JP6211311B2 - 非破壊検査方法 - Google Patents
非破壊検査方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6211311B2 JP6211311B2 JP2013120528A JP2013120528A JP6211311B2 JP 6211311 B2 JP6211311 B2 JP 6211311B2 JP 2013120528 A JP2013120528 A JP 2013120528A JP 2013120528 A JP2013120528 A JP 2013120528A JP 6211311 B2 JP6211311 B2 JP 6211311B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reinforcing bar
- magnetic flux
- flux density
- magnet
- concrete body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 238000007689 inspection Methods 0.000 title claims description 82
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 50
- 230000003014 reinforcing effect Effects 0.000 claims description 230
- 230000004907 flux Effects 0.000 claims description 193
- 239000004567 concrete Substances 0.000 claims description 109
- 230000001066 destructive effect Effects 0.000 claims description 16
- 238000005452 bending Methods 0.000 claims description 5
- BGPVFRJUHWVFKM-UHFFFAOYSA-N N1=C2C=CC=CC2=[N+]([O-])C1(CC1)CCC21N=C1C=CC=CC1=[N+]2[O-] Chemical compound N1=C2C=CC=CC2=[N+]([O-])C1(CC1)CCC21N=C1C=CC=CC1=[N+]2[O-] BGPVFRJUHWVFKM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 30
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 25
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 10
- 230000005415 magnetization Effects 0.000 description 10
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 10
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 5
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 5
- 238000009659 non-destructive testing Methods 0.000 description 3
- 230000002787 reinforcement Effects 0.000 description 3
- XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N Iron Chemical compound [Fe] XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 2
- 230000006870 function Effects 0.000 description 2
- 239000000463 material Substances 0.000 description 2
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 2
- 239000011150 reinforced concrete Substances 0.000 description 2
- 238000007792 addition Methods 0.000 description 1
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 1
- 238000013461 design Methods 0.000 description 1
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 description 1
- 210000003205 muscle Anatomy 0.000 description 1
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 1
- 239000011513 prestressed concrete Substances 0.000 description 1
- 229910052761 rare earth metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 150000002910 rare earth metals Chemical class 0.000 description 1
- 238000009423 ventilation Methods 0.000 description 1
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)
Description
例えば、特許第3734822号公報(特許文献1)に記載された非破壊検査方法は、永久磁石を、コンクリートに埋設された検査対象の鉄筋の長手方向に沿って、コンクリートの表面上を移動させることにより鉄筋を長手方向に沿って磁化させ、その後、コンクリートの表面から漏れる垂直方向の磁束密度成分の分布から鉄筋の破断の有無を判断するものである。
しかしながら、このような非破壊検査方法にあっては、検査対象の鉄筋を磁化させる際に、磁石を鉄筋の長手方向に沿って移動させながら、1本ずつ磁化させる必要があり、このため、検査対象の鉄筋が多数であると、その磁化作業に手間を要するという問題がある。
しかし、この方法は、鉄筋の破断部が着磁装置と磁気センサとの配置位置の間に存在する場合にのみ検出できるに過ぎないので、何らかの理由により、着磁装置と磁気センサのいずれか一方かまたは両方を、コンクリート体の表面上に配置できないような場合には破断部を検出できず、検査対象箇所が制限されるという問題がある。
例えば、コンクリート体内に、そのコンクリート体の角部で屈曲された屈曲部を有する鉄筋が埋設されている場合に、その屈曲部における破断の有無を検出するには、コンクリート体の角部を形成する一側表面上に着磁装置を配置し、他側表面上に磁気センサを配置する必要がある。しかし、コンクリート体の角部付近に障害物がある場合など、所定位置に着磁装置と磁気センサのいずれか一方または両方が配置できない場合には、この屈曲部の破断の有無を検出することができない。
この方法では、鉄筋の磁化作業の際に、磁石を鉄筋の長手方向に沿って移動させる必要はないが、コンクリート体の角部付近に障害物がある場合など、L字型の磁石を、コンクリートの角部の表面上に配置することができない場合には、鉄筋の屈曲部の破断の有無を検出できず、検査対象箇所が制限されるという問題がある。
そこで本願発明は、検査対象の鉄筋を磁化させる際に、磁石を、鉄筋に沿ったコンクリート体の表面の一箇所に一時的に配置するだけでよくて移動させる必要がなく、また、磁石を、検査対象箇所を挟んで配置する必要がないため、検査を極めて効率的に行うことができる非破壊検査方法を提供することを目的としてなされたものである。
コンクリート体内に設けられた鉄筋をコンクリート体の外側から磁石によって磁化させ、この後そのコンクリート体の表面の磁束密度を測定することにより前記鉄筋の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
1つの磁石を、その両磁極の各中心部を通る直線が前記鉄筋の長手方向とほぼ平行になるように前記コンクリート体の表面に近づけて配置し、前記鉄筋の長手方向に移動させることなく該鉄筋を磁化させ、
次に磁気センサを、前記鉄筋に沿った前記コンクリート体の表面に近づけて配置して該表面の垂直方向の磁束密度を測定することにより、
前記コンクリート体の表面から外側に出る磁束の方向を正方向とし、その逆の磁束の方向を負方向として、
(a)「前記鉄筋を磁化させた際に配置した前記磁石のS極端部があった位置の近傍であって前記鉄筋の長手方向における磁束密度の正方向のピーク位置」または
(b)「前記磁石のS極端部があった位置から前記磁束密度の正方向のピーク位置に向かってより離れた位置にある前記鉄筋の長手方向における磁束密度の負方向のピークのピーク値」のいずれか一方または両方を求め、
前記(a)または(b)のいずれか一方または両方を予め設定した閾値と比較して、前記鉄筋を磁化させた際に配置した前記磁石の両磁極のそれぞれ該鉄筋に最も近い両端部があった各位置から、それぞれ該鉄筋またはその延長線に向けて該磁石の前記両磁極の各中心部を通る直線に対して30°傾けた方向に延ばした2本の直線に挟まれた範囲内における該鉄筋の破断の有無を検出することを特徴とする非破壊検査方法である。
しかし、上記(a)または(b)のいずれか一方または両方を求めるためには、鉄筋の破断の検査範囲と必要に応じてその周辺範囲まで磁束密度を測定する必要がある。そのため、磁気センサを多数個使用してもよく、あるいは磁気センサが1個または少数個の場合には、適宜に移動させつつ磁束密度を測定すればよい。例えば、1個の磁気センサを、鉄筋の長手方向に沿ってコンクリート体の表面上を移動させながら磁束密度を測定することができる。
ここで磁束密度の正方向のピーク位置とは、検査対象鉄筋の長手方向における磁束密度が正方向に最も大きくなる部分の位置をいい、磁束密度の負方向のピーク値とは、検査対象鉄筋の長手方向における磁束密度が負方向に最も大きくなる部分の磁束密度の大きさである。
コンクリート体内に設けられた鉄筋をコンクリート体の外側から磁石によって磁化させ、この後そのコンクリート体の表面の磁束密度を測定することにより前記鉄筋の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
1つの磁石を、その両磁極の各中心部を通る直線が前記鉄筋の長手方向とほぼ平行になるように前記コンクリート体の表面に近づけて配置し、前記鉄筋の長手方向に移動させることなく該鉄筋を磁化させ、
次に磁気センサを、前記鉄筋に沿った前記コンクリート体の表面に近づけて配置して該表面の垂直方向の磁束密度を測定することにより、
前記コンクリート体の表面から外側に出る磁束の方向を正方向とし、その逆の磁束の方向を負方向として、
(c)「前記鉄筋を磁化させた際に配置した前記磁石のN極端部があった位置の近傍であって前記鉄筋の長手方向における磁束密度の負方向のピーク位置」または
(d)「前記磁石のN極端部があった位置から前記磁束密度の負方向のピーク位置に向かってより離れた位置にある前記鉄筋の長手方向における磁束密度の正方向のピークのピーク値」のいずれか一方または両方を求め、
前記(c)または(d)のいずれか一方または両方を予め設定した閾値と比較して、前記鉄筋を磁化させた際に配置した前記磁石の両磁極のそれぞれ該鉄筋に最も近い両端部があった各位置から、それぞれ該鉄筋またはその延長線に向けて該磁石の前記両磁極の各中心部を通る直線に対して30°傾けた方向に延ばした2本の直線に挟まれた範囲内における該鉄筋の破断の有無を検出することを特徴とする非破壊検査方法である。
コンクリート体内に設けられた屈曲部を有する鉄筋をコンクリート体の外側から磁石によって磁化させ、この後そのコンクリート体の表面の磁束密度を測定することにより前記屈曲部の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記屈曲部の近傍において、1つの磁石を、その両磁極の各中心部を通る直線が前記鉄筋の長手方向とほぼ平行になるように前記コンクリート体の表面に近づけて配置し、前記鉄筋の長手方向に移動させることなく該鉄筋を磁化させ、
次に磁気センサを、前記鉄筋に沿った前記コンクリート体の表面に近づけて配置して該表面の垂直方向の磁束密度を測定することにより、前記鉄筋の屈曲部から長手方向に沿った所定距離の位置における磁束密度を求め、
この位置における磁束密度を予め設定した閾値と比較して、前記鉄筋を磁化させた際に配置した前記磁石の両磁極のそれぞれ該鉄筋に最も近い両端部があった各位置から、それぞれ該鉄筋またはその延長線に向けて該磁石の前記両磁極の各中心部を通る直線に対して30°傾けた方向に延ばした2本の直線に挟まれた範囲内における該鉄筋の屈曲部の破断の有無を検出することを特徴とする非破壊検査方法である。
また、磁気センサをコンクリート体の表面に近づけて配置するには、前記の磁石の場合と同様に、磁気センサをコンクリート体の表面の一箇所に一時的に近づければよく、直接コンクリート体の表面に当接させる必要はなく、静止させる必要もない。
また、一度の磁化作業によって、配置した磁石の両磁極のそれぞれ鉄筋に最も近い両端部があった各位置から、それぞれ鉄筋またはその延長線に向けて磁石の両磁極の各中心部を通る直線に対して30°傾けた方向に延ばした2本の直線に挟まれた、比較的広い範囲内における鉄筋の破断の有無を検出することができるので、検査作業を効率的に行うことができる。
また、鉄筋の屈曲部から長手方向に沿った所定距離の一箇所における磁束密度を測定するだけで、屈曲部の破断の有無を検出できるため、磁束密度の測定作業を効率的に行うことができる。
図1において、1はコンクリート体であり、このコンクリート体1内には補助鉄筋(鉄筋)2が複数並設されている。3は主鉄筋である。補助鉄筋2は、コンクリート体1の角部で屈曲された屈曲部2aと、コンクリート体1の側表面1Aに平行に配設された鉄筋部(鉄筋)2Aと、コンクリート体1の上表面1Bに平行に配設された鉄筋部(鉄筋)2Bとを有している。
なお、鉄筋2、3の位置や屈曲部2aの位置は既知である。
図2に示すように、コンクリート体1の側表面1A(図1参照)の上部に磁石5を当接して配置する。磁石5の磁極は鉄筋部2Aの長手方向に沿うように位置させる。つまり、両磁極の各中心部を通る直線C(図14参照)が鉄筋部2Aとほぼ平行となるように磁石5をセットする。ここでは、例えばN極を上にS極を下にするが、その逆であっても差し支えない。
破断Hがない場合には、図3に示すように、磁束E1bの磁束密度は比較的大きく、磁束E1bは磁束E1aを打ち消す方向の成分を含む。このため、磁束E1aの磁束密度は小さくなる。
また、破断Hがある場合には、図4に示すように、屈曲部2a内の磁束E2bの磁束密度は破断Hがあることにより小さくなる。このため、磁束E2aの磁束密度は磁束E1aの磁束密度より大きなものとなる。
このように、鉄筋2が健全な場合には、コンクリート体1の側表面1Aの上部、すなわち屈曲部2aの近傍に磁束E4による磁束密度の大きな領域が発生し、磁束E5の磁束密度は小さいことが分かる。
また、コンクリート体1の側表面1Aの上部には、側表面1Aに対して垂直方向に矢印P3で示す磁束E7が発生し、その下方から側表面1Aに対して垂直方向に矢印P4で示す磁束E8が発生する。
この分布図から分かるように、破断Hのある鉄筋2の場合には、磁束E7による磁束密度のピークとなる位置が、健全な鉄筋2の磁束E4による磁束密度のピーク位置と比べてより屈曲部2a側へ位置し、その下方には磁束E8による磁束密度の大きな領域が発生することが分かる。
グラフG1は鉄筋2の屈曲部2aに破断Hがある場合のグラフ、グラフG2は健全な鉄筋2のグラフであり、鉄筋2の屈曲部2aの位置(鉄筋部2Bの右端と鉄筋部2Aの上端との交点)を原点(X軸の0.00mの位置)とし、その原点から下方側の位置を正(X方向)、上方側の位置を負(−X方向)とし、コンクリート体1の側表面1Aから外側へ垂直方向に出る磁束を正、その逆を負として表したものである。
なお、本実施例において鉄筋2を磁化させる際に使用した磁石5は、その長さ(N極端からS極端までの距離)が0.08mであり、その配置は、図9のX軸においてN極端の位置が−0.05mであり、S極端の位置が0.03mである。
このため、閾値を設定してこの閾値と磁束密度のピーク位置とを比較することにより、破断Hの有無を検出することが可能であることが分かる。
このため、閾値を設定してこの閾値と磁束密度の逆方向ピーク値とを比較することにより、破断Hの有無を検出することが可能である。
この方法によれば、鉄筋2の長手方向に対する磁束密度のピーク位置および逆方向ピーク値を求める必要がなく、例えば、鉄筋2の屈曲部2aを原点として、そこから鉄筋2の長手方向に沿って所定距離だけ離れた位置におけるコンクリート体1の表面の磁束密度を測定するだけで、破断Hの有無を検出することができる。
この検査範囲Rは、鉄筋2を磁化させる際に配置する磁石5のN極およびS極のそれぞれ鉄筋2に最も近い両端部の位置5n,5sから、それぞれ鉄筋2の鉄筋部2Aまたはその延長線Lに向けて、磁石5の両磁極の各中心部を通る直線Cに対して角度θn,θs傾けた方向に延ばした2本の直線Mn,Msに挟まれた範囲である。ここで、角度θnおよびθsは共に30°であり、この角度は、磁石の磁力や長さ(N極端とS極端との距離)が変わってもほぼ変動しない固定値である。
したがって、この検査範囲R内においては、磁束密度のピーク位置の差、逆方向ピーク値の差、または屈曲部2aから鉄筋部2Aに沿った所定距離の位置における磁束密度の差の少なくともいずれか一つに基づいて、破断Hの有無を検出することができる。
なお、本実施例の場合、延長線Lの部分には鉄筋が無いため、実質的に検査できる鉄筋2の範囲は、鉄筋部2Aと直線Msとの交点から屈曲部2aまでの範囲である。
図1に示す20は補助鉄筋2の破断Hを検出する非破壊検査装置である。
非破壊検査装置20は、コンクリート体1の側表面1Aに近づけて配置することで鉄筋部2Aを磁化させる磁石5(図3参照)と、磁石5の撤去後に側表面1Aに近づけて配置することで鉄筋部2Aから発せられるZ方向(コンクリート体1の側表面1Aと直交する方向)の磁気を検出する磁気センサ10を有する磁気検出部11と、磁気センサ10が検出する検出信号からコンクリート体1の側表面1Aに対して垂直方向(直交方向)の磁束密度を演算して求めるとともに、この求めた磁束密度のグラフ(特性の曲線)を生成する演算部(演算手段)21と、この演算部21が生成した磁束密度のグラフを表示する表示部22と、磁気検出部11の配置の移動距離を検出する距離センサ30と、演算部21が求めた磁束密度と距離センサ30が検出した距離とを記憶するメモリ23と、磁束密度のピークの位置を検出するピーク位置検出部24と、このピーク位置検出部24が検出したピーク位置と予め設定されている閾値とを比較して破断の有無を判定する判定部25とを備えている。
距離センサ30は磁気検出部11に組み込まれている。
磁気センサ10は、高感度の例えばMIセンサまたはフラックスゲート型センサまたはホール素子や超伝導量子干渉素子などである。
次に、非破壊検査装置20を用いて鉄筋の破断の有無を検出する検査方法について説明する。
先ず、図2に示すように、検査を行う鉄筋2のコンクリート体1の側表面1Aの上部に、例えばN極を上にS極を下にして磁石5を当接させて配置する。これは、鉄筋2の屈曲部2aで破断Hが発生し易いからである。
この磁石5の配置を、鉄筋2の長手方向と直交するY方向へ移動させていき、鉄筋2を長手方向に向かって磁化させる。
この磁気検出部11の配置の移動によって、距離センサ30によりコンクリート体1の側表面1AのX方向の移動距離が検出されていく。また、磁気センサ10が検出する検出信号により、鉄筋部2Aに沿った各位置における磁束密度(側表面1Aと直交するZ方向の磁束密度)が演算部21によって求められていく。
表示部22には、メモリ23に記憶された磁束密度と移動距離とに基づいて図9に示すグラフG1,G2が表示される。このグラフG1,G2は、メモリ23に記憶されたデータに基づいて演算部21が生成し、表示部22に表示させるものである。
判定部25は、ピーク位置検出部24が検出したピーク位置が予め設定された閾値(予め設定されたX方向の位置)以下であるかを判定し、以下であれば破断Hありと判定し、以下でなければ健全と判定する。そして、判定部25の判定結果が表示部22に表示される。
閾値は、例えば、図9のグラフG1,G2のピークPg1,Pg2のX方向の中間位置を閾値として設定するものである。
すなわち、磁気検出部11は、鉄筋2の長手方向に対する磁束密度が検出できれば、どのように移動させてもよい。
図11は、第2実施例の非破壊検査装置120を示す。この非破壊検査装置120は、磁石5(図3参照)と、磁気センサ10と距離センサ30とが組み込まれた磁気検出部11と、演算部21と、表示部22と、メモリ23と、演算部21が生成した磁束密度のグラフの逆方向ピークの磁束密度(逆方向ピーク値)を検出する磁束密度検出部124と、この磁束密度検出部124が検出した逆方向ピーク値と予め設定した閾値とを比較して鉄筋2の破断Hの有無を判定する判定部125とを有している。
閾値は、例えば、図9のグラフG1,G2の逆方向ピークUg1,Ug2の磁束密度の中間値を閾値として設定するものである。
そして、磁束密度検出部124と判定部125とで鉄筋2の破断の有無を判定する判定手段が構成される。
磁束密度検出部124は、演算部21が生成した磁束密度のグラフの逆方向ピーク値を検出し、磁束密度検出部124が検出した逆方向ピーク値が閾値以下であれば鉄筋2に破断Hが有り、閾値以下でなければ鉄筋2は健全であると判定し、この判定結果が表示部22に表示される。
なお、ここで鉄筋を磁化させる際に使用した磁石は、第1実施例と同じもので、長さは0.08mであり、その配置は、図12のX軸においてN極端の位置が−0.04mであり、S極端の位置が0.04mである。
グラフG4は破断のある場合の磁束密度のグラフを示し、グラフG5は健全な場合の磁束密度のグラフを示す。
また、破断がある場合、負方向のピークU4a,正方向のピークU4bの磁束密度が、健全な場合の負方向のピークU5a,正方向のピークU5bの磁束密度と比べて、それぞれ負方向,正方向に大きくなる。
このため、第1および第2実施例の非破壊検査装置20,120によって、真っ直ぐな鉄筋2の破断Hを検出することができる。
検査範囲Rは、上述の図14の場合と同様に、鉄筋2を磁化させる際に配置する磁石5のN極およびS極のそれぞれ鉄筋2に最も近い両端部の位置5n,5sから、それぞれ鉄筋2に向けて、磁石5の両磁極の各中心部を通る直線Cに対して角度θn,θs傾けた方向に延ばした2本の直線Mn,Msに挟まれた範囲である。ここで、角度θnおよびθsは共に30°であり、この角度は、磁石の磁力や長さ(N極端とS極端との距離)が変わってもほぼ変動しない固定値である。
図16,図17のいずれの場合も、磁石5は第1実施例と同じもので長さは0.08m であり、磁石5を配置するコンクリート体1の側表面から鉄筋までの最短距離(かぶり厚)は約0.10mである。検査範囲Rに含まれる鉄筋2の部分は、鉄筋2と直線MnおよびMsの各交点間の部分であり、その長さは約0.426mである。つまり、前記のとおりかぶり厚は約0.10mであるから、磁石5のN極端部5nから鉄筋2に向けた垂線と鉄筋2との交点と、直線Mnと鉄筋2との交点の両交点間の距離は約0.173mである。同様に、S極端部5sから鉄筋に向けた垂線と鉄筋2との交点と、直線Msと鉄筋2との交点の両交点間の距離も約0.173mである。したがって、これらの両距離に磁石5の長さ(5nと5sの距離)0.08mを加えると約0.426mになる。
この図16では、原点(X軸の0.00mの位置)は鉄筋2の破断Hの位置であり、磁石5の配置は、X軸においてN極端部5nの位置は−0.19mであり、S極端部5sの位置は−0.11mである。
このため、上述の第1および第2実施例の非破壊検査装置20,120によって、鉄筋2の破断Hを検出することができる。
この図17では、原点(X軸の0.00mの位置)は鉄筋2の破断Hの位置であり、磁石5の配置は、X軸においてN極端部5nの位置は−0.24mであり、S極端部5sの位置は−0.16mである。
したがって、図17より、検査範囲R内であれば、磁束密度のピーク位置の差または逆方向ピーク値の差の少なくとも一方に基づいて、鉄筋2の破断Hの有無を検出できることが分かる。
すなわち、磁石5の両磁極の各中心部を通る直線C(図14,15,18参照)を鉄筋2の長手方向とほぼ平行にして、この磁石5を鉄筋2の検査対象箇所の近傍に近づけて配置し、この後遠ざけていけばよいのであり、その近づけ方や遠ざけ方はどのような方法であってもよい。
1A 側表面
2 鉄筋
2a 屈曲部
5 磁石
10 磁気センサ
11 磁気検出部
20,120 非破壊検査装置
21 演算部(演算手段)
24 ピーク位置検出部
25,125 判定部
30 距離センサ
124 磁束密度検出部
H 破断
C 両磁極の各中心部を通る直線
R 検査範囲
Claims (7)
- コンクリート体内に設けられた鉄筋をコンクリート体の外側から磁石によって磁化させ、この後そのコンクリート体の表面の磁束密度を測定することにより前記鉄筋の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
1つの磁石を、その両磁極の各中心部を通る直線が前記鉄筋の長手方向とほぼ平行になるように前記コンクリート体の表面に近づけて配置し、前記鉄筋の長手方向に移動させることなく該鉄筋を磁化させ、
次に磁気センサを、前記鉄筋に沿った前記コンクリート体の表面に近づけて配置して該表面の垂直方向の磁束密度を測定することにより、
前記コンクリート体の表面から外側に出る磁束の方向を正方向とし、その逆の磁束の方向を負方向として、
(a)「前記鉄筋を磁化させた際に配置した前記磁石のS極端部があった位置の近傍であって前記鉄筋の長手方向における磁束密度の正方向のピーク位置」または
(b)「前記磁石のS極端部があった位置から前記磁束密度の正方向のピーク位置に向かってより離れた位置にある前記鉄筋の長手方向における磁束密度の負方向のピークのピーク値」のいずれか一方または両方を求め、
前記(a)または(b)のいずれか一方または両方を予め設定した閾値と比較して、前記鉄筋を磁化させた際に配置した前記磁石の両磁極のそれぞれ該鉄筋に最も近い両端部があった各位置から、それぞれ該鉄筋またはその延長線に向けて該磁石の前記両磁極の各中心部を通る直線に対して30°傾けた方向に延ばした2本の直線に挟まれた範囲内における該鉄筋の破断の有無を検出することを特徴とする非破壊検査方法。 - 前記磁気センサの配置を移動させながら前記コンクリート体の表面の垂直方向の磁束密度を測定するとともに、該磁気センサの配置の移動距離を距離センサによって検出し、該磁気センサが測定した磁束密度と該距離センサが検出した移動距離とに基づいて、前記(a)または(b)のいずれか一方または両方を求めることを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査方法。
- コンクリート体内に設けられた鉄筋をコンクリート体の外側から磁石によって磁化させ、この後そのコンクリート体の表面の磁束密度を測定することにより前記鉄筋の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
1つの磁石を、その両磁極の各中心部を通る直線が前記鉄筋の長手方向とほぼ平行になるように前記コンクリート体の表面に近づけて配置し、前記鉄筋の長手方向に移動させることなく該鉄筋を磁化させ、
次に磁気センサを、前記鉄筋に沿った前記コンクリート体の表面に近づけて配置して該表面の垂直方向の磁束密度を測定することにより、
前記コンクリート体の表面から外側に出る磁束の方向を正方向とし、その逆の磁束の方向を負方向として、
(c)「前記鉄筋を磁化させた際に配置した前記磁石のN極端部があった位置の近傍であって前記鉄筋の長手方向における磁束密度の負方向のピーク位置」または
(d)「前記磁石のN極端部があった位置から前記磁束密度の負方向のピーク位置に向かってより離れた位置にある前記鉄筋の長手方向における磁束密度の正方向のピークのピーク値」のいずれか一方または両方を求め、
前記(c)または(d)のいずれか一方または両方を予め設定した閾値と比較して、前記鉄筋を磁化させた際に配置した前記磁石の両磁極のそれぞれ該鉄筋に最も近い両端部があった各位置から、それぞれ該鉄筋またはその延長線に向けて該磁石の前記両磁極の各中心部を通る直線に対して30°傾けた方向に延ばした2本の直線に挟まれた範囲内における該鉄筋の破断の有無を検出することを特徴とする非破壊検査方法。
- 前記磁気センサの配置を移動させながら前記コンクリート体の表面の垂直方向の磁束密度を測定するとともに、該磁気センサの配置の移動距離を距離センサによって検出し、該磁気センサが測定した磁束密度と該距離センサが検出した移動距離とに基づいて、前記(c)または(d)のいずれか一方または両方を求めることを特徴とする請求項3に記載の非破壊検査方法。
- コンクリート体内に設けられた屈曲部を有する鉄筋をコンクリート体の外側から磁石によって磁化させ、この後そのコンクリート体の表面の磁束密度を測定することにより前記屈曲部の破断の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記屈曲部の近傍において、1つの磁石を、その両磁極の各中心部を通る直線が前記鉄筋の長手方向とほぼ平行になるように前記コンクリート体の表面に近づけて配置し、前記鉄筋の長手方向に移動させることなく該鉄筋を磁化させ、
次に磁気センサを、前記鉄筋に沿った前記コンクリート体の表面に近づけて配置して該表面の垂直方向の磁束密度を測定することにより、前記鉄筋の屈曲部から長手方向に沿った所定距離の位置における磁束密度を求め、
この位置における磁束密度を予め設定した閾値と比較して、前記鉄筋を磁化させた際に配置した前記磁石の両磁極のそれぞれ該鉄筋に最も近い両端部があった各位置から、それぞれ該鉄筋またはその延長線に向けて該磁石の前記両磁極の各中心部を通る直線に対して30°傾けた方向に延ばした2本の直線に挟まれた範囲内における該鉄筋の屈曲部の破断の有無を検出することを特徴とする非破壊検査方法。 - 前記磁気センサの配置を、前記鉄筋の長手方向と直交する方向に移動させながら前記コンクリート体の表面の磁束密度を測定することを特徴とする請求項5に記載の非破壊検査方法。
- 前記磁石の配置を、前記鉄筋の長手方向と直交する方向に移動させながら該鉄筋を磁化させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の非破壊検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013120528A JP6211311B2 (ja) | 2012-06-08 | 2013-06-07 | 非破壊検査方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012131099 | 2012-06-08 | ||
JP2012131099 | 2012-06-08 | ||
JP2013120528A JP6211311B2 (ja) | 2012-06-08 | 2013-06-07 | 非破壊検査方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014013233A JP2014013233A (ja) | 2014-01-23 |
JP6211311B2 true JP6211311B2 (ja) | 2017-10-11 |
Family
ID=50108979
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013120528A Expired - Fee Related JP6211311B2 (ja) | 2012-06-08 | 2013-06-07 | 非破壊検査方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6211311B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7416358B2 (ja) * | 2019-11-12 | 2024-01-17 | 株式会社四国総合研究所 | 非破壊検査方法及び検査装置 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2236636C (en) * | 1997-05-29 | 2007-01-09 | Tech Restoration Services, Inc. | Method and apparatus for detecting tendon failures within prestressed concrete |
JP4860987B2 (ja) * | 2005-11-21 | 2012-01-25 | 株式会社四国総合研究所 | 非破壊検査方法 |
JP5222714B2 (ja) * | 2008-12-25 | 2013-06-26 | 株式会社四国総合研究所 | 非破壊検査方法と非破壊検査装置 |
JP3163378U (ja) * | 2010-07-30 | 2010-10-14 | 北海道電力株式会社 | 鉄筋破断検査装置 |
-
2013
- 2013-06-07 JP JP2013120528A patent/JP6211311B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014013233A (ja) | 2014-01-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6305860B2 (ja) | 非破壊検査方法および非破壊検査装置 | |
KR102198678B1 (ko) | 자성체의 검사 장치 및 자성체의 검사 방법 | |
US20090134867A1 (en) | Corrosion evaluation device and corrosion evaluation method | |
JP4860987B2 (ja) | 非破壊検査方法 | |
JP5946638B2 (ja) | 非破壊検査方法 | |
JP6452130B2 (ja) | 線状部材の診断装置及び診断方法 | |
WO2015141568A1 (ja) | 埋設金属の探知方法及びその探知装置 | |
JP7160098B2 (ja) | 非破壊検査方法、非破壊検査システム及び非破壊検査プログラム | |
JP6305847B2 (ja) | 非破壊検査方法および非破壊検査装置 | |
JP2005003405A (ja) | コンクリート構造物の鉄筋破断検知方法 | |
JP3734822B1 (ja) | 非破壊検査方法 | |
JP6211311B2 (ja) | 非破壊検査方法 | |
JP2018151168A (ja) | 非破壊検査方法及び非破壊検査装置 | |
JP5222714B2 (ja) | 非破壊検査方法と非破壊検査装置 | |
WO2019054158A1 (ja) | 非破壊検査装置、非破壊検査システム及び非破壊検査方法 | |
JP6305859B2 (ja) | 非破壊検査方法 | |
JP2016008960A5 (ja) | ||
JP4304121B2 (ja) | コンクリート構造物の鉄筋破断検知方法 | |
JP2004279372A (ja) | 破断検出方法 | |
EP3081932B1 (en) | Apparatus and method of inspecting defect of steel plate | |
JP7196921B2 (ja) | 非破壊検査装置、非破壊検査システム及び非破壊検査方法 | |
JP5531124B2 (ja) | 非破壊検査方法 | |
WO2024057869A1 (ja) | 非破壊検査方法、プログラム及び非破壊検査システム | |
JP2024054885A (ja) | 非破壊検査方法 | |
JP7416358B2 (ja) | 非破壊検査方法及び検査装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160303 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161128 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20161130 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170112 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170630 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170807 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170906 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170913 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6211311 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |