JPH06294850A - 微弱磁気測定方法及びその装置並びにそれを用いた非破壊検査方法 - Google Patents

微弱磁気測定方法及びその装置並びにそれを用いた非破壊検査方法

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JPH06294850A
JPH06294850A JP10516093A JP10516093A JPH06294850A JP H06294850 A JPH06294850 A JP H06294850A JP 10516093 A JP10516093 A JP 10516093A JP 10516093 A JP10516093 A JP 10516093A JP H06294850 A JPH06294850 A JP H06294850A
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茂 北川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アモルファス磁芯のヒステリシス特性を利用
して1mG(ミリガウス)の磁束密度変化をも測定する
ことが可能な微弱磁気測定方法及びその装置であり、そ
れを強磁性体からなる被検査体の強制磁化に起因する漏
洩磁束や誘導磁化に起因する微小な磁束密度変化を検出
し、各種の非破壊検査に応用するものである。 【構成】 アモルファス磁芯に巻回したコイルに、直流
電流IDCに交流電流IACを重畳した励磁電流を流し、前
記アモルファス磁芯が交流電流の一部で非線形磁化特性
を示し且つ他の部分では線形磁化特性を示すように直流
電流を調節し、外部磁場によりその非線形動作点が移動
することによって生じるコイル両端の電圧変化を測定し
て微弱な外部磁場を測定してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微弱磁気測定方法及び
その装置並びにそれを用いた非破壊検査方法に係わり、
更に詳しくはアモルファス磁芯の飽和非線形特性を利用
して1mG(ミリガウス)以下の磁束密度変化をも容易
に測定することが可能な微弱磁気測定方法及びその装置
であり、それを強磁性体からなる被検査体の強制磁化に
起因する漏洩磁束や誘導磁化に起因する微小な磁束密度
変化を検出し、各種の非破壊検査に応用するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から高感度磁気センサー(ホール素
子や磁気抵抗素子より10倍以上感度が高いもの)とし
ては、磁性材(コイル芯)のヒステリシス特性における
飽和特性を利用したものと、磁気偏光を利用したものが
存在する。しかし、これまでのものは何れも10mm3
以下の小型にすることが困難であり、局所欠陥検出用と
することは不可能であった。
【0003】そして、前述の磁芯のヒステリシス特性を
利用したものとして、例えば特開平2−162276号
公報にて開示される如く、固定インピーダンスを介して
強磁性体コアに巻回したコイルに直流バイアスを加算し
た交流又はパルス電流を供給し、前記コイルの両端に発
生する電圧の直流分レベルにより磁気測定を行う磁気測
定方法及び磁気測定装置が既に存在する。そして、この
公報記載の発明の要旨は、可飽和形磁気センサーを使用
した漏洩磁束探傷において、直流バイアスを加算するこ
とによって、該直流バイアスで欠陥のない被検査体から
発生する漏洩磁束を打ち消して、真に欠陥に起因する漏
洩磁束のみを測定し、磁気センサーの見掛け上の測定ス
パンを拡大し、探傷性能を向上することにある。
【0004】しかし、前記公報記載の発明は、その実施
例としてヨーク型磁気センサーのみが開示され、これで
は前述のような小型化は困難である。更に、その原理は
磁芯に巻回したコイルに、磁芯が飽和するまで大振幅の
励磁交流電流を流し、即ち磁芯のヒステリシス特性にお
ける正逆磁化領域の両飽和特性を対称又は非対称に利用
した点にあるが、磁芯のこの両飽和特性を利用すること
は、従来から磁気増幅器の動作原理として周知であり、
これを磁気センサーとして応用したものである。
【0005】ここで、前記磁気増幅器は、独立した制御
巻線に、制御磁化力を与えることにより、磁芯の非直線
性を利用して、インダクタンスを変化し、出力回路の電
圧−電流特性を変化することのできる可飽和リアクトル
を単独又は整流器等の他の素子と併用して増幅又は制御
作用を行うものである。換言すれば、磁気増幅器は、磁
芯に巻線を施した可飽和リアクトルの交流インピーダン
スを、別の巻線に流す直流電流によって制御し、制御に
要した直流電力よりも大きな交流電力の変化を生じさせ
る装置であり、磁芯にはヒステリシス特性が鋭い角形の
飽和特性をもつ異方性50Ni・Fe合金やフェライト
等が用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が前述の状況に
鑑み、解決しようとするところは、磁気プローブの大き
さを10mm3 以下の小型にして局所的な磁束密度を測
定することが可能であり、しかも1mG以下の微弱磁束
や磁束密度変化をも測定することが可能な検出感度を有
する微弱磁気測定方法及びその装置を提供するととも
に、それを用いた各種の非破壊検査方法を提供する点に
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、アモルファス磁芯に巻回したコイルに、直
流電流に交流電流を重畳した励磁電流を流し、前記アモ
ルファス磁芯が交流電流の一部で非線形磁化特性を示し
且つ他の部分では線形磁化特性を示すように直流電流を
調節し、外部磁場によりその非線形動作点が移動するこ
とによって生じるコイル両端の電圧変化を測定して微弱
な外部磁場を測定してなる微弱磁気測定方法を提供す
る。
【0008】また、前述の方法を具体化するために、ア
モルファス磁芯にコイルを巻回した磁気プローブと、直
流電流に交流電流を重畳した励磁電流を前記コイルに供
給し、前記アモルファス磁芯が交流電流の一部で非線形
磁化特性を示し且つ他の部分では線形磁化特性を示すよ
うに直流電流を調節してなる電源回路と、前記コイルの
両端に生じる変動電圧を増幅し且つ整流する検出回路と
よりなる微弱磁気測定装置を構成した。
【0009】更に、前述の方法及び装置を利用して各種
の非破壊検査を行うために、アモルファス磁芯に巻回し
たコイルに、直流電流に交流電流を重畳した励磁電流を
流し、前記アモルファス磁芯が交流電流の一部で非線形
磁化特性を示し且つ他の部分では線形磁化特性を示すよ
うに直流電流を調節し、強磁性体からなる被検査体の欠
陥部を含む領域を他のバイアス磁場によって磁化し、こ
の欠陥部に起因する被検査体の表面での漏洩磁束が前記
コイルを交叉することによりアモルファス磁芯の非線形
動作点が移動することによって生じるコイル両端の電圧
変化を測定して前記欠陥部を検出してなる非破壊検査方
法を提供する。
【0010】そして、このバイアス磁場を用いる非破壊
検査方法において、欠陥部を有する板状被検査体の表面
又は裏面から他のバイアス磁場を印加して該被検査体を
略表面に沿って磁化し、該被検査体の裏面側又は表面側
の溝状欠陥又は減肉欠陥等の欠陥部を検出すること、コ
ンクリート等の非磁性体内に埋設された鉄筋等の長尺被
検査体を他のバイアス磁場によって長さ方向に沿って略
平行に磁化し、鉄筋等の切損部より発生する漏洩磁束を
測定して該切損部を検出すること、ワイヤロープを他の
バイアス磁場によって長さ方向に沿って略平行に磁化
し、ロープ素線の切損部より発生する漏洩磁束を測定し
て該切損部を検出すること、非磁性体の基材表面に強磁
性体の被覆層を形成してなる被検査体を他のバイアス磁
場によって表面に沿って略平行に磁化し、被覆層の欠損
部より発生する漏洩磁束を測定して該欠損部を検出する
こと、欠陥部を有する板状被検査体の裏面から他のバイ
アス磁場を印加して該被検査体を表面に略直交する方向
に磁化し、該被検査体の鋳巣又は透磁率の異なる異物の
混入等の鋳造欠陥を検出することが可能である。
【0011】また、アモルファス磁芯に巻回したコイル
に、直流電流に交流電流を重畳した励磁電流を流し、前
記アモルファス磁芯が交流電流の一部で非線形磁化特性
を示し且つ他の部分では線形磁化特性を示すように直流
電流を調節し、強磁性体からなる被検査体に生じる誘導
磁化との相互誘導によりアモルファス磁芯の非線形動作
点が移動することによって生じるコイル両端の電圧変化
を測定し、該被検査体の位置を検出してなる非破壊検査
方法を提供する。
【0012】そして、このバイアス磁場を用いない非破
壊検査方法において、コンクリート等の非磁性体内に埋
設された鉄筋等の被検査体に生じる誘導磁化との相互誘
導により、アモルファス磁芯の非線形動作点が移動する
ことによって生じるコイル両端の電圧変化を測定し、埋
設鉄筋等の位置を検出すること、被検査体に生じる誘導
磁化との相互誘導により、アモルファス磁芯の非線形動
作点が移動することによって生じるコイル両端の電圧変
化が、該被検査体表面とアモルファス磁芯にコイルを巻
回した磁気プローブとの距離に応じて変化することを利
用し、磁気プローブ先端と被検査体との微小変化を計測
すること、非磁性体の基材表面に強磁性体の被覆層を形
成してなる被検査体の該被覆層に生じる誘導磁化との相
互誘導により、アモルファス磁芯の非線形動作点が移動
することによって生じるコイル両端の電圧変化が、該被
覆層の欠損部によって変化することを利用し、該欠損部
を検出することが可能である。
【0013】
【作用】以上の如き内容からなる本発明の微弱磁気測定
方法及びその装置における測定原理を以下に説明する。
アモルファス磁芯は、他の磁性体と比較して小さい磁場
で飽和し易い特徴を有し、それに巻回したコイルに直流
電流に交流電流を重畳した励磁電流を流すとき、ある大
きさ以上の直流電流を流すと交流磁化に対して一部非線
形特性、即ち飽和特性を生じる。本発明の特徴は、直流
電流によってアモルファス磁芯のヒステリシス特性の一
方の飽和点近くまで動作点をシフトさせ、それに重畳し
た交流電流の一部が非線形磁化特性を示し且つ他の部分
では線形磁化特性を示すように設定し、小振幅の交流電
流で一方の飽和特性を利用した非対称動作を行わせるこ
とにあり、交流磁化によってコイルの両端に生じる電圧
の一部は図4に示すように非線形となるのである。この
とき、外部から磁場を与えると、交流電流が小振幅であ
るのでヒステリシス特性曲線の動作点が大きく変化し、
コイルの両端に生じる電圧も大きく変化する。このコイ
ルの両端に生じる電圧変化を測定すれば、微弱な外部磁
場の磁束密度を測定できることになる。
【0014】本装置においては、前述のコイルの両端に
生じる変動電圧を増幅し且つ整流して検出し、この検出
電圧を磁束密度に対応させて磁束密度の絶対値として、
又は外部磁場がない状態の基準電圧と外部磁場がある状
態の検出電圧を比較して相対値として磁束密度の変化を
測定するのである。この際、地球磁場を含む環境磁場の
影響を適宜な補正手段にて排除することが好ましい。
【0015】このような本発明の微弱磁気測定方法及び
その装置を用いれば、強磁性体からなる被検査体の各種
の欠陥等の非破壊検査が可能である。本発明の第一の非
破壊検査方法では、被検査体の欠陥部を含む領域を他の
バイアス磁場によって磁化すると、この欠陥部に起因し
て被検査体の表面から磁束が漏れることを利用し、この
漏洩磁束を前述の如く測定して前記欠陥部を検出するの
である。この方法によって、被検査体の裏面側又は表面
側の溝状欠陥又は減肉欠陥等の欠陥部を検出すること、
コンクリート等の非磁性体内に埋設された鉄筋等の切損
部を検出すること、ワイヤロープを構成するロープ素線
の切損部を検出すること、非磁性体の基材表面に形成し
た強磁性体の被覆層の欠損部を検出すること、被検査体
の鋳造欠陥を検出することが可能である。
【0016】また、本発明の第二の非破壊検査方法で
は、強磁性体からなる被検査体にバイアス磁場を加える
ことなく、被検査体に生じる誘導磁化との相互誘導によ
りアモルファス磁芯の非線形動作点が移動することによ
って生じるコイル両端の電圧変化を測定し、該被検査体
の位置を検出するのである。この方法によって、コンク
リート等の非磁性体内に埋設された鉄筋等の位置を検出
すること、アモルファス磁芯にコイルを巻回した磁気プ
ローブ先端と被検査体との微小変化を計測すること、非
磁性体の基材表面に形成した強磁性体の被覆層の欠損部
を検出することが可能である。
【0017】
【実施例】次に添付図面に示した実施例に基づき更に本
発明の詳細を説明する。図1及び図2は本発明に係る磁
気プローブ1を示し、図3は本発明の微弱磁気測定装置
の簡略回路図を示している。
【0018】前記磁気プローブ1は、本実施例では直径
0.05〜0.07mm、長さ10mmのアモルファス
素線を8本束ねて磁芯2とし、その中央部周囲に直径
0.07mmの銅線を150回巻いてコイル3を形成し
たものである。図示の如く、本実施例の磁気プローブ1
の外形は、アモルファス磁芯2の長さが10mm、コイ
ル3の長さが6mm、その直径が1.5mmであり、そ
の体積は10mm3 より十分小さく非常に小型となる。
しかし、本発明においては、勿論前述の外形寸法に限定
されるものではなく、適宜な形状、寸法及び巻数のもの
を測定対象に応じて採用し得る。尚、前記コイル3とし
て、直径0.07mmの銅線を200回巻いても、その
直径を2mm以下にできるのである。また、前記アモル
ファス磁芯2として、厚さ0.05mm程度のリボンを
円筒状にして用いることも可能である。何れにしても、
前記アモルファス磁芯2の直径は1mm以下に設定する
ことが可能であり、局所的な磁気測定に適している。
【0019】次に、図3に基づいて本発明の微弱磁気測
定装置の測定回路について説明する。本発明は、前記磁
気プローブ1と、該磁気プローブ1のコイル3に励磁電
流を供給する電源回路4と、前記コイル3の両端に生じ
る変動電圧を増幅し且つ検波整流する検出回路5とから
主に構成されている。
【0020】前記電源回路4は、周波数可変及び電流量
可変の交流電流を発生する交流電源回路6と、一定電圧
C を可変的に分圧して直流電流を発生する直流電源回
路7と、前記直流電流と交流電流を同時に入力して所定
の電流量に増幅して励磁電流を出力する電流増幅器8と
から構成されている。前記交流電源回路6の出力はコン
デンサC1 を介して前記電流増幅器8に入力される。ま
た、前記直流電源回路7は、可変抵抗器RV の抵抗体の
一端を接地し、他端を一定電圧VC にクランプし、摺動
子に抵抗R1 を直列に接続して構成され、摺動子で分圧
された後、前記抵抗R1 を介して直流電流として前記電
流増幅器8に入力される。
【0021】そして、前記電源回路4から出力された直
流電流に交流電流を重畳した励磁電流は、該電源回路4
に直列に接続された抵抗R2 を介して前記磁気プローブ
1の一端が接地されたコイル3に供給される。それか
ら、前記コイル3の両端に生じる変動電圧は、前記検出
回路5に入力され、そこで増幅、整流されて検出電圧と
して出力されるのである。
【0022】前記検出回路5は、前記コイル3の両端に
生じる変動電圧を、該コイル3の一端であり、前記抵抗
2 が接続された側から引き出され、コンデンサC2
介して変動部分(交流部分)のみを入力インピーダンス
がR3 で設定された電圧増幅器9に入力して所定の電圧
に増幅した後、ダイオードDとコンデンサC3 からなる
又は演算増幅器と組み合わせた検波整流回路10で検波
して振幅の変化を取り出し且つ平滑化し、出力抵抗R4
の両端に生じる振幅の変化に対応する電圧を検出電圧と
して出力する。前記電圧増幅器9は、本実施例では5倍
程度のものを用いている。
【0023】前述の測定回路は、基本的な部分のみを示
したものであり、実際にはもっと複雑な付属回路が付加
されている。例えば、外部磁場がない状態における検出
電圧を基準として外部磁場を加えた状態の検出電圧の差
を検出する回路、リセット回路、検出電圧の直線化回
路、温度補償回路、地球磁場を含む環境磁場の影響を相
殺する回路等が適宜付加されるが、これらは本発明の要
旨とは関係ないので本実施例では省略している。
【0024】そして、本発明の磁気測定の基本原理を図
4〜図7に基づいて更に詳しく説明する。図4は外部磁
場がない場合の動作を示し、前記アモルファス磁芯2の
ヒステリシス特性と、前記コイル3に流す励磁電流(直
流電流IDC+交流電流IAC)とコイル3の両端に生じる
変動電圧VO を併せて示している。ここで、図中Hはア
モルファス磁芯2を励磁する磁場の強さを示し、Mは磁
化の強さを示している。このヒステリシス特性曲線にお
いて、磁場の強さHの絶対値が小さい領域の直線部分が
線形磁化特性であり、それよりも磁場の強さHの絶対値
が大きい領域の曲線部分が非線形磁化特性であり、この
非線形磁化特性には磁場の強さHを増やしても磁化の強
さMが略一定になる飽和領域をも含んでいる。
【0025】そこで、前記電源回路4の直流電源回路7
を調節して直流電流IDCによってアモルファス磁芯2の
ヒステリシス特性の一方の飽和点近くまで動作点をシフ
トさせ、それに重畳した交流電流IACの一部が非線形磁
化特性を示し且つ他の部分では線形磁化特性を示すよう
に設定し、小振幅の交流電流で一方の飽和特性を利用し
た非対称動作を行わせるのである。即ち、前記交流電流
ACの一部で非線形磁化特性を示し且つ他の部分では線
形磁化特性を有するのであり、これによる交流磁化によ
ってコイル3の両端に生じる変動電圧VO の一部は飽和
して非線形となり、他の部分は線形となるのである。
【0026】ここで、本実施例では前記磁気プローブ1
(アモルファス磁芯2:素線の直径0.07mm、長さ
10mm、8本束ね;コイル3:巻線の直径0.07m
m、巻数150回)に、前記直流電流IDCを70mA、
200kHzの交流電流IACを2VP-P を、40Ωの抵
抗R2 を介して流し、コイル3の両端に生じる変動電圧
O を電圧増幅器9で5倍に増幅した後、整流すると、
この検波後の検出電圧VOAとして60mV/Gauss
が検出回路5から出力される。また、約20倍の増幅器
を付加すると本発明の装置によって約1mG(ミリガウ
ス)で1mVの検出感度が得られるのである。
【0027】このとき、外部から磁場を与えると、この
外部磁場による磁束がコイル3を貫通若しくは交叉する
ことによって前記直流電流IDC、即ち励磁電流が変化し
たかのようにヒステリシス特性に作用する。図5はこの
外部磁場が前記直流電流IDCとその作用において同一極
性となる場合であり、この外部磁場を等価正電流IP
して表し、この等価正電流IP が付加されることでコイ
ル3の両端に生じる電圧にどのように影響を及ぼすかを
示している。つまり、この場合のコイル3に流れる見掛
け上の励磁電流は、IDC+IP +IACとなり、外部磁場
がない場合と比較して動作点が磁場の強さHのより大き
い方向へIP だけシフトしたものとなり、それによって
コイル3の両端に生じる変動電圧VP の振幅は、前述の
変動電圧VO よりも小さく、それを検波した後の検出電
圧VPAの絶対値も、前述の検出電圧VOAよりも小さくな
る。
【0028】一方、外部磁場が前記直流電流IDCとその
作用において異極性となる場合は、図6に示している。
この場合も外部磁場を等価負電流IN で表すと、コイル
3に流れる見掛け上の励磁電流は、IDC−IN +IAC
なり、外部磁場がない場合と比較して動作点が磁場の強
さHのより小さい方向へIN だけシフトしたものとな
り、それによってコイル3の両端に生じる変動電圧VN
の振幅は、前述の変動電圧VO よりも大きく、それを検
波した後の検出電圧VNAの絶対値も、前述の検出電圧V
OAよりも大きくなる。
【0029】これらの様子は、図7に交流電流IACとと
もにまとめて示している。図7(a)は交流電流IACを示
し、図7(b) は前述の各場合における変動電圧VO ,V
P ,VN を示し、図7(c) はその変動電圧を検波した後
の検波信号とそれを整流した後の検出電圧VOA,VPA
NAを示している。この図7において、波形は歪んでい
るが、振幅が大きく変化していることを示し(図7(b)
参照)、この振幅の変化を検波(整流)して測定するの
である(図7(c) 参照)。この振幅の変化において上記
測定感度を得ている。
【0030】本発明において、外部磁場の変化に対する
検出電圧の変化が正比例する場合、即ちIP :IN =V
PA−VOA:VOA−VNAなる関係がある外部磁場の範囲に
おいて微弱磁束密度を測定するガウスメータとして使用
できるのである。本実施例の場合、ガウスメータとして
直線的に使用できる外部磁場の範囲は0±1G程度であ
り、その検出感度は約0.1mGである。尚、外部磁場
の変化に対する検出電圧の変化が正比例しない場合で
も、微弱な磁束密度の変化を検出することは勿論可能で
ある。ここで、参考として東京における地磁気の水平分
力は約300mGである。
【0031】次に、前述の本発明の微弱磁気測定方法及
びその装置を用いて、強磁性体からなる被検査体の各種
の非破壊検査方法について説明する。本発明の非破壊検
査方法には、被検査体の欠陥部を含む領域を他のバイア
ス磁場によって磁化すると、この欠陥部に起因して被検
査体の表面から磁束が漏れることを利用し、この漏洩磁
束を前述の如く測定して前記欠陥部を検出する方法(第
一の非破壊検査方法)と、強磁性体からなる被検査体に
バイアス磁場を加えることなく、被検査体に生じる誘導
磁化との相互誘導によりアモルファス磁芯の非線形動作
点が移動することによって生じるコイル両端の電圧変化
を測定し、該被検査体の位置を検出する方法(第二の非
破壊検査方法)がある。図8〜図13には、それぞれ第
一の非破壊検査方法の態様の異なる具体例を示し、図1
4及び図15には、それぞれ第二の非破壊検査方法の態
様の異なる具体例を示している。尚、以下に示す各具体
例では説明しないが、何れの場合も被検査体の表面に沿
って磁気プローブ1とバイアス磁場発生用の永久磁石若
しくは電磁石を同時に、又は磁気プローブ1のみを走査
して、欠陥部等の検出を行うのである。
【0032】先ず、図8及び図9に示した非破壊検査方
法は、板状被検査体11の表面又は裏面から他のバイア
ス磁場を印加して該被検査体11を略表面に沿って磁化
し、該被検査体の裏面側又は表面側の溝状欠陥12又は
減肉欠陥13等の欠陥部を検出してなるものである。図
8に示した本実施例では、板状被検査体11として厚さ
12mmの鋼板を選び、裏面側に溝状欠陥12として深
さ約4mm、幅約1mmのスリット溝を形成し、表面側
から磁束密度が約2000Gの永久磁石(又は電磁石)
14で鋼材の表面に沿って磁化させ、磁気プローブ1の
アモルファス磁芯2の方向を表面と平行に近接配して、
溝状欠陥12に起因して該表面から発生する漏洩磁束を
検出し、この欠陥部を検出することができた。従来のホ
ール素子や磁気抵抗素子等の高感度磁気センサーを用い
た漏洩磁束探傷法において、12mm厚の鋼板の裏面側
にある溝状欠陥を検出する場合、これらの欠陥の深さが
8mm以上なければ検出することができなかった。尚、
表面割れ(クラック)の欠陥はこれらの裏面欠陥に比較
して100倍以上の感度で検出できる。
【0033】また、図9には、板状被検査体11として
厚さ2.2mmの鋼板を選び、その裏面側に厚さの20
%の減肉欠陥13を形成し、前記同様にバイアス磁場で
表面に沿って磁化し、表面での漏洩磁束を検出して、該
欠陥部を検出することができた。この場合、従来は60
%以上の減肉欠陥でなければ検出できなかった。
【0034】更に、図10に示した非破壊検査方法は、
コンクリート15等の非磁性体内に埋設された鉄筋16
等の長尺被検査体を他のバイアス磁場によって長さ方向
に沿って略平行に磁化し、鉄筋16等の切損部17より
発生する漏洩磁束を測定して該切損部17を検出してな
るものである。本実施例では、コンクリート15内に直
径3〜12mmの鉄筋16をその表面からの深さが30
〜50mmの位置に埋設し、前記同様に表面側からバイ
アス磁場によってその長さ方向に沿って磁化し、鉄筋の
切損部17を検出することができた。
【0035】また、図11に示した非破壊検査方法は、
被検査体としてのワイヤロープ18を他のバイアス磁場
によって長さ方向に沿って略平行に磁化し、ロープ素線
19の切損部20より発生する漏洩磁束を測定して該切
損部20を検出してなるものである。
【0036】また、図12に示した非破壊検査方法は、
非磁性体の基材21表面に強磁性体の被覆層22を形成
してなる被検査体を他のバイアス磁場によって表面に沿
って略平行に磁化し、被覆層22の欠損部23より発生
する漏洩磁束を測定して該欠損部23を検出してなるも
のである。本実施例では、前記基材21として平角銅線
の表面にニッケル又はニッケルと錫の合金めっきを施し
て被覆層22を形成したものの、被覆層22の欠損部2
3としてめっき不良部分を検出することができた。本非
破壊検査方法は、前述の例以外にも基材21が非磁性体
であり、被覆層22が強磁性体である被検査体であれば
実施可能であり、例えば基材21として非磁性ステンレ
スや合成樹脂等が挙げられ、被覆層22として鉄やクロ
ム等の強磁性体が挙げられる。しかし、被覆層22とし
て鉄を採用することは実用的でない。尚、基材21を強
磁性体とし、被覆層22を非磁性体とし、被覆層22の
欠損部23を検出することは、被覆層22と空気の透磁
率が異なれば原理的に可能である。
【0037】更に、図13に示した非破壊検査方法は、
鋳造によって形成した板状被検査体24の裏面から他の
バイアス磁場を印加して該被検査体24を表面に略直交
する方向に磁化し、該被検査体の鋳巣25又は透磁率の
異なる異物の混入等の鋳造欠陥を検出してなるものであ
る。尚、本実施例においては、バイアス磁場として裏面
側に永久磁石14のN極を近接させて垂直方向に磁化し
ている。
【0038】次に、バイアス磁場を用いない場合の第二
の非破壊検査方法の具体例について説明する。先ず、図
14に示した非破壊検査方法は、コンクリート15等の
非磁性体内に埋設された鉄筋16等の被検査体に生じる
誘導磁化との相互誘導により、アモルファス磁芯2の非
線形動作点が移動することによって生じるコイル3両端
の電圧変化を測定し、埋設鉄筋等の位置を検出してなる
ものである。本実施例ても前記同様に直径3〜12mm
の鉄筋16を、コンクリート15の内部30〜50mm
の深さに埋設し、それを表面に対して略直交するように
アモルファス磁芯2を配設して、直流電流IDCによる磁
気によって鉄筋16が誘導磁化され、この誘導磁化との
相互誘導によってアモルファス磁芯2の磁化が変化する
ことを利用し、それがコイル3の両端に生じる電圧に変
化を与え、この電圧変化を検出して前記鉄筋16の位置
を検出するのである。この場合も、30mm以上の内部
の鉄筋16の存在を検出することが可能である。
【0039】また、図15に示した非破壊検査方法は、
平滑な表面を有する被検査体26に生じる誘導磁化との
相互誘導により、アモルファス磁芯2の非線形動作点が
移動することによって生じるコイル両端の電圧変化が、
該被検査体26表面と磁気プローブ1、即ちアモルファ
ス磁芯2との距離に応じて変化することを利用し、磁気
プローブ1先端に対する被検査体の微小変位を計測して
なるものである。これによって約1μm程度の変位も検
出することが可能である。この場合も、アモルファス磁
芯2は被検査体26の表面に対して直交させて配設して
使用する。この磁気プローブ1先端に対する被検査体2
6の微小変位を計測することができるということは、磁
気プローブ1と被検査体26の何れかが固定されて位置
の基準となれば良いことから、逆に言えば被検査体26
に対する磁気プローブ1の距離計若しくは変位計として
利用できるのである。
【0040】更に、図示しないが図12に示したものと
同様に、バイアス磁場を用いなくても非磁性体の基材2
1表面に強磁性体の被覆層22を形成してなる被検査体
の該被覆層22の欠損部23を検出することが可能であ
る。即ち、被検査体としての前記被覆層22に生じる誘
導磁化との相互誘導により、アモルファス磁芯2の非線
形動作点が移動することによって生じるコイル3両端の
電圧変化が、該被覆層22の欠損部23によって変化す
ることを利用し、該欠損部23を検出してなるのであ
る。ここで、基材21を強磁性体として、被覆層22を
非磁性体とし、被覆層22の表面にアモルファス磁芯2
の一端、若しくは他の非磁性体製スライダーやコロを介
して摺接することで、欠損部23の存在が強磁性体の基
材21とアモルファス磁芯2の先端との距離が変動すれ
ば、前述の変位計によって前記欠損部23の検出が原理
的に可能である。この原理の他の応用として鋼の割れ等
の検出もできる。即ち、磁気プローブ1のアモルファス
磁芯2が細いので、0.5mm以下の微小表面欠陥も検
出が可能である。
【0041】このように、本発明の微弱磁気測定方法及
びその装置を用いた非破壊検査方法によって、従来は不
可能であった強磁性体からなる各種の被検査体の欠陥部
等の検出が可能となるとともに、従来の高感度磁気セン
サーよりも更に感度が高いので、被検査体の更に深い位
置若しくは裏面側又は非磁性体のコンクリート等の内部
の鉄筋の検出が可能となったのである。
【0042】
【発明の効果】以上にしてなる本発明によれば以下の効
果を有する。請求項1及び2によれば、直流電流によっ
てアモルファス磁芯のヒステリシス特性の一方の飽和点
近くまで動作点をシフトさせ、それに重畳した交流電流
の一部が非線形磁化特性を示し且つ他の部分では線形磁
化特性を示すように設定し、小振幅の交流電流で一方の
飽和特性を利用した非対称動作を行わせるので、外部の
微弱な磁場であっても、交流電流が小振幅であるのでヒ
ステリシス特性曲線の動作点が大きく変化し、コイルの
両端に生じる電圧も大きく変化し、従ってこのコイルの
両端に生じる電圧変化を測定すれば、従来のホール素子
や磁気抵抗素子を用いた高感度磁気センサーと比較して
更に微弱な外部磁場の磁束密度を測定できるのである。
また、極めて小型であるため多数の磁気プローブを配列
して微細欠陥を検出することができる。
【0043】請求項3によれば、被検査体の欠陥部を含
む領域を他のバイアス磁場によって磁化すると、この欠
陥部に起因して被検査体の表面から磁束が漏れることを
利用し、この漏洩磁束を測定して各種の欠陥部を高感度
に検出することができる。
【0044】そして、請求項4によれば、被検査体の裏
面側又は表面側の割れ、溝状欠陥又は減肉欠陥等の欠陥
部を、従来と比較して小さなもの又は深い位置にあるも
のも検出することができる。請求項5によれば、コンク
リート等の非磁性体内に埋設された鉄筋等の切損部をコ
ンクリート等の表面から検出することができる。請求項
6によれば、ワイヤロープを構成するロープ素線の切損
部を検出することも可能である。請求項7によれば、非
磁性体の基材表面に形成した強磁性体の被覆層の欠損部
を検出すること、例えば平角銅線の表面にニッケル又は
ニッケルと錫の合金めっきを施した電線のめっき不良箇
所を検出することができる。請求項8によれば、鋳造に
よって形成した被検査体の内部に有する鋳巣又は透磁率
の異なる異物の混入等の鋳造欠陥を検出することができ
る。
【0045】更に、請求項9によれば、強磁性体からな
る被検査体にバイアス磁場を加えることなく、コイルに
流す直流電流による磁場によって、強磁性体からなる被
検査体に誘導磁化を生じ、その磁化との相互誘導により
アモルファス磁芯の磁化が変化することを利用して、被
検査体の存在位置も精度良く検出することができるので
ある。
【0046】そして、請求項10によれば、コンクリー
ト等の非磁性体内に埋設された鉄筋等の位置を検出する
ことができる。請求項11によれば、アモルファス磁芯
にコイルを巻回した磁気プローブ先端と被検査体との約
1μm程度の微小変化を計測することができ、距離計若
しくは変位計及び微小振動計として利用できる。請求項
12によれば、非磁性体の基材表面に形成した強磁性体
の被覆層の欠損部を検出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気プローブの簡略正面図であ
る。
【図2】同じくアモルファス磁芯の軸方向から見た平面
図である。
【図3】本発明の簡略回路図である。
【図4】外部磁場がない場合の動作原理を示す説明図で
ある。
【図5】コイルに流す直流電流と同一極性の作用をする
外部磁場がある場合の動作原理を示す説明図である。
【図6】コイルに流す直流電流と異極性の作用をする外
部磁場がある場合の動作原理を示す説明図である。
【図7】図4〜図6の各場合における(a) コイルに流す
交流電流と、(b) コイル両端に生じる変動電圧と、(c)
その変動電圧を検波し整流した検出信号とを示した説明
図である。
【図8】被検査体の裏面側の溝状欠陥を検出する状態を
示した簡略断面図である。
【図9】被検査体の裏面側の減肉欠陥を検出する状態を
示した簡略断面図である。
【図10】コンクリート内に埋設した鉄筋の切損部を検出
する状態を示した簡略断面図である。
【図11】ワイヤロープのロープ素線の切損部を検出する
状態を示した簡略側面図である。
【図12】強磁性体製の被覆層の欠損部を検出する状態を
示した簡略断面図である。
【図13】鋳造品の内部に有する鋳造欠陥を検出する状態
を示した簡略断面図である。
【図14】コンクリート内に埋設した鉄筋の位置を検出す
る状態を示した簡略断面図である。
【図15】磁気プローブと被検査体との間隔の変位を検出
する状態を示した簡略断面図である。
【符号の説明】
1 磁気プローブ 2 アモルファス磁
芯 3 コイル 4 電源回路 5 検出回路 6 交流電源回路 7 直流電源回路 8 電流増幅器 9 電圧増幅器 10 検波整流回路 11 板状被検査体(鋼板) 12 溝状欠陥(欠
陥部) 13 減肉欠陥(欠陥部) 14 永久磁石(バ
イアス磁場) 15 コンクリート 16 鉄筋(長尺被
検査体) 17 切損部(欠陥部) 18 ワイヤロープ
(被検査体) 19 ロープ素線 20 切損部(欠陥
部) 21 基材(非磁性体) 22 被覆層(強磁
性体の被検査体) 23 欠損部(欠陥部) 24 板状被検査体
(鋳造品) 25 鋳巣(欠陥部) 26 被検査体 IDC 直流電流 IAC 交流電流 VO ,VP ,VN 変動電圧 VOA,VPA,VNA 検出電圧

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アモルファス磁芯に巻回したコイルに、
    直流電流に交流電流を重畳した励磁電流を流し、前記ア
    モルファス磁芯が交流電流の一部で非線形磁化特性を示
    し且つ他の部分では線形磁化特性を示すように直流電流
    を調節し、外部磁場によりその非線形動作点が移動する
    ことによって生じるコイル両端の電圧変化を測定して微
    弱な外部磁場を測定してなることを特徴とする微弱磁気
    測定方法。
  2. 【請求項2】 アモルファス磁芯にコイルを巻回した磁
    気プローブと、 直流電流に交流電流を重畳した励磁電流を前記コイルに
    供給し、前記アモルファス磁芯が交流電流の一部で非線
    形磁化特性を示し且つ他の部分では線形磁化特性を示す
    ように直流電流を調節してなる電源回路と、 前記コイルの両端に生じる変動電圧を増幅し且つ整流す
    る検出回路と、よりなることを特徴とする微弱磁気測定
    装置。
  3. 【請求項3】 アモルファス磁芯に巻回したコイルに、
    直流電流に交流電流を重畳した励磁電流を流し、前記ア
    モルファス磁芯が交流電流の一部で非線形磁化特性を示
    し且つ他の部分では線形磁化特性を示すように直流電流
    を調節し、強磁性体からなる被検査体の欠陥部を含む領
    域を他のバイアス磁場によって磁化し、この欠陥部に起
    因する被検査体の表面での漏洩磁束が前記コイルを交叉
    することによりアモルファス磁芯の非線形動作点が移動
    することによって生じるコイル両端の電圧変化を測定し
    て前記欠陥部を検出してなることを特徴とする非破壊検
    査方法。
  4. 【請求項4】 欠陥部を有する板状被検査体の表面又は
    裏面から他のバイアス磁場を印加して該被検査体を略表
    面に沿って磁化し、該被検査体の裏面側又は表面側の溝
    状欠陥又は減肉欠陥等の欠陥部を検出してなる請求項3
    記載の非破壊検査方法。
  5. 【請求項5】 コンクリート等の非磁性体内に埋設され
    た鉄筋等の長尺被検査体を他のバイアス磁場によって長
    さ方向に沿って略平行に磁化し、鉄筋等の切損部より発
    生する漏洩磁束を測定して該切損部を検出してなる請求
    項3記載の非破壊検査方法。
  6. 【請求項6】 ワイヤロープを他のバイアス磁場によっ
    て長さ方向に沿って略平行に磁化し、ロープ素線の切損
    部より発生する漏洩磁束を測定して該切損部を検出して
    なる請求項3記載の非破壊検査方法。
  7. 【請求項7】 非磁性体の基材表面に強磁性体の被覆層
    を形成してなる被検査体を他のバイアス磁場によって表
    面に沿って略平行に磁化し、被覆層の欠損部より発生す
    る漏洩磁束を測定して該欠損部を検出してなる請求項3
    記載の非破壊検査方法。
  8. 【請求項8】 欠陥部を有する板状被検査体の裏面から
    他のバイアス磁場を印加して該被検査体を表面に略直交
    する方向に磁化し、該被検査体の鋳巣又は透磁率の異な
    る異物の混入等の鋳造欠陥を検出してなる請求項3記載
    の非破壊検査方法。
  9. 【請求項9】 アモルファス磁芯に巻回したコイルに、
    直流電流に交流電流を重畳した励磁電流を流し、前記ア
    モルファス磁芯が交流電流の一部で非線形磁化特性を示
    し且つ他の部分では線形磁化特性を示すように直流電流
    を調節し、強磁性体からなる被検査体に生じる誘導磁化
    との相互誘導によりアモルファス磁芯の非線形動作点が
    移動することによって生じるコイル両端の電圧変化を測
    定し、該被検査体の位置を検出してなることを特徴とす
    る非破壊検査方法。
  10. 【請求項10】 コンクリート等の非磁性体内に埋設され
    た鉄筋等の被検査体に生じる誘導磁化との相互誘導によ
    り、アモルファス磁芯の非線形動作点が移動することに
    よって生じるコイル両端の電圧変化を測定し、埋設鉄筋
    等の位置を検出してなる請求項9記載の非破壊検査方
    法。
  11. 【請求項11】 前記被検査体に生じる誘導磁化との相互
    誘導により、アモルファス磁芯の非線形動作点が移動す
    ることによって生じるコイル両端の電圧変化が、該被検
    査体表面とアモルファス磁芯にコイルを巻回した磁気プ
    ローブとの距離に応じて変化することを利用し、磁気プ
    ローブ先端と被検査体との微小変化を計測してなる請求
    項9記載の非破壊検査方法。
  12. 【請求項12】 非磁性体の基材表面に強磁性体の被覆層
    を形成してなる被検査体の該被覆層に生じる誘導磁化と
    の相互誘導により、アモルファス磁芯の非線形動作点が
    移動することによって生じるコイル両端の電圧変化が、
    該被覆層の欠損部によって変化することを利用し、該欠
    損部を検出してなる請求項9記載の非破壊検査方法。
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