JP3256530B2 - カラー画像定着用複合管状物の製法 - Google Patents

カラー画像定着用複合管状物の製法

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JP3256530B2 JP2000115437A JP2000115437A JP3256530B2 JP 3256530 B2 JP3256530 B2 JP 3256530B2 JP 2000115437 A JP2000115437 A JP 2000115437A JP 2000115437 A JP2000115437 A JP 2000115437A JP 3256530 B2 JP3256530 B2 JP 3256530B2
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時男 藤田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機,ファクシ
ミリ,プリンタ等のカラー画像形成装置の定着ベルト等
に用いられるカラー画像定着用複合管状物の製法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、複写機,ファクシミリ,プリ
ンタ等の画像形成装置における転写紙等への画像の定着
システムの一つとして、図3に示すように、駆動ロール
2とロール3との間に導電性粒子を含有するフッ素樹脂
とポリイミド樹脂とからなる柔軟な複合管状物の定着ベ
ルト1を架け渡し、上記駆動ロール2およびロール3間
に配置されている定着ヒーター4により定着ベルト(エ
ンドレスベルト)1を局所的に加熱し、定着ベルト1と
加圧ロール5の間に転写紙6を挿入し、トナー7を定着
させる方式が採用されている。このような定着ベルト1
の製法は、例えばつぎのようにして製造される。すなわ
ち、ポリイミド樹脂前駆体(ポリアミド酸溶液)をシリ
ンダー(金型)内周面に塗布してシリンダー内に弾丸状
ないしは球状体のような走行体を走行させる。ついで、
シリンダーから上記ポリアミド酸をイミド化してポリイ
ミド樹脂製管状物を取り出し、このポリイミド樹脂製管
状物の外周面に導電性物質が分散されたフッ素樹脂溶液
をスプレーコートして導電性フッ素樹脂層を形成するこ
とにより定着ベルト1である複合管状物が製造される
(特開平3−130149号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記外
周に導電性フッ素樹脂層を有する複合管状物は、より高
いトナー定着性が要求される分野、例えばカラー複写機
等に用いられる定着ベルトとして用いてもトナーの定着
が不充分で鮮明な複写画像が得られ難いという問題を有
している。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、膜厚が均一でより高い定着性を有するカラー画
像定着用複合管状物の製法の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリイミド樹
脂製管状物の外周面にシリコーンゴム溶液もしくはフッ
素ゴム溶液を塗布した後、この管状物に円筒体を外挿配
置して上記ポリイミド樹脂製管状物に対して円筒体を
重走行法により走行させ、これによりポリイミド樹脂製
管状物の外周面上上記溶液からなる塗布層の均厚化等
を行い、上記ポリイミド樹脂製管状物の外周面にシリコ
ーンゴム製管状外層もしくはフッ素ゴム製管状外層を形
成するカラー画像定着用複合管状物の製法をその要旨と
する。
【0006】すなわち、本発明は、ポリイミド樹脂製管
状物の外周面にシリコーンゴム溶液もしくはフッ素ゴム
溶液を塗布し、上記ポリイミド樹脂製管状物に円筒体を
外挿配置し上記円筒体を管状物に対して自重走行法によ
走行させることによりポリイミド樹脂製管状物の外周
面にシリコーンゴム製管状外層もしくはフッ素ゴム製管
状外層を形成して均一な皮膜を形成すると同時にポリイ
ミド樹脂製管状物に圧着させて複合管状物を形成する。
このようにして均一な層厚みを備えたカラー画像定着用
複合管状物が得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を実施の形態に基
づいて詳しく説明する。
【0008】本発明の複合管状物の製法により得られる
カラー画像定着用複合管状物は、シリコーンゴムと、フ
ッ素ゴムと、ポリイミド樹脂の前駆体としてポリアミド
酸とを用いて製造される。
【0009】上記シリコーンゴムとしては、液状で用い
られ、例えば市販されている室温硬化性シリコーンゴム
(シリコーンRTVゴム)等があげられる。また、上記
フッ素ゴムとしては、溶液状(ディスパージョンを含
む)で用いられ、例えば市販されているFKM(VDF
−HFP系フッ素ゴムの二元系および三元系共重合体)
系ラテックス等があげられる。
【0010】上記ポリアミド酸はテトラカルボン酸二無
水物あるいはその誘導体とジアミンの略等モルを有機極
性溶媒中で反応させることにより得られるもので、通常
溶液状で用いられる。
【0011】上記テトラカルボン酸二無水物としては、
下記の一般式で表されるものがあげられる。
【0012】
【化1】
【0013】〔式中、Rは4価の有機基であり、芳香
族,脂肪族,環状脂肪族,芳香族と脂肪族とを組み合わ
せたもの、またはそれらの置換された基である。〕
【0014】例えば、ピロメリット酸二無水物、3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,3,3′,4−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラ
カルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテト
ラカルボン酸二無水物、2,2′−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ペリレン−
3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
エチレンテトラカルボン酸二無水物等があげられる。
【0015】上記ジアミンとしては、4,4′−ジアミ
ノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニル
メタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、3,
3′−ジクロロベンジジン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルスルフィド−3,3′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジア
ミン、p−フェニレンジアミン、3,3′−ジメチル−
4,4′−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3′
−ジメチルベンジジン、3,3′−ジメトキシベンジジ
ン、4,4′−ジアミノフェニルスルホン、4,4′−
ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジ
フェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ−第三ブ
チル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフ
ェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノ
フェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−
5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−
2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジア
ミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロ
ヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメ
チレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレ
ンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピル
テトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、
4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−
ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロポキ
シエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−
メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘ
キサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレ
ンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−
メチルノナメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデ
カン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジ
アミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10
−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジ
アミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、
【0016】H2 N(CH2 3 O(CH2 2 O(C
2 )NH2
【0017】H2 N(CH2 3 S(CH2 3
2
【0018】H2 N(CH2 3 N(CH3 )(C
2 3 NH2
【0019】等があげられる。
【0020】さらに、ポリアミド酸の合成時に用いられ
る上記有機極性溶媒は、その官能基がテトラカルボン酸
二無水物またはジアミンと反応しない双極子を有するも
のである。そして、系に対し不活性であり、かつ生成物
であるポリアミド酸に対して溶媒として作用すること以
外に、反応成分の少なくとも一方、好ましくは両者に対
して溶媒として作用しなければならない。特に、上記有
機極性溶媒としては、N,N−ジアルキルアミド類が有
用であり、例えばこれの低分子量のものであるN,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
等があげられる。これらは蒸発,置換または拡散により
ポリアミド酸およびポリアミド酸成形品から容易に除去
することができる。また、上記以外の有機極性溶媒とし
て、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチル
アセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリ
アミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、テト
ラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン
等があげられる。これらは単独で使用してもよいし、併
せて用いても差し支えない。さらに、上記有機極性溶媒
にクレゾール,フェノール,キシレノール等のフェノー
ル類、ベンゾニトリル、ジオキサン、ブチロラクトン、
キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トル
エン等を単独でもしくは併せて混合することもできる
が、水の添加は好ましくない。すなわち、水の存在によ
ってポリアミド酸が加水分解して低分子量化するため、
ポリアミド酸の合成は実質上無水条件下で行う必要があ
る。
【0021】上記のテトラカルボン酸二無水物(a)と
ジアミン(b)とを有機極性溶媒中で反応させることに
よりポリアミド酸が得られる。その際のモノマー濃度
〔溶媒中における(a)+(b)の濃度〕は、種々の条
件に応じて設定される。しかし、通常、5〜30重量%
(以下「%」と略す)である。また、反応温度は80℃
以下に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜5
0℃であり、反応時間は約0.5〜10時間である。
【0022】このようにして酸二無水物成分原料とジア
ミン成分原料とを有機極性溶媒中で反応させることによ
りポリアミド酸が生成し、その反応の進行に伴い溶液粘
度が上昇する。この発明においては対数粘度が0.5以
上のポリアミド酸を合成し、これを用いることが好まし
い。すなわち、対数粘度が0.5以上のポリアミド酸を
用いて形成されるポリイミド管状物は、熱劣化に対する
信頼性がそれ未満のものに対して特に優れているからで
ある。
【0023】なお、上記ポリアミド酸の対数粘度は、ポ
リアミド酸溶液を毛細管粘度計によって測定し、下記の
式から算出される値である。
【0024】
【数1】
【0025】このようなポリアミド酸溶液は、使用する
際に、粘度が高い場合には適当な溶媒で希釈して粘度を
低くして用いる。例えば、ポリアミド酸溶液の粘度は、
塗布厚み,シリンダーの内径,溶液温度,走行体の形状
等に応じて設定されるが、通常、10〜10000ポイ
ズ(塗布作業時の温度で、B型粘度計での測定値)に設
定される。また、ポリアミド酸溶液中のポリアミド酸濃
度は、効果の点から上記のように5〜30%に設定する
のが好ましく、特に好ましくは10〜20%である。
【0026】本発明のカラー画像定着用複合管状物の製
法では、シリコーンゴムもしくはフッ素ゴムと、上記の
ようにして得られるポリアミド酸の有機極性溶媒溶液を
用い、つぎのような方法により2層構造の複合管状物を
製造することができる。
【0027】上記2層構造の複合管状物の製法は、つぎ
のような製法である。すなわち、まず従来の方法にした
がってポリイミド樹脂製管状物を作製する。このポリイ
ミド樹脂製管状物の製法としては、例えばシリンダーの
内周面にポリアミド酸を塗布する。上記塗布方法として
は、ポリアミド酸溶液中に上記シリンダーを浸漬した
後引上げ塗布する方法、シリンダーの片端部付近にポ
リアミド酸溶液を供給し弾丸状または球状の走行体をシ
リンダー内周面に沿って走行させる方法の二通りがあげ
られ、状況等に応じて適宜選択される。上記弾丸状また
は球状の走行体としては、金属製,硬質プラスチック
製,硬質ガラス製のものがあげられ、それを走行させる
方法としては、圧縮空気圧,ガス爆発力等を利用し走行
体を走行付勢させたり、牽引ワイヤ等を利用し走行体を
引っ張ることや、自重走行(シリンダーを垂直に立て走
行体をその自重により走行させる)等が行われる。ま
た、上記の方法において、シリンダー内周面にポリア
ミド酸溶液を塗布した後、必要により弾丸状または球状
の走行体をシリンダー内周面に沿って走行させてもよ
い。そして、塗布されたポリアミド酸を加熱することに
よりイミド化する。このイミド化における加熱は、まず
温度80〜180℃で20〜60分間加熱して溶媒を除
去し、ついで温度250〜400℃で20〜60分間加
熱することが行われる。これによりイミド化時に生じる
閉環水等を蒸発させるとともにイミド化が完全に行われ
る。このようにしてポリイミド樹脂製管状物が得られ、
上記ポリイミド樹脂製管状物を上記シリンダーから取り
出す。この場合、上記ポリイミド樹脂製管状物の厚みは
10〜150μmの範囲内になるよう形成するのが好ま
しい。そして、上記ポリイミド樹脂製管状物の外周面に
シリコーンゴム溶液もしくはフッ素ゴム溶液を塗布す
る。このポリイミド樹脂製管状物の外周面上に溶液を塗
布する際に、上記ポリイミド樹脂製管状物の内周径より
やや小さな外周径を有するシリンダーに上記ポリイミド
樹脂製管状物を嵌挿してもよい。そして、上記溶液の塗
布された管状物に円筒体を外挿配置させる。ついで、
記管状物に対して上記円筒体を自重走行法により走行さ
せ、塗布厚みを均一にする。そして、シリコーンゴム溶
液塗布の場合は、温度20〜150℃で1〜24時間放
置し硬化させることによりシリコーンゴム製管状外層が
得られる。また、フッ素ゴム溶液塗布の場合は、温度8
0〜150℃で10〜30分間加熱して溶媒を除去し、
ついで温度200〜350℃で1〜60分間加熱を行う
ことによりフッ素ゴム製管状外層が得られる。この場
合、上記シリコーンゴム製管状外層およびフッ素ゴム製
管状外層の厚みは1〜300μmの範囲内になるよう形
成するのが好ましい。
【0028】上記法において、ポリイミド樹脂製管状
物の外周面にフッ素ゴム製管状外層もしくはシリコーン
ゴム製管状外層を形成するに先立って、上記内層(ポリ
イミド樹脂製管状物)と外層(フッ素ゴム製管状外層も
しくはシリコーンゴム製管状外層)の層間接着強度を向
上させるために、ポリイミド樹脂製管状物の外周面を表
面処理した後、外層を形成することが好ましい。上記表
面処理方法としては、アルカリ処理,プライマー処理,
超音波処理,エッチング処理等のウェット処理、コロナ
処理,プラズマ処理,紫外線(UV)照射処理,電子処
理,レーザー処理等のドライ処理があげられ、これらの
処理方法は単独でもしくは組み合わせて行われる。な
お、上記処理のなかでもアルカリ処理,プライマー処
理,コロナ処理,プラズマ処理,UV照射処理が作業性
の点で好ましい。
【0029】上記製法により得られる複合管状物は、図
1に示すように、ポリイミド樹脂製管状内層(ポリイミ
ド樹脂製管状物)9の外周に、シリコーンゴム製管状外
層もしくはフッ素ゴム製管状外層8が形成されたもので
ある。
【0030】このようにして得られる複合管状物は、各
層の厚みが均一に形成されており、ポリイミド樹脂製管
状物の外周にシリコーンゴム製もしくはフッ素ゴム製の
管状外層が形成され、その表面が平滑であるため、例え
ば高画質の画像形成装置の定着用ベルト等に極めて有用
である。また、トナーのオフセット防止用には、外周面
に形成された上記シリコーンゴム製もしくはフッ素ゴム
製の管状外層8にシリコーンオイルを含浸させることが
好ましい。
【0031】また、上記複合管状物では、上記2層構造
に限らず3層構造のものがあげられる。すなわち、図2
に示すように、ポリイミド樹脂製管状物9の外周に、シ
リコーンゴム製管状層(中間層)10が形成され、さら
に上記シリコーンゴム製管状層10の外周にフッ素ゴム
製管状層(最外層)11が形成されたものがあげられ
る。また、上記ポリイミド樹脂製管状物9の外周に、上
記構成とは逆に、フッ素ゴム製管状層(中間層)が形成
され、上記フッ素ゴム製管状層の外周にシリコーンゴム
製管状層(最外層)が形成された3層構造のものもあげ
られる。
【0032】上記3層構造の複合管状物は、例えば前記
2層構造の複合管状物の製法におけるポリイミド樹脂製
管状物9の外周面にシリコーンゴム製管状外層もしくは
フッ素ゴム製管状外層を形成するという方法を再度繰り
返し行うことにより得られる。なお、この3層構造の複
合管状物において、中間層と最外層の層間接着強度を向
上させるために、中間層を形成して、上記と同様の表面
処理方法を用いて中間層の外周面を表面処理した後、最
外層を形成することが好ましい。
【0033】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0034】
【実施例1】3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミンの略等モ
ルを、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解
(モノマー濃度20%)し、温度20℃で5時間反応さ
せて回転粘度35000ポイズ(B型粘度計にて測
定)、対数粘度2.8のポリアミド酸溶液を作製した。
ついで、この溶液100重量部(以下「部」と略す)に
対して、NMPを33部添加して希釈し、さらに50℃
に加温して粘度150ポイズのポリアミド酸溶液に調整
した。
【0035】上記ポリアミド酸溶液を、内径50mm,肉
厚5mm,長さ500mmで内周面を平滑に仕上げられたス
テンレス製シリンダーの内周面に塗布し、外径49.4
mmの弾丸状走行体を用いて自重走行方法により速度50
mm/分で走行させて、ポリアミド酸溶液をシリンダー内
周面に均一に塗布した。塗布した後、温度70℃で60
分間乾燥させ、さらに70℃から300℃まで0.8℃
/分の速度で昇温した。その後、300℃で60分間加
熱して溶媒の除去,閉環水の除去,イミド化を行い、室
温まで冷却してポリイミド樹脂製管状物を得た。
【0036】ついで、シリンダー両端開口部を栓して、
予めシリンダー開口部付近に設けられた小貫通孔から空
気を圧送することによって、ポリイミド樹脂製管状物を
シリンダーから剥離させ取り出した。なお、上記ポリイ
ミド樹脂製管状物は、両端を切捨て、外径50mm,内径
49.94mm,長さ450mm,厚み30μmの管状物と
した。
【0037】このようにして得られたポリイミド樹脂製
管状物の外周面に、シリコーン系プライマーを均一にス
プレーコートし、30分間風乾してプライマー層を形成
した。
【0038】このプライマー層の形成されたポリイミド
樹脂製管状物を、外径49.92mm,内厚5mm,長さ5
00mmで外周面を平滑に仕上げたステンレス製シリンダ
ーの外周に嵌挿した。そして、ポリイミド樹脂製管状物
の外周面に、RTVシリコーンゴム(KE−1400,
信越化学工業社製)に硬化剤(CAT−1400,信越
化学工業社製)を添加した溶液を塗布した。この際、シ
リンダーに嵌挿したポリイミド樹脂製管状物の外周面に
沿って、内径50.3mmの円筒状の走行体を用いて自重
走行方法により速度50mm/分で走行させた。塗布後、
温度25℃,湿度50%RHで12時間放置してポリイ
ミド樹脂製管状物の外周にシリコーンゴム製管状外層を
有した2層構造の複合管状物を得た。この複合管状物の
総厚みは150μmであり、そのうちシリコーンゴム製
管状外層の厚みは120μmであった。
【0039】また、トナーのオフセット防止として、上
記複合管状物のシリコーンゴム製管状外層にシリコーン
オイル(KF−96−100CS,信越化学工業社製)
を温度115℃,8時間の条件で含浸させた。この複合
管状物を、図3に示すようなカラー画像定着装置の定着
用ベルト(エンドレスベルト)1として用いたところ、
トナーの定着性が良好なカラー定着システムが得られ、
得られた画像は品質の優れたものであった。
【0040】
【比較例1】実施例1と同様にして作製したポリイミド
樹脂製管状物の外周面に、フッ素樹脂製プライマーを均
一にエアースプレーガンにてスプレーコートし、10分
間風乾した後、100℃で30分間乾燥した。このよう
にしてポリイミド樹脂製管状物の外周にフッ素樹脂製プ
ライマー層を形成した。そして、上記フッ素樹脂製プラ
イマー層の外周面にフッ素樹脂ディスパージョン(TE
−334J,デュポン社製、固形分濃度60%)とカー
ボンブラックディスパージョン(固形分濃度16.5
%,平均粒径0.35μm,フッ素樹脂固形分に対して
5%)と混合した導電性フッ素樹脂溶液をエアースプレ
ーガンを用いてスプレーコートし、その後風乾で10
分、100℃で10分、さらに400℃で5分間加熱し
た。このようにして外周面に導電性フッ素樹脂層を有す
る塗布むらのない複合管状物を得た。なお、スプレーコ
ートは吐出量を少なくし、エアー圧2kg/cm2 以上に設
定して5回繰り返しスプレーコートを行い、所定の膜厚
とした。
【0041】この複合管状物を、図3に示すようなカラ
ー画像定着装置の定着用ベルト(エンドレスベルト)1
として用いたところ、トナーの定着性が悪くトナーの溶
融不良でトナー粒子間にエアーギャップが生じ、空気と
の界面での光の散乱によりトナー色素本来の色調が損な
われた画像が得られた。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明は、ポリイミド樹
脂製管状物の外周面にシリコーンゴム溶液もしくはフッ
素ゴム溶液を塗布し、上記ポリイミド樹脂製管状物に円
筒体を外挿配置し上記円筒体を管状物に対して自重走行
法により走行させることによりポリイミド樹脂製管状物
の外周面にシリコーンゴム製管状外層もしくはフッ素ゴ
ム製管状外層を形成して均一な皮膜を形成すると同時に
ポリイミド樹脂製管状物に圧着させて複合管状物を形成
する。このため、溶液の塗布むらが生じず、しかも得ら
れる複合管状物の各層の厚みむらもなく特定の範囲に形
成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られた2層構造の複合管状物の
断面図である。
【図2】本発明により得られた3層構造の複合管状物の
断面図である。
【図3】カラー画像形成装置の定着機構部の模式図であ
る。
【符号の説明】
8 シリコーンゴム製管状外層もしくはフッ素ゴム製管
状外層 9 ポリイミド樹脂製管状物 10 シリコーンゴム製管状層 11 フッ素ゴム製管状層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 正雄 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 富田 俊彦 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−9625(JP,A) 特開 平3−33785(JP,A) 特開 昭60−158454(JP,A) 特開 昭63−278580(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 G03G 15/20 G03G 5/05 B05D 1/00 - 7/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド樹脂製管状物の外周面にシリ
    コーンゴム溶液もしくはフッ素ゴム溶液を塗布した後、
    この管状物に円筒体を外挿配置して上記ポリイミド樹脂
    製管状物に対して円筒体を自重走行法により走行させ、
    これによりポリイミド樹脂製管状物の外周面上上記溶
    からなる塗布層の均厚化等を行い、上記ポリイミド樹
    脂製管状物の外周面にシリコーンゴム製管状外層もしく
    はフッ素ゴム製管状外層を形成することを特徴とする
    ラー画像定着用複合管状物の製法。
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