JPH0629686Y2 - 計器用文字板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は車両用計器，その他指示計器に使用される文字板
に関するものである。

（従来の技術） 車両等の計器に使用される文字板は、外部照明からも、
又計器の内部光源による透過光でも目盛，数字等の表示
部が視認できるように、透光基板上に所定の着色層を施
して形成している。具体的には透光基板の表面全体に数
字，目盛等の表示部分の表示色となる第一の表示用着色
層（一般に白色）を施し、その上面に更に数字，目盛等
の表示部分を抜き型とした地色着色層（一般に黒色）を
設けてなり、必要に応じて適宜異色表示用着色層（危険
表示のための赤色）を表示用着色層の表面に重ねて設け
たり、また計器内部光源による透過光表示の際に前記表
示部分を前記表示用着色層の色とは異なる色で照明表示
させるための第二の表示用着色層（一般に緑色）を、前
記第一の表示用着色層の下方や或いは透光基板の裏面に
設けたりしている（実開昭６２−１４５１１３号公報参
照）。

（考案が解決しようとする課題） 計器は車両用のみならず多業種，多方面で使用され、そ
れに対応して計器の文字板も多品種のものが製造されて
いる。この様な状況下では基板形状が同一で目盛線の太
さ，目盛角度等が僅かに相違する文字板が同一生産ライ
ンで製造されることも珍しくない。このため計器への組
み込みに際して設けた部品以外の文字板を組み込んでし
まう虞があるので、文字板に適宜な識別記号等を表示し
ておく必要が生ずる。

前記識別記号を文字板の表面側に形成しておくと、車両
等に計器を組み込んだ際、計器の表示と関係の無い表示
である当該識別記号が視認され不都合である。

勿論文字板裏面に識別記号を表示しておけば良いが、識
別記号等を文字板裏面に印刷表示すると、そのため一工
程が増加してしまい、コストアップの原因となる。

そこで本考案は、表示印刷の工程を増加させること無
く、裏面のみから確認できる識別記号を備えた文字板を
提案したものである。

（課題を解決するための手段） 本考案に係る計器用文字板は、透光基板面に目盛等の表
示部分の表示色となる表示用着色層と、前記表示部分を
抜き形として前記表示用着色層の表側に形成した地色着
色層とを設けて、所定の表示を実現した文字板に於て、
前記表示用着色層の表示部分以外の箇所に文字板識別表
示の表裏逆表示形状の抜き部を設けてなることを特徴と
するものである。

（作用） 目盛等の表示色となる表示着色層を形成する際の文字板
識別表示の抜き部は、その表側に地色着色層が印刷形成
されると、文字板裏面から見た場合、表示色の地色に、
文字板地色による識別表示が明確に視認できる。

（実施例） 次に本案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は文字板の一部截断した正面図で、第２図は断面
図、第３図は別の実施例の断面図である。

文字板は透光基板１表面に必要とする着色層を適宜重ね
て印刷して形成されるもので、透光基板１は無色透明板
が多用されるが、有色でも所望の透光性を有するもので
あれば良い。着色層は所望の文字板の目盛等が外部照明
では白色で、特に夜間の計器内部光源からの透過光では
緑色に視認でき、また危険表示に赤色表示を用いた例に
ついて説明する。

最初に目盛線ａ，数字ｂ等の表示部分に対応する透光基
板１の表面に緑色の表示用第一着色層２を印刷形成し、
次に文字板全体に白色の表示用第二着色層４を、所定の
パターンに形成したマスクを用いてのシルクスクリーン
印刷等の手段で印刷形成する。この表示用第二着色層４
は文字板上の計器表示に使用しない個所即ち前記表示部
分以外の個所に文字板識別記号ｃの表裏逆転形状とした
抜き部３を同時に形成する。然る後表示部分の一部であ
る危険表示部ｄと対応する部分に赤色の表示用第三着色
層５を前記と同様の手段で印刷形成し、最後に目盛線
ａ，数字ｂ，危険表示部ｄを抜いて残余の部分を黒色の
地色着色層６を前記と同様手段で印刷形成してなるもの
である。

従って従来と同様に外部照明で白色の目盛線ａ，数字ｂ
及び赤色の危険表示部ｄ等の表示部分が視認され、夜間
は内部光源の透過光によって目盛線ａ及び数字ｂ等が緑
色に視認できる文字板で提供されると共に、文字板裏面
を見ると抜き部３を通して黒色の地色着色層６が視認さ
れ文字板の識別記号ｃとして表されている。

尚表示用第二着色層４を透光基板１の裏面に印刷形成す
る計器用文字盤板の場合でも、前記実施例と同様に抜き
部３を設けることで、文字盤識別記号ｃを形成できる。

更に前記実施例における夜間の内部光源による照明時
に、目盛線ａ及び数字ｂ等を緑色で照明表示するための
表示用第一着色層２を透光基板１の裏面に印刷形成する
計器用文字板では、この表示用第一着色層２に抜き部３
を設けることにより、その表側に形成する表示用第二着
色層４或いは地色着色層６によって識別記号ｃが文字盤
裏面から視認できる。

また本案は前述したように、計器内部光源による透過光
着色表示や危険表示等がなされていない計器や、逆にそ
の他種々の表示がなされる計器文字板にも採用できるも
ので、少なくとも第３図に示すように、透光基板１に目
盛線ａ等の表示色となる表示用着色層と、文字板の地色
となる地色着色層を有し、表示用着色層４に計器として
の表示に使用しない個所即ち前記表示部分以外の個所に
識別記号ｃの抜き部３を形成し、文字板裏面に識別記号
ｃが表示されるものであれば良い。

（考案の効果） 本案は以上のように透光基板に少なくとも表示用着色層
と目盛線等表示部分を抜き部とした地色着色層とを積層
印刷形成する文字板に於て、文字板上の計器指示表示に
使用しない個所即ち前記表示部分以外の個所の前記表示
用着色層に、表裏逆転せしめた文字板識別記号を抜き部
として設けたもので、表示用着色層を印刷形成する際に
使用するマスクに、予め文字板識別記号を形成して透光
基板上に表示用着色層が印刷されないようにしておくこ
とにより、前記文字板識別記号たる抜き部は表示用着色
層形成時に同時に形成されるものであり、従来の印刷工
程に何等他の工程を増加することなく、文字板裏面に文
字板の種類を判別する識別記号を表示することができた
ものである。

【図面の簡単な説明】

図は本案の実施例で、第１図は一部截断した正面図 第
２図は同断面図 第３図は別の実施例の断面図である。 １は透光基板 ２は緑色の表示用第一着色層 ３は抜き部 ４は白色の表示用第二着色層 ５は赤色の異色表示用第三着色層 ６は地色着色層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透光基板面に目盛等の表示部分の表示色と
   なる表示用着色層と、前記表示部分を抜き形として前記
   表示用着色層の表側に形成した地色着色層とを設けて、
   所定の表示を実現した文字板に於て、前記表示用着色層
   の表示部分以外の箇所に文字板識別表示の表裏逆表示形
   状の抜き部を設けてなることを特徴とする計器用文字
   板。