので、コストや製造工程を簡略化することが可能である等種々の効果を有する緩衝紙箱である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例における緩衝紙箱の一例を示す
展開図である。

【図２】上記のブランク板を組立てた緩衝紙箱の一例を
示す斜視図である。

【符号の説明】

１０ …背面板１１ …外側板１２ …前面板１３ …内側板１３ａ…切り欠き１４ …前蓋板１４ａ…天蓋１５ …底板１６ …底部前面板１７ …内底板１８ …差し込み板１９ …脚片２０ …貼着板３０ …緩衝紙箱Ａ …収納部Ａ１ …収納小室Ｂ …ブランク板Ｅ …側部緩衝部材Ｔ …底部緩衝部材Ｋ …切り込みＳ …差し込み片Ｓ１ …側部差し込み片Ｐ，Ｐ１…縦折り目線Ｙ，Ｙ１…横折り目線

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】背面板(10)の両側に縦折り目線(P1,P1) を
介して、外側板(11,11) と前面板(12,12) と内側板(13,
13) と先端には貼着板(20,20) を順に設け、該前面板(1
2,12) の下部には切り込み(K,K) を形成して側部緩衝部
材(E,E) とし、前記背面板に設けた横折り目線(Y1,Y1)
を介して上辺側に天蓋(14a) と前蓋板(14)と先端の中央
に差し込み片(S) と両側に側部差し込片(S1,S1) を設
け、一方下辺側には底板(15)と底部前面板(16)と先端に
脚片(19)を有する内底板(17)と、該底部前面板の両端部
に差し込み板(18,18) を連設して底部緩衝部材(T) を構
成してなる緩衝紙箱において、前記側部緩衝部材(E,E)
を折り立て、貼着板(20,20) を背面板(10)に貼りつけ角
筒形状に区画された側部緩衝空間を形成し、前記底部緩
衝部材(T)の脚片(19)を背面板(10)に当接するまで折り
込み、差し込み板(18,18) を切り込み(K,K) に挿入し底
部緩衝空間を区画形成して、前記蓋板に設けた差し込み
片(S) と側部差し込み片(S1,S1) を内底板(17)と差し込
み板(18,18) に当接させて挿入閉鎖してなる構成の緩衝
紙箱。