JP2000136428A - 膨潤性天然層状ケイ酸塩を含む繊維 - Google Patents
膨潤性天然層状ケイ酸塩を含む繊維Info
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- JP2000136428A JP2000136428A JP11151804A JP15180499A JP2000136428A JP 2000136428 A JP2000136428 A JP 2000136428A JP 11151804 A JP11151804 A JP 11151804A JP 15180499 A JP15180499 A JP 15180499A JP 2000136428 A JP2000136428 A JP 2000136428A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】繊維に膨潤性天然層状ケイ酸塩粉末を付着させ
るか、または紡糸液の中に前記粉末を添加することによ
り、前記粉末を耐久性よく繊維に付着させアトピー性皮
膚炎などの緩和・予防に効果のある繊維を提供する。 【解決手段】精製スメクタイト粉末等の膨潤性天然層状
ケイ酸塩粉末を、紡糸液の中に添加して紡糸するか、ま
たは繊維に吸着法により付着させて、前記粉末を耐久性
よく繊維と一体化する。得られた繊維は肌着等皮膚に接
触する部分に使用する。
るか、または紡糸液の中に前記粉末を添加することによ
り、前記粉末を耐久性よく繊維に付着させアトピー性皮
膚炎などの緩和・予防に効果のある繊維を提供する。 【解決手段】精製スメクタイト粉末等の膨潤性天然層状
ケイ酸塩粉末を、紡糸液の中に添加して紡糸するか、ま
たは繊維に吸着法により付着させて、前記粉末を耐久性
よく繊維と一体化する。得られた繊維は肌着等皮膚に接
触する部分に使用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維類の紡糸前もし
くは後加工において、天然系物質である膨潤性天然層状
ケイ酸塩を含ませた繊維類に関する。さらに詳しくは、
アトピー性皮膚炎などの緩和・予防効果のある例えば精
製スメクタイト粉末を、耐久性を付与して繊維類に含ま
せる発明に関する。
くは後加工において、天然系物質である膨潤性天然層状
ケイ酸塩を含ませた繊維類に関する。さらに詳しくは、
アトピー性皮膚炎などの緩和・予防効果のある例えば精
製スメクタイト粉末を、耐久性を付与して繊維類に含ま
せる発明に関する。
【0002】
【従来の技術】精製スメクタイト粉末等の膨潤性天然層
状ケイ酸塩それ自体には、アトピー性皮膚炎などの緩和
・予防効果があることが知られている。例えば、化粧品
業界で販売されているある種類の「泥パック」と称する
製品がそれである。この「泥パック」は、顔、身体、髪
の毛等に対して、水などで混合したコンパウンド状態で
付着させ、一定の時間置いた後に洗浄することにより使
用する。他の使用方法として、ボディソープや石鹸に前
記粉末を加えて使用することが提案されており、前記粉
末は、後に洗浄しても完全には皮膚から脱落せず、多少
残るので、これが皮膚炎に対する緩和・予防等の薬効が
あると発表されている(例えば、「アニオン界面活性剤
系におけるスメクタイトの皮膚保護効果とその皮膚洗浄
剤への応用」,日本香粧品科学会誌別冊,21巻,No.2,
691-695頁,1997年6月、渡辺靖ら著『「植物物語薬用ボ
ディソープ」,「植物物語薬用石鹸」の皮膚刺激性およ
び乾燥皮膚疾患患者に対する使用成績』,西日本皮膚
科,58巻4号,平成8年8月)。
状ケイ酸塩それ自体には、アトピー性皮膚炎などの緩和
・予防効果があることが知られている。例えば、化粧品
業界で販売されているある種類の「泥パック」と称する
製品がそれである。この「泥パック」は、顔、身体、髪
の毛等に対して、水などで混合したコンパウンド状態で
付着させ、一定の時間置いた後に洗浄することにより使
用する。他の使用方法として、ボディソープや石鹸に前
記粉末を加えて使用することが提案されており、前記粉
末は、後に洗浄しても完全には皮膚から脱落せず、多少
残るので、これが皮膚炎に対する緩和・予防等の薬効が
あると発表されている(例えば、「アニオン界面活性剤
系におけるスメクタイトの皮膚保護効果とその皮膚洗浄
剤への応用」,日本香粧品科学会誌別冊,21巻,No.2,
691-695頁,1997年6月、渡辺靖ら著『「植物物語薬用ボ
ディソープ」,「植物物語薬用石鹸」の皮膚刺激性およ
び乾燥皮膚疾患患者に対する使用成績』,西日本皮膚
科,58巻4号,平成8年8月)。
【0003】しかしながら、前記パック剤、ボディソー
プまたは石鹸に前記粉末を加えて使用する方法では、多
少皮膚の上に前記粉末が残るとしても、その量はわずか
であり、また長期間皮膚の上に残ることも期待できな
い。
プまたは石鹸に前記粉末を加えて使用する方法では、多
少皮膚の上に前記粉末が残るとしても、その量はわずか
であり、また長期間皮膚の上に残ることも期待できな
い。
【0004】一方、健康等を訴求する繊維加工におい
て、前記粉末を繊維類の加工処理剤に加えることも提案
されている(特開平10−72768号公報)。
て、前記粉末を繊維類の加工処理剤に加えることも提案
されている(特開平10−72768号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平10−72768号公報で提案されている加工処理
剤は、繊維表面に多少前記粉末が吸着されることがある
が、洗濯などにより脱落し、長期間使用することは困難
であった。
開平10−72768号公報で提案されている加工処理
剤は、繊維表面に多少前記粉末が吸着されることがある
が、洗濯などにより脱落し、長期間使用することは困難
であった。
【0006】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、膨潤性天然層状ケイ酸塩粉末を耐久性よく付着させ
た繊維を提供することを目的とする。
め、膨潤性天然層状ケイ酸塩粉末を耐久性よく付着させ
た繊維を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は膨潤性天然層状ケイ酸塩を0.001〜3
0重量%含む繊維である。
め、本発明は膨潤性天然層状ケイ酸塩を0.001〜3
0重量%含む繊維である。
【0008】前記において、膨潤性天然層状ケイ酸塩は
精製スメクタイトであることが好ましい。また前記にお
いて、膨潤性天然層状ケイ酸塩の動的光散乱法による平
均粒径が0.01〜5μm、電気泳動散乱法によるζ電
位の絶対値が30mV以上、かつ粉末X線回折法による
純度が99%以上であることが好ましい。
精製スメクタイトであることが好ましい。また前記にお
いて、膨潤性天然層状ケイ酸塩の動的光散乱法による平
均粒径が0.01〜5μm、電気泳動散乱法によるζ電
位の絶対値が30mV以上、かつ粉末X線回折法による
純度が99%以上であることが好ましい。
【0009】また前記において、繊維が、天然繊維、再
生繊維、化学繊維、及び合成繊維から選ばれる少なくと
も一つであることが好ましい。また前記において、膨潤
性天然層状ケイ酸塩が、繊維内に混合されているかまた
は繊維に付着されていることが好ましい。
生繊維、化学繊維、及び合成繊維から選ばれる少なくと
も一つであることが好ましい。また前記において、膨潤
性天然層状ケイ酸塩が、繊維内に混合されているかまた
は繊維に付着されていることが好ましい。
【0010】また前記において、繊維が芯鞘状のコンジ
ュゲート繊維であり、鞘成分に膨潤性天然層状ケイ酸塩
が混合されていることが好ましい。
ュゲート繊維であり、鞘成分に膨潤性天然層状ケイ酸塩
が混合されていることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、膨潤性天然層状
ケイ酸塩とは、水等の液体を吸収して膨潤性を示し、例
えば雲母のような積層体結晶構造を持ち、縦0.1μ
m、横0.9μm、高さ0.001μm程度の板状結晶
形状をしているものである。主成分は含水ケイ酸アルミ
ニウム・マグネシウム等の塩のスメクタイト粘土粉末粒
子が好ましい。結晶中にはアルカリ金属(Li,Na,
K等)、またはアルカリ度類金属イオン(Ca,Mg
等)の多価金属イオンが交換されていてもよい。そし
て、動的光散乱法による平均粒径が0.01〜5μm、
とくに0.1〜1μm、電気泳動散乱法によるζ電位の
絶対値が30mV以上、とくに50〜90mV、粉末X
線回折法による純度が99%以上である。
ケイ酸塩とは、水等の液体を吸収して膨潤性を示し、例
えば雲母のような積層体結晶構造を持ち、縦0.1μ
m、横0.9μm、高さ0.001μm程度の板状結晶
形状をしているものである。主成分は含水ケイ酸アルミ
ニウム・マグネシウム等の塩のスメクタイト粘土粉末粒
子が好ましい。結晶中にはアルカリ金属(Li,Na,
K等)、またはアルカリ度類金属イオン(Ca,Mg
等)の多価金属イオンが交換されていてもよい。そし
て、動的光散乱法による平均粒径が0.01〜5μm、
とくに0.1〜1μm、電気泳動散乱法によるζ電位の
絶対値が30mV以上、とくに50〜90mV、粉末X
線回折法による純度が99%以上である。
【0012】膨潤性天然層状ケイ酸塩は、精製されたス
メクタイトであることが好ましい。精製の純度は、粉末
X線回折法による純度が99%以上であることが好まし
い。また、精製された膨潤性天然層状ケイ酸塩、例えば
スメクタイトは、繊維中または繊維表面に0.001〜
30重量%の範囲、好ましくは0.005〜30重量%
の範囲、とくに好ましくは0.005〜10重量%の範
囲含ませる。0.001重量%未満では目的とするアト
ピー性皮膚炎などの緩和・予防効果を発揮できず、30
重量%を越える量では、繊維形成能が落ちたり、粗硬感
が発現したりして好ましくない。
メクタイトであることが好ましい。精製の純度は、粉末
X線回折法による純度が99%以上であることが好まし
い。また、精製された膨潤性天然層状ケイ酸塩、例えば
スメクタイトは、繊維中または繊維表面に0.001〜
30重量%の範囲、好ましくは0.005〜30重量%
の範囲、とくに好ましくは0.005〜10重量%の範
囲含ませる。0.001重量%未満では目的とするアト
ピー性皮膚炎などの緩和・予防効果を発揮できず、30
重量%を越える量では、繊維形成能が落ちたり、粗硬感
が発現したりして好ましくない。
【0013】本発明において使用できる繊維としては、
紡糸以前の段階で膨潤性天然層状ケイ酸塩粉末またはこ
のスラリーを混合させる場合は、紡糸工程を必要とする
再生繊維(ビスコースレーヨン,銅アンモニアレーヨ
ン)、化学繊維[(精製セルロース(例えば英国コート
ールズ社製、製品名”テンセル”)繊維、酢酸セルロー
ス(アセテート、ジアセテート、トリアセテート)繊
維、プロミックス(ポリアクリロニトリル−牛乳タンパ
クグラフト繊維等の半合成セルロース]、及び合成繊維
(ポリアミド,ポリエステル,アクリル系繊維,ポリビ
ニルアルコール,ポリ塩化ビニリデン,ポリ塩化ビニ
ル,ポリオレフィン,ポリウレタン)等の繊維に適用で
きる。合成繊維として好ましくは、アクリル系繊維,ポ
リビニルアルコール,ポリオレフィン,ポリウレタン等
である。
紡糸以前の段階で膨潤性天然層状ケイ酸塩粉末またはこ
のスラリーを混合させる場合は、紡糸工程を必要とする
再生繊維(ビスコースレーヨン,銅アンモニアレーヨ
ン)、化学繊維[(精製セルロース(例えば英国コート
ールズ社製、製品名”テンセル”)繊維、酢酸セルロー
ス(アセテート、ジアセテート、トリアセテート)繊
維、プロミックス(ポリアクリロニトリル−牛乳タンパ
クグラフト繊維等の半合成セルロース]、及び合成繊維
(ポリアミド,ポリエステル,アクリル系繊維,ポリビ
ニルアルコール,ポリ塩化ビニリデン,ポリ塩化ビニ
ル,ポリオレフィン,ポリウレタン)等の繊維に適用で
きる。合成繊維として好ましくは、アクリル系繊維,ポ
リビニルアルコール,ポリオレフィン,ポリウレタン等
である。
【0014】膨潤性天然層状ケイ酸塩粉末を繊維に付着
させる方法としては、吸着による方法がある。吸着法を
用いる場合は、例えば前記膨潤性天然層状ケイ酸塩粉末
を水などに分散させエマルジョンとし、このエマルジョ
ン液に繊維を浸漬させるか、またはパッド−ドライ法な
どで繊維に接触させる。このような吸着法は、天然繊維
やアクリル繊維に適用することが好ましい。繊維表面の
スケールや微細なポア、凹凸などを利用して脱落を防止
でき、耐久性を向上できるからである。
させる方法としては、吸着による方法がある。吸着法を
用いる場合は、例えば前記膨潤性天然層状ケイ酸塩粉末
を水などに分散させエマルジョンとし、このエマルジョ
ン液に繊維を浸漬させるか、またはパッド−ドライ法な
どで繊維に接触させる。このような吸着法は、天然繊維
やアクリル繊維に適用することが好ましい。繊維表面の
スケールや微細なポア、凹凸などを利用して脱落を防止
でき、耐久性を向上できるからである。
【0015】また、バインダーを用いることは必須では
ないが、バインダーを用いて膨膨潤性天然層状ケイ酸塩
粉末を繊維表面に付着させる方法を用いる場合は、前記
の繊維に加えて天然繊維、すなわち木綿、カポック、麻
等の植物繊維、ウール、カシミヤ、モヘヤ、絹等の動物
繊維等の繊維に適用できる。バインダーとしては、アク
リル系、シリコン系、ウレタン系、酢酸ビニル系、塩化
ビニル系、フェノール系、グリオキザール系、メラミン
系等の樹脂、加工澱粉などの糊剤等を使用できる。バイ
ンダーの使用量は、樹脂分として繊維に対して0.1〜
10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の範囲であ
る。
ないが、バインダーを用いて膨膨潤性天然層状ケイ酸塩
粉末を繊維表面に付着させる方法を用いる場合は、前記
の繊維に加えて天然繊維、すなわち木綿、カポック、麻
等の植物繊維、ウール、カシミヤ、モヘヤ、絹等の動物
繊維等の繊維に適用できる。バインダーとしては、アク
リル系、シリコン系、ウレタン系、酢酸ビニル系、塩化
ビニル系、フェノール系、グリオキザール系、メラミン
系等の樹脂、加工澱粉などの糊剤等を使用できる。バイ
ンダーの使用量は、樹脂分として繊維に対して0.1〜
10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の範囲であ
る。
【0016】また紡糸法を採用するときは、繊維が芯鞘
状のコンジュゲート繊維であり、鞘成分に膨潤性天然層
状ケイ酸塩粉末が混合されていることが好ましい。この
場合は、芯鞘状の複合口金を用いて鞘部に膨潤性天然層
状ケイ酸塩粉末を混合した繊維成分を配置し、芯部には
任意の繊維成分を配置することができる。
状のコンジュゲート繊維であり、鞘成分に膨潤性天然層
状ケイ酸塩粉末が混合されていることが好ましい。この
場合は、芯鞘状の複合口金を用いて鞘部に膨潤性天然層
状ケイ酸塩粉末を混合した繊維成分を配置し、芯部には
任意の繊維成分を配置することができる。
【0017】なお、本発明は通常の繊維布帛について行
われる高次加工と併用してもよい。通常の高次加工とし
ては、柔軟加工、撥水加工、吸水加工、帯電防止加工、
防汚(SR)加工、防炎加工、抗菌加工、紫外線遮断加
工等が挙げられる。
われる高次加工と併用してもよい。通常の高次加工とし
ては、柔軟加工、撥水加工、吸水加工、帯電防止加工、
防汚(SR)加工、防炎加工、抗菌加工、紫外線遮断加
工等が挙げられる。
【0018】本発明の繊維は、糸、綿、織物、編み物、
不織布等に適用できる。また、肌着、下着、シャツ、ブ
ラウス、セーター、ズボン、パジャマ、ネグリジェ等の
衣類、シーツ、枕カバー、ふとん側等の寝具、ふとん、
クッション等の詰め物、ソックス、おむつ、ナプキン、
タオル、マスク等にも適用できる。
不織布等に適用できる。また、肌着、下着、シャツ、ブ
ラウス、セーター、ズボン、パジャマ、ネグリジェ等の
衣類、シーツ、枕カバー、ふとん側等の寝具、ふとん、
クッション等の詰め物、ソックス、おむつ、ナプキン、
タオル、マスク等にも適用できる。
【0019】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。以下の実施例において、膨潤性天然層状ケイ
酸塩粉末は下記のようにして調製した。
説明する。以下の実施例において、膨潤性天然層状ケイ
酸塩粉末は下記のようにして調製した。
【0020】精製スメクタイトの一つであるバンダービ
ルド社製サポナイト(商品名ビーガムT)を撹拌しなが
ら水に添加し、所定の固形分を有する水分散液にした。
この水分散液をキネマテカ社製ホモジナイザーを用いて
分散処理し、さらに日立工機社製、日立高速冷却遠心機
SCR20型で遠心分離を行い、その上澄液を濃縮し
て、所定の固形分を有する水分散液とした。固形分の粒
子の平均粒径は250nm、電気泳動散乱法によるζ電
位が−50mV、純度99.2%であった。以下の実施
例においては、このサポナイトを用いた。
ルド社製サポナイト(商品名ビーガムT)を撹拌しなが
ら水に添加し、所定の固形分を有する水分散液にした。
この水分散液をキネマテカ社製ホモジナイザーを用いて
分散処理し、さらに日立工機社製、日立高速冷却遠心機
SCR20型で遠心分離を行い、その上澄液を濃縮し
て、所定の固形分を有する水分散液とした。固形分の粒
子の平均粒径は250nm、電気泳動散乱法によるζ電
位が−50mV、純度99.2%であった。以下の実施
例においては、このサポナイトを用いた。
【0021】
【実施例1】固形分1重量%に調整した前記サポナイト
粉末水分散液をスーパーフレックスE(第一工業製薬
(株)のアクリル樹脂バインダー)3重量%と混合し
た。この混合液を綿ブロード(未シルケット)布に塗布
し、パッド−ドライ法にて絞り率100%にて付着処理
した。その後100℃で2分乾燥し、160℃で2分間
セットした。
粉末水分散液をスーパーフレックスE(第一工業製薬
(株)のアクリル樹脂バインダー)3重量%と混合し
た。この混合液を綿ブロード(未シルケット)布に塗布
し、パッド−ドライ法にて絞り率100%にて付着処理
した。その後100℃で2分乾燥し、160℃で2分間
セットした。
【0022】得られた布を、蛍光X線分析によりSi−
Kα線にて前記スメクタイトの付着量を測定したとこ
ろ、約1重量%付着していた。また得られた布を、ふと
んの敷布に縫製して着用試験をしたところ、アトピー性
皮膚炎患者に緩和・予防効果が認められた。また得られ
た布を、JIS L−0217 103法にて洗濯し、
蛍光X線分析によりSi−Kα線にて付着量を測定した
ところ、付着量の変化は微少であった。
Kα線にて前記スメクタイトの付着量を測定したとこ
ろ、約1重量%付着していた。また得られた布を、ふと
んの敷布に縫製して着用試験をしたところ、アトピー性
皮膚炎患者に緩和・予防効果が認められた。また得られ
た布を、JIS L−0217 103法にて洗濯し、
蛍光X線分析によりSi−Kα線にて付着量を測定した
ところ、付着量の変化は微少であった。
【0023】
【実施例2】綿糸の編み物に固形分3重量%に調整した
前記サポナイト粉末水分散液とスーパーフレックスE
(第一工業製薬(株)、アクリル樹脂バインダー)を使
用し、パッド−ドライ法にて絞り率100%にて処理し
た。その後、100℃×2分間乾燥し、160℃×2分
間セットした。蛍光X線分析によりSi−Kα線にて付
着量を測定したところ、約3重量%付着していた。また
このものを、JIS L−0217 103法にて洗濯
し、蛍光X線分析によりSi−Kα線にて付着量を測定
したところ、付着量の変化は微少であった。また得られ
た編み物を、下着に縫製して着用試験をしたところ、ア
トピー性皮膚炎患者に緩和・予防効果が認められた。
前記サポナイト粉末水分散液とスーパーフレックスE
(第一工業製薬(株)、アクリル樹脂バインダー)を使
用し、パッド−ドライ法にて絞り率100%にて処理し
た。その後、100℃×2分間乾燥し、160℃×2分
間セットした。蛍光X線分析によりSi−Kα線にて付
着量を測定したところ、約3重量%付着していた。また
このものを、JIS L−0217 103法にて洗濯
し、蛍光X線分析によりSi−Kα線にて付着量を測定
したところ、付着量の変化は微少であった。また得られ
た編み物を、下着に縫製して着用試験をしたところ、ア
トピー性皮膚炎患者に緩和・予防効果が認められた。
【0024】
【比較例1】綿ブロード(未シルケット)布に水のみを
パッド−ドライ法にて絞り率100%にて処理した。そ
の後100℃×2分乾燥し、160℃×2分セットし
た。蛍光X線分析によりSi−Kα線にて付着量を測定
し、サポナイトの粉末の付着のないことを確認した。得
られた布でふとんの敷布に縫製して、着用試験をした
が、アトピー性皮膚炎患者のアレルギー緩和・予防効果
は認められなかった。
パッド−ドライ法にて絞り率100%にて処理した。そ
の後100℃×2分乾燥し、160℃×2分セットし
た。蛍光X線分析によりSi−Kα線にて付着量を測定
し、サポナイトの粉末の付着のないことを確認した。得
られた布でふとんの敷布に縫製して、着用試験をした
が、アトピー性皮膚炎患者のアレルギー緩和・予防効果
は認められなかった。
【0025】
【実施例3】常法により得られたレーヨンビスコース浴
にセルロース繊維にたいして前記サポナイトを固形物換
算で1重量%含有するように調製した。この浴を硫酸酸
性浴にて直径:0.07mm、ホール数:500のノズ
ルを使用し、紡糸速度30m/分にて湿式紡糸した。そ
の後延伸してトウにした。改質セルロース繊維は糸切れ
なく得られた。得られた繊維を蛍光X線分析によりSi
−Kα線にて付着量を測定したところ、約1重量%付着
していた。またこのものを、JIS L−0217 1
03法にて洗濯し、蛍光X線分析によりSi−Kα線に
て付着量を測定したところ、付着量の変化は微少であっ
た。また得られたトウを繊維長:38mmにカットし
(繊度:3デニール)、開繊し常法にしたがって紡績糸
を作り、デニム織物とした。この織物を用いてズボンを
縫製し着用試験をしたところ、アトピー性皮膚炎患者に
緩和・予防効果が認められた。
にセルロース繊維にたいして前記サポナイトを固形物換
算で1重量%含有するように調製した。この浴を硫酸酸
性浴にて直径:0.07mm、ホール数:500のノズ
ルを使用し、紡糸速度30m/分にて湿式紡糸した。そ
の後延伸してトウにした。改質セルロース繊維は糸切れ
なく得られた。得られた繊維を蛍光X線分析によりSi
−Kα線にて付着量を測定したところ、約1重量%付着
していた。またこのものを、JIS L−0217 1
03法にて洗濯し、蛍光X線分析によりSi−Kα線に
て付着量を測定したところ、付着量の変化は微少であっ
た。また得られたトウを繊維長:38mmにカットし
(繊度:3デニール)、開繊し常法にしたがって紡績糸
を作り、デニム織物とした。この織物を用いてズボンを
縫製し着用試験をしたところ、アトピー性皮膚炎患者に
緩和・予防効果が認められた。
【0026】
【実施例4】常法により得られたレーヨンビスコース浴
にセルロース繊維にたいして前記サポナイトを固形物換
算で3重量%含有するように調製した。この紡糸液を、
芯鞘状コンジュゲート口金(芯60%、鞘40%)の鞘
側に押し出し、芯側には前記サポナイトを含まないレー
ヨンビスコース液を押し出した。この浴を硫酸酸性浴に
て口金から押し出し、紡糸速度30m/分にて湿式紡糸
した。その後延伸してマルチフィラメントにした。延伸
後の繊維は、繊度:2デニール、繊維本数75本であっ
た。この改質セルロース繊維は糸切れなく得られた。得
られた繊維を蛍光X線分析によりSi−Kα線にて付着
量を測定したところ、約1.2重量%付着していた。ま
たこのものを、JIS L−0217 103法にて洗
濯し、蛍光X線分析によりSi−Kα線にて付着量を測
定したところ、付着量の変化は微少であった。得られた
マルチフィラメントを用いて織物とし、上着の裏地とし
て着用試験をしたところ、アトピー性皮膚炎患者に緩和
・予防効果が認められた。
にセルロース繊維にたいして前記サポナイトを固形物換
算で3重量%含有するように調製した。この紡糸液を、
芯鞘状コンジュゲート口金(芯60%、鞘40%)の鞘
側に押し出し、芯側には前記サポナイトを含まないレー
ヨンビスコース液を押し出した。この浴を硫酸酸性浴に
て口金から押し出し、紡糸速度30m/分にて湿式紡糸
した。その後延伸してマルチフィラメントにした。延伸
後の繊維は、繊度:2デニール、繊維本数75本であっ
た。この改質セルロース繊維は糸切れなく得られた。得
られた繊維を蛍光X線分析によりSi−Kα線にて付着
量を測定したところ、約1.2重量%付着していた。ま
たこのものを、JIS L−0217 103法にて洗
濯し、蛍光X線分析によりSi−Kα線にて付着量を測
定したところ、付着量の変化は微少であった。得られた
マルチフィラメントを用いて織物とし、上着の裏地とし
て着用試験をしたところ、アトピー性皮膚炎患者に緩和
・予防効果が認められた。
【0027】
【実施例5】綿ニット(未シルケット加工)布に固形分
0.06重量%に調整した前記サポナイトをパッド−ド
ライ法を用いて絞り率100%で処理した。その後、1
00℃×2分間乾燥し、160℃×2分間セットした。
蛍光X線分析によりSi−Kα線にて付着量を測定した
ところ、前記サポナイトは約0.06重量%付着してい
た。またこのものを、JIS L−0217 103法
にて20回洗濯し、蛍光X線分析によりSi−Kα線に
て付着量を測定したところ、約0.01重量%付着して
いた。さらに同種の方法にて50回洗濯をしても付着量
は約0.01重量%と変わらなかった。得られた布を、
下着に縫製して着用試験をしたところ、アトピー性皮膚
炎患者に緩和・予防効果が認められた。
0.06重量%に調整した前記サポナイトをパッド−ド
ライ法を用いて絞り率100%で処理した。その後、1
00℃×2分間乾燥し、160℃×2分間セットした。
蛍光X線分析によりSi−Kα線にて付着量を測定した
ところ、前記サポナイトは約0.06重量%付着してい
た。またこのものを、JIS L−0217 103法
にて20回洗濯し、蛍光X線分析によりSi−Kα線に
て付着量を測定したところ、約0.01重量%付着して
いた。さらに同種の方法にて50回洗濯をしても付着量
は約0.01重量%と変わらなかった。得られた布を、
下着に縫製して着用試験をしたところ、アトピー性皮膚
炎患者に緩和・予防効果が認められた。
【0028】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
膨潤性天然層状ケイ酸塩粉末を耐久性よく繊維に付着さ
せることができる。この結果、アトピー性皮膚炎などの
緩和・予防に効果のある繊維を提供できる。
膨潤性天然層状ケイ酸塩粉末を耐久性よく繊維に付着さ
せることができる。この結果、アトピー性皮膚炎などの
緩和・予防に効果のある繊維を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 101:30 (72)発明者 吉田 孝 兵庫県小野市小田町1516番地の1 一方社 油脂工業株式会社内 (72)発明者 玉井 秀夫 東京都墨田区本所一丁目3番7号ライオン 株式会社内 (72)発明者 三田村 譲嗣 東京都墨田区本所一丁目3番7号ライオン 株式会社内 Fターム(参考) 4L031 AA01 AA02 AA12 AB01 AB10 BA19 BA24 DA00 4L035 AA08 DD19 FF10 JJ08 KK01
Claims (6)
- 【請求項1】 膨潤性天然層状ケイ酸塩を0.001〜
30重量%含む繊維。 - 【請求項2】 膨潤性天然層状ケイ酸塩が、精製スメク
タイトである請求項1に記載の繊維。 - 【請求項3】 膨潤性天然層状ケイ酸塩の動的光散乱法
による平均粒径が0.01〜5μm、電気泳動散乱法に
よるζ電位の絶対値が30mV以上、かつ粉末X線回折
法による純度が99%以上である請求項1または2に記
載の繊維。 - 【請求項4】 繊維が、天然繊維、再生繊維、化学繊
維、及び合成繊維から選ばれる少なくとも一つである請
求項1〜3のいずれかに記載の繊維。 - 【請求項5】 膨潤性天然層状ケイ酸塩が、繊維内に混
合されているかまたは繊維に付着されている請求項1〜
4のいずれかに記載の繊維。 - 【請求項6】 繊維が芯鞘状のコンジュゲート繊維であ
り、鞘成分に膨潤性天然層状ケイ酸塩が混合されている
請求項1〜3のいずれかに記載の繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11151804A JP2000136428A (ja) | 1998-08-24 | 1999-05-31 | 膨潤性天然層状ケイ酸塩を含む繊維 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-237735 | 1998-08-24 | ||
JP23773598 | 1998-08-24 | ||
JP11151804A JP2000136428A (ja) | 1998-08-24 | 1999-05-31 | 膨潤性天然層状ケイ酸塩を含む繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000136428A true JP2000136428A (ja) | 2000-05-16 |
Family
ID=26480928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11151804A Pending JP2000136428A (ja) | 1998-08-24 | 1999-05-31 | 膨潤性天然層状ケイ酸塩を含む繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000136428A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007023777A1 (ja) * | 2005-08-26 | 2007-03-01 | Daiwabo Co., Ltd. | 防炎性レーヨン繊維及びその製造方法 |
JP2008081902A (ja) * | 2006-09-28 | 2008-04-10 | Unitika Ltd | ポリ乳酸系スパンボンド不織布の製造方法 |
JP2011246859A (ja) * | 2010-05-28 | 2011-12-08 | Suminoe Textile Co Ltd | 抗菌、抗ウイルスおよび抗アレルゲン機能を有する繊維布帛 |
CN104947210A (zh) * | 2015-06-01 | 2015-09-30 | 吴江市海成纺织有限公司 | 一种桔瓣防透视复合纤维及其制备方法 |
JP2018501413A (ja) * | 2014-12-09 | 2018-01-18 | スマートポリマー、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツングSmartpolymer Gmbh | 対象の活性成分の放出を行う成形機能性セルロース物品の製造方法 |
-
1999
- 1999-05-31 JP JP11151804A patent/JP2000136428A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007023777A1 (ja) * | 2005-08-26 | 2007-03-01 | Daiwabo Co., Ltd. | 防炎性レーヨン繊維及びその製造方法 |
US7709089B2 (en) | 2005-08-26 | 2010-05-04 | Daiwabo Holdings Co., Ltd. | Flameproof rayon fiber and method for manufacturing the same |
JP2008081902A (ja) * | 2006-09-28 | 2008-04-10 | Unitika Ltd | ポリ乳酸系スパンボンド不織布の製造方法 |
JP2011246859A (ja) * | 2010-05-28 | 2011-12-08 | Suminoe Textile Co Ltd | 抗菌、抗ウイルスおよび抗アレルゲン機能を有する繊維布帛 |
JP2018501413A (ja) * | 2014-12-09 | 2018-01-18 | スマートポリマー、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツングSmartpolymer Gmbh | 対象の活性成分の放出を行う成形機能性セルロース物品の製造方法 |
CN104947210A (zh) * | 2015-06-01 | 2015-09-30 | 吴江市海成纺织有限公司 | 一种桔瓣防透视复合纤维及其制备方法 |
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