JPH06294578A - 部品乾燥方法及び乾燥装置 - Google Patents

部品乾燥方法及び乾燥装置

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Publication number
JPH06294578A
JPH06294578A JP10511893A JP10511893A JPH06294578A JP H06294578 A JPH06294578 A JP H06294578A JP 10511893 A JP10511893 A JP 10511893A JP 10511893 A JP10511893 A JP 10511893A JP H06294578 A JPH06294578 A JP H06294578A
Authority
JP
Japan
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gas
drying
chamber
suction
container
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Application number
JP10511893A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Okamura
和彦 岡村
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MARUSAN SHOKAI KK
Original Assignee
MARUSAN SHOKAI KK
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Publication date
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Priority to JP10511893A priority Critical patent/JPH06294578A/ja
Publication of JPH06294578A publication Critical patent/JPH06294578A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ワークを吸引により表面に付着した洗浄剤を
除去する方法を採用することにより、金属、プラスチッ
ク部品などを複数個一度に乾燥する際に残さが少なく、
効率よく乾燥させる乾燥方法を提供する。 【構成】 洗浄液の付着したワークを乾燥チャンバー1
に設置して、下方から吸引ブロア11により吸引する。
吸引された気体はワークの隙間を通る際に、ワーク表面
の洗浄液を脱離するので、ワークが必要以上動くことが
なくワークに傷をつけることなく、完全に乾燥すること
ができる。さらに循環系で乾燥を行うので、蒸発した洗
浄液が外に漏れることなく外部環境に悪影響を与えるこ
とがない。また温風発生器、液切り/乾燥・切替用バル
ブ20によりさらに高い乾燥品質を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワークを吸引により表
面に付着した洗浄剤を除去する方法を採用することによ
り、金属、プラスチック部品などを複数個一度に乾燥す
る際に残さが少なく、効率よく乾燥させる乾燥方法を提
供するものである。また本発明は、このような乾燥方法
を採用した乾燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属、プラスチック部品は、様々な用途
において用いられ、その形状も多種多様である。従来は
このような部品の洗浄剤としては、フロン、トリエタン
が万能な洗浄剤として用いられてきた。しかしながら近
年、フロン、トリエタンはその中に含まれる塩素が成層
圏のオゾンを破壊するものとして国際的に使用が制限、
禁止されてきている。このために近年オゾンを破壊する
恐れのない水洗浄、炭化水素系溶剤による洗浄がフロ
ン、トリエタンの代替洗浄方法として注目されはじめて
いる。これらの洗浄剤の問題点の一つは、沸点がフロ
ン、トリエタンに比べて高いために乾燥性が悪いという
ことである。この問題は、乾燥時間が長くなるというこ
とばかりでなく、被乾燥物の表面に乾燥中に大気中のほ
こりを付着し、乾燥後にしみとして残存するという問題
を生じさせる。このような問題を解決するために従来エ
アーブローが行われてきた。この方法は、圧縮された空
気または窒素を被乾燥物に吹き付け被乾燥物の表面に付
着した洗浄液を吹き飛ばし、液切りするものである。即
ち、被乾燥物の表面に残った洗浄液の量が少なければそ
の後の乾燥時間が短縮できるというものである。しかし
ながらこの方法では、小物部品はエアーブローの風圧に
より吹き飛ばされていまい、充分に乾燥されないか、部
品同士の衝突により、部品が傷ついてしまい信頼性を著
しく低下させるという問題を有していた。さらに熱によ
る加熱乾燥は引火点を有する洗浄液が付着している場合
には発火の危険があり、また部品の形状により、洗浄液
が部品表面に液だまりとして残っている場合にはシミの
原因となり、後工程に悪影響を与える。
【0003】さらに遠心力を利用した乾燥方法も提案さ
れているが、この方法も乾燥室内に回転・駆動系を有す
るため、摩擦により発火する可能性が高く、引火性のあ
る洗浄液が付着した部品を乾燥することは安全上問題で
ある。また部品を高速で回転させ液切りをするので、部
品が傷つき易いという問題点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、これ
らの問題点を鑑み、引火性を有する溶剤、例えば石油系
溶剤を洗浄液として洗浄された部品を安全でしかも効率
よく乾燥することができる乾燥方法を提供することにあ
る。更にこのような方法を適用した乾燥装置を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、洗浄液の付着
した部品を、気体が通る程度の穴を有する容器に搭載
し、前記容器をチャンバーに設置し、前記部品を前記チ
ャンバーの下方より吸引することにより、前記ワーク表
面に付着した前記洗浄剤を脱離・蒸発させ乾燥すること
を特徴とする。また吸引された気体を圧縮し、圧縮熱に
より加温して、再び前記チャンバーに戻す機構を有す
る。更に吸引された気体中の洗浄剤ミストを分離する工
程を経て、前記気体を前記チャンバーに戻すことを特徴
とする。
【0006】吸引された気体の一部を排気口より外部に
排気する工程と、給気口より新たに給気する工程を経
て、再び前記チャンバーに戻すことも特徴とする。この
際に外部より給気する際に加温してもよい。
【0007】また、吸引すると共に、前記部品の姿勢を
代えてもよい。更に姿勢を代える手段が、前記容器を回
転させることであることを特徴とする。また前記部品を
吸引することにより前記部品の表面の前記洗浄剤を脱離
し、ミストを分離した後に外部に排気する工程と、給気
口より気体を導入し、導入した前記気体を前記チャンバ
ーを経て吸引し、排気口より排出する工程を有すること
を特徴とする。
【0008】複数の部品を搭載した気体が通る程度の穴
を有する容器、前記容器をチャンバー内に前記容器と支
持体の間に実質的に隙間を有さないように設置する支持
体、前記チャンバーの下に設けられた吸引口、前記吸引
口と吸引装置の間に設けられたミスト除去装置、前記吸
引装置で吸引された気体が再び前記チャンバーに戻すた
めの配管と前記配管が前記チャンバーの前記支持体より
上方の側壁に接続している構成を有している。この時、
前記吸引装置の出口側に接続した前記配管に排気をする
ための排気弁と給気をするための給気弁とを有してもよ
い。
【0009】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。
【0011】図1には本発明を適用した乾燥装置の概略
を示している。図において、1は乾燥するための乾燥チ
ャンバーであり、密閉可能な蓋1aが設けられている。
乾燥チャンバー内には乾燥対象のワークWをいれるカゴ
2があり、このカゴ2を支えるとともに吸引気体の流路
を制限するための仕切り板3がある。乾燥チャンバーの
底には吸引口4が設けられており、配管5によりミスト
セパレーター6に接続している。このミストセパレータ
6は気体中の固形物や液滴を回収するものであり、その
回収された液滴等を外部に排出する排出口7と排出され
た液滴等を回収する溶剤回収タンク9が設けられてお
り、排出口7と溶剤回収タンク9との間にドレインバル
ブ8が設けられている。ミストセパレーター6から配管
10を通じて吸引ブロア11に接続しており、この吸引
ブロア11は風量が10〜150立方m/分、静圧が1
00mmAq以上程度の性能を有しているものである。
吸引ブロア11のミストセパレーター6側から吸引され
た気体は配管12側に排出される。配管12の途中に
は、気体の流れる方向に対してほぼ同方向に開口された
排気口13が設けられ、排気量調整弁14により排気量
を任意に調整することができる。更に配管12の途中に
気体の流れる方向に対してほぼ垂直方向に開口された給
気口15が設けられ、給気量調整弁16により給気量を
任意に調整することができるようになっている。配管1
2はフィルター17に接続し、仕切り板3より上部の乾
燥チャンバー1の側壁に接続している。このフィルター
17は気体中に含まれるゴミや固形物を取り除くもの
で、20〜300ミクロン程度のメッシュを用いる。
【0012】このように構成された本例の乾燥装置にお
いては、石油系溶剤等の可燃性溶剤によって洗浄され、
溶剤が付着している小物部品等のワークWを搭載したカ
ゴ2を仕切り板3に設置する。このとき仕切り板3とカ
ゴ2との間に隙間ができないようにする。カゴ2を設置
したのち、蓋1aを閉じ吸引ブロア11を稼働する。ワ
ークWに付着した溶剤は吸引ブロア11の吸引力により
ワークWより引き離される。このとき吸引力を効果的に
利用するために、ワークWの量は、仕切り板3によって
支持されている線より上方まで搭載されている方がよ
い。ワークWより引き離された溶剤のミストは、吸引口
4を通ってミストセパレーター6によりミストの98〜
99%が回収され、溶剤回収タンク9に回収される。ミ
ストセパレーター6の出口での気体中の溶剤濃度は、
0.1%以下であるので爆発の危険性はない。すなわち
通常、吸引ブロア11は回転系を有しているので、摩擦
により火花等が発生することも考えられるが、吸引ブロ
ア11に吸気される気体は、爆発下限をはるかに下まわ
っているので、安全である。吸引ブロア11は多段式タ
ーボブローを用いているが、この吐出口では圧縮熱によ
り若干昇温するので、循環しているうちに循環系内は3
0〜40℃まで特に加熱源を設けなくても昇温し、乾燥
性向上に寄与することができる。吸引ブロア11から排
出された気体中には蒸発した溶剤ガスが含まれているの
でこのままクローズドで循環していると溶剤濃度が上昇
し、乾燥性、安全性に悪影響を与える可能性がある。そ
のために、排気口14から溶剤を含む気体を少量排出
し、給気口15から外気を注入するようにする。排気及
び給気の量は、排気調整弁14と給気調整弁16とを調
整することにより決定される。排気量は0.5〜4立方
m/分程度がよい。この一連の給排気により、循環ガス
濃度の上昇は抑えられ、乾燥品質の向上と乾燥品質の安
定性が図れられると共に、乾燥装置の安全性も向上す
る。
【0013】その後に、フィルター17により、ゴミ等
が捕獲され、乾燥チャンバー1に再び導入される。一連
の気体の循環によって、ワークWの表面の溶剤は、物理
的に除去され(以下液切りという)、しかる後に蒸発に
より完全に除去される。乾燥終了後、蓋1aを開けて、
カゴ2を取り出すようにする。
【0014】このように本例は吸引により乾燥を行うも
のであり、気体が系内を循環することによって、乾燥装
置外部には、最小限の溶剤ガスしか放出されず、外部環
境の保全には最適である。また排出される気体の溶剤濃
度も0.1%以下であるので特別な排出設備を設ける必
要がなくコスト的にも安価である。さらにエアーブロー
と違って、カゴの下側から吸引するので、乾燥中に必要
以上のワークの移動や摩擦がないので、打痕や傷がつき
にくい。また、排気口13は、配管12の途中の気体の
流れる方向に対してほぼ同方向に開口して設け、給気口
15は、配管12の途中の気体の流れる方向に対してほ
ぼ垂直方向に開口して設けることにより、特にポンプ等
を設けることなく給排気を行うことができる。
【0015】本例のミストセパレーター6は遠心セパレ
ーターを用いたが、特にこれに限定されるものではな
く、例えばベーンセパレーター、フィルタレーター、サ
イクロンセパレーターでもよい。
【0016】また吸引ブロア11についても、多段式タ
ーボブロアに限られるものではなく、要は風量が10〜
150立方m/分、静圧が100mmAq以上程度の性
能を有しているもの、さらに言えば、カゴ2を設置した
部分での風速が4〜10m/sec程度になるものであ
ればよい。
【0017】図2に図1の変形例を示す。図2は、図1
の給気口15に温風発生器18を設置したものである。
この温風発生器18は内部に加熱源として、シーズヒー
ターがあり(不図示)、このヒーターにより、空気取入
れ口19より取り入れた外気を加温して、吸引乾燥器内
部の配管に送り込むものである。
【0018】図2のような構成をとることにより、図1
で説明した吸引ブロア11の圧縮熱に加えて、温風発生
器による熱も加えられるので、吸引乾燥機内の温度を上
げることが可能となり、乾燥時間を短縮することができ
る。
【0019】図3は図2の変形例を示す。図2の吸引乾
燥装置の排気口13と給気口15との間の配管12に切
り替え用バルブ20を設けた構成になっている。このよ
うに構成された本例の乾燥装置においては、石油系溶剤
等の可燃性溶剤によって洗浄され、溶剤が付着している
小物部品等のワークWを搭載したカゴ2を仕切り板3に
設置する。このとき仕切り板3とカゴ2との間に必要以
上の隙間ができないようにする。カゴ2を設置したの
ち、蓋1aを閉じ吸引ブロア11を稼働する。このとき
切り替え用バルブ20は開にする。ワークWに付着した
溶剤は吸引ブロア11の吸引力によりワークWより引き
離される。このとき吸引力を効果的に利用するために、
ワークWの量は、仕切り板3によって支持されている線
より上方まで搭載されている方がよい。ワークWより引
き離された溶剤のミストは、吸引口4を通ってミストセ
パレーター6によりミストの98〜99%が回収され、
溶剤回収タンク9に回収される。ミストセパレーターの
出口での気体中の溶剤濃度は、0.1%以下であるので
爆発の危険性はない。吸引ブロア11は多段式ターボブ
ローを用いているが、この吐出口では、圧縮熱により若
干昇温するので、循環しているうちに循環系内は30〜
40℃まで特に加熱源を設けなくても昇温し、乾燥性向
上に寄与することができる。吸引ブロア11から排出さ
れた気体中には蒸発した溶剤ガスが含まれているのでこ
のままクローズドで循環していると溶剤濃度が上昇し、
乾燥性、安全性に悪影響を与える可能性がある。そのた
めに、排気口14から溶剤を含む気体を少量排出し、給
気口15から外気を注入するようにする。排気及び給気
の量は、排気調整弁14と給気調整弁16とを調整する
ことにより決定される。排気量は0.5〜4.0立方m
/分程度がよい。この一連の給排気により、循環ガス濃
度の上昇は抑えられ、乾燥品質の向上と乾燥品質の安定
性が図れられると共に、乾燥装置の安全性も向上する。
【0020】その後に、フィルター17により、ゴミ等
が捕獲され、乾燥チャンバー1に再び導入される。一連
の気体の循環によって、ワークWの表面の溶剤は、物理
的に除去される(以下液切りという)。この状態でほぼ
完全に乾燥をすることはできるが、部品の形状もしくは
乾燥品質の水準によっては、単分子レベルの吸着層をも
除去する必要がある場合、更に切り替え用バルブ20を
閉にして温風発生器より加温された空気を乾燥チャンバ
ー1に送風し、ミストセパレーター6、吸引ブロア11
を通って排気口13より排出される。このワークWには
温風発生器により加温され、溶剤ガスを含まない外気か
ら取り入れられた空気が吹き付けられるので、完全に乾
燥することが可能である。
【0021】図4は図1の変形例を示す。図において2
1は回転カゴを示し、ワークWを搭載する。このワーク
Wを搭載した回転カゴ21をモーター23に連結された
プーリ22上に設置する。モーター23はスピードコン
トロールが可能なものである。そのほかの構成は図1と
同様である。このような構成により、回転カゴ21を回
転させながら吸引乾燥を行うことにより、ワークの姿勢
及びカゴまたは他のワークとの接点が変わるので、ワー
ク全面が均一にしかも効率よく液切り・乾燥することが
できるものである。特に液だまりの出来易いワークは、
部品を静置したままで吸引してもワークの姿勢によって
は、十分に液切り出来ない場合があるが、カゴを回転さ
せながら吸引乾燥する方法を採用すると、ワークの姿勢
が刻々と変わるので、確実に液切り・乾燥が出来る。こ
の時の回転速度は1〜10rpmがよい。
【0022】この場合において効率よく液切り乾燥する
ためには、回転カゴ21の外面と仕切り板3との距離が
10mm以下、好ましくは2〜5mm程度の隙間を有し
ている必要がある。すなわち、本発明における吸引乾燥
は、吸引された空気の流れがワーク同士の隙間を通って
流れることにより、ワークに付着した溶剤を引き離すこ
とにより、効率よく液切り乾燥するものである。従っ
て、カゴと仕切り板の間に多大な隙間があるとその間を
空気が流れてしまうために十分に液切りすることができ
なくなってしまう恐れがある。このためカゴと仕切り板
との間はできるだけ隙間がない方が好ましいが、余り隙
間が狭すぎるとカゴと仕切り板とが接触し、発塵の原因
になる。したがって、10mm以下、好ましくは2〜5
mm程度の隙間を有していればよい。
【0023】更に図5に図4で用いる回転カゴ21の回
転時のワークの動きを模式的に示す。図5(a)は回転
カゴにワークWを搭載して静止している状態、図5
(b)は回転しているときのワークWの状態を示す。図
5(a)のように静止している場合には、仕切り板3よ
り上方までワークWが充填されているので、吸引乾燥時
に気体はワーク間の隙間を通る。しかしながら回転カゴ
21を回転させると、ワークWは回転方向の内壁に沿っ
て移動し、図5(b)のような片寄りが生じる。このよ
うな片寄りが生じると仕切り板3とワークWとの間にR
という隙間が生じるために、吸引時の気体の流れがこの
部分に集中し、十分に液切り乾燥ができなくなる。この
Rの大きさはカゴの形状及び大きさ、ワークの形状及び
量、カゴの回転速度により様々であるが、以下のような
範囲になることが実験的にわかっている。図5(b)を
用いて説明すると、Oは回転中心、Hは回転軸を通る水
平線、Lは回転時におけるワークWの位置を示す。回転
カゴの中心における角度、∠LOH=Yとすると、Yの
値は30〜90°の範囲にはいる。従って、回転中心を
通る水平線から30〜90°の位置まで何等かの遮蔽手
段を設けることにより、図5(b)のRという隙間が生
じなくなる。この遮蔽の角度は、ワークの形状、量、回
転カゴの回転速度等によって左右される。この遮蔽手段
の一例を図6(a)、(b)に示す。
【0024】図6(a)は、少なくとも回転方向との仕
切り板3に遮蔽板24を取り付け、隙間をなくすように
したものである。また、図6(b)は同様の仕切り板3
を左右対称ではなく、図5(b)のLの位置までずらし
て取り付けたものである。いずれの場合も回転カゴ21
と仕切り板3もしくは遮蔽板24との距離は、10mm
以下、好ましくは2〜5mm程度であればよい。
【0025】また回転カゴは図8のようにカゴの内壁に
羽30をつけることにより、単にワークがずれるだけで
なく、ワークの姿勢が変わり易くなるので、液切り・乾
燥時間の短縮を図ることが出来る。この羽30は高さが
5〜30mm程度がよい。また羽の数は2〜8個程度が
よい。更にこの回転カゴは、回転させなくても単にスイ
ングや揺動させる方式を採用してもよい。要はワークの
姿勢が変わればよいのである。
【0026】図7に図4の変形例を示す。図7では、図
4の給気口15に温風発生器18を設け、更に排気口1
3と給気口15との間の配管12に切り替え用バルブ2
0を設けた構成である。温風発生器18と切り替え用バ
ルブ20の両方もしくは片方の構成を付設してもよい。
動作は図1〜図4に示したものと同様である。
【0027】また図9に図7に示した乾燥装置に付随す
る装置についての概略図を示す。図7中の排気口13に
図9のチューブ25を水28が貯留されたバブリング槽
26に浸漬する。浸漬されたチューブ25の先端には多
孔質材27が取り付けられている。また水28はバブリ
ング槽内に設けられた冷却チラー30により、冷却され
ている。排気口13から排出されバブリングされた溶剤
ガスを含む気体はバブリング槽26に貯留された冷水に
触れて凝縮し、水中に分散し、さらに溶剤の含有量の少
ない空気として出口29より外部に排出される。またバ
ブリング槽26に貯留する液体は、水に限らず酸あるい
は有機溶剤系水溶液でもよい。このような構成をとるこ
とにより、更に排気中の溶剤ガス濃度を低減することが
でき、外部環境、作業環境の保持に良好である。また図
9に示した乾燥装置の付随装置は図7以外にも図1〜4
にも当然適用可能である。
【0028】また図7に示した回転カゴを図10に示し
たようなn角形の回転カゴを採用してもよい。この場合
には、図10のような遮蔽板となる流路制御板31を採
用すると効率よく液切りすることが出来る。流路制御板
31の長さは、n角形の場合、少なくとも中心角が36
0/n度分だけ回転カゴを覆うように設ければよい。こ
のような構成を採用することにより、回転カゴと流路制
御板31との隙間が10mm以下に保つことが出来るの
で、効率よく液切り・乾燥することが出来る。
【0029】上述の例では可燃性溶剤により洗浄したワ
ークの乾燥方法及び装置について述べたが、当然のこと
ながら、他の洗浄剤、水に適用することが可能である。
本発明の特徴は、このような吸引乾燥を採用することに
より、複数のワークを一度に乾燥する際に、短時間にか
つ傷等の発生の少ない乾燥方法が提供できることにあ
る。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法及び
装置においては、石油系溶剤等の可燃性溶剤を洗浄液と
して洗浄した後の乾燥性の問題を解決するために、吸引
乾燥を行うようにしている。このように吸引乾燥するこ
とにより、ワークに付着している溶剤が効率的に液切り
され、従来に比べ大幅な乾燥時間の短縮を図ることがで
きる。すなわち比較的大きな静圧と風量により液切りを
行うので、ワーク表面の溶剤を均一に除去することがで
きる。
【0031】吸引ブロアの圧縮熱により、吸引乾燥機系
内の循環している気体は30℃程度の温風になるので、
乾燥時間の更なる短縮を図ることができる。また、吸引
ブロアの前段にミストセパレーターを配置しているの
で、吸引ブロアにミストが混入しないので安全性、メン
テナンス性が非常に高い。また系内の循環気体及び排気
のガス濃度が非常に低いので安全性に何等問題がなく、
更に排気しても外部環境に悪影響を与えることはない。
【0032】また乾燥動作中に循環気体の数%〜10数
%が排気され、新たに新鮮な外気が給気することができ
るので、連続して稼働させても循環気体中の溶剤濃度は
上昇せず、安定した乾燥品質を得ることができる。更に
循環気体により吸引乾燥した後に温風発生器から外気を
取り入れることによって、ワーク表面の単分子レベルの
溶剤の吸着層までの完全に乾燥することができる。その
ため精密洗浄乾燥にも適用可能である。
【0033】回転カゴ21を回転させながら吸引乾燥を
行うことにより、ワークの姿勢及びカゴまたは他のワー
クとの接点が変わるので、ワーク全面が均一にしかも効
率よく液切り・乾燥することができるものである。特に
液だまりの出来易いワークは、部品を静置したままで吸
引してもワークの姿勢によっては、十分に液切り出来な
い場合があるが、カゴを回転させながら吸引乾燥する方
法を採用すると、ワークの姿勢が刻々と変わるので、確
実に液切り・乾燥が出来るという効果を有するものであ
る。
【0034】本願発明はこのような乾燥性に優れた乾燥
方法を大がかりな装置ではなく、簡易装置によって実現
することができるので、乾燥コストの増大を防止するこ
とができるという商業的効果も大きいことも特徴であ
る。。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を適用した吸引乾燥装置を示す概
略構成図である。
【図2】図1の装置の変形例であり、温風発生器を付設
した例を示す概略構成図である。
【図3】図2の装置の変形例であり、切り替え用バルブ
を付設した例を示す概略構成図である。
【図4】図1の装置の変形例であり、通常のカゴの代わ
りに回転カゴを採用した場合の構成を示す概略構成図で
ある。
【図5】回転カゴ中のワークの動きを示す模式図であ
る。
【図6】遮蔽手段を模式的に示す概略構成図である。
【図7】図4の装置の変形例であり、温風発生器と切り
替えバルブを付設した例を示す概略構成図である。
【図8】回転カゴの一例を示す概略構成図である。
【図9】排気された空気をバブリングする付随装置を示
す概略構成図である。
【図10】回転カゴの一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1… 乾燥チャンバー 1a…蓋 W…ワーク 2…カゴ 3…仕切り板 4…吸引口 5…配管 6…ミストセパレーター 7…排出口 8…ドレインバルブ 9…溶剤回収タンク 10…配管 11…吸引ブロア 12…配管 13…排気口 14…排気量調整弁 15…給気口 16…給気量調整弁 17…フィルター 18…温風発生器 19…空気取入れ口 20…切り替え用バルブ 21…回転カゴ R…隙間 22…プーリ 23…モーター 24…遮蔽板 25…チューブ 26…バブリング槽 27…多孔質材 28…水 29…出口 30…冷却チラー 31…流路制御板

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄液の付着した部品を、気体が通る程
    度の穴を有する容器に搭載し、前記容器をチャンバーに
    設置し、前記部品を前記チャンバーの下方より吸引する
    ことにより、前記ワーク表面に付着した前記洗浄剤を脱
    離・蒸発させ乾燥することを特徴とする部品乾燥方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、吸引された気体を圧
    縮し、圧縮熱により加温して、再び前記チャンバーに戻
    すことを特徴とする部品乾燥方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、吸引された気体中の
    洗浄剤ミストを分離する工程を経て、前記気体を前記チ
    ャンバーに戻すことを特徴とする部品乾燥方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、吸引された気体の一
    部を排気口より外部に排気する工程と、給気口より新た
    に給気する工程を経て、再び前記チャンバーに戻すこと
    を特徴とする部品乾燥方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、外部より給気する際
    に加温することを特徴とする部品乾燥方法。
  6. 【請求項6】 請求項1において、吸引すると共に、前
    記部品の姿勢を代えることを特徴とする部品乾燥方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、姿勢を代える手段
    が、前記容器を回転させることであることを特徴とする
    部品乾燥方法。
  8. 【請求項8】 請求項4において、前記部品を吸引する
    ことにより前記部品の表面の前記洗浄剤を脱離し、ミス
    トを分離した後に外部に排気する工程と、給気口より気
    体を導入し、導入した前記気体を前記チャンバーを経て
    吸引し、排気口より排出する工程を有することを特徴と
    する部品乾燥方法。
  9. 【請求項9】 乾燥対象の部品を設置するチャンバー、
    前記部品と部品との間を通るように前記チャンバー内の
    気体を吸引する手段、吸引された前記気体中のミストを
    分離する手段、ミストを分離した前記気体のすくなくと
    も一部を前記チャンバーに戻す手段とを有することを特
    徴とする乾燥装置。
  10. 【請求項10】 洗浄剤、水等の蒸発可能な液体が付着
    する部品を複数個一度に乾燥する乾燥装置において、複
    数の前記部品を搭載し、少なくともその下面に気体が通
    る程度の複数の穴を有する容器、前記容器を前記チャン
    バー内の前記容器と支持体の間に実質的に隙間を有さな
    いように設置する支持体、前記チャンバーの下に設けら
    れた吸引口、前記吸引口と吸引装置の間に設けられたミ
    スト除去装置、前記吸引装置で吸引された気体が再び前
    記チャンバーに戻るために前記チャンバーの前記支持体
    より上方の側壁に接続している配管、前記配管の一部に
    設けられた前記気体の一部を放出する気体放出手段、前
    記放出する手段と前記チャンバーとの間の前記配管の一
    部に設けられた大気を給気する大気導入手段を有するこ
    とを特徴とする乾燥装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記気体放出手
    段が前記吸引装置の出口側の前記配管に設けられた排気
    弁であり、前記大気導入手段が前記配管に設けられた給
    気弁であることを特徴とする乾燥装置。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記給気弁が空
    気を加温する装置と接続していることを特徴とする乾燥
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項11において、前記吸引装置
    は、気体を圧縮させることにより、圧縮熱を発生させる
    ことを特徴とする乾燥装置。
  14. 【請求項14】 請求項11において、前記容器を回転
    させる機構を有することを特徴とする乾燥装置。
  15. 【請求項15】 請求項14において、前記部品と前記
    支持体との隙間を遮蔽する手段を有することを特徴とす
    る乾燥装置。
  16. 【請求項16】 前記遮蔽する手段が前記容器に沿っ
    て、前記容器を覆うように設けられていることを特徴と
    する乾燥装置。
  17. 【請求項17】 請求項10において、前記吸引装置と
    前記気体放出手段との間の配管に開閉可能なバルブを有
    することを特徴とする乾燥装置。
  18. 【請求項18】 洗浄剤、水等の蒸発可能な液体が付着
    する部品を複数個一度にその下面に気体が通る程度の複
    数の穴を有する容器に搭載する工程、前記容器を前記チ
    ャンバー内の前記容器と支持体の間に実質的に隙間を有
    さないように設置する工程、前記チャンバーの下に設け
    られた吸引口より吸引し、前記吸引口と吸引装置の間に
    設けられたミスト除去装置により吸引気体中に含まれる
    液体及び固体を除去する工程、及び前記吸引気体を前記
    チャンバーの前記支持体より上方の側壁に設けられた接
    続口から前記チャンバーに戻す工程を繰り返すことによ
    り前記部品の表面の前記液体を脱離除去する第1工程、
    前記第1工程に引き続いて前記吸引装置と前記接続口と
    の配管の一部を遮断する工程、前記吸引気体を大気に放
    出する放出工程、前記放出工程と同時に前記接続口から
    大気を導入する工程をとにより乾燥する第2工程とを有
    することを特徴とする乾燥装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009136818A (ja) * 2007-12-10 2009-06-25 Japan Field Kk 洗浄籠
JP2010115697A (ja) * 2008-11-14 2010-05-27 Shiga Yamashita:Kk ワークの水切り装置
KR101120327B1 (ko) * 2011-01-20 2012-03-06 한밭대학교 산학협력단 대기압 플라즈마를 이용한 인쇄회로기판의 세정장치
JP2020020534A (ja) * 2018-08-02 2020-02-06 高島産業株式会社 吸引乾燥装置
WO2024014088A1 (ja) * 2022-07-11 2024-01-18 ローム株式会社 乾燥機及び乾燥方法

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