JP2927612B2 - 基礎工法 - Google Patents

基礎工法

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Foundations (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、基礎を設ける工法に係り、特
に、軟弱地盤において、強固な基礎を有利に設け得るよ
うに改良された技術に関するものである。
【0002】
【背景技術】地盤に基礎を設けるに際して、基礎の鉛直
荷重が大き過ぎる場合にあっては、よく知られているよ
うに、その過大荷重の増加に伴って、土の圧密若しくは
圧縮による地盤沈下が進行し、更に過大荷重が増して、
それが地盤の支持力の限界を越えると、地盤のすべり破
壊が惹起される。そして、地盤が軟弱地盤である場合に
おいては、地盤の支持力が小さいため、比較的小さな荷
重においても、それらの現象が、顕著に現出せしめられ
るのである。
【0003】そこで、従来から、軟弱地盤に基礎を設け
る場合には、地盤の支持力を増強せしめて、それらの現
象が惹起されることを防止し、以て強固な基礎が設けら
れるように、種々の軟弱地盤改良法が採用されている。
例えば、置換法、固結法、脱水法、締固め法等がそれ
で、それらは、基礎の形状や規模、或いは地盤の土質条
件に応じて、適宜に選択、施工されているのである。
【0004】ところが、それらの改良法において、置換
法は、最も簡単な工法ではあるものの、軟弱地盤を良質
な地盤に置き換えるための土を、別途に用意しなければ
ならず、またその土の搬出入においても、面倒な手間を
要するものであることから、広い範囲での軟弱地盤の改
良には、到底、採用され得るものではないのであり、ま
た、固結法にあっても、軟弱地盤を固結するために、薬
剤を注入する上において、使用される薬剤が高価で、コ
スト高となる他、往々にして、地盤強度が、目的強度よ
りも過大となってしまうといった問題があり、更に脱水
法においては、脱水により地下水位が降下せしめられる
こととなるため、近隣の建物に対して、地盤沈下等の悪
影響をもたらすことがあるのである。これに対して締固
め法は、広範囲の軟弱地盤の改良を、比較的良好に行な
い得るものではあるが、大規模な装置や設備を必要と
し、またその施工に際して、気象条件に大きく左右され
るといった欠点を有しているのである。
【0005】このように、軟弱地盤上に基礎を設けるの
に先立って行なわれる、従来の軟弱地盤改良法は、何れ
にしろ、種々の欠点や問題が内在するものであって、軟
弱地盤上に、強固な基礎を、有利に設けることのできる
技術は、未だ、得られていないのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その課題とするところ
は、軟弱地盤に基礎を設けるに際して、特別な装置や設
備を用いることなく、該地盤の締固めを充分に行ない得
て、土の圧密若しくは圧縮による地盤沈下を効果的に抑
制し得ると共に、地盤の支持力をより一層高め得、以て
軟弱地盤上に、強固な基礎を良好に設けることの出来る
基礎工法を提供することにある。
【0007】
【解決手段】そして、本発明は、かかる課題解決のため
に、軟弱地盤に基礎を設ける工法において、先端部が円
錐状とされた柱状体を該軟弱地盤中に圧入せしめた後、
該柱状体を引き抜くことによって形成される柱状空所内
に、所定の補強材を充填せしめて、先端部が円錐状とな
った補強柱を形成した後、かかる軟弱地盤の表層部を、
該補強柱の上部部位を含んで、所定の根入れ深さにおい
て除去せしめ、次いで該上部部位の除去された補強柱上
に少なくとも一部が位置するようにして、所定の基礎を
設け、更にその後、該軟弱地盤を埋め戻して、かかる形
成された基礎の基部を地盤内に埋入せしめることを特徴
とする基礎工法を、その要旨とするものである。
【0008】
【作用・効果】すなわち、かかる本発明にあっては、先
端部が円錐状とされた柱状体が、軟弱地盤中に圧入され
ることから、該柱状体に及ぼされる押圧力が、該柱状体
の円錐面において、軟弱地盤を押し広げるように、その
法線方向に対して、有利に作用する。そのため、かかる
押圧力が、周辺地盤に対して、主に鉛直方向に作用す
る、円柱状や角柱状等の柱状体を圧入する場合に比し
て、より有効に、周辺の軟弱地盤の圧密若しくは圧縮が
行なわれ、該地盤中の間隙比が小さくなって、土の密度
が増加し、その結果、圧入される柱状体の周辺地盤にお
いて、荷重に対する、圧密乃至は圧縮歪み量が、効果的
に低減せしめられ得るのである。
【0009】また、本発明に従って、かかる柱状体を引
き抜いて形成される空所内に、所定の補強材を充填する
ことによって、それらの効果が、良好に維持せしめられ
ると共に、該地盤中に強固な補強柱が形成されることと
なる。しかも、本発明においては、基礎底よりも下層の
地盤に対して、実質的に、柱状体の、円錐状とされた先
端部のみが圧入されるため、根切り後、基礎底よりも下
層の軟弱地盤中には、略円錐形状を呈する補強柱が形成
されるのである。そして、本発明にあっては、そのよう
な補強柱上に、少なくとも一部が位置するようにして、
所定の基礎が設けられるところから、基礎の支持面た
る、補強柱の底面に、直接に、伝達された基礎の鉛直荷
重は、該底面よりも、大きな面積を有する、補強柱の円
錐面において、分散されて、その全面から、軟弱地盤に
荷重されることとなる。
【0010】それ故、本発明に従って、軟弱地盤中に、
実質的に円錐形状とされた補強柱を形成し、その上に、
少なくとも一部が位置するように基礎を設けることによ
り、単なる円柱形状等の補強柱を設ける場合に比して、
基礎の鉛直荷重に対する、軟弱地盤の圧密乃至は圧縮歪
み量が、有利に低減せしめられ得ると共に、該軟弱地盤
の単位面積当たりの荷重負担が、著しく軽減され得、以
て基礎荷重に起因する土の圧密若しくは圧縮による地盤
沈下が、効果的に抑制され得るのである。
【0011】また、特に、本発明にあっては、略円錐形
状とされた補強柱を、軟弱地盤中に、所定距離を隔て
て、複数列に形成することによって、かかる補強柱に囲
まれた地盤が、複数の補強柱から、圧密若しくは圧縮せ
しめられて、該補強柱を一列に設けた場合よりも、また
単なる円柱形状等の補強柱を複数列に設けた場合より
も、一層強固に締め固められるのである。そのため、略
円錐形状とされた補強柱に囲まれた軟弱地盤にあって
は、補強材からなる、強固な補強柱と、より強固に締め
固められた軟弱地盤との複合地盤が形成されることとな
る。
【0012】そして、本発明においては、その補強柱
が、実質的に、軟弱地盤の基礎底において、最大径とな
るように、該軟弱地盤中に形成されるものであるところ
から、かかる複合地盤の中でも、特にその表層部が、よ
り一層強固に締め固められることとなるのである。その
ため、本発明に従って、そのような複合地盤の基礎底上
に、基礎を設けることによって、その荷重により、基礎
底面の直下の、該表層部に形成される土くさびのくさび
面に働く土の粘着力が、著しく向上せしめられ得るので
ある。
【0013】しかも、そのような複合地盤においては、
補強柱が、補強材にて強固に固められて、剪断抵抗が大
きくされており、また、より強固に締め固められた軟弱
地盤も、基礎の鉛直荷重に由来するすべり力に対する抵
抗力が、一段と向上せしめられているのである。そのた
め、略円錐形状とされた補強柱に囲まれた複合地盤にあ
っては、そのすべり面に働く剪断抵抗力が、有利に高め
られることとなるのである。
【0014】このように、本発明に従って、実質的に円
錐形状とされた補強柱を、軟弱地盤中に、所定距離を隔
てて複数列に形成し、その補強柱上に、少なくとも一部
が位置するように基礎を設けることによって、単なる円
柱状等の補強柱を複数列に形成するよりも、該地盤が、
より一層、強固に締め固められ、またそれによって、く
さび面に働く土の粘着力やすべり面に働く剪断抵抗力が
著しく高められ、以て地盤の支持力が、従来工法に比し
て、飛躍的に向上せしめられ得ることとなったのであ
る。
【0015】従って、本発明によれば、軟弱地盤が、従
来工法に比して、より強固に締め固められ得て、土の圧
密若しくは圧縮による、軟弱地盤の沈下が、有利に抑制
され得、また該軟弱地盤の支持力が効果的に向上せしめ
られ得るのであり、それにより軟弱地盤において、強固
な基礎が、良好に設けられ得ることとなったのである。
【0016】また、本発明に係る基礎工法は、軟弱地盤
中に補強柱を設けるに際して、何等特別な装置や設備も
要するものでないところから、従来工法に比して、その
作業の簡略化が図られ得ると共に、作業コストも低減せ
しめられ得るといった利点をも、有するのである。
【0017】
【具体的構成・実施例】以下、図面を参照しつつ、本発
明を更に具体的に明らかにすることとする。
【0018】先ず、図1には、本発明において用いられ
る柱状体の一例の縦断面図が示されている。そして、そ
の図からも明らかなように、柱状体10は、その基部に
円筒部12と、先端部に円錐部14とを有しており、全
体として略厚肉の円錐カップ形状を呈している。そし
て、かかる柱状体10において、円筒部12は、その高
さが、基礎を設ける際の根入れ深さと、略同じだけの寸
法とされている。即ち、これによって、本実施例にあっ
ては、柱状体10の軟弱地盤中への圧入に際して、基礎
底よりも下層に、実質的に、円錐部14のみが圧入され
るようになっており、またこの円筒部12を設けること
によって、該地盤に対する、柱状体10の圧入抵抗の軽
減化が、図られているのである。
【0019】なお、本発明において、かかる柱状体10
の形状は、図1の如き形状に限定されるものではなく、
少なくとも先端部が円錐形状とされていれば良いのであ
って、例えば、円筒部12を、その基部側の底面が、円
錐部14側の底面に対して、小径若しくは大径とされた
円錐台形状としても良く、またそのような円筒部12
を、何等設けずに、円錐部14を延長して、柱状体10
の全体が、円錐形状となるように構成しても、差し支え
ないのであり、更には円錐部14の円錐面を、段付きの
円錐面若しくは湾曲した円錐面としても、一向に構わな
いのである。
【0020】そして、柱状体10の円錐部14におい
て、その高さ(即ち、実質的には、その後、本発明に従
って、形成される補強柱の長さ)や、底面の径(即ち、
実質的には、その後、本発明に従って、形成される補強
柱の底面の径)は、基礎の形状や規模、或いは地盤の土
質条件に応じて、適宜に決定されることとなるが、それ
らが小さすぎると、良好な効果が得られず、またそれら
が大き過ぎる場合には、経済性及び作業性において負担
が課されることとなるところから、一般に、高さは、6
00〜900mm程度が好ましく、また底面の径は、25
0〜300mm程度が好適である。
【0021】また、本実施例において、柱状体10は、
作業性や経済性等を考慮して、中空体とされていたが、
中実体であっても、何等差し支えなく、またそうするこ
とによって、重量が増し、軟弱地盤中への圧入が容易と
なる利点を有することとなる。更に、かかる柱状体10
の材質としては、杭等において、一般的に使用されるも
のが、何れも採用され得るのであって、例えば、木や
鋼、或いは鉄筋コンクリート等が、用いられ得るのであ
る。
【0022】而して、そのような柱状体10を用いて、
本発明に係る基礎工法に従って、軟弱地盤に強固な基礎
を設ける工程が、図2乃至図3に示されている。以下、
かかる基礎工法を、工程に従って、説明することとす
る。
【0023】すなわち、図2の(a)に示されるよう
に、軟弱地盤16においては、先ず、基部底面が、該軟
弱地盤16の地表面と、ほぼ面一となる程度まで、柱状
体10が圧入され、次いで、それが引き抜かれる。そし
て、この作業が、基礎を設ける位置において、それぞ
れ、連続して繰り返されることによって、該柱状体10
と同形状の、先端部が円錐状とされた補強材充填用穴1
8が、軟弱地盤16中に、所定の数だけ形成される。即
ち、このことから明らかなように、本実施例にあって
は、その補強材充填用穴18により、柱状空所が形成さ
れることとなる。
【0024】なお、かかる柱状体10の圧入作業は、如
何なる手法にても行なわれ得るが、例えば、バックホー
等を用い、そのアームに柱状体10を保持せしめて、そ
の自重により、或いは振動を加えたりすることにより実
施されるのであり、また、その引き抜き作業は、柱状体
10を支持するバックホーのアームを引き上げることに
よって、容易に行なわれ得るのである。
【0025】このようにして、軟弱地盤16中に、補強
材充填用穴18が形成される一方、該補強材充填用穴1
8の周辺地盤においては、柱状体10の体積分だけ、圧
密若しくは圧縮が行なわれて、締め固められ、その結
果、基礎荷重に対する、圧密乃至は圧縮歪み量が低減せ
しめられるのである。しかも、そこにおいて、柱状体1
0が、その先端部に、円錐部14を有することから、該
柱状体10に対して、圧入のために及ぼされる押圧力
は、円錐部14の円錐面を通じて、その周辺地盤を押し
広げるように作用する。そのため、そのような柱状体1
0を圧入することによって、単に、円柱形状や角柱形状
を呈した柱状体を圧入するよりも、軟弱地盤16が、よ
り効果的に締め固められることとなる。なお、かかる補
強材充填用穴18の形成位置や数は、基礎の形状や規
模、或いは所望の締固め効果が得られるように、地盤の
土質条件等に応じて、適宜に決定されることとなる。
【0026】次いで、図2の(b)に示されるように、
上記の如くして形成された補強材充填用穴18に対し
て、所定の補強材20が充填せしめられ、周辺地盤の締
固めが有利に維持されると共に、軟弱地盤16中におい
て、それよりも強固な、先端部が円錐形状を呈した補強
柱22が形成せしめられるのである。
【0027】また、この補強材20としては、周辺地盤
からの圧力によって、その体積が減少してしまうもので
なければ、何れも採用され得るが、経済的な面を考慮す
れば、コンクリート、砂、砕石、改良土等が好ましく、
また補強柱22の強度向上を図る上においては、モルタ
ル等が、更には周辺地盤のより一層の締め固めを図る上
においては、水分を吸収して、膨張硬化する膨張促硬性
固粒体等が、それぞれ、好適に用いられることとなる。
【0028】そして、それらの中から、より有効な効果
を得るために、対象地盤の土質条件等に応じて、補強材
20が、適宜に選択、使用されるのであり、例えば、透
水性の小さい粘性土においては、急速な圧密を発生せし
め得て、周辺地盤の強度向上が図られ得る膨張促硬性固
粒体等が、有利に使用され、また、透水性が大きい砂質
土にあっては、より経済的な砂や砕石、或いは改良土等
が、好適に用いられることとなる。なお、特に、後者に
あっては、それら補強材20が周辺地盤よりも強固に固
められた状態となるように充填されることが、望まし
い。
【0029】その後、図2の(c)に示されるように、
軟弱地盤16の表層部が、補強柱16の上部部分を含ん
で、所定の根入れ深さにおいて、通常の方法にて、除去
せしめられる、所謂根切りが行なわれる。そして、前記
したように、本実施例においては、柱状体10の円筒部
12の高さが、基礎を設ける際の根入れ深さと、略同じ
だけの寸法とされているところから、補強柱22は、こ
の根切りによって、基礎底24よりも下層において、実
質的に、円錐形状を呈することとなる。換言すれば、根
切りによって、軟弱地盤16中に、略円錐状の補強柱2
2aが、設置される基礎の位置において、それぞれ、所
定の数だけ形成されることとなるのである。
【0030】そして、図3の(a)に示されるように、
基礎底24上において、軟弱地盤16中に形成せしめら
れた補強柱22aの直上に位置するように、それぞれ、
鉄筋コンクリート等からなる基礎26が、常法に従って
設けられ、次いで、図3の(b)に示されるように、一
般的な方法により、地表面まで、所定の土が埋め戻され
て、基礎工事が完了するのである。
【0031】このようにして、軟弱地盤16に、所定の
基礎26を設けることによって、基礎26の鉛直荷重の
大部分は、補強柱22aを介して、その円錐面の全面か
ら、軟弱地盤16に荷重されることとなる。そのため、
基礎26の底面から直接に、或いは単なる円柱状等の補
強柱を介して、荷重される場合に比して、軟弱地盤16
においては、基礎26の鉛直荷重に対する、単位面積当
たりの荷重負担が、著しく軽減され得るのである。しか
も、該軟弱地盤16は、補強柱22aの形成により、締
め固められ、圧密乃至は圧縮歪み量が低減せしめられて
いる。それ故、かかる軟弱地盤16においては、基礎2
6の鉛直荷重に起因する、土の圧密若しくは圧縮による
地盤沈下が、効果的に抑制され得ることとなるのであ
る。
【0032】ところで、図4には、本発明に従う基礎工
法の別の実施例の一工程が示されており、そこにおい
て、略円錐形状とされた補強柱22aは、基礎が設けら
れる位置において、基礎の長さ方向に、所定距離を隔て
て複数列(ここでは2列)に形成されている。なお、本
実施例は、補強柱22aを、図示の如く複数列に設ける
以外、前記実施例と同様な工程から成るものであるが、
補強柱22aが形成される列の数や、その配置形態は、
設置される基礎の形状や規模等に応じて、適宜に決定さ
れることとなる。
【0033】そして、それによって、補強柱22aに囲
まれた軟弱地盤16においては、多方向からの圧密若し
くは圧縮が行なわれて、強固に締め固められており、そ
のため、かかる軟弱地盤16には、補強材20からな
る、強固な補強柱22aと、強固に締め固められた軟弱
地盤16との複合地盤28が形成されるのである。しか
も、かかる複合地盤28にあっては、補強柱22aが前
記実施例と同様にして形成されるものであるところか
ら、単なる円柱形状の補強柱等を複数列に設けることに
よって形成される複合地盤に比して、該補強柱22aに
囲まれた軟弱地盤16が、より強固に締め固められてい
るのである。
【0034】それ故、この複合地盤28にあっては、基
礎26の荷重に起因して惹起されるすべり力に対する抵
抗力が、向上せしめられ、それにより、すべり面に働く
剪断抵抗力も、著しく高められているのである。また、
かかる複合地盤28中の補強柱22aが、実質的に、基
礎底24において、最大径となることから(図5参
照)、その複合地盤28の中でも、特に基礎26の底面
直下の表層部が、更に一層強固に締め固められることと
なり、以てそこに形成される土くさびのくさび面に働く
土の粘着力が、著しく向上せしめられることとなるので
ある。
【0035】そして、図5に示されるように、そのよう
な複合地盤28が形成された軟弱地盤16の基礎底24
上において、それら補強柱22aを跨ぐようにして、一
般的な手法に従って、鉄筋コンクリート等からなる基礎
26が設けられ、その後、通常の方法にて、地表面ま
で、所定の土が埋め戻されて、基礎工事が完了するので
ある。
【0036】従って、本実施例にあっては、略円錐形状
を呈した補強柱22aを、軟弱地盤16中に、基礎26
の長さ方向に、所定距離を隔てて複数列に形成して、軟
弱地盤16を、より一層、強固に締め固め、またそのよ
うな軟弱地盤16において、それら補強柱22aを跨ぐ
ようにして、基礎26を設けることによって、土の圧密
若しくは圧縮による、軟弱地盤16の沈下が効果的に抑
制されると同時に、地盤の支持力が、飛躍的に向上せし
められることとなるのである。
【0037】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0038】例えば、前記実施例では、独立基礎を設け
るための基礎工法について説明したが、その他、本発明
は、複合基礎、連続基礎、べた基礎等を設けるに際して
も、有利に適用され得るものである。
【0039】また、前記実施例では、軟弱地盤16に対
して、補強材充填用穴18を所定の数だけ形成した後、
各々の補強材充填用穴18に、補強材20を充填せしめ
ていたが、それぞれ、補強材充填用穴18を形成すると
同時に補強材20を充填せしめて、逐次、補強柱22を
形成するようにしても良いのであり、またそうすること
によって、形成せしめられた補強材充填用穴18の崩壊
を、未然に防止し得る利点を有することとなるのであ
る。
【0040】その他、一々列挙しないが、本発明は、当
業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う基礎工法において用いられる柱状
体の一例を示す縦断面図である。
【図2】本発明に従う基礎工法の一例を示すものであっ
て、基礎を設けるための準備工程として、図1に示され
た柱状体を用いて実施される地業の工程の概略説明図で
ある。
【図3】本発明に従う基礎工法の一例を示すものであっ
て、図2に示された地業が施された軟弱地盤に対して、
基礎を設ける基礎工の工程の概略説明図である。
【図4】本発明に従う基礎工法の別の例において、軟弱
地盤に補強柱を設ける工程を示す概略説明図である。
【図5】本発明に従う基礎工法の別の例において、図4
に示された工程を経た軟弱地盤に対して、基礎を設けた
後、埋め戻しを行なう工程を示す概略説明図である。
【符号の説明】
10 柱状体 12 円筒部 14 円錐部 16 軟弱地盤 22,22a 補強柱 26 基礎 28 複合地盤

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟弱地盤に基礎を設ける工法にして、先
    端部が円錐状とされた柱状体を該軟弱地盤中に圧入せし
    めた後、該柱状体を引き抜くことによって形成される柱
    状空所内に、所定の補強材を充填せしめて、先端部が円
    錐状となった補強柱を形成した後、かかる軟弱地盤の表
    層部を、該補強柱の上部部位を含んで、所定の根入れ深
    さにおいて除去せしめ、次いで該上部部位の除去された
    補強柱上に少なくとも一部が位置するようにして、所定
    の基礎を設け、更にその後、該軟弱地盤を埋め戻して、
    かかる形成された基礎の基部を地盤内に埋入せしめるこ
    とを特徴とする基礎工法。
JP14484692A 1992-05-11 1992-05-11 基礎工法 Expired - Fee Related JP2927612B2 (ja)

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