JPH06298952A - 管状物 - Google Patents

管状物

Info

Publication number
JPH06298952A
JPH06298952A JP8982493A JP8982493A JPH06298952A JP H06298952 A JPH06298952 A JP H06298952A JP 8982493 A JP8982493 A JP 8982493A JP 8982493 A JP8982493 A JP 8982493A JP H06298952 A JPH06298952 A JP H06298952A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tubular
powder
polyimide resin
molecular weight
fluororesin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8982493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2516310B2 (ja
Inventor
Toshio Nakajima
登志雄 中島
Masao Nakamura
正雄 中村
Toshihiko Tomita
俊彦 富田
Tokio Fujita
時男 藤田
Toshiaki Iwamoto
登志明 岩元
Hiroshi Ukai
浩史 鵜飼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP5089824A priority Critical patent/JP2516310B2/ja
Publication of JPH06298952A publication Critical patent/JPH06298952A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2516310B2 publication Critical patent/JP2516310B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベルト定着法による画像形成装置におけるポ
リイミド樹脂製の定着用ベルトは摺動特性が不十分であ
り、駆動による摩擦のため摩耗粉を生じ易く、このため
スリップ現象や定着不良を起こすことがあったので、こ
れを改良すると共に、スリップトルクが駆動トルクの2
倍以上を維持する期間を長期とする。 【構成】 ポリイミド樹脂製管状層に数平均分子量が5
6000以下の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉
末を分散させた単層の管状物あるいは該粉末分散ポリイ
ミド樹脂製管状内層の外周面にフッ素樹脂製管状外層を
形成した複合管状構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複写機、ファクシミリ、
プリンターのような画像形成装置の定着用ベルト等に好
適な管状物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、画像形成装置における転写紙への
画像定着方法としては、例えば、熱ローラー定着法があ
る。このローラー定着法は例えば図1に示すように、熱
ローラー1とプレスローラー2とを上下に対向配置し、
転写紙3を両ローラー1、2間に送り込む方法であり、
熱ローラー1に内蔵されるヒーター4の発熱により転写
紙3に仮着された感熱インク5を溶融定着させると共
に、プレスローラー2により加圧して定着を強固にし、
それによって転写紙3上に感熱インクによる画像6を形
成するものである。なお、この場合、熱ローラー表面へ
の感熱インクの付着防止のため、該ローラー表面にフッ
素樹脂コーティングを施したり、このコーティング層に
シリコーンオイルを含浸したりするのが一般的である。
【0003】ところで、上記ローラー定着法による転写
紙への感熱インクの溶融定着に際しては、熱ローラーの
表面温度を感熱インクの溶融温度以上とする必要があ
る。従って、ローラー定着法による限り、定着作業毎に
熱ローラーの表面温度が感熱インクの溶融温度に達する
まで待たねばならず能率が悪いという不都合があった
(この待ち時間は通常20秒〜10分である)。
【0004】そこで、この待ち時間短縮のため、定着ベ
ルトを使用する方法が提案された。このベルト定着法は
図2に示すように互いに隔離状態にされた2つのローラ
ー7、8およびヒーター9に定着用ベルト10を掛け渡
して駆動すると共にヒーター9と対向させてプレスロー
ラー2を配置し、感熱インク5の仮着された転写紙3を
ベルト10とプレスローラー2間に送り込むことによ
り、転写紙3上に感熱インク5を溶融定着させて画像6
を形成するものである。この方法によれば、ベルトは薄
く熱容量が小さいため、ヒーターの発熱により直ちに定
着作業ができ、待ち時間は極めて短時間となるので好ま
しい。
【0005】かようなベルト定着法に用いるベルトとし
ては耐熱性や機械的強度に優れたポリイミド樹脂から成
る管状物、あるいはポリイミド樹脂製内層とこの内層外
周面に形成されたフッ素樹脂製外層から成る複合管状物
(特開平3−130149号公報)が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記ポリイミド樹脂製
管状物あるいは複合管状物を定着用ベルトとして用いた
場合、当然のことながらローラー7、8およびヒーター
9と接触するのはポリイミド樹脂層であるが、ポリイミ
ド樹脂層は耐摩耗性が充分でなく、特にガラスコーティ
ングを施したものが多いヒーター9との摩擦により摩耗
粉を発生し易い。摩耗粉を発生し易いことは定着ベルト
としての摺動特性が不充分であることを意味する。例え
ば、摩耗粉がローラー7、8やヒーター9表面に付着す
ると定着用ベルトがスリップを起こしたり、熱伝導を阻
害して定着不良(または定着不能)を生じたりするとい
った不都合が発生する。
【0007】この問題を解決する一つの方法として、本
出願人は先にポリイミド樹脂層中にフッ素樹脂粉末を分
散させることを提案した(特願平3−353273
号)。この提案に係るフッ素樹脂粉末を分散させたポリ
イミド樹脂製管状物、あるいはフッ素樹脂粉末を分散さ
せたポリイミド樹脂製管状内層とフッ素樹脂製管状外層
から成る複合管状物は、上記従来品に比べ摺動特性に優
れ、スリップや定着不良を生じ難い利点を有している。
【0008】ところで、定着用ベルトに要求される実用
的な特性として、駆動トルクとスリップトルクの関係が
ある。駆動トルクとは、例えば、図2に示す装置を停止
し、ロール7または8の駆動軸を手動で回転させるに要
するトルクであり、スリップトルクとはベルトが回転し
ないように固定し、ロール7または8の駆動軸を強制的
に回転するに要するトルクである。そして、定着用ベル
トにおいてはスリップトルクが駆動トルクの2倍未満で
あるとスリップ現象を生じて画像が乱れることがあり、
1倍になると定着不能となるため、スリップトルクは駆
動トルクに対して2倍以上であることが要求される。
【0009】上記のフッ素樹脂粉末を分散させたポリイ
ミド樹脂製管状物、あるいはフッ素樹脂粉末を分散させ
たポリイミド樹脂製管状内層とフッ素樹脂製管状外層か
ら成る複合管状物は、スリップトルクが駆動トルクの2
倍以上であり、この点においても好ましいものである。
しかし、使用開始から比較的短期間でスリップトルクが
駆動トルクの2倍よりも小さくなってしまうこともあ
り、スリップトルクが駆動トルクの2倍以上を維持する
期間をより長くすることが要望されている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記要望に応
えるため鋭意研究の結果、ポリイミド樹脂層中に分散さ
せるフッ素樹脂粉末として分子量が特定値以下のポリテ
トラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という)を
使用することにより、摺動特性の低下を招くことなく、
スリップトルクが駆動トルクの2倍以上を維持する期間
を延長できることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】即ち、本発明に係る管状物はポリイミド樹
脂製管状層から成り、該管状層に数平均分子量が560
00以下のPTFE粉末が分散されていることを特徴と
するものである。
【0012】本発明においてはポリイミド樹脂製管状層
中に数平均分子量が56000以下(下限は特に限定さ
れないが、耐熱性を考慮すると約5000である)のP
TFE粉末(以下、このPTFE粉末を「低分子量PT
FE粉末」ということがある)が分散される。低分子量
PTFEの数平均分子量(Mn)と融点(TK)との間
には下記の数1に示す関係が成立することが知られてい
る(「ふっ素樹脂ハンドブック」、日刊工業新聞社刊
行、1990年11月30日発行 、第58頁)。
【0013】
【数1】
【0014】従って、「数平均分子量が56000以下
のPTFE粉末」とは、「融点が325℃以下のPTF
E粉末」と同義である。なお、PTFE粉末の融点は示
差走査熱量計(DSC)により測定できる。一方、通常
のPTFE粉末の融点が327℃であること、および融
点が327℃である通常のPTFE粉末の分子量が数十
万〜数百万(ただし、この値は数1によるものではな
い)であることは既によく知られている。従って、本発
明に用いる低分子量PTFE粉末と通常のPTFE粉末
は明確に区別される。
【0015】ポリイミド樹脂層中に分散させるPTFE
粉末として、かような低分子量のものを使用すると何故
スリップトルクが駆動トルクの2倍以上を維持する期間
を延長できるのかは未だ解明されていないが、後述の実
施例に示されるようにその効果が確認されている。
【0016】本発明はこのように低分子量PTFE粉末
を用いるものであり、該粉末の形状は球状、鱗状あるい
は無定形等いずれであってもよいが、ポリイミド樹脂層
への分散性の点からその粒径を10μm以下とするのが
好ましいことが判明している。そして、該PTFE粉末
のポリイミド樹脂層中への分散量は管状物の機械的強
度、摺動特性を考慮すると、ポリイミド樹脂100重量
部に対して0.1〜20重量部の範囲とするのが好適で
ある。
【0017】また、本発明においては低分子量PTFE
粉末に加え、通常の分子量を有するPTFE、テトラフ
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
(以下、「FEP」という)、テトラフルオロエチン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、
「PFA」という)、エチレン−テトラフルオロエチレ
ン共重合体(以下、「ETFE」という)、ポリクロロ
トリフルオロエチレン(以下、「PCTFE」という)
等のフッ素樹脂粉末を併用することもできる。これらフ
ッ素樹脂粉末を併用する場合、その量は、通常、低分子
量PTFE粉末100重量部に対し約20重量部以下と
する。
【0018】次に、本発明に係る管状物の製法について
述べる。この管状物は、例えば、低分子量PTFE粉末
を分散せしめたポリアミド酸(ポリイミド樹脂の前駆
体)溶液を金属やガラス等から成る耐熱性シリンダーの
内周面に塗布し、次いで加熱してポリアミド酸をイミド
転化させると共に溶媒を蒸発除去することにより、低分
子量PTFE粉末が分散含有せしめられたポリイミド管
状物を形成し、その後該管状物を耐熱性シリンダーから
剥離する方法により得ることができる。
【0019】上記方法に用いるポリアミド酸溶液は、テ
トラカルボン酸二無水物あるいはその誘導体とジアミン
の略等モルを有機極性溶媒中で反応させることにより得
ることができる。
【0020】このテトラカルボン酸二無水物は下記化1
で示される。
【0021】
【化1】
【0022】(式中、Rは4価の有機基であり、芳香
族、脂肪族、環状脂肪族、芳香族と脂肪族を組み合わせ
たもの、またはそれらの置換された基である。)
【0023】そして、このテトラカルボン酸二無水物の
具体例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3´,
4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、2,3,3´,4´−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)スルホン二無水物、ペリレン−3,
4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレ
ンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0024】また、かようなテトラカルボン酸二無水物
と反応させるジアミンの具体例としては、4,4´−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,3´−ジアミノジフェ
ニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、
3,3´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジク
ロロベンジジン、4,4´−アミノジフェニルスルフィ
ド、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−
ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フ
ェニレンジアミン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジ
アミノビフェニル、ベンジジン、3,3´−ジメチルベ
ンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、4,4´
−ジアミノフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフ
ェニルスルフィド、4,4´−ジアミノジフェニルプロ
パン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエ
ン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エー
テル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベ
ンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノペ
ンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フ
ェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシ
リレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミ
ン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、
デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレ
ンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,
4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジア
ミノドデカン、1,2−ビス−(3−アミノプロポキ
シ)エタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3
−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチル
ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチ
レンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5
−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエ
イコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1、
10−ジアミノ−1、10−ジメチルデカン、1,12
−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、H
2 N(CH2 3 O(CH2 2 O(CH2 )NH2
2 N(CH2 3 S(CH2 3 NH2 、H2 N(C
2 3 N(CH3 )(CH2 3 NH3 等が挙げられ
る。
【0025】更に、テトラカルボン酸二無水物とジアミ
ンとを反応させる際に用いる有機極性溶媒の好ましい例
として、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド等のN,N−ジアルキルアミド類を挙
げることができる。これらは蒸発、置換、拡散等により
ポリアミド酸溶液から容易に除去できる。また、上記以
外の極性溶媒、例えば、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチル
メトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサ
メチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、ピリジン、ジメチルスルホン、テトラメチレンスル
ホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等を使用するこ
ともでき、これら有機極性溶媒は単独あるいは二種以上
を併用してもよい。
【0026】また、これら有機極性溶媒にクレゾール、
フェノール、キシレノール等のフェノール類、ベンゾニ
トリル、ジオキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等
の一種以上を混合することもできる。ただし、生成する
ポリアミド酸の加水分解による低分子量化を防止するた
めに水の添加は避けるべきである。
【0027】上記テトラカルボン酸二無水物とジアミン
とを有機極性溶媒中で約0.5〜10時間反応させるこ
とによりポリアミド酸溶液が得られる。反応時における
モノマー濃度は種々の要因に応じて設定できるが、通
常、約5〜30重量%である。また、反応温度は80℃
以下(より好ましくは5〜50℃)に設定することが好
ましい。
【0028】このようにして有機極性溶媒中でテトラカ
ルボン酸二無水物とジアミンを反応させるとその進行に
伴い溶液粘度が上昇するが、本発明においては対数粘度
[η]が0.5以上のポリアミド酸を使用することが好
ましい。対数粘度[η]が0.5以上のポリアミド酸を
用いて形成されるポリイミド樹脂製管状物は耐熱性が特
に優れている利点がある。なお、上記対数粘度は毛細管
粘度計を用いてポリアミド酸溶液と溶媒の落下時間を各
々測定し、下記数2によって算出される値である。
【0029】
【数2】
【0030】(式中、t0 は溶媒の落下時間、t1 は溶
液の落下時間、Cは溶液中におけるポリアミド酸の濃度
(g/dl)である。)
【0031】なお、反応系に低分子量PTFE粉末を添
加しておけば反応終了時に低分子量PTFE粉末含有ポ
リアミド酸溶液を得ることができる。勿論、反応終了後
にポリアミド酸溶液中に低分子量PTFE粉末を添加し
て均一に混合するようにしてもよい。
【0032】上記方法により管状物を得るには、先ず、
低分子量PTFE粉末含有ポリアミド酸溶液を耐熱性シ
リンダー内周面に塗布する。該溶液のシリンダー内周面
への塗布は、該溶液中にシリンダーを浸漬して引き上げ
る方法、シリンダーの片端部内に溶液を供給した後、シ
リンダー内を弾丸状、球状等の走行体を走行させる方
法、該溶液をシリンダー内にスプレー塗布する方法、等
により行なうことができる。
【0033】これらの方法により低分子量PTFE粉末
含有ポリアミド酸溶液を耐熱性シリンダー内周面に塗布
する際のポリアミド酸溶液の粘度は、作業性の点から約
10〜10000ポイズ(塗布作業時の温度で、B型粘
度計での測定値)とするのが好ましい。また、ここで用
いるシリンダーはその内径が目的とする管状物の外径と
ほぼ等しいものである。画像形成装置の定着用ベルトは
その外径が通常約10〜500mmであるので、シリン
ダーとして内径がそれとほぼ等しいものを用いることが
できる。そして、管状物の外観を良好とするため、シリ
ンダー内周面の表面粗さ(Rz)は10μm以下とする
のが好ましいものである。
【0034】また、走行体としては例えば、金属製、溶
剤不溶性のプラスチック製、ガラス製のものを用いるこ
とができる。そして、その走行は圧縮空気、ガス爆発等
により走行体を押す方法、牽引ワイヤーにより牽引する
方法、減圧法あるいは自重走行法、等により行なう。こ
の走行をいずれの方法で行なうにしても塗布厚さを均一
とするため、シリンダーを垂直あるいは水平に維持する
のが好ましく、更にシリンダーや走行体を回転させるこ
ともできる。
【0035】かようにして、耐熱性シリンダー内周面に
低分子量PTFE粉末含有ポリアミド酸溶液を塗布した
後、加熱してポリアミド酸をイミド転化すると共に溶媒
を除去することにより管状物を形成する。加熱温度は適
宜設定することができるが、先ず、約80〜180℃の
低温で加熱しイミド転化に際して発生する閉環水および
溶媒を蒸発除去し、次いで約250〜400℃に昇温さ
せてイミド転化を終了させる多段加熱法を採用するのが
好ましい。加熱所要時間は加熱温度等に応じて設定する
が、通常、低温加熱およびその後の高温加熱とも約20
〜60分である。かような多段加熱法を採用すれば、イ
ミド転化に伴い発生する閉環水や溶媒の蒸発に起因する
管状物内への微小ボイドの発生を防止できる。
【0036】このようにして耐熱性シリンダーの内周面
にポリイミド樹脂製管状物を形成した後、該管状物をシ
リンダー内周面から剥離する。剥離作業は、例えばシリ
ンダーの壁に小貫通孔を予め設けておき、この孔に空気
を圧送する方法により行なうことができる。
【0037】上記方法はポリアミド酸溶液を用いるもの
であるが、有機溶媒可溶性のポリイミド樹脂が既に知ら
れているので、このポリイミド樹脂溶液を用いてポリイ
ミド管状物を得ることもできる。ポリイミド樹脂溶液を
使用すれば、当然のことながらイミド転化は不要とな
る。
【0038】本発明に係る管状物は上記したような低分
子量PTFE粉末分散ポリイミド樹脂製管状層のみから
成るものであってもよいが、更に該管状層の外周面上に
PTFE、FEP、PFA、ETFE、PCTFE等か
ら成るフッ素樹脂製管状外層を有する複層構造とするこ
ともできる。かような複合管状物は画像形成装置の定着
ベルトとして使用した際のオフセット性がより優れたも
のとなり、紙詰まりの生じ難いものとなるので好まし
い。なお、この複合管状物の内層および外層の厚さは適
宜設定できるが、通常、前者が約10〜150μm、後
者が約1〜20μmである。
【0039】この複合管状物は、例えば、耐熱性シリン
ダーの内周面にフッ素樹脂製管状物を形成した後、この
フッ素樹脂製管状物の内周面に上記と同様な低分子量P
TFE粉末含有ポリアミド酸溶液を塗布し、次いで加熱
してポリアミド酸をイミド転化すると共に溶媒を除去し
て低分子量PTFE粉末分散ポリイミド樹脂製管状物を
一体的に形成し、その後シリンダー内周面から剥離する
方法により得ることができる。
【0040】耐熱性シリンダーの内周面にフッ素樹脂製
管状物を形成するにはフッ素樹脂粉末を約5〜80重量
%の濃度で含むディスパージョンをシリンダー内周面に
塗布し、次いで加熱により分散媒を蒸発除去し且つフッ
素樹脂をシンタリング(焼結)する方法を採用できる。
このフッ素樹脂ディスパージョンはシリンダー内周面へ
の塗布性を向上させるため、界面活性剤や増粘剤を添加
したものであってもよい。フッ素樹脂ディスパージョン
の分散媒は多くの場合水であり、従って、加熱は約80
〜180℃で水を蒸発除去した後、フッ素樹脂の融点以
上の温度に加熱してシンタリングする多段加熱法による
のが好ましい。
【0041】また、この複合管状物は低分子量PTFE
粉末分散ポリイミド樹脂製管状物の外周面にフッ素樹脂
ディスパージョンを塗布し、次いで加熱することにより
ディスパージョン中の分散媒を蒸発除去し且つフッ素樹
脂をシンタリングする方法によっても得ることができ
る。低分子量PTFE粉末分散ポリイミド樹脂製管状物
外周面へのフッ素樹脂ディスパーションの塗布は、該管
状物をフッ素樹脂ディスパージョン中に浸漬して引き上
げる方法や管状物外周面にフッ素樹脂ディスパージョン
をスプレー塗布する方法等により行なうことができる。
フッ素樹脂ディスパージョンの塗布を浸漬法により行な
うと、複合管状物の内周面にもフッ素樹脂ディスパージ
ョンが塗布されることになるが、この場合には加熱に先
立ち、該管状物内周面を拭き取り、該内周面に付着して
いるフッ素樹脂ディスパージョンを除去する。
【0042】このような複合管状物を製造するに際して
は、フッ素樹脂製管状外層と低分子量PTFE粉末分散
ポリイミド樹脂製管状内層の接着強度を向上させるた
め、少なくとも一方の表面に公知の接着処理、例えばア
ルカリ金属処理、プライマー塗布処理、超音波処理、ス
パッタエッチング処理、プラズマ処理、コロナ放電処
理、紫外線照射処理、電子線照射処理、レーザー処理等
を施すことができる。
【0043】更に、本発明における複合管状物はフッ素
樹脂製管状外層中に二酸化ケイ素、ガラスビーズ、架橋
シリコーン樹脂、セラミック、ポリイミド樹脂、ベンゾ
グアナミン樹脂等の粉末を分散させて耐摩耗性を向上さ
せることができ、また、該外層中にカーボン、グラファ
イト、金属等の導電性粉末を分散させることにより、導
電性を付与しチリ、ホコリ等の付着を防止するようにす
ることもできる。これら粉末はフッ素樹脂との分散性を
考慮し、その粒径を約5μm以下とするのが好ましく、
その添加量は機械的強度の点から、通常、フッ素樹脂1
00重量部に対し0.5〜50重量部とするのが好まし
い。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、実施例および比較例において、3,3´,
4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物は「B
PDA」と、ピロメリット酸二無水物は「PMDA」
と、p−フェニレンジアミンは「PDA」と、4,4´
−ジアミノジフェニルエーテルは「DDE」と、N−メ
チル−2−ピロリドンは「NMP」と各々略記する。
【0045】実施例1 PMDAとDDEの等モルをフラスコ中でNMPに溶解
し(モノマー濃度20重量%)、窒素ガス雰囲気中にお
いて20℃の温度で5時間攪拌しながら反応させてポリ
アミド酸溶液を得る。このポリアミド酸溶液の回転粘度
は27000ポイズ、対数粘度[η]は3.3であっ
た。なお、回転粘度は温度20℃においてB型粘度計で
測定した値である。
【0046】次いで、このポリアミド酸溶液を50℃に
加温し、この溶液中に平均粒径4.3μm、融点31
8.2℃、数平均分子量12000のPTFE粉末をポ
リアミド酸100重量部に対し3重量部の割合になるよ
うに添加して攪拌し、均一に分散させる。そして、#4
00のステンレスメッシュを用いて濾過し、低分子量P
TFE粉末含有ポリアミド酸溶液を得る。なお、PTF
E粉末の数平均分子量は、示差走査熱量計(セイコー電
子工業社製、MAS5700、DSC220)により該
粉末の融点を測定し、この値を用い前記数1により算出
した。
【0047】一方、これとは別にPFA濃度60重量%
の水性ディスパージョン(デュポン社製、商品名TE−
334J)とカーボンブラック濃度16.5重量%の水
性ディスパージョン(ライオン社製、商品名W−311
N)を混合することにより、PFAとカーボンブラック
を含む混合ディスパージョンを得る。なお、この混合デ
ィスパージョン中におけるPFAとカーボンブラックの
割合は、PFA100重量部に対してカーボンブラック
4重量部である。
【0048】内径50mm、肉厚5mm、長さ500m
m、内周面の表面粗さ(Rz)が2μmに調整されたス
テンレス製シリンダー(円筒体)を上記の低分子量PT
FE粉末含有ポリアミド酸溶液中に浸漬して引上げ、次
いでシリンダーを垂直に保持しその中を外径49.4m
mの弾丸状走行体を自重により下降走行させることによ
り、シリンダー内周面にPTFE粉末含有ポリアミド酸
溶液を均一に塗布する。
【0049】これを温度70℃で60分間加熱し、温度
を300℃に上げ更に60分間加熱して溶媒と閉環水の
蒸発除去およびイミド転化を行い、低分子量PTFE粉
末分散ポリイミド樹脂製管状物を形成させ、次いで、シ
リンダーの片端部に予め設けておいた小貫通孔から空気
を圧送し、シリンダー内周面から管状物を剥離する。こ
の管状物は長さ約500mm、外径50mm、厚さ30
μmであった。
【0050】この低分子量PTFE粉末分散ポリイミド
樹脂製管状物を上記混合ディスパージョン中に浸漬して
引上げ、10分間風乾してその内周面をウエスで拭き取
る。そして、100℃の温度で10分間加熱して分散媒
である水を蒸発除去し、更に400℃で5分間加熱する
ことにより低分子量PTFE粉末分散ポリイミド樹脂製
管状内層の外周面にPFA製管状外層(カーボンブラッ
ク分散)の形成された複合管状物を得た。なお、このP
FA製管状外層の厚さは8μm、表面粗さRzは3.5
μm、表面抵抗は2×105 Ω/□であった。
【0051】この複合管状物を幅300mmに切断し、
画像定着装置の定着用ベルト(エンドレスベルト)とし
て用いたところ、オフセット性の良いシステムとするこ
とができ、得られた画像は均質な絹目状表面をしてい
た。また、この装置について連続通紙試験を行なったと
ころ、試験開始時におけるスリップトルクは駆動トルク
の3.2倍であり、15万枚終了時点でも2.5倍を維
持し、しかも、ベルトのスリップ現象や定着不良も生じ
なかった。
【0052】実施例2 PMDAおよびDDEに代え、BPDAおよびPDAを
用いて回転粘度34000ポイズ、対数粘度[η]3.
0のポリアミド酸溶液を得ること、このポリアミド酸溶
液中に添加するPTFE粉末として平均粒径4.1μ
m、融点320.8℃、数平均分子量17200のもの
を用い、ポリアミド酸100重量部に対して4重量部の
割合とすること以外は実施例1と同様に作業して、低分
子量PTFE粉末分散ポリイミド樹脂製管状物を得る。
【0053】この低分子量PTFE粉末分散ポリイミド
樹脂管状物の外周面に実施例1で用いたと同じ混合ディ
スパージョンをエアースプレーガンを用いてスプレー塗
布し、10分間風乾した後100℃で10分間加熱し、
更に400℃で10分間加熱することによりPFA製管
状外層(カーボンブラック分散)を形成する。得られた
複合管状物におけるPFA製管状外層の厚さは8μm、
表面粗さRzは3.3μm、表面抵抗は3×105 Ω/
□であった。
【0054】この管状物を実施例1と同様にして画像定
着装置の定着用ベルトとして用いたところ、オフセット
性が良好で、得られた画像も均質な絹目状表面をしてい
た。また、連続通紙試験では試験開始時のスリップトル
クは駆動トルクの3.5倍であり、15万枚終了時点で
も2.6倍を維持し、しかも、ベルトのスリップ現象や
定着不良も生じなかった。
【0055】実施例3 実施例1と同じシリンダーおよび混合ディスパージョン
を用意し、シリンダーを混合ディスパージョン中に浸漬
して引上げ、100℃で60分間加熱し、更に400℃
に昇温して5分間加熱することにより、シリンダー内周
面にPFA製管状物(カーボンブラック分散)を形成す
る。
【0056】次に、このシリンダーを実施例2で使用し
たのと同じ低分子量PTFE粉末含有ポリアミド酸溶液
中に浸漬して引上げる。そして、このシリンダーを垂直
に保持し、弾丸状走行体の自重走行、70℃での加熱、
300℃での加熱およびシリンダーからの剥離を実施例
1と同様に行なうことにより、PTFE粉末分散ポリイ
ミド樹脂製管状内層(厚さ30μm)とPFA製管状外
層とから成る複合管状物を得た。該管状物における管状
外層の厚さは8μm、表面粗さRzは1.7μm、表面
抵抗は1×105 Ω/□であった。
【0057】この管状物を実施例1と同様にして画像定
着装置の定着用ベルトとして用いたところ、オフセット
性が良好で、得られた画像も均質な絹目状表面をしてい
た。また、連続通紙試験では試験開始時のスリップトル
クは駆動トルクの3.6倍であり、15万枚終了時点で
も2.7倍を維持し、しかも、ベルトのスリップ現象や
定着不良も生じなかった。
【0058】実施例4 実施例2と同じ低分子量PTFE粉末含有ポリアミド酸
溶液を用いること以外は実施例1と同様に作業してPT
FE粉末分散ポリイミド樹脂製管状内層とPFA製管状
外層とから成る複合管状物を得た。該管状物における管
状外層の厚さは8μm、表面粗さRzは3.6μm、表
面抵抗は2×105 Ω/□であった。
【0059】この管状物を実施例1と同様にして画像定
着装置の定着用ベルトとして用いたところ、オフセット
性が良好で、得られた画像も均質な絹目状表面をしてい
た。また、連続通紙試験では試験開始時のスリップトル
クは駆動トルクの3.8倍であり、15万枚終了時点で
も2.7倍を維持し、しかも、ベルトのスリップ現象や
定着不良は生じなかった。
【0060】実施例5 平均粒径5.6μm、融点324.7℃、数平均分子量
48700の低分子量PTFE粉末を用いること以外は
実施例2と同様に作業してPTFE粉末分散ポリイミド
樹脂製管状内層とPFA製管状外層とから成る複合管状
物を得た。該管状物における管状外層の厚さは8μm、
表面粗さRzは3.9μm、表面抵抗は4×105 Ω/
□であった。
【0061】この管状物を実施例1と同様にして画像定
着装置の定着用ベルトとして用いたところ、オフセット
性が良好で、得られた画像も均質な絹目状表面をしてい
た。また、連続通紙試験では試験開始時のスリップトル
クは駆動トルクの3.0倍であり、15万枚終了時点で
も2.2倍を維持し、しかも、ベルトのスリップ現象や
定着不良は生じなかった。
【0062】実施例6 カーボンブラックとPFAとの混合ディスパージョンに
代え、シリカ粉末とPFAとの混合ディスパージョンを
用いること以外は実施例1と同様に作業して、複合管状
物を得た。なお、混合ディスパーションは平均粒径1.
5μmのシリカ粉末をPFAディスパージョン(実施例
1において使用したものと同じもの)中にPFA粉末1
00重量部に対して3.5重量部の割合になるように添
加混合したものを使用した。
【0063】得られた複合管状物におけるPFA製管状
外層の厚さは8μm、表面粗さRzは4.5μm、表面
抵抗は1010Ω/□であった。この管状物を実施例1と
同様にして画像定着装置の定着用ベルトとして用いたと
ころ、得られた画像は均質な絹目状表面をしていた。ま
た、連続通紙試験では試験開始時のスリップトルクは駆
動トクルの3.1倍であり、15万枚終了時点でも2.
5倍を維持し、しかも、ベルトのスリップ現象や定着不
良は生じなかった。
【0064】実施例7 低分子量PTFE粉末分散ポリイミド樹脂製管状物外周
面へのPFA製管状外層の形成に際し、カーボンブラッ
クを混合していないPFAディスパージョン(実施例1
で用いたデュポン社製、商品名TE−334J)を用い
ること以外は実施例1と同様に作業して、複合管状物を
得た。
【0065】得られた複合管状物におけるPFA製管状
外層の厚さは8μm、表面粗さRzは1.7μm、表面
抵抗は>1012Ω/□であった。この管状物を実施例1
と同様にして画像定着装置の定着用ベルトとして用いた
ところ、得られた画像は光沢状表面をしていた。また、
連続通紙試験では試験開始時のスリップトルクは駆動ト
ルクの3.0倍であり、15万枚終了時点でも2.4倍
を維持し、しかも、ベルトのスリップや定着不良は生じ
なかった。
【0066】実施例8 PFA製管状外層の形成を行なわないこと以外は実施例
1と同様に作業することにより、低分子量PTFE粉末
含有ポリイミド樹脂層のみから成る管状物を得る。この
管状物の厚さは30μm、表面粗さRzは1.1μm、
表面抵抗は>1012Ω/□であった。
【0067】この管状物を実施例1と同様にして画像定
着装置の定着用ベルトとして用いたところ、得られた画
像は光沢状表面をしていた。また、連続通紙試験では試
験開始時のスリップトルクは駆動トルクの2.9倍であ
り、15万枚でも2.3倍を維持し、しかも、ベルトの
スリップや定着不良は生じなかった。
【0068】比較例 ポリアミド酸溶液中に低分子量PTFE粉末を添加せず
に作業すること以外は実施例2と同様に作業して複合管
状物を得た。この複合管状物を実施例1と同様に画像定
着装置の定着ベルトとして用いたところ、連続通紙試験
で4.7万枚からスリップ現象を生じ始め、5.1万枚
で定着不能となった。また、試験開始時のスリップトル
クは駆動トルクの2.1倍であったが、5万枚で1.0
倍となった。
【0069】参考例1 平均粒径4.5μm、融点327℃のPTFE粉末を用
いること以外は実施例1と同様に作業して、複合管状物
を得た。この複合管状物におけるPFA製管状外層の厚
さは8μm、表面粗さRzは3.2μm、表面抵抗は9
×104 Ω/□であった。
【0070】この管状物を実施例1と同様にして画像定
着装置の定着ベルトとして用いたところ、得られた画像
は均質な絹目状表面をしていた。また、連続通紙試験で
は試験開始時のスリップトルクは駆動トルクの2.6倍
であったが、15万枚通紙時点では1.3倍となりスリ
ップを生じ始めた。
【0071】参考例2 平均粒径4.5μm、融点327℃のPTFE粉末を用
いること以外は実施例2と同様に作業して、複合管状物
を得た。この複合管状物におけるPFA製管状外層の厚
さは8μm、表面粗さRzは3.7μm、表面抵抗は1
×105 Ω/□であった。
【0072】この管状物を実施例1と同様にして画像定
着装置の定着ベルトとして用いたところ、得られた画像
は均質な絹目状表面をしていた。また、連続通紙試験で
は試験開始時のスリップトルクは駆動トルクの2.7倍
であったが、15万枚通紙時点では1.2倍となりスリ
ップを生じ始めた。
【0073】
【発明の効果】本発明は上記のように構成され、ポリイ
ミド樹脂製管状層に低分子量PTFE粉末を分散含有さ
せたので、実施例にも示されるように摺動特性が優れ、
しかもスリップトルクが駆動トルクの2倍以上である期
間が長期にわたり持続する定着用ベルトを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ローラー定着法による画像形成装置の要部模式
図である。
【図2】ベルト定着法による画像形成装置の要部模式図
である。
【符号の説明】
1 熱プレス 2 プレスローラー 3 転写紙 4 ヒーター 5 感熱インク 6 画像 7 ローラー 8 ローラー 9 ヒーター 10 定着用ベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 15/20 103 (C08L 79/08 27:18) 9166−4J (72)発明者 藤田 時男 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 岩元 登志明 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 鵜飼 浩史 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド樹脂製管状層から成り、該管
    状層に数平均分子量が56000以下のポリテトラフル
    オロエチレン粉末が分散されていることを特徴とする管
    状物。
  2. 【請求項2】 数平均分子量が56000以下のポリテ
    トラフルオロエチレン粉末が分散せしめられたポリイミ
    ド樹脂製管状内層の外周面に、フッ素樹脂製管状外層が
    設けられていることを特徴とする複合管状物。
  3. 【請求項3】 フッ素樹脂製管状外層に粉末が分散せし
    められた請求項2記載の複合管状物。
  4. 【請求項4】 粉末が導電性粉末である請求項3記載の
    複合管状物。
JP5089824A 1993-04-16 1993-04-16 管状物 Expired - Lifetime JP2516310B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5089824A JP2516310B2 (ja) 1993-04-16 1993-04-16 管状物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5089824A JP2516310B2 (ja) 1993-04-16 1993-04-16 管状物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06298952A true JPH06298952A (ja) 1994-10-25
JP2516310B2 JP2516310B2 (ja) 1996-07-24

Family

ID=13981510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5089824A Expired - Lifetime JP2516310B2 (ja) 1993-04-16 1993-04-16 管状物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2516310B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE29605891U1 (de) * 1996-03-29 1996-06-20 Heuser Holger Führungsschlauch
JPH10237300A (ja) * 1997-02-25 1998-09-08 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 樹脂組成物
WO2002023280A1 (fr) * 2000-09-18 2002-03-21 Suzuka Fuji Xerox Co., Ltd. Element de transfert/fixation pour appareil electrophotographique
JP2002172627A (ja) * 2000-12-04 2002-06-18 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 樹脂ベルトの製造方法
WO2006088189A1 (ja) * 2005-02-21 2006-08-24 I.S.T Corporation 管状物体及びその製造方法
EP1808736A1 (en) * 2004-10-14 2007-07-18 Sumitomo Electric Fine Polymer, Inc. Film for pressure roller
EP1291734B1 (en) * 2001-09-07 2011-03-09 Xerox Corporation Fuser member having polyimide outer layer
JP2011059423A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Nitto Denko Corp 管状体
WO2020258945A1 (zh) * 2019-06-28 2020-12-30 脉通医疗科技(嘉兴)有限公司 一种医疗管材的制备方法及医疗管材

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0325481A (ja) * 1989-06-22 1991-02-04 Canon Inc 定着装置及び定着用フィルム
JPH0366914A (ja) * 1989-08-01 1991-03-22 Gunma Alum Kk 印刷機用被覆ロールおよびその製法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0325481A (ja) * 1989-06-22 1991-02-04 Canon Inc 定着装置及び定着用フィルム
JPH0366914A (ja) * 1989-08-01 1991-03-22 Gunma Alum Kk 印刷機用被覆ロールおよびその製法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE29605891U1 (de) * 1996-03-29 1996-06-20 Heuser Holger Führungsschlauch
JPH10237300A (ja) * 1997-02-25 1998-09-08 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 樹脂組成物
WO2002023280A1 (fr) * 2000-09-18 2002-03-21 Suzuka Fuji Xerox Co., Ltd. Element de transfert/fixation pour appareil electrophotographique
JP2002172627A (ja) * 2000-12-04 2002-06-18 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 樹脂ベルトの製造方法
EP1291734B1 (en) * 2001-09-07 2011-03-09 Xerox Corporation Fuser member having polyimide outer layer
EP1808736A1 (en) * 2004-10-14 2007-07-18 Sumitomo Electric Fine Polymer, Inc. Film for pressure roller
EP1808736A4 (en) * 2004-10-14 2007-12-12 Sumitomo Elec Fine Polymer Inc FILM FOR PRESS ROLL
WO2006088189A1 (ja) * 2005-02-21 2006-08-24 I.S.T Corporation 管状物体及びその製造方法
JP2011059423A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Nitto Denko Corp 管状体
WO2020258945A1 (zh) * 2019-06-28 2020-12-30 脉通医疗科技(嘉兴)有限公司 一种医疗管材的制备方法及医疗管材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2516310B2 (ja) 1996-07-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5411779A (en) Composite tubular article and process for producing the same
JP2516310B2 (ja) 管状物
JP5129059B2 (ja) ポリイミド管状体及びその製造方法
JP2007298814A (ja) 定着ベルト及びその製造方法
JPH05163360A (ja) 複合管状物
JP2011209578A (ja) 管状体およびその製造方法
JP2000147928A (ja) 複合管状物
JP3808585B2 (ja) カラー画像定着用複合管状体およびその製法
JP5101137B2 (ja) ポリイミドベルト及びその製造方法
JP3226326B2 (ja) 複合管状物の製造法
JP2005246793A (ja) 賦形加工したポリイミドフィルムの製造方法
JPH09328610A (ja) 耐熱樹脂製管状物
JP2006301196A (ja) シームレスベルト
JP2001215821A (ja) 定着ベルト及びその製造方法
JP5378831B2 (ja) 管状体およびその製造方法
JP4222909B2 (ja) 複合管状体
JPH09227692A (ja) 管状体およびその製法
JP3908346B2 (ja) ポリイミド樹脂製管状体の製法
JPH0243046A (ja) 複合管状物およびその製法
JPH11115117A (ja) 複合管状物
JPH068350A (ja) 複合管状物およびその製造法
JP2007293028A (ja) シームレスベルト
JP2000305377A (ja) 半導電性ベルト及びその製造方法
JP2002178422A (ja) 複合管状体
JP2004004393A (ja) シームレスベルトおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080430

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110430

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130430

Year of fee payment: 17

EXPY Cancellation because of completion of term