JPH06295811A - 酸化物軟質磁性材料 - Google Patents

酸化物軟質磁性材料

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JPH06295811A
JPH06295811A JP6013750A JP1375094A JPH06295811A JP H06295811 A JPH06295811 A JP H06295811A JP 6013750 A JP6013750 A JP 6013750A JP 1375094 A JP1375094 A JP 1375094A JP H06295811 A JPH06295811 A JP H06295811A
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JP
Japan
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mol
oxide
ferrite
temperature
moo
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JP6013750A
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Yukiko Nakamura
由紀子 中村
Satoru Narutani
哲 成谷
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 60〜100 ℃の温度域で高飽和磁束密度を示
し、かつ高透磁率, 高抵抗を実現できる酸化物磁性材料
を開発すること。 【構成】 基本成分組成が、Fe2O3 :48〜50 mol%, Zn
O :15〜25 mol%, CuO:2.5mol%以下,NiO :22〜37
mol%および不可避的不純物からなるものに、MoO3換算
で3000ppm 以下のMo酸化物を添加してなる酸化物軟質磁
性材料であり、前記酸化物軟質磁性材料の焼結密度は、
理論密度の95〜99%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物軟質磁性材料に
関し、特にスイッチング電源用チョークコイル等の高周
波磁心材料に用いて好適な酸化物軟質磁性材料であっ
て、60〜100 ℃の温度域で高飽和磁束密度, 高抵抗およ
び高透磁率を示す Ni-Zn系フェライトについての提案で
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、 Ni-Zn系フェライトの初透磁率
μi および飽和磁束密度Bm は、主成分組成比でほぼ決
まり、特にZnO 量に依存する。すなわち、μi は、ZnO
量の増加に伴い著しく増大する。一方、Bm は、室温で
は、ZnO =20(mol%) 近辺で最大となるが、温度が高く
なるにつれて低下し、キュリー温度TC の直下で急減す
る。しかも、TC がZnO 量の増加に伴い低下することか
ら、とくに高温でのBmは、ZnO 量が25(mol%) を超え
ると急激に低下してしまう。このため、Bm の高い Ni-
Zn系フェライトで高いμi を同時に実現することはでき
なかった。
【0003】μi は、主成分組成の調整の他に、焼結密
度の上昇に伴って増大する傾向にあり、同一主成分組成
でより高いμi を得るには、焼成温度を上げて高密度に
する方法がある。しかしながら、この方法では、焼成コ
ストが増大するだけでなく、焼成時の割れ、変形、ある
いはZn成分の蒸発に伴う組成ずれ等の問題が生じやす
く、好ましくない。
【0004】さらに、焼成温度の調整(高温焼成)の他
に、副成分の添加によって高μi を得ることも可能であ
る。例えば、特開平5−21222 号公報によると、Ni-Zn
系フェライトにMoO3を0.1 wt%以下添加することによ
り、μi が改善できるとされている。また、特開平5−
3112号公報によると、焼結促進成分CuO を配合したNi-Z
n 系フェライトに、MoO3を0.15〜1.35wt%添加すること
により、高μi と小さな温度係数が同時に実現できると
されている。
【0005】しかしながら、発明者らの実験によれば、
CuO を配合したNi-Zn 系フェライトは、焼結が促進する
反面、CuO が結晶粒内に固溶してNi-Zn 系フェライトの
磁気特性に影響を及ぼす結果、μi ,Bm ,TC が低下
するという問題があった。
【0006】一方、この Ni-Zn系フェライトは、スイッ
チング電源用チョークコイル等の磁心材料としても使用
されるが、かような用途に用いる場合、その磁気特性と
して、大電流印加による高磁場に対して飽和しないこ
と、すなわち、高い飽和磁束密度(Bm )をそなえるこ
とが要求される。しかも、スイッチング周波数は近年、
ますます高周波化しつつあることから、トランスその他
の部品の発熱によりコイルの使用温度は60〜100 ℃と高
くなる傾向にある。従って、最近では、このような温度
域でも高いBm を示すことが必要とされる。
【0007】従来、Bm の高い酸化物軟質磁心材料とし
て広く用いられてきた Mn-Zn系フェライトは、キュリー
温度が低いために、使用温度が80℃以上ではBm が大幅
に低下するという問題があった。また、この Mn-Zn系フ
ェライトは、他のフェライトに比べて電気抵抗が低い
(10〜103 Ωcm)ために、コアに直接巻線できないとい
う問題もあった。
【0008】この点、 Ni-Zn系フェライトは、電気抵抗
が106 〜1010Ωcmと高いので、直接巻線が可能であり、
またキュリー温度が高いことからBm の温度特性も良好
である。しかしながら、Bm の絶対値が Mn-Zn系フェラ
イトには及ばないというところに問題を残していた。
【0009】これに対し、高温・高磁場中における上記
課題を克服するための従来技術として、特開平2−8321
8 号公報では、自動車エンジン点火装置用の酸化物軟質
磁性材料が提案されている。この従来技術は、 100〜20
0 ℃の温度領域でもBm が高く、しかも、うず電流によ
る電力損失が小さい磁心材料に関するものである。
【0010】しかしながら、上記従来技術の磁心材料
は、 100〜200 ℃の温度領域を対象にして開発されたも
のなので、60〜100 ℃の温度領域で所望の特性を得るこ
とができないという問題があった。また、この磁心材料
は、スイッチング電源用チョークコイル用として適用す
ると、鉄過剰組成なので電気抵抗が低いために、コアに
直接巻線できないという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術が抱える上述した未解決課題を克服することにあ
り、特に、60〜100 ℃の温度領域で3900ガウス以上の高
m を示し、かつ室温で10 6 Ωcm以上の高抵抗、300 以
上の高μi を示す酸化物軟質磁性材料を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的実現のために鋭
意研究を重ねた結果、本発明者らは、以下の内容を要旨
構成とする本発明に想到したのである。すなわち、本発
明は、基本成分組成が、Fe2O3:48〜50 mol%、ZnO :15
〜25 mol%、CuO :2.5mol%以下、NiO:22〜37 mol%お
よび残部不可避的不純物からなるものに、MoO3換算で30
00ppm 以下のMo酸化物を添加してなる酸化物軟質磁性材
料である(第1発明)。さらに、上記の基本成分組成お
よび添加物よりなる酸化物軟質磁性材料の焼結密度が、
理論密度の95〜99%を示す酸化物軟質磁性材料である
(第2発明)。
【0013】
【作用】ここで、本発明にかかる酸化物軟質磁性材料の
基本成分を構成するFe2O3 は、Bm およびμi を高め、
電気抵抗を調整する役割を担い、その含有量は48〜50 m
ol%、より好ましくは49.0〜49.9 mol%とする。この数
値に限定される理由は、Fe2O3 の含有量が48 mol%未満
では、大きな磁気モーメントを有するFe3+濃度が低くな
るために高いBm を得ることができず、結晶磁気異方性
定数k1 が大きくなるために高いμi を得ることができ
ないからである。一方、50 mol%超では、電気抵抗が急
激に低下するためにコアに直接巻線できなくなるからで
ある。
【0014】本発明にかかる酸化物軟質磁性材料の基本
成分を構成するZnO は、Bm を高める役割を担い、その
含有量は15〜25 mol%、より好ましくは16〜23 mol%と
する。この数値に限定される理由は、ZnO の含有量が15
mol%未満では、結晶の磁気モーメントが小さいため60
〜100 ℃においてBm とμi に関する所望の特性を得る
ことができないからである。一方、25 mol%超では、キ
ュリー点が低下するために60℃以上におけるBm が著し
く低下するからである。
【0015】本発明にかかる酸化物軟質磁性材料の基本
成分を構成するNiO は、Bm およびμi を所望の特性に
調整する役割を担い、その含有量は25〜37 mol%、より
好ましくは27〜34 mol%とする。この数値に限定される
理由は、NiO の含有量が25 mol%未満では、キュリー点
が低下するために60℃以上におけるBm が著しく低下す
るからである。一方、37mol%超では、結晶磁気異方性
定数k1 が大きくなるために高いμi を得ることができ
ないからである。
【0016】本発明においては、焼成温度の低減(焼結
促進)と原料コストの削減をするために、上記NiO 成分
の一部をCuO 成分で置換している。その置換量は、高い
mと高いμi を同時に実現するために、2.5mol%以
下、より好ましくは1.5 mol%以下とする。NiO 成分の
CuO 成分による置換量を2.5mol%以下とする理由は、2.
5mol%を超えるCuO で置換すると結晶粒内のBm および
μi ,TC が低下し、特定の温度で損失係数 tanδが著
しく増大するからである。また、後述するように、MoO3
添加によるμi 改善効果が得られなくなるからである。
【0017】本発明においては、高μi の酸化物軟質磁
性材料を得るために、上述したような Ni-Zn系フェライ
トの基本成分に副成分としてMo酸化物を添加している。
このMo酸化物は、MoO3換算で3000ppm 以下を含み、より
好ましくはMoO3換算で100 〜1500ppm を含む。この理由
は、Mo酸化物の含有量が3000ppm を超えると、結晶粒の
異常粒成長を起こしやすくなり磁気特性が極めて不安定
になる結果、μi 改善効果が得られないからである。
【0018】さらに、本発明においては、高いBm と高
いμi を同時に実現するために、酸化物軟質磁性材料の
焼結密度を、理論密度の95〜99%、より好ましくは96〜
98.5%とする。この数値に限定される理由は、前記焼結
密度(相対焼結密度)が95%未満では、実効的な磁性体
占有率が低いためにBm とμi を同時に高くすることが
できず、一方、99%超とするには、粉砕,成形,焼成に
おいて高度な技術が必要となり実用的でないからであ
る。
【0019】ここで、本発明における上記Mo酸化物のμ
i 改善効果は、以下に示すメカニズムによるものと考え
る。一般に、 Ni-Zn系フェライトのμi に及ぼす微量添
加物の効果としては、焼結促進や結晶粒成長促進,粒界
応力緩和が挙げられ、これらのいずれか、または相乗効
果でμi が改善される。そこで、本発明者らは、本発明
を見出す過程において、種々の酸化物を添加した Ni-Zn
系フェライトの焼結密度,結晶粒径と、μi ,Bm をは
じめとする各種磁気特性との関係について詳細に調べ
た。その結果、μi は、通常、焼結密度,結晶粒径とと
もに増大するが、この場合のμi 改善効果は、MoO3添加
の有無に拠らない効果であることが明らかになった。以
下に検討例を示す。
【0020】Fe2O3:ZnO:NiO:CuO =49.5:21:29.4:0.
1 ( mol%比)となるように、主要酸化物原料を秤量、
混合、仮焼して得た Ni-Zn系フェライト仮焼粉に、MoO3
を527ppm添加して、粉砕、造粒、成形し、1225℃で6時
間焼成して試料1を作製した。また、同じ仮焼粉を用い
て、添加物を加えずに同じ方法で粉砕、造粒、成形し、
1225℃で3時間焼成して試料2を作製した。このように
して得られた試料1および試料2の焼結密度(理論密度
に対する%比),平均結晶粒径,μi (500kHz, 室温)
はそれぞれ、 試料1: 93.5 %,2.9 μm,275 試料2: 93.9 %,2.7 μm,210 であった。この検討結果より明らかなように、焼結密
度,結晶粒径の同等な試料でもMoO3添加に拠るμi 改善
効果が得られることから、MoO3添加に拠るμi 改善のメ
カニズムは粒界応力緩和が支配的と考えられる。具体的
には、MoO3は、低融点酸化物(単体での融点;795 ℃)
であり、焼成温度域で一部粒界から昇華することで粒界
応力を緩和し、粒界に残留する圧縮応力に起因するμi
の低下を抑制することができると考える。このことは、
例えば、1200℃程度で約3時間焼成した後の元素分析の
結果により、MoO3のコア内残存率が50〜80%であること
からもわかる。これに対し、CuO, Bi2O3, V2O5のような
Ni-Zn系フェライトの焼結温度を低下させる成分(いわ
ゆる焼結促進成分)がMoO3と共に存在すると、焼成後の
MoO3のコア内残存率が90〜100 %となり粒界応力緩和効
果が得られず、逆にμi 改善効果は制限されることが判
った。
【0021】本発明の酸化物軟質磁性材料は、焼成温度
の低減と原料コストの削減のために、NiO 成分をCuO 成
分に置換したものであるが、上記検討結果によると、Cu
O 成分がMoO3のμi 改善効果に及ぼす影響は大きいの
で、CuO 量についてさらに詳細に検討した。その結果、
CuO によるNiO の置換量は、2.5mol%以下でなければ十
分な粒界応力緩和効果が得られないことが明らかになっ
た。
【0022】なお、MoO3は、粒内にはほとんど固溶しな
いので、酸化物軟質磁性材料の高B m および高抵抗特性
はそのまま維持される。
【0023】以上説明したような構成になる本発明の酸
化物軟質磁性材料によれば、60〜100 ℃の温度域におい
て3900ガウス以上の高飽和磁束密度を示し、かつ室温で
106Ωcm以上の高抵抗と300 以上の高透磁率を実現する
ことができる。
【0024】
【実施例】
(実施例1)Fe2O3:(ZnO+NiO):CuO =49.5:50.3:0.2
( mol%比、但し ZnO=0〜35 mol%)となるように、主
要酸化物原料を秤量し、混合し、880 ℃で2時間仮焼し
て Ni-Zn系フェライト仮焼粉を得た。次に、上記仮焼粉
にMoO3を500ppm添加した後、湿式粉砕し、乾燥後、バイ
ンダーとしてPVAを添加して造粒し、その後、成形し
て外径36mm, 内径24mm, 高さ7.6mm のトロイダル形状の
成形体を得た。そして、得られた成形体を、大気中,11
00〜1300℃の温度で3時間焼成してMo含有 Ni-Zn系フェ
ライトコアを得た。
【0025】このようにして得られた焼結密度90〜99%
のMo含有 Ni-Zn系フェライトコアについて、μi を室
温,500kHzの条件下で、Bm を25Oe,60℃で、比抵抗を
室温で、TC をVSMの温度特性により測定した。その
結果、μi およびBm は焼結密度に依存するため、得ら
れたデータから焼結密度96%でのμi およびBm を見積
り、TC と併せて図1に示す。これらに示された結果か
ら明らかなように、本発明のZnO 量範囲にかかるNi-Zn
系フェライトであれば、60℃以上の高温域においても、
m ≧3900(Gauss) 、μi ≧300 、TC ≧250 ℃を同時
に実現することができる。なお、比抵抗は、全ての試料
で106(Ωcm) 以上であった。
【0026】(実施例2)主要酸化物原料であるFe2O3,
ZnO, NiO, CuOを、表1に示す各組成となるように秤量
し、混合し、925 ℃で2時間仮焼して Ni-Zn系フェライ
ト仮焼粉を得た。次に、上記仮焼粉にMoO3を800ppm添加
した後、湿式粉砕し、乾燥後、バインダーとしてPVA
を添加して造粒し、その後、成形圧力1ton/cm2 で成形
して外径36mm, 内径24mm, 高さ7.6mm のトロイダル形状
の成形体を得た。そして、得られた成形体を、大気中,
1050〜1300℃の温度で3時間焼成してMo含有 Ni-Zn系フ
ェライトコアを得た。
【0027】このようにして得られた焼結密度94.5〜9
9.0%のMo含有 Ni-Zn系フェライトコアについて、μi
を室温,500kHzの条件下で、Bm を25Oe,80℃で、比抵
抗を室温,10V の条件下で測定した結果を表1に併せて
示す。これらに示された結果から明らかなように、本発
明の組成範囲および焼結密度範囲の Ni-Zn系フェライト
であれば、Bm ≧3900(Gauss) 、μi ≧300 、比抵抗≧
106 (Ωcm)を同時に実現することができる。
【0028】
【表1】
【0029】(実施例3)Fe2O3:ZnO:NiO:CuO =49.5:
21:29.0:0.5 ( mol%比)となるように、主要酸化物
原料を秤量し、混合し、900 ℃で3時間仮焼して Ni-Zn
系フェライト仮焼粉を得た。次に、上記仮焼粉に、表2
に示す量(外枠量)のMoO3を添加したのち湿式粉砕し、
次いで乾燥後、バインダーとしてPVAを添加して造粒
し、その後、成形圧力1ton/cm2 で成形して外径36mm,
内径24mm, 高さ8mmのトロイダル形状の成形体を得た。
そして、得られた成形体を、大気中,1100〜1300℃の温
度で3時間焼成してMo含有 Ni-Zn系フェライトコアを得
た。
【0030】このようにして得られたMo含有 Ni-Zn系フ
ェライトコアのμi を室温,500kHzの条件下で、Bm
25Oe,80℃で測定した結果を表2および図2に示す。な
お、表2および図2で示したμi ,Bm ,比抵抗の値
は、焼結密度96%におけるものである。これらに示され
た結果から明らかなように、本発明の酸化物軟質磁性材
料によれば、Bm を低下させることなくμi を改善する
ことができることを確認した。
【0031】
【表2】
【0032】(実施例4)Fe2O3:ZnO:(NiO+CuO)=49.
8:24:26.2( mol%比、CuO 量は表3に示すとおり)
となるように、主要酸化物原料を秤量し、混合し、875
℃で3時間仮焼してNi-Zn系フェライト仮焼粉を得た。
次に、上記仮焼粉に、600ppmのMoO3を添加したのち湿式
粉砕し、次いで乾燥後、バインダーとしてPVAを添加
して造粒し、その後、成形圧力1ton/cm2 で成形して外
径36mm, 内径24mm, 高さ8mmのトロイダル形状の成形体
を得た。そして、得られた成形体を、大気中, 950〜12
00℃の温度で3時間焼成してMo含有Ni-Zn 系フェライト
コアを得た。
【0033】このようにして得られたMo含有Ni-Zn 系フ
ェライトコアのμi を室温,500kHzの条件下で、Bm
25Oe,80℃で測定した結果を表3に示す。なお、表3で
示したμi ,Bm ,比抵抗の値は、焼結密度97%におけ
るものである。表3に示す結果から明らかなように、Cu
O のモル比が2.5mol%を超えると80℃におけるBm が低
下し、MoO3添加によるμi 改善効果も得られなくなるた
めに、所望の特性が得られなくなることを確認した。
【0034】
【表3】
【0035】なお、上述した実施例では、MoO3の添加は
粉砕前に行ったが、仮焼温度が 600〜1000℃の温度範囲
であれば他の成分とともに仮焼前に入れても同様の効果
が得られる。また、CuO は、仮焼前に配合したが、粉砕
前に添加しても同様の効果が得られる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明の酸化物軟質
磁性材料によれば、60〜100 ℃の実使用温度域において
高飽和磁束密度を示し、かつ高透磁率と高抵抗を実現す
ることができる。したがって、本発明の酸化物軟質磁性
材料は、特に電源用チョークコイルのような高温,高磁
場下での用途に対し優れた特性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ZnO 量と、初透磁率μi,飽和磁束密度Bmおよ
びキュリー温度TC との関係を示す図である。
【図2】MoO3の添加による初透磁率改善効果を示す図で
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基本成分組成が、Fe2O3:48〜50 mol%、
    ZnO :15〜25 mol%、CuO:2.5mol%以下、NiO:22〜37 m
    ol%および残部不可避的不純物からなるものに、MoO3
    算で3000ppm 以下のMo酸化物を添加してなる酸化物軟質
    磁性材料。
  2. 【請求項2】 上記酸化物軟質磁性材料の焼結密度は、
    理論密度の95〜99%である請求項1に記載の酸化物軟質
    磁性材料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013015074A1 (ja) * 2011-07-28 2013-01-31 京セラ株式会社 フェライト焼結体およびこれを備えるフェライトコア
CN113511889A (zh) * 2021-06-28 2021-10-19 乳源东阳光磁性材料有限公司 一种软磁镍锌铁氧体材料及其制备方法和应用
CN114242371A (zh) * 2021-12-27 2022-03-25 标旗磁电产品(佛冈)有限公司 一种镍锌铁氧体颗粒料及其制备方法和应用

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