JPH06299703A

JPH06299703A - 鉄骨構造建築物の構築法

Info

Publication number: JPH06299703A
Application number: JP8742693A
Authority: JP
Inventors: Shunsuke Shirai; 俊輔白井; Matsuo Tsuruoka; 松生鶴岡; Akiro Ueda; 昭郎上田
Original assignee: Kajima Corp
Current assignee: Kajima Corp
Priority date: 1993-04-14
Filing date: 1993-04-14
Publication date: 1994-10-25

Abstract

(57)【要約】【目的】タワークレーンの稼働率を低減して工期を短
縮する。【構成】柱ユニット用移動装置１又は梁部材用移動装
置１０に、柱ユニット２０又は梁部材３２をセットし、
設置階３１に揚重して下ろし、装置１又は１０を設置位
置に移動して昇降装置（６又は１２）により柱ユニット
２０又は梁部材３２を既設柱ユニット２０Ａの柱ジョイ
ント部２１又は梁ジョイント部２６に位置決めして接合
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鉄骨構造建築物の構築
法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、鉄骨構造建築物を構築する場合、
柱、梁等の各部材の揚重はタワークレン等によっている
ので、（１）タワークレーンの能力が、工期を決定する場合
が多い。

【０００３】（２）したがって、タワークレーンの稼
働回数を低減し、かつ、接合箇所を減らし、更に作業工
数を減らすため、柱鉄骨は数フロア分の長尺柱材を建て
込むことが行われている。

【０００４】（３）この長尺柱材を建て込む際は、柱
材の頂部に設けた玉掛用ワイヤ、金具等を外す必要があ
り、しかも、足場が確保できない場合は高所作業とな
り、危険である。

【０００５】（４）従来作業の建て込みは、タワーク
レーンに依存する例が多く、タワークレーンは汎用性が
高い反面、その構造から風等の外乱を受け易く、精度の
面で自動化しにくい面がある。

【０００６】（５）鉄骨構造の場合、その接合部は溶
接構造が多く、組立位置での溶接時間が工期を決定する
場合が多い。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した問
題に鑑みてなされたもので、タワークレーンの稼働率を
低減して工期を短縮する鉄骨構造建築物の構築法を提供
することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明による構築法は、
上下端にそれぞれ柱ジョイント部が形成され上端側部に
それぞれ梁ジョイント部が形成された柱ユニット又は梁
部材をセットした移動装置を、該移動装置が移動可能な
設置階に揚重して下ろし移動装置を設置位置に移動して
該移動装置に設けられた昇降装置により前記柱ユニット
下端の柱ジョイント部を既設柱ユニット上端の柱ジョイ
ント部に、又は前記梁部材の側部を既設柱ユニットの梁
ジョイント部にそれぞれ位置決めしたのち、それぞれ接
合することを特徴としている。

【０００９】

【作用】本発明によれば、設置階への揚重には、リフト
又はクレーンを使用するが、設置階における柱ユニット
又は梁部材の移動、位置決めは、移動装置により行い、
タワークレーンの稼働率を大巾に低減することができ
る。

【００１０】

【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。

【００１１】図１には、本発明を実施する柱ユニット用
移動装置１が示されている。この移動装置１には、４本
の脚部２が設けられており、その脚部２の下端には、走
行車輪３が設けられている。この脚部２の上端には、ロ
ーラ４を介し柱ユニット２０がセットされる昇降ガイド
５が昇降自在に設けられ、両者２、５の間に介装された
昇降装置すなわち図示の例では油圧シリンダ６により昇
降されるようになっている。しかしながら、昇降装置と
しては、任意の公知手段、例えば電動シリンダ、回転す
るねじ棒、パンタ式のジャッキ等を用いることができ
る。

【００１２】図２には、移動装置の別の実施例が示され
ている。この移動装置１Ａの脚部２Ａの下端には、油圧
シリンダ６を介して走行車輪３が設けられ、上端には、
柱ユニット２０がセットされる把持装置７が設けられて
いる。そして、油圧シリンダ６の伸縮により脚部２Ａ、
把握装置７を介して柱ユニット２０が昇降されるように
なっている。

【００１３】図３には、梁部材用移動装置１０が示され
ている。この移動装置１０の枠状フレーム１１の４隅に
は、昇降装置である油圧シリンダ１２が設けられてい
る。なお、この昇降装置も前述の如くのその他の公知手
段を用いることができる。その油圧シリンダ１２のシリ
ンダ下端には、走行車輪１３が設けられ、ピストンロッ
ド１２ａ上端には、梁部材３２の受け台１４が設けられ
ている。

【００１４】図１に戻り、柱ユニット２０の柱部材２１
の下端には、柱下部ジョイント部２２が設けられ、上端
には、柱上部ジョイント部２４が設けられ、上側部に
は、梁ジョイント部２６が設けられている。なお、図中
の符号２０Ａは既設の柱ユニットである。

【００１５】図４ないし図６において、柱下部ジョイン
ト部２２は、各辺から突設された４個の２山クレビス２
３で構成され、柱上部ジョイント部２４は、クレビス２
３に係合する１山クレビス２５で構成されている。そし
て、両クレビス２３、２５は、ボルト２８ａで結合され
る。なお、クレビス２３、２５は、個々に柱本体２１に
取付けないで、それぞれユニット化して取付けるように
してもよい。またクレビスの個数は任意である。このよ
うに各クレビスはハイテンションボルトによる摩擦接合
あるいはボルトの剪断により力が伝達される。後者の場
合は、ボルトの外周に別のスリーブを設ければよい。

【００１６】図７ないし図１０には、クレビス２３、２
５の結合時にガタを吸収する構造が示されている。すな
わち、クレビス２３、２５にそれぞれ対向して長孔２３
ａ、２３ｂを穿設し、一対のテーパウエッジ２８、両ウ
エッジ２８、２８を斜めに貫通するボルト２９及びナッ
ト２９ａからなるウェッジボルト２７を設け、長孔２３
ａ、２５ａにウェッジ２８、２８を挿通し、ボルト２９
で締付けウェッジ２８、２８の外側を広げてガタを吸収
する。

【００１７】次に、構築の態様を説明する。

【００１８】図１１において、鉄骨構造建築物３０の設
置階３１の既設梁部材３２Ａ上には、スラブ３３が敷設
され、建築物３０の側面には、リフトレール３４が取付
けられ、リフト荷台３５が昇降自在に設けられている。

【００１９】先ず、リフト荷台３５に、柱ユニット２０
をセットした柱ユニット用移動装置１を載置し、荷台３
５を設置階３１まで上昇させる。

【００２０】次いで、移動装置１を手動、図示しない牽
引装置又は移動装置１に設けた図示しない走行装置など
により、接合する既設柱ユニット２０Ａの真上まで移動
する。

【００２１】次いで、図１に示す油圧シリンダ６を伸
長、矢印のように柱ユニット２０を下ろして位置決めを
行う。

【００２２】最後に、両ジョイント部２２、２４の両ク
レビス２３、２５を結合している。

【００２３】なお、柱ユニット２０をセットした移動装
置１の揚重は、リフトレール３４及びリフト荷台３５に
限られるものではなく、図１２に示すように、クレーン
３６を用いることができる。

【００２４】また、梁部材３２は、梁部材用移動装置１
０にセットして前述と同様に移動し、油圧シリンダ１２
を伸長し上昇して位置決め接合する。

【００２５】なお、本発明は鉄骨造でも鉄骨コンクリー
ト造でも適用でき、柱や梁の断面形状は全く任意であ
る。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、移
動装置で柱ユニットや梁部材を移動し接合することによ
り、タワークレーンの稼働率を低減して工期を短縮する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施する柱ユニット移動装置の一実施
例を示す正面図。

【図２】柱ユニット移動装置の別の実施例を示す正面
図。

【図３】本発明を実施する梁部材移動装置を示す正面
図。

【図４】柱ジョイント部の接合前の状態を示す正面図。

【図５】柱ジョイント部の接合状態を示す正面図。

【図６】図５の水平断面図。

【図７】クレビスを示す正面図。

【図８】図７の側面図。

【図９】ウエッジボルトを示す側断面図。

【図１０】図９の正面図。

【図１１】本発明の一実施態様を説明する正面図。

【図１２】本発明の別の実施態様を説明する部分的正面
図。

【符号の説明】

１、１Ａ・・・柱ユニット移動装置２、２Ａ・・・脚部３、１３・・・走行車輪４・・・ローラ５・・・ガイド６、１２・・・油圧シリンダ７・・・把持装置１０・・・梁部材移動装置１１・・・フレーム１４・・・受け台２０、２０Ａ・・・柱ユニット２１・・・柱部材２２・・・柱下部ジョイント部２３・・・２山クレビス２３ａ、２５ａ・・・長孔２４・・・柱上部ジョイント部２５・・・１山クレビス２６・・・梁ジョイント部２７・・・ウエッジボルト２８・・・ウエッジ２９・・・ボルト３０・・・鉄骨構造建築物３１・・・設置階３２、３２Ａ・・・梁部材３３・・・スラブ３４・・・リフトレール３５・・・リフト荷台３６・・・クレーン

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】上下端にそれぞれ柱ジョイント部が形成
され上端側部にそれぞれ梁ジョイント部が形成された柱
ユニット又は梁部材をセットした移動装置を、該移動装
置が移動可能な設置階に揚重して下ろし移動装置を設置
位置に移動して該移動装置に設けられた昇降装置により
前記柱ユニット下端の柱ジョイント部を既設柱ユニット
上端の柱ジョイント部に、又は前記梁部材の側部を既設
柱ユニットの梁ジョイント部にそれぞれ位置決めしたの
ち、それぞれ接合することを特徴とする鉄骨構造建築物
の構築法。