JPH06298839A - 不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴムの凝固方法 - Google Patents

不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴムの凝固方法

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JPH06298839A
JPH06298839A JP11240293A JP11240293A JPH06298839A JP H06298839 A JPH06298839 A JP H06298839A JP 11240293 A JP11240293 A JP 11240293A JP 11240293 A JP11240293 A JP 11240293A JP H06298839 A JPH06298839 A JP H06298839A
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copolymer rubber
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sec
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JP11240293A
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Hiromi Numata
広美 沼田
Takashi Tsuji
傑 辻
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水系懸濁重合で製造した不飽和ニトリル−共
役ジエン系共重合ゴムを懸濁液から分離する方法を提供
する。 【構成】 水系懸濁重合によって製造した不飽和ニトリ
ル−共役ジエン系共重合ゴムの懸濁液にノニオン系界面
活性剤を添加し、その曇点以上の温度に加熱して該ゴム
を凝固させるに際し、特定範囲の攪拌翼の先端速度で攪
拌する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水系懸濁重合で製造し
た不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴムの懸濁液か
ら該共重合ゴムを感熱凝固剤を用いて分離する凝固方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】不飽和ニトリルと共役ジエンとからなる
共重合ゴムを工業的に製造する方法としては、従来から
いくつかの方法が知られている。例えば、共役ジエンと
不飽和ニトリルとを適当な乳化剤により水中に乳化せし
め、これにラジカル重合開始剤を加えて乳化重合を行な
い、しかる後塩化カルシウムなどの無機金属塩、あるい
は希硫酸などの無機酸で凝固し、重合体を回収する方法
が一般的である。しかしながら、この方法で作られた共
重合ゴムは、乳化剤、連鎖移動剤、無機塩等の残留不純
物が多く、金属に対する腐食性を持っていたり、電気絶
縁性が低いなどの欠点を有している。
【0003】これら不純物を低減するには、溶液重合、
塊状重合により該共重合ゴムを得る方法がある。しか
し、溶液重合では高分子量の重合体が得られず、また重
合後の反応液から溶媒を回収する分離工程が必要で設備
費がかかる。塊状重合では、重合の進行とともに重合液
の粘度が上昇する為、攪拌機の能力が大きくなくてはな
らず、またしばしば除熱が困難になり反応制御が難し
い。
【0004】これらの欠点を改善する重合法として懸濁
重合があるが、樹脂状重合体についてはその例は多いも
のの、不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴムに関し
ては有機溶媒を媒体とする例(特公昭50−33519
号公報)があるに過ぎず、水を媒体とした懸濁重合法
は、樹脂の場合と異なりポリマー粒子の粘着、ブロック
化が著しい為これまで試みられたことがなく、工業的に
実施されていなかった。
【0005】本発明者らは先に、水系懸濁重合方法につ
いて検討し、ある特定の重合条件下でのみ効率のよい重
合が可能であることを見いだした(特願平2−1066
99号)。この方法により、乳化剤、連鎖移動剤を使用
せずに重合することが可能となった。しかし、懸濁液か
ら重合体を分離するためには乳化重合で従来から使用さ
れている凝固剤の添加が必要であり、凝固剤が共重合ゴ
ム中に残留することは避けられない。
【0006】また、凝固剤としてアルコール類など貧溶
媒を添加して共重合ゴムを析出させる方法、スチームス
トリッピングにより共重合ゴムを水性スラリーとして回
収する方法などがある。しかし、これらの方法では、生
成したクラムの粘着性が強い為、容器の器壁や攪拌機に
付着したり、重合体クラム相互の付着が起きたりして、
重合体クラムが水中で安定した粒子として分散しない場
合が多く、凝固方法としては適していない。
【0007】一方、金属を含有しない凝固剤としてノニ
オン系界面活性剤を使用する方法が提案されている(特
開昭61−51004号公報、特開昭62−74908
号公報)。しかし、これらは乳化重合と組み合わせる態
様で用いられており、重合時に使用される乳化剤の量が
多く、したがって重合体中の不純物量を低減する上でま
だ不充分であった。また、重合を終了した後の未反応単
量体の回収工程で、高温にさらされることにより、凝固
物が生成するという不具合が生じていた。
【0008】本発明者等は、水縣濁重合による不飽和ニ
トリル−共役ジエン系共重合ゴムの縣濁液から、該共重
合ゴムを分離する方法を鋭意検討し、感熱凝固剤を添加
し、加熱することによって凝固分離が可能であることを
見いだした(特願平3−273515号)。この方法
は、回分(バッチ)式で該懸濁液を処理する場合にはほ
ぼ満足すべき凝固が可能であるが、連続して凝固する場
合には凝集速度が遅いため、従来の乳化重合ゴムの凝固
速度では凝集が不十分なまま凝固槽から排出され、該共
重合ゴムの回収率が低下するという問題があり、改善が
必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水懸
濁重合により製造した不飽和ニトリル−共役ジエン系共
重合ゴムの懸濁液から高純度の該共重合ゴムを、回分式
及び連続式のいずれにおいても効率よく分離する凝固方
法を提供することにある。本発明者らは前記の問題点を
改善すべく鋭意研究した結果、エチレン性不飽和ニトリ
ル−共役ジエン系共重合ゴムを水系懸濁重合法によって
重合した懸濁液に、攪拌下に、ノニオン系界面活性剤を
添加、加熱して該共重合ゴムを凝固する際、特定の攪拌
条件下に凝固を行えば回分式、連続式のいずれでも効率
的に凝固ができることを見いだし、この知見に基づいて
本発明を完成するにいたった。
【0010】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、水系懸濁重合によって得られた不飽和ニトリル−共
役ジエン系共重合ゴムの懸濁液に攪拌下にノニオン系界
面活性剤を添加し、その曇点以上の温度に加熱すること
により該共重合ゴムを凝固するに際し、下記の式(1)
で定義される攪拌翼の先端速度Uが1.0〜20m/s
ecであるような条件下で攪拌することを特徴とする不
飽和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴムの凝固方法が提
供される。
【0011】
【式1】U= πDn (1) U;攪拌翼の先端速度(m/sec) D;攪拌翼の直径 (m) n;攪拌翼の回転数 (1/sec)
【0012】以下に本発明の水系懸濁重合について説明
する。水系懸濁重合は、水を媒体として単量体、分散剤
および重合開始剤を反応器に供給し、攪拌しつつ重合さ
せる方法が典型的なものである。
【0013】本発明の不飽和ニトリル−共役ジエン系共
重合ゴムは、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3
ペンタジエンなどの共役ジエンとアクリロニトリル、メ
タクリロニトリルなどの不飽和ニトリルおよび所望によ
りこれらの単量体と共重合可能な他の単量体とからな
る。共重合可能な他の単量体としては、スチレン、α−
メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどのビニル芳香族
化合物;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸などの不飽和カルボン酸およびその塩;メチルア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチル
メタクリレートのような前記カルボン酸のエステル;メ
トキシエチルアクリレート、メトキシエトキシエチルア
クリレートのような前記不飽和カルボン酸のアルコキシ
アルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、Nーメチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’
ジメチロール(メタ)アクリルアミド、Nーエトキシメ
チル(メタ)アクリルアミドなどのアミド単量体、シア
ノメチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メ
タ)アクリレート、2−エチル−6−シアノヘキシル
(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸シアノ
置換アルキルエステル;アリルグリシジルエーテル、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなど
のエポキシ基含有単量体などが挙げられる。
【0014】該共重合ゴム中の各単量体の組成は、特に
限定されないが、耐油性及びゴム弾性の点から共役ジエ
ン50〜90重量%、不飽和ニトリル10〜50重量
%、これらと共重合可能な他の単量体0〜20重量%が
好ましい範囲である。該共重合ゴムの使用目的に従って
最適な組成を選択することが必要である。
【0015】本発明で使用される分散剤としては、例え
ばメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの水溶
性セルロースエーテル;部分ケン化ポリビニルアルコー
ル;アクリル酸重合体、ゼラチンなどの水溶性ポリマ
ー;デンプン;トラカントゴム;アラビアゴムなどがあ
り、これらはそれぞれ単独もしくは混合して使用するこ
とができる。分散剤の量は、その種類によって最適量が
異なるが、分散剤としての効果、重合系の粘度等から、
単量体混合物100重量部に対し、通常、0.01〜5
重量部の範囲が好ましくさらに好ましくは0.05〜3
重量部の範囲である。
【0016】本発明で使用される重合開始剤としては、
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバ
レート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ア
セチルパーオキサイドなどの1官能過酸化物;2,5−
ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エ
チルヘキサノイルパーオキシ)ヘキシン−3、1,6−
ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボ
ネートなどの2官能性過酸化物;2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリルなどのアゾ系化合物などが挙げられ
る。これらの重合開始剤の使用量は、単量体混合物10
0重量部に対し、通常、0.01〜5重量部である。
【0017】水系懸濁重合は、水、単量体及び上記量の
分散剤、重合開始剤からなる懸濁液を重合に付する。重
合は、重合開始剤の種類あるいは重合方法によっても異
なるが、通常50〜130℃の範囲で行う。重合系中の
好ましい水/単量体の重量比は0.1〜4の範囲であ
る。水系懸濁重合の条件、例えば重合反応器への水、単
量体、分散剤、重合開始剤などの仕込方法は特に制約さ
れない。また本発明の水系懸濁重合で得る共重合ゴムの
分子量にも制約はなく、液状、固形状の別を問わない。
所定の重合転化率に達した時点で、重合系に重合停止剤
を添加して重合を終了する。
【0018】重合終了後、重合体懸濁液から未反応の単
量体を除去した後該、共重合ゴムを重合体懸濁液から分
離するために、重合体懸濁液にノニオン系界面活性剤が
添加される。本発明において使用されるノニオン系界面
活性剤としては、フェノールまたはアルキルフェノール
のポリオキシアルキレン付加物、フェノールまたはアル
キルフェノールホルマリン縮合物のポリオキシアルキレ
ン付加物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレン
ブロックポリマー、アルキルスルフィニルアルコール、
脂肪酸モノグリセリドなどが例示される。これらのノニ
オン系界面活性剤は、単独であるいは2種以上を組み合
わせて使用される。好ましい該界面活性剤は、アルキル
フェノールホルマリン縮合物のオキシアルキレン付加物
である。
【0019】これらの界面活性剤の添加量は、重合体懸
濁液中の重合体100重量部に対して0.01〜3重量
部の範囲が好ましい。0.01重量部未満の添加では、
該共重合ゴムを凝固(凝集)する効果が不十分であり、
3重量部を超えても凝固(凝集)効果は変わらず、該共
重合ゴム中の残存量やコストが上昇するだけである。
【0020】ノニオン系界面活性剤は、重合終了後の重
合体懸濁液に攪拌下に添加される。該界面活性剤が添加
された重合体懸濁液から、該共重合ゴムを凝固(凝集)
させて分離するには、重合体懸濁液をノニオン系界面活
性剤の曇点以上の温度に加熱する。本発明においては、
重合体懸濁液の凝集温度を低下させる為に、ノニオン系
界面活性剤の凝集効果や重合体懸濁液及び得られた該共
重合ゴムの物性を損なわない範囲で、アルコール、脂肪
酸などを併用することができる。
【0021】重合体縣濁液からの該共重合ゴムの凝固
(凝集)が、回分式、連続式のいずれにおいても効率よ
く行われるためには、該曇点以上に加熱された重合体懸
濁液を上記の式(1)で定義される攪拌翼の先端速度が
1.0〜20m/secである条件で攪拌することが必
要がある。先端速度が1.0m/sec未満では連続式
での凝固(凝集)は不十分となり、該共重合ゴムの回収
率(凝固効率)は低下する。20m/secを超えると
凝固クラム径が小さくなり、凝固工程に続く水切り工程
での振動スクリ−ン等のスクリ−ンの目詰まりあるいは
スクリ−ンの目からの流出が生じる。好ましくは2.0
〜20m/secの範囲である。
【0022】重合体懸濁液より分離、回収された該共重
合ゴムを十分に水洗し、乾燥することによって目的とす
る高純度の不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴムが
得られる。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、実施例、比較例中の部、および%は、とく
に断わりのない限り、重量基準である。
【0024】実施例中において、使用する共重合体ゴム
の特性である含有イオン量及び電気電導度並びに未反応
単量体除去時に生成した凝固物量は、次の条件で測定し
た。 (1)含有イオン量−1 共重合ゴム10gを2mm角に細断し、電気電導度5μ
s/cm以下のイオン交換水100gとともに200cc
ガラス製耐圧びんに仕込む。 121℃、2気圧の雰囲気下で24時間抽出する。 抽出液中のイオンをイオンクロマトグラフィーを用い
て定量し、共重合体ゴム中の抽出イオン量を算出する。
抽出されるイオンとして、Na、K、Ca、Mg、C
u、Fe、NH4、Cl、NO2、NO3、HPO4、SO
4 を想定して、これらのイオン含有量を測定しその総和
を求めた。
【0025】(2)含有イオン量−2 共重合体ゴム50mgを酸素燃焼フラスコ内で燃焼さ
せ、発生ガスを電気電導度5μs/cm以下のイオン交
換水に吸収させる。 このイオン交換水中のイオンをイオンクロマトグラフ
ィーを用いて定量し、共重合体ゴム中のNa、K、NH
4、Cl、SO4 の各イオン量を算出した。 (3)電気電導度の測定 (1)で得た抽出液の電気電導度を測定した。
【0026】(4)凝固物量の測定 未反応単量体除去後の懸濁液もしくは乳化液の全量
を、80メッシュのステンレス製ふるいに通す。 ふるい上の凝固物を水洗し、50℃減圧下で乾燥して
重量を測定する。 凝固物量は、それぞれの共重合体の収量に対する割合
で表した。
【0027】(5)共重合体ゴム回収率の測定 凝固クラムを80メッシュのステンレス製ふるいにと
りだす。 ふるい上のクラムを水洗し、50℃、減圧下に乾燥
し、重量を測定する。 該回収率は、各共重合体ゴムの重合収量に対する割合
で表した。
【0028】(6)凝固クラム径の測定 凝固槽から任意にサンプリングした300個のクラム
のそれぞれの径を測定する。クラム径は不規則であるの
で、1個のクラムの最大長と最小長の和の1/2をクラ
ム径とした。 各クラム径の最大と最小の間を10に区分し、各区分
に含まれるクラムの数の全クラム数に対する割合を求
め、積算分布曲線を作成した。 この積算曲線よりメジアン径(該曲線の5%に相当す
る粒子径)を求め、それぞれの区分のクラム径とした。
【0029】実施例 1 内容積10lのマリン型攪拌翼を有する攪拌機を設置し
た円筒型反応器を用意した。この反応器にブタジエン1
980gとアクリロニトリル1620gの合計3600
g(100部)に対し、水3600g(100部)、分
散剤として18g(0.5部)の部分ケン化ポリビニル
アルコールを仕込み、攪拌して水系懸濁液を調整した。
つぎに重合開始剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ
(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサンを18
g(0.5部)添加し反応温度65℃で重合した。30
時間反応後、ハイドロキノン0.2部およびアルキル化
フェノール1部をトルエン溶液として添加して反応を停
止させた。次いで70℃に加温し、減圧下で未反応単量
体を除去し、その後生成した凝固物量を測定した。
【0030】内容積5lのマリン型攪拌翼(翼長0.0
6m、段数1)を有する攪拌機、懸濁液供給用配管及び
クラム排出口を設置した円筒型凝固槽を用意した。上記
懸濁液に、アルキルフェノールホルマリン縮合物のオキ
シエチレンオキシプロピレン付加物(花王製ラテムルN
PC−30 曇点45℃)を0.3部添加し、さらに水
で希釈して共重合体ゴム濃度を8%に調整した。
【0031】次いで、この懸濁液を167g/minの
速度で凝固槽に供給した。凝固槽は60℃まで加熱し、
懸濁液の供給が終了するまで60℃に保った。凝固した
クラムはクラム排出口から排出され、水洗後、50℃減
圧下に乾燥した。未反応単量体回収後の凝固物量、ゴム
回収率、凝固槽の攪拌条件、平均クラム径、イオン含有
量及び電気伝導度の測定結果を表1に示した。
【0032】実施例 2〜5 実施例1で示した懸濁重合処方に準じて、モノマー組成
比および重合開始剤の種類を変えて重合し懸濁液を得
た。この懸濁液に種々のノニオン系界面活性剤を添加
し、水で希釈して重合体濃度を8%に調整した。これら
の懸濁液のそれぞれを、実施例1の凝固槽に実施例1と
同じ供給速度で連続的に供給し、あるいは懸濁液を全量
一括供給し、該界面活性剤の曇点以上の温度に加熱して
凝固させた。重合処方、凝固槽の温度、攪拌条件及び実
施例1と同様の測定結果を表1に示した。
【0033】表1に示されるように、本発明方法により
得られた共重合体ゴムのイオン含有量、電気伝導度共に
従来の乳化重合法では達成されなかったレベルにまで低
減されている。該凝固物量も少なく、懸濁液からの共重
合体ゴムの凝固も回分式、連続式のいずれの方法も可能
である。
【0034】比較例 1 凝固槽の攪拌条件を換えた以外は実施例1と同じ条件で
重合及び凝固を行った。結果を表2に示した。
【0035】比較例 2 凝固槽の攪拌条件を換えた以外は実施例2と同じ条件で
重合及び凝固を行った。結果を表2に示した。
【0036】比較例 3 実施例1の反応器を用い、下記に示す重合処方で30℃
にて乳化重合を行った。 ブタジエン 55部 アクリロニトリル 45〃 水 200〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 5〃 第3級ドデシルメルカプタン 0.3〃 過硫酸カリウム 0.3〃 重合添加率が85%に達した時にヒドロキシルアミン硫
酸塩を0.2重量部添加し、重合を停止させた。実施例
1と同一条件で未反応単量体を除去した後、老化防止剤
としてアルキル化フェノールを1重量部添加した。実施
例1と同様にしてノニオン系界面活性剤を添加してゴム
状重合体を凝集し、水洗、乾燥した。この測定結果を表
2に示す。
【0037】比較例 4 実施例1の反応器を用い、下記に示す重合処方で30℃
にて乳化重合を行った。 ブタジエン 55部 アクリロニトリル 45 〃 水 200 〃 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 5 〃 第3級ドデシルメルカプタン 0.3 〃 過硫酸カリウム 0.3 〃 重合転化率が90%に達した時にヒドロキシルアミン硫
酸塩を0.2重量部添加し、重合を停止させた。老化防
止剤としてアルキル化フェノールを1重量部添加した
後、実施例1と同様に未反応単量体を除去した。ついで
この重合体溶液を加熱し、ゴム状重合体を凝集し、水
洗、乾燥した。この測定結果を表2に示す。ノニオン系
界面活性剤を使用して重合および凝固をおこなった場
合、未反応単量体の回収工程で凝固物が発生し、生産上
障害となる。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】かくして本発明によれば、水系懸濁重合
によって製造された不飽和ニトリル−共役ジエン系共重
合ゴムの縣濁液から該共重合ゴムを回分式、連続式のい
ずれの凝固方法においても、効率よく分離回収が可能と
なる。得られた該共重合ゴムは不純物の含有量が格段に
少ない高純度のゴムであり、絶縁性、耐金属腐食性が要
求されるシール用材料、あるいは樹脂と混合して接着剤
などに用いられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水系懸濁重合によって得られた不飽和ニト
    リル−共役ジエン系共重合ゴムの懸濁液に攪拌下にノニ
    オン系界面活性剤を添加し、その曇点以上の温度に加熱
    することにより該共重合ゴムを凝固するに際し、下記の
    式(1)で定義される攪拌翼の先端速度Uが1.0〜2
    0m/secであるような条件下で攪拌することを特徴
    とする不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴムの凝固
    方法。 【式1】U= πDn (1) U;攪拌翼の先端速度(m/sec) D;攪拌翼の直径 (m) n;攪拌翼の回転数 (1/sec)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113286846A (zh) * 2019-10-01 2021-08-20 株式会社Lg化学 用于浸渍模塑的胶乳组合物、包含其的浸渍模塑产品和使用其制造浸渍模塑产品的方法

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