JP2004279372A - 破断検出方法 - Google Patents

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真一 杉山
Toshinari Hashizume
俊成 橋詰
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    • G01N27/904Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables for investigating the presence of flaws using eddy currents with two or more sensors

Abstract

【課題】鉄筋コンクリート柱の鉄筋を始めとする被検出物に生じた破断の検出を容易且つ正確に行うことができるとともに、破断が生じた箇所をより詳細に特定することができる破断検出方法を提供する。
【解決手段】極性の異なる磁極が対向するようにして配置した一対の磁石5,6と、該対をなすそれぞれの磁石5,6によって生じる反対向きの2つの磁界による影響が均衡する位置に配置した磁界センサ7とを備えて構成した破断検出用装置1を、鉄筋コンクリート柱2の外周壁面近傍を長手方向に沿って移動させ、磁界センサ7の検出値が鉄筋コンクリート柱2の主鉄筋3の非破断箇所における磁界の検出値と異なる磁界の検出値に変化したときに、鉄筋コンクリート柱2の主鉄筋3の破断を検出する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検出物に生じた破断を非破壊にて検出する破断検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、配電用支持物等として用いられている鉄筋コンクリート柱にあっては、内部の鉄筋に破断が生じていると、鉄筋コンクリート柱の強度が低下し、最悪の場合、鉄筋コンクリート柱の倒壊のおそれがあることから、このような事態を防止するため、鉄筋の破断の検出が行われている。かかる鉄筋コンクリート柱の鉄筋の破断の検出にあたっては、鉄筋コンクリート柱を破壊して内部の鉄筋の状態を調べるわけにはいかないことから、鉄筋コンクリート柱を破壊せずに行う必要がある。
【0003】
従来、鉄筋コンクリート柱を破壊することなく、鉄筋の破断を検出する方法の一例として、点検用ハンマー(例えば、特許文献1参照。)を用いた方法が挙げられる。この方法は、鉄筋コンクリート柱の変色部分を点検用ハンマーで打診し、その打音を、鉄筋コンクリート柱の非変色部分における打音と比較して、鉄筋コンクリート柱の破断を調査するというものである。
【0004】
また、他の方法としては、鉄筋コンクリート柱の周りにコイルを巻き付け、コイルに交流電流を流してインピーダンスを測定し、予め求められている標準インピーダンス値と比較することにより、鉄量の減少を判定して鉄筋コンクリート柱の鉄筋の破断を検出する方法がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
登録実用新案第3072412号公報(第5−6頁、第1図)
【0006】
【特許文献2】
特開平9−21786号公報(第2−3頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の点検用ハンマーを用いた方法においては、鉄筋コンクリート柱の変色部分における打音と非変色部分における打音とを比較して、これら2つを聞き分けることは非常に難しい。また、かかる打音の違いは、人によって誤差が大きく、正確な検出を行えないおそれもある。
【0008】
一方、上記特許文献2に記載の方法においてはこのような問題を生じないが、コイルを巻き付けた測定個所全体のインピーダンスを測定することにより破断を検出するので、どの鉄筋に破断を生じているかということを知ることはできない。
【0009】
本発明の目的は、鉄筋コンクリート柱の鉄筋を始めとする被検出物に生じた破断の検出を容易且つ正確に行うことができるとともに、破断が生じた箇所をより詳細に特定することができる破断検出方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の破断検出方法は、一対の磁石を、極性の異なる磁極が対向するようにして配置し、磁界センサを、前記対をなすそれぞれの磁石によって生じる反対向きの2つの磁界による影響が均衡する位置に配置し、前記一対の磁石及び前記磁界センサを、被検出物の近傍を移動させ、前記磁界センサの検出値が変化したときに、前記被検出物に生じた破断を検出することを特徴とする。
【0011】
このような請求項1に記載の本発明によれば、前記一対の磁石及び前記磁界センサを、前記被検出物の近傍を移動させると、前記それぞれの磁石によって生じる反対向きの2つの磁界が、被検出物に生じた破断箇所の近傍で、破断箇所の空隙部による磁気抵抗の影響を受ける。そして、それぞれの磁界に対する磁気抵抗の影響が異なり、磁界センサの配置位置において、前記2つの磁界による影響が均衡状態ではなくなると、磁界センサの検出値が変化する。したがって、このように磁界センサの検出値が変化したときに、被検出物に生じた破断を検出する。
【0012】
これにより、客観的に被検出物に生じた破断を検出することができるので、破断の検出を容易且つ正確に行うことができる。また、磁界の検出値の変化を検知した箇所を破断箇所と特定することができる。したがって、破断が生じやすい部分を知ることも可能となり、その部分を補強する等の対策を施せば、破断を生じにくくすることもできる。
なお、本明細書において、前記被検出物は磁性材料よりなるものである。
【0013】
請求項2に記載の破断検出方法は、一対の磁石を、極性の異なる磁極が対向するようにして配置し、磁界センサを、前記対をなすそれぞれの磁石によって生じる反対向きの2つの磁界による影響が均衡する位置に配置し、前記一対の磁石及び前記磁界センサを、被検出物の近傍を移動させ、前記磁界センサの検出値が前記被検出物の非破断箇所における磁界の検出値と異なる磁界の検出値に変化したときに、前記被検出物に生じた破断を検出することを特徴とする。
【0014】
このような請求項2に記載の本発明によれば、前記一対の磁石及び前記磁界センサを、前記被検出物の近傍を移動させると、前記それぞれの磁石によって生じる反対向きの2つの磁界が、被検出物に生じた破断箇所の近傍で、破断箇所の空隙部による磁気抵抗の影響を受ける。そして、それぞれの磁界に対する磁気抵抗の影響が異なり、前記磁界センサの配置位置で、前記2つの磁界による影響が均衡状態ではなくなると、磁界センサの検出値が、このような空隙部による影響を受けない前記被検出物の非破断箇所における磁界の検出値と異なる検出値に変化する。したがって、このように磁界の検出値が変化したときに、被検出物に生じた破断を検出する。
【0015】
これにより、客観的に被検出物に生じた破断を検出することができるので、破断の検出を容易且つ正確に行うことができる。また、前記磁界の検出値の変化を検知した箇所を破断箇所と特定することができる。したがって、破断が生じやすい部分を知ることも可能となり、その部分を補強する等の対策を施せば、破断を生じにくくすることもできる。
【0016】
請求項3に記載の破断検出方法は、極性の異なる磁極が対向するようにして配置した一対の磁石と、該対をなすそれぞれの磁石によって生じる反対向きの2つの磁界による影響が均衡する位置に配置した磁界センサとを備えて破断検出用装置を構成し、該破断検出用装置を、前記被検出物の近傍を移動させることにより該被検出物に生じた破断を検出することを特徴とする。
【0017】
このような請求項3に記載の本発明によれば、前記破断検出用装置を用いることにより、容易且つ正確に被検出物に生じた破断を検出することができるとともに、破断検出作業の作業性が良好となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る破断検出方法の実施の形態の一例について図面を参照して説明する。
本例の破断検出方法の説明においては、被検出物として鉄筋コンクリート柱の主鉄筋を例にとって説明する。
【0019】
図1は鉄筋コンクリート柱の主鉄筋についての破断検出方法の一例における磁界の検出についての説明図、図2は図1に示す鉄筋コンクリート柱の主鉄筋についての破断検出方法に用いる破断検出用装置の拡大図、図3乃至図6は破断検出用装置による主鉄筋の破断検出についての説明図である。
【0020】
本例の鉄筋コンクリート柱の主鉄筋についての破断検出方法においては、破断検出用装置1を用い、鉄筋コンクリート柱2の主鉄筋3(被検出物)に生じた破断を検出する。
【0021】
破断検出用装置1は、基部4に設けられた一対の磁石5,6と磁界センサ7とから構成されている。前記一対の磁石5,6は、磁気の強さが同じものであり、極性の異なる磁極が対向するようにして配置されている(図3乃至図6参照)。また、前記磁界センサ7は、前記一対の磁石5,6から同間隔の位置に配置されている。したがって、かかる位置においては、それぞれの磁石5,6により生ずる磁界の大きさが等しく、向きが逆となるので、これら2つの磁界による影響が均衡しており、磁界センサによる磁界の検出値は、原則として零となるようになっている。
【0022】
このような構成の破断検出用装置1を、鉄筋コンクリート柱2の外周壁面の近傍を長手方向に沿って移動させて、前記対をなすそれぞれの磁石5,6によって生じる磁界の検出を前記磁界センサ7によって行うことにより、主鉄筋の破断検出を行う。以下これについて図3乃至図6に基づいて具体的に説明する。
【0023】
なお、図3乃至図6において、前記破断検出用装置1は模式的に示してあり、また、鉄筋コンクリート柱2を図示省略し、鉄筋コンクリート柱2内の主鉄筋3を1本のみ示している。また、前記対をなすそれぞれの磁石5,6によって生じる磁界の一例を一点鎖線で示し、その磁界の大きさ及び向きを矢印で示してある。そして、図面左右方向が鉄筋コンクリート柱2及び主鉄筋3の長手方向であり、破断検出用装置1はこの方向に移動させるものとする。
【0024】
前記磁界センサ7が配置された位置においては、矢印で示すように、それぞれの磁石5,6により生じる磁界の大きさが等しく、且つその向きが逆となっている(図3)。したがって、破断検出用装置1を、鉄筋コンクリート柱2の外周壁面近傍を長手方向に沿って移動させて、前記対をなすそれぞれの磁石5,6によってそれぞれ生じる磁界の検出を磁界センサ7によって行うと、主鉄筋3の非破断箇所8においては、磁石5,6によってそれぞれ生じる磁界は互いに均衡状態にあり検出値が原則として零となる。なお、破断検出用装置1を移動させる鉄筋コンクリート柱2の外周壁面近傍とは、被検出物である主鉄筋3の近傍であり、該主鉄筋3に前記一対の磁石5,6による磁界が及ぶ位置のことを意味している。
【0025】
そして、図4に示すように破断検出用装置1を主鉄筋3の破断箇所9の近傍に移動させると、磁石5によって生じる磁界の大きさが、破断箇所9における空隙部10の磁気抵抗の影響を受けて小さくなる。これにより、対をなすそれぞれの磁石5,6によって生じる磁界の均衡が崩れ、向きが図において下向きであり、大きさがそれぞれの磁界の大きさの差となるような検出値が磁界センサ7により検出される。
【0026】
さらに、破断検出用装置1を図中右の方向に移動させると、磁石6によって生じる磁界も、空隙部10の磁気抵抗による影響を受けてその大きさが小さくなり、それぞれの磁石5,6によって生じる磁界が、同程度に空隙部10による磁気抵抗の影響を受ける位置では、再びそれら2つの磁界の均衡がとれる(図5)。
【0027】
そして、さらに破断検出用装置1を図において右の方向に移動させ、磁石6によって生じる磁界が、空隙部10による磁気抵抗の影響をより大きく受けて、その大きさがより小さくなると(図6)、それぞれの磁石5,6によって生じる磁界の均衡が崩れて、向きが図において上向きであり、大きさがそれぞれの磁界の大きさの差となるような検出値が磁界センサ7により検出される。
【0028】
したがって、このようにそれぞれの磁石5,6によって生じる2つの磁界による影響が均衡状態ではなくなり、磁界センサ7の検出値が変化したとき、即ち、磁界センサ7の検出値が、主鉄筋3の非破断箇所における磁界の検出値と異なる検出値に変化したときに、鉄筋コンクリート柱2の主鉄筋3の破断を検出する。
【0029】
次に、破断検出用装置1を用いた具体的な磁界の検出結果について、図7から図9に基づいて説明する。
図7から図9は、鉄筋に沿って破断検出用装置を移動させ、磁界センサにより、対をなすそれぞれの磁石によって生じる磁界の検出を行った実験結果を示す図である。
【0030】
図7に示すグラフは、破断を設けた鉄筋A,C,Dと破断のない鉄筋Bを並列して設けた実験装置において、それぞれの鉄筋に沿って磁界の検出を行った検出結果である。なお、鉄筋A,C,Dについての破断間隔は、鉄筋Aが0.5mm、鉄筋Cが1.00mm、鉄筋Dが0mmである。
【0031】
図において、符号11は、鉄筋の破断位置を示している。この鉄筋の破断位置11の前後では、破断を設けた鉄筋A,C,Dについてのグラフにおいては、磁界の大きさが各測定位置毎に大きく変化しており、磁界の向きが破断位置11の前後で反転している。このような検出結果が得られるのは、鉄筋の破断箇所において、空隙部の磁気抵抗の影響により、上述のように対をなすそれぞれの磁石5,6によって生じる磁界の均衡が崩れ、これが磁界の検出結果として現れたからである。その一方、破断が生じていない鉄筋Bについてのグラフは、前記のような検出結果とはなっていない。
【0032】
以上のような実験結果から、鉄筋の破断箇所における磁界の検出値は、鉄筋の非破断箇所における磁界の検出値とは異なることが分かり、鉄筋の破断位置の前後では磁界の大きさが大きく変化して磁界の向きが反転することが分かる。
【0033】
なお、通常、鉄筋コンクリート柱2内に円周上に沿って設けられている主鉄筋3には、各主鉄筋3がばらけないように螺旋状に螺旋鉄筋が巻き付けられており、上記実験装置においてはこのような螺旋鉄筋を想定して、鉄筋A,B,C,D(これら鉄筋A,B,C,Dは主鉄筋3を想定した鉄筋である)に直交する方向に鉄筋を設けた。図7の符号12,13は、かかる螺旋鉄筋を想定して設けた鉄筋の位置である。この符号12,13付近における磁界の検出値は、次に述べるように、螺旋鉄筋を想定して設けた鉄筋の影響を受けたものとなっている。
【0034】
図8は、螺旋鉄筋付近における磁界の変化を調べるために破断検出用装置1の磁界センサ7により磁界の検出を行った実験結果を示す図である。図に示すグラフは、鉄筋コンクリート柱2の主鉄筋3を想定して複数本の鉄筋を並列して設け、それら複数本の鉄筋に直交する方向に螺旋鉄筋を想定して複数本の鉄筋を設けた実験装置において、主鉄筋3を想定した鉄筋に沿って破断検出用装置1を移動させ、磁界センサ7によって、磁石5,6により生じる磁界の検出を行った検出結果である。なお、主鉄筋3を想定した鉄筋には破断を設けていない。
【0035】
図で、鉄筋E,F,G,Hは主鉄筋3を想定した鉄筋であり、鉄筋E,F,Gは、これに直交する方向に螺旋鉄筋を想定した鉄筋を符号14,15,16の位置に設けたもの、鉄筋Hは、螺旋鉄筋を想定した鉄筋を設けていないものである。
【0036】
図によれば、鉄筋E,F,Gについてのグラフでは、螺旋鉄筋を想定して設けた鉄筋の存在位置14の前後において、磁界の大きさが各測定位置毎に大きく変化しており、磁界の向きが鉄筋の存在位置14の前後で反転している。一方、鉄筋Hについては、このような検出結果とはなっていない。
【0037】
以上のような実験結果から、実際に破断検出用装置1を、鉄筋コンクリート柱2の外周壁面近傍を長手方向に沿って移動させ、磁界センサ7により、対をなすそれぞれの磁石5,6によって生じる磁界の検出を行った場合、螺旋鉄筋の存在している場所においても、磁界の検出値が前述のように変化することが分かる。
【0038】
したがって、破断検出用装置1を用いて主鉄筋3の破断を検出する場合、磁界の大きさが測定位置毎に大きく変化し、磁界の向きが反転するような検出値の変化が見られた場合にあっては、そのような磁界の検出値の変化が検出された場所において、主鉄筋3が破断している場合と、螺旋鉄筋が存在している場合の2つの場合が考えられる。
【0039】
しかし、図8に示すグラフから分かるように、螺旋鉄筋を想定して設けた鉄筋の存在位置14付近における磁界の検出値の変化の仕方は、鉄筋E,F,Gのいずれの鉄筋についてもほぼ同様なものとなっている。したがって、実際に破断検出用装置1の磁界センサ7により磁界の検出を行った場合、螺旋鉄筋毎に同じような前記磁界の検出値の変化が検出される。しかも螺旋鉄筋は鉄筋コンクリート柱の長手方向にほぼ等間隔で存在するので、そのような磁界の検出値の変化がほぼ等間隔で検出される。一方、鉄筋の破断箇所における前記磁界の検出値の変化は、等間隔に現れるものではなく、また変化の仕方は、図7に示すように、破断の間隔が大きくなるにつれて変化の量が大きくなっていることから分かるように、一様ではない。したがって、前記検出値の変化が現れた箇所が、他の変化箇所と等間隔となっていない場合や、その変化量が他の変化箇所の変化量と異なる場合、その検出値の変化は鉄筋の破断によるものということができる。また、螺旋鉄筋毎に同じような磁界の変化が検出され、しかもそのような磁界の変化が等間隔で検出されることから、螺旋鉄筋の位置を特定することができ、そのようにして特定された螺旋鉄筋の位置以外の場所で磁界の変化が検出された場合、その磁界の変化が主鉄筋の破断によるものということができる。
【0040】
したがって、破断検出用装置1を用いた主鉄筋3の破断検出において、磁界の大きさが測定位置毎に大きく変化し、磁界の向きが反転するような検出値の変化が見られた場合、それが主鉄筋の破断によるものなのか、螺旋鉄筋が存在しているからなのかということは区別することができる。
【0041】
図9は、検出される磁界が螺旋鉄筋による影響を受けるような場所に鉄筋コンクリート柱2の主鉄筋3の破断が生じている場合における磁界の検出値の変化を調べるために行った実験の結果を示す図である。
【0042】
図に示すグラフは、主鉄筋3を想定して複数本の鉄筋(鉄筋I,J,K,L)を設け、それら複数本の鉄筋に直交する方向に螺旋鉄筋を想定して複数本の鉄筋を設けた実験装置において、主鉄筋3を想定した鉄筋に沿って破断検出用装置1を移動させ、磁界センサ7によって、磁石5,6により生じる磁界の検出を行った検出結果である。鉄筋I,J,K,Lには破断を設けており、破断間隔は、鉄筋I,Jが0.5mm、鉄筋Kが1.00mm、鉄筋Lが0mmである。
【0043】
図において、符号17は鉄筋の破断位置を示しており、符号18,19,20は螺旋鉄筋を想定して鉄筋I,J,K,Lと直交する方向に設けた鉄筋の位置を示している。
【0044】
図によれば、鉄筋I,J,K,Lについてのいずれのグラフにおいても、鉄筋の破断位置17の前後においては、磁界の検出値が各測定位置毎に大きく変化している。したがって、かかる実験結果からも、磁石5,6によって生じる2つの磁界の均衡が崩れて、磁界の検出値が変化したとき、すなわち、鉄筋の非破断箇所における磁界の検出値と異なる検出値に変化したときに、鉄筋の破断を検出可能であることが分かる。
【0045】
なお、鉄筋L以外の鉄筋については、鉄筋の破断位置17の前後では、磁界の向きが反転していないが、これは符号18の位置にある螺旋鉄筋の影響を受けているためである。
【0046】
以上説明したように、本例の鉄筋コンクリート柱の主鉄筋についての破断検出方法によれば、客観的に主鉄筋3の破断を検出することができるので、鉄筋破断の検出を容易且つ正確に行うことができる。また、磁界の検出値の変化を検出した箇所を主鉄筋の破断箇所と特定することができ、鉄筋コンクリート柱2内のどのあたりの主鉄筋3に破断が生じているかが分かる。なお、図7の検出結果において、磁界の向きが反転する前後、即ち鉄筋の破断位置11の前後(前後約1cm)においては、磁界の測定値の変化量が最も大きくなっている。したがって、実際に鉄筋コンクリート柱2の主鉄筋3の破断検出を行った場合、主鉄筋3の破断位置を、磁界の検出値の変化量が最も大きくなっている箇所であると特定することができる。このように、破断箇所を具体的に特定することができるので、どのような部分に破断が生じやすいかということを知ることができる。したがって、新たな鉄筋コンクリート柱に取り替える場合に、破断が生じやすい箇所を補強する等の対策を施せば、主鉄筋の破断を生じにくくすることが可能となる。
【0047】
また、磁石5,6と磁界センサ7とが一体になって構成されている破断検出用装置1を用いることにより、破断検出時に、磁石5,6と磁界センサ7とを作業者が別々に手で持って移動させる必要がなく、鉄筋破断検出作業の作業性が良好となる。
【0048】
なお、本例の破断検出方法の説明においては、被検出物として鉄筋コンクリート柱の主鉄筋を例にとって説明したが、被検出物はこのようなものに限られるものではなく、磁性材料よりなるものであればよい。このような被検出物としては、例えば、家屋等の建築物の鉄筋や鉄壁などが挙げられる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1及び2に記載の発明によれば、客観的に被検出物の破断を検出することができるので、破断の検出を容易且つ正確に行うことができる。また、磁界の検出値の変化を検知した箇所を鉄筋の破断箇所と特定することができる。したがって、破断が生じやすい部分を知ることも可能となり、その部分を補強する等の対策を施せば、破断を生じにくくすることもできる。
【0050】
請求項3に記載の発明によれば、破断検出用装置を用いることにより、容易且つ正確に被検出物に生じた破断を検出することができるとともに、破断検出作業の作業性が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉄筋コンクリート柱の主鉄筋についての破断検出方法の一例における磁界の検出についての説明図。
【図2】図1に示す鉄筋コンクリート柱の主鉄筋についての破断検出方法に用いる破断検出用装置の拡大図。
【図3】破断検出用装置による主鉄筋の破断検出についての説明図。
【図4】破断検出用装置による主鉄筋の破断検出についての説明図。
【図5】破断検出用装置による主鉄筋の破断検出についての説明図。
【図6】破断検出用装置による主鉄筋の破断検出についての説明図。
【図7】鉄筋に沿って破断検出用装置を移動させ、磁界センサにより、対をなすそれぞれの磁石によって生じる磁界の検出を行った実験結果を示す図。
【図8】鉄筋に沿って破断検出用装置を移動させ、磁界センサにより、対をなすそれぞれの磁石によって生じる磁界の検出を行った実験結果を示す図。
【図9】鉄筋に沿って破断検出用装置を移動させ、磁界センサにより、対をなすそれぞれの磁石によって生じる磁界の検出を行った実験結果を示す図。
【符号の説明】
1 破断検出用装置
2 鉄筋コンクリート柱
3 主鉄筋
5,6 磁石
7 磁界センサ
8 非破断箇所

Claims (3)

  1. 一対の磁石を、極性の異なる磁極が対向するようにして配置し、
    磁界センサを、前記対をなすそれぞれの磁石によって生じる反対向きの2つの磁界による影響が均衡する位置に配置し、
    前記一対の磁石及び前記磁界センサを、被検出物の近傍を移動させ、前記磁界センサの検出値が変化したときに、前記被検出物に生じた破断を検出することを特徴とする破断検出方法。
  2. 一対の磁石を、極性の異なる磁極が対向するようにして配置し、
    磁界センサを、前記対をなすそれぞれの磁石によって生じる反対向きの2つの磁界による影響が均衡する位置に配置し、
    前記一対の磁石及び前記磁界センサを、被検出物の近傍を移動させ、前記磁界センサの検出値が前記被検出物の非破断箇所における磁界の検出値と異なる磁界の検出値に変化したときに、前記被検出物に生じた破断を検出することを特徴とする破断検出方法。
  3. 極性の異なる磁極が対向するようにして配置した一対の磁石と、該対をなすそれぞれの磁石によって生じる反対向きの2つの磁界による影響が均衡する位置に配置した磁界センサとを備えて破断検出用装置を構成し、
    該破断検出用装置を、前記被検出物の近傍を移動させることにより該被検出物に生じた破断を検出することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の破断検出方法。
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