JP6305847B2 - 非破壊検査方法および非破壊検査装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許第3734822号公報(特許文献1)に記載された非破壊検査方法は、永久磁石を、コンクリート体に埋設された検査対象の鉄筋の長手方向に沿って、コンクリート体表面を移動させることにより鉄筋を磁化させ、その後、磁気センサによってコンクリート体の表面から漏れる磁束密度を測定し、更に得られた測定値の微分値を算出して鉄筋の破断部の有無を検出するものである。
そこで本発明は、検査対象の鉄筋以外の強磁性体や環境磁場等の影響を受け難く、さらに、検査前の閾値設定などを不要とした、鉄筋の破断部の有無を極めて正確に検出することができる非破壊検査方法および非破壊検査装置を提供することを目的としてなされたものである。
なお、大型の磁石であって鉄筋の長手方向における検査対象範囲と同等以上の長さを有するものを使用する場合には、かかる大型の磁石をコンクリート体の表面に近づけて配置するだけで鉄筋の検査対象範囲の全体を磁化させることができるので、磁石を移動させる必要はない。
また、磁石は、永久磁石または電磁石のいずれであってもよく、また、形状は直方体、コ字形またはU字形等の任意であってよい。
また他の方法として、前記磁気センサを、コンクリート体表面の上方の空間において、鉄筋の長手方向と直交する方向に往復移動させつつ少しずつ鉄筋の長手方向に移動させて、鉄筋の各位置における磁束密度を測定し、その測定結果を分析することで、鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を求めることもできる。
また、前記両磁束密度の変化曲線の交点と相対位置を判別することによって、鉄筋の破断部の有無を検出してもよい。例えば、前記両磁束密度の鉄筋の長手方向に沿った増減変化を、それぞれ線グラフの変化曲線として表して、これらの両変化曲線が交差する交点を見つけ、その交点の付近における両変化曲線の相対位置を調べることによって、鉄筋の破断部の有無を検出する。
かかる破断検出工程における鉄筋の破断部の有無の検出は、一般的な電子計算機等による情報処理によって行うことができるが、上記両磁束密度の変化曲線をモニター画面等に表示し、その表示内容に基づいて検査員が破断部の有無を判定するようにしてもよい。また、電子計算機等による情報処理と、検査員による判定とを併せて行うようにしてもよい。
本発明の非破壊検査方法は、着磁工程、磁束密度測定工程および破断検出工程を含む、鉄筋の破断部の有無を検出するための検査方法である。以下、各工程について説明する。
図1において、1はコンクリート体であり、このコンクリート体1には検査対象となる鉄筋2が埋設されている。
まず、図1に示すように、コンクリート体1の表面3に磁石4を近づけて、その両磁極を鉄筋2の長手方向に沿わせ、N極が図左にS極が図右になるよう配置すると、磁石4から発せられる磁力線5で示す磁気の影響で、鉄筋2が磁化されて矢印で示す方向の磁束2Aが発生する。
なお、磁石4の両磁極の向きは、本実施形態とは逆に、S極を図左としN極を図右としてもよい。また、磁石4は、そのまま剥き出しの状態でもよいが、コンクリート体の表面に近づけたまま移動させ易くするための機能を有するケース等に収容し、または複数の磁石を組み合わせるなど、ユニット化したものであってもよい。
磁石4を撤去した後、コンクリート体表面3からの離隔距離が異なる複数の位置に磁気センサを配置し、その磁気センサをコンクリート体表面3からの離隔距離を略一定に維持した状態で移動させ、複数の前記離隔距離における鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を測定する。
例えば、図2に示すように、コンクリート体表面3からの離隔距離が異なるA、B、Cの各破線で示す空間部分の図左端位置に、各々1個ずつ計3個の磁気センサを配置し、各磁気センサを同時にA、B、Cの各破線に沿わせて図左端位置から右方向に移動させて、鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を測定することができる。なお、使用する磁気センサを1個として、A、B、Cの各破線で示す図左端位置に順次配置して各破線に沿わせて移動させて鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を測定するようにしても良い。
図3は、破断部の無い鉄筋の長手方向(X方向)に沿った、該鉄筋から3つの異なる離隔距離における磁束密度の垂直成分(Z方向の成分)の増減変化を示したグラフである。
より詳しくは、測定対象の鉄筋は、コンクリート体中にコンクリート体表面と略平行に埋設された直径16mmの異形棒鋼であって破断部は無く、コンクリートの芯かぶり厚は100mmである。グラフの変化曲線E1、E2、E3は、それぞれコンクリート体表面からの離隔距離が25mm、50mm、75mm(鉄筋の中心からの離隔距離は、それぞれ125mm、150mm、175mm)の各位置における鉄筋の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分の増減変化を示している。また、図3のグラフの横軸は、鉄筋のX方向の位置(単位:mm)を表しており、縦軸は、当該位置における磁束密度の垂直成分(単位:μT)を表している。
また、本実施形態では、鉄筋から生ずる磁束密度について、その垂直成分(Z方向の成分)を測定の対象としているが、測定の対象を水平成分(X方向またはY方向の成分)として、その測定値に基づいて破断部の有無を検出することも可能である。
より詳しくは、測定対象の鉄筋は、コンクリート体中にコンクリート体表面と略平行に埋設された直径16mmの異形棒鋼であって、グラフの横軸の略0mm位置に対応する箇所に破断部が有り、コンクリートの芯かぶり厚は100mmである。グラフの変化曲線F1、F2、F3は、それぞれコンクリート体表面からの離隔距離が25mm、50mm、75mm(鉄筋の中心からの離隔距離は、それぞれ125mm、150mm、175mm)の各位置における鉄筋の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分の増減変化を示している。また、図4のグラフの横軸は、鉄筋のX方向の位置(単位:mm)を表しており、縦軸は、当該位置における磁束密度の垂直成分(単位:μT)を表している。
図5のように、N極を図左にS極を図右にした磁石4を、コンクリート体1に埋設された破断部Hの有る鉄筋2の長手方向に沿うように、コンクリート体表面3に近づけて配置し、次いでX方向に移動して鉄筋2を磁化させると、鉄筋2の破断部H以外の部分は磁化されるが、破断部Hは磁化されない。ここで、破断部Hを原点位置として、X方向負側に位置する鉄筋2Nには、図2に示すようにX方向の磁束2ANが生じ、また、X方向正側に位置する鉄筋2Pには、同じくX方向の磁束2APが生じる。
なお、本実施形態とは異なり、磁石4の両磁極の相対位置を本実施形態と逆にして鉄筋を磁化させた場合には、前記図4の各変化曲線とは逆に、グラフの横軸の0mm位置よりも左側において下向きの凸形状部を有し、右側において上向きの凸形状部を有する変化曲線となる。
(1−3−1) 鉄筋の破断部の有無を検出する工程を説明する。すなわち、前記の磁束密度測定工程で測定された、コンクリート体表面からの複数の異なる離隔距離における鉄筋の長手方向に沿った磁束密度から、2つの離隔距離における磁束密度を適宜選択し、かかる両磁束密度の差を求めて正負の変化を判別することによって鉄筋の破断部の有無を検出する工程である。
つまり、変化曲線F1に示すコンクリート体表面からの離隔距離が25mm(鉄筋の中心からの離隔距離は125mm)の場合の磁束密度の測定値(以下「F1値」という)から、変化曲線F3に示すコンクリート体表面からの離隔距離が75mm(鉄筋の中心からの離隔距離は175mm)の場合の磁束密度の測定値(以下「F3値」という)を差し引くことによって差を求める。
すると、図4のグラフ横軸の約−900mm未満の範囲で差(F1値−F3値)は0より小さな数値(負数)となり、約−900mmで差は0となり、約−900mmを超えて約0mm未満の範囲で差は0より大きな数値(正数)となり、約0mmで差は再び0となり、約0mmを超えて約900mm未満の範囲で差は0より小さな数値(負数)となり、約900mmで差は再び0となり、約900mmを超える範囲で差は0より大きな数値(正数)となる。
そこで、さらに前記3つの位置の左右両側における差(F1値−F3値)に着目すると、鉄筋に破断が無い約−900mmおよび約900mmの位置では、いずれも左側(負方向側)における差は負数であり、右側(正方向側)における差は正数である。これに対し、鉄筋に破断が有る約0mmの位置では、左側における差は正数であり、右側における差は負数であって、かかる点において特徴的である。
以上より、コンクリート体表面からの異なる2つの離隔距離における磁束密度について、かかる両磁束密度の差を求めて正負の変化を判別することで、鉄筋の破断部の有無を検出できることが解る。
つまり、変化曲線E1に示すコンクリート体表面からの離隔距離が25mmの場合の磁束密度の測定値(以下「E1値」という)から、変化曲線E3に示すコンクリート体表面からの離隔距離が75mmの場合の磁束密度の測定値(以下「E3値」という)を差し引くことによって差を求める。すると、図3のグラフ横軸の約0mm未満の範囲で差(E1値−E3値)は0より小さな数値(負数)となり、約0mmで差は0となり、約0mmを超える範囲で差は0より大きな値(正数)となる。
また、2つの磁束密度の差の正負変化に着目した方法なので、検査前に磁束密度の微分値と比較するための閾値などを設定する必要がなく、閾値の誤設定などによる検出精度の低下を防ぐことができる。
また、これらの交点の左右両側における変化曲線F1とF3の相対位置は、グラフ横軸の約−900mm未満の範囲では変化曲線F1が低位置(磁束密度が小さい位置)にあり変化曲線F3が高位置(磁束密度が大きい位置)にあり、約−900mmで両変化曲線は交差し、約−900mmを超えて約0mm未満の範囲では変化曲線F1が高位置にあり変化曲線F3が低位置にあり、約0mmで両変化曲線は再び交差し、約0mmを超えて約900mm未満の範囲では変化曲線F1が低位置にあり変化曲線F3が高位置にあり、約900mmで両変化曲線は再び交差し、約900mmを超える範囲では変化曲線F1が高位置にあり変化曲線F3が低位置にある。
そこで、さらに前記3つの位置の左右両側における変化曲線F1とF3の相対位置に着目すると、鉄筋に破断が無い約−900mmおよび約900mmの位置では、いずれも左側(負方向側)において変化曲線F1が低位置にあり変化曲線F3が高位置にあり、右側(正方向側)において変化曲線F1が高位置にあり変化曲線F3が低位置にある。これに対し、鉄筋に破断が有る約0mmの位置では、左側において変化曲線F1が高位置にあり変化曲線F3が低位置にあり、右側において変化曲線F1は低位置にあり変化曲線F3は高位置にあり、かかる点において特徴的である。
また、かかる交点の左右両側における変化曲線F1とF3の相対位置は、グラフ横軸の約0mm未満の範囲では変化曲線E1が低位置(磁束密度が小さい位置)にあり変化曲線E3が高位置(磁束密度が大きい位置)にあり、約0mmで両変化曲線は交差し、約0mmを超える範囲では変化曲線E1が高位置にあり変化曲線E3が低位置にある。
したがって、コンクリート体表面からの異なる2つの離隔距離における磁束密度について、これら両磁束密度の鉄筋の長手方向における増減変化を示す両変化曲線が交差する交点の位置と、かかる交点の付近における両変化曲線の相対位置を判別することで、鉄筋の破断部の有無を検出できることが解る。
本実施形態の非破壊検査方法では、その破断検出工程において、2つの離隔距離における両磁束密度の差(例えば前記のF1値−F3値)を求めて正負の変化を判別することによって鉄筋2の破断部Hの有無を検出する方法によれば、比較的簡易な計算処理によって自動的かつ即座に破断部Hの有無を検出することができる。
さらに、検査対象の鉄筋以外からの検査の障害となる磁気が存在する場合には、その影響が前記両変化曲線のいずれか一方または両方に、特徴的な形状として現れることから、検査員が両変化曲線を観察することで、容易に障害となる磁気の存在に気付くことができ、鉄筋2の破断部Hの検出精度の低下を防ぐことができる。
(2−1)全体構成
非破壊検査装置6は、上述の非破壊検査方法を確実かつ効率的に実施することができる装置であり、図5〜図7に示すように、磁石4、本体部7およびモニター部16とから構成されている。また、本体部7は、磁気検出手段としての3個の磁気センサ10、磁束密度算出手段12および破断検出手段14を備えている。
まず、磁石4は、前記の非破壊検査方法の着磁工程において使用するものであり、かかる着磁工程では、磁石4を、その両磁極が前記鉄筋の長手方向に沿うように前記コンクリート体表面3に近づけて配置し、適宜移動させて鉄筋2を磁化させる。
磁石4は、コンクリート体1内に埋設された検査対象の鉄筋2を磁化するものであり、例えば図5に示すように、磁石4を両磁極が鉄筋2の長手方向に沿うようにしてコンクリート体表面3に近づけて配置し、鉄筋2の長手方向に沿って移動させることにより鉄筋2を磁化させる。
本実施形態の磁石4は、Nd系のような希土類金属からなる略直方体形状の永久磁石であり、扱い易くするために、取手を付けた直方体状の筐体(図示せず)の中に収められている。なお、磁石4は、本実施形態のような永久磁石ではなく電磁石であってもよく、また、形状は直方体に限らず、コ字形またはU字形等の任意であってよい。さらに、本実施形態のように筐体に収めた形態でなく、そのまま剥き出しの状態でもよく、さらに複数の磁石を組み合わせてユニット化したものであってもよい。
磁気検出手段としての3個の磁気センサ10は、本体部7内に設置されており、図6および図7に示すとおり、本体部7の筐体底面であり使用時にコンクリート体表面3に近づけて対向させる近接面9の後方(図6では上方)において、離隔方向(図6では真上方向)に向かって列設されている。
また、本体部7には、筐体両側面の前後部分に1個ずつ計4個の車輪8が回動自在に取り付けてあり、この車輪8をコンクリート体表面3に接触させつつ移動させることで、本体部7内の3個の磁気センサ10について、それぞれコンクリート体表面3からの離隔距離を略一定に維持した状態で移動させることができるようになっている。
なお、磁気センサ10としては、高感度のMIセンサ、フラックスゲート型センサ、ホール素子または超伝導量子干渉素子などを採用することができる。
次に、磁束密度算出手段12は、本体部7内に設置されており、前記3個の磁気センサ10から送られる磁気の検出信号から、前記3つの離隔距離における鉄筋2の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分を演算して求める。
なお、本実施形態は、磁束密度の垂直成分を算出するものであるが、磁束密度の他の方向成分、例えば水平成分を算出するものであってもよい。
また、算出した磁束密度は、記憶手段13に保存するようにすればよい。
なお、例えば本体部7が、高精度の位置決め機構を有する場合には、距離センサ11を備えなくても、本体部7の位置およびその位置における磁束密度を直接対応させることが可能である。
次に、破断検出手段14では、磁束密度算出手段12によって算出された前記3つの離隔距離における磁束密度から、2つの離隔距離における磁束密度を適宜選択し、かかる両磁束密度の差を求めて正負の変化を判別することによって、鉄筋2の破断部Hの有無を検出する。また、かかる両磁束密度の変化曲線を作成し、両変化曲線の交点と相対位置を判別することによって、鉄筋2の破断部Hの有無を検出するようにすることもできる。
また、本体部7にカメラ(図示せず)を取り付けて、撮影した画像データをモニター部16に電送するようにすれば、検査現場以外の場所において現場のコンクリート体の状態などを確認できるため便宜である。
図8に示す非破壊検査装置は、磁気検出手段として9個の磁気センサ10を備えるものである。9個の磁気センサ10のうち、「A、B、C」の3個からなる磁気センサ列は、前記の3個の磁気センサを列設した実施形態と同じ配置であり、これに、「Al、Bl、Cl」からなる磁気センサ列と、「Ar、Br、Cr」からなる磁気センサ列とが、本体部7の筐体幅方向(図8の左右方向)において略左右対称の位置に付加された形態となっている。
また、磁気センサ10のうち、本体部7の筐体幅方向に隣り合う3個の磁気センサ「A、Al、Ar」は、近接面9からの離隔距離が略同一であり、同様に隣り合う3個の磁気センサ「B、Bl、Br」および「C、Cl、Cr」についても、それぞれ近接面9からの離隔距離が略同一である。
例えば、検査対象の鉄筋2と略直交する鉄筋(図示せず。図8の左右方向に延びる鉄筋であり、以下「直交鉄筋」という。)が鉄筋2の近辺に埋設されているような場合には、かかる直交鉄筋からの磁気の影響によって、鉄筋2の略真上に配置された磁気センサ列(A、B、C)による測定結果だけでは、鉄筋2の破断部の検出が困難な場合がある。しかし、本体部7の左側または右側に磁気センサ列を設けることで、直交鉄筋が存在する場合でも、その影響を勘案したうえで、鉄筋2の破断部Hの有無を正確に検出することが可能となる。
これに対し、直交鉄筋と磁気センサAとの離隔距離と、直交鉄筋と磁気センサAlまたはArとの離隔距離は略同じであるため、直交鉄筋から発せられる磁束密度の垂直成分については、磁気センサAによる測定値と磁気センサAlおよびArによる測定値とが略同じ大きさになる。
したがって、異なる磁気センサ列に属する複数の磁気センサ(例えばA、Al、Ar)の磁束密度の測定値を比較することによって、直交鉄筋から発せられる磁束密度の大きさを推定することができるため、かかる直交鉄筋の磁束密度の影響を勘案したうえで、鉄筋2の破断部Hの有無を正確に検出することができるのである。
2 ・・鉄筋
2 ・・磁化された鉄筋に生じる磁束
3 ・・コンクリート体表面
4 ・・磁石
5 ・・磁力線
6 ・・非破壊検査装置
7 ・・本体部
8 ・・車輪
9 ・・近接面(筐体底面)
10 ・・磁気センサ
11 ・・距離センサ
12 ・・磁束密度算出手段
13 ・・記憶手段
14 ・・破断検出手段
15 ・・送信手段
16 ・・モニター部
17 ・・表示手段
18 ・・受信手段
H ・・破断部
Claims (7)
- コンクリート体内に設けられた鉄筋をコンクリート体の外側から磁石によって磁化させ、その後、該コンクリート体の外側の磁束密度を磁気センサにより測定することで前記鉄筋の破断部の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記磁石を、その両磁極が前記鉄筋の長手方向に沿うように前記コンクリート体の表面に近づけて配置し、適宜移動させて、または移動させずに前記鉄筋を磁化させる着磁工程と、
前記コンクリート体の表面からの離隔距離が異なる複数の位置に前記磁気センサを配置し、該磁気センサを、前記コンクリート体の表面からの離隔距離を略一定に維持した状態で移動させ、複数の前記離隔距離における前記鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を測定する磁束密度測定工程と、
磁束密度測定工程で測定された前記複数の離隔距離における磁束密度から、2つの離隔距離における磁束密度を適宜選択し、かかる両磁束密度の差を求めて正負の変化を判別することによって、または、かかる両磁束密度の変化曲線の交点と相対位置を判別することによって、前記鉄筋の破断部の有無を検出する破断検出工程を含むことを特徴とする非破壊検査方法。 - コンクリート体内に設けられた鉄筋をコンクリート体の外側から磁石によって磁化させ、その後、該コンクリート体の外側の磁束密度を磁気センサにより測定することで前記鉄筋の破断部の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記磁石を、その両磁極が前記鉄筋の長手方向に沿うように前記コンクリート体の表面に近づけて配置し、適宜移動させて、または移動させずに前記鉄筋を磁化させる着磁工程と、
前記コンクリート体の表面からの離隔距離が異なる2つの位置に前記磁気センサを配置し、該磁気センサを、前記コンクリート体の表面からの離隔距離を略一定に維持した状態で移動させ、2つの前記離隔距離における前記鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を測定する磁束密度測定工程と、
磁束密度測定工程で測定された前記2つの離隔距離における磁束密度について、かかる両磁束密度の差を求めて正負の変化を判別することによって、または、かかる両磁束密度の変化曲線の交点と相対位置を判別することによって、前記鉄筋の破断部の有無を検出する破断検出工程を含むことを特徴とする非破壊検査方法。 - 磁束密度測定工程において、前記コンクリート体の表面からの離隔距離が異なる複数の位置に複数個の前記磁気センサを同時に配置して移動させ、複数の前記離隔距離における前記鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を同時に測定することを特徴とする請求項1または2に記載の非破壊検査方法。
- 磁束密度測定工程において、前記コンクリート体の表面からの離隔距離が異なる複数の位置に1個の前記磁気センサを順次に配置して移動させ、複数の前記離隔距離における前記鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を順次に測定することを特徴とする請求項1または2に記載の非破壊検査方法。
- コンクリート体内に設けられた鉄筋をコンクリート体の外側から磁石によって磁化させ、その後、該コンクリート体の外側の磁気を検出して磁束密度を算出することにより前記鉄筋の破断部の有無を検出する非破壊検査装置であって、
両磁極が前記鉄筋の長手方向に沿うように前記コンクリート体の表面に近づけて配置し、適宜移動させて、または移動させずに前記鉄筋を磁化させる磁石と、
前記コンクリート体の表面に近づけて対向させる近接面の後方において離隔方向に列設された複数個の磁気センサを備え、該複数個の磁気センサを同時に移動させて、前記コンクリート体の表面からの複数の異なる離隔距離における磁気を同時に検出する磁気検出手段と、
前記複数個の磁気センサから送られる検出信号から、前記複数の離隔距離における前記鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を算出する磁束密度算出手段と、
磁束密度算出手段によって算出された前記複数の隔離距離における磁束密度から、2つの離隔距離における磁束密度を適宜選択し、かかる両磁束密度の差を求めて正負の変化を判別することによって、または、かかる両磁束密度の変化曲線の交点と相対位置を判別することによって、前記鉄筋の破断部の有無を検出する破断検出手段を備えることを特徴とする非破壊検査装置。 - コンクリート体内に設けられた鉄筋をコンクリート体の外側から磁石によって磁化させ、その後、該コンクリート体の外側の磁気を検出して磁束密度を算出することにより前記鉄筋の破断部の有無を検出する非破壊検査装置であって、
両磁極が前記鉄筋の長手方向に沿うように前記コンクリート体の表面に近づけて配置し、適宜移動させて、または移動させずに前記鉄筋を磁化させる磁石と、
前記コンクリート体の表面に近づけて対向させる近接面の後方において離隔方向に列設された2個の磁気センサを備え、該2個の磁気センサを同時に移動させて、前記コンクリート体の表面からの2つの異なる離隔距離における磁気を同時に検出する磁気検出手段と、
前記2個の磁気センサから送られる検出信号から、前記2つの離隔距離における前記鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を算出する磁束密度算出手段と、
磁束密度算出手段によって算出された前記2つの隔離距離における磁束密度について、かかる両磁束密度の差を求めて正負の変化を判別することによって、または、かかる両磁束密度の変化曲線の交点と相対位置を判別することによって、前記鉄筋の破断部の有無を検出する破断検出手段を備えることを特徴とする非破壊検査装置。 - 磁気検出手段として、前記近接面の後方において離隔方向に列設された複数個の磁気センサからなる磁気センサ列が、複数列設けられていることを特徴とする請求項5または6に記載の非破壊検査装置。
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