JP4634628B2 - 鋼材の劣化診断方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は鋼材の劣化診断方法に係り、特に、鋼材の残留歪みを判断することで鋼材の劣化度合いを診断する鋼材の劣化診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地震や風等に起因する外力が建築物等の鋼構造物に加わると前記鋼構造物を構成する鋼材にも荷重が加わるが、鋼材に加わる荷重が降伏点を越えると鋼材が塑性変形を起して残留歪みが生ずる。この残留歪みの計測は鋼材の劣化度合いを診断する上で重要である。残留歪みの計測は、実際の鋼構造物から鋼材のサンプルを採集し、採集したサンプルに対して各種の試験を行う破壊検査が一般的であるが、サンプルを採集したことに伴って鋼構造物の補修が必要となるので、多大な費用・時間を要するという問題がある。
【0003】
また、鋼材の非破壊検査としては、以下のような方法が提案されている。すなわち、特許第2721389号公報には、限界磁界Hcrit(=2K/Is:但し、Kは強磁性を有する立方晶系の材料の結晶磁気異方性定数、Isは飽和磁化の大きさ)以上の飽和漸近磁化範囲において、被測定鋼材の透磁率μと磁界H0との間に、
μ≒1+M/H0 3
が成立し、比例定数Mの平方根√Mと、被測定鋼材に加わっている主応力σ1,σ1の方向と直角方向に加わっているσ2,、σ1の方向と応力検出器による透磁率μの測定方向とのなす角θ、被測定鋼材の無応力時の値a及び応力感度bとの間に一定の関係が成り立つことを利用して鋼材に加わる応力を測定する方法が開示されている。
【0004】
また特許第2841153号公報には、直流電流に交流電流を重畳した励磁電流を、アモルファス磁芯に巻回したコイルに流し、アモルファス磁芯が交流電流の一部で非線形磁化特性を示し他の部分では線形磁化特性を示すように直流電流を調節し、コイル両端に生じる変動電圧に基づいて埋設鉄筋等の位置の検出や、アモルファス磁芯とコイルから成る磁気プローブと被検査体の微小変化の計測、被検査体の被覆層の欠損部の検出を行う技術が開示されている。
【0005】
特開平11−37976号公報には、鋼材に降伏点を越える荷重が加わり転位やすべりが増加することで鋼材に生ずる不均一な塑性変形(リューダース帯と呼ばれる)の近傍では顕著な磁気異方性が誘発され、かつリューダース帯の原因となる塑性変形に起因した磁場の空間的な部分は変化が大きいことに着目し、鋼材表面を所定の大きさに区分したときの各区分毎の磁気信号の空間差分量(磁気信号の最大値と最小値の差)の分布幅と、残留歪み量との相関関係を予め求めておき、被測定体としての鋼材表面の各区分毎の空間差分量に基づいて残留歪み量を求めるようにした鋼材の塑性度の評価方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許第2721389号公報に記載の技術は、鋼材に現在加わっている応力を測定するためのものであり、過去に加わった荷重により鋼材に生じている残留歪みを測定することは困難である。
【0007】
また、特許第2841153号公報に記載の技術は、被検査体の欠陥部(被検査体の溝状欠陥又は減肉欠陥、鉄筋やロープ素線の欠損部、強磁性体の被覆層の欠損部、被検査体の鋳造欠陥等)を含む領域を磁化したときに、欠陥部に起因して被検査体の表面から磁束が漏洩することを利用して欠陥部を検出するものであり、鋼材の残留歪み量の測定に関しては何ら考慮されていない。
【0008】
また、特開平11−37976号公報に記載の技術は、リューダース帯の出現に伴って磁気特性の変化(リューダース帯の近傍における顕著な磁気異方性)が誘発されることを利用しているが、この技術では、鋼材が塑性変形を受けたかどうかの定性的な評価は可能であるものの、塑性変形の程度を定量的に評価することは困難であった。
【0009】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、鋼材の残留歪みを定量的に評価できる鋼材の劣化診断方法を提供することが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、鋼材の残留歪みと磁気的性質の相関を調べるために、次のような実験を行った。すなわち、図1に示すように、建築用鋼材として多用されるSM490のH形鋼材を用い、まず鋼材10の長手方向に沿った中間部に、プレス機によって上方側より下方側へ向けて荷重を加えた。これにより、鋼材10の長手方向に沿った各点(例えば長手方向に沿った中間点(A点)、端点(C点)、及びA点とC点の中間点(B点))には、鋼材10の長手方向に沿って引張荷重が加わることになる。
【0011】
次に、プレス機によって加えた荷重を除いた後に、A〜Cの各点における鋼材10の歪み(残留歪み)εを歪みゲージによって各々計測すると共に、各点に加わった引張荷重の方向(図1の矢印x方向:以下、縦方向という)及び該縦方向に略直交する方向(図1の矢印z方向:以下、横方向という)に沿って鋼材10に磁束を流して鋼材10からの漏れ磁界を計測し、鋼材10の透磁率を求めることを、A〜Cの各点について各々行った。
【0012】
鋼材10からの漏れ磁界は以下のようにして計測した。すなわち、縦方向に沿って鋼材10に磁束を流す場合は、図2に示すように励磁コイル14を巻回した略コ字形のヨーク12を、ヨーク12の両端部が縦方向に沿って並ぶように向け、横方向に沿って鋼材10に磁束を流す場合は、図3に示すようにヨーク12の両端部が横方向に沿って並ぶようにヨーク12を向けて、ヨーク12の両端部が鋼材10のウェブ部に各々接触するようにヨーク12を配置した。そして、励磁コイル14に低周波(例えば周波数=1〔HZ〕)の励磁電流Iを流して励磁することでヨーク12及び鋼材10のウェブ部に磁束を流し、ヨーク12の配置位置近傍に配置した磁束センサ16によって鋼材10からの漏れ磁界(の振幅)Hを計測した。
【0013】
励磁電流Iと漏れ磁界Hは比例関係にあり、鋼材10の透磁率が高くなるに従って鋼材10からの漏れ磁束Bが小さくなり、漏れ磁界Hも小さくなる(H=B/μ、但しμは透磁率)。このため、励磁電流Iを変化させて漏れ磁界Hを各々計測し、鋼材10の透磁率として、励磁電流Iの変化に対する漏れ磁界Hの変化の傾きの逆数を求めることを、A〜Cの各点について各々行った。
【0014】
図4には、上記実験によって得られた鋼材10の歪みεと縦方向及び横方向の透磁率との関係を示す。図4からも明らかなように、鋼材10の縦方向の透磁率は、歪みεの大きさがA〜C点のうちの中間的な値であるB点で最大となっており、鋼材10の縦方向の透磁率は、鋼材10の歪みεが増加するに伴い一旦増加した後に減少に転じる特性であると推定できる。一方、鋼材10の横方向の透磁率は、鋼材10の歪みが最小のC点で最大、鋼材の歪みが最大のA点で最小となっており、鋼材10の横方向の透磁率は、鋼材10の歪みεの大きさに拘わらず、鋼材10の歪みεが増加するに伴って単調に減少する特性を示している。
【0015】
本願発明者等は、鋼材の歪みεの変化に対する鋼材の横方向の透磁率の変化に着目し、劣化度合いを診断すべき鋼材に対して横方向の透磁率を計測すれば、横方向の透磁率の計測結果に基づいて、鋼材の残留歪みを定量的に評価可能であることに想到し、本発明を成すに至った。
【0016】
上記に基づき請求項1記載の発明に係る鋼材の劣化診断方法は、診断対象の鋼材に荷重が加わることで診断対象の鋼材に残留歪みが生じていると仮定して、診断対象の鋼材の所定部位に、前記荷重が加わったと推定される方向と略直交する第1の方向に沿って磁束を流し、前記第1の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の前記所定部位における透磁率を求めると共に前記診断対象の鋼材の前記所定部位に、前記荷重が加わったと推定される方向に略沿った第2の方向に沿って磁束を流し、前記第2の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の前記所定部位における透磁率も求め、前記第1の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の前記所定部位における透磁率及び前記第2の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の前記所定部位における透磁率に基づいて、診断対象の鋼材の所定部位における残留歪み量を判断する。
【0017】
請求項1記載の発明では、診断対象の鋼材に残留歪みが生じていると仮定して、診断対象の鋼材の所定部位に、残留歪みの原因となった荷重が加わったと推定される方向と略直交する第1の方向(すなわち横方向)に沿って磁束を流し、第1の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の所定部位における透磁率を求めている。なお、建築物等の鋼構造物に外力が加わると、鋼構造物を構成する各鋼材にも荷重が加わるが、鋼材に残留歪みを生じさせる原因となる荷重は鋼材の長手方向に沿った引張荷重であることが殆どである。従って、診断対象の鋼材が鋼構造物を構成する鋼材であり、診断対象の鋼材に過去に加わった荷重の方向が未知である等の場合にも、荷重が加わった方向及び磁束を流す第1の方向は容易に判断できる。
【0018】
また、請求項1記載の発明では、診断対象の鋼材の所定部位に、荷重が加わったと推定される方向に略沿った第2の方向(すなわち縦方向)に沿って磁束を流し、第2の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の所定部位における透磁率も求め、第1の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の所定部位における透磁率及び第2の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の所定部位における透磁率に基づいて、診断対象の鋼材の所定部位における残留歪み量を判断している。
【0019】
前述のように、鋼材の縦方向の透磁率は、鋼材の残留歪み量の増加に対し、一旦増加した後に減少に転じる特性を有しており、鋼材の縦方向の透磁率を単独で用いて鋼材の残留歪み量を判断することは困難であるが、鋼材の残留歪み量の変化に対する変化の傾きが比較的大きいので、鋼材の残留歪み量を判断するにあたり、鋼材の横方向の透磁率と併用することにより、鋼材の残留歪み量の計測精度を向上させることができる。
【0020】
すなわち、鋼材の残留歪み量は、鋼材の縦方向の透磁率から見て、残留歪みの増加に対し縦方向の透磁率が増加する領域と縦方向の透磁率が減少する領域の2つの領域に分けられるが、鋼材の残留歪み量が2つの領域の何れに属しているかは鋼材の横方向の透磁率から判断できるので、鋼材の縦方向の透磁率も鋼材の残留歪み量の判断に用いることが可能となる。従って、第1の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の所定部位における透磁率及び第2の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の所定部位における透磁率に基づいて、例えば縦方向の透磁率から求めた残留歪み量と横方向の透磁率から求めた残留歪み量の平均値、又は加重平均値を演算する等により、鋼材の残留歪みを定量的に評価することができ、鋼材の残留歪み量の判断精度(計測精度)を向上させることができる。
【0021】
なお、請求項1記載の発明のように鋼材の縦方向の透磁率も用いて残留歪み量を判断する場合、請求項2に記載したように、診断対象の鋼材と同一種又は類似種の鋼材に、所定方向に沿って加わった荷重により残留歪みが生じたときの、所定方向に略沿って前記鋼材を流れる磁束に対する前記鋼材の透磁率と、前記鋼材の残留歪み量との関係を第2の関係として求めておき、該第2の関係も用いて診断対象の鋼材の所定部位における残留歪み量を判断することが好ましい。これにより、鋼材の残留歪み量の計測精度を更に向上させることができる。
【0022】
請求項3記載の発明に係る鋼材の劣化診断方法は、診断対象の鋼材に荷重が加わることで診断対象の鋼材に残留歪みが生じていると仮定して、励磁電流を供給することで磁束発生手段が発生する磁束を、診断対象の鋼材の所定部位に、前記荷重が加わったと推定される方向と略直交する第1の方向に沿って流し、前記診断対象の鋼材からの漏れ磁界をセンサによって計測することを、励磁電流の大きさを変化させながら繰り返し行い、励磁電流の変化に対する漏れ磁界の変化の傾きに基づいて、前記第1の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の前記所定部位における透磁率を求め、前記第1の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の前記所定部位における透磁率に基づいて、診断対象の鋼材の前記所定部位における残留歪み量を判断する。
【0023】
請求項3記載の発明では、診断対象の鋼材に荷重が加わることで診断対象の鋼材に残留歪みが生じていると仮定して、励磁電流を供給することで磁束発生手段が発生する磁束を、診断対象の鋼材の所定部位に、前記荷重が加わったと推定される方向と略直交する第1の方向に沿って流し、診断対象の鋼材からの漏れ磁界をセンサによって計測することを、励磁電流の大きさを変化させながら繰り返し行い、励磁電流の変化に対する漏れ磁界の変化の傾きに基づいて、第1の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の所定部位における透磁率を求めているので、第1の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の所定部位における透磁率を高精度に求めることができる。そして、この透磁率に基づいて診断対象の鋼材の所定部位における残留歪み量を判断するので、鋼材の残留歪みを定量的に評価することができ、鋼材の残留歪み量の判断精度(計測精度)を向上させることができる。
【0024】
また、上記のように漏れ磁界をセンサによって計測する場合、地磁気の影響や鋼材が帯磁している影響を受けて計測誤差が生ずることがある。これを考慮すると、請求項3記載の発明において、例えば請求項4に記載したように、漏れ磁界を計測するセンサを計測位置に配置し、診断対象の鋼材に磁束を流していない状態で前記センサの出力が0になるように調節することが好ましい。これにより、地磁気や鋼材が帯磁していることによる計測誤差を排除することができ、鋼材からの漏れ磁界を高精度に計測することができる。
【0025】
また、地磁気や鋼材が帯磁していることによる計測誤差を排除することは、例えば請求項5に記載したように、漏れ磁界を計測するセンサを計測位置に配置し、診断対象の鋼材に磁束を流していない状態での前記センサの出力を記憶しておき、診断対象の鋼材の所定部位に磁束を流したときの前記センサの出力から前記記憶した出力を減算した結果を、漏れ磁界の計測値として用いることでも実現できる。この場合も、鋼材からの漏れ磁界を高精度に計測することができる。
【0026】
また、請求項1又は請求項3記載の発明において、例えば請求項6に記載したように、診断対象の鋼材と同一種又は類似種の鋼材に、所定方向に沿って加わった荷重により残留歪みが生じたときの、所定方向と略直交する方向に沿って前記鋼材を流れる磁束に対する前記鋼材の透磁率と、前記鋼材の残留歪み量との関係を第1の関係として求めておき、前記第1の関係も用いて診断対象の鋼材の所定部位における残留歪み量を判断するようにしてもよい。
【0027】
特に建築物等の鋼構造物では、鋼構造物を構成する鋼材が被覆された構造であることが殆どであり、診断対象の鋼材に磁束を流して透磁率を求める際にも、鋼材に磁束を流すための機器や鋼材の透磁率を計測するための機器を診断対象の鋼材から所定距離離して配置せざるを得ないことが多い。これに対し、請求項6記載の発明によれば、第1の関係として、診断対象の鋼材の透磁率を求める際と同一又は略同一の条件下での透磁率と残留歪み量との関係を求めておき、この第1の関係も用いて残留歪み量を判断するので、鋼材の残留歪み量をより精度良く計測することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図5には、本発明に係る鋼材の劣化診断方法を適用し、鋼構造の建築物の構造材としての鉄骨を計測対象として残留歪み量を計測する際に使用可能な残留歪み量計測装置20の概略構成が示されている。
【0029】
図5に示すように、残留歪み量計測装置20は装置本体22と計測ユニット24に分離されており、装置本体22と計測ユニット24との間は給電線及び信号線で接続されている。計測ユニット24は、残留歪み量の計測時に計測対象の部材に接するように配置されるユニットであり、略コ字型のコア26を内蔵しており、このコア26には励磁コイル28が巻回されている。また、計測ユニット24は磁束センサのセンサヘッド30を内蔵している。センサヘッド30は、コア26の両端部を結ぶ仮想線の中点から該仮想線に直交する方向に若干ずれた位置に配置されている。
【0030】
一方、装置本体22側には、低周波の交流信号(例えば周波数=1〔HZ〕の正弦波)を出力する発振回路32が設けられており、発振回路32から出力された交流信号は、アッテネータ34を介して増幅器36に入力され、増幅器36によって増幅された後に励磁電流として励磁コイル28に供給される。これにより励磁コイル28が励磁され、コア26及び計測対象の鉄骨を通って磁束が流れることになる。
【0031】
増幅器36と励磁コイル28との間を接続する一対の給電線の一方には、電流検出器38が途中に設けられている。電流検出器38は、給電線の途中に接続したシャント抵抗を利用して給電線を流れる励磁電流Iを検出する。電流検出器38はローパスフィルタ40、増幅器42を介してデータ処理・制御部44に接続されており、励磁電流Iの検出結果はデータ処理・制御部44に入力される。
【0032】
また、センサヘッド30は磁束センサ(センサ本体)46に接続されており、磁束センサ46は、センサヘッド30から出力される信号に基づき、計測対象の鉄骨からの漏れ磁界Hを検出する。磁束センサ46はローパスフィルタ48(例えばカットオフ周波数=100〔HZ〕のローパスフィルタ)、増幅器50を介してデータ処理・制御部44に接続されており、漏れ磁界Hの検出結果はデータ処理・制御部44に入力される。
【0033】
データ処理・制御部44はマイクロコンピュータを含んで構成されており、残留歪み量計測装置20の各部の動作を制御する。また、残留歪み量計測装置20には、入力・表示部52及び記憶部54が各々接続されている。入力・表示部52は、計測者が情報を入力するためのキー及び処理結果等の情報を表示するためのディスプレイを含んで構成されている。記憶部54は記憶内容を書き替え可能な不揮発性の記憶手段(例えばハードディスクドライブ(HDD)やバックアップ電源に接続されたRAM等)で構成されており、各種の情報を記憶可能とされている。
【0034】
また記憶部54には、鉄骨を含んで構成され建築物の構造材(梁、柱等)として使用される各種の部材(この部材の種類は、例えば鉄骨の材質、鉄骨を被覆している被覆材の材質、被覆材の厚み等のパラメータを基準として部材を分類することで定められている)について計測を行うことで得られた透磁率−残留歪み量特性(μ−ε特性)を表す情報が、各種の部材を識別するための部材識別情報と対応されて各々記憶されている。
【0035】
なおμ−ε特性を表す情報は、詳しくは、部材の横方向(第1の方向)の透磁率μCと部材の残留歪み量εとの関係(μC−ε特性:第1の関係)を表す情報と、部材の縦方向(第2の方向)の透磁率μLと部材の残留歪み量εとの関係(μL−ε特性:第2の関係)を表す情報から構成されている。これらの特性は、先に説明した実験のように破壊検査を実施し、歪みゲージ等によって各部の残留歪み量εを計測すると共に、各部における横方向の透磁率μC及び縦方向の透磁率μLを各々計測することで求めることができる。
【0036】
次に本実施形態の作用を説明する。地震や風等の外力が加わった鋼構造建築物に対し、構造材の劣化を診断するに際しては、まず各構造材に目視でも確認できる劣化や残留歪みが生じているか否かが確認される。そして、目視では構造材の劣化や残留歪みを確認できなかった場合には、図7に示す残留歪み計測処理が行われる。残留歪み量計測処理の内容を示す図7のフローチャートにおいて、ステップ100〜ステップ104は計測者によって行われる作業を、その他のステップはデータ処理・制御部44によって行われる処理を表している。
【0037】
ステップ100において、計測者は、計測対象の部材(構造材)の種類を認識し、認識した部材種を入力・表示部52を介して残留歪み量計測装置20に設定する。また、計測対象の部材に荷重が加わることで計測対象の部材の鉄骨(以下、単に「計測対象の鉄骨」という)に残留歪みが生じていると仮定して、計測対象の鉄骨に残留歪みが生ずる原因となった荷重が計測対象の部材に加わった方向を推定し、推定した方向に基づいて透磁率の計測方向である横方向及び縦方向を認識し、これから透磁率の計測を行う方向として横方向又は縦方向を入力・表示部52を介して残留歪み量計測装置20に設定する。図6には計測対象の部材(一例)に符号60を、計測対象の鉄骨(一例)に符号62を付して各々示す。
【0038】
なお、鋼構造建築物の構造材(鉄骨)に残留歪みを生じさせる原因となる荷重は構造材の長手方向に沿った引張荷重であることが殆どであるので、前述の荷重が加わった方向についても、一律に計測対象の部材の長手方向とみなすことが可能であり、計測対象の部材の長手方向に加わった荷重によって計測対象の鉄骨に残留歪みが生じていると仮定して、透磁率の計測方向である横方向及び縦方向を認識することができる。
【0039】
次のステップ102において、計測者は、計測ユニット24のコア26がステップ100で設定した計測方向に対応する方向を向き、かつ計測ユニット24が計測対象の部材の所定箇所(計測箇所)に接するように計測ユニット24を設置する(図6も参照)。計測ユニット24の設置が完了すると、次のステップ104において、計測者は残留歪み量計測装置20に対し、入力・表示部52を介して透磁率の計測開始を指示する。
【0040】
透磁率の計測開始が指示されると、データ処理・制御部44は、まずステップ105において、磁束センサ46からローパスフィルタ48、増幅器50を介して入力される漏れ磁界Hの強度が0となるように磁束センサ46の出力を調節する。次のステップ106では励磁コイル28に所定の大きさ(例えば最小値)の励磁電流を供給する。これにより励磁コイル28が励磁され、コア26及び計測対象の鉄骨を通って磁束が流れる(計測対象の鉄骨には現在の計測方向に沿って磁束が流れる)。
【0041】
ステップ108では、電流検出器38からローパスフィルタ40、増幅器42を介して入力される励磁電流Iの検出結果を取り込むと共に、磁束センサ46からローパスフィルタ48、増幅器50を介して入力される漏れ磁界Hの検出結果を取り込み、取り込んだ励磁電流I及び漏れ磁界Hを記憶部54に記憶させる。
【0042】
次のステップ110では漏れ磁界Hが飽和したか否か判定する。この判定は、例えばステップ108で取り込んだ漏れ磁界Hが、磁束センサ46から出力される漏れ磁界の強度を表す信号の電圧が所定値に達したことを表す大きさになったか否かを判断することで行うことができる。ステップ110の判定が否定された場合にはステップ112へ移行し、励磁コイル28に供給する励磁電流を所定量増加させてステップ106へ戻る。従って、ステップ110の判定が肯定される迄の間は、励磁コイル28に供給する励磁電流を徐々に増加させながら、励磁電流I及び漏れ磁界Hが繰り返し計測されて記憶されることになる。
【0043】
ステップ110の判定が肯定されるとステップ114へ移行し、上記の計測で得られた励磁電流I及び漏れ磁界Hのデータに基づいて、励磁電流Iの変化に対する漏れ磁界Hの変化の傾きを演算する。そしてステップ116では、現在の計測方向における計測対象の鉄骨の透磁率μとして、ステップ114で演算した傾きの逆数を求め、求めた透磁率μを記憶部54に記憶させる。
【0044】
次のステップ118では、横方向及び縦方向について透磁率を各々計測したか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ120へ移行し、入力・表示部52のディスプレイに所定のメッセージを表示する等により、計測者に対して計測方向の変更を要請する。
【0045】
計測方向の変更が要請されると、先にも説明したステップ102において、計測者は、計測ユニット24のコア26が未計測の計測方向に対応する方向を向くように計測ユニット24の向きを変更する。計測ユニット24の向きを変更すると、ステップ104において、計測者は残留歪み量計測装置20に対し、入力・表示部52を介して透磁率の計測開始を再度指示する。これにより、上述したステップ105〜118が繰り返され、記憶部54には横方向の透磁率μC及び縦方向の透磁率μLが各々記憶されることになる。
【0046】
ステップ118の判定が肯定されるとステップ122へ移行し、先のステップ100で設定された計測対象の部材種に対応するμC−ε特性を記憶部54から読み出し、ステップ116で記憶部54に記憶した横方向の透磁率μCを、読み出したμC−ε特性と比較することで、計測対象の鉄骨の計測箇所における残留歪み量εを算出する。なお、以下では横方向の透磁率から求めた残留歪み量にεCの符号を付して区別する。
【0047】
次のステップ124では、ステップ122で算出した残留歪み量εCから、計測対象の鉄骨の計測箇所における残留歪み量εが、鉄骨の残留歪み量εの増加に対して縦方向の透磁率μLが増加する領域の値か縦方向の透磁率μLが減少する領域の値かを判断すると共に、先のステップ100で設定された計測対象の部材種に対応するμL−ε特性を記憶部54から読み出し、ステップ116で記憶部54に記憶した縦方向の透磁率μLを、前記判断の結果に基づいて、読み出したμL−ε特性と比較することで、計測対象の鉄骨の計測箇所における残留歪み量εを算出する。なお、以下では縦方向の透磁率から求めた残留歪み量にεLの符号を付して区別する。
【0048】
次のステップ126では、計測対象の鉄骨の計測箇所における残留歪み量εとして、残留歪み量εCと残留歪み量εLの加重平均値を演算する(次式参照:但しαCは残留歪み量εCに対する重み係数、αLは残留歪み量εLに対する重み係数である)。
ε=αC・εC+αL・εL
そして、残留歪み量εの演算結果を入力・表示部52のディスプレイに表示する等によって出力する。
【0049】
これにより、計測対象の鉄骨の計測箇所における残留歪み量εを計測者が認識することができる。そして、例えば計測対象の鉄骨に対し、上述した残留歪み量εの計測を複数箇所で行い、各箇所における計測で各々出力された残留歪み量εを総合的に判断することにより、計測対象の鉄骨の劣化度合いを正確に判断することができる。
【0050】
なお、上記では本発明に係る鋼材の劣化診断方法を実施するにあたり、図7のステップ105以降の処理をデータ処理・制御部44によって自動的に行う場合を説明したが、これに限定されるものではなく、ステップ105以降の処理も計測者が行ってもよいことは言うまでもない。
【0051】
また、上記では磁束センサ46によって漏れ磁界Hを計測するにあたり、励磁コイル28に励磁電流を供給する前に磁束センサ46の出力が0となるように調整していたが、これに限定されるものではなく、励磁コイル28に励磁電流を供給していない状態での磁束センサ46の出力(漏れ磁界Hのオフセット)を記憶しておき、励磁コイル28に励磁電流を供給している状態で取り込んだ漏れ磁界Hからオフセットを減算した値を、透磁率μの演算に用いるようにしてもよい。
【0052】
また、上記では励磁電流Iを変化させて漏れ磁界Hを計測することを、個々の計測方向について1回のみ行って傾きを求めていたが、これに限定されるものではなく、上記の計測を複数回行い、複数回の計測の結果に基づいて、励磁電流Iの変化に対する漏れ磁界Hの変化の傾きを求めるようにしてもよい。
【0053】
更に、上記では横方向の透磁率μC及び縦方向の透磁率μLを各々求め、鉄骨の残留歪み量εとして、横方向の透磁率μCから求めた残留歪み量εCと縦方向の透磁率μLから求めた残留歪み量εLの加重平均値を用いていたが、横方向の透磁率μCのみを用いて鉄骨の残留歪み量εを求めてもよい。
【0054】
また、上記では鉄骨の材質、鉄骨を被覆している被覆材の材質、被覆材の厚み等のパラメータを基準として分類した各種の部材毎にμ−ε特性を記憶していたが、透磁率の計測精度は、上記のパラメータ以外に、例えば計測対象の鉄骨のサイズ及び形状、計測ユニットと計測対象部材との間に存在する部材の材質等のパラメータの影響も受けるので、計測精度に影響を及ぼす各種のパラメータのうちの少なくとも何れかが異なる多数種の計測条件についてμ−ε特性を各々記憶しておき、計測時の計測条件に合致したμ−ε特性を用いて残留歪み量の計測を行ってもよい。
【0055】
また、上記では建築物の構造材としての鉄骨を含んだ部材の劣化診断に本発明を適用した場合を説明したが、これに限定されるものではなく、非破壊での計測が望ましい任意の鋼材の残留歪みの計測に好適であることは言うまでもない。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明は、荷重が加わることで診断対象の鋼材に残留歪みが生じていると仮定して、荷重が加わったと推定される方向と略直交する第1の方向に沿って前記鋼材に磁束を流し、第1の方向に沿って流れる磁束に対する前記鋼材の透磁率を求めると共に、診断対象の鋼材に、荷重が加わったと推定される方向に略沿った第2の方向に沿って磁束を流し、第2の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の透磁率も求め、求めた透磁率に基づいて前記鋼材の残留歪み量を判断するので、鋼材の残留歪みを定量的に評価することができ、鋼材の残留歪み量の計測精度を向上させることができる、という優れた効果を有する。
【0057】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、診断対象の鋼材と同一種又は類似種の鋼材に所定方向の荷重により残留歪みが生じたときの、所定方向に略沿って前記鋼材を流れる磁束に対する透磁率と残留歪み量との関係を求めておき、該関係も用いて残留歪み量を判断するので、上記効果に加え、鋼材の残留歪み量の計測精度を更に向上させることができる、という効果を有する。
【0058】
請求項3記載の発明は、診断対象の鋼材に荷重が加わることで診断対象の鋼材に残留歪みが生じていると仮定して、励磁電流を供給することで磁束発生手段が発生する磁束を、前記鋼材に荷重が加わったと推定される方向と略直交する第1の方向に沿って流し、前記鋼材からの漏れ磁界をセンサによって計測することを、励磁電流の大きさを変化させながら繰り返し行い、励磁電流の変化に対する漏れ磁界の変化の傾きに基づいて、第1の方向に沿って流れる磁束に対する前記鋼材の透磁率を求め、求めた透磁率に基づいて前記鋼材の残留歪み量を判断するので、鋼材の残留歪みを定量的に評価することができる、という優れた効果を有する。
【0059】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、漏れ磁界を計測するセンサを計測位置に配置し、診断対象の鋼材に磁束を流していない状態でセンサの出力が0になるように調節するようにしたので、上記効果に加え、鋼材からの漏れ磁界の計測精度を向上させることができる、という効果を有する。
【0060】
請求項5記載の発明は、請求項3記載の発明において、漏れ磁界を計測するセンサを計測位置に配置し、診断対象の鋼材の所定部位に磁束を流したときのセンサの出力から、前記鋼材に磁束を流していない状態でのセンサの出力を減算して用いるようにしたので、上記効果に加え、鋼材からの漏れ磁界の計測精度を向上させることができる、という効果を有する。
【0061】
請求項6記載の発明は、請求項1又は請求項3記載の発明において、診断対象の鋼材と同一種又は類似種の鋼材に所定方向の荷重により残留歪みが生じたときの、所定方向と略直交する方向に沿って流れる磁束に対する透磁率と残留歪み量との関係を求めておき、求めた関係に基づいて診断対象の鋼材の残留歪み量を判断するので、上記効果に加え、鋼材の残留歪み量をより精度良く計測できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明者等が実施した実験を説明するための斜視図である。
【図2】 鋼材を縦方向に流れる磁束に対する透磁率を計測する際のヨークの配置を示す斜視図である。
【図3】 鋼材を横方向に流れる磁束に対する透磁率を計測する際のヨークの配置を示す斜視図である。
【図4】 鋼材の残留歪み量の変化に対する鋼材の縦方向及び横方向の透磁率の変化を示す線図である。
【図5】 本実施形態に係る残留歪み量計測装置の概略構成図である。
【図6】 残留歪み量計測時の計測ユニットの配置を示す斜視図である。
【図7】 残留歪み計測処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
12 ヨーク
14 励磁コイル
16 磁束センサ
20 残留歪み量計測装置
24 計測ユニット
26 コア
28 励磁コイル
30 センサヘッド
38 電流検出器
44 データ処理・制御部
46 磁束センサ
54 記憶部

Claims (6)

  1. 診断対象の鋼材に荷重が加わることで診断対象の鋼材に残留歪みが生じていると仮定して、診断対象の鋼材の所定部位に、前記荷重が加わったと推定される方向と略直交する第1の方向に沿って磁束を流し、前記第1の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の前記所定部位における透磁率を求めると共に
    前記診断対象の鋼材の前記所定部位に、前記荷重が加わったと推定される方向に略沿った第2の方向に沿って磁束を流し、前記第2の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の前記所定部位における透磁率も求め、
    前記第1の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の前記所定部位における透磁率及び前記第2の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の前記所定部位における透磁率に基づいて、診断対象の鋼材の前記所定部位における残留歪み量を判断する
    鋼材の劣化診断方法。
  2. 診断対象の鋼材と同一種又は類似種の鋼材に、所定方向に沿って加わった荷重により残留歪みが生じたときの、前記所定方向に略沿って前記鋼材を流れる磁束に対する前記鋼材の透磁率と、前記鋼材の残留歪み量との関係を第2の関係として求めておき、前記第2の関係も用いて診断対象の鋼材の前記所定部位における残留歪み量を判断することを特徴とする請求項1記載の鋼材の劣化診断方法。
  3. 診断対象の鋼材に荷重が加わることで診断対象の鋼材に残留歪みが生じていると仮定して、励磁電流を供給することで磁束発生手段が発生する磁束を、診断対象の鋼材の所定部位に、前記荷重が加わったと推定される方向と略直交する第1の方向に沿って流し、前記診断対象の鋼材からの漏れ磁界をセンサによって計測することを、励磁電流の大きさを変化させながら繰り返し行い、励磁電流の変化に対する漏れ磁界の変化の傾きに基づいて、前記第1の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の前記所定部位における透磁率を求め、
    前記第1の方向に沿って流れる磁束に対する診断対象の鋼材の前記所定部位における透磁率に基づいて、診断対象の鋼材の前記所定部位における残留歪み量を判断する
    鋼材の劣化診断方法。
  4. 前記センサを計測位置に配置し、診断対象の鋼材に磁束を流していない状態で前記センサの出力が0になるように調節することを特徴とする請求項3記載の鋼材の劣化診断方法。
  5. 前記センサを計測位置に配置し、診断対象の鋼材に磁束を流していない状態での前記センサの出力を記憶しておき、診断対象の鋼材の前記所定部位に磁束を流したときの前記センサの出力から前記記憶した出力を減算した結果を、漏れ磁界の計測値として用いることを特徴とする請求項3記載の鋼材の劣化診断方法。
  6. 診断対象の鋼材と同一種又は類似種の鋼材に、所定方向に沿って加わった荷重により残留歪みが生じたときの、前記所定方向と略直交する方向に沿って前記鋼材を流れる磁束に対する前記鋼材の透磁率と、前記鋼材の残留歪み量との関係を第1の関係として求めておき、前記第1の関係も用いて診断対象の鋼材の前記所定部位における残留歪み量を判断することを特徴とする請求項1又は請求項3記載の鋼材の劣化診断方法。
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