JPH06298545A - ゾルゲル膜およびその形成法 - Google Patents

ゾルゲル膜およびその形成法

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JPH06298545A
JPH06298545A JP5088450A JP8845093A JPH06298545A JP H06298545 A JPH06298545 A JP H06298545A JP 5088450 A JP5088450 A JP 5088450A JP 8845093 A JP8845093 A JP 8845093A JP H06298545 A JPH06298545 A JP H06298545A
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修 高橋
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誠司 山崎
Hiroaki Arai
宏明 荒井
Shigeo Hamaguchi
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ガラス基板の表面上に、金属アルコキシド系或
いは金属アセチルアセトネート系の化合物を加水分解並
びに脱水縮合させたゾル溶液の中から二つ以上選択し、
溶剤と混合してコーテイング溶液とし被覆成膜して成
る、マイクロピット状、凹凸状又は凸状或いはりん片の
継ぎ合い状の表層を有するゾルゲル膜において、出発原
料として、4官能を有する金属アルコキシド或いは金属
アセチルアセトネート化合物を加水分解、脱水縮合した
ゾル溶液Aと、3官能或いは2官能を有する金属アルコ
キシド或いは金属アセチルアセトネート化合物を加水分
解、脱水縮合したゾル溶液Bとを、夫々選択し混合する
溶液で成膜するゾルゲル膜。及びその成形法。 【効果】容易な膜形成手段で薄膜を安価に効率よく得ら
れ、特異な形状を有する頑固な表層となり、単層膜では
勿論、多層膜の下地膜や下層膜として格段にその性能を
発揮し、光学特性を損なうことなく、密着性や耐候性等
に優れる等、建築用もしくは自動車用窓材として有用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロピット状表層
または凹凸状表層あるいは凸状表層あるいはりん片の継
ぎ合い状表層を有し、しかもその形状および大きさ等を
適宜種々にコントロールすることができるゾルゲル膜と
その形成法に関し、特にガラス基板上に被膜積層する多
層膜において、ことに下地膜や下層膜として用い、格段
にその性能を発揮することとなる等、光学特性を損なう
ことなく、頑固な密着力で耐摩耗性あるいは耐久性等が
優れたものとなり、建築用もしくは自動車用等の窓材、
各種膜付きガラス物品において有用なゾルゲル膜および
その形成法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】一般に金属酸化物被膜の表
面に凹凸状を形成する方法としては、例えば金属酸化物
被膜をフッ酸やフッ硝酸等でエッチングする方法、ある
いは加熱処理により燃焼分解する有機高分子を金属アル
コキシド溶液中に添加する方法等が知られている。
【0003】ところが金属酸化物被膜をフッ酸やフッ硝
酸等でエッチングする方法では、エッチング用溶液であ
るフッ酸やフッ硝酸等が人体に対し極端に危険な物質で
あってその取り扱いが厄介で作業性が劣るとともに、エ
ッチング工程が付加することでの生産性の低下等があ
り、また加熱処理により燃焼分解する有機高分子を金属
アルコキシド溶液中に添加する方法では、例えば一度形
成されたマイクロピット状表面が400 ℃以上の加熱焼成
により、被膜の緻密化が起こるため、その加熱処理条件
を種々制御する必要があるという制約があり、この制約
により頑固な被膜を得ることが困難であって、必ずしも
容易にとは言い難いものである。
【0004】そこで、本出願人が既に出願している例え
ば特願平3ー316992号に記載のマイクロピット状表層を
有する酸化物薄膜および該薄膜を用いた多層膜、ならび
にその形成法、さらに例えば特願平4ー131270号に記載
のゾルゲル膜およびその形成法等が上記の点を解決する
に際し有用であることを提案している。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明は、従来のかか
る問題点に鑑みてなしたものであって、特定の金属アル
コキシド系化合物あるいは金属アセチルアセトネート系
化合物を加水分解ならびに脱水縮合させたゾル溶液の中
から二つ以上選び、溶剤と混合してコーティング溶液と
し、ガラス基板に被膜し薄膜を成膜することでなり、例
えば独立してしっかりした特異な種々の表面表層を有
し、高密着性であって耐久性や耐摩耗性とを併せ持ち、
単体ではもちろん下地材あるいは下層等に、また各種機
能性能を有することに有用な酸化物薄膜が、高安全で厄
介な工程なく、安価に効率よく得られることとなる等、
種々の被覆膜に採用できる利用価値の高い、種々の表面
形状とその大きさの表層を有する、優れる機能を発揮す
るゾルゲル膜およびその形成法を提供するものである。
【0006】すなわち、本発明は、ガラス基板の表面上
に、金属アルコキシド系化合物あるいは金属アセチルア
セトネート系化合物を加水分解ならびに脱水縮合させた
ゾル溶液の中から二つ以上選択し、該二つ以上選択した
ゾル溶液を溶剤とともに混合してコーテイング溶液と
し、該コーテイング溶液を被膜し、成膜して成る薄膜の
表層が、マイクロピット状表層または凹凸状表層あるい
は凸状表層あるいはりん片の継ぎ合い状表層であるゾル
ゲル膜において、前記選択した二つ以上のゾル溶液が、
一つは出発原料として4官能を有する金属アルコキシド
あるいは金属アセチルアセトネート化合物などを用い、
加水分解ならびに脱水縮合したゾル溶液Aであり、さら
に一つは出発原料として3官能あるいは2官能を有する
金属アルコキシドあるいは金属アセチルアセトネート化
合物を用い、加水分解ならびに脱水縮合したゾル溶液B
であって、該ゾル溶液Aと該ゾル溶液Bをそれぞれ選択
し混合することでなることを特徴とするゾルゲル膜。
【0007】ならびに、前記ゾル溶液Bの代替ゾル溶液
が、4官能を有する金属アルコキシドあるいは金属アセ
チルアセトネート化合物を出発原料として用い、加水分
解ならびに脱水縮合しゾル溶液とした後、ゾルの末端の
官能基をターミネートし、不活性化することで成るゾル
溶液であることを特徴とする上述したゾルゲル膜。
【0008】また、前記マイクロピット状表層または凹
凸状表層あるいは凸状表層あるいはりん片の継ぎ合い状
表層における形状ならびにその径の制御が、前記選択し
た二つのゾル溶液の分子量、前記ゾル溶液における酸化
物換算での固形分の混合比、前記ゾル溶液の縮合物を調
製する際の溶剤の種類、ならびに前記ゾル溶液を溶剤と
ともに混合し、コーテイング溶液とすることを特徴とす
る上述したゾルゲル膜。
【0009】さらに、前記ゾル溶液における酸化物換算
での固形分の混合比が、前記ゾル溶液Aの固形分1mol
に対して、ゾル溶液Bの固形分は、0.03〜30mol である
ことを特徴とする上述したゾルゲル膜。
【0010】さらにまた、前記ゾル溶液の分子量の範囲
が、100 〜1,000,000 であることを特徴とする上述した
ゾルゲル膜。ならびに、ガラス基板の表面上に、金属ア
ルコキシド系化合物あるいは金属アセチルアセトネート
系化合物を加水分解ならびに脱水縮合させたゾル溶液の
中から二つ以上選択し、該二つ以上選択したゾル溶液を
溶剤とともに混合してコーテイング溶液とし、該コーテ
イング溶液を被膜し、マイクロピット状表層または凹凸
状表層あるいは凸状表層あるいはりん片の継ぎ合い状表
層で成る薄膜を成膜するゾルゲル膜の形成法において、
前記選択した二つ以上のゾル溶液は、一つは出発原料と
して4官能を有する金属アルコキシドあるいは金属アセ
チルアセトネート化合物などを用い、加水分解ならびに
脱水縮合したゾル溶液Aであり、さらに一つは出発原料
として3官能あるいは2官能を有する金属アルコキシド
あるいは金属アセチルアセトネート化合物を用い、加水
分解ならびに脱水縮合したゾル溶液Bであって、該ゾル
溶液Aと該ゾル溶液Bをそれぞれ選択し混合することを
特徴とするゾルゲル膜の形成法。
【0011】また、前記ゾル溶液Bの代替ゾル溶液が、
4官能を有する金属アルコキシドあるいは金属アセチル
アセトネート化合物を出発原料として用い、加水分解な
らびに脱水縮合しゾル溶液とした後、ゾルの末端の官能
基をターミネートし、不活性化することで成るゾル溶液
であることを特徴とする上述したゾルゲル膜の形成法。
【0012】さらに、前記マイクロピット状表層または
凹凸状表層あるいは凸状表層あるいはりん片の継ぎ合い
状表層における形状ならびにその径の制御が、前記選択
した二つのゾル溶液の分子量、前記ゾル溶液における酸
化物換算での固形分の混合比、前記ゾル溶液の縮合物を
調製する際の溶剤の種類、ならびに前記ゾル溶液を溶剤
とともに混合し、コーテイング溶液とすることを特徴と
する上述したゾルゲル膜の形成法。
【0013】さらにまた、前記ゾル溶液における酸化物
換算での固形分の混合比が、前記ゾル溶液Aの固形分1
mol に対して、ゾル溶液Bの固形分は、0.03〜30mol で
あることを特徴とする上述したゾルゲル膜の形成法。
【0014】さらにまた、前記ゾル溶液の分子量の範囲
が、100 〜1,000,000 であることを特徴とする上述した
ゾルゲル膜の形成法。さらにまた、前記コーティング溶
液を、1〜10cPに粘度調製することを特徴とする上述し
たゾルゲル膜の形成法。
【0015】さらにまた、前記コーティング溶液の酸化
物換算固形分濃度が、0.01〜10wt%であることを特徴と
する上述したゾルゲル膜の形成法をそれぞれ提供するも
のである。
【0016】ここで、前記したように、金属アルコキシ
ド系化合物あるいは金属アセチルアセトネート系化合物
を加水分解ならびに脱水縮合させたゾル溶液の中から二
つ以上選択することとしたのは、該両溶液は安定性があ
って容易に溶液調製することができ、成膜した前記マイ
クロピット状表層、凹凸状表層あるいは凸状表層あるい
はりん片の継ぎ合い状表層等の種々の表面形状を有する
酸化物薄膜の透明性や硬度が高く、耐久性にも優れたも
のとなり、比較的安価で入手し易いものであるので該両
化合物を用いることとした。
【0017】また、選択するゾル溶液の一つが、出発原
料として4官能を有する金属アルコキシド系あるいは金
属アセチルアセトネート系化合物を用い、加水分解なら
びに脱水縮合したゾル溶液Aと、選択するゾル溶液のも
う一つが出発原料として3官能あるいは2官能を有する
金属アルコキシド系あるいは金属アセチルアセトネート
系化合物を用い、加水分解ならびに脱水縮合したゾル溶
液Bとしたのは、出発原料に4官能の化合物を用いると
例えばーSiーO ーSiー(但し、Siの上下方向の線は省略
する)三次元構造が発達しやすい。一方、3官能あるい
は2官能の化合物を出発原料としたゾル溶液Bでは、例
えばガラス基板にゾル溶液Bを被膜した際、三次元構造
のSiーO ーSi結合等の骨格が生成しにくい。よってゾル
溶液Aとゾル溶液Bとを混合することにより被膜した際
に種々の表層が発現するようになる。
【0018】さらにゾル溶液Bの代替ゾル溶液として、
4官能を有する金属アルコキシドあるいは金属アセチル
アセトネート化合物を出発原料として用い、加水分解な
らびに脱水縮合しゾル溶液とした後、ゾルの末端の官能
基をターミネートし、不活性化することで成るゾル溶液
であることとしたのは、官能基を不活性化することによ
り、3官能あるいは2官能の化合物と同様に、三次元構
造のSiーO ーSi結合の骨格が生成しにくくなるためであ
る。
【0019】また、前記4官能の金属アルコキシド系化
合物としては、金属にすべてアルコキシ基が結合した場
合、すなわちメトキシド、エトキシド、イソプロポキシ
ド等であり、さらにまた、前記4官能の金属アセチルア
セトネート系化合物としては、金属にすべてアセチルア
セトン基が結合した場合のみならず、その一部がアルコ
キシ基等に置換したものを含むものである。
【0020】さらに前記金属としては、格別特定するも
のではないが、Si、TiまたはZrを選択するのが好まし
く、具体的なものとしては、例えばテトラメトキシシラ
ン〔Si(OMe)4 Me:CH3〕、テトラエトキシシラン〔Si
(OEt)4 Et:C2H5 〕、チタンテトライソプロポキシド
〔Ti(Oーiso ーPr)4 Pr:C3H7〕、ジルコニウムノルマル
ブトキシド〔Zr(OーnーBu)4 Bu:C4H9〕、ジルコニウム
アセチルアセトネート〔Zr(CH2COCH2COCH3)4 〕等が好
適である。
【0021】またさらに、前記3官能あるいは2官能の
金属アルコキシド系化合物あるいは金属アセチルアセト
ネート系化合物としては、アルコキシ基あるいはアセチ
ルアセトン基の一部がメチル基、エチル基等に置換した
ものであり、具体的なものとしては、メチルトリエトキ
シシラン〔MeSi(OEt)3〕、メチルトリメトキシシラン
〔MeSi(OMe)3〕、ジメチルジエトキシシラン〔Me2Si(OE
t)2 〕、ジメチルジメトキシシラン〔Me2Si(OMe)2 〕等
が好適である。
【0022】また、マイクロピット状表層、凹凸状表層
あるいは凸状表層あるいはりん片の継ぎ合い状表層にお
ける形状ならびにその制御については、先ず前記ゾル溶
液Aおよびゾル溶液Bの分子量であり、例えば分子量の
範囲が100 〜1,000,000 であり、100 未満では原料の加
水分解が不充分なため被膜時に膜ハジキが生じやすく、
成膜性が悪く、また1,000,000 を超えるとゾル溶液がゲ
ル化を生じ、ゾル溶液の安定性が悪くなる。好ましくは
1,000 〜100,000 程度のものがよい。
【0023】もしくはならびに前記ゾル溶液を調製する
際の溶剤の種類であり、ことに限定する溶媒はないもの
の、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソ
プロピルアルコール、ノルマルブタノールなどの低級ア
ルコールや酢酸エチル、エチレングリコールモノエチル
エーテルなどの溶剤の種類が変わると得られる薄膜の形
状は変わることとなる。
【0024】もしくはならびにゾル溶液における酸化物
換算での固形分の混合比であり、例えばゾル溶液A の固
形分1mol に対してゾル溶液Bの固形分は0.03〜30mol
程度であり、0.03未満でもまた30mol を超えても得られ
る薄膜の表層は平坦状になり所期のめざすものとはなら
ない。好ましくは0.5 〜15mol 程度である。
【0025】なお、被膜する際の環境、とくに相対湿
度、例えばことに20〜80%程度にコントロールすること
によっても、種々の表層形状ならびにその径を制御し得
ることもある。
【0026】また、ゾル溶液Aとゾル溶液Bとを溶剤と
ともに混合し、コーテイング溶液とする際の溶剤として
は、とくに限定するものではないが、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコールあるい
はノルマルブタノール等の低級アルコール類や、アセト
ン、酢酸エチルなど、一般的なものでもよい。
【0027】さらに、前記コーテイング溶液の粘度を1
〜10cPに調製するのは、1cP未満では粘性が低すぎて膜
となり難く、また10cPを超えると被膜した際に過剰に塗
膜され加熱乾燥過程で膜中にクラツク等が生じてしまう
ためである。
【0028】またさらに、前記コーテイング溶液の酸化
物換算固形分濃度を0.01〜10wt%としたのは、0.01wt%
未満では希薄すぎるため膜の形態となり難く、また10wt
%を超えると濃度が高すぎるため膜厚が厚くなり膜中に
クラツクの発生を生じることとなるものである。
【0029】さらにまた、ガラス基板への膜付け法とし
ては、ディッピング法、スプレー法、フローコート法あ
るいはスピンコート法等既知の塗布手段が適宜採用し得
るものである。また被膜後の加熱については、とくに必
要はないが、薄膜をより強固にするため、例えば600 ℃
程度あるいはそれ以上の温度による焼成によっても消失
することもなく、種々の表面形状表層とすることができ
るものである。
【0030】さらにまた、前記ガラス基板としては、無
機質の透明板ガラスであって、無色または着色、ならび
にその種類あるいは色調、形状等に特に限定されるもの
ではなく、さらに曲げ板ガラスとしてはもちろん、各種
強化ガラスや強度アップガラス、平板や単板で使用でき
るとともに、複層ガラスあるいは合せガラスとしても使
用できることは言うまでもない。
【0031】
【作用】前述したとおり、本発明のマイクロピット状表
層、凹凸状表層あるいは凸状表層あるいはりん片の継ぎ
合い状表層を有するゾルゲル膜、ならびにその形成法に
よれば、上述した4官能を有するものと、3官能もしく
は2官能を有するもの二つの特定系化合物を加水分解な
らびに脱水縮合した2種類のゾル溶液を、出発原料とし
て適宜選択し組み合わせて用いることによってコーテイ
ング溶液を得、成膜することにより、特異な挙動を発現
せしめて特異な構造をもたらし、加熱乾燥または焼成お
よび高温焼成の有無にかかわらず、緻密化して平坦化す
ることなく、従来より独立性があって深見のある、明確
でしっかりしたマイクロピット状、凹凸状あるいは凸状
表層あるいはりん片の継ぎ合い状表層となり、しかも該
4種類の表面表層の形状とその径を制御でき、付着性も
向上し頑固な薄膜とすることができ、ガラス基板との界
面はもちろん、多層膜での膜と膜の界面においても密着
性を格段に向上せしめ、優れた耐久性を有するものとな
り、透明で硬度が高い、しかも光学特性等も充分に満足
できるものとすることができ、従来屋外では使用でき難
いものでも使用できるようになる等、高安全で厄介な工
程もなく、安価に効率よく得られることとなるものであ
り、ことに建築用はもちろん、自動車用等の車輌用の窓
材として格段に有用である。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0033】実施例1 大きさ約100mm x100mm 、厚さ約2mmのクリア・フロー
トガラス基板を中性洗剤、水すすぎ、アルコールで順次
洗浄し、乾燥した後、アセトンで払拭し被膜用ガラス基
板とした。
【0034】テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4 :TE
0S)を16g、エタノール(EtOH)を8.5 g、水(予めHC
L でpH4に調整)を5.5 gそれぞれ秤り取り、約80℃で
約20時間加熱還流を行い、前記ゾル溶液Aとした。該ゾ
ル溶液Aの重量平均分子量(Mw,ポリスチレン換算値)
を測定したところ、約40,000であった。
【0035】メチルトリメトキシシラン(CH3Si(OC
H3)3:MTMS)を36.6g、イソプロピルアルコール(iPA)
を約28.9gおよび純水(pH7)14.5g秤り取り、約70℃
で約5時間加熱還流を行い、前記ゾル溶液Bとした。該
ゾル溶液Bの平均分子量を測定したところ、約2,000 で
あった。
【0036】上記溶液Aと溶液Bを混合し、約350 gの
iPA で希釈し、室温で約10時間攪拌してコーテイング溶
液を得た。この際の溶液Aの固形分と溶液Bの固形分
(SiO2として換算)のモル比は1:3.5 である。
【0037】ついで、該コーテイング溶液をディッピン
グ法により、前記ガラス基板表面に、約23℃、相対湿度
約50%の環境で被膜し、自然乾燥してゲル膜を形成し、
膜厚が約200nm のSiO2薄膜を成膜した。該薄膜を走査電
子顕微鏡により、約2万倍の倍率で表面形状状態を観察
したところ、図1に示すように、凹凸状表層となってい
た。
【0038】実施例2 実施例1と同様なガラス基板に、実施例1と同様にして
SiO2薄膜を成膜した後、約100 ℃で約30分間加熱し、膜
厚が約180nm のゲル膜を得た。該薄膜の表面形状状態を
実施例1と同様に観察したところ、図2に示すように、
マイクロピツト状表層となっていた。
【0039】実施例3 実施例1と同様なガラス基板に、実施例1と同様にして
成膜し、約100 ℃で約30分間加熱した後、約600 ℃で約
10分間加熱し、膜厚約100nm のSiO2薄膜を得た。該薄膜
の表面形状状態を観察したところ、図3に示すように、
図2と同様なマイクロピツト状表層となっていた。
【0040】実施例4 実施例1と同様なガラス基板に、TEOS、エタノールなら
びに水を実施例1と同量秤り取り、約80℃で約5時間加
熱還流を行い、溶液Aとした。該溶液Aの平均分子量は
約2,000 であった。溶液Bは実施例1と同様に作製し
た。
【0041】コーテイング溶液の調製ならびにガラス基
板への被膜は実施例1と同様に行い、自然乾燥した後、
約100 ℃で約30分間加熱した後、約600 ℃で約10分間加
熱し、膜厚約100nm のSiO2薄膜を得た。該薄膜の表面形
状状態を観察したところ、図4に示すように、数nmの径
を有する凹凸状表層となっていた。
【0042】実施例5 実施例1と同様なガラス基板に、MTMS、iPA および水を
実施例1と同量秤り取り、約70℃で約20時間加熱還流を
行い、溶液Bとした。
【0043】溶液Bの平均分子量は約30,000であり、そ
の他は実施例4と同様にして膜厚約100nm のSiO2薄膜を
得た。該薄膜の表面形状状態を観察したところ、図5に
示すように、約100 nmの径を有する凸状表層となってい
た。
【0044】実施例6 実施例1と同様なガラス基板に、溶液Aを実施例1と同
様に作製し、その他は実施例5と同様にして膜厚約100n
m のSiO2薄膜を得た。該薄膜の表面形状状態を観察した
ところ、図6に示すように、約50〜100nm の径を有する
凹凸状表層となっていた。
【0045】実施例7 実施例1と同様なガラス基板に、TEOS9.9 g、エタノー
ル5.2 gならびに水(HCL でpH4に調整)3.4 gを秤り
取り、約80℃で約20時間加熱還流を行い、溶液Aとし
た。該溶液Aの平均分子量は約40,000であった。
【0046】MTMS41.8g、iPA33.1 gおよび純水16.6g
を秤り取り、約70℃で約5時間加熱還流を行い、溶液B
とした。該溶液Bの平均分子量は約2,000 であった。実
施例1と同様にしてコーテイング溶液の調製。但しこの
ときの溶液Aの固形分と溶液Bの固形分とのモル比は
1:6.5 である。その他は実施例3と同様にして膜厚約
100nm のSiO2薄膜を得た。該薄膜の表面形状状態を観察
したところ、図7に示すように、約30〜100nm の径を有
する凹凸状表層となっていた。
【0047】実施例8 実施例1と同様なガラス基板に、TEOS7.8 g、エタノー
ル4.1 gならびに水(HCL でpH4に調整)2.7 gを秤り
取り、約80℃で約20時間加熱還流を行い、溶液Aとし
た。該溶液Aの平均分子量は約40,000であった。
【0048】MTMS56g、iPA26.2 gおよび純水13.1gを
秤り取り、約70℃で約5時間加熱還流を行い、溶液Bと
した。該溶液Bの平均分子量は約2,000 であった。実施
例1と同様にしてコーテイング溶液の調製。但しこのと
きの溶液Aの固形分と溶液Bの固形分とのモル比は1:
11である。その他は実施例7と同様にして膜厚約100nm
のSiO2薄膜を得た。該薄膜の表面形状状態を観察したと
ころ、図8に示すように、約10〜30nmの径を有する凸状
表層であった。
【0049】実施例9 実施例1と同様なガラス基板に、TEOS16g、iPA5.7g、
n-BuOH2.8 gならびに水(pH4)5.5 gを秤り取り、約
80℃で約20時間加熱還流を行い、溶液Aとした。該溶液
Aの平均分子量は約40,000であった。溶液Bおよびコー
テイング溶液は実施例1と同様にし、その他は実施例3
と同様にして膜厚約100nm のSiO2薄膜を得た。該薄膜の
表面形状状態を観察したところ、図9に示すように、約
100 〜300nm の径を有する凸状表層かつ約10〜30nmのマ
イクロピツト状表層となっていた。
【0050】実施例10 実施例1と同様なガラス基板に、TEOS16g、iPA5.2g、
n-BuOH2.5 g、エチレングリコールモノエチルエーテル
(EGMEA)0.8gならびに水(pH4)5.5 gを秤り取り、約
80℃で約20時間加熱還流を行い、溶液Aとした。該溶液
Aの平均分子量は約40,000であった。溶液Bおよびコー
テイング溶液は実施例1と同様にし、その他は実施例3
と同様にして膜厚約100nm のSiO2薄膜を得た。該薄膜の
表面形状状態を観察したところ、図10に示すように、り
ん片状の片が継ぎ合うような表層となっていた。
【0051】実施例11 実施例1と同様なガラス基板に、TEOS16g、iPA5.2g、
n-BuOH2.5 g、酢酸エチル0.8 gならびに水(pH4)5.
5 gを秤り取り、約80℃で約20時間加熱還流を行い、溶
液Aとした。該溶液Aの平均分子量は約40,000であっ
た。溶液Bおよびコーテイング溶液は実施例1と同様に
し、その他は実施例3と同様にして膜厚約100nm のSiO2
薄膜を得た。該薄膜の表面形状状態を観察したところ、
図11に示すように、約10〜50nmの径を有する凹凸状表層
となっていた。
【0052】実施例12 実施例1と同様なガラス基板に、TE0S33.3g、iPA10.8
g、n-BuOH5.2 g、酢酸エチル1.7 gならびに水(HCL
でpH4に調整)11.5gを秤り取り、約80℃で約5時間加
熱還流を行い、溶液Aとした。該溶液Aの平均分子量は
約2,000 であった。MTMS21.8g、iPA17.2 gおよび水8.
6 gを秤り取り、約70℃で約5時間加熱還流を行い、溶
液Bとした。該溶液Bの平均分子量は約2,000 であっ
た。
【0053】実施例1と同様にしてコーテイング溶液を
調製した。但しこのときの溶液Aの固形分と溶液Bの固
形分とのモル比は1:1である。その他は実施例3と同
様にして膜厚約100nm のSiO2薄膜を得た。該薄膜の表面
形状状態を観察したところ、図12に示すように、約10〜
50nmの径を有するマイクロピツト状表層であった。
【0054】実施例13 実施例1と同様なガラス基板に、ジメチルジメトキシシ
ラン((CH3)2Si(OCH3) 2 :DMDMS )32.2g、iPA 38.1g
水(pH7)9.7 gを秤り取り、約70℃で約3時間加熱還
流を行い、溶液Bとした。該溶液Bの平均分子量は約1,
000 であった。溶液Aおよびコーテイング溶液は実施例
1と同様にし、その他は実施例3と同様にして膜厚約10
0nm のSiO2薄膜を得た。該薄膜の表面形状状態を観察し
たところ、図13に示すように、約10〜30nmの径を有する
凸状表層となっていた。
【0055】実施例14 実施例1と同様なガラス基板に、TEOS56g、iPA4.7gな
らびに水(pH4)19.3gを秤り取り、約80℃で約3時間
加熱還流を行い、溶液Bとした。該溶液Bの平均分子量
は約 2,000であった。該溶液Bに、予めトリメチルクロ
ロシラン((CH3)3SiCl)29.4gとiPA 21.6gを約30分間
攪拌した溶液を加えた。溶液Aおよびコーテイング溶液
は実施例1と同様にし、その他は実施例3と同様にして
膜厚約100nm のSiO2薄膜を得た。該薄膜の表面形状状態
を観察したところ、図14に示すように、約30〜100nm の
径を有する凹凸状表層となっていた。
【0056】実施例15 実施例1と同様なガラス基板に、テトラプロポキシドチ
タン(Ti(OiPr)4) 2.8g、iPA 46.6gならびに水(pH
2)0.6 gを秤り取り、室温で約30分間攪拌を行い、溶
液Cとした。実施例1と同様に溶液Aと溶液Bを混合し
た後、該溶液Cを加え、その後iPA 300 gをさらに加え
てコーテイング溶液を作製した。該コーテイング溶液に
おける、溶液Aの固形分と溶液Bの固形分と溶液Cの固
形分(TiO2として換算)とのモル比は1:3.5 :0.45で
ある。
【0057】その他は実施例3と同様にして膜厚約100n
m のSiO2・TiO2混合薄膜を得た。該薄膜の表面形状状態
を観察したところ、図15に示すように、約10〜50nmの径
を有するピツト状表層となっていた。比較例1 溶液Bへのトリメチルクロロシランの追加処理のみはぶ
き実施例14と同様にして溶液Bを調製した。溶液Aおよ
びコーテイング溶液は実施例1と同様にし、その他は実
施例3と同様にして膜厚約100nm のSiO2薄膜を得た。該
薄膜の表面形状状態を観察したところ、図16に示すよう
に、平坦状表層であった。
【0058】比較例2 MTMS10.5g、エタノール15.5g、水(pH4)4.5 gを秤
り取り、約70℃で約20時間加熱還流を行い、溶液Aとし
た。溶液Aの平均分子量は約30,000であった。溶液Bお
よびコーテイング溶液は実施例1と同様にし、その他は
実施例3と同様にして膜厚約100nm のSiO2薄膜を得た。
【0059】該薄膜の表面形状状態を観察したところ、
図17に示すように平坦状表層であった。
【0060】
【発明の効果】以上前述したように、本発明によれば、
手軽に容易な膜形成手段でもって薄膜を安価に効率よく
得られ、該薄膜において特異な形状を有する頑固なマイ
クロピット状表層、凹凸状表層あるいは凸状表層さらに
りん片状模様表層が得られるようになり、単層膜ではも
ちろん、ことに多層膜の下地膜や下層膜において格段に
その性能を発揮して、光学特性を損なうことなく、密着
性、耐候性等に優れるものとなる等、建築用もしくは自
動車用窓材をはじめ、各種ガラス物品等、種々の被覆膜
に広く採用できる利用価値の高い、有用なマイクロピッ
ト状表層、凹凸状表層あるいは凸状表層さらにりん片状
模様表層を有するゾルゲル膜、ならびにその形成法を提
供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における、自然乾燥での本発明のゾル
ゲル膜の表層面を、走査電子顕微鏡により約2万倍の倍
率で観察処理した写真であって、凹凸状表層の状態を詳
細に示す図である。
【図2】実施例2における、実施例1に100 ℃加熱処理
での本発明のゾルゲル膜の表層面を、走査電子顕微鏡に
より約2万倍の倍率で観察処理した写真であって、マイ
クロピツト状表層の状態を詳細に示す図である。
【図3】実施例3における、実施例2に600 ℃加熱を施
した本発明のゾルゲル膜の表層面を、走査電子顕微鏡に
より約2万倍の倍率で観察処理した写真であり、マイク
ロピツト状表層の状態を詳細に示す図である。
【図4】実施例4における、実施例3で溶液Aの処理時
間を減ずることで、溶液Aと溶液Bの分子量が2千と同
一である際の本発明のゾルゲル膜の表層面を、走査電子
顕微鏡により約2万倍の倍率で観察処理した写真であ
り、凹凸状表層の状態を詳細に示す図である。
【図5】実施例5における、実施例4で溶液Bの処理時
間を増やすことで、溶液Aより溶液Bの分子量の方が大
きい際の本発明のゾルゲル膜の表層面を、走査電子顕微
鏡により約2万倍の倍率で観察処理した写真であり、凸
状表層の状態を詳細に示す図である。
【図6】実施例6における、実施例3で溶液Bの処理時
間を増やすことで、溶液Aと溶液Bの分子量が4万と3
万で近似の際の本発明のゾルゲル膜の表層面を、走査電
子顕微鏡により約2万倍の倍率で観察処理した写真であ
り、凹凸状表層の状態を詳細に示す図である。
【図7】実施例7における、実施例3で溶液Aと溶液B
の組成割合を変えた本発明のゾルゲル膜の表層面を、走
査電子顕微鏡により約2万倍の倍率で観察処理した写真
であり、凹凸状表層の状態を詳細に示す図である。
【図8】実施例8における、実施例3で溶液Aと溶液B
の組成割合を変えた本発明のゾルゲル膜の表層面を、走
査電子顕微鏡により約2万倍の倍率で観察処理した写真
であり、凸状表層の状態を詳細に示す図である。
【図9】実施例9における、実施例3で溶液Aのみの組
成割合を変えた本発明のゾルゲル膜の表層面を、走査電
子顕微鏡により約2万倍の倍率で観察処理した写真であ
り、凸状およびマイクロピツト状表層の状態を詳細に示
す図である。
【図10】実施例10における、実施例3で溶液Aのみの成
分組成割合を変えた本発明のゾルゲル膜の表層面を、走
査電子顕微鏡により約2万倍の倍率で観察処理した写真
であり、りん片の片が継ぎ合うような表層の状態を詳細
に示す図である。
【図11】実施例11における、実施例10で溶液Aの成分の
一部分を変えた本発明のゾルゲル膜の表層面を、走査電
子顕微鏡により約2万倍の倍率で観察処理した写真であ
り、凹凸状表層の状態を詳細に示す図である。
【図12】実施例12における、実施例11で溶液Aの処理時
間を減じ、溶液Aと溶液Bの分子量が2千と同一であ
り、溶液Aの固形分と溶液Bの固形分のモル比が1:1
にある際の本発明のゾルゲル膜の表層面を、走査電子顕
微鏡により約2万倍の倍率で観察処理した写真であり、
マイクロピツト状表層の状態を詳細に示す図である。
【図13】実施例13における、実施例3で溶液Bの出発原
料を3官能から2官能に変えた本発明のゾルゲル膜の表
層面を、走査電子顕微鏡により約2万倍の倍率で観察処
理した写真であり、凸状表層の状態を詳細に示す図であ
る。
【図14】実施例14における、実施例3で溶液Bの出発原
料を3官能から4官能に変え、さらに追加処理した本発
明のゾルゲル膜の表層面を、走査電子顕微鏡により約2
万倍の倍率で観察処理した写真であり、凹凸状表層の状
態を詳細に示す図である。
【図15】実施例15における、実施例3に溶液Cでもって
追加処理した本発明のゾルゲル膜の表層面を、走査電子
顕微鏡により約2万倍の倍率で観察処理した写真であ
り、マイクロピツト状表層の状態を詳細に示す図であ
る。
【図16】比較例1における、実施例14で追加処理を行わ
ない際のゾルゲル膜の表層面を、走査電子顕微鏡により
約2万倍の倍率で観察処理した写真であり、平坦状表層
の状態を詳細に示す図である。
【図17】比較例2における、実施例3で溶液Aの出発原
料を4官能から3官能へ変えた際のゾルゲル膜の表層面
を、走査電子顕微鏡により約2万倍の倍率で観察処理し
た写真であり、平坦状表層の状態を詳細に示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜口 滋生 三重県松阪市大口町1510 セントラル硝子 株式会社テクニカルセンター内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板の表面上に、金属アルコキシ
    ド系化合物あるいは金属アセチルアセトネート系化合物
    を加水分解ならびに脱水縮合させたゾル溶液の中から二
    つ以上選択し、該二つ以上選択したゾル溶液を溶剤とと
    もに混合してコーテイング溶液とし、該コーテイング溶
    液を被膜し、成膜して成る薄膜の表層が、マイクロピッ
    ト状表層または凹凸状表層あるいは凸状表層あるいはり
    ん片の継ぎ合い状表層であるゾルゲル膜において、前記
    選択した二つ以上のゾル溶液が、一つは出発原料として
    4官能を有する金属アルコキシドあるいは金属アセチル
    アセトネート化合物を用い、加水分解ならびに脱水縮合
    したゾル溶液Aであり、さらに一つは出発原料として3
    官能あるいは2官能を有する金属アルコキシドあるいは
    金属アセチルアセトネート化合物を用い、加水分解なら
    びに脱水縮合したゾル溶液Bであって、該ゾル溶液Aと
    該ゾル溶液Bをそれぞれ選択し混合することでなること
    を特徴とするゾルゲル膜。
  2. 【請求項2】 前記ゾル溶液Bの代替ゾル溶液が、4官
    能を有する金属アルコキシドあるいは金属アセチルアセ
    トネート化合物を出発原料として用い、加水分解ならび
    に脱水縮合しゾル溶液とした後、ゾルの末端の官能基を
    ターミネートし、不活性化することで成るゾル溶液であ
    ることを特徴とする請求項1記載のゾルゲル膜。
  3. 【請求項3】 前記マイクロピット状表層または凹凸状
    表層あるいは凸状表層あるいはりん片の継ぎ合い状表層
    における形状ならびにその径の制御が、前記選択した二
    つのゾル溶液の分子量、前記ゾル溶液における酸化物換
    算での固形分の混合比、前記ゾル溶液の縮合物を調製す
    る際の溶剤の種類、ならびに前記ゾル溶液を溶剤ととも
    に混合し、コーテイング溶液とすることを特徴とする請
    求項1乃至2記載のゾルゲル膜。
  4. 【請求項4】 前記ゾル溶液における酸化物換算での固
    形分の混合比が、前記ゾル溶液Aの固形分1mol に対し
    て、ゾル溶液Bの固形分は、0.03〜30mol であることを
    特徴とする請求項3記載のゾルゲル膜。
  5. 【請求項5】 前記ゾル溶液の分子量の範囲が、100 〜
    1,000,000 であることを特徴とする請求項3記載のゾル
    ゲル膜。
  6. 【請求項6】 ガラス基板の表面上に、金属アルコキシ
    ド系化合物あるいは金属アセチルアセトネート系化合物
    を加水分解ならびに脱水縮合させたゾル溶液の中から二
    つ以上選択し、該二つ以上選択したゾル溶液を溶剤とと
    もに混合してコーテイング溶液とし、該コーテイング溶
    液を被膜し、マイクロピット状表層または凹凸状表層あ
    るいは凸状表層あるいはりん片の継ぎ合い状表層で成る
    薄膜を成膜するゾルゲル膜の形成法において、前記選択
    した二つ以上のゾル溶液は、一つは出発原料として4官
    能を有する金属アルコキシドあるいは金属アセチルアセ
    トネート化合物を用い、加水分解ならびに脱水縮合した
    ゾル溶液Aであり、さらに一つは出発原料として3官能
    あるいは2官能を有する金属アルコキシドあるいは金属
    アセチルアセトネート化合物を用い、加水分解ならびに
    脱水縮合したゾル溶液Bであって、該ゾル溶液Aと該ゾ
    ル溶液Bをそれぞれ選択し混合することを特徴とするゾ
    ルゲル膜の形成法。
  7. 【請求項7】 前記ゾル溶液Bの代替ゾル溶液が、4官
    能を有する金属アルコキシドあるいは金属アセチルアセ
    トネート化合物を出発原料として用い、加水分解ならび
    に脱水縮合しゾル溶液とした後、ゾルの末端の官能基を
    ターミネートし、不活性化することで成るゾル溶液であ
    ることを特徴とする請求項6記載のゾルゲル膜の形成
    法。
  8. 【請求項8】 前記マイクロピット状表層または凹凸状
    表層あるいは凸状表層あるいはりん片の継ぎ合い状表層
    における形状ならびにその径の制御が、前記選択した二
    つのゾル溶液の分子量、前記ゾル溶液における酸化物換
    算での固形分の混合比、前記ゾル溶液の縮合物を調製す
    る際の溶剤の種類、ならびに前記ゾル溶液を溶剤ととも
    に混合し、コーテイング溶液とすることを特徴とする請
    求項6乃至7記載のゾルゲル膜の形成法。
  9. 【請求項9】 前記ゾル溶液における酸化物換算での固
    形分の混合比が、前記ゾル溶液Aの固形分1mol に対し
    て、ゾル溶液Bの固形分は、0.03〜30mol であることを
    特徴とする請求項8記載のゾルゲル膜の形成法。
  10. 【請求項10】 前記ゾル溶液の分子量の範囲が、100 〜
    1,000,000 であることを特徴とする請求項8記載のゾル
    ゲル膜の形成法。
  11. 【請求項11】 前記コーティング溶液を、1〜10cPに粘
    度調製することを特徴とする請求項6ならびに10記載の
    ゾルゲル膜の形成法。
  12. 【請求項12】 前記コーティング溶液の酸化物換算固形
    分濃度が、0.01〜10wt%であることを特徴とする請求項
    6乃至11記載のゾルゲル膜の形成法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6235833B1 (en) 1998-02-13 2001-05-22 Central Glass Company, Limited Water-repellent solution and method of forming water-repellent film on substrate by using the solution

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