JP2013095983A - 溶射皮膜の品質評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶射皮膜の品質評価方法は、検査対象部品Wに電磁気信号Siを印加し、電磁気信号Siによって検査対象部品Wに発生する検出信号Soを検出する、検出工程と、予め作成した検量線と、検出工程で検出した検出信号Soと、の関係より、溶射皮膜Fの基材Bに対する密着強度を算出して、検査対象部品Wにおける成膜品質を評価する、評価工程と、を備える。
【選択図】図2
Description
特に、コールドスプレー法によれば溶射材の粉末を固相状態のまま基材の表面に吹き付けるために、スプレーガンの先端部等で目詰まりが発生する可能性があり、皮膜の品質を保証する必要性が高かった。
なお、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
本発明において成膜品質の評価の対象となる検査対象部品Wを、図1(a)から(c)を用いて説明する。なお、後述する予備検査対象部品Wの構成は、検査対象部品Wの構成と略同一である。
検査対象部品Wは図1(a)に示す如く、基材Bの表面が溶射による皮膜(以下、単に「溶射皮膜」と記載する)Fで被覆されている。具体的には、金属やセラミックス等の溶射材と呼ばれる材料を基材Bに吹き付けることにより、溶射皮膜Fが形成されているのである。本実施形態においては、溶射の方法の一態様として、溶射材をその溶融点以下の温度で、且つ、高速度のガス流中で加速し、基材Bに高速で衝突させて溶射皮膜Fを形成する、コールドスプレー法が用いられている。コールドスプレー法によれば、通常の溶射と比較して低温度の条件下で溶射皮膜Fが形成されるため、熱による材料の特性変化、溶射皮膜F中の酸化を低減させることが可能となる。
具体的に、図1(b)及び(c)を用いて説明する。図1(b)における検査対象部品Whは図1(c)における検査対象部品Wlと比較して、コールドスプレー装置の設定圧力を大きくしたものである。図1(b)及び(c)に示す如く、検査対象部品Whにおける溶射皮膜Fhは溶射皮膜Flと比較して、基材Bh(Bl)との界面における粒子のめり込み量が大きくなる。このため、溶射皮膜Fhの基材Bhに対するアンカー効果は溶射皮膜Flの基材Blに対するアンカー効果よりも大きくなる。
このような検査対象部品Whと検査対象部品Wlとの違いにより、溶射皮膜Fhの基材Bhに対する密着強度は溶射皮膜Flの基材Blに対する密着強度よりも大きくなるのである。このような密着強度としては、検査対象部品Wに求められる下限の強度が予め定められおり、本明細書においては、この下限を「下限強度」として記載する。
次に、図2から図6を用いて、第一実施形態に係る品質評価方法について説明する。
本実施形態に係る品質評価方法では、まず、密着強度測定工程において、溶射皮膜Fの被覆条件がそれぞれ異なる複数の水準試験片である予備検査対象部品Wにおける、溶射皮膜Fの基材Bに対する密着強度を測定する。
その後、基材Bからの溶射皮膜Fの剥離のしかたを計測し、溶射皮膜Fの基材Bに対する密着強度を測定する、いわゆる引き剥がし試験を行うのである。
次に、予備検出工程において、溶射皮膜Fの被覆条件がそれぞれ異なる複数の水準試験片である予備検査対象部品Wに予備電磁気信号PSiを印加し、予備電磁気信号PSiによって予備検査対象部品Wに発生する予備検出信号PSoを検出する。
なお、本実施形態においては密着強度測定工程の後に予備検出工程を行う構成としたが、その順序は逆にしても差し支えない。つまり、予備検出工程の後に密着強度測定工程を行う構成とすることも可能である。
センサ30には様々な態様があり、いずれも本実施形態に係る品質評価方法に用いることが可能である。以下、図3(a)、(b)、及び図4(a)を用いて、第一実施例から第三実施例の順にそれぞれのセンサ30の態様について説明する。
図3(a)は、第一実施例に係るセンサ30として用いられるキュービックセンサ30aを示している。キュービックセンサ30aは、いわゆる渦流計測用センサであり、予備検査対象部品Wにおける、表面からの距離に対する硬さと透磁率との関係を用いるものである。
励磁コイル33a・33aのそれぞれの両端(両端子)は、検査器23の交流電源に接続されている。つまり、励磁コイル33a・33aは予備検査対象部品Wに対して所定の交流励磁信号を印加するための励磁コイルである。
本実施形態においては、検出コイル32aには薄膜プレーナコイルが用いられるが、パンケーキコイル等、他のコイルを用いることも可能である。
検出コイル32aの両端(両端子)は、検査器23に接続されている。つまり、検出コイル32aは交流励磁信号が印加された予備検査対象部品Wから渦電流による予備検出信号PSoを検出するのである。
次に、検量線作成工程において、被覆条件が対応する予備検査対象部品Wにおける、密着強度測定工程で測定した密着強度と、予備検出工程で検出した予備検出信号PSoと、の関係より、検量線Lを作成する。
次に、検出工程において、検査対象である検査対象部品Wに電磁気信号Siを印加し、電磁気信号によって検査対象部品Wに発生する検出信号Soを検出する。この検出工程では、前記検査装置20を用いて、予備検出工程と同様の手法で、予備検査対象部品Wに替えて検査対象部品Wにおける検出信号Soを検出する。即ち、第一実施例から第三実施例のセンサ30である、キュービックセンサ30a、Uコアセンサ30b、電位差センサ30cのいずれかのうち、予備検出工程で用いたセンサ30を用いて検出信号Soを検出するのである。
次に、評価工程において、検量線作成工程で作成した検量線Lと、検出工程で検出した検出信号Soと、の関係より、溶射皮膜Fの基材Bに対する密着強度を算出して、検査対象部品Wにおける成膜品質を評価する。
また、コールドスプレー法では溶射材の粉末を固相状態のまま基材の表面に吹き付けるために、スプレーガンの先端部等で目詰まりが発生する可能性がある。このため、コールドスプレー法による溶射皮膜Fを検査する場合は、溶射皮膜Fの成膜品質を全数検査により保証できる点が特に有効となるのである。
上記の如く、本実施形態に係る溶射皮膜の品質評価方法は、予備検査対象部品W(検査対象部品W)における溶射皮膜F内や、溶射皮膜Fと基材Bとの界面に発生する隙間や残留応力の違いに基づく、透磁率や導電率などの電磁気的特性の違いを検出するものである。一方、基材B自体の電磁気的特性に、予備検査対象部品W(検査対象部品W)ごとあるいは検査対象部位ごとにばらつきがあった場合、そのばらつきがノイズとなって検査精度の低下に繋がる場合がある。
次に、図7及び図8を用いて、第二実施形態に係る品質評価方法について説明する。
本実施形態以下に説明する実施形態において、前記第一実施形態と同様の構成はその詳細な説明を省略することとし、差異点を中心に説明する。
差分結果Fdの算出方法について、図8を用いて説明する。図8に示すように、検査器23の交流電源は、励磁コイル33aに対して所定の交流励磁信号(励磁用交流電圧信号)V1を印加する。検査器23は、励磁コイル33aに交流電源からの交流励磁信号V1が印加されたときの検出コイル32aから得られる検出信号(前記誘起電圧についての電圧信号)V2の大きさと、検出信号V2の交流励磁信号V1に対する位相差(位相遅れ)Φとを検出する。ここで、検査器23には、位相差Φを検出するため、増幅された位相検波として、交流励磁信号V1(波形)が与えられる。
次に、図9(a)及び(b)を用いて、第三実施形態に係る品質評価方法について説明する。
本実施形態に係る溶射皮膜の品質評価方法の対象である、予備検査対象部品W(検査対象部品W)における基材Bは非磁性材料で形成されている。そして、本実施形態に係る品質評価方法では、予備検出工程及び検出工程において、予備検査対象部品W(検査対象部品W)の表面のうち溶射皮膜Fで被覆されていない側(図9における上側)、換言すれば非磁性材料である基材Bの側に、周波数の異なる2種類の予備電磁気信号PSi(電磁気信号Si)を印加する構成としている。そして、それぞれの周波数による予備電磁気信号PSi(電磁気信号Si)によって予備検査対象部品W(検査対象部品W)に発生する2種類の信号の出力差を、予備検出信号PSo(検出信号So)として検出するのである。
次に、図10を用いて、検量線の補正方法について説明する。
検量線を補正する際には、密着強度測定工程及び予備検出工程において、所定の基準温度条件下(本実施形態においては20度)及び基準温度条件と異なる比較温度条件下(本実施形態においては35度及び5度)での予備検査対象部品Wにおける、溶射皮膜Fの前記基材Bに対する密着強度を測定するとともに、予備検出信号を検出する。
具体的には図10(a)に示す如く、基準検量線L0と比較検量線L1とにおける、温度上昇(15度)とそれぞれの位置関係から、矢印Rhに示す如く温度変化に伴う検量線の移動量を算出する。同じく、基準検量線L0と比較検量線L2とにおける、温度低下(15度)とそれぞれの位置関係から、矢印Rlに示す如く温度変化に伴う検量線の移動量を算出するのである。そして、検出工程の温度条件が例えば12度の場合は、基準検量線L0をマイナス8度(12度−基準温度条件20度)分に相当する移動量Rだけ下方に平行移動する補正を行い、検量線Lrを作成するのである。
次に、図11を用いて、第四実施形態に係る品質評価方法について説明する。
本実施形態に係る溶射皮膜の品質評価方法は記述の実施形態と同様に、基材Bの表面が溶射皮膜Fで被覆された検査対象部品Wの成膜品質を評価するものである。
そして、第一実施形態と同様に、溶射皮膜Fの被覆条件がそれぞれ異なる複数の予備検査対象部品Wにおける、溶射皮膜Fの基材Bに対する密着強度を測定する、密着強度測定工程を備える。
さらに、被覆条件が対応する予備検査対象部品Wにおける、密着強度測定工程で測定した密着強度と、第一予備検出工程で検出した第一予備検出信号PSoと、の関係より、第一検量線を作成する、第一検量線作成工程を備える。
そして、検査対象部品Wの表面のうち、溶射皮膜Fで被覆された側と、被覆されていない側と、の両面に、第一電磁気信号Siを印加し、第一電磁気信号Siによって検査対象部品Wのそれぞれの面に発生する信号の出力差を、第一検出信号Soとして検出する、第一検出工程を備える。
さらに、被覆条件が対応する予備検査対象部品Wにおける、密着強度測定工程で測定した密着強度と、第二予備検出工程で検出した第二予備検出信号PSoと、の関係より、第二検量線を作成する、第二検量線作成工程を備える。
そして、検査対象部品Wに、周波数の異なる2種類の第二電磁気信号Siを印加し、それぞれの周波数による第二電磁気信号Siによって検査対象部品Wに発生する2種類の信号の出力差を、第二検出信号Soとして検出する、第二検出工程を備える。
さらに、被覆条件が対応する予備検査対象部品Wにおける、密着強度測定工程で測定した密着強度と、第三予備検出工程で検出した第三予備検出信号PSoと、の関係より、第三検量線を作成する、第三検量線作成工程を備える。
そして、検査対象部品Wの表面のうち溶射皮膜Fで被覆されていない側に、周波数の異なる2種類の第三電磁気信号Siを印加し、それぞれの周波数による第三電磁気信号Siによって検査対象部品Wに発生する2種類の信号の出力差を、第三検出信号Soとして検出する、第三検出工程を備える。
次に、図12を用いて、第五実施形態に係る品質評価方法について説明する。
本実施形態に係る溶射皮膜の品質評価方法は記述の実施形態と同様に、基材Bの表面が溶射皮膜Fで被覆された検査対象部品Wの成膜品質を評価するものである。
図12に示すように、まず、二つの信号の値から定まる座標平面上の点の分布から、多数の良品データの分布に最も寄与率の高い成分である第一主成分の方向(長軸方向)を求める。第一主成分の方向が求まると、その方向に直交する方向として、第二主成分の方向(短軸方向)が定まる。
すなわち、図12に示すように、多数の良品データの分布を、長軸の方向を広がりの方向とし、長軸における短軸との交点における値を平均μとした場合、つまり交点で交わる長軸及び短軸から定まる座標平面において交点を原点とした場合(μ=0の場合)の、標準偏差σ(分散:σ2)とする正規分布N(μ、σ2)とする(正規分布曲線参照)。
このように、多数の良品データの分布を正規分布とした場合におけるμ±3σの範囲を、長軸の方向の広がりとして用いることにより、設定楕円の長軸の長さが決定する。そして、この長軸の長さと、多数の良品データにおける分布の短軸方向のバラツキに基づき、楕円の焦点を求める。これにより、設定楕円が決定する(3σの楕円)。
また、設定楕円を決定するに際しては、多数の良品データにおける分布のバラツキに基づき、その二つの信号の平均値等から、多数の良品データがほぼ全部含まれるように長軸上の点となる焦点を予め求めた後、前述した正規分布におけるμ±3σの広がりを用い、焦点からの距離を決定することで、設定楕円を決定することとしてもよい。
このように、許容誤差領域を設定するに際し、長軸の方向について正規分布におけるμ±3σの広がりを有する楕円を用いることにより、長軸の方向については理論上約99.7%の良品データ42が含まれることとなる。
以上のようにして、設定楕円を決定することで、座標平面上における許容誤差領域を設定する。
前述したように、設定楕円である境界線上の計測点は、分離値=1となる。したがって、図12に示すように、前述した正規分布におけるμ±3σの広がりを有する楕円(3σの楕円)である許容誤差領域の境界線上は、分離値=1となる。
これに対し、許容誤差領域の境界線の形状である3σの楕円と相似形であって、交点を原点とし、設定楕円を決定する際に用いた場合と同様の正規分布におけるμ±6σの広がりを有する楕円(6σの楕円)上は、分離値=2となる。同様にして正規分布におけるμ±9σの広がりを有する楕円(9σの楕円)上は、分離値=3となる。
したがって、図12に示す座標平面においては、NGデータは、分離値が約3となる位置に分布していることとなる。
また、本実施形態によれば、検出信号と密着強度との関係によらずに成膜品質を評価できるため、密着強度測定工程を行う必要がなく、評価に係る設備コストや時間コストを低減させることが可能となる。
30 センサ
Si 電磁気信号
So 検出信号
B 基材
F 溶射皮膜
W 検査対象部品(予備検査対象部品)
Claims (7)
- 基材の表面が溶射皮膜で被覆された検査対象部品の成膜品質を評価する、溶射皮膜の品質評価方法であって、
基材の表面が溶射皮膜により、それぞれ異なる被覆条件で被覆された複数の予備検査対象部品における、前記溶射皮膜の前記基材に対する密着強度を測定する、密着強度測定工程と、
基材の表面が溶射皮膜により、それぞれ異なる前記被覆条件で被覆された複数の前記予備検査対象部品に予備電磁気信号を印加し、該予備電磁気信号によって前記予備検査対象部品に発生する予備検出信号を検出する、予備検出工程と、
前記被覆条件が対応する前記予備検査対象部品における、前記密着強度測定工程で測定した密着強度と、前記予備検出工程で検出した予備検出信号と、の関係より、検量線を作成する、検量線作成工程と、
前記検査対象部品に電磁気信号を印加し、該電磁気信号によって前記検査対象部品に発生する検出信号を検出する、検出工程と、
前記検量線作成工程で作成した検量線と、前記検出工程で検出した検出信号と、の関係より、前記溶射皮膜の前記基材に対する密着強度を算出して、当該検査対象部品における成膜品質を評価する、評価工程と、を備える、
ことを特徴とする、溶射皮膜の品質評価方法。 - 前記予備検出工程において、前記予備検査対象部品の表面のうち、溶射皮膜で被覆された側と、被覆されていない側と、の両面に、前記予備電磁気信号を印加し、該予備電磁気信号によって前記予備検査対象部品のそれぞれの面に発生する信号の出力差を、前記予備検出信号として検出し、
前記検出工程において、前記検査対象部品の表面のうち、溶射皮膜で被覆された側と、被覆されていない側と、の両面に、前記電磁気信号を印加し、該電磁気信号によって前記検査対象部品のそれぞれの面に発生する信号の出力差を、前記検出信号として検出する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の溶射皮膜の品質評価方法。 - 前記予備検出工程において、前記予備検査対象部品に、周波数の異なる2種類の前記予備電磁気信号を印加し、それぞれの周波数による該予備電磁気信号によって前記予備検査対象部品に発生する2種類の信号の出力差を、前記予備検出信号として検出し、
前記検出工程において、前記検査対象部品に、周波数の異なる2種類の前記電磁気信号を印加し、それぞれの周波数による該電磁気信号によって前記検査対象部品に発生する2種類の信号の出力差を、前記検出信号として検出する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の溶射皮膜の品質評価方法。 - 前記基材は非磁性材料で形成され、
前記予備検出工程において、前記予備検査対象部品の表面のうち溶射皮膜で被覆されていない側に、周波数の異なる2種類の前記予備電磁気信号を印加し、それぞれの周波数による該予備電磁気信号によって前記予備検査対象部品に発生する2種類の信号の出力差を、前記予備検出信号として検出し、
前記検出工程において、前記検査対象部品の表面のうち溶射皮膜で被覆されていない側に、周波数の異なる2種類の前記電磁気信号を印加し、それぞれの周波数による該電磁気信号によって前記検査対象部品に発生する2種類の信号の出力差を、前記検出信号として検出する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の溶射皮膜の品質評価方法。 - 前記密着強度測定工程及び前記予備検出工程において、所定の基準温度条件下及び基準温度条件と異なる比較温度条件下での前記予備検査対象部品における、前記溶射皮膜の前記基材に対する密着強度を測定するとともに、予備検出信号を検出し、
前記検量線作成工程において、前記被覆条件が対応する前記予備検査対象部品における、前記密着強度測定工程で測定した密着強度と、前記予備検出工程で検出した予備検出信号と、の関係より、基準温度条件下での基準検量線と、比較温度条件下での比較検量線とを作成した後に、基準温度条件と比較温度条件との温度差、及び、基準検量線と比較検量線との位置関係に基づいて、前記検出工程の温度条件に対応して前記基準検量線を平行移動する補正を行って前記検量線を作成する、
ことを特徴とする、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の溶射皮膜の品質評価方法。 - 基材の表面が溶射皮膜で被覆された検査対象部品の成膜品質を評価する、溶射皮膜の品質評価方法であって、
基材の表面が溶射皮膜により、それぞれ異なる被覆条件で被覆された複数の予備検査対象部品における、前記溶射皮膜の前記基材に対する密着強度を測定する、密着強度測定工程と、
基材の表面が溶射皮膜により、それぞれ異なる前記被覆条件で被覆された複数の前記予備検査対象部品における表面のうち、溶射皮膜で被覆された側と、被覆されていない側と、の両面に、第一予備電磁気信号を印加し、該第一予備電磁気信号によって前記予備検査対象部品のそれぞれの面に発生する信号の出力差を、第一予備検出信号として検出する、第一予備検出工程と、
前記被覆条件が対応する前記予備検査対象部品における、前記密着強度測定工程で測定した密着強度と、前記第一予備検出工程で検出した第一予備検出信号と、の関係より、第一検量線を作成する、第一検量線作成工程と、
前記検査対象部品の表面のうち、溶射皮膜で被覆された側と、被覆されていない側と、の両面に、第一電磁気信号を印加し、該第一電磁気信号によって前記検査対象部品のそれぞれの面に発生する信号の出力差を、第一検出信号として検出する、第一検出工程と、
基材の表面が溶射皮膜により、それぞれ異なる前記被覆条件で被覆された複数の前記予備検査対象部品に、周波数の異なる2種類の第二予備電磁気信号を印加し、それぞれの周波数による該第二予備電磁気信号によって前記予備検査対象部品に発生する2種類の信号の出力差を、第二予備検出信号として検出する、第二予備検出工程と、
前記被覆条件が対応する前記予備検査対象部品における、前記密着強度測定工程で測定した密着強度と、前記第二予備検出工程で検出した第二予備検出信号と、の関係より、第二検量線を作成する、第二検量線作成工程と、
前記検査対象部品に、周波数の異なる2種類の第二電磁気信号を印加し、それぞれの周波数による該第二電磁気信号によって前記検査対象部品に発生する2種類の信号の出力差を、第二検出信号として検出する、第二検出工程と、
前記基材が非磁性材料である場合に、基材の表面が溶射皮膜により、それぞれ異なる前記被覆条件で被覆された複数の前記予備検査対象部品における表面のうち溶射皮膜で被覆されていない側に、周波数の異なる2種類の第三予備電磁気信号を印加し、それぞれの周波数による該第三予備電磁気信号によって前記予備検査対象部品に発生する2種類の信号の出力差を、第三予備検出信号として検出する、第三予備検出工程と、
前記被覆条件が対応する前記予備検査対象部品における、前記密着強度測定工程で測定した密着強度と、前記第三予備検出工程で検出した第三予備検出信号と、の関係より、第三検量線を作成する、第三検量線作成工程と、
前記検査対象部品の表面のうち溶射皮膜で被覆されていない側に、周波数の異なる2種類の第三電磁気信号を印加し、それぞれの周波数による該第三電磁気信号によって前記検査対象部品に発生する2種類の信号の出力差を、第三検出信号として検出する、第三検出工程と、
前記第一検量線と前記第一検出信号との関係、前記第二検量線と前記第二検出信号との関係、及び、前記第三検量線と前記第三検出信号との関係、のうち、少なくとも二つの関係より、前記溶射皮膜の前記基材に対する密着強度を算出して、当該検査対象部品における成膜品質を評価する、評価工程と、を備える、
ことを特徴とする、溶射皮膜の品質評価方法。 - 基材の表面が溶射皮膜で被覆された検査対象部品の成膜品質を評価する、溶射皮膜の品質評価方法であって、
前記溶射皮膜の被覆条件がそれぞれ異なる複数の前記検査対象部品における表面のうち、溶射皮膜で被覆された側と、被覆されていない側と、の両面に、第一電磁気信号を印加し、該第一電磁気信号によって前記検査対象部品のそれぞれの面に発生する信号の出力差を、第一検出信号として検出する、第一検出工程と、
前記溶射皮膜の被覆条件がそれぞれ異なる複数の前記検査対象部品に、周波数の異なる2種類の第二電磁気信号を印加し、それぞれの周波数による該第二電磁気信号によって前記検査対象部品に発生する2種類の信号の出力差を、第二検出信号として検出する、第二検出工程と、
前記基材が非磁性材料である場合に、前記溶射皮膜の被覆条件がそれぞれ異なる複数の前記検査対象部品における表面のうち溶射皮膜で被覆されていない側に、周波数の異なる2種類の第三電磁気信号を印加し、それぞれの周波数による該第三電磁気信号によって前記検査対象部品に発生する2種類の信号の出力差を、第三検出信号として検出する、第三検出工程と、
前記第一検出信号、第二検出信号、及び、第三検出信号の何れか二つの信号のうち一方を示す第一の座標軸と、該第一の座標軸に直交するとともに前記二つの信号のうち他方を示す第二の座標軸と、から定められる座標平面を用い、前記二つの信号の値から定まる前記座標平面上の点の分布に基づき、前記座標平面における許容誤差領域を予め設定し、前記二つの信号の値から定まる前記座標平面上の点が、前記許容誤差領域内にあるか否かにより、前記検査対象部品における成膜品質を評価する、評価工程と、を備える、
ことを特徴とする、溶射皮膜の品質評価方法。
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