JPH06299030A - 加硫性フルオロエラストマー組成物 - Google Patents

加硫性フルオロエラストマー組成物

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JPH06299030A
JPH06299030A JP6019756A JP1975694A JPH06299030A JP H06299030 A JPH06299030 A JP H06299030A JP 6019756 A JP6019756 A JP 6019756A JP 1975694 A JP1975694 A JP 1975694A JP H06299030 A JPH06299030 A JP H06299030A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、加硫状態において金属に対し高
度の接着性を示すフルオロエラストマー組成物に関する
ものである。 【構成】 弗化ビニリデンをベースとするエラストマー
共重合体に少量のクロロトリフルオロエチレンをコモノ
マーとして存在させて調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、被加硫状態で対金属高接着性
の、かつ弗化ビニリデンのエラストマー状共重合体のコ
モノマーとして存在するクロロトリフルオロエチレンを
微量含有することを特徴とする、弗化ビニリデンベース
のフルオロエラストマー組成物に関する。
【0002】
【産業上の利用分野】 弗素高含有量フルオロエラスト
マー類は、一般に、連続使用に対して、高度の化学安定
性と260℃の耐熱性が要求される各種分野で、益々広
く利用されてきている。
【0003】
【従来の技術】 こうした利用方法の中で、若干のもの
にあっては、例えば、油保持リングによって行う回転軸
のシーリングの分野などでは、文献中に(例えば、Ru
bb.Ch.Tec.Vol.55,P.908(19
82))広く記載のあるこれらの諸要素に典型的な特徴
のほかに、ガスケットのシーリング要素を構成するエラ
ストマーと金属挿入物間に、高接着系数値によって特徴
づけられる完全な接着を達成することが絶対に必要とさ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 従って、フルオロエ
ラストマー加工品中の一部のものについては、充分な加
硫率と加工上の安全性に到達し、高温時においても変化
しない状態に留まることによって、加硫成形品を、最も
過酷な作業条件下での使用にも適したものとする高度の
金属対ゴムの接着性を達成する必要がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明によるフルオロ
エラストマー組成物は、以下に説明する二方法のうち、
いずれかの方法により調製することができる。
【0006】第一の方法による時は、クロロトリフルオ
ロエチレン(5〜70モル%)、弗化ビニリデン(30
〜80モル%)と任意に、ヘキサフルオロプロペン(0
〜24モル%)と(又は)テトラフルオロエチレン(0
〜40モル%)のエラストマー共重合体(以下、共重合
体Aと呼ぶ)を、弗化ビニリデン(40〜85モル
%)、ヘキサフルオロプロペン(15〜25モル%)と
テトラフルオロエチレン(0〜32モル%)をべースと
するエラストマー共重合体Bと混合する。全フルオロエ
ラストマー組成物中における共重合体Aの含有量は1.
3〜30重量%の範囲であり、クロロトリフルオロエチ
レン単位は全重量について計算して、1〜10重量%の
範囲にあるのが好ましい。
【0007】好ましくは、CFCl=CF単位量は全
ポリマー混合物について1〜2.7重量%の範囲内にあ
ることである。共重合体Aについてみると、好まれる組
成は、モルで、CH=CF65〜75%、CF
CFCl10〜35%、C0〜30%、C
0〜25%である。CH=CF/C型エラス
トマー共重合体Bについては、好まれる組成は、CH
=CF77〜82%、C23〜18%であり、
CH=CF/C/C型エラストマー共
重合体についての望まれる組成は、CH=CF48
〜67%、C17〜25%、C16〜26
%である。
【0008】第二の方法による時は、本発明によるフル
オロエラストマー組成物はただ一種のフルオロエラスト
マー成分(以下、フルオロエラストマーCと呼ぶ)だけ
を使用して調製し、それを弗化ビニリデン(54〜86
モル%)、ヘキサフルオロプロペン(13〜23%)、
クロロトリフルオロエチレン(0.5〜5%)、テトラ
フルオロエチレン(0〜32%)の共重合体からなるも
のである。最良の結果はCF=CFCl含有量が0.
8〜2.5モル%で得られる。
【0009】上記二方法の場合において、クロロフルオ
ロエチレン量が上記最小値以下の時は、加硫による十分
な接着値が得られず、また、両方法について、CF
CFCl量が上記最大値以上の場合には、高接着値が得
られはするものの、金型の汚染、加硫処理後のエラスト
マーの化学的・熱的安定性の悪化などの障害が発生す
る。
【0010】ここに示した第一の方法による時は、基本
的フルオロエラストマーとして、在来型の弗化ビニリデ
ン・フルオロエラストマーの利用ができ、CF=CF
Cl高含有量のフルオロエラストマー少量との混和によ
り同フルオロエラストマーに、金属に対し所望の数値の
接着性を付与するという利益が提供される。
【0011】本発明による共重合体Aは、好ましくは、
乳化重合条件下、ラジカル開始剤の存在下に調製する。
適当なラジカル開始剤はアルカリ性過硫酸塩、過硼酸
塩、過炭酸塩等である。また、ペルオキシ開始剤と還元
剤の組み合わせ剤、例えば、アルカリ金属又はアンモニ
ウムの亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫
酸塩、亜燐酸塩、又は次亜硫酸塩、或は第一銅塩、第二
鉄塩、シルバーソルト、その他の易酸化性金属塩の使用
も可能である。さらに、有機ラジカル開始剤を使用し
て、Na−ラウリル硫酸塩、アンモニウム・パーフルオ
ロオクタン酸塩のような表面活性剤の存在下に操作する
こともまた可能である。勿論、表面活性剤は無機開始剤
を用いて共重合反応を行う際にも使用することができ
る。
【0012】乳化重合中は連鎖移動剤の存在が有用であ
ろう。乳化重合により得られる共重合体は、従来の方
法、例えば、電解質による凝固、或いは、氷結、ついで
濾過・洗浄・乾燥といった方法により、乳液から単離す
ることができる。
【0013】本重合体を提供する反応は塊状で、或い
は、例えば、クロロフルオロ炭化水素(Freon 1
13又は114)のごとき有機液体中で行うこともでき
よう。存在する有機液体は、重合反応条件下に連鎖移動
剤としての作用をしないものであることが好ましく、結
果的にはFreon 113よりはFreon 114
が好ましい。
【0014】共重合体の調製に際しては、反応混合物
を、前もって、不活性ガスで洗浄した加圧反応器中で、
4〜40kg/cmの圧力で45℃〜135℃の温度
に加熱することが好ましい。
【0015】本発明によるクロロトリフルオロエチレン
の共重合体Aは、大半の場合において、0.2〜1.5
dl/gの固有粘度を示す。これらの重合体の固有粘度
は30℃、溶剤、例えばメチルエチルケトン、ジメチル
ホルムアミド、テトラヒドロフラン等中で決定すること
ができる。
【0016】共重合体のムーニー粘度は、ASTM D
1646規格による回転子Lで100℃操作による1
0〜160が大半の場合の数値である。
【0017】本発明によるA型共重合体は、弗化ビニリ
デン系エラストマーについて良く知られており、文献等
(米国特許第2,968,649号、同第3,051,
677号、同第3,053,818号、Encyclo
pedia of Chemical Technol
gy,Kirk−Othmer,Vol.8,3rd.
ed.,500〜515頁(1979))に概説されて
いる重合方法により、所望量のクロロトリフルオロエチ
レンの単量体混合物への導入に注意しつつ一般的には調
製し得るものである。上述のように操作する時は、常
に、クロロトリフルオロエチレンの不存在下に作業を進
めることにより、B群のフルオロエラストマーを得るこ
とが可能なのである。
【0018】本発明によるフルオロエラストマーCは、
弗化ビニリデン系エラストマーについて知られる各種重
合方法により得ることができ、特に、共重合体Aについ
て上述した操作技術による乳化重合方法を採用すること
が可能である。フルオロエラストマーCは、最も広く使
用されている商業的製品について、0.2〜1.5dl
/gの範囲の固有粘度をもつ。ムーニー粘度は、大半の
場合において、上記米国規格による回転子Lによる10
0℃運転で、50〜150の範囲にある。
【0019】本発明による加硫性フルオロエラストマー
組成物は、共重合体Aと共重合体Bの混合物に基づく場
合(第一方法)も、フルオロエラストマーCのみに基づ
く場合(第2方法)も、共に、既知型添加物を加硫剤、
加硫促進剤、酸受容体、等々として使用することで調製
され得る。
【0020】この様にして、本発明によるフルオロエラ
ストマー組成物は、本質的に: (1)共重合体A(1.3〜30重量%)と共重合体B
(98.7〜70重量%)の混合物100重量部、或い
は、フルオロエラストマーC100重量部; (2)酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化鉛など
少くとも二価金属の塩基性酸化物である無機酸受容体1
〜40重量部; (3)例えば、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウ
ム又は水酸化バリウムのごとき少くとも一種の塩基性水
酸化物と(又は)例えば、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、ナトリウム、カリウムの炭酸塩、安息香
酸塩、燐酸塩などアルカリ又はアルカリ土類金属の弱酸
塩0.5〜10重量部; (4)芳香族ポリヒドロキシル架橋剤、例えば、ヒドロ
キノン、ヘキサフルオロ−イソプロピリデン−ビス−
(4−ヒドロキシ−ベンゼン)など; (5)独国特許第1,356,344号(Dupont
社)、米国特許第3,655,727号(EM社)のア
ンモニウム塩で次の一般式を有するもの: [式中、RおよびRは同じか又は異なり、
アルキル、フルオロアルキル、アラルキル、ポリオキシ
アルキレン又はポリオキシフルオロアルケン各基で炭素
原子数1〜20を有し、かつR、R、RおよびR
の内少なくとも二つの基はアルキル基又はアラルキル
基であり; Rは炭素原子数1〜20のアルキル基;
Xは水酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭
酸塩、ペンタクロロチオフェノラート、テトラフルオロ
ホウ酸、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロリン
酸、ジメチルリン酸又は炭素原子数1〜20のアルキル
又はアラルキルまたはアリール基のカルボン酸塩又はジ
カルボン酸塩;qは1又は2でXの原子価を現す] 米国特許第3,876,654号(Dupont社)、
米国特許第3,752,787号(Dupont社)の
ホスホニウム化合物で次の一般式を有するもの: [式中、Pはリンである他に、またヒ素やアンチモンで
もあり、R、R、RおよびRは炭素原子数1〜
20のアルキル、アリール、アリールアルキル、アルケ
ニル各基および塩素、フッ素、臭素、シアノ、−OR
10および−COOR10又は類縁置換物(R10はア
ルキル、アリール、アリールアルキル又はアルケニル各
基で炭素原子数1〜20を持つ)から選ぶ; Zはハロ
ゲン化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、ペンタクロロチ
オフェノラート、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオ
ロケイ酸、ヘキサフルオロリン酸、ジメチルリン酸又は
炭素原子数1〜20のアルキル又はアラルキルまたはア
ルケニル基のカルボン酸塩又はジカルボン酸塩; rは
1又は2でZの原子価を現す] 英国特許第2,010,285号(Montediso
n社)のアミノ−ホスホニウム化合物で次の一般式を有
するもの: [式中、R′、R″およびR″′は同じか又は異なり、
アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキ
ル、オキシアルキル又はポリオキシアルキル各基で、自
由な又はエーテル化したヒドロキシ末端基を持ち、炭素
原子1〜18を含有、置換基としてハロゲン、シアン化
物、ヒドロキシ又はカルボアルコキシ各基を含有でき、
R′およびR″は窒素原子により相互にリンクしてヘテ
ロ環式リングを形成; sは1〜4の整数、mは1〜3
の整数でイオンYの原子価を現し、Yは原子価mの無機
または有機の陰イオン]の加硫促進剤0.2〜3部から
構成されるものである。
【0021】本発明にとって特に有用な化合物は、1−
テトラフルオロ硼酸塩−1−ベンジル−N,N′,N″
−ヘキサメチル−フォスフォラントリアミン、 1−ク
ロロ−1,1−ジフェニル−1−ベンジル−N−ジエチ
ル−フォスフォランアミン(J.A.C.S.8457
94(1960)記載方法により調製)等である。ミッ
クスの調製は上記各特許に記載の操作により行われる。
本発明による重合体組成物は、従来の加硫系によっても
加硫することができる。有機過酸化物型加硫系の利用が
望まれる時は、本発明によるフルオロエラストマー重合
体は、フルオロエラストマー中に0.1〜1.5重量%
のBrをもたせるため、重合体鎖中に、少量の臭素化共
単量体、例えばBrCF−CF−O−CF=CF
を導入することによって、適当に変性することができ
る。本発明の目的を構成するエラストマー組成物の調製
に使用される若干の共重合体の調製について、以下に例
示する。
【0022】
【実施例】共重合体A.1 水3.4lを機械的撹拌装置付内容積5lオートクレー
ブ中に導入、80℃に加熱、圧縮機により、ガス貯槽よ
り送られてくる次掲のモル組成をもつ混合物をオートク
レーブ中に導入する:弗化ビニリデン(VDF)45.
0%、ヘキサフルオロプロペン(PFP)25.0%、
クロロトリフルオロエチレン(CTFE)30.0%、
内圧を12気圧ゲージとする。過硫酸アンモニウム10
g含有水溶液100mlを供給する。圧力が0.5kg
/cmゲージに降下すると、別のガス貯槽に入れた次
の組成を持つ同様の気体組成物を供給して、オートクレ
ーブ内を12kg/cmの恒圧に保持する。すなわ
ち: VDF=75%、CTFE=15%、PEP=1
0%80分後には、単量体380標準lが消費される。
撹拌を停止、残留ガスを排気して乳液を捕集し、硫酸ア
ルミニウムで凝固、水洗する。重合体は60℃で乾燥、
ムーニー粘度は74−ML1+4(100℃)(AST
M D 1646)となる。単量体単位中の組成は事実
上第二ガス貯槽中の混合物のそれに相当する。
【0023】共重合体A.2 エラストマー1について記述した手順に従って調製。第
一ガス貯槽中の混合ガスの組成は、VDF38%、PE
P10%、CTFE52%、第二ガス貯槽中の混合ガス
組成は、VDF66%、CTFE30%、PEP4%。
単量体単位でみた重合体組成は、事実上、第二貯槽から
送られてくる単量体混合ガスのそれと同様である。ムー
ニー粘度は76−ML1+4(100℃)である。
【0024】共重合体A.3 常に上記と同様に操作し、第一ガス貯槽中の組成を、V
DF50%、CTFE50%、第二貯槽中の組成をVD
F70%、CTFE30%として、事実上、第二ガス貯
槽より供給の混合ガスと同様の組成で、ムーニー粘度8
0−ML1+4(100℃)の共重合体を得る。
【0025】共重合体A.4 常に上記と同様に操作して、第一ガス貯槽中のモル組成
をVDF35%、CTFE15%、PEP40%、TF
E10%、第二ガス貯槽中をVDF55%、CTFE1
5%、PEP15%、TFE15%として得られる共重
合体の組成は、事実上、第二ガス貯槽より供給の混合ガ
スの場合と同様である。ムーニー粘度は82−ML1+
4(100℃)。
【0026】エラストマーB.1 供給混合ガスVDF、PEPを第一、第二ガス貯槽中
に、VDF/PEPモル比1および4でそれぞれ入れ、
共重合体A.1について記述したと同様の操作により調
製する。PEP約20モル%、VDF80モル%組成で
ムーニー粘度は85−ML1+4(100℃)のエラス
トマーを得る。
【0027】エラストマーB.2 VDF、PEP、TFE三元重合体は、第二ガス貯槽中
のVDF、PEP、TFE供給混合ガス組成をモル比3
/1/1、第一ガス貯槽を2/1/1として、共重合体
B.1の場合と同様の方法で操作調製する。得られる重
合体は次のモル比組成とムーニー粘度を有する: VDF60%、PEP20%、TFE20% 88−ML1+4(100℃)
【0028】実施例1〜8
【表1】 表1の実施例を始め、これに続く各実施例は、本発明に
よるエラストマー共重合体混合物から得られる加硫物の
特性を説明するためのものである。表示量は、特記のな
い限り、全で重量部である。各表中には使用した調合物
を示してあるが、これら調合物中には、上述の方法によ
り調製したフルオロエラストマーが使用されている。即
ち、組成物1は共重合体A.1 6.7重量部とエラス
トマーB.1 93.3重量部の混合物、組成物2は共
重合体A.1 13.4部とエラストマーB.1 8
6.6部の混合物、組成物3は共重合体A.1 26.
8重量%とエラストマーB.1 73.2重量%、組成
物4は共重合体A.2(6.7重量%)とエラストマー
B.1(93.3重量%)の混合物、組成物5は、共重
合体A.2(26.8重量%)とエラストマーB.1
(73.2重量%)との混合物、組成物6は、共重合体
A.3(6.7重量%)とエラストマーB.1(93.
3重量%)との混合物、組成物7は、共重合体A.3
(13.4重量%)とエラストマーB.1(86.6重
量%)から、それぞれ成るものでる。
【0029】加硫促進剤1は1−テトラフルオロ硼酸塩
−1−ベンジル−N,N′,N″−ヘキサメチル−フォ
スフォラントリアミンである。
【0030】加硫エラストマー組成物と金属との間の接
着性の評価は、剥離或いは剥し手段に基づく評価方法で
は、ゴムの耐引裂き性に拘束されるため、ASTM D
816号methodB法《Adhesion st
rength in shear》によった。
【0031】図1に図示するサンドウイッチ型試料(M
=金属、G=ゴム、A=接着剤)を調製。小金属板(炭
素鋼UNI Fe 37A、寸法80×25×2mm)
をAlgofrene113(1,1,2−トリクロロ
−トリフルオロエタン)蒸気浴中で脱脂、接着部を金剛
砂(グラニュロメトリ=0.01mm)で砂吹き処理
後、再度脱脂処理する。接着剤を、接着部に噴霧塗布す
る。接着剤としてHenkel社商標Chemosil
511号製品を使用。接着剤処理金属板とエラストマー
間の接着はプレス加硫工程中に行われる。重複面は約6
25mm(ゴム厚3.8mm)。 加硫条件 P = 60〜70kg/cm T = 170±2℃ 加硫時間は、加硫促進剤濃度とCTFE量の函数であ
る。
【0032】調製試料を分速50mmで引張強さ試験に
供する。接着抵抗を、プレス加硫後、250℃オーブン
中で後加硫後、および沸騰水中処理に次いで250℃後
加硫後、についてそれぞれ評価した。継ぎ目の破断がゴ
ムを貫通する場合には、接着抵抗は、測定値より大きい
と考えた。機械試験は全て23℃について言及してい
る。
【0033】実施例9〜12
【表2】 組成物8は共重合体A.4、 6.7重量%とエラスト
マーB.2、93.3%より成る。組成物9は、共重合
体A.4、 13.4重量%とエラストマーB.2、8
6.6%とより成る。組成物10は、共重合体A.4、
26.8重量%とエラストマーB.2、73.2重量
%より成る。加硫促進剤2は1−クロロ−1,1−ジフ
ェニル−1−ベンジル−N−ジエチルフォスフォランア
ミンである。
【0034】C型エラストマーの調製方法について記述
する。エラストマーC.1 水3.4lを機械的撹拌装置付内容積5lオートクレー
ブ中に装入、ヘキサフルオロプロペンを自生圧力によ
り、オートクレーブ内圧が5気圧となるように導入す
る。圧縮機により加熱し、ガス貯槽より送られてくる次
のモル組成の混合ガスを導入する: 弗化ビニリデン
(VDF)79.4%、ヘキサフルオロプロペン(PE
P)19.6%、クロロトリフルオロエチレン(CTF
E)1%。12kg/cmゲージ圧になるまで導入す
る。過硫酸アンモニウム10g含有水溶液100mlを
供給する。0.5kg/cmゲージまで降圧すると、
オートクレーブ内圧を12kg/cmゲージ恒圧に保
持するため、ガス貯槽中の同一気体組成物を支給して、
やり直す。80分後には、単量体380標準lが消費さ
れる。撹拌停止、残留ガスを排出、乳液を捕集して、硫
酸アルミニウムで凝固、水洗いする。重合体を60℃で
乾燥するとムーニー粘度76−ML1+4(100℃)
(ASTMD1646)を示す。単量体単位の組成は、
事実上、ガス貯槽中の混合ガスの場合に相当する。
【0035】エラストマーC.2 エラストマーC.1について記述の手順により調製す
る。ガス貯槽中の混合ガス組成はVDF79%、PEP
19%、CTFE2%である。単量体単位で表す重合体
の組成は、供給単量体混合ガスのそれと同一である。ム
ーニー粘度は74−ML1+4(100℃)である。
【0036】エラストマーC.3 単量体組成をVDF79.3%、PEP19.2%、C
TFE1.5%とし、過硫酸アンモニウム量を8gとす
る他は、常に、上述したように操作して得られる共重合
体は、供給混合ガスと事実上等しい組成を有し、ムーニ
ー粘度は78−ML1+4(100℃)である。
【0037】エラストマーC.4 エラストマーC.3について記述したところと同様にし
て、供給混合ガス組成をVDF77.5%、PEP19
%、CTFE3.5%とすることにより得られる。重合
操作は15気圧で行う。ムーニー粘度は72−ML1+
4(100℃)。
【0038】エラストマーC.5 上記方法と同様にして得られる。 組成: VDF80%、PEP15%、CTFE5% ムーニー粘度: 70−ML1+4(100℃)
【0039】エラストマーC.6(比較例) 供給混合ガス組成はVDF/PEPモル比を4として、
CTFEの不存在下に、エラストマーC.1の場合と同
様に操作して得た。その結果、得られた重合体は、VD
F80%、PEP20%の組成とムーニー粘度78−M
L1+4(100℃)とを有していた。
【0040】実施例13〜24
【表3】
【表4】 、25〜30
【表5】 本実施例及びそれに続く実施例は本発明によるC型エラ
ストマーから得られる加硫物の特性を説明するために記
載するものである。表示する量は、特に断らない時は、
全て重量による。各表中には、使用した調合物を表示し
てあるが、それらの調合物中には、上述したところによ
り調製したフルオロエラストマー、すなわち本発明によ
るエラストマーC.1、同C.2、同C.3、同C.
4、同C.5と、比較のため、従来の技術によるエラス
トマー6が含まれている。加硫エラストマーと金属の間
の接着性は実施例1〜8に記載の方法により評価した。
【0041】実施例31〜36
【表6】 本実施例により、本発明により調製されるC.1型エラ
ストマーにより、共重合体の弗素含有量が、ほぼ69重
量%と高い場合にでも、良好な接着性が得られるもので
あることを証明する。
【0042】知られているように、弗化ビニリデン系フ
ルオロエラストマーの対有機溶剤安定性は、その弗素含
有量に大きく左右される(L.D.Albin,Rub
b.Chem.Technol55,page903
(1982))。対金属接着性、化学安定性、対低温挙
動等に関する数値を、最後の数値をTgまたは硝子転移
温度として評価しながら(dT/dt=10℃/分、脆
化点(ASTM D 746)によるDSC方法)、本
発明による重合体と、同量の弗素(約69重量%)を含
有し、組成を異にし、CDEF含有量1.5モル%を常
に有する、従来の技術による重合体とについて比較して
みた。
【0043】エラストマーC.7はエラストマーC.1
と同様の方法で調製したもので、次の組成をもつもので
ある: (Tg = −4.0℃)
【0044】エラストマーC.8は米国特許第4,03
2,699号に記載されている所に従い調製、次の組成
をもつ:(Tg = −4.5℃)
【0045】参照エラストマー9は、CClFを使
用せずエラストマーC.7と同様に調製した。組成は次
のものである:(Tg = −5.0℃)
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のエラストマー組成物を機械試験
に供するため用意されるサンドウイッチ型試料の構造を
示すものである。
【符号の説明】
M・・・・・・金属 G・・・・・・ゴム A・・・・・・接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピエルジヨルジオ・ボナルデリ イタリー国、ブレスシア、ヴイア・モンタ ナリ、8番 (72)発明者 ジヨバンニ・モギ イタリー国、ミラン、ヴイア・ガリレイ、 14番 (72)発明者 ジヨアンナ・シリロ イタリー国、ミラン、ヴイア・フオンタ ナ、5番

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CH=CF54〜86モル%、CF
    =CF−CF13〜23モル%、CF=CFCl
    0.5〜5モル%、CF=CF0〜32モル%より
    なる、金属に対し高度の接着性を有する加硫性フルオロ
    エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 フルオロエラストマー中のCF:CF
    Cl量が0.8〜2.5モル%の範囲にあることを特徴
    とする請求項1の加硫性フルオロエラストマー組成物。
JP6019756A 1983-06-30 1994-01-04 加硫可能なフルオロエラストマ―組成物 Expired - Lifetime JP2506565B2 (ja)

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