JP2005005469A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】処理対象の基板を良好に処理できる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置1は、ウエハWをほぼ水平に保持して回転するスピンチャック10と、スピンチャック10に保持されたウエハWに、フッ素系の不活性溶剤であるハイドロフルオロエーテル(以下、「HFE」という。)の液滴を供給して処理する二流体ノズル2とを含んでいる。スピンチャック10および二流体ノズル2は、チャンバ3内に配置されており、チャンバ3外には、ウエハWの処理に用いたHFEを回収する溶剤回収タンク8と、チャンバ3内で生じたHFEの蒸気を液化させて回収する溶剤液化装置13とが設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】基板処理装置1は、ウエハWをほぼ水平に保持して回転するスピンチャック10と、スピンチャック10に保持されたウエハWに、フッ素系の不活性溶剤であるハイドロフルオロエーテル(以下、「HFE」という。)の液滴を供給して処理する二流体ノズル2とを含んでいる。スピンチャック10および二流体ノズル2は、チャンバ3内に配置されており、チャンバ3外には、ウエハWの処理に用いたHFEを回収する溶剤回収タンク8と、チャンバ3内で生じたHFEの蒸気を液化させて回収する溶剤液化装置13とが設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハなどの処理対象の基板の表面を処理するための基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程において、半導体ウエハ(以下、「ウエハ」という。)の表面にはパーティクルが付着する。このため、製造工程の適当な段階でウエハの表面を洗浄する必要がある。
ウエハ表面を洗浄するための基板処理装置には、洗浄液と気体とを混合することにより洗浄液の液滴を生成して噴射する二流体ノズルを備えたものがある。二流体ノズルから噴射される洗浄液の液滴をウエハに衝突させることにより、ウエハ表面に付着しているパーティクルは、洗浄液の液滴の運動エネルギーにより、物理的に除去される。洗浄液としては、水(脱イオン水)が使用されている。
【0003】
このような基板処理装置は、たとえば、下記特許文献1に開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−270564号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年、ウエハ表面に、いわゆるLow−K膜(酸化シリコンの誘電率が低い膜)など撥水性が高い膜や、微細な多数の空孔を有する多孔質膜が、層間絶縁膜として形成されるようになってきている。撥水性が高い膜の表面に微細な凹部が形成されている場合、二流体ノズルにより水の液滴を生成して、ウエハに噴射しても、水はこのような微細な凹部に入ることができない。したがって、このような凹部に存在するパーティクルを充分に除去できなかった。すなわち、ウエハ表面を良好に洗浄できなかった。
【0006】
また、処理対象のウエハが、表面に多孔質膜が形成されたものである場合、膜中に水が浸入すると、このような水を容易に除去できなかった。
これらの問題を解決するために、水を用いず、減圧下(たとえば、0.1気圧)または大気中でガスエッチングを行うドライ洗浄を採用することも考えられる。しかし、ドライ洗浄は、化学分解しやすいパーティクルを除去する場合には効果があるが、ウエハの表面に化学分解し難いパーティクルが付着している場合には、このようなパーティクルを充分に除去できない。
【0007】
また、処理液は、パーティクルの基板に対する付着力を弱くする作用を有するので、処理液を用いることによりパーティクルの除去を容易にする効果があるが、処理液を用いないドライ洗浄では、このような効果は得られない。以上のような理由により、ドライ洗浄の洗浄効率は悪かった。
そこで、この発明の目的は、処理対象の基板を良好に処理できる基板処理装置を提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、処理対象の基板を良好に処理できる基板処理方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、処理対象の基板(W)を保持する基板保持機構(10)と、純水の表面張力より小さな表面張力を有するフッ素系の不活性溶剤を供給する溶剤供給部(8)と、気体を供給する気体供給部(18)と、上記溶剤供給部から供給される上記不活性溶剤と、上記気体供給部から供給される気体とを混合して、当該不活性溶剤の液滴を生成し、上記基板保持機構に保持された処理対象の基板に当該不活性溶剤の液滴を噴射する二流体ノズル(2)とを備えたことを特徴とする基板処理装置(1)である。
【0010】
なお、括弧内の英字は後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、括弧内の数字を含め、この項において同じ。
この発明によれば、二流体ノズルから、純水の表面張力(73.4dyn/cm)より小さな表面張力を有するフッ素系の不活性溶剤の液滴が噴射される。このような表面張力が小さい不活性溶剤は、撥水性を有する膜に形成された凹部内や、微細な凹部内に入ることができるので、このような凹部内に処理液である不活性溶剤の作用を及ぼすことができる。すなわち、このような基板処理装置により、処理対象の基板を良好に処理できる。
【0011】
不活性溶剤は、たとえば、撥水性を有する膜に形成された凹部内や、微細な凹部内に存在するパーティクルを除去するためのものであってもよい。この場合、処理対象の基板を良好に洗浄できる。
上記溶剤供給部は、請求項2記載のように、イソプロピルアルコールの表面張力(21.3dyn/cm)より小さな表面張力を有する不活性溶剤を供給するものであることが好ましい。
【0012】
また、不活性溶剤の蒸気は、イソプロピルアルコールの蒸気のように爆発することがないので、基板処理装置を防爆構造にする必要がない。
上記溶剤供給部から供給される当該不活性溶剤は、請求項3記載のようにハイドロフルオロエーテルであってもよい。
ハイドロフルオロエーテル(以下、「HFE」という。)としては、たとえば、化学式C4F9OCH3またはC4F9OC2H5で表されるものを好適に使用することができる。これらは、いずれも表面張力が13.6dyn/cmであるので、基板表面の撥水性を有する膜に形成された微細な凹部に容易に入ることができる。したがって、このような基板処理装置により、処理対象の基板をさらに良好に処理できる。
【0013】
また、HFEの比重は、およそ1.5であるので、HFEの液滴は、同じ大きさの水の液滴と比べて質量が大きく、大きな運動エネルギーを有して基板に衝突することができる。したがって、基板の処理効率を高くすることができる。
また、HFEは引火点を有さないので、基板を処理する際に発火するおそれがない。しかも、HFEは、揮発性が高いので、処理後の基板を容易に乾燥させることができる。このため、処理対象の基板に多孔質が形成されている場合でも、基板の処理に伴ってこのような多孔質膜中に浸入したHFEを、容易に除去できる。
【0014】
さらに、HFEのオゾン破壊係数(Ozone Depleting Potential ; ODP)は0であるので、HFEの蒸気が装置外に流出した場合でも、環境に悪影響を与えることもない。
さらに、HFEと水とは互いに溶解しない。このため、HFEに水が混入した場合でも、このような水とHFEとは分離するので容易に水を除去できる。
請求項4記載の発明は、上記基板保持機構に保持された基板と上記二流体ノズルとの間隔が5mmないし50mmになるように、上記基板保持機構および上記二流体ノズルの少なくとも一方を移動する間隔調整機構(23)をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置である。
【0015】
このように基板と二流体ノズルとを近接させて、不活性溶剤の液滴を基板に噴射することにより、パーティクルに大きな運動エネルギーを与えて除去できる。
この基板処理装置は、上記基板保持機構に保持された基板と上記二流体ノズルとが、当該基板にほぼ平行な方向に相対的に移動するように、上記基板保持機構および上記二流体ノズルの少なくとも一方を移動する処理位置移動機構をさらに備えていてもよい。この場合、基板保持機構に保持された基板における二流体ノズルによる処理位置を移動させて、当該基板の全面を処理できる。
【0016】
間隔調整機構と処理位置移動機構とは、同じものであってもよい。
また、二流体ノズルからの当該不活性溶剤の液滴の主たる噴射方向と、上記基板保持機構に保持された基板の法線とのなす角度は、請求項5記載のように0度ないし45度であることが好ましい。これにより、二流体ノズルにより生成された不活性溶剤の液滴を、効率的に基板表面に衝突させて、基板表面に存在するパーティクルを除去できる。
【0017】
請求項6記載の発明は、上記二流体ノズル内における気体および不活性溶剤の流路が非金属からなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の基板処理装置である。
この発明によれば、基板保持機構に保持された基板に、不活性溶剤の液滴とともに金属が供給されることがないようにすることができる。これにより、当該基板が金属汚染されることを回避できる。
【0018】
上記二流体ノズル内における気体および不活性溶剤の流路は、たとえば、樹脂からなるものとすることができる。二流体ノズルは、その内部の気体および不活性溶剤の流路に沿う部分のみが非金属からなるものであってもよく、二流体ノズルの全体が非金属からなるものであってもよい。
請求項7記載の発明は、上記二流体ノズルから上記基板保持機構に保持された処理対象の基板に噴射される上記不活性溶剤を回収するための回収機構(8,13)をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の基板処理装置である。
【0019】
この発明によれば、回収機構により回収された不活性溶剤を、処理対象の基板を処理するために再利用することができる。HFEは高価であるので、不活性溶剤としてHFEを使用する場合、回収機構によりHFEを回収して再利用することにより、処理コストを低減できる。
二流体ノズルから基板保持機構に保持された処理対象の基板に噴射される不活性溶剤としては、当該基板にあたった後下方へ流れるものや、当該基板にあたった後気化するものや、当該基板にあたらずに気化または液体として飛散するものが考えられる。回収機構は、これらのうち主として当該基板にあたった後、下方へ流れるものを回収するものとすることができる。
【0020】
請求項8記載の発明は、上記回収機構が、上記不活性溶剤の蒸気を冷却することにより液化させる液化機構(13)を含むことを特徴とする請求項7記載の基板処理装置である。
この発明によれば、二流体ノズルによる基板の処理中に不活性溶剤の蒸気が発生した場合でも、このような不活性溶剤の蒸気を液化機構により液化して回収することができる。液化機構は、不活性溶剤の沸点(たとえば、61℃または76℃)と比べて充分低い温度にされた冷却管の表面に、不活性溶剤の蒸気を接触させて液化させるものであってもよく、活性炭などの吸着媒体に不活性溶剤を吸着させることにより、不活性溶剤の蒸気を液化させるものであってもよい。
【0021】
請求項9記載の発明は、上記回収機構が、回収された不活性溶剤を収容する溶剤回収タンク(8)を含むことを特徴とする請求項7または8記載の基板処理装置である。
この発明によれば、溶剤回収タンクに収容された溶剤が二流体ノズルに供給されるように構成することができる。すなわち、溶剤回収タンクが、溶剤供給部の一部をなすものとすることができる。この場合、溶剤回収タンク内に充分な量の不活性溶剤が収容された状態で、二流体ノズルと溶剤回収タンクとの間を不活性溶剤が循環するようにすることにより、基板の連続処理を安定して行うことができる。
【0022】
請求項10記載の発明は、上記二流体ノズルが、上記溶剤供給部から供給される不活性溶剤を吐出する溶剤吐出口(39a)、および上記気体供給部から供給される気体を吐出する気体吐出口(34a)が形成されたケーシング(34)であって、上記溶剤吐出口と上記気体吐出口とが近接して配置されたケーシングを有し、このケーシング外の上記溶剤吐出口付近で当該溶剤吐出口から吐出される不活性溶剤と上記気体吐出口から吐出される気体とを混合させることによって当該不活性溶剤の液滴を生成するものであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の基板処理装置である。
【0023】
この二流体ノズルは、いわゆる、外部混合型の二流体ノズルであり、ケーシング外で不活性溶剤と気体とを混合(衝突)させて当該不活性溶剤の液滴を生成することができる。このため、ケーシング内で不活性溶剤と気体とを混合(衝突)させて当該不活性溶剤の液滴を生成する場合(いわゆる、内部混合の場合)のように、ケーシング内部がこれらの不活性溶剤または気体に削られて発塵することはない。したがって、処理対象の基板に、このような発塵によるパーティクルが付着することはない。
【0024】
請求項11記載の発明は、上記基板保持機構に保持された処理対象の基板に生じた静電気を除去するための除電機構(47)をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の基板処理装置である。
この発明によれば、基板保持機構に保持された基板に静電気が生じた場合でも、除電機構によりこのような静電気を除去できる。二流体ノズルにより噴射される不活性溶剤が絶縁性が高いものである場合、基板保持機構に保持された基板に静電気が生じることがある。特に、HFEは絶縁性が高く、HFEの液滴が衝突された基板には静電気が生じやすい。このような静電気を、除電機構により除去できる。除電機構は、たとえば、イオナイザとすることができる。
【0025】
請求項12記載の発明は、純水の表面張力より小さな表面張力を有するフッ素系の不活性溶剤と気体とを混合して当該不活性溶剤の液滴を生成する液滴生成工程と、この液滴生成工程により生成された当該不活性溶剤の液滴を、処理対象の基板(W)の表面に衝突させて当該基板を処理する工程とを含むことを特徴とする基板処理方法である。
この発明に係る方法は、請求項1記載の基板処理装置により実施することができ請求項1記載の基板処理装置と同様の効果を奏することができる。
【0026】
請求項13記載の発明は、上記不活性溶剤が、ハイドロフルオロエーテルであることを特徴とする請求項12記載の基板処理方法である。
この発明に係る方法は、請求項3記載の基板処理装置により実施することができ請求項3記載の基板処理装置と同様の効果を奏することができる。
請求項14記載の発明は、上記基板を処理する工程の後、当該基板を乾燥させる工程をさらに含むことを特徴とする請求項12または13記載の基板処理方法である。
【0027】
この発明によれば、不活性溶剤として揮発性が高いもの(たとえば、イソプロピルアルコールより揮発性が高いもの)を用いた場合、基板処理工程の後、容易に基板を乾燥させることができる。特に、HFEは揮発性が高いので、HFEを用いて基板処理工程を実施した場合、短時間で基板を乾燥させることができる。この場合、基板表面に多孔質膜が形成されている場合でも、このような多孔質膜中に浸入したHFEは容易に気化して多孔質膜から抜ける。
【0028】
従来、基板の乾燥を容易にするために、水で基板を処理(洗浄)した後、当該基板表面に残っている水を揮発性が高い溶剤で洗い流してから、乾燥することがあった。この発明によれば、基板の処理に用いる不活性溶剤自体を揮発性が高いものとすることにより、基板処理後、この不活性溶剤を他の溶剤で洗い流すことなく、すぐに乾燥工程を実施できるので、工数を削減できる。
基板を乾燥させる工程は、たとえば、基板をほぼ水平な面内で高速で回転させる工程を含んでいてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下では、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置の図解的な断面図である。
この基板処理装置1は、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)Wの表面を洗浄するためのものであり、処理対象のウエハWの表面には、たとえば、凹部(たとえば、ダマシン工程により、銅配線を埋め込むためのもの)が形成された撥水性を有する膜(たとえば、いわゆるLow−K膜)や多孔質の膜が形成されたものとすることができる。これらの膜は、たとえば、ウエハWに層間絶縁膜を形成するためのものであってもよい。
【0030】
基板処理装置1は、ウエハWをほぼ水平に保持して回転するスピンチャック10と、スピンチャック10に保持されたウエハWに、フッ素系の不活性溶剤であるハイドロフルオロエーテル(以下、「HFE」という。)の液滴を供給して処理する二流体ノズル2とを含んでいる。スピンチャック10および二流体ノズル2は、チャンバ3内に配置されている。チャンバ3の上部にはフィルタ46が取り付けられている。フィルタ46は、たとえば、HEPA(High Efficiency Particle Air)フィルタとすることができる。
【0031】
スピンチャック10は、鉛直方向に沿って配置された回転軸11およびその上端に垂直に取り付けられた円板状のスピンベース12を備えている。スピンベース12により、ウエハWの下面中央部を吸着してウエハWを保持できる。
回転軸11には回転駆動機構14が結合されており、回転軸11をその中心軸のまわりに回転させることができるようになっている。これによりスピンチャック10に保持されたウエハWをほぼ水平な面内で回転させることができる。
【0032】
二流体ノズル2は、アーム21を介して揺動軸23aに結合されており、揺動軸23aには、揺動軸23aをその中心軸まわりに揺動させる移動機構23が結合されている。移動機構23により、アーム21に結合された二流体ノズル2を、スピンチャック10に保持されたウエハW上で移動させることができ、二流体ノズル2によるウエハW上の処理位置を、ウエハWの中心部から周縁部に至る各部に移動させることができる。
【0033】
また、移動機構23は、揺動軸23aをその中心軸に沿う方向(ほぼ鉛直方向)に移動させることができる。これにより、二流体ノズル2とスピンチャック10に保持されたウエハWとの間隔を、5mmないし50mmの範囲で任意に調整できるようになっている。
アーム21の内部には、二流体ノズル2の内部空間に連通した溶剤流路21aが形成されている。アーム21には溶剤供給配管24の一端が接続されており、溶剤流路21aと溶剤供給配管24の内部空間とは連通している。溶剤供給配管24の他端には、チャンバ3外に配置され、HFEが収容された溶剤回収タンク8が連通接続されている。溶剤供給配管24には、金属イオンおよびパーティクル除去用の複数のフィルタを備えたフィルタ部24aが介装されている。溶剤供給配管24は、溶剤回収タンク8の側面下部に接続されている。
【0034】
溶剤回収タンク8に収容されたHFEは、たとえば、化学式C4F9OCH3またはC4F9OC2H5で表されるもの(たとえば、住友スリーエム株式会社から商品名ノベックHFEとして提供されているもの)とすることができる。
溶剤供給配管24には、開度調整が可能なバルブ24Vが介装されており、バルブ24Vを開くことにより、溶剤回収タンク8に収容されたHFEを二流体ノズル2に導入できるとともに、二流体ノズル2に導入されるHFEの流量を調整できる。溶剤供給配管24には、溶剤回収タンク8内のHFEを二流体ノズル2に送るためのポンプが介装されていてもよい。
【0035】
また、二流体ノズル2には、窒素ガス配管25を介して、窒素ガス供給部18から高圧の窒素ガスを供給可能である。窒素ガス配管25には開度調整が可能なバルブ25Vが介装されており、二流体ノズル2に供給される窒素ガスの流路の開閉、および窒素ガスの流量の調節を行うことができるようになっている。
バルブ24V,25Vを同時に開き、二流体ノズル2にHFEおよび窒素ガスを同時に導入すると、二流体ノズル2によりHFEの液滴が生成されて噴射される。
【0036】
バルブ25Vの開度を変え、二流体ノズル2に導入される窒素ガスの圧力(流量)を変えることにより、二流体ノズル2により生成されるHFEの液滴の粒径を変化させることができる。これにより、HFEの液滴によるウエハWの処理特性を変化させることができる。
スピンチャック10の側方を取り囲むように、円筒状のガード部材4が配置されている。ガード部材4は、外筒4aおよびその内部に配置された内筒4bを備えている。外筒4aおよび内筒4bは、ほぼ鉛直方向に沿う中心軸を共有している。外筒4aの上端は内筒4bの上端より高い。外筒4aは、その上部において他の部分より径が小さくなっており、同様に、内筒4bは、その上部において、他の部分より径が小さくなっている。
【0037】
外筒4a上端の内径はウエハWの外径よりわずかに大きく、内筒4b上端の内径はウエハWの外径と同程度である。外筒4aおよび内筒4bを側壁として、有底の溶剤回収槽5が形成されている。溶剤回収槽5により、二流体ノズル2によるウエハWの処理に使用されるHFEを回収することができる。溶剤回収槽5の上部は、溶剤導入口5aとして開口している。
ガード部材4には上下機構6が結合されており、ガード部材4を鉛直方向に沿って移動できるようになっている。これにより、ウエハWを搬入してスピンチャック10に保持するときや、スピンチャック10上のウエハWを搬出するときには、ガード部材4(外筒4a)の上端をスピンチャック10の上端より低くできるとともに、二流体ノズル2によるウエハWの処理時には、スピンチャック10に保持されたウエハWの側方に溶剤導入口5aが位置するようにできる。
【0038】
溶剤回収槽5の底部には、溶剤回収配管7の一端が連通接続されている。溶剤回収配管7の他端は、溶剤回収タンク8の側面上部に連通接続されている。溶剤回収配管7には、金属イオンおよびパーティクル除去用の複数のフィルタを備えたフィルタ部7aが介装されている。
溶剤回収タンク8は、溶剤回収槽5より低い位置にある。これにより、溶剤回収槽5に回収されたHFEは、重力の作用により、溶剤回収配管7を経て溶剤回収タンク8へと導かれるようになっている。溶剤回収配管7は充分大きな内径を有しており、溶剤回収配管7の内部がHFEにより液密にならないようにされている。
【0039】
溶剤回収タンク8の上方には、溶剤液化装置13が配置されている。溶剤回収タンク8と溶剤液化装置13の下部との間には、送気管9および溶剤回収配管15が配設されている。
溶剤液化装置13は、ケーシング41および複数(この実施形態では2つ)の冷却ユニット42を備えている。冷却ユニット42は、ケーシング41の内外に渡って配設されたループ状の冷却管43を備えている。冷却管43は、ケーシング41の内部では、ジグザグ状に成形されていて表面積が大きくされている。
【0040】
また、ケーシング41の外部で、冷却管43に冷却循環装置44が介装されている。冷却管43の内部には水が満たされており、冷却循環装置44によりこの水を冷却するとともに冷却管43内を循環させることができる。冷却管43内の水は、冷却循環装置44によりHFEの沸点(たとえば、61℃または76℃)と比べて充分低い温度(たとえば、数℃ないし室温)に調整可能である。
溶剤液化装置13の上部とチャンバ3の上部(フィルタ46)との間には、送気管16が配設されている。送気管16にはブロワ17が介装されている。ブロワ17を作動させることにより、送気管16内の気体を、溶剤液化装置13側からチャンバ3側へと送ることができる。このような気体は、フィルタ46により異物が除去されてチャンバ3内に導入される。
【0041】
したがって、ブロワ17を作動させると、チャンバ3内の気体は、溶剤回収槽5、溶剤回収配管7、溶剤回収タンク8、送気管9、溶剤液化装置13、送気管16(ブロワ17)、およびフィルタ46を経て、チャンバ3内に戻るように循環される。溶剤回収配管7内がHFEにより液密にならないようにされていることにより、二流体ノズル2によるウエハWの処理時にも、チャンバ3内の気体は、上述の経路で循環することができる。以上の経路を循環する気体の一部が、溶剤液化装置13とチャンバ3との間で、外部の空気と置換するように構成されていてもよい。
【0042】
二流体ノズル2によるウエハWの処理(洗浄)時には、HFEの蒸気が発生する。ブロワ17が作動されている場合、このような蒸気は、溶剤回収配管7および送気管9を経て、溶剤液化装置13のケーシング41内に導入される。この際、冷却管43の内部を冷却循環装置44により冷却された水が流されていると、冷却管43の表面に接触したHFEの蒸気は液化する。液化されたHFEは下方へと流れ落ち、溶剤回収配管15を経て回収タンク8に回収される。
【0043】
チャンバ3内にはイオナイザ47が設けられており、スピンチャック10に保持されたウエハW周縁部に向けてイオンを照射することができる。これにより、スピンチャック10に保持されたウエハWに静電気が生じていた場合でも、このような静電気をイオナイザにより照射されたイオンにより中和して除去できる。バルブ24V,25Vの開閉、ならびに回転駆動機構14、移動機構23、上下機構6、冷却循環装置44、ブロワ17、およびイオナイザ47の動作は制御部20により制御できるようになっている。
【0044】
図2は、二流体ノズル2の構造を示す図解的な断面図である。
二流体ノズル2は、いわゆる外部混合型のものであり、ケーシング外で(開放された空間で)処理液に気体を衝突させて処理液の液滴を生成することができる。二流体ノズル2は、ケーシングを構成する外管34とその中に嵌め込まれた内管39とを含んでおり、ほぼ円柱状の外形を有している。
内管39および外管34は、樹脂(たとえば、フッ素樹脂)からなり、二流体ノズル2内における窒素ガスおよびHFEの流路に金属が存在しないようにされている。このため、二流体ノズル2を起源とする金属が、HFEの液滴とともにウエハWに供給されて、ウエハWが金属汚染されることはない。
【0045】
内管39と外管34とは、共通の中心軸Qを有して同軸状に配置されている。内管39の内部は、溶剤流路39bとなっている。内管39と外管34との間には、中心軸Qを中心とした円筒状間隙である気体流路34bが形成されている。
気体流路34bは、二流体ノズル2の一方の端部では、環状の気体吐出口34aとして開口しており、二流体ノズル2の他方の端部では、内管39と外管34とが接しており開口は形成されていない。気体流路34bは、二流体ノズル2の軸方向中央部では径がほぼ一定であるが、気体吐出口34a近傍では、気体吐出口34aから一定距離離れた点に収束するように、端部に向かって径が小さくなっている。
【0046】
溶剤流路39bは、気体吐出口34aの中心部近傍に溶剤吐出口39aとして開口している。溶剤吐出口39aと気体吐出口34aとは、近接して形成されている。基板処理装置1において、二流体ノズル2は、溶剤吐出口39aおよび気体吐出口34aが下方に向くように取り付けられている。
二流体ノズル2の溶剤吐出口39a側とは反対側の端部には、アーム21が接続されている。アーム21の内部に形成された溶剤流路21aと溶剤流路39bとは連通しており、溶剤流路21aから溶剤流路39bにHFEを導入できるようになっている。また、二流体ノズル2の側面で中心軸Q方向のほぼ中間部には、窒素ガス配管25が接続されている。窒素ガス配管25の内部空間と気体流路34bとは連通しており、気体流路34bに窒素ガスを導入できるようになっている。
【0047】
溶剤流路21aから二流体ノズル2にHFEを供給すると、HFEは溶剤吐出口39aから吐出される。窒素ガス配管25から二流体ノズル2に窒素ガスを供給すると、窒素ガスは気体吐出口34aから吐出される。溶剤吐出口39aと気体吐出口34aとが近接して形成されていることにより、溶剤吐出口39aから吐出されたHFEと気体吐出口34aから吐出された窒素ガスとは、ケーシングを構成する外管34外の溶剤吐出口39a付近で衝突する(混合される。)。これにより、HFEの液滴が生成される。
【0048】
このような二流体ノズル2は、ケーシング内でHFE(不活性溶剤)と気体とを混合(衝突)させて当該不活性溶剤の液滴を生じさせる場合(いわゆる、内部混合の場合)のように、ケーシング内部がこれらの不活性溶剤または気体に削られて発塵することはない。したがって、ウエハWに、このような発塵によるパーティクルが付着することはない。
基板処理装置1において、二流体ノズル2からのHFEの液滴の主たる噴射方向とウエハWの法線とのなす角度は、この実施形態ではほぼ0度になるように調整されているが、0度ないし45度の範囲内の適当な角度であってもよい。
【0049】
図1を参照して、ウエハWを洗浄するときは、予め、制御部20により、冷却循環装置44およびブロワ17が制御されて、冷却管17内を所定の温度に冷却された水が循環するようにされるとともに、チャンバ3内の気体が溶剤液化装置13を介して循環するようにされる。
その後、制御部20により上下機構6が制御されて、スピンチャック10の上端がガード部材4の上端より高くされる。この状態で、図外のロボットアームによりウエハWが搬入されて、ウエハWが、その中心が回転軸11の中心軸上にほぼのるように、ほぼ水平にスピンチャック10に保持される。
【0050】
そして、制御部20により、上下機構6が制御されてスピンチャック10に保持されたウエハWの側方に溶剤導入口5aが位置するように、ガード部材4が下降される。さらに、制御部20により移動機構23が制御されて、二流体ノズル2とスピンチャック10に保持されたウエハWとの間隔が、5mmないし50mmに調整され、回転駆動機構14が制御されて、スピンチャック10に保持されたウエハWが回転される。
【0051】
続いて、制御部20の制御により、バルブ24V,25Vが開かれて、二流体ノズル2にHFEおよび窒素ガスが導入される。これにより、二流体ノズル2からスピンチャック10に保持されたウエハWに向けてHFEの液滴が噴射されて、ウエハWが処理される。同時に、制御部20により移動機構23が制御されて、二流体ノズル2によるウエハWの処理位置がウエハWの中心部と周縁部との間で移動される。これにより、ウエハWの上面の全面が均一に処理される。
【0052】
このとき、HFEの液滴の運動エネルギーにより、ウエハWの表面に付着したパーティクルが物理的に除去される。二流体ノズル2とウエハWとの間隔とが5mmないし50mmの間隔で近接して配置されていることにより、ウエハW表面に大きな運動エネルギーを有するHFEの液滴を衝突させることができる。
また、二流体ノズル2からのHFEの液滴の主たる噴射方向とウエハWの法線とのなす角度がほぼ0度にされていることにより、二流体ノズル2により生成されたHFEの液滴は、効率的にウエハW表面に衝突されて、ウエハW表面に存在するパーティクルが除去される。このような効果は、二流体ノズル2からのHFEの液滴の主たる噴射方向とウエハWの法線とのなす角度が0度ないし45度のときに良好に得られる。
【0053】
化学式C4F9OCH3またはC4F9OC2H5で表されるHFEの表面張力は13.6dyn/cmであり、純水の表面張力(73.4dyn/cm)と比べて著しく小さい。このため、ウエハW表面に供給されたHFEは、ウエハW上の撥水性を有する膜に形成された凹部や、微細な凹部に入ることができるので、このような凹部に存在するパーティクルを除去できる。したがって、ウエハWは良好に洗浄される。
【0054】
また、HFEの比重は、およそ1.5であるので、HFEの液滴は、同じ大きさの水の液滴と比べて質量が大きく、大きな運動エネルギーを有してウエハWに衝突することができる。したがって、ウエハWの洗浄効率を高くすることができる。
HFEは絶縁性が高いので、ウエハWにHFEの液滴が衝突すると、ウエハWに静電気が生じる。このため、二流体ノズル2によるウエハWの処理中は、制御部20によりイオナイザ47が作動されて、ウエハWに生じた静電気が除去される。
【0055】
一定時間、二流体ノズル2によるウエハWの処理が継続された後、制御部20の制御によりバルブ24V,25Vが閉じられる。これにより、二流体ノズル2からのHFEの液滴の噴射が停止されて、ウエハWの処理(洗浄)が終了する。
続いて、制御部20により回転駆動機構14が制御されて、スピンチャック10に保持されたウエハWが高速回転される。これにより、ウエハWが振り切り乾燥される。HFEは揮発性が高いので、ウエハWは短時間で乾燥する。また、ウエハW表面に多孔質膜が形成されている場合でも、このような多孔質膜中に浸入したHFEは容易に気化して多孔質膜から抜ける。
【0056】
その後、制御部20により、回転駆動機構14が制御されてスピンチャック10に保持されたウエハWの回転が停止される。さらに、制御部20により上下機構6が制御されてガード部材4が下降されて、ウエハWがガード部材4の上端より高くされる。この状態でウエハWが搬出されて1枚のウエハWの処理が終了する。
ウエハWの処理時および乾燥時に、ウエハW表面のHFEは、回転するウエハWの遠心力により側方へと振り切られて、溶剤導入口5aから溶剤回収槽5へと導入され、溶剤回収配管7を経て溶剤回収タンク8に回収される。また、ウエハWの処理時および乾燥時に、HFEの蒸気が発生するが、このような蒸気は溶剤液化装置13により液化されて溶剤回収タンク8に回収される。
【0057】
溶剤回収タンク8に回収されたHFEは、再び、二流体ノズル2によるウエハWの処理に用いられる。すなわち、HFEは再利用される。これにより、高価なHFEの消費量を少なくして処理コストを低減できる。
溶剤回収タンク8から二流体ノズル2に供給されるHFEが、再び溶剤回収タンク8に戻るまでに、溶剤回収タンク8内のHFEがなくならないように、溶剤回収タンク8内には充分な量のHFEが収容されていることが好ましい。これにより、ウエハWの連続処理が可能となる。
【0058】
このように、HFEが二流体ノズル2と溶剤回収タンク8との間を循環されて使用される間に、HFEに水分が混入することがある。しかし、HFEと水とは互いに溶解せず、しかも、HFEの比重(1.5)は水の比重より大きいので、このような水分はHFEと分離し、溶剤回収タンク8内でHFEの上に浮きあがる。
溶剤供給配管24が溶剤回収タンク8の側面下部に接続されていることにより、溶剤回収タンク8内でHFEの上に存在している水分が二流体ノズル2に供給されることはない。また、このように分離した水分は、容易に除去できる。
【0059】
さらに、HFEのオゾン破壊係数は0であるので、HFEが基板処理装置1外に漏れ出た場合でも、環境に悪影響を与えることもない。
さらに、HFEは引火点を有さないので、ウエハWを処理する際に発火や爆発のおそれがない。
本発明に係る一実施形態の説明は以上の通りであるが、本発明は他の形態でも実施できる。たとえば、溶剤液化装置13の代わりに、活性炭などの吸着媒体に不活性溶剤(HFE)を吸着させることにより、不活性溶剤の蒸気を液化させて回収する液化機構が用いられてもよい。この場合、液化機構は、たとえば、大量の活性炭が収容された容器の中を、HFE(不活性溶剤)の蒸気を含む気体が通過するように構成することができる。
【0060】
二流体ノズル2は、ケーシング内で、溶剤回収タンク8から供給される不活性溶剤(HFE)と、窒素ガス供給部18から供給される窒素とを混合して、不活性溶剤の液滴を生成する内部混合型のものであってもよい。
処理対象の基板は、ウエハW以外に、たとえば、液晶表示装置用ガラス基板のごときFPD(Flat Panel Display)用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、電子部品などを実装するためのプリント基板など、エレクトロニクス分野における各種基板であってもよい。特に、濡れ性の低い各種部材を、本発明の基板処理装置および基板処理方法により、好適に処理できる。
【0061】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の図解的な断面図である。
【図2】二流体ノズルの構造を示す図解的な断面図である。
【符号の説明】
1 基板処理装置
2 二流体ノズル
8 溶剤回収タンク
10 スピンチャック
13 溶剤液化装置
18 窒素ガス供給部
23 移動機構
34 外管
34a 気体吐出口
39a 溶剤吐出口
47 イオナイザ
W 半導体ウエハ
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハなどの処理対象の基板の表面を処理するための基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程において、半導体ウエハ(以下、「ウエハ」という。)の表面にはパーティクルが付着する。このため、製造工程の適当な段階でウエハの表面を洗浄する必要がある。
ウエハ表面を洗浄するための基板処理装置には、洗浄液と気体とを混合することにより洗浄液の液滴を生成して噴射する二流体ノズルを備えたものがある。二流体ノズルから噴射される洗浄液の液滴をウエハに衝突させることにより、ウエハ表面に付着しているパーティクルは、洗浄液の液滴の運動エネルギーにより、物理的に除去される。洗浄液としては、水(脱イオン水)が使用されている。
【0003】
このような基板処理装置は、たとえば、下記特許文献1に開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−270564号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年、ウエハ表面に、いわゆるLow−K膜(酸化シリコンの誘電率が低い膜)など撥水性が高い膜や、微細な多数の空孔を有する多孔質膜が、層間絶縁膜として形成されるようになってきている。撥水性が高い膜の表面に微細な凹部が形成されている場合、二流体ノズルにより水の液滴を生成して、ウエハに噴射しても、水はこのような微細な凹部に入ることができない。したがって、このような凹部に存在するパーティクルを充分に除去できなかった。すなわち、ウエハ表面を良好に洗浄できなかった。
【0006】
また、処理対象のウエハが、表面に多孔質膜が形成されたものである場合、膜中に水が浸入すると、このような水を容易に除去できなかった。
これらの問題を解決するために、水を用いず、減圧下(たとえば、0.1気圧)または大気中でガスエッチングを行うドライ洗浄を採用することも考えられる。しかし、ドライ洗浄は、化学分解しやすいパーティクルを除去する場合には効果があるが、ウエハの表面に化学分解し難いパーティクルが付着している場合には、このようなパーティクルを充分に除去できない。
【0007】
また、処理液は、パーティクルの基板に対する付着力を弱くする作用を有するので、処理液を用いることによりパーティクルの除去を容易にする効果があるが、処理液を用いないドライ洗浄では、このような効果は得られない。以上のような理由により、ドライ洗浄の洗浄効率は悪かった。
そこで、この発明の目的は、処理対象の基板を良好に処理できる基板処理装置を提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、処理対象の基板を良好に処理できる基板処理方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、処理対象の基板(W)を保持する基板保持機構(10)と、純水の表面張力より小さな表面張力を有するフッ素系の不活性溶剤を供給する溶剤供給部(8)と、気体を供給する気体供給部(18)と、上記溶剤供給部から供給される上記不活性溶剤と、上記気体供給部から供給される気体とを混合して、当該不活性溶剤の液滴を生成し、上記基板保持機構に保持された処理対象の基板に当該不活性溶剤の液滴を噴射する二流体ノズル(2)とを備えたことを特徴とする基板処理装置(1)である。
【0010】
なお、括弧内の英字は後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、括弧内の数字を含め、この項において同じ。
この発明によれば、二流体ノズルから、純水の表面張力(73.4dyn/cm)より小さな表面張力を有するフッ素系の不活性溶剤の液滴が噴射される。このような表面張力が小さい不活性溶剤は、撥水性を有する膜に形成された凹部内や、微細な凹部内に入ることができるので、このような凹部内に処理液である不活性溶剤の作用を及ぼすことができる。すなわち、このような基板処理装置により、処理対象の基板を良好に処理できる。
【0011】
不活性溶剤は、たとえば、撥水性を有する膜に形成された凹部内や、微細な凹部内に存在するパーティクルを除去するためのものであってもよい。この場合、処理対象の基板を良好に洗浄できる。
上記溶剤供給部は、請求項2記載のように、イソプロピルアルコールの表面張力(21.3dyn/cm)より小さな表面張力を有する不活性溶剤を供給するものであることが好ましい。
【0012】
また、不活性溶剤の蒸気は、イソプロピルアルコールの蒸気のように爆発することがないので、基板処理装置を防爆構造にする必要がない。
上記溶剤供給部から供給される当該不活性溶剤は、請求項3記載のようにハイドロフルオロエーテルであってもよい。
ハイドロフルオロエーテル(以下、「HFE」という。)としては、たとえば、化学式C4F9OCH3またはC4F9OC2H5で表されるものを好適に使用することができる。これらは、いずれも表面張力が13.6dyn/cmであるので、基板表面の撥水性を有する膜に形成された微細な凹部に容易に入ることができる。したがって、このような基板処理装置により、処理対象の基板をさらに良好に処理できる。
【0013】
また、HFEの比重は、およそ1.5であるので、HFEの液滴は、同じ大きさの水の液滴と比べて質量が大きく、大きな運動エネルギーを有して基板に衝突することができる。したがって、基板の処理効率を高くすることができる。
また、HFEは引火点を有さないので、基板を処理する際に発火するおそれがない。しかも、HFEは、揮発性が高いので、処理後の基板を容易に乾燥させることができる。このため、処理対象の基板に多孔質が形成されている場合でも、基板の処理に伴ってこのような多孔質膜中に浸入したHFEを、容易に除去できる。
【0014】
さらに、HFEのオゾン破壊係数(Ozone Depleting Potential ; ODP)は0であるので、HFEの蒸気が装置外に流出した場合でも、環境に悪影響を与えることもない。
さらに、HFEと水とは互いに溶解しない。このため、HFEに水が混入した場合でも、このような水とHFEとは分離するので容易に水を除去できる。
請求項4記載の発明は、上記基板保持機構に保持された基板と上記二流体ノズルとの間隔が5mmないし50mmになるように、上記基板保持機構および上記二流体ノズルの少なくとも一方を移動する間隔調整機構(23)をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置である。
【0015】
このように基板と二流体ノズルとを近接させて、不活性溶剤の液滴を基板に噴射することにより、パーティクルに大きな運動エネルギーを与えて除去できる。
この基板処理装置は、上記基板保持機構に保持された基板と上記二流体ノズルとが、当該基板にほぼ平行な方向に相対的に移動するように、上記基板保持機構および上記二流体ノズルの少なくとも一方を移動する処理位置移動機構をさらに備えていてもよい。この場合、基板保持機構に保持された基板における二流体ノズルによる処理位置を移動させて、当該基板の全面を処理できる。
【0016】
間隔調整機構と処理位置移動機構とは、同じものであってもよい。
また、二流体ノズルからの当該不活性溶剤の液滴の主たる噴射方向と、上記基板保持機構に保持された基板の法線とのなす角度は、請求項5記載のように0度ないし45度であることが好ましい。これにより、二流体ノズルにより生成された不活性溶剤の液滴を、効率的に基板表面に衝突させて、基板表面に存在するパーティクルを除去できる。
【0017】
請求項6記載の発明は、上記二流体ノズル内における気体および不活性溶剤の流路が非金属からなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の基板処理装置である。
この発明によれば、基板保持機構に保持された基板に、不活性溶剤の液滴とともに金属が供給されることがないようにすることができる。これにより、当該基板が金属汚染されることを回避できる。
【0018】
上記二流体ノズル内における気体および不活性溶剤の流路は、たとえば、樹脂からなるものとすることができる。二流体ノズルは、その内部の気体および不活性溶剤の流路に沿う部分のみが非金属からなるものであってもよく、二流体ノズルの全体が非金属からなるものであってもよい。
請求項7記載の発明は、上記二流体ノズルから上記基板保持機構に保持された処理対象の基板に噴射される上記不活性溶剤を回収するための回収機構(8,13)をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の基板処理装置である。
【0019】
この発明によれば、回収機構により回収された不活性溶剤を、処理対象の基板を処理するために再利用することができる。HFEは高価であるので、不活性溶剤としてHFEを使用する場合、回収機構によりHFEを回収して再利用することにより、処理コストを低減できる。
二流体ノズルから基板保持機構に保持された処理対象の基板に噴射される不活性溶剤としては、当該基板にあたった後下方へ流れるものや、当該基板にあたった後気化するものや、当該基板にあたらずに気化または液体として飛散するものが考えられる。回収機構は、これらのうち主として当該基板にあたった後、下方へ流れるものを回収するものとすることができる。
【0020】
請求項8記載の発明は、上記回収機構が、上記不活性溶剤の蒸気を冷却することにより液化させる液化機構(13)を含むことを特徴とする請求項7記載の基板処理装置である。
この発明によれば、二流体ノズルによる基板の処理中に不活性溶剤の蒸気が発生した場合でも、このような不活性溶剤の蒸気を液化機構により液化して回収することができる。液化機構は、不活性溶剤の沸点(たとえば、61℃または76℃)と比べて充分低い温度にされた冷却管の表面に、不活性溶剤の蒸気を接触させて液化させるものであってもよく、活性炭などの吸着媒体に不活性溶剤を吸着させることにより、不活性溶剤の蒸気を液化させるものであってもよい。
【0021】
請求項9記載の発明は、上記回収機構が、回収された不活性溶剤を収容する溶剤回収タンク(8)を含むことを特徴とする請求項7または8記載の基板処理装置である。
この発明によれば、溶剤回収タンクに収容された溶剤が二流体ノズルに供給されるように構成することができる。すなわち、溶剤回収タンクが、溶剤供給部の一部をなすものとすることができる。この場合、溶剤回収タンク内に充分な量の不活性溶剤が収容された状態で、二流体ノズルと溶剤回収タンクとの間を不活性溶剤が循環するようにすることにより、基板の連続処理を安定して行うことができる。
【0022】
請求項10記載の発明は、上記二流体ノズルが、上記溶剤供給部から供給される不活性溶剤を吐出する溶剤吐出口(39a)、および上記気体供給部から供給される気体を吐出する気体吐出口(34a)が形成されたケーシング(34)であって、上記溶剤吐出口と上記気体吐出口とが近接して配置されたケーシングを有し、このケーシング外の上記溶剤吐出口付近で当該溶剤吐出口から吐出される不活性溶剤と上記気体吐出口から吐出される気体とを混合させることによって当該不活性溶剤の液滴を生成するものであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の基板処理装置である。
【0023】
この二流体ノズルは、いわゆる、外部混合型の二流体ノズルであり、ケーシング外で不活性溶剤と気体とを混合(衝突)させて当該不活性溶剤の液滴を生成することができる。このため、ケーシング内で不活性溶剤と気体とを混合(衝突)させて当該不活性溶剤の液滴を生成する場合(いわゆる、内部混合の場合)のように、ケーシング内部がこれらの不活性溶剤または気体に削られて発塵することはない。したがって、処理対象の基板に、このような発塵によるパーティクルが付着することはない。
【0024】
請求項11記載の発明は、上記基板保持機構に保持された処理対象の基板に生じた静電気を除去するための除電機構(47)をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の基板処理装置である。
この発明によれば、基板保持機構に保持された基板に静電気が生じた場合でも、除電機構によりこのような静電気を除去できる。二流体ノズルにより噴射される不活性溶剤が絶縁性が高いものである場合、基板保持機構に保持された基板に静電気が生じることがある。特に、HFEは絶縁性が高く、HFEの液滴が衝突された基板には静電気が生じやすい。このような静電気を、除電機構により除去できる。除電機構は、たとえば、イオナイザとすることができる。
【0025】
請求項12記載の発明は、純水の表面張力より小さな表面張力を有するフッ素系の不活性溶剤と気体とを混合して当該不活性溶剤の液滴を生成する液滴生成工程と、この液滴生成工程により生成された当該不活性溶剤の液滴を、処理対象の基板(W)の表面に衝突させて当該基板を処理する工程とを含むことを特徴とする基板処理方法である。
この発明に係る方法は、請求項1記載の基板処理装置により実施することができ請求項1記載の基板処理装置と同様の効果を奏することができる。
【0026】
請求項13記載の発明は、上記不活性溶剤が、ハイドロフルオロエーテルであることを特徴とする請求項12記載の基板処理方法である。
この発明に係る方法は、請求項3記載の基板処理装置により実施することができ請求項3記載の基板処理装置と同様の効果を奏することができる。
請求項14記載の発明は、上記基板を処理する工程の後、当該基板を乾燥させる工程をさらに含むことを特徴とする請求項12または13記載の基板処理方法である。
【0027】
この発明によれば、不活性溶剤として揮発性が高いもの(たとえば、イソプロピルアルコールより揮発性が高いもの)を用いた場合、基板処理工程の後、容易に基板を乾燥させることができる。特に、HFEは揮発性が高いので、HFEを用いて基板処理工程を実施した場合、短時間で基板を乾燥させることができる。この場合、基板表面に多孔質膜が形成されている場合でも、このような多孔質膜中に浸入したHFEは容易に気化して多孔質膜から抜ける。
【0028】
従来、基板の乾燥を容易にするために、水で基板を処理(洗浄)した後、当該基板表面に残っている水を揮発性が高い溶剤で洗い流してから、乾燥することがあった。この発明によれば、基板の処理に用いる不活性溶剤自体を揮発性が高いものとすることにより、基板処理後、この不活性溶剤を他の溶剤で洗い流すことなく、すぐに乾燥工程を実施できるので、工数を削減できる。
基板を乾燥させる工程は、たとえば、基板をほぼ水平な面内で高速で回転させる工程を含んでいてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下では、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置の図解的な断面図である。
この基板処理装置1は、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)Wの表面を洗浄するためのものであり、処理対象のウエハWの表面には、たとえば、凹部(たとえば、ダマシン工程により、銅配線を埋め込むためのもの)が形成された撥水性を有する膜(たとえば、いわゆるLow−K膜)や多孔質の膜が形成されたものとすることができる。これらの膜は、たとえば、ウエハWに層間絶縁膜を形成するためのものであってもよい。
【0030】
基板処理装置1は、ウエハWをほぼ水平に保持して回転するスピンチャック10と、スピンチャック10に保持されたウエハWに、フッ素系の不活性溶剤であるハイドロフルオロエーテル(以下、「HFE」という。)の液滴を供給して処理する二流体ノズル2とを含んでいる。スピンチャック10および二流体ノズル2は、チャンバ3内に配置されている。チャンバ3の上部にはフィルタ46が取り付けられている。フィルタ46は、たとえば、HEPA(High Efficiency Particle Air)フィルタとすることができる。
【0031】
スピンチャック10は、鉛直方向に沿って配置された回転軸11およびその上端に垂直に取り付けられた円板状のスピンベース12を備えている。スピンベース12により、ウエハWの下面中央部を吸着してウエハWを保持できる。
回転軸11には回転駆動機構14が結合されており、回転軸11をその中心軸のまわりに回転させることができるようになっている。これによりスピンチャック10に保持されたウエハWをほぼ水平な面内で回転させることができる。
【0032】
二流体ノズル2は、アーム21を介して揺動軸23aに結合されており、揺動軸23aには、揺動軸23aをその中心軸まわりに揺動させる移動機構23が結合されている。移動機構23により、アーム21に結合された二流体ノズル2を、スピンチャック10に保持されたウエハW上で移動させることができ、二流体ノズル2によるウエハW上の処理位置を、ウエハWの中心部から周縁部に至る各部に移動させることができる。
【0033】
また、移動機構23は、揺動軸23aをその中心軸に沿う方向(ほぼ鉛直方向)に移動させることができる。これにより、二流体ノズル2とスピンチャック10に保持されたウエハWとの間隔を、5mmないし50mmの範囲で任意に調整できるようになっている。
アーム21の内部には、二流体ノズル2の内部空間に連通した溶剤流路21aが形成されている。アーム21には溶剤供給配管24の一端が接続されており、溶剤流路21aと溶剤供給配管24の内部空間とは連通している。溶剤供給配管24の他端には、チャンバ3外に配置され、HFEが収容された溶剤回収タンク8が連通接続されている。溶剤供給配管24には、金属イオンおよびパーティクル除去用の複数のフィルタを備えたフィルタ部24aが介装されている。溶剤供給配管24は、溶剤回収タンク8の側面下部に接続されている。
【0034】
溶剤回収タンク8に収容されたHFEは、たとえば、化学式C4F9OCH3またはC4F9OC2H5で表されるもの(たとえば、住友スリーエム株式会社から商品名ノベックHFEとして提供されているもの)とすることができる。
溶剤供給配管24には、開度調整が可能なバルブ24Vが介装されており、バルブ24Vを開くことにより、溶剤回収タンク8に収容されたHFEを二流体ノズル2に導入できるとともに、二流体ノズル2に導入されるHFEの流量を調整できる。溶剤供給配管24には、溶剤回収タンク8内のHFEを二流体ノズル2に送るためのポンプが介装されていてもよい。
【0035】
また、二流体ノズル2には、窒素ガス配管25を介して、窒素ガス供給部18から高圧の窒素ガスを供給可能である。窒素ガス配管25には開度調整が可能なバルブ25Vが介装されており、二流体ノズル2に供給される窒素ガスの流路の開閉、および窒素ガスの流量の調節を行うことができるようになっている。
バルブ24V,25Vを同時に開き、二流体ノズル2にHFEおよび窒素ガスを同時に導入すると、二流体ノズル2によりHFEの液滴が生成されて噴射される。
【0036】
バルブ25Vの開度を変え、二流体ノズル2に導入される窒素ガスの圧力(流量)を変えることにより、二流体ノズル2により生成されるHFEの液滴の粒径を変化させることができる。これにより、HFEの液滴によるウエハWの処理特性を変化させることができる。
スピンチャック10の側方を取り囲むように、円筒状のガード部材4が配置されている。ガード部材4は、外筒4aおよびその内部に配置された内筒4bを備えている。外筒4aおよび内筒4bは、ほぼ鉛直方向に沿う中心軸を共有している。外筒4aの上端は内筒4bの上端より高い。外筒4aは、その上部において他の部分より径が小さくなっており、同様に、内筒4bは、その上部において、他の部分より径が小さくなっている。
【0037】
外筒4a上端の内径はウエハWの外径よりわずかに大きく、内筒4b上端の内径はウエハWの外径と同程度である。外筒4aおよび内筒4bを側壁として、有底の溶剤回収槽5が形成されている。溶剤回収槽5により、二流体ノズル2によるウエハWの処理に使用されるHFEを回収することができる。溶剤回収槽5の上部は、溶剤導入口5aとして開口している。
ガード部材4には上下機構6が結合されており、ガード部材4を鉛直方向に沿って移動できるようになっている。これにより、ウエハWを搬入してスピンチャック10に保持するときや、スピンチャック10上のウエハWを搬出するときには、ガード部材4(外筒4a)の上端をスピンチャック10の上端より低くできるとともに、二流体ノズル2によるウエハWの処理時には、スピンチャック10に保持されたウエハWの側方に溶剤導入口5aが位置するようにできる。
【0038】
溶剤回収槽5の底部には、溶剤回収配管7の一端が連通接続されている。溶剤回収配管7の他端は、溶剤回収タンク8の側面上部に連通接続されている。溶剤回収配管7には、金属イオンおよびパーティクル除去用の複数のフィルタを備えたフィルタ部7aが介装されている。
溶剤回収タンク8は、溶剤回収槽5より低い位置にある。これにより、溶剤回収槽5に回収されたHFEは、重力の作用により、溶剤回収配管7を経て溶剤回収タンク8へと導かれるようになっている。溶剤回収配管7は充分大きな内径を有しており、溶剤回収配管7の内部がHFEにより液密にならないようにされている。
【0039】
溶剤回収タンク8の上方には、溶剤液化装置13が配置されている。溶剤回収タンク8と溶剤液化装置13の下部との間には、送気管9および溶剤回収配管15が配設されている。
溶剤液化装置13は、ケーシング41および複数(この実施形態では2つ)の冷却ユニット42を備えている。冷却ユニット42は、ケーシング41の内外に渡って配設されたループ状の冷却管43を備えている。冷却管43は、ケーシング41の内部では、ジグザグ状に成形されていて表面積が大きくされている。
【0040】
また、ケーシング41の外部で、冷却管43に冷却循環装置44が介装されている。冷却管43の内部には水が満たされており、冷却循環装置44によりこの水を冷却するとともに冷却管43内を循環させることができる。冷却管43内の水は、冷却循環装置44によりHFEの沸点(たとえば、61℃または76℃)と比べて充分低い温度(たとえば、数℃ないし室温)に調整可能である。
溶剤液化装置13の上部とチャンバ3の上部(フィルタ46)との間には、送気管16が配設されている。送気管16にはブロワ17が介装されている。ブロワ17を作動させることにより、送気管16内の気体を、溶剤液化装置13側からチャンバ3側へと送ることができる。このような気体は、フィルタ46により異物が除去されてチャンバ3内に導入される。
【0041】
したがって、ブロワ17を作動させると、チャンバ3内の気体は、溶剤回収槽5、溶剤回収配管7、溶剤回収タンク8、送気管9、溶剤液化装置13、送気管16(ブロワ17)、およびフィルタ46を経て、チャンバ3内に戻るように循環される。溶剤回収配管7内がHFEにより液密にならないようにされていることにより、二流体ノズル2によるウエハWの処理時にも、チャンバ3内の気体は、上述の経路で循環することができる。以上の経路を循環する気体の一部が、溶剤液化装置13とチャンバ3との間で、外部の空気と置換するように構成されていてもよい。
【0042】
二流体ノズル2によるウエハWの処理(洗浄)時には、HFEの蒸気が発生する。ブロワ17が作動されている場合、このような蒸気は、溶剤回収配管7および送気管9を経て、溶剤液化装置13のケーシング41内に導入される。この際、冷却管43の内部を冷却循環装置44により冷却された水が流されていると、冷却管43の表面に接触したHFEの蒸気は液化する。液化されたHFEは下方へと流れ落ち、溶剤回収配管15を経て回収タンク8に回収される。
【0043】
チャンバ3内にはイオナイザ47が設けられており、スピンチャック10に保持されたウエハW周縁部に向けてイオンを照射することができる。これにより、スピンチャック10に保持されたウエハWに静電気が生じていた場合でも、このような静電気をイオナイザにより照射されたイオンにより中和して除去できる。バルブ24V,25Vの開閉、ならびに回転駆動機構14、移動機構23、上下機構6、冷却循環装置44、ブロワ17、およびイオナイザ47の動作は制御部20により制御できるようになっている。
【0044】
図2は、二流体ノズル2の構造を示す図解的な断面図である。
二流体ノズル2は、いわゆる外部混合型のものであり、ケーシング外で(開放された空間で)処理液に気体を衝突させて処理液の液滴を生成することができる。二流体ノズル2は、ケーシングを構成する外管34とその中に嵌め込まれた内管39とを含んでおり、ほぼ円柱状の外形を有している。
内管39および外管34は、樹脂(たとえば、フッ素樹脂)からなり、二流体ノズル2内における窒素ガスおよびHFEの流路に金属が存在しないようにされている。このため、二流体ノズル2を起源とする金属が、HFEの液滴とともにウエハWに供給されて、ウエハWが金属汚染されることはない。
【0045】
内管39と外管34とは、共通の中心軸Qを有して同軸状に配置されている。内管39の内部は、溶剤流路39bとなっている。内管39と外管34との間には、中心軸Qを中心とした円筒状間隙である気体流路34bが形成されている。
気体流路34bは、二流体ノズル2の一方の端部では、環状の気体吐出口34aとして開口しており、二流体ノズル2の他方の端部では、内管39と外管34とが接しており開口は形成されていない。気体流路34bは、二流体ノズル2の軸方向中央部では径がほぼ一定であるが、気体吐出口34a近傍では、気体吐出口34aから一定距離離れた点に収束するように、端部に向かって径が小さくなっている。
【0046】
溶剤流路39bは、気体吐出口34aの中心部近傍に溶剤吐出口39aとして開口している。溶剤吐出口39aと気体吐出口34aとは、近接して形成されている。基板処理装置1において、二流体ノズル2は、溶剤吐出口39aおよび気体吐出口34aが下方に向くように取り付けられている。
二流体ノズル2の溶剤吐出口39a側とは反対側の端部には、アーム21が接続されている。アーム21の内部に形成された溶剤流路21aと溶剤流路39bとは連通しており、溶剤流路21aから溶剤流路39bにHFEを導入できるようになっている。また、二流体ノズル2の側面で中心軸Q方向のほぼ中間部には、窒素ガス配管25が接続されている。窒素ガス配管25の内部空間と気体流路34bとは連通しており、気体流路34bに窒素ガスを導入できるようになっている。
【0047】
溶剤流路21aから二流体ノズル2にHFEを供給すると、HFEは溶剤吐出口39aから吐出される。窒素ガス配管25から二流体ノズル2に窒素ガスを供給すると、窒素ガスは気体吐出口34aから吐出される。溶剤吐出口39aと気体吐出口34aとが近接して形成されていることにより、溶剤吐出口39aから吐出されたHFEと気体吐出口34aから吐出された窒素ガスとは、ケーシングを構成する外管34外の溶剤吐出口39a付近で衝突する(混合される。)。これにより、HFEの液滴が生成される。
【0048】
このような二流体ノズル2は、ケーシング内でHFE(不活性溶剤)と気体とを混合(衝突)させて当該不活性溶剤の液滴を生じさせる場合(いわゆる、内部混合の場合)のように、ケーシング内部がこれらの不活性溶剤または気体に削られて発塵することはない。したがって、ウエハWに、このような発塵によるパーティクルが付着することはない。
基板処理装置1において、二流体ノズル2からのHFEの液滴の主たる噴射方向とウエハWの法線とのなす角度は、この実施形態ではほぼ0度になるように調整されているが、0度ないし45度の範囲内の適当な角度であってもよい。
【0049】
図1を参照して、ウエハWを洗浄するときは、予め、制御部20により、冷却循環装置44およびブロワ17が制御されて、冷却管17内を所定の温度に冷却された水が循環するようにされるとともに、チャンバ3内の気体が溶剤液化装置13を介して循環するようにされる。
その後、制御部20により上下機構6が制御されて、スピンチャック10の上端がガード部材4の上端より高くされる。この状態で、図外のロボットアームによりウエハWが搬入されて、ウエハWが、その中心が回転軸11の中心軸上にほぼのるように、ほぼ水平にスピンチャック10に保持される。
【0050】
そして、制御部20により、上下機構6が制御されてスピンチャック10に保持されたウエハWの側方に溶剤導入口5aが位置するように、ガード部材4が下降される。さらに、制御部20により移動機構23が制御されて、二流体ノズル2とスピンチャック10に保持されたウエハWとの間隔が、5mmないし50mmに調整され、回転駆動機構14が制御されて、スピンチャック10に保持されたウエハWが回転される。
【0051】
続いて、制御部20の制御により、バルブ24V,25Vが開かれて、二流体ノズル2にHFEおよび窒素ガスが導入される。これにより、二流体ノズル2からスピンチャック10に保持されたウエハWに向けてHFEの液滴が噴射されて、ウエハWが処理される。同時に、制御部20により移動機構23が制御されて、二流体ノズル2によるウエハWの処理位置がウエハWの中心部と周縁部との間で移動される。これにより、ウエハWの上面の全面が均一に処理される。
【0052】
このとき、HFEの液滴の運動エネルギーにより、ウエハWの表面に付着したパーティクルが物理的に除去される。二流体ノズル2とウエハWとの間隔とが5mmないし50mmの間隔で近接して配置されていることにより、ウエハW表面に大きな運動エネルギーを有するHFEの液滴を衝突させることができる。
また、二流体ノズル2からのHFEの液滴の主たる噴射方向とウエハWの法線とのなす角度がほぼ0度にされていることにより、二流体ノズル2により生成されたHFEの液滴は、効率的にウエハW表面に衝突されて、ウエハW表面に存在するパーティクルが除去される。このような効果は、二流体ノズル2からのHFEの液滴の主たる噴射方向とウエハWの法線とのなす角度が0度ないし45度のときに良好に得られる。
【0053】
化学式C4F9OCH3またはC4F9OC2H5で表されるHFEの表面張力は13.6dyn/cmであり、純水の表面張力(73.4dyn/cm)と比べて著しく小さい。このため、ウエハW表面に供給されたHFEは、ウエハW上の撥水性を有する膜に形成された凹部や、微細な凹部に入ることができるので、このような凹部に存在するパーティクルを除去できる。したがって、ウエハWは良好に洗浄される。
【0054】
また、HFEの比重は、およそ1.5であるので、HFEの液滴は、同じ大きさの水の液滴と比べて質量が大きく、大きな運動エネルギーを有してウエハWに衝突することができる。したがって、ウエハWの洗浄効率を高くすることができる。
HFEは絶縁性が高いので、ウエハWにHFEの液滴が衝突すると、ウエハWに静電気が生じる。このため、二流体ノズル2によるウエハWの処理中は、制御部20によりイオナイザ47が作動されて、ウエハWに生じた静電気が除去される。
【0055】
一定時間、二流体ノズル2によるウエハWの処理が継続された後、制御部20の制御によりバルブ24V,25Vが閉じられる。これにより、二流体ノズル2からのHFEの液滴の噴射が停止されて、ウエハWの処理(洗浄)が終了する。
続いて、制御部20により回転駆動機構14が制御されて、スピンチャック10に保持されたウエハWが高速回転される。これにより、ウエハWが振り切り乾燥される。HFEは揮発性が高いので、ウエハWは短時間で乾燥する。また、ウエハW表面に多孔質膜が形成されている場合でも、このような多孔質膜中に浸入したHFEは容易に気化して多孔質膜から抜ける。
【0056】
その後、制御部20により、回転駆動機構14が制御されてスピンチャック10に保持されたウエハWの回転が停止される。さらに、制御部20により上下機構6が制御されてガード部材4が下降されて、ウエハWがガード部材4の上端より高くされる。この状態でウエハWが搬出されて1枚のウエハWの処理が終了する。
ウエハWの処理時および乾燥時に、ウエハW表面のHFEは、回転するウエハWの遠心力により側方へと振り切られて、溶剤導入口5aから溶剤回収槽5へと導入され、溶剤回収配管7を経て溶剤回収タンク8に回収される。また、ウエハWの処理時および乾燥時に、HFEの蒸気が発生するが、このような蒸気は溶剤液化装置13により液化されて溶剤回収タンク8に回収される。
【0057】
溶剤回収タンク8に回収されたHFEは、再び、二流体ノズル2によるウエハWの処理に用いられる。すなわち、HFEは再利用される。これにより、高価なHFEの消費量を少なくして処理コストを低減できる。
溶剤回収タンク8から二流体ノズル2に供給されるHFEが、再び溶剤回収タンク8に戻るまでに、溶剤回収タンク8内のHFEがなくならないように、溶剤回収タンク8内には充分な量のHFEが収容されていることが好ましい。これにより、ウエハWの連続処理が可能となる。
【0058】
このように、HFEが二流体ノズル2と溶剤回収タンク8との間を循環されて使用される間に、HFEに水分が混入することがある。しかし、HFEと水とは互いに溶解せず、しかも、HFEの比重(1.5)は水の比重より大きいので、このような水分はHFEと分離し、溶剤回収タンク8内でHFEの上に浮きあがる。
溶剤供給配管24が溶剤回収タンク8の側面下部に接続されていることにより、溶剤回収タンク8内でHFEの上に存在している水分が二流体ノズル2に供給されることはない。また、このように分離した水分は、容易に除去できる。
【0059】
さらに、HFEのオゾン破壊係数は0であるので、HFEが基板処理装置1外に漏れ出た場合でも、環境に悪影響を与えることもない。
さらに、HFEは引火点を有さないので、ウエハWを処理する際に発火や爆発のおそれがない。
本発明に係る一実施形態の説明は以上の通りであるが、本発明は他の形態でも実施できる。たとえば、溶剤液化装置13の代わりに、活性炭などの吸着媒体に不活性溶剤(HFE)を吸着させることにより、不活性溶剤の蒸気を液化させて回収する液化機構が用いられてもよい。この場合、液化機構は、たとえば、大量の活性炭が収容された容器の中を、HFE(不活性溶剤)の蒸気を含む気体が通過するように構成することができる。
【0060】
二流体ノズル2は、ケーシング内で、溶剤回収タンク8から供給される不活性溶剤(HFE)と、窒素ガス供給部18から供給される窒素とを混合して、不活性溶剤の液滴を生成する内部混合型のものであってもよい。
処理対象の基板は、ウエハW以外に、たとえば、液晶表示装置用ガラス基板のごときFPD(Flat Panel Display)用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、電子部品などを実装するためのプリント基板など、エレクトロニクス分野における各種基板であってもよい。特に、濡れ性の低い各種部材を、本発明の基板処理装置および基板処理方法により、好適に処理できる。
【0061】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の図解的な断面図である。
【図2】二流体ノズルの構造を示す図解的な断面図である。
【符号の説明】
1 基板処理装置
2 二流体ノズル
8 溶剤回収タンク
10 スピンチャック
13 溶剤液化装置
18 窒素ガス供給部
23 移動機構
34 外管
34a 気体吐出口
39a 溶剤吐出口
47 イオナイザ
W 半導体ウエハ
Claims (14)
- 処理対象の基板を保持する基板保持機構と、
純水の表面張力より小さな表面張力を有するフッ素系の不活性溶剤を供給する溶剤供給部と、
気体を供給する気体供給部と、
上記溶剤供給部から供給される上記不活性溶剤と、上記気体供給部から供給される気体とを混合して、当該不活性溶剤の液滴を生成し、上記基板保持機構に保持された処理対象の基板に当該不活性溶剤の液滴を噴射する二流体ノズルとを備えたことを特徴とする基板処理装置。 - 上記溶剤供給部は、イソプロピルアルコールの表面張力より小さな表面張力を有する不活性溶剤を供給するものであることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
- 上記溶剤供給部から供給される上記不活性溶剤が、ハイドロフルオロエーテルであることを特徴とする請求項2記載の基板処理装置。
- 上記基板保持機構に保持された基板と上記二流体ノズルとの間隔が5mmないし50mmになるように、上記基板保持機構および上記二流体ノズルの少なくとも一方を移動する間隔調整機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置。
- 上記二流体ノズルからの上記不活性溶剤の液滴の主たる噴射方向と、上記基板保持機構に保持された基板の法線とのなす角度が0度ないし45度であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理装置。
- 上記二流体ノズル内における気体および不活性溶剤の流路が非金属からなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の基板処理装置。
- 上記二流体ノズルから上記基板保持機構に保持された処理対象の基板に噴射される上記不活性溶剤を回収するための回収機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の基板処理装置。
- 上記回収機構が、上記不活性溶剤の蒸気を冷却することにより液化させる液化機構を含むことを特徴とする請求項7記載の基板処理装置。
- 上記回収機構が、回収された不活性溶剤を収容する溶剤回収タンクを含むことを特徴とする請求項7または8記載の基板処理装置。
- 上記二流体ノズルが、上記溶剤供給部から供給される不活性溶剤を吐出する溶剤吐出口、および上記気体供給部から供給される気体を吐出する気体吐出口が形成されたケーシングであって、上記溶剤吐出口と上記気体吐出口とが近接して配置されたケーシングを有し、このケーシング外の上記溶剤吐出口付近で当該溶剤吐出口から吐出される不活性溶剤と上記気体吐出口から吐出される気体とを混合させることによって当該不活性溶剤の液滴を生成するものであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の基板処理装置。
- 上記基板保持機構に保持された処理対象の基板に生じた静電気を除去するための除電機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の基板処理装置。
- 純水の表面張力より小さな表面張力を有するフッ素系の不活性溶剤と気体とを混合して当該不活性溶剤の液滴を生成する液滴生成工程と、
この液滴生成工程により生成された当該不活性溶剤の液滴を、処理対象の基板の表面に衝突させて当該基板を処理する工程とを含むことを特徴とする基板処理方法。 - 上記不活性溶剤が、ハイドロフルオロエーテルであることを特徴とする請求項12記載の基板処理方法。
- 上記基板を処理する工程の後、当該基板を乾燥させる工程をさらに含むことを特徴とする請求項12または13記載の基板処理方法。
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