JP3300810B2 - 強磁性構造材の強度の経年劣化の非破壊測定方法 - Google Patents

強磁性構造材の強度の経年劣化の非破壊測定方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、強磁性構造材ま
たはそれを用いた強磁性構造体の経年による材料強度劣
化を非破壊的に測定して定量的に求める方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な非破壊検査方法は全て、
亀裂の発生とその進展を調べることを目的としていた。
その結果、現在の非破壊検査方法の発展の方向は、でき
る限り小さい亀裂の発生を発見することにあり、かかる
従来の非破壊検査方法では、亀裂が発生する前の段階で
の非破壊検査は行うことができなかった。
【0003】ところで、強磁性構造材またはそれを用い
た強磁性構造体の経年による材料強度劣化を非破壊的に
測定する方法として従来、被測定対象の強磁性構造材料
または強磁性構造体についての保磁力を測定する方法お
よび飽和磁化領域における磁化率を測定する方法も知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
被測定対象の強磁性構造材料等の保磁力を測定する従来
の方法では、従来の飽和磁化領域における磁化率を測定
する方法よりも感度が悪く、しかも劣化の進んだ強磁性
構造材料等を測定するとさらに感度が悪くなってしまう
ことが知られている。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】こ
の発明は、上記課題を有利に解決した強磁性構造材の強
度の経年劣化の非破壊測定方法を提供するものであり、
この発明の強磁性構造材の強度の経年劣化の非破壊測定
方法は、強磁性構造材の経年による実質的な応力の変化
を定量的に求めることにより、強磁性構造材の強度の経
年劣化を非破壊で測定する方法において、保磁力HC
よび前記保磁力HC における被測定強磁性構造材の磁化
率χH を測定により求め、材料の内部構造によって定ま
る既知の二つの定数aとnとを含む、実質的な引張応力
σを求める次式 σ=a(HC /χH ) ・・・(1) に前記保磁力HC と前記磁化率χH との値を代入して、
前記被測定強磁性構造材における実質的な引張応力σを
求め、前記被測定強磁性構造材の前記実質的な引張応力
σと前記強磁性構造材の初期状態での引張応力σ0 とを
比較して、経年による強磁性構造材の実質的な応力の変
化を求めることを特徴とするものである。
【0006】この発明の原理を、実際に行った試験デー
タをもとにして説明する。鉄鋼材料の機械的性質と磁気
的性質の相関関係を明らかにするため、単結晶純鉄、多
結晶純鉄そして低合金鋼A533B の試験材料をそれぞれ用
いて、引張試験とヒステリシス磁化特性試験とを、図1
に示す形状の試料でそれぞれ行った。なお、図1(a)は
引張試験用試料の形状、(b) ,(c) はヒステリシス磁化
特性試験用試料の形状であり、(b) は、多結晶純鉄およ
び低合金鋼A533B に、(c) は単結晶純鉄にそれぞれ用い
ている。また表1は、試験に用いた低合金鋼A533B の化
学組成を示すものである。
【0007】
【表1】
【0008】図2〜図4は、引張試験の試験データより
得られた応力−ひずみ特性を例示した図であり、図2は
単結晶純鉄の試験結果を示しており、このときの変形速
度(伸び率)は1.5%/分である。図3は多結晶純鉄の試
験結果を示しており、このときの変形速度(伸び率)は
1.2%/分である。図4は低合金鋼A533B の試験結果を示
しており、このときの変形速度(伸び率)は1.2%/分で
ある。
【0009】図5および図6は、応力負荷を与えた状態
でのヒステリシス磁化特性試験により得られた磁化曲線
を示した説明図である。ここで、図5は単結晶純鉄の応
力負荷(0MPa,55MPa,115MPa)による変形に伴うヒステリ
シス磁化特性の変化を示しており、図6は低合金鋼A533
B の応力負荷(0MPa,550MPa,663MPa) による変形に伴
うヒステリシス磁化特性の変化を示している。なお、上
記応力負荷の値は、先に引張試験を行った結果をもとに
して、0MPa、破断直前の応力、およびそれらの間の応力
を選んでいる。
【0010】図5および図6に示すような磁化曲線か
ら、個々の試料について、応力負荷σに対する保磁力H
C (磁束密度B=0の時の磁界強度H)を求めることがで
きる。そして、応力負荷σに対して、保磁力HC をプロ
ットすると、図7のようになる。なお、単結晶純鉄につ
いては▲(黒三角)、多結晶純鉄については●(黒
丸)、低合金鋼については◆(黒菱形)でそれぞれプロ
ットしている。
【0011】また、図5および図6に示す磁束密度B=
0付近での磁化曲線の傾きから、保磁力HC における磁
化率χH を求めることができ、これにより個々の試料に
ついて、保磁力HC と磁化率χH との比 A=HC /χH
求めて、応力負荷σの対数log(σ)に対して、保磁力HC
と磁化率χH との比Aの対数log(A)をプロットする
と、図8のようになる。なお、単結晶純鉄については▲
(黒三角)、多結晶純鉄については●(黒丸)、低合金
鋼については◆(黒菱形)でそれぞれプロットしてい
る。
【0012】かかる図8より、応力負荷σと、保磁力H
C と磁化率χH との比Aとの関係は次式 log(σ)=log(a)+nlog(A) ・・・(3) すなわち上記(1)と同じ内容を示す次式(ここでは、A
=HC /χHとしている。) σ=a(A) ・・・(4) なる一つの関係式であらわすことができることが、本願
発明者の研究により判明した。ここで、a,nは材料の
結晶構造によって定まる定数であり、このように一つの
関係式((4)式)に載ったのは、試験に用いた単結晶純
鉄、多結晶純鉄および低合金鋼A533B は共に体心立方(B
BC) 構造を有しており鉄原子が主な成分であるためと推
定される。
【0013】従って、応力負荷が不明の状態でも、ヒス
テリシス磁化特性試験によって、保磁力HCと磁化率χH
との比Aを求めて、上記(4)式にその比Aの値を代入す
ることで、その応力負荷σを求めることができ、この応
力負荷σは機械強度パラメータとなる。
【0014】なお、保磁力HCと磁化率χHとの比Aは、
巻線を設けた磁気ヨークまたは対象物自体に設けた巻線
を用いて非破壊的にヒステリシス磁化特性を測定するこ
とで求めることができる。
【0015】それゆえ、この発明の強磁性構造材の強度
の経年劣化の非破壊測定方法によれば、測定により保磁
力HCおよびその保磁力HCにおける磁化率χHを求めて、
保磁力HC と磁化率χH との比A(HC /χH)の値を、
材料の内部構造によって定まる既知の二つの定数aとn
とを含む、実質的な引張応力σを求める次式 σ=a(A) に代入して、被測定強磁性構造材における実質的な引張
応力σを求め、被測定強磁性構造材の実質的な引張応力
σと強磁性構造材の初期状態での引張応力σ0 とを比較
することで、経年による強磁性構造材の応力の変化を定
量的に求めることができる。
【0016】すなわち、構造材が長期間に亘って応力負
荷状態にあると、内部欠陥や転位の増加等によりその構
造材中で内力を負担し得る微少部分が減少し、実質的な
応力負荷が増加する。この発明の方法は、その実質的な
応力負荷の増加を従来よりも極めて低い磁界強度で正確
に測定し得て、材料の経年劣化を非破壊で測定すること
ができるものである。
【0017】しかも、従来行われている方法では、被測
定対象の強磁性構造材料等の保磁力を測定により求め
て、その保磁力と実質的な引張応力との関係から経年劣
化を評価するので、上記図7に示すように、引張応力の
最小値と最大値との間で、保磁力HCが数十倍程度の変化
するのに止まり、その評価のための数値範囲が狭かった
のに対し、この発明の方法では、実質的な引張応力σ
と、保磁力HCと磁化率χHの比Aとの関係から経年劣化
を評価することから、図7に対応する、引張応力σの最
小値と最大値との間で、表2に示すように、Aの値が2.
3×10−6から1.8×10−2までのおよそ8000倍程度
変化するので、上記図8に示されているように、評価す
るための数値範囲が広くなる。このことから、被測定対
象の強磁性構造材料等の経年劣化を評価するための実質
的な引張応力の感度が極めて良くなることが分かった。
【0018】
【表2】
【0019】また、図9は応力負荷σと転位密度ρとの
関係を実験結果に基づいて示す説明図であり、ここで
は、上述した図5および図6に結果を示す如き応力負荷
を与えた状態でのヒステリシス磁化特性試験を行なった
試験片につき、その試験で与えた応力負荷σ毎に、電子
顕微鏡で観察して、転位密度ρを測定している。なおこ
こでも、単結晶純鉄については▲(黒三角)、多結晶純
鉄については●(黒丸)、低合金鋼については◆(黒菱
形)でそれぞれプロットしている。この結果から、応力
負荷σと転位密度ρとの間には簡単な関係があることが
確認され、しかも変位密度と劣化とは一定の関係がある
ことは従来から知られている。それゆえ上記測定結果か
ら、実質的な引張応力が判明すればその引張応力から劣
化の程度を非破壊的に求め得ることが証明された。
【0020】従って、この発明の方法によれば、単結晶
の強磁性構造材だけでなく、多結晶の強磁性構造材や低
合金鋼にも適用し得て、亀裂が発生する前段階での転位
密度及びその分布の変化を非破壊的に検査できるととも
に、劣化の進んだ強磁性構造材料等を測定する場合であ
っても、劣化の状態を、高感度に測定することができ
る。
【0021】なお、この発明の強磁性構造材の強度の経
年劣化の非破壊測定方法では、上述した初期状態での引
張応力σ0 は、強磁性構造材に加わる力Fと、その力の
方向に直角な、前記強磁性構造材の断面の面積Sとから
次式 σ0 =F/S ・・・(5) により求めても良く、このようにすれば、強磁性構造材
に加わっている外力や内力の値が分かる場合に、上記
(5) 式からσ0 を容易に計算できる。
【0022】また、この発明の強磁性構造材の強度の経
年劣化の非破壊測定方法では、上述した初期状態での引
張応力σ0 は、上記(4) 式を用いて、上述の如く実質的
な引張応力σと同様にして求めても良く、このようにす
れば、強磁性構造材に加わっている外力や内力の値が分
からない場合であっても、初期状態での実質的な引張応
力σ0 を容易に求めることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施例の形態
を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。図1
0は、この発明の強磁性構造材の強度の経年劣化の非破
壊測定方法の第1実施例を示す説明図である。図中符号
1は、何らかの外力や内力が加わっている、強磁性構造
材によって構成された被測定強磁性構造体、2は励磁巻
線、3は磁束検出巻線、4はそれらの巻線が巻かれた磁
気ヨークであり、ここでは、図10に示すように、励磁
巻線2と磁束検出巻線3とを直接巻けない形状の被測定
強磁性構造体1に対し、励磁巻線2と磁束検出巻線3と
を有する磁気ヨーク4を密着させ、磁気閉回路5を形成
する。6は、上記励磁巻線2と磁束検出巻線3とが接続
されたヒステリシス磁化特性測定装置であり、このヒス
テリシス磁化特性測定装置6には、一般の市販品を用い
ることができる。また7は、この実施例を実施した結果
として、ヒステリシス磁化特性測定装置6に表示され
る、被測定強磁性構造体1のヒステリシス磁化特性であ
る。
【0024】この実施例の強磁性構造材の強度の経年劣
化の非破壊測定方法によれば、ヒステリシス磁化特性測
定装置6より励磁巻線2に励磁電流が供給され、このと
き磁束検出巻線3に誘起した電圧が、ヒステリシス磁化
特性測定装置6に導かれて増幅積分され、その結果ヒス
テリシス磁化特性7が得られる。
【0025】上述した測定により得られたヒステリシス
磁化特性7は、被測定強磁性構造体1の内部での3次元
的磁路の広がりや反磁界係数の影響による誤差を含んだ
ものである。ゆえに、この誤差を除去したヒステリシス
磁化特性を得るための補正係数を求める必要があるが、
この補正係数は、既知の静磁界解析手法を用いた計算機
実験あるいは実測定体系を模擬したモックアップ実験に
より前もって求めておくことができる。
【0026】上述の擬似的ヒステリシス磁化特性によ
り、先に図5,図6から求めたのと同様にして、保磁力
Cおよびその保磁力HCにおける曲線の傾きである磁化
率χHとを求め、それらの比HC /χHをAとして計算に
より求めてそのAを上記(4)式に示す次式、 σ=a(A)・・・(4) に代入することで何らかの外力や内力が加わっている被
測定強磁性構造体1の内部の実質的な引張応力σを求め
ることができる。
【0027】ここで、上記(4)式に含まれているa,n
は、材料の内部構造によって定まる定数であるが、被測
定強磁性構造体1について、それらの定数a,nを被測
定強磁性構造体1と同種の材料のテストピースで前もっ
て求めておき、それらの定数を用いて上記(4)式を図示
すると、保磁力HCとその保持力HCにおける磁化率χH
の比Aと引張応力σとの関係が、図11に示す校正直線
8のようになる。この校正直線8から、上述の測定で求
めた保磁力HCと磁化率χHとの比Aに対応する、実質的
な引張応力σが容易に求められる。
【0028】ところで、被測定強磁性構造体1について
経年劣化の程度の基準となる、その強磁性構造体1の初
期状態での引張応力σ0 を求めておく必要があるが、初
期状態での引張応力σ0 は、被強磁性構造体1に加わっ
ている力の方向および大きさが分かる場合、その力F
と、その力の方向に直角な、前記強磁性構造体の断面の
面積Sとから上記(5)に示す次式 σ0 =F/S ・・・(5) により求められる。
【0029】この一方、その被強磁性構造体1に加わっ
ている力の方向および大きさが分からない場合には、上
記(4) 式を用いて、実質的な引張応力σと同様にして、
初期状態での引張応力σ0 を求めておく。
【0030】上記で求めた実質的な引張応力σと、被測
定構造体1の初期状態での引張応力σ0 とを比較するた
めに、実質的な引張応力σと被測定構造体1の初期状態
での引張応力σ0 との差δを求めると、このδは被測定
構造体の経年による機械強度の劣化の程度を示すパラメ
ータとなることから、強磁性構造体の経年による劣化の
程度を非破壊的に測定できる。
【0031】従って、この実施例の強磁性構造材の強度
の経年劣化の非破壊測定方法によれば、磁気ヨークと励
磁電源からなる測定装置による測定で、保磁力HCが求め
られる程度の磁界強度Hによって得られた擬似的なヒス
テリシス磁化曲線から保磁力HCと磁化率χHとの比Aの
値を計算し、図11に例示する如き引張応力と比Aとの
関係を示す校正直線8から、比Aの値に対応する実質的
な引張応力σの大きさを非破壊で正確に求めることがで
き、経年劣化した材料とその材料の初期状態とを比較す
ることで、強磁性構造材の経年劣化の程度を非破壊的に
測定できる。それゆえこの実施例の方法によれば、単結
晶の強磁性構造材だけでなく多結晶の強磁性構造材や低
合金鋼にも適用できることから、原子炉圧力容器等、強
磁性構造材で製造される全ての構造物の経年劣化を、亀
裂が発生する前段階での転位密度及びその分布の変化か
ら非破壊的に正確に検査できて、その程度を高感度に測
定することができる。
【0032】図12は、この発明の強磁性構造材の強度
の経年劣化の非破壊測定方法の第2実施例を示す説明図
である。この実施例では、第1実施例と異なり、何らか
の外力や内力が加わっている被測定構造体1が、励磁巻
線2と磁束検出巻線3とを直接巻ける形状を有している
ことから、その被測定構造体1に、励磁巻線2と磁束検
出巻線3とが直接巻かれている。ここでも、ヒステリシ
ス磁化特性測定装置6には、先の第一実施例と同様に、
一般の市販品を用いることができる。また、9は、この
実施例を実施した結果として、ヒステリシス磁化特性測
定装置6に表示されるヒステリシス磁化特性である。
【0033】この実施例では、先の第1実施例と同様に
して、測定により得られたヒステリシス磁化特性9か
ら、HCと磁化率χHとの比Aの値を求め、その比Aの値
から実質的な引張応力σを求める。そしてその被測定構
造体1の初期状態での引張応力σ0 と実質的な引張応力
σとの差δを求めることで、実質的な引張応力σと、被
測定構造体1の初期状態での引張応力σ0 とを比較する
ことができる。
【0034】この実施例の方法によれば、上記第1実施
例と同様の効果が得られることに加えて、磁気ヨークを
使用しなくてすむことから、装置の単純化及び軽量化を
図ることができる。
【0035】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものではなく、例えば、上記
実施例では構造体について測定したが、構造体用の構造
材についても測定し得ることはいうまでもない。また、
この発明の方法の各工程を実施する手段を組合わせて、
経年劣化測定装置を構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 引張試験とヒステリシス磁化特性試験との試
料の形状を示す斜視図及び正面図である。
【図2】 単結晶純鉄の引張試験の結果を例示する応力
−ひずみ特性を示す説明図である。
【図3】 多結晶純鉄の引張試験の結果を例示する応力
−ひずみ特性を示す説明図である。
【図4】 低合金鋼A533B の引張試験の結果を例示する
応力−ひずみ特性を示す説明図である。
【図5】 単結晶純鉄の応力負荷(0MPa,55MPa,115MP
a) による変形に伴うヒステリシス磁化特性の変化を示
す試験結果を例示する説明図である。
【図6】 低合金鋼A533B の応力負荷(0MPa,550MPa,633
MPa )による変形に伴うヒステリシス磁化特性の変化を
示す試験結果を例示する説明図である。
【図7】 供試体試料の引張応力と保磁力HCと磁化率χ
Hとの比Aとの関係を試験結果により例示する説明図で
ある。
【図8】 供試体試料の引張応力σの対数log(σ)と、
保磁力HCと磁化率χHとの比Aの対数log(A)との関係を
実験結果により示す説明図である。
【図9】 応力負荷σと転位密度ρとの関係を実験結果
に基づいて示す説明図である。
【図10】 この発明の強磁性構造材の強度の経年劣化
の非破壊測定方法の第1実施例を示す説明図である。
【図11】 保磁力HCと磁化率χHとの比Aに対応する
実質的な引張応力σから経年による強磁性構造体の変化
を求める方法を例示する説明図である。
【図12】 この発明の強磁性構造材の強度の経年劣化
の非破壊測定方法の第2実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 被測定強磁性構造体 2 励磁巻線 3 磁束検出巻線 4 磁気ヨーク 5 磁気閉回路 6 ヒステリシス磁化特性測定装置 7 第1実施例のヒステリシス磁化特性 8 校正直線 9 第2実施例のヒステリシス磁化特性
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−248004(JP,A) 特開 平1−269049(JP,A) 特公 昭54−3755(JP,B1) 山崎慶太 他7名,引張加重負荷時の 磁化特性に着目した構造材の劣化評価, 日本応用磁気学会誌,日本,(社)日本 応用磁気学会,1999年 4月15日,Vo l.23 No.4−2,p.1541−1544 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/72 - 27/90 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性構造材の経年による実質的な応力
    の変化を定量的に求めることにより、強磁性構造材の強
    度の経年劣化を非破壊で測定する方法において、 保磁力HC および前記保磁力HC における被測定強磁性構
    造材の磁化率χH を測定により求め、 材料の内部構造によって定まる既知の二つの定数aとn
    とを含む、実質的な引張応力σを求める次式 σ=a(HC /χH ) に前記保磁力HC と前記磁化率χH との値を代入して、
    前記被測定強磁性構造材における実質的な引張応力σを
    求め、 前記被測定強磁性構造材の前記実質的な引張応力σと前
    記強磁性構造材の初期状態での引張応力σ0 とを比較し
    て、経年による強磁性構造材の実質的な応力の変化を求
    めることを特徴とする、強磁性構造材の強度の経年劣化
    の非破壊測定方法。
  2. 【請求項2】 前記初期状態での引張応力σ0 は、前記
    強磁性構造材に加わる力Fと、その力の方向に直角な、
    前記強磁性構造材の断面の面積Sとから次式 σ0 =F/S により求めることを特徴とする、請求項1記載の強磁性
    構造材の強度の経年劣化の非破壊測定方法。
  3. 【請求項3】 前記初期状態での引張応力σ0 は、前記
    の式 σ=a(HC /χH ) を用いて、前記実質的な引張応力σと同様にして求める
    ことを特徴とする、請求項1記載の強磁性構造材の強度
    の経年劣化の非破壊測定方法。
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