JPH06299550A

JPH06299550A - 高耐力場所打ちコンクリート杭等の施工方法

Info

Publication number: JPH06299550A
Application number: JP8851193A
Authority: JP
Inventors: Makoto Chiyousokabe; 誠長曽我部; Masaaki Kakurai; 正昭加倉井; Kiyoshi Yamashita; 清山下; Tomio Tsuchiya; 富男土屋; Takeshi Yamada; 毅山田; Takuhei Fukuhara; 拓平福原
Original assignee: Takenaka Komuten Co Ltd; Takenaka Doboku Co Ltd
Current assignee: Takenaka Komuten Co Ltd; Takenaka Doboku Co Ltd
Priority date: 1993-04-15
Filing date: 1993-04-15
Publication date: 1994-10-25

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】締固め杭を使用せずして先端支持力を増強し
た高耐力場所打ちコンクリート杭等の施工方法を提供す
る。【構成】躯体としての打設コンクリートが強度を発現
した後に、締固め杭に相当する大きさ、形状の締固め器
４を、貫入ロッド８によりガイドパイプ２内に挿入し、
支持地盤中へ所望の深さまで貫入させて凹み６を形成す
る。締固め器４を引き上げ、少なくとも前記凹み６にセ
メントミルク等を充填し、当該凹み６と略同じ形状であ
って凹み６の周辺地盤の緩みを抑制するのに十分な圧縮
強度を有する充填杭９を、ガイドパイプ２内に挿入し、
前記凹み６の位置に埋設する。貫入ロッド８を引き上げ
ながらセメントミルクをガイドパイプ２内に充填する。【効果】廉価な充填杭の埋設により、高耐力場所打ち
コンクリート杭等を施工できて施工費用の低減が図れ、
先端地盤の締固め効果も確実に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、場所打ちコンクリー
ト杭や埋込み杭、又は連続地中壁基礎等（以下、これら
をまとめて場所打ちコンクリート杭等と云う）を構築す
る施工方法において実施される、先端支持力を増強した
高耐力場所打ちコンクリート杭等の施工方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、場所打ちコンクリート杭等の構築
においては、掘削による先端地盤の緩みが原因で先端支
持力が低下することが問題とされ、この改善策が種々出
願されている（先願の特公平４−５８８４７号公報に記
載された施工方法等参照）。先の特願平３−１９６３０
０号に係る施工方法においては、出願人は、締固め杭を
使用しないで、経済的に施工される耐力場所打ちコンク
リート杭等の施工方法を提案している。同方法は、従来
の締固め杭に相当する大きさ、形状の締固め器４を、ガ
イドパイプ２を利用して支持地盤５中へ貫入することに
より凹み６を形成し、締固め器４は引き上げながらセメ
ントミルク７等を噴出し、ガイドパイプ２の全長に亘り
セメントミルク７等を充填するものである（図１Ａ、Ｂ
参照）。

【０００３】

【本発明が解決しようとする課題】上記先願の特願平３
−１９６３００号に係る施工方法は、確かに締固め杭を
使用せず、また締固め杭の代用となる締固め器は回収し
て繰り返し利用でき、施工費用を低減せしめた優れた利
点を有する。しかし、その施工において、締固め器４を
支持地盤５から引き抜いて回収する際の除荷重による応
力解放の影響で支持地盤５が緩む可能性があり、素早く
引き上げる等の施工如何によっては支持地盤５を崩して
しまう虞れも懸念される。

【０００４】したがって、本発明の目的は、高耐力場所
打ちコンクリート杭等の構築において、締固め杭を使用
せずして施工費用の低減を図ると共に、先端地盤の締固
め効果を確実ならしめて先端支持力を増強するという所
期の目的を有効に達成する、高耐力場所打ちコンクリー
ト杭等の施工方法を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明に係る高耐力場所打ちコンクリー
ト杭等の施工方法は、図面に実施例を示したとおり、ａ）掘削孔１へガイドパイプ２を設置し、躯体として
のコンクリート３を打設しそのコンクリート３が強度を
発現した後に、締固め杭に相当する大きさ、形状の締固
め器４を、貫入ロッド８を用いて前記ガイドパイプ２内
に挿入し、支持地盤５中へセメントミルク７等を噴出し
ながら所望の深さまで貫入させて凹み６を形成する段階
（図１Ａ）と、ｂ）前記締固め器４を引き上げ、同時にこの締固め器
４からセメントミルク７等を噴出させて、少なくとも前
記支持地盤５中に形成した凹み６にセメントミルク７等
を充填する段階（図１Ｂ、Ｃ）と、ｃ）セメントミルク７等の充填後、前記凹み６と略同
じ形状であって凹み６の周辺地盤の緩みを抑制するのに
十分な圧縮強度を有する充填杭９を、貫入ロッド８を用
いて前記ガイドパイプ２内に挿入し、セメントミルク７
等が充填された前記凹み６の位置に埋設する段階（図２
Ａ、Ｂ）と、ｄ）前記充填杭９の埋設が完了した後、充填杭９と貫
入ロッド８を切り離し、貫入ロッド８を引き上げながら
その先端からセメントミルク７等を噴出させ、このセメ
ントミルク７等をガイドパイプ２内に充填する段階（図
２Ｃ、Ｄ）と、より成ることを特徴とする。

【０００６】

【作用】締固め器４の貫入によって支持地盤５を締固
め、また同支持地盤５に形成された凹み６をとりあえず
セメントミルク７等の充填によって保全する（図１）と
共に、前記凹み６の位置に凹み６と略同形状で凹み６の
周辺地盤の緩みを抑制するのに十分な圧縮強度を有する
充填杭９を埋設して残置する（図２）ので、締固め器４
を支持地盤５から引き抜く際に生ずる除荷重（応力解
放）により支持地盤５が緩む暇を与えず、そして、充填
杭９によって再度締固める効果があり、支持地盤５は確
実に締固められ大きな先端支持力が得られる。

【０００７】

【実施例】次に、図示した本発明の実施例を示す。図１
Ａ〜Ｃ及び図２Ａ〜Ｄは、高耐力場所打ちコンクリート
杭等の施工における枢要な工程図を示している。図１Ａ
は、支持地盤５中に締固め器４を貫入して凹み６を形成
する段階を示している。まず、支持地盤５に達する深さ
まで掘削した掘削孔１中に必要本数のガイドパイプ２…
を設置した後、掘削孔１中へ躯体としてのコンクリート
３を打設し養生して杭躯体３を構築する。なお、この杭
躯体３の杭頭上には埋戻し土１１を施工しておく。杭躯
体３のコンクリートが所定強度を発現した後に、締固め
器４を貫入ロッド８を用いて前記のガイドパイプ２内に
挿入し、支持地盤５中にセメントミルク７（又はモルタ
ル、コンクリート等）を噴出しながら締固めに必要な深
さまで回転圧入等することにより貫入させて、凹み６を
形成する。締固め器４は、所謂締固め杭の大きさ、形状
に略等しい倒立円錐形状（コーン状）に形成されてい
る。セメントミルク７等は、貫入ロッド８を通じて地上
から供給して締固め器４の先端等から噴出される。次
に、支持地盤５中に貫入した締固め器４を引き上げて回
収する。その引き上げの際にも、当該締固め器４の先端
からセメントミルク７を噴出することにより、前記支持
地盤５の凹み６と、その上方であって通常周辺の地下水
位より２ｍ程度上方のレベル位置まで最低限セメントミ
ルク７を充填する（図１Ｂ）。前記凹み６の保全を図
り、支持地盤５の緩みを防止するためである。なお、回
収した締固め器４は再利用できて、その分施工費用が低
減される。図１Ｃは、前記の要領にしたがって残りのガ
イドパイプ２内の全てについて締固め器４を利用して凹
み６を形成し、所定のセメントミルク７の充填を終了し
た段階を示している。

【０００８】図２Ａは上記のようにしてセメントミルク
７が充填されたガイドパイプ２内に、貫入ロッド８を用
いて充填杭９を挿入した段階を示しており、図２Ｂは前
記充填杭９をセメントミルク７等が充填された前記凹み
６の中へ貫入して埋設した段階を示している。充填杭９
は、前記凹み６に嵌まり込むものとして凹み６と略同じ
形状、つまり所謂締固め杭（締固め器４）の大きさ、形
状に略等しい倒立円錐形状（コーン状）に形成されてい
る。そして、その強度は、支持地盤５の特に凹み６の周
辺地盤の緩みを抑制するのに十分な圧縮強度を有してお
り、例えば、コンクリートやセラミック、アクリル等の
材料で製作されている。当該材料は従来の鋳鉄等で製作
される締固め杭に比べて安価にて製作される。また、充
填杭９の構成は前記のとおりの形状・強度を有していれ
ば十分であり、貫入ロッド８とのジョイント部（接続
部）も単純化できるため、この点からも充填杭９の製作
費用は低減される。充填杭９は凹み６の位置に埋設でき
ればよく、その貫入に際しては、特段の事情がない限り
貫入ロッド８を回転させる等の複雑な操作は必要ない。
この充填杭９は凹み６の位置に埋設して残置するので、
締固め器４を支持地盤５から引き抜いた際に生ずる除荷
重（応力解放）により、支持地盤５（とりわけ締固め器
４の周辺地盤）が緩んで凹み６が崩れていたとしても再
び締固める作用効果を奏し、地盤の緩みの問題は全くな
い。

【０００９】図２Ｃは、充填杭９の埋設が完了した後
に、充填杭９と貫入ロッド８を切り離し、貫入ロッド８
を引き上げながらその先端からセメントミルク７を噴出
させ、このセメントミルク７のガイドパイプ２内への充
填を進めている段階を示している。図２Ｄはガイドパイ
プ２の全長に亘るセメントミルク７の充填を完了すると
共に、上記の施工要領で残りのガイドパイプ２…内の全
てにつき充填杭９を埋設し、セメントミルク７を充填し
て、高耐力場所打ちコンクリート杭等が完成した段階を
示している。締固め杭を使用せずして、それに代わる廉
価な充填杭９により、締固め杭を使用する場合と全く同
様に支持地盤５を確実に締固められ、施工費用の低減さ
れた高耐力場所打ちコンクリート杭等が施工されてい
る。

【００１０】

【本発明が奏する効果】本発明に係る高耐力場所打ちコ
ンクリート杭等の施工方法によれば、締固め杭を使用せ
ず、それに代わる廉価な充填杭９の埋設により高耐力場
所打ちコンクリート杭等を施工でき、施工費用の低減に
寄与する。勿論、先端地盤の締固め効果が確実に得ら
れ、先端支持力を増強された高耐力場所打ちコンクリー
ト杭等が実現されるのであり、施工性と品質、信頼性の
高い構造物の構築に貢献する。

【図面の簡単な説明】

【図１】Ａ〜Ｃは本発明の施工方法の枢要な工程図であ
る。

【図２】Ａ〜Ｄは本発明の施工方法の枢要な工程図であ
る。

【符号の説明】

１掘削孔２ガイドパイプ３コンクリート４締固め器８貫入ロッド５支持地盤６凹み７セメントミルク９充填杭

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者山下清東京都江東区南砂二丁目５番14号株式会社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者土屋富男東京都江東区南砂二丁目５番14号株式会社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者山田毅東京都江東区南砂二丁目５番14号株式会社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者福原拓平東京都中央区銀座八丁目21番１号株式会社竹中土木内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ａ）掘削孔へガイドパイプを設置し、躯
体としてのコンクリートを打設しそのコンクリートが強
度を発現した後に、締固め杭に相当する大きさ、形状の
締固め器を、貫入ロッドを用いて前記ガイドパイプ内に
挿入し、支持地盤中へセメントミルク等を噴出しながら
所望の深さまで貫入させて凹みを形成する段階と、ｂ）前記締固め器を引き上げ、同時に締固め器からセ
メントミルク等を噴出させて、少なくとも前記支持地盤
中に形成した凹みにセメントミルク等を充填する段階
と、ｃ）セメントミルク等の充填後、前記凹みと略同じ形
状であって凹みの周辺地盤の緩みを抑制するのに十分な
圧縮強度を有する充填杭を、貫入ロッドを用いて前記ガ
イドパイプ内に挿入し、セメントミルク等が充填された
前記凹みの位置に埋設する段階と、ｄ）前記充填杭の埋設が完了した後、充填杭と貫入ロ
ッドを切り離し、貫入ロッドを引き上げながらその先端
からセメントミルク等を噴出させ、このセメントミルク
等をガイドパイプ内に充填する段階と、より成ることを
特徴とする、高耐力場所打ちコンクリート杭等の施工方
法。