JPH06299467A - 改質繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents

改質繊維構造物およびその製造方法

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JPH06299467A
JPH06299467A JP8472893A JP8472893A JPH06299467A JP H06299467 A JPH06299467 A JP H06299467A JP 8472893 A JP8472893 A JP 8472893A JP 8472893 A JP8472893 A JP 8472893A JP H06299467 A JPH06299467 A JP H06299467A
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JP
Japan
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fiber structure
active substance
physiologically active
modified fiber
oryzanol
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JP8472893A
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English (en)
Inventor
Keiji Takeda
恵司 竹田
Fumiko Kawai
富美子 河合
Jiro Amano
慈朗 天野
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】高分子重合体皮膜を有する繊維構造物におい
て、該皮膜中に生理活性物質が含有されていることを特
徴とする改質繊維構造物。繊維構造物に生理活性物質と
高分子重合体溶液からなる混合処理液を塗布、凝固さ
せ、その後、該生理活性物質の融点以上の温度で熱処理
することを特徴とする改質繊維構造物の製造方法。 【効果】本発明の改質繊維構造物は、優れた保温・温感
性、紫外線遮蔽性、抗菌性を有し、かつ洗濯耐久性にも
優れている。また、本発明の改質繊維構造物の製造方法
によれば、後加工で簡単に付与することができ、安全性
も高く、低コストで製造することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生理活性による保温・
温感性生地に関し、紫外線遮蔽性、抗菌性も同時に具備
し、しかも安全性の高い改質繊維構造物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維に紫外線遮蔽性および抗菌性
を同時に付与する方法として、セラミックを樹脂バイン
ダーで繊維表面に付与する方法などが知られているが、
保温・温感性は得られない。
【0003】また、セラミックを使用する場合において
は、表面への均一な付着が難しく、何よりもセラミック
が粒子状に樹脂中に分散して存在するため、ザラついた
感じがするという欠点があるのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の欠点を解消し、保温・温感性、紫外線遮蔽
性、抗菌性に優れ、しかも安全性の高い改質繊維構造物
を提供することを目的とし、また他の目的は、あらゆる
繊維に対して簡単な後加工で上記性能を付与できる改質
繊維構造物の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
するため、次の構成を有する。
【0006】すなわち、高分子重合体皮膜を有する繊維
構造物において、該皮膜中に生理活性物質が含有されて
いることを特徴とする改質繊維構造物である。
【0007】また、繊維構造物に生理活性物質と高分子
重合体溶液からなる混合処理液を塗布、凝固させ、その
後、該生理活性物質の融点以上の温度で熱処理すること
を特徴とする改質繊維構造物の製造方法である。
【0008】本発明において生理活性物質とは、皮膚の
新陳代謝を活性化する物質をいう。また、本発明におけ
る生理活性物質は、天然物質由来のもので安全性が高い
こと、皮膚の新陳代謝を活性化させ薬理効果があるこ
と、皮膚を紫外線から守る効果があること、抗菌性があ
ることが重要である。
【0009】これらの要件を全て具備し、機能を発現す
る生理活性物質として、例えばγ−オリザノール誘導体
は、皮膚の新陳代謝活性化による保温・温感性能を発現
すると同時に、紫外線遮蔽性、抗菌性も具備し、天然物
質として安全性が高いために好ましく用いられる。
【0010】本発明におけるγ−オリザノール誘導体と
は、米ぬか原油及び米胚芽油中から抽出されるγ−オリ
ザノール異性体及びその加水分解物の総称であって、下
記(I) 式で表されるものである。
【0011】
【化3】 γ−オリザノール誘導体は、微量でも高分子重合体皮膜
中に含有されていれば保温・温感性能を発現する効果が
あるが、高い紫外線遮蔽性、抗菌性を発現するために
は、繊維重量に対して付着量が0.1重量%以上、好ま
しくは0.5重量%以上であることが望ましい。
【0012】また、混合する高分子重合体に対するγ−
オリザノール誘導体の固形分重量は0.1重量%〜50
0重量%であることが好ましい。γ−オリザノール誘導
体の使用量がこれ以上になると、高分子重合体中でのマ
イグレーションが不均一となり、均一な皮膜が作成しに
くく、バインダー効果が低下する。
【0013】また、γ−オリザノール誘導体の使用量が
これ以下になると、高分子重合体の皮膜中に生理活性物
質のほとんどが埋没してしまい、生理活性効果が低下す
る。本発明でいう高分子重合体皮膜とは、例えばポリウ
レタン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、
ポリスチレン、ポリビニルアルコール、メラミン樹脂、
ポリグリオキザール、エポキシ樹脂、ポリイソソアネー
トなどの皮膜が用いられるがこれに限定されるものでは
ない。
【0014】本発明でいう繊維構造物とは、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリアクリルなどの合成繊維、羊
毛、絹、木綿、麻などの天然繊維、アセテート、レーヨ
ンなどの半合成繊維など、若しくはこれらの混用繊維、
または、これら繊維の織物、編物等の布帛などをいう。
【0015】本発明の改質繊維構造物は、繊維構造物に
生理活性物質と高分子重合体溶液からなる混合処理液を
塗布、その後、高分子重合体を凝固させることによって
得ることができる。
【0016】ここでいう、生理活性物質と高分子重合体
溶液の混合処理液を塗布する方法は、含浸、スプレー噴
霧、ナイフコーターなどを使用してのコーティングなど
が挙げられる。
【0017】以上の方法で塗布後、高分子重合体を凝
固、皮膜化させることによって本発明の改質繊維構造物
は得ることができる。
【0018】かかる凝固方法としては乾式、湿式いずれ
の方法でもよい。
【0019】高分子重合体を凝固させた後、熱処理を行
なうが、ここで熱処理温度を生理活性物質の融点以上の
高温で行なうことが重要である。
【0020】生理活性物質の融点以上の温度で熱処理す
ることにより、生理活性物質は完全に溶解、高分子重合
体皮膜中に均一に吸尽され、粒子感のない、しかも生理
活性物質が耐久性よく固着された改質繊維構造物ができ
るのである。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0022】また、実施例中の測定方法は次の方法で行
ない、測定結果を表1に示した。
【0023】1.保温・温感性の測定 試験布帛(20cm×20cm)を大腿筋前部に貼りつ
けた5人の被験者が、相対温度20℃、相対湿度65%
の環境下で300Wの負荷で一定時間(30分)運動し
た後の皮膚表面の温度の上昇度の平均を求めた。
【0024】2.抗菌性の測定 繊維製品衛生加工協議会の抗菌防臭加工評価試験法であ
るシェークフラスコ法によって行なった。試料布帛に試
験菌(黄色ブドウ状球菌 Staphylococcus aureus IFO1
2732)の懸濁緩衝液を注加し、密閉容器中で150回/
分、1時間振盪し、その振盪後の生菌数を計測し、注加
懸濁液の菌数に対する減少率差(%)を求めた。
【0025】3.紫外線遮蔽性の測定 分光光度計(株式会社日立製作所製)により、B波(約
280〜320nm)、A波(約320〜400nm)
のUV吸収率から紫外線遮蔽性を求めた。
【0026】4.耐久性試験 本発明における耐久性については下記の方法に従って洗
濯を行った後、上記の方法にて評価を行った。
【0027】洗剤:洗濯用合成洗剤(弱アルカリ性)2
g/l 「ザブ 無リン」(花王株式会社製)を使用。
【0028】洗濯条件:40℃×25分洗い−10分す
すぎ−脱水30秒−風乾 5.試料 ポリエステルタフタ(ポリエチレンテレフタレート;
表のPET) 経糸、緯糸:各75デニール36フィラメント 織密度:縦98×横84本/inch 目付:64g/m2 ナイロンタフタ(ナイロン6;表のNy) 経糸:70デニール12フィラメント 緯糸:70デニール24フィラメント 織密度:縦123×横87本/inch 目付:64g/m2 羊毛(メリノ種クオリティ No.64) 織密度:縦72×横68本/inch 目付:101g/m2 綿(カナキン3号) 経糸:30番手 緯糸:36番手 織密度:縦141×横135本/5cm 目付:105g/m2 実施例1 γ−オリザノール(オリザ油化株式会社製;融点161.5
℃)を乾式ウレタン系の高分子重合体であるクリスボン
6116SL(性状;溶液、溶媒;ジメチルホルムアミ
ド=1:メチルエチルケトン=2、大日本インキ株式会
社製)の20重量%溶液に混合し、γ−オリザノール濃
度が20重量%の混合処理液を調整した。混合処理液を
布帛にナイフコーティングし、次いで120℃×2分で
凝固、170℃×30秒、熱処理、固着を行なった。表
1に示すように、保温・温感性、紫外線遮蔽率、抗菌性
がともに高く、洗濯耐久性のある改質繊維構造物が得ら
れた。
【0029】実施例2 γ−オリザノール(オリザ油化株式会社製;融点161.5
℃)を湿式ウレタン系の高分子重合体であるクリスボン
8006HV(性状;溶液、溶媒;ジメチルホルムアミ
ド、大日本インキ株式会社製)の20重量%溶液に混合
し、γ−オリザノール濃度が20重量%の混合処理液を
調整した。混合処理液を布帛にナイフコーティングし、
次いで水に浸漬、脱溶媒させ凝固させた。その後、17
0℃×30秒、熱処理、固着を行なった。表1に示すよ
うに、保温・温感性、紫外線遮蔽率、抗菌性がともに高
く、洗濯耐久性のある改質繊維構造物が得られた。
【0030】
【表1】 比較例1 ウレタン系の高分子重合体であるクリスボン6116S
L(性状;溶液、溶媒;ジメチルホルムアミド=1:メ
チルエチルケトン=2、大日本インキ株式会社製)の2
0重量%溶液を調整した。処理液を布帛にナイフコーテ
ィングし、次いで120℃×2分で凝固、170℃×3
0秒、熱処理を行なった。表2に示すように、γ−オリ
ザノールが含まれていないため保温・温感性については
上昇温度が0.1〜0.5℃と実施例1,2に比べて低
く、また抗菌性は全く無く、紫外線遮蔽率が実施例1,
2に比べて低い繊維構造物であった。
【0031】比較例2 γ−オリザノール(オリザ油化株式会社製;融点161.5
℃)をウレタン系の高分子重合体であるクリスボン61
16SL(性状;溶液、溶媒;ジメチルホルムアミド=
1:メチルエチルケトン=2、大日本インキ株式会社
製)の20重量%溶液に混合し、γ−オリザノール濃度
が20重量%の混合処理液を調整した。混合処理液を布
帛にナイフコーティングし、次いで120℃×2分で凝
固させた。表2に示すように、熱処理温度がγ−オリザ
ノールの融点より低いので分散性が悪く、保温・温感性
については上昇温度が0.3〜1.1℃と実施例1,2
に比べて低く、また紫外線遮蔽率が実施例1,2に比べ
て低く、さらに洗濯耐久性の低い繊維構造物が得られ
た。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明の改質繊維構造物は、優れた保温
・温感性、紫外線遮蔽性、抗菌性を有し、かつ洗濯耐久
性にも優れている。また、本発明の改質繊維構造物の製
造方法によれば、後加工で簡単に付与することができ、
安全性も高く、低コストで製造することが可能である。
また、特にγ−オリザノールは、薬理効果も広く認めら
れており、特に下着類、靴下、パンティーストッキン
グ、手袋など皮膚に直接接する衣類やインナー用途に用
いると、老人性乾皮症、各種粃糠疹、毛孔性苔癬及びア
トピー性皮膚炎に伴う乾燥、尋常性魚鱗癖、各種乾皮
症、進行性指掌角皮症などの症状を軽減できる。さらに
また、レオタード、スパッツなどスポーツ、アスレチッ
ク用途に用いると運動に伴う体温上昇が促進され効果的
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子重合体皮膜を有する繊維構造物にお
    いて、該皮膜中に生理活性物質が含有されていることを
    特徴とする改質繊維構造物。
  2. 【請求項2】生理活性物質が式(I) で表されるγ−オリ
    ザノール誘導体であることを特徴とする請求項1記載の
    改質繊維構造物。 【化1】
  3. 【請求項3】繊維構造物に生理活性物質と高分子重合体
    溶液からなる混合処理液を塗布、凝固させ、その後、該
    生理活性物質の融点以上の温度で熱処理することを特徴
    とする改質繊維構造物の製造方法。
  4. 【請求項4】生理活性物質が式(I) で表されるγ−オリ
    ザノール誘導体であることを特徴とする請求項3記載の
    改質繊維構造物の製造方法。 【化2】
JP8472893A 1993-04-12 1993-04-12 改質繊維構造物およびその製造方法 Pending JPH06299467A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010144315A (ja) * 2008-12-18 2010-07-01 Daiwa Kagaku Kogyo Kk γ−オリザノールを光安定化し繊維に付着させる方法およびこれを処理した繊維製品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010144315A (ja) * 2008-12-18 2010-07-01 Daiwa Kagaku Kogyo Kk γ−オリザノールを光安定化し繊維に付着させる方法およびこれを処理した繊維製品

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