JPH11115117A - 複合管状物 - Google Patents

複合管状物

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JPH11115117A
JPH11115117A JP9283469A JP28346997A JPH11115117A JP H11115117 A JPH11115117 A JP H11115117A JP 9283469 A JP9283469 A JP 9283469A JP 28346997 A JP28346997 A JP 28346997A JP H11115117 A JPH11115117 A JP H11115117A
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JP
Japan
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tubular
tubular article
outer layer
polyimide resin
particles
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JP9283469A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Iwamoto
登志明 岩元
Masao Nakamura
正雄 中村
Hiroshi Ukai
浩史 鵜飼
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像定着装置の定着用ベルトとして用いるこ
とができ、表面がトナー等で汚れ難い複合管状物を提供
する。 【解決手段】 ポリイミド樹脂製管状内層11の外周面
に光触媒粒子を含有するフッ素樹脂製、フッ素ゴム製ま
たはシリコーンゴム製の管状外層12を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機、ファクシミ
リ、プリンタ等の画像形成装置の定着ベルト等に用いら
れる複合管状物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像形成装置における転写紙への画像定
着法として、熱ローラー定着法が知られている。この熱
ローラー定着法は、例えば、図1に示すように、熱ロー
ラー1とプレスローラー2とを対向配置し、転写紙3を
両ローラー1、2間に送り込む方法であり、熱ローラー
1に内蔵されるヒーター(図示省略)の発熱により転写
紙に仮着された感熱インク4を溶融定着させると共にプ
レスローラー2により加圧して定着を強固にし、それに
よって転写紙3上に感熱インクによる画像5を形成する
ものである。
【0003】かような熱ローラー定着法による場合、感
熱インクを転写紙に溶融定着させるため、定着作業毎に
熱ローラーの表面温度が感熱インクの溶融温度に達する
まで待たねばならず(この待ち時間は通常20秒を越え
る)、能率が悪いという問題がある。このため、熱ロー
ラー内のヒーターに常に電流を流し、熱ローラーを常時
加熱状態に維持しておくことも行なわれているが、消費
電力の増大が避けられない。
【0004】この問題を解決するため、ベルト定着法が
提案されている。この方法は、図2に示すように、隔離
状態に配置された2つのローラー6、7(このうちの一
方は駆動ローラーである)およびヒーター8に定着ベル
ト9を掛け渡すと共に、ヒーター8と対向させてプレス
ローラー2を配置しておき、定着ベルトを適宜の駆動源
(図示省略)により駆動し、感熱インク4が仮着された
転写紙3を定着ベルト9とプレスローラー2との間に送
り込むことにより、転写紙3上に感熱インクを溶融定着
させて画像5を形成するものである。
【0005】かような定着法に用いる定着ベルトとして
は、ポリイミド樹脂製管状内層と、フッ素樹脂製管状外
層から成る複合管状物(特開平3−130149号公
報)や、ポリイミド樹脂製管状内層と、フッ素ゴム製ま
たはシリコーンゴム製の管状外層から成る複合管状物
(特開平5−154963号公報)が知られている。
【0006】これら管状物は薄くて熱容量が小さく、ヒ
ーターの加熱により直ちに定着可能温度に達するので、
ベルト定着法は熱ローラー定着法に比べ待ち時間を短縮
できる利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ベルト定着
法においてはトナーの付着に起因するベルト表面の汚れ
が不可避的であり、稼働時間の経過につれて付着量が増
え、オフセット不良を生じたり、転写紙の裏面に汚れを
生じたりすることがある。
【0008】このため、定着ベルト9にパッドやウェー
ブ等から成るクリーニング部材10を押圧配置し、この
押圧力によりベルト表面に付着したトナーを除去するよ
うにしている。しかし、押圧により、ベルト表面に傷が
生じたり、ベルトが破損するという新たな問題を引き起
こしている。
【0009】本発明はかような事情に鑑みてなされたも
ので、自身が汚れ除去機能を有し、定着ベルトとして好
適な複合管状物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る複合管状物
はポリイミド樹脂製管状内層と、フッ素樹脂製管状外層
を有し、且つ、該フッ素樹脂製管状外層が光触媒粒子を
含有することを特徴とするものである。
【0011】また、本発明に係る複合管状物はフッ素樹
脂製管状外層に代え、光触媒粒子を含有するシリコーン
ゴム製管状外層またはフッ素ゴム製管状外層を設けた構
成とすることもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る複合管状物は図3に
示すように、ポリイミド樹脂から成る管状内層11と、
フッ素樹脂、フッ素ゴムあるいはシリコンーゴムから成
る管状外層12から成るものである。この複合管状物に
おける内層、外層の厚さは適宜設定できるが、通常、内
層は5〜150μm、外層は3〜300μmである。
【0013】この複合管状物における管状外層2を形成
するフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合
体(ETFE)等を用いることができるが、耐熱性の点
からはPTFEが好ましい。
【0014】本発明に係る複合管状物において重要なこ
とは管状外層が光触媒粒子を含有していることである。
かように管状外層が光触媒粒子を含有する複合管状物は
画像形成装置の定着ベルト等として組み込むと、装置の
稼働時に装置内の帯電器からのコロナ放電や原稿照明用
の蛍光灯等の光により光触媒粒子が励起され、それによ
って表面に付着したトナー等の有機物を分解除去するこ
とができる。
【0015】上記の光触媒作用を有する粒子としては既
に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化鉄、
チタン酸ストロンチウム等が知られており、本発明にお
いてもこれらを限定なく使用できるが、触媒機能が高
く、化学的に安定で無害である酸化チタンが好ましい。
そして、この酸化チタンとしては触媒活性度の高いアナ
ターゼ型が好適であるが、ルチル型を使用することもで
きる。なお、本発明に用いる光触媒粒子の粒径は、通
常、1μm以下である。また、管状外層における光触媒
粒子の含有量は該外層の本来の機能である離型性、およ
び管状内層と管状外層の接着性の維持の点から10〜5
0重量%とするのが好ましい。
【0016】本発明に係る複合管状物は、例えば、シリ
ンダーの内周面にポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶
液を塗布し、次いで、加熱してポリアミド酸をイミド転
化させることによりポリイミド樹脂管状物を形成させ、
その後、この管状物をシリンダー内周面から剥離して取
り出し、次に、該管状物の外周面にフッ素樹脂製、フッ
素ゴム製またはシリコーンゴム製の管状層を形成する方
法により得ることができる。
【0017】この方法においては、先ず、金属、ガラ
ス、セラミック等の耐熱性材料から成るシリンダーの内
周面にポリアミド酸溶液を塗布する。シリンダー内周面
へのポリアミド酸溶液の塗布は、ポリアミド酸溶液中に
シリンダーを浸漬して引き上げたり、あるいはシリンダ
ーの片端開口部にポリアミド酸溶液を供給した後、該シ
リンダー内に走行体(弾丸状、球状等)を走行させたり
する等適宜の手段で行なうことができる。そして、走行
体の走行はシリンダーを垂直に立てて行なう自重走行の
他、圧縮空気やガス爆発力を利用する方法、牽引ワイヤ
ーを利用して走行体を引っ張る方法等による。なお、塗
布作業性の点からポリアミド酸溶液の粘度(塗布作業時
の温度でB型粘度計での測定値)は約10〜100ポイ
ズとするのが好ましい。
【0018】このようにしてシリンダー内周面にポリア
ミド酸溶液を塗布した後加熱して、ポリアミド酸をイミ
ド転化させシリンダー内周面にポリイミド樹脂管状物を
形成させる。ポリイミド樹脂管状物の形成温度は適宜設
定できるが、先ず、約80〜180℃の低温で加熱しイ
ミド転化の際に発生する閉環水および溶媒を蒸発除去
し、次いで、約250〜400℃に昇温させてイミド転
化を終了させる多段加熱法を採用するのが好ましい。加
熱時間は加熱温度に応じて設定するが、通常、低温加熱
およびその後の高温加熱とも約20〜60分である。こ
の多段加熱法を採用すれば、イミド転化に伴って発生す
る閉環水や溶媒の蒸発に起因するポリイミド樹脂管状物
へのボイドの発生を防止できる。
【0019】そして、シリンダーの内周面にポリイミド
樹脂管状物を形成した後、該管状物をシリンダー内周面
から剥離する。剥離作業は、例えば、シリンダーの端部
に予め小貫通孔を設けておき、ポリイミド樹脂管状物を
形成した後、この孔に空気を圧送する方法等により行う
ことができる。なお、シリンダー内周面に予めシリコー
ン樹脂等を塗布して離型処理しておけば、ポリイミド樹
脂管状物の剥離作業性が向上する。
【0020】上記ポリイミド樹脂管状物の形成に用いる
ポリアミド酸溶液は、例えば、テトラカルボン酸二無水
物とジアミンの略等モルを有機極性溶媒中で反応させて
得ることができる。
【0021】このテトラカルボン酸二無水物は下記化1
で示される。
【0022】
【化1】
【0023】(式中、Rは4価の有機基であり、芳香
族、脂肪族、環状脂肪族、芳香族と脂肪族を組み合わせ
たもの、またはそれらの置換された基である。)
【0024】そして、該テトラカルボン酸二無水物の具
体例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3´,
4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、2,3,3´,4´−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、2,2´−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)スルホン二無水物、ペリレン−3,
4,9,,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0025】また、かようなテトラカルボン酸二無水物
と反応させるジアミンの具体例としては4,4´−ジア
ミノジフェニルエーテル、3,3´−ジアミノジフェニ
ルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、
3,3´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジク
ロロベンジジン、4,4´−アミノジフェニルスルフィ
ド、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−
ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フ
ェニレンジアミン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジ
アミノビフェニル、ベンジジン、3,3´−ジメチルベ
ンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、4,4´
−ジアミノフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフ
ェニルスルフィド、4,4´−ジアミノジフェニルプロ
パン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエ
ン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エー
テル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベ
ンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノペ
ンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フ
ェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシ
リレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミ
ン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、
デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレ
ンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,
4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジア
ミノドデカン、1,2−ビス−(3−アミノプロボキ
シ)エタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3
−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチル
ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルペンタメチ
レンジアミン、3−メチルペンタメチレンジアミン、5
−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエ
イコサジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、
1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,
12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス−〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラ
ジン、H2 N(CH2 )O(CH2 )O(CH2 )NH
2 、H2 N(CH2 3 S(CH2 3 NH2 、H2
(CH2 3 N(CH3 )(CH2 )NH3 、等が挙げ
られる。
【0026】更に、テトラカルボン酸二無水物とジアミ
ンとを反応させる際に用いる有機極性溶媒の好ましい例
として、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド等のN,N−ジアルキルアミド類を挙
げることができる。これらは蒸発、置換、拡散等により
ポリアミド酸溶液から容易に除去できる。また、上記以
外の極性溶媒、例えば、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
メトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサ
メチルホスホルアミド、N−メチル−2−ピロリドン、
ピリジン、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホ
ン、ジメチルテトラメチレンスルホン等を使用すること
もでき、これら有機極性溶媒は単独あるいは二種以上を
併用してもよい。
【0027】なお、これら極性溶媒にクレゾール、フェ
ノール、キシレノール等のフェノール類、ベンゾニトリ
ル、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の一種以上を混合
することもできる。ただし、生成するポリアミド酸の加
水分解による低分子量化を防止するため、水の使用は避
けるのが好ましい。
【0028】上記テトラカルボン酸二無水物とジアミン
を有機極性溶媒中で約0.5〜10時間反応させること
によりポリアミド酸溶液が得られる。反応時におけるモ
ノマー濃度は種々の要因に応じて設定できるが、通常、
約5〜30重量%である。また、反応温度は80℃以下
に設定するのが好ましい(より好ましくは5〜60
℃)。
【0029】このようにして有機極性溶媒中でテトラカ
ルボン酸二無水物とジアミンを反応させるとその進行に
伴い溶液粘度が上昇するが、対数粘度[η]が0.5以
上のポリアミド酸を得るのが好ましい。対数粘度[η]
が0.5以上のポリアミド酸を用いて形成されるポリイ
ミド樹脂管状物は耐熱性が特に優れているという利点が
ある。なお、上記対数粘度は毛細管粘度計を用いてポリ
アミド酸溶液と溶媒の落下時間を各々測定し、下記数1
によって算出される価である。
【0030】
【数1】
【0031】(式中、t0 は溶媒の落下時間、t1 は溶
液の落下時間、Cは溶液中におけるポリアミド酸の濃度
(g/dl)である。
【0032】この方法においては、かようにして得られ
たポリイミド樹脂管状物の外周面に光触媒粒子を含有す
るフッ素樹脂製、フッ素ゴム製あるいはシリコーンゴム
製の管状外層が形成される。
【0033】ポリイミド樹脂管状物の外周面にフッ素樹
脂製管状外層を形成するには、該ポリイミド樹脂管状物
の外周面にスプレー塗布や刷毛塗り等によりフッ素樹脂
ディスパージョンを塗布した後加熱すればよい。ディス
パージョン塗布後の加熱は、形成される管状外層へのボ
イドの発生を防止するため、先ず、ディスパージョンの
溶媒(通常は水)を除去した後、フッ素樹脂の融点以上
に昇温する多段加熱法を採用するのが好ましい。なお、
塗布および加熱を繰り返し行なうことによりフッ素樹脂
製管状外層の厚さを調整できる。
【0034】ここで用いるディスパージョンはPTF
E、FEP、PFA、ETFE等のフッ素樹脂粉末と光
触媒粒子を水等に分散させたものであり、ポリイミド樹
脂管状物への塗布作業性を考慮すると、フッ素樹脂粉末
濃度を約5〜60重量%とし、粘度(塗布作業時の温度
でB型粘度計での測定値)を約1〜100ポイズとする
のが好ましい。
【0035】また、ポリイミド樹脂管状物の外周面にフ
ッ素ゴム製管状外層を形成するには、該管状物の外周面
にスプレー塗布や刷毛塗り等によりフッ素ゴム溶液(光
触媒粒子を分散させたもの)を塗布した後、約80〜1
50℃で10〜30分加熱して溶媒を除去し、次いで、
約200〜350℃に昇温し約1〜60分加熱すればよ
い。
【0036】更に、ポリイミド樹脂管状物の外周面にシ
リコーンゴム製管状外層を形成するには、該管状物の外
周面に上記と同様にしてシリコーンゴム溶液(光触媒粒
子を分散させたもの)を塗布した後、約約20〜150
℃で約1〜24時間硬化させればよい。
【0037】なお、ポリイミド樹脂製管状内層とその管
状外層との層間強度を向上させるため、管状外層の形成
に先立ち、ポリイミド樹脂管状物の外周面を接着処理し
ておくことができる。この処理法としては、アルカリ処
理、プライマー処理、超音波処理、エッチング処理等の
ウエット処理、あるいはコロナ法典処理、プラズマ処
理、紫外線照射処理、電子線照射処理、シーザー処理等
のドライ処理を挙げることができる。これら処理は単独
であるいは2種以上を組み合わせて行うことができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0039】実施例1 3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物と、p−フェニレンジアミンの略等モルをN−メチ
ル−2−ピロリドン(NMP)に溶解(モノマー濃度2
0重量%)し、20℃で6時間反応させて回転粘度33
000ポイズ(温度20℃、B型粘度計で測定)、対数
粘度2.6のポリアミド酸溶液を作製する。次いで、こ
の溶液100重量部に対して、NMP33重量部を添加
して希釈し、更に、50℃に加温してポリアミド酸溶液
の粘度を150ポイズに調整する。
【0040】この粘度調整したポリアミド酸溶液を内径
50mm、肉厚5mm、長さ500mmで内周面が平滑
なステンレス製シリンダーの片端開口部に供給し、外径
49.4mmの弾丸状走行体を自重走行させ、ポリアミ
ド酸溶液をシリンダー内周面に塗布する。その後、温度
70℃で60分間加熱し、更に、300℃まで昇温し6
0分間加熱し、溶媒の除去、閉環水の除去およびイミド
転化を行い、室温まで冷却してポリイミド樹脂管状物を
形成する。
【0041】次に、シリンダー両端開口部に栓をし、該
開口部付近に予め設けておいた小貫通孔に空気を圧送す
ることによりポリイミド樹脂管状物をシリンダー内周面
から剥離して取り出し、管状物の両端を切捨てた。得ら
れたポリイミド樹脂管状物は外径50mm、内径49.
94mm、長さ450mmであった。
【0042】このポリイミド樹脂管状物の外周面にポリ
イミド系導電性プライマーをスプレー塗布し、温度15
0℃で10分間風乾する。
【0043】一方、これとは別に下記A液100重量部
とB液80重量部を用いて混合ディスパージョンを得
る。
【0044】A液:PFA粉末濃度60重量%の水性デ
ィスパージョン(デュポン社製、商品名TE−334
J) B液:アナターゼ型酸化チタン粒子(石原産業社製、商
品名ST−01)40重量%およびカーボンブラック粉
末16.2重量%を含む水性ディスパージョン
【0045】この混合ディスパージョン中にプライマー
層形成ポリイミド樹脂管状物を浸漬して引上げ、100
℃で10分間加熱し、次に、400℃で5分間加熱する
ことにより、酸化チタン粒子含有PFA製管状外層(厚
さ10μm)の形成された複合管状物を得た。この複合
管状物の表面粗さ(Rz)は4.2μm、表面抵抗は1
×1010Ω/□であった。
【0046】この複合管状物を長さ300mmに切断し
て画像定着装置の定着用ベルト(エンドレスベルト)と
して用いたところ、トナー残渣等の汚れが分解され、オ
フセット性が良好であることが確認された。また、連続
通紙試験では10万枚でも転写紙の裏面が汚れるような
不都合は生じなかった。
【0047】実施例2 シリコーンゴム溶液(信越化学工業社製、商品名KE−
1833)を固形分濃度が30重量%になるようにトル
エンで希釈する。次に、この希釈液に実施例1で用いた
のと同じ酸化チタン粒子を加え(シリコーンゴム100
重量部に対し、酸化チタン粒子が30重量部の割合にな
るように加える)均一に分散させる。
【0048】この酸化チタン粒子分散シリコーンゴム溶
液を実施例1と同様にして得たプライマー層形成ポリイ
ミド樹脂管状物のプライマー層形成面にスプレー塗布す
る。そして、120℃で10分間加熱し、更に、200
℃で30分間加熱してシリコーンゴムを硬化させること
により酸化チタン粒子含有シリコーンゴム製管状外層
(厚さ40μm)を形成させる。得られた複合管状物の
表面粗さ(Rz)は3.8μm、表面抵抗は1010Ω/
□であった。
【0049】この複合管状物を幅300mmに切断して
画像定着装置の定着用ベルト(エンドレスベルト)とし
て用いたところ、トナー残渣等の汚れが分解し、オフセ
ット性が良好であることが確認された。また、連続通紙
試験では10万枚でも転写紙の裏面が汚れるような不都
合は生じなかった。
【0050】実施例3 フッ素ゴム溶液(ダイキン工業社製、商品名ダイエルラ
テックス GLS−213)を固形分濃度が30重量%
になるように水で希釈する。次に、この希釈液に実施例
1で用いたのと同じ酸化チタン粒子を加え(フッ素ゴム
100重量部に対し、酸化チタン粉末が30重量部の割
合になるように加える)均一に分散させる。
【0051】この酸化チタン粒子分散フッ素ゴム溶液を
実施例1と同様にして得たプライマー層形成ポリイミド
樹脂管状物のプライマー層形成面にスプレー塗布する。
そして、100℃で15分間加熱し、更に、300℃で
5分間加熱して酸化チタン粒子含有フッ素ゴム製管状外
層(厚さ30μm)を形成させる。得られた複合管状物
の表面粗さ(Rz)は3.8μm、表面抵抗は109 Ω
/□であった。
【0052】この複合管状物を幅300mmに切断して
画像定着装置の定着用ベルト(エンドレスベルト)とし
て用いたところ、トナー残渣等の汚れが分解し、オフセ
ット性が良好であることが確認された。また、連続通紙
試験では10万枚でも転写紙の裏面が汚れるような不都
合は生じなかった。
【0053】比較例 酸化チタン粒子を使用しないこと以外は実施例1と同様
に作業して複合管状物を得た。
【0054】この複合管状物を幅300mmに切断して
画像定着装置の定着用ベルト(エンドレスベルト)とし
て用いたところ、ベルト表面がトナー残渣等の汚れてし
まった。また、連続通紙試験を行ったところ、約1万枚
で転写紙の裏面に汚れが発生した。
【0055】
【発明の効果】本発明は上記のように構成され、ポリイ
ミド樹脂製管状内層の外周面に光触媒粒子含有管状外層
が形成されているので、トナー等の残渣を分解でき、表
面が汚れ難い定着ベルトを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱ローラー定着法による画像形成装置の定着機
構部の模式図である。
【図2】ベルト定着法による画像形成装置の定着機構部
の模式図である。
【図3】本発明に係る複合管状物の実例を示す正面図で
ある。
【符号の説明】
11 管状内層 12 管状外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 15/20 101 G03G 15/20 101

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド樹脂製管状内層と、フッ素樹
    脂製管状外層を有し、且つ、該管状外層が光触媒粒子を
    含有することを特徴とする複合管状物。
  2. 【請求項2】 ポリイミド樹脂製管状内層と、フッ素ゴ
    ムまたはシリコーンゴムから成る管状外層を有し、且
    つ、該管状外層が光触媒粒子を含有することを特徴とす
    る複合管状物。
  3. 【請求項3】 管状外層における光触媒粒子の含有量が
    10〜50重量%である請求項1または2記載の複合管
    状物。
JP9283469A 1997-10-16 1997-10-16 複合管状物 Pending JPH11115117A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8329301B2 (en) 2009-07-29 2012-12-11 Xerox Corporation Fluoroelastomer containing intermediate transfer members
US8431220B2 (en) * 2009-06-05 2013-04-30 Xerox Corporation Hydrophobic coatings and their processes
JP2019206753A (ja) * 2018-05-28 2019-12-05 トヨタ自動車株式会社 水分解酸素発生用のポリイミド/炭素繊維布電極及びその製造方法

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