JPH06293761A - スピロ橋かけ型および非橋かけ型複素環式化合物 - Google Patents

スピロ橋かけ型および非橋かけ型複素環式化合物

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JPH06293761A JP3106895A JP10689591A JPH06293761A JP H06293761 A JPH06293761 A JP H06293761A JP 3106895 A JP3106895 A JP 3106895A JP 10689591 A JP10689591 A JP 10689591A JP H06293761 A JPH06293761 A JP H06293761A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 鏡像異性体、ラセミ化合物および酸付加物、
第四級塩を含めて、下記構造式(I)と(II) で示される複素環式化合物。具体的代表例を示すと、2
−アミノスピロ(1,3−オキザゾリン−5,3′)キ
ナクリジン1−メチルピペリジン−4−スピロ−4′−
(2′−メチル−1′,3′−オキザゾリン)になる。 【効果】 上記化合物を含有する薬剤組成物は、中枢お
よび末梢神経系疾患の治療のために有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は4−および5−スピロ
(1,3−オキザゾリンおよび1,3−チアゾリン)に関
するもので、このオキザゾリンまたはチアゾリンにスピ
ロ連結している環は1つの窒素原子を有する橋かけ型ま
たは非橋かけ型の飽和複素環式のものである。本発明は
また、このようなスピロ化合物を含有する薬剤組成物に
関するものである。これらの化合物は、スピロ化合物あ
るいは薬剤組成物を用いる中枢および末梢神経系疾患の
治療のためにも有用である可能性がある。
【従来の技術】オキサチオラン環がスピロ状にキナクリ
ジン環と連結している新規スピロキナクリジン化合物
は、たとえば1986年12月17日公告の欧州特許出願No.020
5247A2や米国特許No.4,855,290(1989年8月8日公布)、
米国特許No.4,981,858(1991年1月1日公布)、米国特許
No.4,900,830(1990年2月13日公布)、米国特許No.4,8
76,620(1989年10月24日公布)に記載されているので、
参考のためこれらのすべての内容もここに併せて記載す
る。これらの新規化合物は、すでに中枢神経系活性を有
することが発見されている。この2−メチルスピロ
(1.3−オキサチオラン5',3)キナクリジン化合物
は、2−メチル基がオキサチオラン環と同じに、キナク
リジン環の窒素原子と同じ側にある(シス)か、あるい
は(トランス)かにより、幾何学的なシス異性体あるい
はトランス異性体として存在するが、その生物学的活性
については、すでに特に広汎に研究されており、病状発
現前のテストをベースにしてシス化合物(コードNo.AF1
02B)の方がアルツハイマー型老人性痴呆症(SDA
T)の抑制に特に有望であることが発見されている。ま
た、このシスおよびトランス異性体のいずれも光学的に
変形されるかも知れないとの興味があり、光学的異性体
の生物学的活性についても数多くのケースについて研究
が行なわれている。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
上述のスピロ−オキサチオラン/キナクリジン化合物と
は著しく異なる新規の4−および5−スピロ−1,3−
オキサゾリンおよび−1,3−チアドリン化合物を提供
することにある。さらに本発明の目的、特に有用な薬剤
組成物ならびにそれによる病気治療の提供に関しては、
以下の記載により明らかにされるであろう。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は[化51]の概略
の構造式(I)および(II)を有する新規化合物を提供
するものである。
【化51】この新規化合物には、鏡像異性体、ラセミ化合
物、酸付加物ならびにその4元素からなる塩も含まれ
る。そしての構造式(I)のQは(CH2)mまたはC(C
3)2で、六員環の1',4'または1',5'の位置に接して
おり、構造式(II)のQは2つのの水素原子,(CH2)
mまたはC(CH3)2であり、nは1,2または3であ
り、nとpはそれぞれ別々に0,1,2または3であり、
その場合n+P=1−3であり、R°は水素,メチルま
たはヒドロキシルである。[化1]の部分は、[化2]
または[化3]を意味し、
【化1】
【化2】
【化3】Rは水素,NH2,NH−C1-6−アルキル、N
(C1-6−アルキル)2、C1-6−アルケニル、C3-7−シ
クロアルキル、1−6ハロゲン原子置換のC1-6−アル
キル、ヒドロキシ−C1-6−アルコキシ−C1-6−アルキ
ルチオ、C1-6−アルコキシ−C1-6−アルキル、カルボ
キシ−C1-6−アルキル、(C1-6−アルコキシ)カルボ
ニルC1-6アルキル、アミノ−C1-6−アルキル、モノ
(C1-6−アルキル)アミノ−C1-6−アルキル、ジ(C
1-6−アルキル)アミノ−C1-6アルキル、2−オキシ−
ピロリジン−1−キシル−メチル、アリル、ジアリルメ
チロール、および1ないし2のアリル基で置換されたC
1-6アルキルである。R'は、Rとは無関係に上記Rが選
ばれる基の中から選ばれる外、C1-6−アルカノイルお
よびアリルカルボニルからも選ばれる。アリルは非置換
フェニルまたは水素,C1-6−アルキル、C1-6−アルコ
キシおよびCF3の中から選ばれた1−3置換フェニル
を意味するが、ただし、構造式(II)の場合には、次の
(i),(ii),(iii),(iv)の条件がつく。すなわ
ち、(i)Qが2つの水素原子、n=p=1,R°が
H,RがNH2,R'がメチルである場合には、[化1]
の部分は[化5]以外でなくてはならない。
【化5】(ii)Qが2つの水素原子、n=P=1、R°
が水素,Rがフェニルである場合には、R'は第3ブチ
ル以外でなくてはなならない。(iii)Qが2つの水素,
n=P=1、R°が水素,RがP−クロロフェニル、
R'が第三級ブチルである場合には、[化1]の部分は
[化7]以外でなくてはならない。
【化7】(iv)Qが2つのH,n=P=1,R°が水
素,Rが3,5−ジクロロフェニル、R'が第3ブチルで
ある場合には、[化1]の部分は[化5]以外でなくな
てはならない。本発明によるスピロ化合物は、上述した
ものとは異なり、光学的異性を示すものであり、ごく稀
に幾何学的異性をも示すものである。光学的異性は、R
および/またはR'が非対称であり、および/または環
ヘテロ原子としてただ1つの窒素を含有するスピロ環が
スピロ結合に関して非対称である場合によく見られる。
上記定義による[化51]の構造式(I)および(II)の
化合物は新規なものである。[化51]の構造式(II)の
化合物において、Qが2つの水素,n=P=1,R°が
水素,RがNH2,R'がメチル、そして[化1]の部分
が[化5]である場合には、この化合物はHarnden と
Rasmussen (J.Med.Chem. 1970年,23:305−306頁参
照)がCNS興奮活性について試験した化合物である。
しかし、かれらが最も活性のあるものとして選びだした
5つの化合物の中には、これは含まれていない、[化5
1]の構造式(II)の化合物において、Qが2つの水素
原子、n=P=1,R°が水素,Rがフェニル、R'が
第三級ブチルの場合には、この化合物は、Q,n,p,
R°,R'が上記の通りであり、RがP−クロロフェニ
ルであるものが知られている。また、[化1]の部分が
[化13]のいずれかであるか、
【化13】またはRが3,5−ジクロロフェニルである化
合物、あるいは[化1]の部分が[化5]である化合物
も知られている(Jones 他、J.Chem.Soc.(B)1308-
1315頁,1971年参照)。 しかし、これらの生物学的活性に
ついては報告されていない。本発明による薬剤組成物に
おいては、上記のただし書き(ii),(iii),(iv) は該当し
ないという点が評価されるべきである。欧州特許出願N
o.0337547A1(1989年10月18日公告)には、[化52]の
構造式をもった化合物が精神病性異常、初老性ならびに
老人性痴呆、その他の生理的疾患の治療に有用といわれ
ている次の化合物が開示されている。
【化52】なお、この[化52]の構造式にみられる破線は
2つの位置のうちの1つにおける任意の結合を表してい
る。Aは[化53]の構造式のものである。
【化53】(ここで、R1,R2はそれぞれ別個に水素また
は特定の置換基、Vは[化16]または[化17]、
【化16】
【化17】Wは特殊の置換基で置換されたO,SまたはN
Hである)。Qはアザ環式またはアザ二環式系の残基で
ある。X,Y,Zのうち2つはそれぞれ別個にO,S,N
の中から選ばれ、残りの1つはCであるか、あるいはY
についてはC=Oでもよい。この文献は生物学的試験結
果についてはなにも述べていない。しかし、開示されて
いる化合物(特定はされていない)のうちのいくつかの
ものは5−HT3受容体(レセプター)に対する親和性
を示したと述べている。この文献は、上記の記号Q,
X,Y,Zで示した構造式の一部を本質的な二環式遊離
基Aと組み合わせて置きかえてみたとき得られる数多く
の構造式の中から、特定のものを1つだけを選びだす際
に必要な、生物学的活性に基づいた指示については、な
にものも与えていない。[化51]の構造式(I)の場合
の橋かけ環の例としては、1−アザ二環〔2,2,1〕
ヘプタン、7,7−ジメチル−1−アザ二環〔2,2,
1〕ヘプタン、1−アザ二環〔2,2,2〕オクタン
(キナクリジン)、1−アザ二環〔3,2,2〕−ノナ
ン、1−アザ二環〔3,1,1〕ヘプタン、7,7−ジ
メチル−1−アザ二環〔3,1,1〕ヘプタン、1−ア
ザ二環〔3,2,1〕オクタンおよび1−アザ二環
〔3,3,1〕ノナンがある。[化51]の構造式(II)
の場合、オキザゾリンまたはチアゾリン環とスピロ状に
結合する環の例としては、Qが2つの水素原子のときに
はピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミンがあ
り、Qが上記以外のときには、5−アザ二環〔2,1,
1〕ヘキサン、6,6−ジメチル−5−アザ二環〔2,
1,1〕ヘキサン、7−アザ二環〔2,2,1〕ヘプタ
ン、8−アザ二環〔3,2,1〕オクタン、6−アザ二
環〔3,1,1〕ヘプタン、7,7−ジメチル二環
〔3,1,1〕ヘプタン、8−アザ二環〔3,2,1〕
オクタン、9−アザ二環〔3,3,1〕ノナン、7−ア
ザ二環〔4,1,1〕オクタン、8,8−ジメチル−7
−アザ二環〔4,1,1〕オクタン、9−アザ二環
〔4,2,1〕ノナンおよび10−アザ二環〔4,3,
1〕デカンがある。さらに、[化51]の構造式(I)お
よび(II)において記号R°で示したように、これらの
環系ではいずれもメチルをOHによる環置換が可能であ
る。本発明によるスピロ化合物は中枢神経系ならびに末
梢神経系活性を有する。前述した[化51]の構造式
(I)の化合物においては、Rは水素,NH2,NH−C
1-6−アルキル、N(C1-6−アルキル)2、C1-6−アル
キルまたはアリルであり、R1は水素またはメチルであ
る。前述の[化51]の構造式(II)の化合物では、Rは
H,NHC1-6アルキル、N(C1-6−アルキル)2,C
1-6−アルキルまたはアリルであり、R'は水素またはメ
チルである。本発明の普遍性に対し先入観なしにいえ
ば、これらの化合物の見本は次の通りである。 2−アミノスピロ(1,3−オキザゾリン−5,3')
キナクリジン 2−メチルスピロ(1,3−オキザゾリン−5,3')
キナクリジン 2−エチルスピロ(1,3−オキザゾリン−5,3')
キナクリジン 2−フェニルスピロ(1,3−オキザゾリン−5,
3')キナクリジン 1−メチルピペリジン−4−スピロ−4'−(2'−メチ
ル−1',3'−オキザゾリン) 1−メチルピペリジン−4−スピロ−4'−(2'−エチ
ル−1',3'−オキザゾリン) 2−メチルスピロ(1.3−オキザゾリン−5,4')
−1'−メチルピペリジン 2−メチルスピロ(1,3−チアゾリン−5,4')−
1'−メチルピペリジン 2−エチルスピロ(1,3−オキザゾリン−5,4')
−1'−メチルピペリジン これに、鏡像異性体、ラセミ化合物、酸付加物およびそ
の第四級塩も含まれる。さらに本発明は、哺乳動物の中
枢神経系ならびに末梢神経系疾患の治療に有用な薬剤組
成物を提供するものである。この場合、本発明によるス
ピロ化合物のうちの少なくとも1つを用いる際に有効な
量に特徴がある。また、本発明は哺乳動物の中枢ならび
に抹消経系疾患の治療方法についても提供する。この場
合、これらの疾患の治療に本発明によるスピロ化合物の
うちの少なくとも1つを用いる際に有効な量を管理する
ことに特徴がある。前述したように、ただし書き(i
i),(iii),(iv)にはこのような組成物ならびに方法
については全く記載がない。 [化51]の構造式(I)のオキザゾリン化合物の製造 上記[化51]の構造式(I)のスピロ化合物はオキザゾ
リンまたはチアゾリン環を形成する反応によって製造さ
れる。例示すれば、Q=(CH2)nでn=2の場合、
この環化反応をおこさせるのに適した物質は[化54]お
よび[化55]の反応によって製造する。
【化54】
【化55】注目すべき点として、[化55]では、ナトリウ
ムアジドと3−メチレンキナクリジンのエポキサイドと
が水溶液での反応の結果、ただ1つ、3−アジドメチル
キナクリジン−3−オールを生成し、これな湿った活性
ラニー・ニッケルを窒素の発生が終わるまで添加すると
所望の化合物が形成されるのである。[化55]の主な利
点は、次の通りである。 (a) 中間物を取り出す必要がない。 (b) 触媒の水素含有量が充分なので、水素化装置を必
要としない。 驚くべきことに、これらの反応系のいずれにおいても3
−アミノメチル生成物はカルボン酸RCOOHによって
容易に縮合し、スピロの化合物を生成することが発見さ
れた。これに対し、これまではアミノアルコールとカル
ボン酸の縮合によるオキザゾリンの生成は、アミノアル
コールをNH2がついている炭素原子と完全に置換した
ときにのみ円滑に進行するものと信じられてきたのであ
る。〔「オキザゾリン,その製造,反応および装置」、
J.A.Frunp,Chem.Rev.71号,483−505頁,197年,参照〕。
対応するイミデイトRC(:NH)−0−アルキルをカ
ルボン酸RCOOHの代わりに使用することも可能であ
る。橋かけ環がたとえばキナクリジンの場合、[化51]
の構造式(I)の化合物を生成するための反応は次の通
りである。
【化56】スピロキナクリジン化合物を得るためには、た
とえばn=2,R=NH2の場合には臭化ジシアンと3
−アミノメチルキナクリジンを反応させるのが好まし
い。上述の方法は、X=O,Y=Nの場合における本発
明の化合物の製造には有効である。しかし、X=N,Y
=Oの場合における本発明の対応する(a)群の化合物
の整合に同様の方法を用いるためには、開始物質として
は3−アミノ−3−ヒドロキシメチルキナクリジンが適
当である(説明すると、オキザゾリンにスピロ結合する
環はキナクリジンである)。この出発物質は、たとえば
次の[化学57]によって製造される。
【化57】[化51]の構造式(II)のオキザゾリン化合物
の製造 前記[化51]の構造式(II)のスピロ化合物は、飽和の
窒素だけの環系を含有し適当に置換された化合物と、オ
キザゾリン環の生成に効果のある反応剤とを反応させて
製造する。したがって、たとえば適当な開始物質として
は4−アミノメチル−1−メチルピペリジン−4−オー
ルがあり、これは[化58]の場合のように、たとえば4
−ニトロメチル−1−メチルピペリジン−4−オールの
塩酸塩から、あるいは[化59]の場合のように4−アジ
ドメチル−1−メチルピペリジン−4−オールから製造
される。
【化58】
【化59】注目すべき点として、[化59]の場合、ナトリ
ウムアジドと4−メチレン−1−メチルピペリジンのエ
ポキサイドとの水溶液での反応は、ただ1つ4−アジド
メチル−1−メチルピペリジン−4−オールのみを生成
するが、一方、後者に湿った活性ラニー・ニッケルを、
窒素の発生が終わるまで添加すると、所望の化合物が生
成するのである。[化59]の主な利点も、[化55]のと
ころで述べた通りである。驚くべきことに、これらの反
応図のいずれにおいても、得られた3−アミノメチル生
成物は容易にカルボン酸RCOOHと縮合してスピロ化
合物を生成することが発見された。これに対し、これま
では、アミノアルコールとカルボン酸の縮合はアミノア
ルコールをNH2がついている炭素原子と完全に置換し
たときにのみ円滑に進行するものと信じられてきたの
である。〔“オキザゾリン,その製造,反応および応
用”、J.A.Frump,Chem.Rev.71,483-505頁,1971年,
参照〕。対応するイミデートRC(:NH)−0−アル
キルも、カルボン酸RCOOHの代わりに使用可能であ
る。[化51]の構造式(II)の化合物を生成する反応
は、(たとえばスピロオキザゾリン/ピペリジンの場
合)[化60]の通りである。
【化60】 しかし、R=NH2の場合にスピロ化合物を得るために
は、臭化ジシアンを、たとえば4−アミノメチル−1−
メチルピペリジン−4−オールと反応させるのが好まし
い。[化60]の方法は、[化1]が[化5]である場合
に本発明の化合物を製造するのには有効であるが、[化
1]が[化21]である場合に、
【化21】 本発明の化合物を製造するのにこの方法を適用するため
には、出発物質としては4−アミノ−4−ヒドメキシメ
チル−1−メチルピペリジンが適当である(説明する
と、オキアゾリンにスピロ結合する環はピペリジンであ
る)。この出発物質と最終物質は、たとえば[化61]ま
たは[化62]のように製造される。
【化61】
【化62】 オキザゾリン化合物(I)および(II)の製造 , [化1]が[化3]または[化24]である場合、
【化24】 これらの化合物ならびにオキザゾリン類似物は、たとえ
ばチアゾリンまたはオキザゾリンにスピロ結合する環が
ピペリジンまたはキナクリジンであるとき、次の[化6
3]および[化64]により製造することができる。
【化63】
【化64】 さらに、対応するエポキサイドまたはチオエポキサイド
の製造法、ならびにこれを適当なニトリルと反応させる
方法も含まれており、この方法はオキザゾリンまたはチ
アゾリン環にスピロ結合する環が、たとえばピペリジン
またはキナクリジンである場合について次の[化65]に
示す通りである。
【化65】 [化51]の構造式(I)および(II)の化合物には。そ
の付加塩および第四級塩も含まれる。そのことはこの化
合物が、本発明の主体を形成している場合、本発明によ
る薬剤組成物中に含まれている場合、あるいは本発明に
よる方法に用いられている場合を問わない。たとえば、
薬剤用の酸付加塩には、塩酸、臭化水素酸、フマル酸、
マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、醋酸、ク
エン酸、酒石酸、ジベンゾイルD−およびL−酒石酸、
ジトルオイルD−およびL−酒石酸、サリチル酸、炭
酸、アスパラギン酸、グルタミン酸などから作られるも
のも含まれる。本発明によるスピロ化合物が光学的活性
を有する場合には、そのラセミ化合物をジベンゾイルL
−またはD−酒石酸やジトリルL−またはD−酒石酸の
ような光学的活性の酸を用いて分割することができる。
少なくともRがメチルである場合の本発明によるスピロ
化合物は、本質的に活性ムスカリンアゴニストである。
これらの化合物は、その薬理的性質により、コリン作動
システムが機能低下している中枢のコリン作動機能を活
性化するものである。本発明によるスピロ化合物は、一
般に次のような疾患の治療に有用である。すなわち、初
老期痴呆ならびに老人性痴呆、アルツハイマー型老人性
痴呆症(SDAT)、非定形アルツハイマー病(Perry
他、Advances in Neurology,eds,R,J,Wurtman 他、
51-41頁,1990年)、マルチインフラクト痴呆症とアルツ
ハイマー病の複合疾患、年令に伴う記憶損傷(AAM
I)、急性錯乱異常、情緒ならびに注意異常、緩歩性運
動障害、増動、アルツハイマーとパーキンソン合併症、
失語症、幻覚状態、脳炎後健忘症候群、アルコール禁断
症状、ハンチントン舞踏病、ピック病、フリードリヒ運
動失調症、トウーレット病、ダウン症候群などである。
というのは、これらの疾患はすべて、少なくともある程
度までは、中枢コリン機能低下に密接に関係した障害で
あるからである。また、本発明によるスピロ化合物は鎮
痛剤でもあり、したがってリューマチ、関節炎、末端疾
患のような激痛を伴う病気の治療にも役立つ。Rがメチ
ルである場合の本発明によるスピロ化合物は、SDAT
ならびにこれに付随する変調に特に有用である。本発明
によるスピロ化合物は、以下の組み合わせ、ないし添加
によっても使用される。すなわち、フィゾスチクミンま
たはテトラヒドロアミノアクリジンのようなアセチルコ
リン・エステラーゼ抑制剤との組み合わせ;コリンまた
はレシチンのようなアセチルコリン前駆物質との組み合
わせ;ピラセタン、アニラセタン、オキシラセタン、プ
ラミラセタンのような“ヌートロピック”薬剤への添
加;4−アミノビリジンまたは3,4−ジアミノピリジ
ンのようなCa2+チャンネルと相互作用する化合物への
添加;ソマトスタチンのようにアセチルコリンの放出を
調整する効果をもつペプチドへの添加;唾液分泌、下
痢、胃液分泌、高放射線量により起こる嘔吐のような末
梢の副作用を中和するための末梢抗ムスカリン剤(たと
えばピレンチピン、N−メチルアトロピン、N−ブチル
スコポラミン、プロパンセリン、メサンセリン、グリコ
ピロレート、トロペンチリウム)との組み合わせ;悪心
(吐き気)、嘔吐を中和するための 商品名「スコポダ
ーム」(Scopoderm)のようなトランスデルマル・スコ
ポラミンとの組み合わせ;SDAT,AAMI,SDA
+パーキンソン病としばしば一緒な見られる認識力低下
や憂鬱症候群を和らげるための、ノルトリプチリン、ア
ミトリプチリン、イミプラミン、ミナプリンのような抗
鬱剤との組み合わせ;高放射線量のために生じる末梢の
副作用を中和したり、中枢抑制シナプス前および後のレ
セプターにおけるこのようなアゴニスト(作用物質)の
抑制効果を中和したり、M2型の自己抑制レセプターを
経てインタクトターミナルにおいてアセチルコリンの放
出を高めたりするための、セコバリン、AFDX−116
(Hammer 他、LifeSci.,38号:1653頁,1986年参照)
のようなM2−抗ムスカリン剤との組み合わせ;脳のニ
コチンおよびムスラリンレセプターを刺激するための、
ニコチンアゴニストとの組み合わせ;SDATのコリン
−ノルアドレン欠乏と関連する認識その他の障害を改善
するための、アドレンアゴニスト(クロニジンまたはカ
ンファミシン)との組み合わせ;SDATの認識その他
情緒機能を改善するための、アラプロクレート、ジメリ
ジンのような神経セロトニン抑制剤との組み合わせ;S
DAT/PDのような合併症に伴う認識、その他運動障
害を改善するためのデプレニルのようなモノアミンオキ
シダーゼ−B抑制剤との組み合わせ;神経成長因子(Ne
rve Growth Factor)(NGF;鼻腔スプレーまたは
脳室投与による)との組み合わせである。本発明による
スピロ化合物は、単独または上記活性物質と組み合わせ
て投与されるが、その方法を例示すると、適当な希釈剤
または担体に含ませて座薬の形で肛門から直腸へ投与す
る方法;適当な賦形剤を用い、単独またはフィソスチグ
ミンやテトラヒドロアミノアクリジンと併用して、たと
えば米国特許No.2163347(1988年11月29日公布)の主題
となっている装置を用いて散布あるいは鼻腔スプレーす
る方法がある。また、本発明のスピロ化合物は、特にR
=メチルの場合、緩やかな局所活性を有する持続性コリ
ン剤の使用が求められる疾患の治療に有用である。この
場合のコリン剤は緑内障のような病気に用いられるもの
である。というのは、このスピロ化合物は、たとえばア
セチル−、ブチリル−コリンエステラーゼのようなアセ
チルコリンを非活性化するような酵素によっても破壊さ
れないからである。また、重症筋無力症、肪胱機能異
常、Adi病、Eaton-Lambert 病のような末梢コリン異
常の治療にも、本発明のスピロ化合物は有用である。さ
らにこの化合物は、薬剤によってコリン活性が押さえら
れ神経症にも使用できる。本発明によるスピロ化合物
は、特にRがC3-6の場合には抗コリン剤となり、そり
が自然発生的であるか薬剤によるものかを問わず、コリ
ン機能の高進による疾患の治療に使用される。すなわ
ち、PD、疑似PD、AD/PD合併症、初期緊張異
常、ケイレン性斜頸、頭蓋緊張異常、うつ病、運動疾
患、静止不能、頭部傷害、緩歩障害、PD躁うつなどの
治療において、ちょうどアセチルコリンステラーゼ抑制
のようなアセチルコリン過剰に起因する中毒の場合のス
トロピン、スコポラミン等に代る補助剤として、その使
用が考えられている。また、この化合物は眼科で長時間
あるいは短時間の瞳孔拡大が必要なときにも使用され
る。本発明によるスピロ化合物は、喘息、常習閉塞性肺
疾患、消化性潰瘍のような過度の末梢的活性を特徴とす
る病気の治療にも使用される。これら末梢異常の場合に
は、[化66]構造式(Ia),(Ib) ,(IIa) に示す第四級
塩の使用が好ましい。
【化66】 第三級窒素は、R”で第四半分されており、R”は、た
とえば低級(C1-6)アルキル、フェニルのようなアリ
ル、ベンジルのようなアリル置換C1-6アルキルなどで
ある。
【実施例】次に、本発明の実施例を以下に説明するが、
ただし、これに限定されるものではない。実施例12−メチル−スピロ(1,3オキザゾリン−
5,3')キナクリジン (a) 3−ニトロメチルキナクリジン−3オール キナクリジン−3−オール(125g、ノモル)を共沸蒸溜
(トルエン中の40%重量)して水分を除き、3lの撹拌
機つきフラスコに移してこれに1lのナトリウムエトキ
シドメタノール液を加え、透明に溶解するまで15〜20℃
で撹拌を続ける。次に、これに61g(1.0モル)のニト
ロメタンを500mlの無水アルコールに溶解したものを、
温度を20℃以下に保ちながら30分以上かけて添加する。
得られた溶液をHCl−イロプロパノールでpH=1にまで
酸性にし、濾過、乾燥すると、160gの粗生成物が得ら
れた。これは次の段階へと使用される。1 H−NMR(D2O,DSS)(HCl塩): 3.79(A
B型スペクトルの一部としてのD,CH2NO2のうちの
1つのH)、3.38−3.33(m,7H)、2.36−1.95
(m,4H) (b) 3−アミノメチルキナクリジン−3−オール (i) 3−ニチロメチルキナクリジン−3−オールの還元
による 3−ニチロメチルキナクリジン3−オール塩酸塩のメタ
ノール溶液を活性炭中10%のPdを触媒として還元する
と、3−ニチロメチルキナクリジン−3−オールのHCl
塩が生成する。これをメタノール−インプロパノールで
再結晶化すると、白結晶の製品が得られた。 (ii) アジド経由 3−メチレンキナクリジンエポキサイド(25g,0.18モ
ル)とナトリウムアジド(20g,0.3モル)を50mlの水
に溶かす。これを室温で一晩撹拌した後、クロロホルム
(2×200ml)で抽出し、得られた抽出物を蒸発により
濃縮する。この3−アジドメチルキナクリジン−3−オ
ールの油状残渣を水に溶かし、これに活性ラニーニッケ
ルを窒素の発生が終わるまで、少しづつ加えていく(35
g)。得られた混合物を路かした後、蒸発により濃縮し
残渣をインプロパノールで再結晶すると、9gの3−ア
ミノメチルキナクリジン−3−オールが得られた。 m
/zM+156,ベースピークm/e139(M−NH3)、およ
びm/Z96,これはキナクリジン骨格の典型である。1 H−NMR(D2O,DSS(遊離塩基):(遊離塩
基): 1,3−2.0(5H);2.3−(8H)(二価塩
酸塩): 1,8−2.4(m,5H);3.2−3.5(m,
8H) この二価塩酸塩の1H−NMRは遊離塩基とはことな
り、所期の構造通りに窒素(たとえば6.25−2.9から3.3
−3.5ppm)に隣接する炭素に6個の水素がダウンフィー
ルドシフトをとっている。 (c) 2−メチル−スピロ(1,3オキザゾリン−5,
3')キナクリジン(AF125) (i) エチルアセタミド法 3−アミノメチルキナクリジン−3−オキザゾリン(9.1
g,0.058モル)を500mlのジクロロメタンに溶解し、こ
れにエチルアセタミデート−HCl塩(14g,0.11モル)
を加え、5℃で6時間撹拌する。次にこの溶液をDowex
1でアルカリ性にして濾過した後、溶剤を蒸発させると
油状の残渣が得られる。これを60〜65℃/0.5mmHgで蒸
留し、無色液状のAF125を得た。 m/z(M+)181ベースピーク、139(M−CH3
N)。1 H−NMR(CDCl3−TMS):δ1.97(dd,3
H)(J=1,3H2);2.8−2.9(m,1H);3.14
(d,1H)(J=12HZ);3.5(dd,1H)(J=
13HZ) 3.96(dd,1K)(J=13H2,1.3HZ) スピンデカップリング実験を含む1H−NMRの場合に
は、C2,C9およびメチルグループに隣接するHの働き
が可能になる。C9に隣接する各Hでは、2つの二重線
(J=13H2ゼミナルカップリング)ならびにメチルグ
ループ(J=1.3H2)とのホモアリリックカップリング
が見られる。1.97(メチルグループ)に照射すると、ホ
モアリリックカップリングは3.5および3.9ppm、ならび
にその逆でも消失する。3.5に照射すると、H9aおよび
9bのゼミナルカップリングに起因する3.96ならびに
その逆で信号が出る。
【化67】 13C−NMRスペクトル(CDCl3の)が提供する情報
は多く、適合するCへ重要な共鳴の働きを与えることが
できる。13 C−NMRスペクトル(CDCl3−TMS);δ13.2
(CH3);20.5(CH2CH);21.5(CH2CH);3
0.0(CHCH2);45.3,45.7(CH2CH2N);62.
2,64.2(CH2N);84.9(COCH2);165(CCH
3) QC(ワンピーク);カラム、25m.,直径,0.2mm,パ
ッキング,5%フェニルメチルシリコン;ディテクター
タイプ,FID;温度;カラム,125℃,ディテクタ
ー,220℃,担体ガス:N2・0.7mリットル/分;保持
時間:6.2分 (ii) 醋酸法 3−アミノメチルキナクリジン−3−オール(10g)を
醋酸(50ml)に溶かし、キシレンで30時間共沸蒸留し、
その溶液を冷却後冷たい炭酸カリ水溶液でアルカリ性に
する。次いで有機層を乾燥し蒸発させると、5.2gの粗
生成物が得られる。これを減圧(60−65℃/0.5mmHg)
で蒸留すると無色の液体となり、冷却すると固化した。
得られた化合物は、(c)(i)の方法で得たAF125と全く同
じ性質のものであった。 (d) AF125の光学分割 (前おき注:旋光度を決めるのに用いる偏光計には信頼
できない可能性があるので、光学異性体の純度は、。こ
こでは下記のように1H−NMRを用いて評価した。) AF125(15.5g,0.085M)をアセトン(150ml)に
溶解したものを冷却し、これに撹拌しながらジベンゾイ
ル−L−酒石酸(18.8g,0.05モル)を滴下すると、直
ちに結晶が析出する。この沈澱した塩を集めて温かいイ
ソプロパノールに溶解して精製し、さらにこれを冷却
し、液が混 するまでエーテルを添加する。この操作を
もう1回繰り返すことにより、一定の旋光度〔a〕D20
・−28+(MeOH):m・p145°の製品が得られた。
同様の方法で、AF125(14.74g,0.08M)および
対応する酒石酸であるジベゾイル−D−酒石酸(17.76
g,0.047M)から出発して、他の鏡像異性体に対応す
る塩を得ることもできた。結晶化操作を3回繰り返した
結果、〔a〕D20+26°(MeOH);m・p145°の結
晶が得られた。同様の方法で、AF125(14.74g,
0.08M)および対応する酒石酸であるジベゾイル−D−
酒石酸(17.76g,0.047M)から出発して、他の鏡像異
性体に対応する塩を得ることもできた。結晶化操作を3
回繰り返した結果、〔a〕D20+26°(MeOH);m
・p145°の製品が得られた。上記の製品のそれぞれの
遊離塩基は、それぞれの塩をK2CO3の10%溶液で中和
し、クロロホルムで数回抽出を繰り返して得た。ベゾイ
ル−D−酒石酸から作った遊離塩基は、〔a〕D20=−
43°(MeOH)をもっており、一方、ジベゾイル−L
−酒石酸の塩から作った遊離塩基は〔a〕D20+36°
(MeOH)をもっていた。上記したように、鏡像異性
体の光学純度は1H−NMRで示している。したがっ
て、AF125の1HNMRスペクトルは、光学的純度
分割(S)(+)2.2.2.トリフルオロ−1−(9
−アンスリル)−エタノールの存在下にあるラセミ化合
物と同様、2つの光学異性体が存在することを示してい
る。C2についているHのうちの1つのHのケミカルシ
フト(C66中)の差で、AF125の光学純度を決定
することが可能である。それぞれの鏡像異性体は、C2
についているHのうちの1つに対してはただ1つの二重
線(AB型スペクトルの半分)が存在することを示して
いる。実施例22−エチルスピロ(1,3オキザゾリン5,
3')キナクリジン(AF123) 実施例1(c)と同様に題記の製品は、3−アミノメチル
キナクリジン−3−オールとプロピオン酸を縮合した
後、キシレンの中で共沸蒸留すれば生成する。AF12
3粗生成物の精製は、減圧下の真空蒸留によって行な
う。1 H−NMR(CDCl3−TMS):δ4.0(d1,1
H)(J=13H2);3.55(d,1H)(J=13H2);
3.1(d,1H);2.7−2.9(m);(g,2H)(J
=7.5H2,CH2CH3):1,1(t,3H)(J=7.
5H2,CH3)GC(AF125の場合と同じ条件;ワ
ンピーク):保持時間、8.86分。実施例32−アミノ−スピロ(1,3−オキザゾリン
−5,3’)キナクリジンAF125(N) アミノオキザゾリン誘電体AF125(N)は多電子オ
キザゾリン環の一例である。というのは、アミノの窒素
が二重結合と共役しているため、[数1]のようにイミ
ノの窒素のマイナス負荷が強くなるからである。
【数1】N=C−NH2<−−>-N−C=+NH2<=
>NH−CNH 3−アミノメチルキナクリジン−3−オール(6g)と
臭化ジシアン(3.5g)をメタノール(200g)に溶か
す。これを室温で5時間撹拌した後、真空で濃縮する。
この残渣を、溶離剤として多系溶剤(1.5:1.0:2.0:
0.6CHCl3/エーテル/メタノール/NH4OH)を用
いてアルミナカラム(300g)で精製する。その結果、
ほぼ純粋の溜分450mgが得られ、最終的にはアセトンと
一緒にに粉砕することにより純粋の結晶物質を得た。m
・pは135−136°であった。1 H−NMR(CDCl3−TMS):δ3.83、3.43、3.2
(3つの二重線、3H、Hb、そしてHC、J=0.048
2);(m,5H);1.9(b,2H);1.5(m,
3)。 FAB−MSは分子イオン(M+1)+182を示す。実施例42−フェニル−スピロ(1,3−オキザゾリ
ン−5,3')キナクリジン AF125(Ph) 3−アミノメチルキナクリジン−3−オール(2g,0.
01モル)とエチルイミド安息香酸塩・塩酸塩(2g,0.
01モル)をエタノール(200ミリリットル)中に懸
し、室温で24時間混合する。次いで濾過し、蒸発により
濃縮した後、この粗製残渣をNaHCO3でアルカリ性
にし、ジクロロメタンで抽出する。有機抽出分を蒸発に
より濃縮し、その粗製残渣を溶離剤として多溶剤(1.
0:1.0:0.026CHCl3/エーテル/メタノール/327
アンモニア水)を用い、アルミナカラム(30g、直径1.
5cm)で精製する。得られた製品は素早く溶離する(40m
l後)。これを加熱せずに溶剤を蒸発させ、白い固体を
得た・m・pは65−70℃であった。1 H−NMR(CDCl3):δ7.955(2H)、7.72(2
H)、4.16(d,1H)、3.73(d,1H)、3.26(d,
1H)、2.93(d,1H)および(t,2H)、2.2 (m,1H)、1.6−1.52(m,3H)ppm1R(CHCl
3)2920,2900,2850sh、1640sh、1630,1625sh、10
70,1050,1035,1005,965cm-1。 m/z:242(60%)〔M+〕、198(30%)、171(12
%)、149(10%)、139(50%)、124(17%)、122
(20%)、121(20%)、117(30%)、111(12%)、10
5(33%)、96(100%)、82(50%)、69(42%)、5
5(36%)。 構造式(I)の化合物の化学的・物理的性質 これらの化合物の大部分は比較的安定でる。たとえばA
F125は熱に対して安定で、130℃で蒸溜しても分解
しない。その化学的挙動は既知の2−オキザゾリン誘電
体のそれと似ている。その遊離塩基は、水溶液にした場
合数時間でわずかに分解しはじめ、時間と共に激しくな
る。その場合、分解生成物の発生状況は、δ3.3−3.5
(2つの二重線が出現)と1.9−2.0ppm(もう2つの一
重線が出現)という2つの領域での検査により1H−N
MRを用いてモニターすることができる。分解の予想さ
れるパターンとして、(たとえばXがO,YがNのと
き)、[化62]に示すようにアミドとエステルを作るた
めのオキザゾリン環の開環が起こる。この化学式では、
キナクリジン誘電体はイラスト的に描かれている。化学
式中の2つの構造でR=Mのとき予想されるように、δ
1.9−2.0で2つの新しい一重線が出現すればこの想定と
一致するものである。
【化69】 同じようなパターンの分解はR=Et(AF123)の
場合にも見られる。開環は塩酸の存在でより速く起こ
る。また、酒石酸塩酸とマンデル酸塩をテトラヒドロフ
ラン中で加熱すると部分分解が起こる点も注意すべきで
ある。このような塩はその分解傾向のため、AF125
やAF123のような化合物の光学的分割を難しいもの
にする。しかし、これもAF125の鏡像異性体の光学
的分解の場合に述べた方法を使えば回避することができ
る。或いはまた、3−アミノメチルキナクリジン−3−
オールのようなアミノアルコールの場合は、分割が可能
であり、その分割された鏡像異性体は、既に述べたエス
テルやイミデートを使用することにより還化することが
できる。或いはまた、たとえば3−アミノメチルキナク
リジン−3−オールのN−アクリル誘電体の場合も分割
は可能であり、分割された鏡像異性体は[化70]に示す
通り自分で還化する。
【化70】 この還化には、たとえばp−トルエンスルホン酸或いは
三フッ化ホウ素エーテルなどが使われる。 実施例5:2−メチル−スピロ(1,3−オキザゾリン
−5,4')−1'−メチルピペリジン (II;R=R'=メチル−AF150) (a) 1−メチル−4−ニトロメチルピペリジン−4−
オール塩酸塩 出発物質はA.D.Call(米国特許4,746,655,1988)の
方法を少し変えて使い、製造した。N−メチルピペリジ
ノン(142g,1.28)とニトロメタン(78.1g,1.28モ
ル)の混合物をナトリウムエトキシド(1.28モル)の20
%エタノール液へよく撹拌しながら添加する。この場
合、内部温度は5−8℃に保つようにする。白い固体が
沈澱するが、そのまま20分間撹拌を続け、さらに室温で
40分間撹拌する。得られた溶液を7.2N塩酸のイソプロ
ピルアルコール溶液で酸性にする。そして、メタノール
(3×200ml)で塩酸と無機塩を抽出し、溶剤を真空で
除去すれば、題記の化合物が得られた。 m・p.180−182℃(非吸湿性) m/z:174(遊離塩基のM+,100%)、 157(M−OH,20%)、 127(M−H−NO2,25%)、 113(M−No2−CH3,40%) (b) 4−アミノメチル−1−メチルピペリジン−4−ol
ハイドロクロライド メタノール(1500ml)にとかした1−メチル−4−ニト
ロメチルピペリジン−4−ol(133.5g)の溶液に、チャ
ーコール上のパラジウム(10%,4g)を部分的に加え
た。この混合物を、室温で圧力55psiで48時間、Paar中
で水素と化合させた。この溶液を注意深くろ過し、活性
炭で処理し、溶剤を取り除き、残留物をメタノール(20
0ml)を使って粉砕して表題の混合物、m.p.177−179℃
を得る。 m/z:144(遊離塩基のM+,15%),127(M-OH,25
%),114(M-CH2NH2,100%) (c) 2−メチル−ピロ(1,3オキサゾリン5,4')−1'−メ
チルピペリジン(AF150 メタノール(50ml)に溶かしたKOHの溶液(86%の1.
43g)を、無水メタノール(50ml)に溶かした4−アミ
ノメチル−1−メチルピペリジン−4−olハイドロクロ
ライド(3.61g,0.02mole)の溶液に加えた。10分間掻き
混ぜた後、20mlの無水メタノールに溶かしたエチル・ア
セチミデート・ハイドロクロライド(2.7g)の溶液を加
え、室温で30分間掻き混ぜ続けた。溶剤を取り除き、残
った固体を50mlの水に溶かした2.8gのNa2CO3の溶液
で溶かし、それを真空で濃縮して乾燥させる。この白い
固体は、2×50mlのクロロホルムで抽出され、活性炭で
処理し、乾燥し、(Na2SO4)、溶剤を取り除いて表題
の生成物(収率62.5%)、m.p.45℃(40℃/0.05mmHgで
昇華)をつくり、そしてCH3OH.Rf=0.4に溶かした
2%のNH3で溶出したシリカTCL上に単一の斑点が
できる。 m/z:168(遊離塩基のM+,7.5evで100%),1H−N
MR(300MH2,CDCl3):δ3.56(2H,qJ=1.5H
z),2.53(4H,m),2.34(3H,s),1.96(3H,
t,J=1.5Hz),1.82(4H,m)。 この例で使われたKOHを等量のNaOHまたはEt3
Nで置き換えても同様の結果が得られた。 (d) 2−メチル−スピロ(1,3オキサゾリン5,4')−1'
−メチルピペリジン・ジベンゾイル−D−タルトレート 500mlのトルエンに溶かしたジベンゾイル−D−酒石酸
(5.4g,15mmole)の熱した溶液を、200mlの乾燥トルエ
ンに溶かしたAF150(5.5g,32mmole)に掻き混ぜながら
加えた。沈殿物はそのままにして、上澄み液を静かに移
した。残った固体を3×100mlの乾燥トルエンで洗い、
圧力を下げて乾燥し、8.4g(収率80%)の白色のやや吸
湿性のある固体を生成した。 TCLクロロホルム/アルミナ(Merck Art 55
81)Rf=0.4 m/z:168(M+1 H−NMR(300MHZ,1.5mgNa2CO3/0.5mlD2
を含むD2O):δ1.95(s,6H,CH3−C),2.35
(s,6H,CH3−N),3.5(s,4H,CH2),5.7(s,
2H),7.5−8.2(M,1OH,芳香族系水素)。例62−エチル−スピロ(1.3−オキサゾリン−5.4')
−1'−メチルピペリジン(II:R=エチル,R'=メチ
ル) この混合物は、例5の混合物と同様に、エチル・アセチ
ミデート・ハイドロクロライドの代わりに、等量のエチ
ル・プロピオニミデート・ハイドロクロライドを用いて
調合された。生成物は、収率60.5%で、b.p.53℃/0.03
mmHgの液体の形で得られた。1 M−NMR(300MHZ,CDCl3):δ3.52(2H,
t,J=1.5HZ),2.47(4H,M),2.30(3H,s),2.
26[2H,四重(J=7),三重(J=1.5Hg)],1.86
(2H,m),1.72(2H,m,1.18(3H,t)。例71−メチルピペリジン−4−スピロ−4'−(2'
−メチル−1',3'−オキサゾリン(II:R=R'=メチ
ル−"AF151") (a) 1−メチルピペリジン−4−スピロ−5’−ヒダ
ントイン エタノール(150ml)に溶かした1−メチルピペリジン
−4−オン(36.44g,0.322mole)、水に溶かした炭酸
アンモニウム(93.0g,0.968mole)および水(82ml)に
溶かしたシアン化カリウム(25.8g,0.396mole)の溶液
の混合物を2.5時間60℃で加熱してらから、一晩室温で
放置し、1−メチルピペリジン−4−スピロ−5'−ヒ
ダントインを分離した。これは、ろ過されてから少量の
水、エタノールおよびエーテルで洗われ、結晶性の粉末
(27.0g)となる。ろ過液の濃縮と線上により二次生成
物(20.0g)ができた。この生成物はメタノール溶液か
ら結晶として得られた:m.p.265-275°(dec.)。 IR(KBr)3170(NH):1700(C=0)cm-1 m/z:183(M+/38%);71(100%)1 H−NMR(300MHZ,D2O):δ1.8(2H),2.06
(六重,2H),2.49(S−CH3),2.58(t,2H),3.
14(t,1H),3.20(t,1H)。 (b) 4−アミノ−1−メチルピペリジン−4−カルボ
ン酸 水(150ml)に溶かした1−メチルピペリジン−4−ス
ピロ−5'−ヒダントイン(9.75g,0.0533mole)と、水
酸化バリウム・八水和物(28.8g,0.00913mole)を3時間
オートクレーブ中で160℃で加熱した。このような4つ
のバッチの中身を混ぜ合わせ、沈殿した炭酸バリウムを
ろ過した。ろ過液は固体の二酸化炭素で中和われ、沈殿
物はろ過により取り除かれた。ろ過液は少量に濃縮さ
れ、4−アミノ−1−メチルピペリジン−4−カルボン
酸(収率95%で32.0g),m.p.275-280℃(dec.)となっ
た。 1R(KBr)3300,1655,1580cm-1 m/z:158(M+,90%);141(98%,M−OH);113
(12%,M−CO2H);96(100%);71(52%)1 H−NMR(300MHZ,C55N+D2O):δ1.2(m,
2H),1.48(s,CH3-),1.7(m,2H),1.9(m,
2H)2.0(m,2H)。 (c) 4−アミノ−4−ヒドロキシメチル−1−メチル
ピペリジン 乾燥テトラヒドロフラン(THF)(600ml)に溶かし
た水素化アルミニウムリチウム粉末(15.62g,0.412mol
e)を15分間還流しながら加熱し、その後4−アミノ−
1−メチルピペリジン−4−カルボン酸(31.0g,0.916m
ole)を乾燥粉末の形で、窒素気流中で、能率的に掻き
混ぜながら、部分的に加えた。添加完了後、この反応混
合物を4時間還流しながら加熱し、能率的に掻き混ぜな
がら、窒素気流中で0℃まで冷却し、水(20ml)、15%
のNaOH水溶液(20ml)そして再び水(10ml)を注意
深くゆっくりと加えて徐々に行なった。反応混合物はろ
過され、沈澱物は煮え立っているTHF(3×150ml)
で抽出された。このTHFろ過液と抽出物は混ぜ合わさ
れ、溶剤は25mmHgの減圧で取り除かれて、黄色の粘着性
の油(28.0g,収率98.9%)ができた。 1R(ニート)3320(NH),3200(br.OH),1587
(NH2),1468,1448cm-1m/z:144(M+,15%):12
7(M−OH);113,(M・CO2);96(100%);70
(41%)。1 H−NMR(300MHZ,CDCl3),δ1.41(m,2
H),1.60(m,2H),2.24(s,CH3−N),2.29
(m,2H),2.48(m,2H),2.50(br.−NH2),
3.29(s,CH2OH)。 (d) 1−メチルピペリジン−4−スピロ−4'−(2'
−メチル−1',3'−オキサゾリン)(AF151) 4−アミノ−4−ヒドロキシメチル−1−メチルピペリ
ジン(1.80g)と酢酸(20ml)およびキシレン(20ml)
との混合物を28時間共沸蒸留した。残留酢酸とキシレン
は減圧して(25mmHg)取り除かれ、粘着性の油が残留す
る。この油はK2CO3の水溶液でpH11になるよ塩基性
にした。クロロホルムを用いて抽出し、その抽出物を蒸
発させることにより、少量の褐色の残油(0.27g)がえ
られた。クロロホルムによる抽出後に残っている水溶液
は蒸発させて水を取り除き、残留固体はクロロホルムで
抽出し、抽出物は乾燥して(Na2SO4)蒸発させて、
残留物として非常に吸湿性のある固体(3.0g)を産出し
た。TLCは、後者が主として1つの斑点をつくり、そ
れは開始材料のアミノ・アルコールよりもさらに極性が
あることをあきらかにした。150−160℃でとけるこの吸
湿性固体の一部を真空で加熱し、ほぼ同時に45℃/0.15
mmHgで無色の油として蒸留を開始した。この油は、フリ
ーザーで保管すると室温でとける針状の結晶となった。
この留出物は表題の混合物の酢酸塩であった。1R(無
処理)1664(−C=N);1565&1398(−CO2 --;1256
(C−O)cm-1m/z:168(遊離塩基のM+);109;7
0。1 H−NMR(300MHZ,CDCl3);δ1.77(m,2
H),1.96(m,2H),1.98(s,CH3−),2.0(s,C
3−),2.49(s,CH3−N−),2.91(m,4H),3.9
5(s,−CH2O−),9.30(br.s−CO2H)。13 C−NMR(300MHZ,CDCL3);δ14.0(CH3
2 -),22.9(CH3C=N−),35.6(C3およびC5),
44.4(CH3+),51.1(C2およびC6),67.0(C4),77,
4(C5),164.3(C−=N),176.7(−CO2−)。 遊離塩基の1H−NMR(300MHZ、CDCl3):δ1.6
4(m,2H),1.84(m,2H),1.98(s,CH3−),
2.26(m,2H),2.30(s,CH3−),2.69(m,2
H),3.94,(s,−CH2−)。 例8:1−メチルピペリジン−4−スピロ−4'−(2'
−エチル−1',3'−オキサゾリン) 4−アミノ−4−ヒドロキシメチル−1−メチルピペリ
ジン(3.0g)とプロピオン酸(50ml)oyobiキシレ
ン(90ml)との混合物を5時間共沸蒸留した。残留物
(7ml)はK2CO3の水溶液でpH11−12になるよう塩
基性にした。クロロホルムを用いて抽出し、その抽出物
を蒸発させることにより、無極性混合物(0.80g)が得
られた。クロロホルムによる抽出後に残っている水溶液
は、蒸発させて水を取り除き、残留固体はクロロホルム
で抽出し、抽出物は乾燥して(Na2SO4)蒸発させ
て、残留物として吸湿性のある固体(3.6g)を産出し
た。TLCは、後者が主として1つの斑点をつくり、そ
れは開始材料のアミノ・アルコール(シリカゲル,溶剤4
0:58:2メタノール−クロロホルム−アンモニア水溶
液)よりもさらに極性があることを明らかにした。この
吸湿性固体(1.5g)の位置部を真空で加熱し、ほぼ同時
に50℃/0.1mmHgで粘着性のある無色の油として蒸留を
開始した。この留出物は、表題の混合物のプロピオン酸
塩である。 m/z:182(遊離塩基のM+,14%);167(5%),154
(71%),125(9%),109(100%),96(45%),81(3
0%),74(57%),70(89%),57(64%)。1 H−NMR(300HMZ,CDCL3):δ1.12(t,J=
7.5HZCHCH2−),1.17(t,J=7.6HZ,CH3
-),1.75(m,2H),2.00(m,2H),2.29(q,J
=7.5,CH3CH2−),2.30(q,J=7.6,CH3CH
2−),2.56(s,CH3N−),3.02(m,2−CH2−),
3.95(s,−CH2O−),7.52(br.−CO2H)。 クロロホルムに溶かした上述のプロピオン酸塩を掻き混
ぜた溶液に、K2CO3の飽和水溶液をCO2の発生が止
むまで加えた。この混合物はその時0.5時間掻き混ぜら
れ、いくつか相に分かれた。水溶液の相はクロロホルム
で抽出され、混合相はクロロホルム相と分離され、抽出
物乾燥され(Na2SO4)、溶剤は蒸発させて、表題の
混合物を遊離塩基の形で、TLC上に単一の斑点となっ
た。無色の残留油(550ml)として産出した。1 H−NMR(300MHZ,CDCl3):δ1.17(t,J=
7.6HZ,CH3CH2−),1.61(m,−CH2−),1.86
(m,−CH2−),2.18(m,−CH2−),2.29(q,J
=7.6,CH 3CH2 −),2.30(s,CH3N−),2.71
(m,−CH2−),3.94(s,−CH2O−)。 m/z:182(M+,25%),167(9%),154(78%),1
25(17%),109(100%),96(65%),81(54%),70
(96%),57(77%)。 AF150やAF151のような混合物の選択の仕方は[化71]式
に示されるように、適切なアミドの環式脱水による。
【化71】 25,硫酸,BF3−エーテル類,CaCl2のような
脱水剤およびモルキュラーシーブを、上述の反応に用い
ることができる。P25を用いる類似の反応により、オ
キサゾリンの代わりに類似のチアゾリンが得られる。 例9:2−メチル−スピロ(1,3−チアゾリン−5,
4')−1'−メチルピペリジン (II;R=R'=メチル−"AF150(S)" (a) 4−アセトアミドメチル−4−ヒドロキシ−1−
メチルピペリジン 4−アミドメチル−4−ヒドロキシ−1−メチルピペリ
ジン (0.83g,5.7mmole)を10mlのクロロホルムに溶か
し、無水酢酸(0.58g,5.7mmole)を加えた。この反応混
合物は自然に40−50℃まで温度が上がった。30分後、溶
剤は蒸発させて、33:67の2%アンモニア−メタノール
水溶液を溶離液として用いて、残油をシリカゲルカラム
(Merck 7734)でクロマトグラフを見た。 m/z:186(M+)。1 H−NMR(300MHZ,CDCl3):δ1.60(多重,4
H,H3およびH4),2.01(一重,3H,CH3−C),2.2
9(一重,3H,CH3−N),2.38(多重,2H,H1),2.5
5(多重,2H,H2),2.98(多重,1H,NH),3.26(二
重,2H,H5)ppm。1 H−NMR(300MHZ,D2O):δ1.42(多重,4H,H
3およびH4),1.81(一重,3H,CH3−C),2.08(一
重,3H,CH3−N),2.27(多重,2H,H1),2,46
(多重,2H,H2),3.03(一重,2H,H)ppm 不純物は3.44ppmで最高になる。 (b) 2−メチル−スピロ(1,3−チアゾリン−5,
4')−1'−メチルピペリジン 4−アセトアミドメチル−4−ヒドロキシ−1−メチル
ピペリジン(6.5g,35mmole)と、五硫化リン(10g,22mo
le)との混合物を22℃で30分間加熱し、冷却し、30mlの
濃縮塩酸に溶かした。この酸の溶液を100mlの冷たい水
酸化ナトリウムの濃縮水溶液に移し、2×100mlのクロ
ロホルムで抽出し、混合抽出物を乾燥し、蒸発させて5
gの黒色の油性の残留物を産出した。これを75℃/1mmH
gで蒸留して精製し、1.8gの澄んだ液体を生成した。 m/z:184(M+1 H−NMR(300MHZ,CDCl3):δ1.8−2.0(m,4
H),2.17(t,3H,CH3−C),2.2(s,3H,CH3
−N),3.9(q,2H,CH2−チアゾリン環)。生物学的試験 この発明による化合物は、薬理的活性を示し、したがっ
て医薬品として、例えば治療用に役に立つ。特に、作用
物質は以下に詳述する試験で活性を示す。このような試
験結果を報告する表の中では、次の参照番号によって一
定の化合物を示すことがある: (1)カルバコル,(2)オキソトレモリン−M,(3)オキソト
レモリン,(4)AF102B*,(5)AF150◆,(6)AF151◆,(7)AF150
(S)◆,(8)AF125◆,(9)McN−A−343,(10)ピレンゼピ
ン,(11)アトロピン,(12)スコポラミン,(13)AF125(N)◆,
(14)AF123◆,(15)AF125(Ph)◆ * シス−2−メチルスピロ(1,3−オキサチオレン−
5',3)キナクリディン(米国特許第4,8555,290号) ◆ 今回の発明で例証された化合物試験1テンジクネズミの腸の分離標本 本発明の化合物は、テンジクネズミの腸のための調合に
おける作用活性および反作用活性について試験された。
表2は試験されたいくつかの化合物について得られた結
果を質的に要約したものであるが、その中では最も効き
目のある作用物質はAF125であった。AF125は、テンジク
ネズミの腸のための調合で完全な作用物質であることが
わかり、またそのEC50は1.3μMと算定された。AF125のE
PMRAChは、AF102Bについて判明した50−100まで変化す
る値に比べ約14であった。この化合物はまた、その脳の
ムスカリン結合部分に高い親和性を示した。事実、AF102
BとAF125とを比較すると、AF125はAF102Bよりも、テン
ジクネズミの腸を収縮させる効力において一桁分活発で
あることが明らかになった。したがって、AF125は同じ
濃度でAF102Bよりもはるかに大きな収縮反応を起こさせ
た。表2 :テンジクネズミの腸用調合に関する種々の推定上
のコリン刺激性化合物の効果
【表2】 ──────────────────────────────────── 試験化合物 最低濃度 * 最高濃度 * 備考 # (μM) (μM) ──────────────────────────────────── 8 0.2 + 1.7 +++ 完全作用物質;収縮はアトロピ ンで遮断された 13 133.0 + 133.0 +++ 完全作用物質;収縮はアトロピ ンで遮断された 14 660.0 − 660.0 − 可逆性の遮断。ACh誘引収縮 15 10 − 10 − 反作用物質;IC=0.9μM ──────────────────────────────────── * 収縮の強度。反応は質的にプラス記号の数で示して
いる。+は弱い収縮反応を、+++は強い反応を表す。
収縮反応がない場合は−の印がついている。 AF125のアミノ類似化合物、[AF125(N)]のまた作用物質
として有効であったが、腸を収縮させるにはこの化合物
には高濃度が必要だった。AF125(N)はご承知のように、
AF102Bに比べて一桁高い濃度でのみ効き目がある。AF12
5(Ph)は反作用物質(IC50=0.7μM)である。AF125のア
ミノ類似化合物とは対照的にAF123は反作用物質である
ことがわかった。同様の試験によって例5の化合物(AA
F150)が、EC50=0.8μM(アトロピン10μMで遮断され
た)を有する完全なムスカリン作用物質であることが明
らかになった。アセチルコリン(ACh)と比較すると、A
F150は130%という(ACh=100%)腸の最大収縮を起こ
すことができる。驚いたことには、AF150の曲線の形はA
Chと比べると異なっており、この曲線は2面または3面
モデルで分析される。これは、AF150がこの調合で見つ
かったムスカリン・リセプターの亜類型に異なった親和
性を持つことを示し得る。さらに、例7(AF151)の化
合物もまた、EC50=3μM(アトロピン10μMで遮断され
た)を有する完全なムスカリン作用物質である。試験2脳のムスカリン・リセプターへの結合 M1ムスカリン・リセプターへの作用物質の結合および
グワニリル・イミドリン酸塩(GppNHP)の効果。
作用物質は、蛋白質(G蛋白質)を結合するグアニン・
ヌクレオチドで結びつけられることで知られる。M2ム
スカリン・リセプター(低親和性ピレンゼピン)に作用
物質を結合させる数多くの研究がこれまでになされてき
たが、M1ムスカリン(高親和性ピレンゼピン)リセプ
ターへの結合を調べた研究は比較的に少なかった。おも
な理由は、たいていの作用物質が(例えばAF102Bは除
く、米国特許第4,855290号)M1ムスカリン・リセプタ
ーに対するよりも、M2亜類型に対して一層高い親和性
を持つためと思われる。GppNHpのような非加水分
解グアニン・ヌクレオチドはリセプターからG蛋白質を
分離し、作用物質に対してリセプターの親和性を減らす
が、反作用物質に対しては減らさない。特殊な条件のも
とでは、M1ムスカリン・リセプターを持ち作用物質の
効能と親和性とを、3H−ピレンゼピン(3H−PZ)の
D以下の低い濃度のものを使って分析することが可能
である。[Potter他、cell.molec.niurobiol. 8号:181
−191頁,1988年;PotterおよびF-errendelli,J.pharmac
ol.Exp.ther.248号:974−978頁,1989年;Flynn他、Eu
r.J.pharmacol.172号:363−372頁,1989年]。このよう
な条件のもとで、高い効能(「完全作用物質」)の作用
物質は、二つの親和性を有するM1リセプター亜類型の
親和性の状態が高いほどグアニン・ヌクレオチドに対し
て敏感であり、例えば、GppNHpは高親和性状態を
低親和状態に転換する。M1リセプターの低親和性と高
親和性の割合(KL/KH)は、作用物質の相対的効能を
予測し、推定上のM1リセプター媒介二次伝達子システ
ムを活性化することもある。表3は、選択M1作用物質
AF102B(米国特許第4,855,290号)、AF150およびAF151にた
いするオキソトレモリン−Mとカルバコール(2つの完
全非選択M1およびM2作用物質)の試験結果を要約す
るものである。予想通り第四完全作用物質、オキソトレ
モリン−Mとカルバコールは二つの親和状態を示し、こ
れらの化合物の相対的効能はKL/KHの割合で予測され
る。一方AF102BおよびAF125は質量作用曲線を示す。表3 :テンジクネズミの腸用調合に関する種々の推定上
のコリン刺激性化合物の効果
【表3】 ──────────────────────────────────── KH(μM) KH(μM) %H KL(μM) KL(μM) %L KL-G化合物 ───── ───── ─── # −G +G −G +G −G +G −G + G KH-G─────────────────────────────── ───── 1 0.23 * 36 * 12 20 64 1 00 52 2 0.11 0.35 53 2.7 6.7 4.2 47 73 61 4 0.7-1 0.7-1 * * 0.7-1 0.7-1 * * 1 5 0.11 * 21 * 11 21 83 100 100 6 3.7 4.6 39 17 4.8 59 61 83 13 8 9 9 * * 12 12 * * 1 ──────────────────────────────────── * 競合曲線は1面モデルに一層はっきりと適合していた
(質量作用曲線)。表3に関する註 :Ki=KHまたは、KL=IC50/1+C
/KD、その時C=4.4nMは放射性リガンド(3H−P
Z)の濃度であり、KD=13.9nMはその解離定数であ
る。KD,KL,%Hおよび%Lは、高親和性サイトおよび
低親和性サイト各々に対する試験リガンドの見かけ上の
抑制定数である。GはGppNHp(グアニリル・イミ
ドジリン酸塩)で、0.1mM濃度で使われた。大脳皮質の
結合サイトから3H−PZの排除は、25℃で1時間、Tr
is/Mn緩衝剤を用いて行なった;緩衝剤には1mMのEDTA
および2mMのMn++イオンが含まれていた。試験方法
は、PotterおよびFerrendelli(J.Pharmacol.exptl.The
rap.248号:974−978頁,1989年)の記述にある手順と同
様である。結合のデータはGraphPADプログラムを用いて
分析され、1つないし2つの成分に合わせた。数値は三
つ組で行なわれた1つないし3つの実験の平均である。
驚いたことには、AF150とAF151は、AF150に対して非常
に高いKL/KM比を持つ3H−PZの存在下では、典型
的な2つの親和状態を示す。さらに、GppNHpは高
親和状態を低親和状態に変えた。AF150とAF151は、M1
の推定上のリセプターに対して高親和性も、また同じリ
セプターに対し高効能も示す。これは、使われた濃度
(そのKDの1/3)の3H−PZがM1リセプターにのみ
結合するためと断定できる。このデータからAF150もAF1
51も、M1リセプターを活性化する非常に効き目のある
作用物質であり、したがって例えばホスファチジン酸イ
ノシトール物質交代やCa2+易動のような、M1のリセ
プターに結合した二次伝達子に関わる処理メカニズムの
活性化が期待されると言える。HサイトとLサイト両方
の同時活性化が機能的効果には必要だとわかり得る。こ
れについては、AF150やAF151は、SDATのような。コ
リン性機能低下を伴う病気の治療に特に適し得る。試験3 AF150の2つの親和性状態は、10mMの塩化カリウム緩衝
剤を使って3H−PZの排除が行なわれても、ラットの
大脳皮質のホモジュネートに残存している。これは、他
の推定上のムスカリン作用物質(表4)に比べて独特の
作用物質であることを示している。AF150は、表4およ
び表5に示されるとおり、M1リセプターに対し優れた
選択性と効能を示す。これについてはAF150はSDAT
のようなコリン性機能低下を伴う病気の治療に優れた薬
品であるといえる。それはM1の選択性と高い効能と
が、この種の病気に特に治療価値があると思われている
からである。本発明の化合物の効き目(および他のコリ
ン刺激性化合物との比較)は、ラットの脳のホモジュゲ
ート、小脳または前頭皮質から、次の3Hに類する化合
物、すなわち、(−)3H−キナクリジニル・ベンジレー
ト(3H−QNB;非選択M1およびM2反作用物質)
および3H−ピレンゼピン(3H−PZ;選択M1反作用
物質)を排除して調べられた。比較のためにはオキソト
レモリン(M2>M1第三作用物質)、オキソトレモリ
ン−Mとカルバコール(混合M2およびM1/M2第四
作用物質)、とAF102B(米国特許第4,855,290号参照)
とMcN−A−343(M1第四作用物質)が含まれた。
試験結果は表4および表5に示される。表4 :M1(ラットの大脳皮質から3H−PZを排除)
およびM2ムスカリン・リセプター(ラットの小脳から
3H−QNBを排除)に対する見かけ上の親和性状態
【表4】 ──────────────────────────────────── 皮 質 小 脳 比 率 3H−PZ結合 % 3H−QNB結合 % 化合物 KHL ───── KHL ───── # H L H L (a) (b) (c) (d) c:a d:b b:a μM μM ──────────────────────────────────── 1 3.4 42 35 55 0.60 39 55 45 0.18 0.93 12 2 0.1 6.7 53 47 0.069 5.2 49 51 0.69 0.78 67 3 0.014 0.58 35 65 4 1 * 100 * 6 * 100 * 6 * * 5 0.02 18 24 76 4.5 79 49 51 225 4.4 900 8 4 * 100 * 3.8 * 100 * 0.95 * * 9 3.8 * 100 * 24.4 * 100 * 6.4 * * 13 0.6 3 28 72 5.0 * 100 * 83 14 1.3 * 100 3.9 * 100 * 3.0 * * 15 0.08 * 100 * 1.37 * 100 * 17.1 * * ────────────────────────────────────3 H−PZおよび3H−QNB結合の排除は、10mMと50mM
のリン酸塩緩衝剤を使って行なわれ、各々Ki=KHまた
はKLは表3に示されたとおりである。3H−PZおよび
3H−QNBに対するKDの値は各々13.9および0.093mM
であった(Fish-er J.Pharmacol.Exptl.Thrap.,1991年,
印刷中)。表5 :M1(ラットの大脳皮質から3H−QNBを排
除)およびM2ムスカリン・リセプター(ラットの小脳
から3H−QNBを排除)に対する見かけ上の親和性状
【表5】 ──────────────────────────────────── 皮 質 小 脳 比 率 3H−QNB結合 % 3H−QNB結合 % 化合物 KH1L1 ──── KH2L2 ──── # H1 L1 H2 L2 (a) (b) (c) (d) c:a d:b b:a d:C μM μM ──────────────────────────────────── 1 0.6 235 28 72 0.75 50 61 39 1.25 0.21 392 67 2 0.11 37 26 74 0.069 5.2 49 51 0.6 0.14 336 75 3 0.016 1.6 13 87 0.014 0.58 35 65 0.9 0.36 100 41 4 1.8 * 100 * 5.9 * 100 * 3.3 * * * 5 1.4 67 13 87 4.9 83 51 49 3.5 17 49 17 8 14 * 100 * 3.8 * 100 * 0.27 * * * 9 5.84 * 100 * 11 * 100 * 1.9 * * * 13 112 * 100 * 50 * 100 * 0.4 * * * 15 0.8 * 100 * 1.37 * 100 * 1.7 * * * ────────────────────────────────────3 H−PZおよび3H−QNB結合の排除は、10mMと50mM
のリン酸塩緩衝剤を使って行なわれ、各々Ki=KHまた
はKLは表3に示されたとおりである。3H−PZおよび
3H−QNBに対するKDの値は各々13.9および0.093mM
であった(Fish-er J.Pharmacol.Exptl.Thrap.,1991年,
印刷中)。表4および表5から、AF150はM1ムスカリ
ン・リセプターに対して高い選択性を示すことがわか
る。事実、AF125が見かけ上のM2選択性を示す場合
は、AF150は驚くほどM1リセプターに対して高い選択
性を示す。試験4皮質膜へのムスカリン作用物質の結合のCu++
処理による変更 遷位金属イオンとグアニン・ヌクレオチドは、ムスカリ
ン・リセプターに対する作用物質の親和性に強い影響を
与える。それはおそらく、異なった作用物質の結合状態
の割合に変化が生じたためである(GurwitzおよびSokol
ovsky,Biochem.Biophys.Res.commun.96号:1296−1301
頁,1980年;AronstamMol.Pharmacol.14号:575−582
頁,1978年)。Cu++の添加は、他の転位金属イオン同
様、蛋白質スルフヒドリル残留物を持つ安定配位化合物
を生成することが知られているが、高い親和性サイトの
割合を増やし、グアニン・ヌクレオチドに対する過敏性
をなくすことにより、ムスカリンは作用物質の見かけ上
の親和性の増加を明らかにしている。(Fer-rarおよびH
oss,Trans,Am.Soc.Neurochem.13号:250頁,1982年;Gur
witz,Biochem.Biop-hys.Res.Commun.120号:271−276
頁,1984年)。表6に示されるように、Cu++処理はM
1選択反作用ピレンゼピンばかりでなく、古典派の非選
択ムスカリン反作用アトロピンおよびスコポラミンに対
しても観察された親和性を変えなかった。一方、古典派
非選択作用物質、カルバコールやオキソトレモリンの結
合パラメータは、Cu++処理がその見かけ上の親和性を
増やした、すなわち、競合曲線は作用物質の低い方の濃
度に変わったことを示した。2面モデルによる競合結合
データの分析は表6に要約されるが、Cu++処理は高い
親和性結合サイトを、オキソトレモリンに対しては32%
から51%へ、またカルバコールに対しては25%から44%
へと、その2つの親和性定数KHおよびKLに大きな変更
をせずに増やしたことを示す。AF102Bに対する結合パラ
メータもまたCu++によって影響を受けた。表6のデー
タに示されるように、未処理の膜に対する相互作用は、
Ki=3.3μMのサイトの単一固体集団への結合を表し
て、一方、Cu++処理後、高い親和性結合状態も観察さ
れ、KH=0.02μMの全サイトの26%を表す。低い親和性
結合定数には何も変化が見られなかった。したがって、
AF102Bは大脳皮質膜用調合では、作用物質に典型的であ
るように、ムスカリン・リセプターと相互作用する。す
なわち、リセプター−リガンド合成分がG−蛋白質(Gu
rwitz他による討論を参照せよ)と相互作用することも
あることを示す。AF150もまた、これらの研究において
作用物質の結合特徴を示した。未処理の膜において、こ
れは多重の親和性状態を示した(高親和性および低親和
性サイトに対して各々、0.32μMおよび33.5μM)。高い
親和性サイトの割合は、Cu++処理後14%から37%へ増
加した。それは、AF150が大脳皮質ムスカリン・リセプ
ターに対し、作用物質として働いたことを示した。表6 :Cu++処理済みおよび未処理のラットの大脳皮質
ホモジュネートへの(−)3H−QNB結合を用いたKiの
【表6】 ────────────────────────────────── 予備処理なし Cu++予備処理済み 作用物質 ────────────── ────────────── # KH(μM) KL(μM) %H* KH(μM) KL(μM) %H* ────────────────────────────────── 1 0.093±0.07 27.0±0.7 25±1 0.11±0.010 17.5±3.2 44± 3 3 0.02±0.005 13.3±1.4 32±3 0.03±0.001 7.2±1.7 51± 7 4 3.3±0.6 0 0.02±0.001 3.0±0.01 26±5 5 0.32±0.060 33.5±1.8 14±1 0.52±0.003 18.0±2.0 37± 2 9 0.34±0.1 8.5±0.8 13±5 0.18±0.09 5.7±0.2 30± 7 ────────────────────────────────── KH(nM) KL(nM) %H* KH(nM) KL(nM) %H* ────────────────────────────────── 10 19.5±0.5 695±5 72±3 12±2 560±60 64± 6 11 0.38±0.011 0 0.2±0.04 0 12 0.09±0.004 0 0.1±0.005 0 ────────────────────────────────── * 高い親和性の%。 上の表中に示され数値は、少なくとも3つの実験の平均
ISEMである。各実験は、三つ組の試料で行なわれ
た。分析にはクレプス緩衝剤を用いてpH7.4,25℃で2時
間予備処理をして行ない、ラットの大脳皮質膜にCu++
(100μM)がある場合は、予備処理をせずに30分間行な
った。(Fisher他、J.Pharmacol.Exptl.Therap.,1991
年,印刷中)実験5ムスカリン・リセプターの亜類型の細胞ライン
の発現における試験化合物の効果 薬理額上のデータに基づいて、ムスカリン・リセプター
は3つの亜類型(M1,M2およびM3)に分けられて
きた。分子のクローニングの研究で5つの遺伝子上異な
ったムスカリン・リセプターの亜類型(m1−m5)が確
認されている。これらの遺伝子の機能の現われ方は、遺
伝学的かつ薬理学的に定義された亜類型を示し、ここで
はM1=m1,m4およびm5;M2=m2;およびM3=
3(Buc-kley他、Mol.Pharmacol.35号:469−476頁,19
89年)である。m1およびm3リセプターの刺激はホスホ
イメシティデス(PI)加水分解の投薬依存性の増加を
招く。m1リセプターの作用物質の活性化もまた、基礎
およびフォルスコリン刺激性cAMPの増加を招く。一
方、m3リセプターは細胞内cAMP濃度に影響を与え
ない(BuckおよびFraser,Biochem.Biophys.Res.Comm.
173号:662-672頁,1990年)。ムスカリン作用物質による
2およびm4の刺激は、アデニルチクラーゼ(AC)活
性の選択的抑制を招く(Mei,Life Science,45号:1831
−1851頁,1989年)。新化合物AF150,AF151,AF150(S)お
よびAF125は、m1およびm3リセプターで各々トランス
フェクトされたCHO細胞(BuckおよびFraser,上記引
用箇所)、また主にm3亜類型を示すが、m1亜類型では
ない、培養した人間の神経芽腫細胞、ラインSK−N−
SHにおいてPIを刺激する能力について分析検査され
た(P-inkas−Kramarski他、Neurosci.Lett.188号:335
−340頁,1990年;Luthin他、Mol.Pha-rmacol.34号:327
−333頁,1988年)。 これらの化合物は、主にm4亜類型リセプターを示し、
AC活性の抑制に結びつく、培養PC12細胞についても
分析検査された(Pinkas−Kramarski他、上記引用箇
)。PIの障害の刺激については、Stein他、(EMBO
J.7号:3031−3035頁,1988年)により記述されている方
法を用いて分析し、また、AC活性の調整については、
上記引用箇所のStein他やPinkas−Kramarski他の方法で
分析された。分析結果は、表7に示され、完全ムスカリ
ン作用物質(M1/M2混合型)、カルバコールおよび
AF102Bと比較される。表7 :m1,m3およびm4リセプター亜類型を示す培養細
胞におけるPI加水分解とAC活性に関する試験化合物
の効果
【表7】 ─────────────────────────────────── トランスファクトされたCHO SK−N−SH PC12 化合物 ─────────────── ─────── ─────── # m1334 ─────── ─────── ─────── ─────── PI EC50 PI EC50 PI EC50 AC EC50 ─────────────────────────────────── 1 +++ 8 +++ 5 +++ 25 +++ 1.5 4 +20%a 30b - c - d +40%a 0.1b 5 +++ 13 +38%a 10b +40%a 3 +++ 1 6 +++ 54 +45%a 10b NT +++ 1 7 +17%a NT NT NT NT 8 +14%a NT NT +20%a NT ──────────────────────────────────表7についての註 : EC50:50%活性における薬効濃度 +++ カルバコールと比較して完全な作用物質(完全
な作用物質活性は1mM化合物全てに対して試験され
た。) + カルバコールと比較して部分的作用物質 − PIの刺激またはACの抑制がない。 PI ホスホイノシティデス加水分解 AC cAMP濃度の変化により示されるアデニルチク
ラーゼ活性 NT 試験しない a:カルバコール効果の% b:効果を引き起こす薬効濃度(μM) c:22μMAF102Bが1mMがカルバコールの効果を抑制し
た d:1mMAF102Bが1mMカルバコールの効果を抑制した 表7でm1リセプターに対する作用物質の効果は、PI
加水分解とAC活性の増加で照明される。一方m4リセ
プターの刺激はAC活性の抑制で表される。m3の刺激
はPI加水分解の増加を招く。この表から、驚くほどAF
150もAF151もm1およびm4ムスカリン・リセプター亜類
型に対しては完全作用物質であるが、m3亜類型に対し
ては部分的作用物質であることが明白である。さらに、
PI加水分解で証明されるように、AF150とAF151はm1
リセプターに対して完全作用物質であるのに、これらの
化合物は驚くほど、この同じリセプターに対するAC活
性の相乗作用の効果が非常に弱いことから証明されるよ
うに、カルバコールとことなる。したがって、m1ムス
カリン・リセプターのカルバコール誘発性活性は、基礎
およびフォルスコリン刺激性cAMP(各々232−356%
および546−1382%)の増加を招くが、AF150もAF151もこ
の試験では、等しく非常に効力が弱い(各々33%および
76%)。SK−A−SH神経芽腫細胞に関する代表的な
実験では、イノシトール−1−リン酸塩(IP1)の累
積は、10mMカルバコールで基準以上7.46倍、1mMオキソ
トレモリン−Mで5.24倍、また1mMAF125で1.42倍刺激
された。対照的に、M1選択作用物質AF102B(米国特許
第4,855,290号)は、1mMでもこれらの細胞中でホスホ
イノシティデス加水分解を刺激しなかった。一方、この
濃度でオキソトレモリン−M−誘発性信号を完全に遮断
できた。この抑制はオキソトレモリン−Mの濃度に左右
された。例えば、1mMのAF102Bは、1mMのオキソトレモ
リン−Mの信号を34%抑制しながら、10μMのオキソト
レモリン−Mで誘発されたホスホイノシティデス加水分
解を完全に遮断した。さらに、カルバコールとある新し
い化合物による、ホスホイノシティデス加水分解の結合
刺激が調べられた。この同じ実験で、IP1の累積は、1
0mMカルバコールと1mMAF125との結合により基準以上6.
11倍刺激された。このように、新化合物AF125は、非選
択完全作用物質カルバコールで得られた刺激の約20−25
%まで、人間の神経芽腫細胞SK−N−SHにおいてホ
スホイノシティデス加水分解を刺激し、一方で最小限度
(10−20%)だけカルバコールの効果を妨げる。このよ
うな結果の意義は、AF125が主としてm3ムスカリン・リ
セプター亜類型を示すこの細胞ラインで、ムスカリン作
用物質として独特の活性を示すことである。結論とし
て、これらの化合物は独特の活性と選択性とを示し、し
たがって、SDATの治療用に特に役立つと考えられる
(Braan他、FEBS.Lett.230:90−94,1988)。試験6シナプトソームのアセチルコリン(ACh)放
出に対する試験化合物の効果 3 H−AChの基礎的放出およびK+による誘引放出に対
するAF150(および比較用AF125,MeN−A−343および
オキソトレモリン)の効果が、ラットの大脳皮質を用い
たシナプトソームについてPittel他によって詳述されて
いる方法で研究された(J.Neurochem.,55:665−672,19
90)。試験結果は表8に示される。驚いたことには、こ
の2つの密接な関係にある化学構造、AF150とAF125には
3H−ACh放出に対して異なった効果があった。した
がって、AF125(1Mm)がK+が引き出すAChの放出を
抑制したのに、AF150(1mM)は驚くほどこれを増強し
た。このような結果は、AF125が古典派M2作用物質、
オキソトレモリンのようにプリシナプティック・リセプ
ターに作用することを示す。一方、AF150のプリシナプ
ティック・ムスカリン・リセプターに対する作用は、K
+が引き出すAChの放出を増加させるが、M2の反作
用物質の効果か、または、M1の作用物質の効果と考え
られる。HadhazyおよびSzerb(Brain Res.123:311−32
2,1977)またGulya他(Neurochem.Int.15:153−156,19
89)がムスカリン反作用物質がK+が引き出すAChの
放出を刺激することを実証した。鈴木他(Neurosci.Let
t.84:209−212,1988)と、上記引用箇所のPittel他は、ム
スカリン反作用物質はAChの基礎的放出も刺激するこ
とを示した。後者の研究では、AChの放出を調整する
刺激性のムスカリン・リセプターはCNS中に存在し、
薬理学的にはM1亜類型であると考えられるとしてい
る。AChの放出を増やす、ムスカリンの自動リセプタ
ーの存在は、平滑筋標本のPNSにおいても証明された
(KilbingerおよびNafziger,Naunyn Schmiedebergs Arc
h.Pharmacol.328:304−309,1985)。 表8:ラットの大脳皮質シナプトソームからのアセチル
コリン(ACh)の基礎的放出およびK+誘因放出に対
する試験化合物の効果
【表8】 表8についての註: 試験結果は他に指定しない限り1ないし3の実験による
*。 NT=実験しない ◆nM K+誘因3H−ACh放出(表8からわかるように)に対
するAF150の相乗効果へのピレンゼピン(M1反作用物
質)の反作用物質効果は、AF150がM1の作用物質で、
したがってM1の刺激性の自動リセプターを活性化した
ことを示すことができた。しかしAF150の作用のメカニ
ズム、すなわち、これが例えば(a) M1ポスト−および
プリ−シナプティック作用物質活性によるものか、それ
とも(b)M1ポスト−シナプティックおよびM2プリ−
シナプティック反作用物質効果によるものかということ
には関係なく、この化合物はSDATとそれに関連のあ
る病気の抑制に対してとくに前途有望であろう。試験7ラットの海馬スライスにおけるAF150の電気生
理学的評価 アセチルコリン(ACh)は哺乳動物の脳にいろいろと
効能がある。主な効能は海馬スライスで観察されたが次
のようなものがある: (1) 分極防止作用(IM)により活性化された発信持続
カリウム(K+)電流の遮断; (2) スロー後過分極(AHP)の下を流れるCa++依存
+電流の遮断; (3) 静止持続K+電流の遮断; (4) 過渡発信K+電流; (5) ポストシナプティック・ポテンシャル(自然発生で
の増加と誘発での減少)およびCa++電流に対するAC
hの効果の報告。(Segal.Brain.Res.452号:79−98頁,
1988年;DuttarおよびNicoll,J.Neurosci.8号:4214−4
224頁,1988年。) ガラミン(M2反作用物質)とピレンゼピン(PZ,M
1反作用物質)をもちいた結果から、M2リセプターが
EPSPの低下とIMの遮断を調整できると考えられ
る。対照的に、分極防止作用とAHPの遮断は、ガラミ
ンに無反応で0.3μMのPZで遮断されて、M1リセプタ
ーで調整されるようである。(DuttarおよびNicoll,
記引用箇所)。一般的条件として、AF150,AChおよび
PZの微量点滴の効果は、細胞内に記録されるラットの
海馬細胞に適用された。リセプター・サイトの薬品の正
確な濃度は、この方法では不明である。しかし、この方
法には、還流法よりも利点があり、それは電気生理学的
見地から、さらに正確な映像が得られることである。
(Segal,上記引用箇所)。海馬スライスのCA1ニュー
ロンの、AF150に対する細胞内反応は、Segalの方法を用
いて記録された。小さい過分極電流パルス(電流トレー
スは示されない)は、ポストシナプティック・ポテンシ
ャルをつくるSchafferの神経交連求心性繊維の刺激を交
互に行なわれた。微量点滴(100μM)により局部的に用い
られたAF150によって、効き目のある分極防止反応が起
きた。ポテンシャルを制御するために細胞を過分極にす
ることにより、静止状態での入力抵抗の実際の増加がわ
かる。AF150は、Ca++依存K+コンダクタンスで調整さ
れたスローAHPを遮断する。AF150は、ポストシナプ
ティック・ポテンシャル(PSPs)を少し減少させ
る。ピレンゼピン(10μ,M1ムスカリン反作用物質)
は、AF150により引き起こされる分極防止作用を明らか
に減らした。静止状態での入力抵抗の増加もまた、ピレ
ンゼピンにより防止された。AF150によるスローAHP
の遮断は、ピレンゼピンで処理したスライスで明らかに
減少した。AF150によるPSPsの減少は、ピレンゼピ
ンに影響されたものではなかった。結論 (1) AF150は分極防止作用を起こし、入力抵抗を増し、
またスローAHPを遮断する。その効果はM1リセプタ
ー反作用物質ピレンゼピンで相殺される。しかしACh
に比べると小さいがPSPsへの影響が検出され、ピレ
ンゼピンによる影響は受けなかった。 (2) 驚いたことには、AF150はM2リセプターに対する
よりも、M1リセプターに対して一層特別な作用物質に
なるようである。 (3) AF102Bに比べると、AF150ははるかに効果的であ
り、AF102Bの場合には見られない(ピレンゼピンにより
遮断される)分極防止作用を起こすことは明白である。
AF150もAF102BもスローAHP(ピレンゼピンに敏感な
M1効果)を遮断する。試験8薬効学的プロフィールと一般毒性 パ−トA 1.目的:この研究の目的は、AF150を3レベルの投薬
量で注射した後のマウスを観察することにより、基本的
な薬効学的プロフィールを確立することと、AF150の一
般毒性の数値を求めることである。 2.材料と方法: a.動物:マウス、雄のCD系、20−30g b.グループサイズ:n=5 c.投薬経路:腹膜注入(i.p.) d.投薬レベル:1,5および10ml/kg e.投薬量:10ml/kg f.試験材料の準備:AF150を塩水に溶かした。 g.AF150を3投薬レベルで腹膜注入(i.p.)でマウスに
投与した(n=5)の投薬後2時間までの挙動の変化を
記録し、さらに死に至る24時間後までの投薬について観
察した。無痛覚効果を、投薬後15,30,60および120分に
尻尾をつまむ方法で数値を求めた。無痛覚を除いては次
のような効果について動物を観察した:振戦,けいれん,
呼吸困難,唾液分泌,下痢,瞳孔径の変化,エクサフサラム
ス(exa-phthalamus),運動調整力,体温低下または上
昇,および発声の発生 3.実験結果 1mg/kg i.p. :注射後、約30分の間にごくわずかの唾液
分泌と下痢が観察された。観察期間中には、無痛覚は見
られなかった。その他の中枢性または自律神経系の効果
も見られなかった。5mg/kg i.p. :投薬後60分までには、運動活動の減少が
見られたが、その後正常な活動状態に戻った。注射後15
分で、部分的無痛覚が見られた。注射後30分までに運動
調整力が減少した。注射後5分で散瞳が観察された。注
射後10ないし60分で、わずかな唾液分泌と下痢が見られ
た。10mg/kg i.p. :5ないし75分で実験動物のうち2匹に完
全な体温低下が認められ、他の3匹は120分後に回復し
た。注射後10分で短期間わずかな振戦が認められた。運
動調整力には観察した2時間中、明らかな影響があっ
た。注射後15分および30分には、無痛覚は完全であっ
た。60分以後には無痛覚は見られなかった。注射後5分
で、中程度の唾液分泌,下痢,流涙および散瞳が見られ、
注射後10分には激しくなった。しかし、その激しさは減
少し、注射後90分には、すべての兆候がなくなった。パ−トB AF123,AF125およびAF125(N)について行なわれたこのけ
んきゅう尾通じて、体重が18−26gのCD−1系(Charl
es River.UK)の雄の白色マウスが使われた。AF125 50ないし200mg/kgの投薬レベルの範囲で、AF125をマウ
スに腹膜を通して注射し、投薬範囲を見出す試行実験に
よると、この毒物致死投薬量は、100ないし200mg/kgで
あることがわかった。さらに、これらの初めの試行実験
で、処理に対する反応の主な兆候は主に、振戦,唾液分
泌,下痢,無痛覚,体温低下および血管拡張のような実験
動物の潜在的なコリン刺激性作用に特有な兆候であるこ
とをはっきりと証明した。生き残った実験動物には、注
射後2ないし3時間で回復の最初の兆候が見られた。AF
125の不致死投薬量でのp.osおよびi.v.注射後の結果を
次の表9に示す。表9 ─────────────────────────────────── 投薬量 投薬経路 観察された主な兆候* mg/kg ─────────────────────────── Tre Con Res Sal Lac Dia Ana Myd Mot Pil Hyp ─────────────────────────────────── 40 i.v. 5/5 1/5 3/5 sev sev mod 5/5 mod dec mod mod 20 i.v. 2/5 0/5 1/5 sev sev mod 5/5 mod dec mod mod 10 i.v. 0/5 0/5 0/5 mod sli sli 5/5 sli dec sli sli 5 i.v. 0/5 0/5 0/5 sli sli 5/5 sli dec ─────────────────────────────────── 50 p.os 2/5 0/5 0/5 mod mod sli 5/5 sli dec mod sli 40 p.os 0/5 0/5 0/5 sli mod sli 3/5 dec sli sli 20 p.os 0/5 0/5 0/5 sli sli 0/5 10 p.os 0/5 0/5 0/5 5/5 ─────────────────────────────────── *記載されたデータの数値は、処置された動物全部の中
の影響を受けた動物の数を示す。その他の略号について
は以下の詳述を参照のこと。 Tre=振戦 Con=主にクローン強化剤タイプのけいれん発作 Res=呼吸困難、主に呼吸亢進と粘着性呼吸 Sal=唾液分泌:sli=わずか;mod=中程度;sev=はげ
しい Lac=流涙:sli=わずか;mod=中程度;sev=はげしい Dia=下痢:sli=わずか;mod=中程度;sev=はげしい Ana=無痛覚、尻尾をつまんでの反応のあるなしでしめ
される。 Myd=散瞳:sli=わずか;mod=中程度;sev=はげしい Mot=自発的な運動活動の変化、増加(inc)または減少
(dec) Pil=立毛:sli=わずか;mod=中程度;sev=はげしい Hyp=体温低下:sli=わずか;mod=中程度;sev=はげ
しい AF125の致死投薬量中央値(LD50) 次のようなLD50(信頼限度95%)の値が得られた; I.動脈注射 68.9mg/kg(66.6−71.2) II.経口投薬 134.4mg/kg(188.4-152.5) マウスを使って得られた最初のスクリーニング実験の結
果をみつろ、AF125は主にコリン性刺激作用を持ってい
るようである。投薬量にもよるが、作用の持続時間に関
しては、投薬後、約1ないし2時間で回復が開始された
ことも指摘すべきである。特に経口投薬の場合、ほとん
どの回復開示時間は相対的に速いようであった。2つの
各々のLD50の値の間の見かけ上の狭い比率を見ると、
i.v.またはp.os処置後のかなりの「活性」投薬レベルと
同様に、AF125は腸内でかなり速く吸収されることがわ
かる。AF125(N),AF123 これらの2つの化合物の一般的な薬学的効果を表10に示
す。表10 ─────────────────────────────────── 化合物 投薬量 投薬経路 死亡率 観察された主な兆候* mg/kg 数・時間 ───────────────── Tre Con Res Sal Myd Mot P/H ─────────────────────────────────── AF125(N) 100 i.v. 5/5 immed 50 i.v. 5/5 immed 20 i.v. 0/5 3/5 4/5 sli sli dec 200 p.os 0/5 sli inc sli ─────────────────────────────────── AF123 200 i.v. 5/5 immed 100 i.v. 5/5 1 mim. 5/5 50 i.v. 0/5 400 p.os 5/5 3 min. 5/5 5/5 5/5 200 p.os 0/5 3 min. 4/5 ─────────────────────────────────── *記載されたデータの数値は、処置された動物全部の中
の影響を受けた動物の数を示す。その他の略号について
は上記の詳述および下記の追加分を参照のこと。 P/H=立毛/体温低下:sli=わずか;mod=中程度;sev
=はげしい試験9スコポラミン投薬ラットにおける無抵抗回避
(PA)の枠組での試験化合物の効果 生後3ケ月の純粋な雄のスプレイグ−ダウレイ・ラット
(英国、チャールズ・リバー・ブリーディング社から得
た)を用いた(体重200−300g)。これらのラットの場
合、記憶喪失症をスコポラミンで誘発したこと以外は、
無抵抗回避(PA)試験は、Fisher他,Neurosci.Lett.1
02号:325頁,1989年にしたがって行なった。17−20匹の
純粋なラットの8グループを用いた。各グループに7−
10匹の2つの小グループに分けた。小グループ1には、
スコポラミン臭酸(0.5mg/kg 塩水中、s.c.,ショックの
15分前)を注射し、小グループ2には、塩水(1ml/kg
s.c.,ショック15分前)を注射した。7グループには、
ショック後1分以内に次のいずれかの投薬量、すなわ
ち、0.1,0.5,1,3,5,8,10mg/kg(塩水中、i.p.)で、試
験用化合物を投与し、また1グループには塩水(1ml/k
g i.p.)を投与した。AF125 初期潜伏度と持続潜伏度を、2方アノヴァ(ANOVA)
(ショック前スコポラミン処置/ショック後AF125処
置)で分析した。表11と表12は、初期および持続潜伏度
の平均と±S.E.M.を各々示す。表11 :ショック前スコポラミン−ショック後AF125処置
ラットの初期潜伏度 表12:ショック前スコポラミン−ショック後AF125処置
ラットの持続潜伏度 結論 ショック前の処理としてスコポラミンを使用し、ショッ
ク後の処理としてAF125を使用して、反転スクリーニン
グ実験によって重要な使用量応答曲線が得られた。3,
5,8および10mg/kgの使用量は他のどんな使用量に比較
しても、明らかに有利であった。上記の使用量で処理し
たラットは塩類で処理したラットと比較した場合、最も
長い持続潜伏度(刺激と反応の間の時間の保持力)を示
した。より低い使用量は認識に関する機能に何の改善も
示さずに短い持続潜伏度を示した。試験された全てのグ
ループ間には初めの保持力に重要な相違は何も認められ
なかった。ショック後のAF125処理の効果は重大であり
(F=104.77、df=1/126、p<0.001),10mg/kg(p<
0.05)の使用量はスコポラミン処理のラットの持続潜伏
度を著しく増大した。さらに、AF125(5mg/kg)はショ
ック前の塩類処理のラットの持続潜伏度を大幅に増大し
た(p<0.05)。最終的に、ショック前スコポラミン処
理−ショック後塩類処理したラットとショック前塩類処
理−ショック後塩類処理したラット(p<0.001)との
持続潜伏度の間に重大な相違が観察された。3,5,8お
よび10mg/kgの使用量でAF125のショック後処理を受けた
ショック前塩類処理の全てのラットは副作用に羅った。
3mg/kgの使用量で処理を受けたグループは軽い下痢に
羅り、5mg/kgで処理したグループはより強い下痢に羅
り、8ないし10mg/kg で処理したグループは流涙を伴っ
たひどい下痢に羅った。ショック前にスコポラミン処理
を行なったラットはAF125処理に続いて起こる副作用を
示さなかったことに注意することは重要である。AF102
B(米国特許No.4,855,290) と比較して、AF125はもっ
と広い使用量−応答曲線を示した。つまりAF125Bは3
および5mg/kgの使用量で保持力に対する効果を顕著に
向上したが、AF125の向上効果は3mg/kgから10mg/kgの
より広い範囲に亘って存続した。このような全ての結果
は、このモデルにおけるAF125の有益な効果が認識機能
に密接に関連されたムスカリンレセプターに対するその
強い中心作用物質の効果に起因していることを示してい
るようである。AF125(N) 実験材料 未経験の雄の Sprague-Dawlay ラットの3ケ月齢(英国
のチャールスリバー飼育場から入手された)が使用され
た(体重200−300g)。 行動試験 18〜20匹の未使用のラットの8グループがそれぞれ使用
された。各グループはそれぞれ9〜10匹の2つのサブグ
ループに分けられた。すなわちサブグループ1はスコポ
ラミンHBrを注射され(ショック15分前、塩水中に0.5
mg/kg、s.c.)、サブグループ2は塩と水を注射された
(ショック15分前に1ml/kg、s.c.)。ショック後1分
以内に7グループがAF125(N)の次のような使用量、
すなわち0.1,0.5,1,3,5,8あるいは10mg/kg(塩水
中、i.p.)の10236の1つで試験された。 そして1つ
のグループが(1ml/kg,i.p.)の塩で処理された。初
期潜伏度および持続潜伏度の測定は2つのANOVA法
(ショック前スコポラミン処理ショック前スコポラミ
ン、ショック後AF125(N)処理)によって解析され
た。表13と14は初期潜伏度と持続潜伏度の平均値±標準
的概算モジュールをそれぞれ表わしている。 表13:ショック前スコポラミン−ショック後AF125
(N)処理ラットの初期潜伏度測定 初期潜伏度における大きな相違〔F(7/140)=2.37,
p<0.05〕がAF125(N)で処理されたグループ間で認
められた(表13)。AF125(N)処理とショック前処理
間(塩類対スコポラミン)の相互作用もまた観察された
〔F(7/140)=22.43,p<0.05〕。シエフ(Scheffe)
試験はさらに詳しく、ショック前スコポラミン−ショッ
ク後AF125(N)0.5mg/kg処理ラットに対する初期潜伏
時間(62.9±17.4秒)が対照グループ(ショック前スコ
ポラミン−ショック後塩類処理ラットに対する初期潜伏
時間、39.1±17.6秒)より大幅に長く(p<0.025)な
った。ショック前塩類−ショック後AF125(N)5mg/kg
処理のグループはまた対照グループすなわちショック前
塩類−ショック後塩類処理グループに比較した場合、大
幅に長い初期潜伏時間が得られた(26.7±4.7対65.1±1
8.5秒、p<0.001)。ショック後AF125(N)処理の効
果は重要であることがわかった〔F(7/140)=3.51、p
<0.05〕(表14)。シエフ試験は、AF125(N)の0.5mg
/kgの使用量は塩類処理ラットと比較した場合、スコポ
ラミン処理ラットの持続潜伏(保持反応)時間は大幅に
長くなる。(141.1±5.秒対332.7±80.9秒、p<0.005)
ことを示した。表14 :ショック前スコポラミン−ショック後AF125
(N)処理ラットの保持反応時間測定 *P<0.005、塩類に比較された。AF125(N)(5mg/k
g,i.p.)は、対照グループと比べた場合ショック前塩
類処理ラットの保持反応時間は大幅に減少した(483.6
±64.9秒対290.3±52.1秒、p<0.005)。最終的に、重
大な相違が、ショック前スコポラミン処理−ショック後
塩類処理ラットとショック前塩類処理−ショック後塩類
処理ラットとの保持反応時間の間に観察された(483.6
±64.9対141.1±55.5秒、p<0.001)。AF125(N)を
使用した処理はスコポラミン後或いは塩類後のいずれか
の投薬で与えられたどの使用量においても明らかな副作
用を惹起しなかった。ショック前処理としてスコポラミ
ンとショック後の処理としてAF125(N)を使用している
反転スクリーニング実験は次のような一使用量だけ、す
なわち0.5mg/kg.i.p.によって明確な重要な反応が得ら
れた。この使用量で処理したラットは塩類で処理したラ
ットと比較した場合、より長い保持反応時間を示した。試験10:無抵抗の回避(PA)の範例におけるAF64A処
理ラットでのAF150の効果。 この動物モデルはSDAT(Fisher and Hanin,Ann,Re
v,Pharmacol.Toxicol.26:161−181頁,1986年、参
照)におけるコリン性の機能低下に、ある程度までによ
く似ている。Fisher 等の(J.Pharmacol.Exptl.Thera
p.,1991年、印刷中)および Fisher 等の方法が(Neuro
sci.Lett.102:325−331頁,1989年、参照)がここで使
用された。その結果は表15に示される。その表からわか
るように、AF150はi.p.注射によって試験された3つの
使用量の全部でこの動物モデルにおいて有益であった。
さらに、AF150は(遊離塩基型で)経口で0.2および1.0m
g/kgで投薬された場合、AF64A処理ラットの反応時間保
持力を非常に改善した(示されていない)。後者の知見
は、その化合物がよく吸収されて、経口で非常に低い使
用量で投薬されたとき有効であることを示している。特
に、そのPA試験における低い効果的な使用量は明白な
副作用が現われない。このように、PAのような学習試
験や記憶試験で立証されたように、AF150は広い安全限
界を持っている。初期潜伏度の試験で、つまり20秒から
31秒の範囲に亘る試験でテストされた動物の種々のグル
ープ間には大きな相違はなかった。AF150を使用してい
る実験の全部において、遊離塩基としてのその化合物
は、pH7.35の10mM燐酸緩衝液に溶解された。表15 :AF150に関する無抵抗回避研究 * 3ナノモル/2μl./半身、icv表15での注意 F(2.54)=6.33、p<0.005のときの
重要な相互作用。シエフの主要な対照によって記載され
ている先行する資料を解析することによって、次のよう
な重要な結果が証明された。 AF64A−緩衝液対(p<0.005) AF150(0.1mg/kg) AF64A−緩衝液対(p<0.025) A64A−AF150(0.2mg/k
g) AF64A−緩衝液対(p<0.001) A64A−AF150(1.0mg/k
g) AF64A−AF150(0.2mg/kg)対(p<0.05) A64A−AF150
(1.0mg/kg) AF64A−緩衝液対(p<0.05) 塩類−緩衝液 AF64A−AF150(1.0mg/kg)対(p<0.005) 塩類−緩衝液 塩類−AF150(1.0mg/kg)対(p<0.025) 塩類−緩衝液試験11:8本の放射状腕の迷路(RAM)範例における
AF64Aで処理したラットでのAF125とAF150の効果。 この動物モデルはSDAT(Fisher and Hanin,loc ci
t;Fisher 他の Neurosci.Lett.102:325−331頁,198
9年、参照) におけるコリン性の機能低下と認識に関す
る機能傷害によく似ているるすなわち後者の出版物に記
述された方法がここに使用された。 パートA−AF125 逆転している記憶劣勢におけるAF125の潜在的効果
が、RAM範例におけるAF64Aを注射した成熟したラッ
トの行動に対して評価された。 方法 (a) 試験材料 この研究に使用された48匹の雄の成熟ラット(11〜12ケ
月齢)。それらはAF64A(3ナノモル/2μl/半身)を
有するicvを8ケ月早くに3ケ月齢で注射された。行動
試験の1週間前にラットは個々のケージに移され、自由
に飼育されている体重の90%になるまで食物を制限され
た(ラットは水については自由であった)。その部屋は
1日12時間(6時から18時まで)照明され、行動試験の
時限は午前中に実施された。自由な飼育体重の90%にな
った後で、ラットは体重をさらに減少するために、1日
当たり約4個の食物ペレット(錠)を食べさせられた
(アルトロミン15g)。行動試験の2日前に、ラットは
迷路(maze)での強化用に後で使用された正確ペレット
(Bioserv 社製)を食べさせられた。 (b) 装置 行動試験はポリビニルクロライドで作られた、位置が高
められた(70cm)8本腕の放射状の迷路で管理された。
その腕は(長さ75cm幅10cm)の8角形の中央の闘技場
(幅40cm)から伸びていた。各腕の末端に自己飼育器が
設置された(45mg錠ディスペンサー形式8000)(Lafaye
tte Instrument 社製)。 (c) 行動試験 (1) 予行訓練 実際の試験を開始する前にそのラット群はRAMに習熟
させられた。ペレットが迷路の全面にまき散らされた。
ラットは中央の闘技場にいつも同じ方向に向かって一度
に置かれ、腕から腕へ8本の腕を全部動き廻るまで或い
は10分間が経過するまで動くにまかされる。予行訓練は
2週間(1週間当たり5日間)続けた。 (2) そのバッチの大きさ(48匹のラット)に起因して
実験は2相で行なわれた。12匹のAF64Aを注射されたラ
ットと12匹の塩類を注射されたラットが各相に参加させ
られた。ラットは任意に異なった相に割り当てられた。
各相でラットはさらに2つの薬剤処理サブグループと対
照に分けられた。各訓練日にラットはAF125(0.5mg/k
g.塩類溶液中、i.p.)或いは塩類(1mg/kg.i.p.)の
いずれかの注射に続いて30分間中央の闘技場に放され
た。ラットは8個のペレットが受取られか或いは15分間
経過するまで、腕から腕へ走り廻るにまかされる。各ラ
ットの正確な選択に対してエラーの数と5日の訓練日の
総計時間が1ブロックに寄せ集められた。正確な選択、
エラー数および総計時間数が2ANOCA法(2×
2)、(AF64A注射或いは塩類注射とAF125、0.5mg/kg
処理或いは塩類処理)によって解析された。 正確な選択:AF64A注射のラットの行動(6.0±0.24)と
塩類注射のラットの行動(6.8±0.15)〔F(1/36)=
9.29、 p<0.005〕の間の最初の8つの入り込みの正確
な選択の平均数に重要な相違が証明された。さらに注射
と処理との間の重要な相互作用が観察された〔F(1/3
6)=6.35、 p<0.025〕。シエフの試験はAF125がAF6
4Aを注射したラットの行動(6.53±0.36)を塩類処理ラ
ットの行動(5.49±0.26)(p<0.025)に比較して改善
した事を示した。さらに、AF64Aを注射したAF125で処
理したラットの行動と塩類を注射し塩類でしたラットの
行動との間には大幅な相違は見られなかった。 エラーの数:AF64Aを注射したラットは塩類を注射した
ラット(3.5±0.59)より大幅iエラーを行なった(7.6
9±1.1)〔F(1/36)=10.11,p<0.001)。AF125処
理はこのパラメータには、いかなる効果も及ぼさなかっ
た。 数計時間数:総計時間の判定においては、どのグループ
間にも重要な相違はなかった。 体重:t検定による行動試験前のラットの平均重量を比
較して、AF64Aを注射したラット(489.5g)と塩類注射
ラット(579g)間に全体としての大幅な相違〔t=(3
8)=4.05,p<0.001〕が明らかになった。体重に及ぼ
すAF125の効果はラットが給飼制限を受けたので調べら
れなかった。 副作用:この研究に使用された0.5mg/kgの使用量はMW
M実験に使用されたより高い使用量(1と3mg/kg)よ
りは副作用の発生が少なかった。2匹の塩類注射しAF
125で処理したラットだけが下痢に羅った。他の副作用
は認められなかった。 結論 1 AF64Aを注射したラットは両方のパラメータすなわ
ち最初の8つの入り込みの正確な選択数およびエラー数
に表現された行動に大幅な減少を示した。 2 AF125(0.5mg/kg,i.p.)はAF64Aを注射したラッ
トの行動を大幅に改善した。この結果は最初の8つの正
確な入り込みのパラメータによってのみ示された。 3 試験化合物AF125の副作用はMWM実験に使用され
た、より高濃度使用量(1 と3mg/kg)に比較して、
恐らく低い使用量つまり0.5mg/kg に起因して最小で
あった。 パートB、AF150 要約すれば、塩類で前処理されたラットとAF64Aで前処
理された(3ナノモル/2μl/半身、icv)ラットがこ
れらの実験に、精神的打撃後2.5ケ月で使用された。そ
の実験は3週間に亘って実施された。最初の週の間、ラ
ットは迷路の8本全部の腕で食物のペレットを見つける
ように訓練された。仕事を習得した後に、そのラットは
遅らせた手法を使って訓練された。活動期間を遅らす前
の期間中は、迷路の4本の腕は閉塞されラットは開放さ
れたままになっている4本の腕から食物のペレットを受
取った。この仕事期間中、記憶エラーは記憶された。2
時間遅れには続いて、ラットはその迷路に戻された。そ
の迷路の腕全部が今や開放されたが、それらの4本だけ
は活動期間を遅らす前の期間中閉塞された腕におびき寄
せられた。遅れる前の期間中であろうと遅れた後の期間
であれ、ラットはペレットのえさを以前に訪れたどの腕
にも入って行くことなしに受取らねばならなかった。基
線のレベルに到達した後はラットは3週間の実験中ラッ
トの行動に対して試験され、その実験で10mMの燐酸緩
衝液(pH7.3)或いはAF150〔10mMの燐酸緩衝液(pH7.
3)に溶かした0.07或いは1.0mg/kgフリー塩基〕が5日
間毎日1回遅れる前の期間の直後i.p.で投薬され
た。その結果は週(II或いはIII)に従って一覧表に記
入され表16に示される。 表16:仕事記憶エラー(期間I) その仕事記憶エラーはAF64Aを溶かした緩衝液処理のラ
ットのグループで遅れる前の期間中に増加した。つまり
プロセス習得が進行するにつれて、そのようなラットは
多分、以前の経験が助長しなくて、むしろ次の仕事に支
障をきたすだろうから、さらに混乱したようである。AF
150は試験された使用量で(0.07或いは1.0mg/kg,i.
p.)、AF64Aで処理したラットの遅れる前の期間だけで
は仕事記憶を強化することに大幅に有益であった。事実
0.07mg/kg,i.p.より低い使用量は試験されたより高い
使用量より幾らか優れている。この実験でのAF150の有
益効果はAF64Aで処理したラットでは単純に改善するよ
りはむしろ悪化の阻止である。AF150はラットのエラー
がまたその期間中に増加したけれども、遅らした後の期
間中、仕事記憶エラーには改善効果を及ぼさなかった。
この効果に対する理由は、(a) 遅れる前の期間は遅れた
後の期間よりはもっと簡単な仕事である。それだ から
認識に関する能力はより少なくて間に合い改善すること
はより容易である だろう。 (b) AF150 は遅れる前の期間後に投薬されたので、4つ
の最初の入り込みの記憶の痕跡の強化を改善するだろ
う。その薬剤のこの投薬後は遅らす後の期間には何の効
果も及ぼさなかった。すなわち異なった認識に関するプ
ロセスである他の4つの入り込みの習得に効果を及ぼさ
なかったことはあり得るだろう。PA試験でAF150の結
果と一緒に得られたこれらの結果は、この化合物がAF10
2Bよりは驚く程さらに強力な認識に関する活性剤である
ことを示しているように見える。それだから、AF150
はSDATの抑制用に特に将来有望であると言えよう。 試験12:Morrisの水の迷路(MWM)の範例におけるAF
64Aで処理したラットでのAF151の効果。 SDATでの自律神経繊維のコリン作動性の機能低下と
認識に関する損傷によく似ているこの動物のモデルはFi
sher 等の(J.Pharmacol.Exptl.Therap.1991in the Pre
ss ) に記述されたように使用された。ラットはAF64Aで
(3ナモル/2μl/半身、icv)或いは塩類(2μl.,i
cv)で燐酸緩衝液或いはAF151の存在で注射された。そ
の結果はラットが動き廻った通路の長さ(糎)によって
表17に示される。AF151は3段階の投薬量の全部で、AF6
4Aで処理したラットでの認識に関する損傷を回復するこ
とに有益な効果を左右する重要な使用量を示した。この
ようにして、AF151は明白な副作用を示さずに、非常に
低い使用量で効果的であるので、SDATの治療に将来
有望な薬剤であろう。表17に記録された資料の統計的に
重要なものは次のようなものである。すなわち AF151(1.0mg/kg.,i.p.)対AF64A+燐酸緩衝液、p<
0.01 〔以下略〕 表17:MWM試験でラットが動き廻った道の長さ(cm) 〔以下略〕 表17に対する注意つまり簡単な言えば(Fisher 等によ
って推進されたJ.Pharmacol.Exptl.Therap.1991,定期
刊行物)、訓練は各日に各ラットは4つの試みを課し
て、5日間連続で続けられた。結果はプロック(例えば
1日当たり4つの試み)で表現される。1から16までの
試み中(1乃至4日、訓練段階)、舞台はプールの北西
の4分の1区の中心に位置づけされた。5日間に試み番
号17でその舞台はプールから完全に除かれた(移動試
験)。この試みでそのラットは限定された期間(60秒
間)水につけられその空間の斜線が測定さたれ。5日目
に試み18乃至21では、その舞台は南東の4分の1区の中
心に移動されたるつまりプールの周辺の北、南、東、或
いは西である。位置の順序は各日になかば任意に変えら
れた。AF151と燐酸緩衝液は5日間1日1回試験の30分
前に投薬された。実験はマイコン(8MZHz−IBM
AT、Gala;La.社)に連結された像解析機(シス型−
Z)からなっている能力別教育課程編成を使用して行な
われた。この発明のある好ましい実施例が詳細に記述さ
れたが、多くの修正や変化が行なわれることができるこ
とは、その技術分野で高い技術の人々には明白なことだ
ろう。この発明は従ってそのような好ましい実施例に限
定されるように解釈されるべきではなく、むしろその概
念、範囲、考え方は次に述べる請求に関して理解される
べきである。,.,,,で,,,下,、図面により本発明の一
実施例としての<名称>について説明すると、図1は、
図2は、ある。
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の<名称>
によれば、次のような効果または利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】
【図2】
【図3】
【符号の説明】
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【手続補正書】
【提出日】平成3年4月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 スピロ橋かけ型および非橋かけ型複素
環式化合物
【特許請求の範囲】
【化81】 をもっている化合物であって、[化81]の構造式
(I)でQは6員還の1’,4’或いは1’,5’の位
置に結合した、(CH)m或いはC(CHであ
り、ここでmは1,2或いは3であり、[化81]の構
造式(II)でQは2個の水素原子、(CH)m、或
いはC(CHであり、ここでmは1,2或いは3
であり、さらにnとはn+=1乃至3を除いて各独
立に0,1,2或いは3であり、R°は水素、メチル、
或いはハイドロキシルであり、その一部分としての[化
31]は[化32]或いは[化33]を表しており、
【化31】
【化32】
【化33】 Rは水素、NH、NH−C1−6−アルキル、アルキ
ル、N(C1−6−アルキル)、C1−6−アルキ
ル、C2−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル、
1−6ハロゲン原子で置換されたC1−6−アルキル、
ハイドロキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルコ
キシ、C1−6−アルキルチオ、C1−6−アルコキシ
−C1−6−アルキル、カルボキシ−C1−6−アルキ
ル、(C1−6−アルコキシ)カルボニル−C1−6
アルキル、アミノ−C1−6−アルキル−、モノ(C
1−6−アルキル)アミノ−C1−6−アルキル、ジ−
(C1−6−アルキル)アミノ−C1−6−アルキル、
2−オキソーピロリジン−1−イル−メチル、アリル、
ジアリルメチロールおよび1個或いは2個のアリルグル
ープで置換されたC1−6−アルキルから選ばれ、R’
はRが選ばれるグループおよびC1−6−アルカノイル
とアリルカルボニルから独立的に選ばれ、アリルは構造
式(II)の場合に下記の(i),(ii),(ii
i)および(iv)を条件として、置換されないフェニ
ル或いはハロゲン、C1−6−アルキル、C1−6−ア
ルコキシおよびCFから選ばれる1乃至3成分で置換
されたフェニルを表わしている化合物。 (i)Qが2個の水素原子であるときn==1、R°
は水素、RはNHそして,R’はメチルであり、その
とき、その一部分としての[化34]は[化35]以外
のものである。
【化34】
【化35】 (ii)Qが2個の水素原子である場合、n==1
で、R°は水素そしてRはフェニルであり、そのとき
R’は第三級ブチルではない。 (iii)Qが2個の水素原子である場合、n==1
で、R°は水素、Rは−クロロフェニルそしてR’は
第三級ブチルであり、そのとき、その一部分としての
[化36]は[化37]でなく、[化38]でもない。
【化36】
【化37】
【化38】 (iv)Qが2個の水素原子である場合、n==1
で、R°は水素、Rは3,5−ジクロロフェニルR’は
第三級ブチルであり、そのとき、その一部分としての
[化39]は[化40]以外のものである。
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】 RはC1−6−アルコキシ或いはC1−6−アルキルチ
オではない化合物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は4−および5−スピロ
(1,3−オキサゾリンおよび1,3−チアゾリン)に
関するもので、このオキサゾリンまたはチアゾリンにス
ピロ連結している環は1つの窒素原子を有する橋かけ型
または非橋かけ型の飽和複素環式のものである。本発明
はまた、このようなスピロ化合物を含有する薬剤組成物
に関するものである。これらの化合物は、スピロ化合物
あるいは薬剤組成物を用いる中枢および末梢神経系疾患
の治療のためにも有用である可能性がある。
【従来の技術】オキサチオラン環がスピロ状にキナクリ
ジン環と連結している新規スピロキナクリジン化合物
は、たとえば1986年12月17日公告の欧州特許出
願No.0205247A2や米国特許No.4,85
5,290(1989年8月8日公布)、米国特許N
o.4,981,858(1991年1月1日公布)、
米国特許No.4,900,830(1990年2月1
3日公布)、米国特許No.4,876,620(19
89年10月24日公布)に記載されているので、参考
のためこれらのすべての内容もここに併せて記載する。
これらの新規化合物は、すでに中枢神経系活性を有する
ことが発見されている。この2−メチルスピロ(1
−オキサチオラン5’,3)キナクリジン化合物は、
2−メチル基がオキサチオラン環と同じに、キナクリジ
ン環の窒素原子と同じ側にある(シス)か、あるいは
ナクリジン環の窒素原子とは別の側にある(トランス)
かにより、幾何学的なシス異性体あるいはトランス異性
体として存在するが、その生物学的活性については、す
でに特に広汎に研究されており、病状発現前のテストを
ベースにしてシス化合物(コードNo.AF102B)
の方がアルツハイマー型老人性痴呆症(SDAT)の抑
制に特に有望であることが発見されている。また、この
シスおよびトランス異性体のいずれも光学的に変形され
るかも知れないとの興味があり、光学的異性体の生物学
的活性についても数多くのケースについて研究が行なわ
れている。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
上述のスピロ−オキサチオラン/キナクリジン化合物と
は著しく異なる新規の4−および5−スピロ−1,3−
オキサゾリンおよび−1,3−チアリン化合物を提供
することにある。さらに本発明の目的、特に有用な薬剤
組成物ならびにそれによる病気治療の提供に関しては、
以下の記載により明らかにされるであろう。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は[化51]の概
略の構造式(I)および(II)を有する新規化合物を
提供するものである。
【化51】 この新規化合物には、鏡像異性体、ラセミ化合物、酸付
加物ならびにその第四級塩も含まれる。そして[化5
1]の構造式(I)のQは(CH)mまたはC(CH
で、六員環の1’,4’または1’,5’の位置
に接しており、構造式(II)のQは2つの水素原子,
(CH)mまたはC(CHであり、は1,2
または3であり、nとpはそれぞれ別々に0,1,2ま
たは3であり、その場合n+=1−3であり、R°は
水素,メチルまたはヒドロキシルである。[化1]の部
分は、[化2]または[化3]を意味し、
【化1】
【化2】
【化3】 Rは水素,NH,NH−C1−6−アルキル、N(C
1−6−アルキル)、C1−6−アルキル,C2−6
−アルケニル、2−6アルキル、3−7−シクロア
ルキル、1−6ハロゲン原子置換のC1−6−アルキ
ル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アル
コキシ1−6−アルキルチオ、C1−6−アルコキ
シ−C1−6−アルキル、カルボキシ−C1−6−アル
キル、(C1−6−アルコキシ)カルボニル1−6
アルキル、アミノ−C1−6−アルキル、モノ(C
1−6−アルキル)アミノ−C1−6−アルキル、ジ
(C1−6−アルキル)アミノ−C1−6アルキル、2
−オキシ−ピロリジン−1−キシル−メチル、アリル、
ジアリルメチロール、および1ないし2のアリル基で置
換されたC1−6アルキルである。R’は、Rとは無関
係に上記Rが選ばれる基の中から選ばれるほか、C
1−6−アルカノイルおよびアリルカルボニルからも選
ばれる。アリルは非置換フェニルまたは水素,C
1−6−アルキル、C1−6−アルコキシおよびCF
の中から選ばれた1−3置換フェニルを意味するが、た
だし、構造式(II)の場合には、次の(i),(i
i),(iii),(iv)の条件がつく。すなわち、
(i)Qが2つの水素原子、n=p=1,R°が水素
RがNH,R’がメチルである場合には、[化1]の
部分は[化5]以外でなくてはならない。
【化5】 (ii)Qが2つの水素原子、n==1、R°が水
素,Rがフェニルである場合には、R’は第三級ブチル
以外でなくてはなならない。(iii)Qが2つの水
素,n==1、R°が水素,Rが−クロロフェニ
ル、R’が三級ブチルである場合には、[化1]の部分
は[化7]以外でなくてはならない。
【化7】 (iv)Qが2つの水素,n==1,R°が水素,R
が3,5−ジクロロフェニル、R’が第三級ブチルであ
る場合には、[化1]の部分は[化5]以外でなくなて
はならない。本発明によるスピロ化合物は、上述したも
のとは異なり、光学的異性を示すものであり、ごく稀に
幾何学的異性をも示すものである。光学的異性は、Rお
よび/またはR’が非対称であり、および/または環ヘ
テロ原子としてただ1つの窒素を含有するスピロ環がス
ピロ結合に関して非対称である場合によく見られる。上
記定義による[化51]の構造式(I)および(II)
の化合物は新規なものである。[化51]の構造式(I
I)の化合物において、Qが2つの水素,n==1,
R°が水素,RがNH,R’がメチル、そして[化
1]の部分が[化5]である場合には、この化合物はH
arndenとRasmussen(J.Med.Ch
em.,23号:305−306頁,1970年、参
照)がCNS興奮活性について試験した化合物である。
しかし、かれらが最も活性のあるものとして選びだした
5つの化合物の中には、これは含まれていない、[化5
1]の構造式(II)の化合物において、Qが2つの水
素原子、n==1,R°が水素,Rがフェニル、R’
が第三級ブチルの場合には、この化合物は、Q,n,
p,R°,R’が上記の通りであり、Rが−クロロフ
ェニルであるものが知られている。また、[化1]の部
分が[化13]のいずれかであるか、
【化13】 またはRが3,5−ジクロロフェニルである化合物、あ
るいは[化1]の部分が[化5]である化合物も知られ
ている(Jones他、J.Chem.Soc.(B)
1308−1315頁,1971年、参照)。しかし、
これらの生物学的活性については報告されていない。
【0004】本発明による薬剤組成物においては、上記
のただし書き(ii),(iii),(iv)は該当し
ないという点が評価されるべきである。欧州特許出願N
o.0337547A1(1989年10月18日公
告)には、[化52]の構造式をもった化合物が精神病
性異常、初老性ならびに老人性痴呆、その他の生理的疾
患の治療に有用といわれている次の化合物が開示されて
いる。
【化52】 なお、この[化52]の構造式にみられる破線は2つの
位置のうちの1つにおける任意の結合を表している。A
は[化53]の構造式のものである。
【化53】 (ここで、R,Rはそれぞれ別個に水素または特定
の置換基、Vは[化16]または[化17]、
【化16】
【化17】 Wは特殊の置換基で置換されたO,SまたはNHであ
る)。Qはアザ環式またはアザ二環式系の残基である。
X,Y,Zのうち2つはそれぞれ別個にO,S,Nの中
から選ばれ、残りの1つはCであるか、あるいはYにつ
いてはC=Oでもよい。この文献は生物学的試験結果に
ついてはなにも述べていない。しかし、開示されている
化合物(特定はされていない)のうちのいくつかのもの
は5−HT受容体(レセプター)に対する親和性を示
したと述べている。この文献は、上記の記号Q,X,
Y,Zで示した構造式の一部を本質的な二環式遊離基A
と組み合わせて置きかえてみたとき得られる数多くの構
造式の中から、特定のものを1つだけを選びだす際に必
要な、生物学的活性に基づいた指示については、なにも
のも与えていない。[化51]の構造式(I)の場合の
橋かけ環の例としては、1−アザ二環〔2,2,1〕ヘ
プタン、7,7−ジメチル−1−アザ二環〔2,2,
1〕ヘプタン、1−アザ二環〔2,2,2〕オクタン
(キナクリジン)、1−アザ二環〔3,2,2〕−ノナ
ン、1−アザ二環〔3,1,1〕ヘプタン、7,7−ジ
メチル−1−アザ二環〔3,1,1〕ヘプタン、1−ア
ザ二環〔3,2,1〕オクタンおよび1−アザ二環
〔3,3,1〕ノナンがある。[化51]の構造式(I
I)の場合、オキサゾリンまたはチアゾリン環とスピロ
状に結合する環の例としては、Qが2つの水素原子のと
きにはピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン
があり、Qが上記以外のときには、5−アザ二環〔2,
1,1〕ヘキサン、6,6−ジメチル−5−アザ二環
〔2,1,1〕ヘキサン、7−アザ二環〔2,2,1〕
ヘプタン、8−アザ二環〔3,2,1〕オクタン、6−
アザ二環〔3,1,1〕ヘプタン、7,7−ジメチル
6−アザ二環〔3,1,1〕ヘプタン、8−アザ二環
〔3,2,1〕オクタン、9−アザ二環〔3,3,1〕
ノナン、7−アザ二環〔4,1,1〕オクタン、8,8
−ジメチル−7−アザ二環〔4,1,1〕オクタン、9
−アザ二環〔4,2,1〕ノナンおよび10−アザ二環
〔4,3,1〕デカンがある。さらに、[化51]の構
造式(I)および(II)において記号R°で示したよ
うに、これらの環系ではいずれもメチルをOHによる環
置換が可能である。本発明によるスピロ化合物は中枢神
経系ならびに末梢神経系活性を有する。前述した[化5
1]の構造式(I)の化合物においては、Rは水素,N
,NHC1−6−アルキル、N(C1−6−アルキ
ル)、C1−6−アルキルまたはアリルであり、R
は水素またはメチルである。前述の[化51]の構造式
(II)の化合物では、Rは水素,NHC1−6アルキ
ル、N(C1−6−アルキル),C1−6−アルキル
またはアリルであり、R’は水素またはメチルである。
本発明の普遍性に対し先入観なしにいえば、これらの化
合物の見本は次の通りである。 2−アミノスピロ(1,3−オキサゾリン−5,3’)
キナクリジン 2−メチルスピロ(1,3−オキサゾリン−5,3’)
キナクリジン 2−エチルスピロ(1,3−オキサゾリン−5,3’)
キナクリジン 2−フェニルスピロ(1,3−オキサゾリン−5,
3’)キナクリジン 1−メチルピペリジン−4−スピロ−4’−(2’−メ
チル−1’,3’−オキサゾリン) 1−メチルピペリジン−4−スピロ−4’−(2’−エ
チル−1’,3’−オキサゾリン) 2−メチルスピロ(1,3−オキサゾリン−5,4’)
−1’−メチルピペリジン 2−メチルスピロ(1,3−チアゾリン−5,4’)−
1’−メチルピペリジン 2−エチルスピロ(1,3−オキサゾリン−5,4’)
−1’−メチルピペリジン これに、鏡像異性体、ラセミ化合物、酸付加物およびそ
の第四級塩も含まれる。
【0005】さらに本発明は、哺乳動物の中枢神経系な
らびに末梢神経系疾患の治療に有用な薬剤組成物を提供
するものである。この場合、本発明によるスピロ化合物
のうちの少なくとも1つを用いる際に有効な量に特徴が
ある。また、本発明は哺乳動物の中枢ならびに末梢経系
疾患の治療方法についても提供する。この場合、これら
の疾患の治療に本発明によるスピロ化合物のうちの少な
くとも1つを用いる際に有効な量を管理することに特徴
がある。前述したように、ただし書き(ii),(ii
i),(iv)にはこのような組成物ならびに方法につ
いては全く記載がない。[化51]の構造式(I)のオキサゾリン化合物の製造 上記[化51]の構造式(I)のスピロ化合物はオキサ
ゾリンまたはチアゾリン環を形成する反応によって製造
される。例示すれば、Q=(CH)nでn=2の場
合、この環化反応をおこさせるのに適した物質は[化5
4]および[化55]の反応によって製造する。
【化54】
【化55】 注目すべき点として、[化55]では、ナトリウムアジ
ドと3−メチレンキナクリジンのエポキサイドとが水溶
液での反応の結果、ただ1つ、3−アジドメチルキナク
リジン−3−オールを生成し、これ湿った活性ラニー
・ニッケルを窒素の発生が終わるまで添加すると所望の
化合物が形成されるのである。[化55]の主な利点
は、次の通りである。 (a)中間物を取り出す必要がない。 (b)触媒の水素含有量が充分なので、水素化装置を必
要としない。 驚くべきことに、これらの反応系のいずれにおいても3
−アミノメチル生成物はカルボン酸RCOOHによって
容易に縮合し、スピロ化合物を生成することが発見され
た。これに対し、これまではアミノアルコールとカルボ
ン酸の縮合によるオキサゾリンの生成は、アミノアルコ
ールをNHがついている炭素原子と完全に置換したと
きにのみ円滑に進行するものと信じられてきたのであ
る。〔「オキサゾリン,その製造,反応および装置」、
J.A.Frunp,Chem.Rev.7号,483
−505頁,197年、参照〕。対応するイミデイト
RC(:NH)−0−アルキルをカルボン酸RCOOH
の代わりに使用することも可能である。橋かけ環がたと
えばキナクリジンの場合、[化51]の構造式(I)の
化合物を生成するための反応は次の通りである。
【化56】 スピロキナクリジン化合物を得るためには、たとえばn
=2,R=NHの場合には臭化ジシアンと3−アミノ
メチルキナクリジンを反応させるのが好ましい。上述の
方法は、X=O,Y=Nの場合における本発明の化合物
の製造には有効である。しかし、X=N,Y=Oの場合
における本発明の対応する(a)群の化合物の製造に同
様の方法を用いるためには、開始物質としては3−アミ
ノ−3−ヒドロキシメチルキナクリジンが適当である
(説明すると、オキサゾリンにスピロ結合する環はキナ
クリジンである)。この開始物質は、たとえば次の[化
学57]によって製造される。
【化57】
【0006】[化51]の構造式(II)のオキサゾリ
ン化合物の製造 前記[化51]の構造式(II)のスピロ化合物は、飽
和の窒素だけの環系を含有し適当に置換された化合物
と、オキサゾリン環の生成に効果のある反応剤とを反応
させて製造する。したがって、たとえば適当な開始物質
としては4−アミノメチル−1−メチルピペリジン−4
−オールがあり、これは[化58]の場合のように、た
とえば4−ニトロメチル−1−メチルピペリジン−4−
オールの塩酸塩から、あるいは[化59]の場合のよう
に4−アジドメチル−1−メチルピペリジン−4−オー
ルから製造される。
【化58】
【化59】 目すべき点として、[化59]の場合、ナトリウムア
ジドと4−メチレン−1−メチルピペリジンのエポキサ
イドとの水溶液での反応は、ただ1つ4−アジドメチ
ル−1−メチルピペリジン−4−オールのみを生成する
が、一方、後者に湿った活性ラニー・ニッケルを、窒素
の発生が終わるまで添加すると、所望の化合物が生成す
るのである。[化59]の主な利点も、[化55]のと
ころで述べた通りである。驚くべきことに、これらの反
応図のいずれにおいても、得られた3−アミノメチル生
成物は容易にカルボン酸RCOOHと縮合してスピロ化
合物を生成することが発見された。これに対し、これま
では、アミノアルコールとカルボン酸の縮合はアミノア
ルコールをNHがついている炭素原子と完全に置換し
たときにのみ円滑に進行するものと信じられてきたので
ある。〔オキサゾリン,その製造,反応および応
、J.A.Frup,Chem.Rev.71,
483−505頁,1971年、参照〕。対応するイミ
デートRC(:NH)−0−アルキルも、カルボン酸R
COOHの代わりに使用可能である。
【0007】[化51]の構造式(II)の化合物を生
成する反応は、(たとえばスピロオキサゾリン/ピペリ
ジンの場合)[化60]の通りである。
【化60】 しかし、R=NHの場合にスピロ化合物を得るために
は、臭化ジシアンを、たとえば4−アミノメチル−1−
メチルピペリジン−4−オールと反応させるのが好まし
い。上述の方法は、[化1]が[化5]である場合に本
発明の化合物を製造するのには有効であるが、[化1]
が[化21]である場合に、
【化21】 本発明の化合物を製造するのにこの方法を適用するため
には、開始物質としては4−アミノ−4−ヒドキシメ
チル−1−メチルピペリジンが適当である(説明する
と、オキゾリンにスピロ結合する環はピペリジンであ
る)。この開始物質と最終物質は、たとえば[化61]
または[化62]のように製造される。
【化61】
【化62】 オキサゾリン化合物(I)および(II)の製造 [化1]が[化3]または[化24]である場合、
【0008】
【化24】 これらの化合物ならびにオキサゾリン類似物は、たとえ
ばチアゾリンまたはオキサゾリンにスピロ結合する環が
ピペリジンまたはキナクリジンであるとき、次の[化6
3]および[化64]により製造することができる。
【化63】
【化64】 さらに、対応するエポキサイドまたはチオエポキサイド
の製造法、ならびにこれを適当なニトリルと反応させる
方法も含まれており、この方法はオキサゾリンまたはチ
アゾリン環にスピロ結合する環が、たとえばピペリジン
またはキナクリジンである場合について次の[化65]
に示す通りである。
【化65】
【0009】[化51]の構造式(I)および(II)
の化合物にはその付加塩および第四級塩も含まれる。
そのことはこの化合物が、本発明の主体を形成している
場合、本発明による薬剤組成物中に含まれている場合、
あるいは本発明による方法に用いられている場合を問わ
ない。たとえば、薬剤用の酸付加塩には、塩酸、臭化水
素酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、リ
ンゴ酸、醋酸、クエン酸、酒石酸、ジベンゾイルD−お
よびL−酒石酸、ジトルオイルD−およびL−酒石酸、
サリチル酸、炭酸、アスパラギン酸、グルタミン酸など
から作られるものも含まれる。本発明によるスピロ化合
物が光学的活性を有する場合には、そのラセミ化合物を
ジベンゾイルL−またはD−酒石酸やジトリルL−また
はD−酒石酸のような光学的活性の酸を用いて分割する
ことができる。少なくともRがメチルである場合の本発
明によるスピロ化合物は、本質的に活性ムスカリンアゴ
ニストである。これらの化合物は、その薬理的性質によ
り、コリン作動システムが機能低下している中枢のコリ
ン作動機能を活性化するものである。
【0010】本発明によるスピロ化合物は、一般に次の
ような疾患の治療に有用である。すなわち、初老期痴呆
ならびに老人性痴呆、アルツハイマー型老人性痴呆症
(SDAT)、非定形アルツハイマー病(Perry
他、Advances in Neurology,e
ds,R,J,Wurtman他、51−41頁,19
90年、参照)、マルチインフラクト痴呆症とアルツハ
イマー病の複合疾患、年令に伴う記憶損傷(AAM
I)、急性錯乱異常、情緒ならびに注意異常、緩歩性運
動障害、増動、アルツハイマーとパーキンソン合併症、
失語症、幻覚状態、脳炎後健忘症候群、アルコール禁断
症状、ハンチントン舞踏病、ピック病、フリードリヒ運
動失調症、トウーレット病、ダウン症候群などである。
というのは、これらの疾患はすべて、少なくともある程
度までは、中枢コリン機能低下に密接に関係した障害で
あるからである。また、本発明によるスピロ化合物は鎮
痛剤でもあり、したがってリューマチ、関節炎、末端疾
患のような激痛を伴う病気の治療にも役立つ。Rがメチ
ルである場合の本発明によるスピロ化合物は、SDAT
ならびにこれに付随する変調に特に有用である。本発明
によるスピロ化合物は、以下の組み合わせ、ないし添加
によっても使用される。すなわち、フィゾスチクミンま
たはテトラヒドロアミノアクリジンのようなアセチルコ
リン・エステラーゼ抑制剤との組み合わせ;コリンまた
はレシチンのようなアセチルコリン前駆物質との組み合
わせ;ピラセタン、アニラセタン、オキシラセタン、プ
ラミラセタンのような“ヌートロピック”薬剤への添
加;4−アミノビリジンまたは3,4−ジアミノピリジ
ンのようなCa2+チャンネルと相互作用する化合物へ
の添加;ソマトスタチンのようにアセチルコリンの放出
を調整する効果をもつペプチドへの添加;唾液分泌、下
痢、胃液分泌、高放射線量により起こる嘔吐のような末
梢の副作用を中和するための末梢抗ムスカリン剤(たと
えばピレンチピン、N−メチルアトロピン、N−ブチル
スコポラミン、プロパンセリン、メサンセリン、グリコ
ピロレート、トロペンチリウム)との組み合わせ;悪心
(吐き気)、嘔吐を中和するための商品名「スコポダー
ム」(Scopoderm)のようなトランスデルマル
・スコポラミンとの組み合わせ;SDAT,AAMI,
SDA+パーキンソン病としばしば一緒見られる認識
力低下や憂鬱症候群を和らげるための、ノルトリプチリ
ン、アミトリプチリン、イミプラミン、ミナプリンのよ
うな抗鬱剤との組み合わせ;高放射線量のために生じる
末梢の副作用を中和したり、中枢抑制シナプス前および
後のレセプターにおけるこのようなアゴニスト(作用物
質)の抑制効果を中和したり、M2型の自己抑制レセプ
ターを経てインタクトターミナルにおいてアセチルコリ
ンの放出を高めたりするための、セコバリン、AFDX
−116(Hammer他、LifeSci.,38
号:1653頁,1986年、参照)のようなM−抗
ムスカリン剤との組み合わせ;脳のニコチンおよびムス
ラリンレセプターを刺激するための、ニコチンアゴニス
トとの組み合わせ;SDATのコリン−ノルアドレン欠
乏と関連する認識その他の障害を改善するための、アド
レンアゴニスト(クロニジンまたはカンファミシン)と
の組み合わせ;SDATの認識その他情緒機能を改善す
るための、アラプロクレート、ジメリジンのような神経
セロトニン抑制剤との組み合わせ;SDAT/PDのよ
うな合併症に伴う認識、その他運動障害を改善するため
のデプレニルのようなモノアミンオキシダーゼ−B抑制
剤との組み合わせ;神経成長因子(Nerve Gro
wth Factor)(NGF;鼻腔スプレーまたは
脳室投与による)との組み合わせである。本発明による
スピロ化合物は、単独または上記活性物質と組み合わせ
て投与されるが、その方法を例示すると、適当な釈剤
または担体に含ませて座薬の形で肛門から直腸へ投与す
る方法;適当な賦形剤を用い、単独またはフィソスチグ
ミンやテトラヒドロアミノアクリジンと併用して、たと
えば米国特許No.2163347(1988年11月
29日公布)の主題となっている装置を用いて散布ある
いは鼻腔スプレーする方法がある。
【0011】また、本発明のスピロ化合物は、特にR=
メチルの場合、緩やかな局所活性を有する持続性コリン
剤の使用が求められる疾患の治療に有用である。この場
合のコリン剤は緑内障のような病気に用いられるもので
ある。というのは、このスピロ化合物は、たとえばアセ
チル−、ブチリル−コリンエステラーゼのようなアセチ
ルコリンを非活性化するような酵素によっても破壊され
ないからである。また、重症筋無力症、肪胱機能異常、
Adi病、Eaton−Lambert病のような末梢
コリン異常の治療にも、本発明のスピロ化合物は有用で
ある。さらにこの化合物は、薬剤によってコリン活性が
押さえられ神経症にも使用できる。本発明によるスピ
ロ化合物は、特にRがC3−6の場合には抗コリン剤と
なり、それが自然発生的であるか薬剤によるものかを問
わず、コリン機能の高進による疾患の治療に使用され
る。すなわち、PD、疑似PD、AD/PD合併症、初
期緊張異常、ケイレン性斜頸、頭蓋緊張異常、うつ病、
運動疾患、静止不能(神経遮断禁断症状後の)、中枢高
血圧症、頭部傷害、緩歩障害、PD躁うつなどの治療に
おいて、ちょうどアセチルコリンステラーゼ抑制のよう
なアセチルコリン過剰に起因する中毒の場合のストロピ
ン、スコポラミン等に代る補助剤として、その使用が考
えられている。また、この化合物は眼科で長時間あるい
は短時間の瞳孔拡大が必要なときにも使用される。本発
明によるスピロ化合物は、喘息、常習閉塞性肺疾患、消
化性潰瘍のような過度の末梢的活性を特徴とする病気の
治療にも使用される。これら末梢異常の場合には、次の
[化66]構造式(Ia),(Ib),(IIa)に
示す第四級塩の使用が好ましい。
【化66】 第三級窒素は、R”で四半分されており、R”は、たと
えば低級(C1−6)アルキル、フェニルのようなアリ
ル、ベンジルのようなアリル置換C1−6アルキルなど
である。
【実施例】次に、本発明の実施例を以下に説明するが、
ただし、これに限定されるものではない。実施例12−メチルースピロ(1,3オキサゾリン−
5,3’)キナクリジン (a) 3−ニトロメチルキナクリジン−3オール キナクリジン−3−オン(125g、モル)を共沸蒸
溜(トルエン中40%重量)して水分を除き、31の撹
拌機つきフラスコに移してこれに11のナトリウムエト
キシドメタノール液を加え、透明に溶解するまで15〜
20℃で撹拌を続ける。次に、これに61g(1.0モ
ル)のニトロメタンを500mlの無水アルコールに溶
解したものを、温度を20℃以下に保ちながら30分以
上かけて添加する。得られた溶液をHCl−イロプロパ
ノールでpH=1にまで酸性にし、濾過、乾燥すると、
160gの粗生成物が得られた。これは次の段階へと使
用される。 H−NMR(DO,DSS)(HCl塩):δ3.
79(AB型スペクトルの一部としての,C NO
のうちの1つのH),3.38−3.33(m,7
H),2.36(m,1H),2.36−1.95
(m,4H) (b) 3−アミノメチルキナクリジン−3−オール (i)3−ニロメチルキナクリジン−3−オールの還
元による 3−ニロメチルキナクリジン3−オール塩酸塩のメ
タノール溶液を活性炭中10%のPdを触媒として還元
すると、3−ニロメチルキナクリジン−3−オールの
HCl塩が生成する。これをメタノールーイプロパノ
ールで再結晶化すると、白結晶の製品が得られた。 (ii)アジド経由 3−メチレンキナクリジンエポキサイド(25g,0.
18モル)とナトリウムアジド(20g,0.3モル)
を50mlの水に溶かす。これを室温で一晩撹拌した
後、クロホルム(2×200ml)で抽出し、得られた
抽出物を蒸発により濃縮する。この3−アジドメチルキ
ナクリジン−3−オールの油状残渣を水に溶かし、これ
に活性ラニーニッケルを窒素の発生が終わるまで、少し
づつ加えていく(35g)。得られた混合物を濾過した
後、蒸発により濃縮し残渣をインプロパノールで再結晶
すると、9gの3−アミノメチルキナクリジン−3−オ
ールが得られた。 m/zM156,ベースピークm/e139(M−N
)、およびm/z96,これはキナクリジン骨格の
典型である)。 H−NMR(DO,DSS)(遊離塩基):δ1,
3−2.0(5H);2.3−(8H) (二価塩酸塩):δ1,8−2.4(m,5H);3.
2−3.5(m,8H) この二価塩酸塩のH−NMRは遊離塩基とは異なり
所期の構造通りに窒素(たとえば62.5−2.9から
3.3−3.5ppm)に隣接する炭素に6個の水素が
ダウンフィールドシフトをとっている。
【0012】(c)2−メチル−スピロ(1,3オキサ
ゾリ−5,3’)キナクリジン(AF125)(i)
エチルアセタミド法 3−アミノメチルキナクリジン−3−オール(9.1
g,0.058モル)を500mlのジクロロメタンに
溶解し、これにエチルアセタミデート−HCl塩(14
g,0.11モル)を加え、5℃で6時間撹拌する。次
にこの溶液をDowex 1でアルカリ性にして濾過し
た後、溶剤を蒸発させると油状の残渣が得られる。これ
を60〜65℃/0.5mmHgで蒸留し、無色液状の
AF125を得た。 m/z(M)181ベースピーク139(M−CH
CN)。 H−NMR(CDCl−TMS):δ1.97(d
d,3H)(J=1,3H );2.8−2.9(m,
1H);3.14(d,1H)(J=12H);3.
5(dd,1H)(J=13H),3.96(dd,
)(J=13H ,1.3H)。 スピンデカップリング実験を含むH−NMRの場合に
は、C,Cおよびメチルグループに隣接する水素
働きが可能になる。Cに隣接する各水素では、2つの
二重線(J=13H ゼミナルカップリング)ならびに
メチルグループ(J=1.3H )とのホモアリリック
カップリングが見られる。1.97(メチルグループ)
に照射すると、ホモアリリックカップリングは3.5お
よび3.9ppm、ならびにその逆でも消失する。3.
5に照射すると、H およびH のゼミナルカップ
リングに起因する3,96ならびにその逆で信号が出る
([化67]および[表1]参照)
【化67】
【表1】 13C−NMRスペクトル(CDClの)が提供する
情報は多く、適合する炭素へ重要な共鳴の働きを与える
ことができる。13 C−NMRスペクトル(CDCl−TMS);δ
13.2(CH);20.5(CHCH);21.
5(CHCH);30.0(HCH);45.
3,45.7(CH N);62.2,64.2
N);84.0(OCH);165(
) GC(ワンピーク);カラム25m.,直径,0.2
mm,パッキング,5%フェニルメチルシリコン;ディ
テクタータイプ,FID;温度;カラム,125℃,
ンジェクションポート,220℃,ディテクター,22
0℃,担体ガス:N 0.7ml/分;保持時間:
6.2分 (ii)醋酸法 3−アミノメチルキナクリジン−3−オール(10g)
を醋酸(5ml)に溶かし、キシレンで30時間共沸蒸
留し、その溶液を冷却後冷たい炭酸カリ水溶液でアルカ
リ性にする。次いで有機層を乾燥し蒸発させると、5.
2gの粗生成物が得られる。これを減圧(60−65℃
/0.5mmHg)で蒸留すると無色の液体となり、冷
却すると固化した。得られた化合物は、(c)(i)の
方法で得たAF125と全く同じ性質ものであった。
【0013】(d) AF125の光学分割 (前おき注:旋光度を決めるのに用いる偏光計には信頼
できない可能性があるので、光学異性体の純度は、こ
では下記のようにH−NMRを用いて評価した。) AF125(15.5g,0.085M)をアセトン
(150ml)に溶解したものを冷却し、これに撹拌し
ながらジベンゾイル−L−酒石酸(18.8g,0.0
5モル)を滴下すると、直ちに結晶が析出する。この沈
澱した塩を集めて温かいイソプロパノールに溶解して精
製し、さらにこれを冷却し、液が混濁するまでエーテル
を添加する。この操作をもう1回繰り返すことにより、
一定の旋光度〔α〕D 20−28(MeOH):
145°の製品が得られた。同様の方法で、A
F125(14.74g,0.08M)および対応する
酒石酸であるジベゾイル−D−酒石酸(17.76
g,0.047M)から出発して、他の鏡像異性体に対
応する塩を得ることもできた。結晶化操作を3回繰り返
した結果、〔α〕D 20+26°(MeOH);m
145°の製品が得られた。上記の製品のそれぞれ
の遊離塩基は、それぞれの塩をKCOの10%溶液
で中和し、クロロホルムで数回抽出を繰り返して得た。
ゾイル−D−酒石酸から作った遊離塩基は、
〔α〕D20=−43°(MeOH)をもっており、一
方、ジベンゾイル−L−酒石酸の塩から作った遊離塩基
は〔α〕D 20+36°(MeOH)をもっていた。
上述したように、鏡像異性体の光学純度はH−NMR
で示している。したがって、AF125のNMR
スペクトルは、光学的純度分割(S)(+)2
トリフルオロ−1−(9−アンスリル)−エタノー
ルの存在下にあるラセミ化合物と同様、2つの光学異性
体が存在することを示している。Cについている水素
のうちの1つの水素のケミカルシフト(C中)の
差で、AF125の光学純度を決定することが可能であ
る。それぞれの鏡像異性体は、Cについている水素の
うちの1つに対してはただ1つの二重線(AB型スペク
トルの半分)が存在することを示している。
【0014】実施例22−エチルスピロ(1,3オキ
サゾリン5,3’)キナクリジン(AF123) 実施例1(c)と同様に表題の製品は、3−アミノメチ
ルキナクリジン−3−オールとプロピオン酸を縮合した
後、キシレンの中で共沸蒸留すれば生成する。AF12
3粗生成物の精製は、減圧下の真空蒸留によって行な
う。m/z:M195,ベースピーク。 H−NMR(CDCl−TMS):δ4.0(d,
1H)(J=13H);3.55(d,1H)(J=
13H);3.1(d,1H);2.7−2.9
(m);2.3Z,2H)(J=7.5H ,C
CH1.1(t,3H)(J=7.5H ,C
)。 GC (AF125の場合と同じ条件;ワンピーク):
保持時間,8.86分。実施例32−アミノ−スピロ(1,3−オキサゾリン
−5,3’)キナクリジンAF125(N) アミノオキサゾリン誘体AF125(N)は多電子オ
キサゾリン環の一例である。というのは、アミノ窒素が
二重結合と共役しているため、次式のようにイミノの窒
素のマイナス負荷が強くなるからである。 N=C−NH<−−>N−C=NH <=>NH
−C NH 3−アミノメチルキナクリジン−3−オール(6g)と
臭化ジシアン(3.5g)をメタノーノレ(200g)
に溶かす。これを室温で5時間撹拌した後、真空で濃縮
する。この残渣を、溶離剤として多系溶剤(1.5:
1.0:2.0:0.06CHCl/エーテル/メタ
ノール/NHOH)を用いてアルミナカラム(300
g)で精製する。その結果、ほぼ純粋の溜分450mg
が得られ、最終的にはアセトンと一緒にに粉砕すること
により純粋の結晶物質を得た。m.p.は135−13
6°であった。 H−NMR(CDCl−TMS):δ3.83,
3.43,3.2(3つの二重線,3H,Hb,そして
HC,J=0.048H);(m,5H);1.9
(b,2H);1.5(m,3)。 FAB−MSは分子イオン(M+1)182を示す。
【0015】実施例42−フェニル−スピロ(1,3
−オキサゾリン−5,3’)キナクリジン AF125(Ph) 3−アミノメチルキナクリジン−3−オール(2g,
0.01モル)とエチルイミド安息香酸塩・塩酸塩(2
g,0.01モル)をエタノール(200ml)中に懸
濁し、室温で24時間混合する。次いで濾過し、蒸発に
より濃縮した後、この粗製残渣をNaHCOでアルカ
リ性にし、ジクロロメタンで抽出する。有機抽出分を蒸
発により濃縮し、その粗製残渣を溶離剤として多溶剤
(1.0:1.0:0.2:0.026CHCl/エ
ーテル/メタノール/32%アンモニア水)を用い、ア
ルミナカラム(30g、直径1.5cm)で精製する。
得られた製品は素早く溶離する(40ml後)。これを
加熱せずに溶剤を蒸発させ、白い固体を得た。m.p.
は65−70℃であった。 H−NMR(CDCL):δ7.955(2H),
7.72(2H),4.16(d,1H),3.73
(d,1H),3.26(d,1H),2.93(d,
1H)および(t,2H),2.77(t,2H),
2.2(m,1H),1.95(m,1H),1.6
−1.52(m,3H)ppm。 R(CHCl)2920,2900,2850s
h,1640sh,1630,1625sh,107
0,1050,1035,1005,965cm−1。 m/z:242(60%)〔M〕,198(30
%),171(12%),149(10%),139
(50%),124(17%),122(20%),1
21(20%),117(30%),111(12
%),105(33%),96(100%),82(5
0%),69(42%),55(36%)。 構造式(I)の化合物の化学的・物理的性質 これらの化合物の大部分は比較的安定でる。たとえばA
F125は熱に対して安定で、130℃で蒸溜しても分
解しない。その化学的挙動は既知の2−オキサゾリン誘
体のそれと似ている。その遊離塩基は、水溶液にした
場合数時間でわずかに分解しはじめ、時間と共に激しく
なる。その場合、分解生成物の発生状況は、δ3.3−
3.5(2つの二重線が出現)と1.9−2.0ppm
(もう2つの一重線が出現)という2つの領域での検査
によりH−NMRを用いてモニターすることができ
る。分解の予想されるパターンとして、(たとえばXが
O,YがNのとき)、[化62]に示すようにアミドと
エステルを作るためのオキサゾリン環の開環が起こる。
この化学式では、キナクリジン誘体はイラスト的に描
かれている。化学式中の2つの構造でR=Mのとき予想
されるように、δ1.9−2.0で2つの新しい一重線
が出現すればこの想定と一致するものである。
【化69】 同じようなパターンの分解はR=Et(AF123)の
場合にも見られる。開環は塩酸の存在でより速く起こ
る。また、酒石酸塩とマンデル酸塩をテトラヒドロフラ
ン中で加熱すると部分分解が起こる点も注意すべきであ
る。このような塩はその分解傾向のため、AF125や
AF123のような化合物の光学的分割を難しいものに
する。しかし、これもAF125の鏡像異性体の光学的
分解の場合に述べた方法を使えば回避することができ
る。或いはまた、3−アミノメチルキナクリジン−3−
オールのようなアミノアルコールの場合は分割が可能で
あり、その分割された鏡像異性体は、既に述べたエステ
ルやイミデートを使用することにより還化することがで
きる。或いはまた、たとえば3−アミノメチルキナクリ
ジン−3−オールのN−アクリル誘体の場合も分割は
可能であり、分割された鏡像異性体は[化70]に示す
通り自分で還化する。
【化70】 この還化には、たとえばp−トルエンスルホン酸或いは
三フッ化ホウ素エーテルなどが使われる。
【0016】実施例52−メチルースピロ(1,3−
オキサゾリン−5,4’)−1’−メチルピペリジン
(II;R=R’=メチル−AF150) (a) 1−メチル−4−ニトロメチルピペリジン−4
−オール塩酸塩 開始 物質はA.D.Cale(米国特許No.4,74
6,655,1988)の方法を少し変えて使い、製
造した。N−メチルピペリジノン(142g,1.28
モル)とニトロメタン(78.1g,1.28モル)の
混合物をナトリウムエトキシド(1.28モル)の20
%エタノール液へよく撹拌しながら添加する。この場
合、内部温度は5−8℃に保つようにする。白い固体が
沈澱するが、そのまま20分間撹拌を続け、さらに室温
で40分間撹拌する。得られた溶液を7.2N塩酸のイ
ソプロピルアルコール溶液で酸性にする。そして、メタ
ノール(3×200ml)で塩酸と無機質を抽出し、溶
剤を真空で除去すれば、表題の化合物が得られた。m.
p.180−182℃(非吸湿性)。 m/z:174(遊離塩基のM,100%),157
(M−OH,20%),127(M−H−NO,25
%),113(M−No−CH,40%)。 (b)4−アミノメチル−1−メチルピペリジン−4−
オール−ハイドロクロド メタノール(1500ml)にとかした1−メチル−4
−ニトロメチルピペリジン−4−オール−(133.5
g)の溶液に、チャーコール上のパラジウム(10%,
4g)を部分的に加えた。この混合物を、室温で圧力5
5psiで48時間、Paar中で水素と化合させた。
この溶液を注意深く瀘過し、活性炭で処理し、溶剤を取
り除き、残留物をメタノーノレ(200ml)を使って
粉砕して表題の混合物、m.p.177−179℃を得
る。 m/z:144(遊離塩基のM,15%),127
(M−OH,25%),114(M−CHNH,1
00%) (c)2−メチル−ピロ(1,3オキサゾリン5,
4’)−1’−メチルピペリジン(AF150) メタノール(50ml)に溶かしたKOHの溶液(86
%の1.43g)を、無水メタノール(50ml)に溶
かした4−アミノメチル−1−メチルピペリジン−4−
オール−ハイドロクロライド(3.61g,0.02
)の溶液に加えた。10分間掻き混ぜた後、20ml
の無水メタノールに溶かしたエチル・アセチミデート・
ハイドロクロライド(2.7g)の溶液を加え、室温で
30分間掻き混ぜ続けた。溶剤を取り除き、残った固体
を50mlの水に溶かした2.8gのNaCOの溶
液で溶かし、それを真空で濃縮して乾燥させる。この白
い固体は、2×50mlのクロロホルムで抽出され、活
性炭で処理し、乾燥し、(NaSO)、溶剤を取り
除いて表題の生成物(収率62.5%)、m.p.45
℃(40℃/0.05mmHgで昇華)をつくり、そし
てCHOH,Rf=0.4に溶かした2%のNH
溶出したシリカTLC上に単一の斑点ができる。 m/z:168(遊離塩基のM,7.5evで100
%),H−NMR(300MH ,CDCl):δ
3.56(2H,q,J=1.5Hz),2.53(4
H,m),2.34(3H,s),1.96(3H,
t,J=1.5Hz),1.82(4H,m)。 この例で使われたKOHを等量のNaOHまたはEt
Nで置き換えても同様の結果が得られた。 (d)2−メチル−スピロ(1,3オキサゾリン5,
4’)−1’−メチルピペリジン・ジベンゾイル−D−
タルトレート 500mlのトルエンに溶かしたジベンゾイル−D−酒
石酸(5.4g,15mモル)の熱した溶液を、200
mlの乾燥トノレエンに溶かしたAF150(5.5
g,32mモル)に掻き混ぜながら加えた。沈殿物はそ
のままにして、上澄み液を静かに移した。残った固体3
×100mlの乾燥トルエンで洗い、圧力を下げて乾燥
し、8.4g(収率80%)の白色のやや吸湿性のある
固体を生成した。 TLCクロロホルム/アルミナ(Merck Art
5581)Rf=0.4。 m/z:168(M H−NMR(300MH,1.5mgNaCO
/0.5mlDOを含むDO):δ1.95(s,
6H,CH −C),2.35(s,6H,CH
N),3.5(s,4H,CH),5.7(s,2
H),7.5−8.2(10H,芳香族系水素)。
【0017】例62−エチル−スピロ(1,3−オキ
サゾリン−5,4’)−1,−メチルピペリジン(I
I:R=エチル,R’=メチル) この混合物は、例5の合物と同様に、エチル・アセチ
ミデート・ハイドロクロライドの代わりに、等量のエチ
ル・プロピオンイミデート・ハイドロクロライドを用い
て調合された。生成物は、収率60.5%で、b.p.
53℃/0.03mmHgの液体の形で得られた。 M−NMR(300MH, CDCl):δ3.
52(2H,t,J=1.5H),2.47(4H,
m),2.30(3H,s),2.26[2H,四重
(J=7H),三重(J=1.5H)],1.86
(2H,m),1.72(2H,m),1.18(3
H,t)。例71−メチルピペリジン−4−スピロ−4’−
(2’−メチル−1’,3’−オキサゾリン(II:R
=R’=メチル−”AF151”) (a) 1−メチルピペリジン−4−スピロ−5’−ヒ
ダントイン エタノール(150ml)に溶かした1−メチルピペリ
ジン−4−オン(36.44g,0.322モル)、水
(400ml)に溶かした炭酸アンモニウム(93.0
g,0.968モル)および水(82ml)に溶かした
シアン化カリウム(25.8g,0.396モル)の溶
液の混合物を2.5時間60℃で加熱してから、一晩室
温で放置し、1−メチルピペリジン−4−スピロ−5’
−ヒダントインを分離した。これは、瀘過されてから少
量の水、エタノールおよびエーテルで洗われ、結晶性の
粉末(27.0g)となる。瀘過液の濃縮と洗浄により
二次生成物(20.0g)ができた。この生成物はメタ
ノール溶液から結晶として得られた:m.p.265=
275°(dec.)。 IR(KBr)3170(NH):1700(C=0)
cm−1 m/z:183(M,38%);71(100%) H−NMR(300MH,DO):δ1.8(2
H),2.06(六重,2H),2.49(S,−CH
),2.58(t,2H),3.14(t,1H),
3.20(t,1H)。 (b) 4−アミノ−1−メチルピペリジン−4−カル
ボン酸 水(150ml)に溶かした1−メチルピペリジン−4
−スピロ−5’−ヒダントイン(9.75g,0.05
33モル)と、水酸化バリウム・八水和物(28.8
g,0.00913モル)を3時間オートクレーブ中で
160℃で加熱した。このような4つのバッチの中身を
混ぜ合わせ、沈殿した炭酸バリウムを瀘過した。瀘過
は固体の二酸化炭素で中和され、沈殿物は瀘過により取
り除かれた。瀘過液は少量に濃縮され、4−アミノ−1
−メチルピペリジン−4−カルボン酸(収率95%で3
2.0g),m.p.275−280℃(dec.)と
なった。 R(KBr)3300,1655,1580cm−1 m/z:158(M,90%);141(98%,M
−OH);113(12%,M−COH);96(1
00%);71(52%) H−NMR(300MH,CN+DO):
δ1.2(m,2H),1.48(s,CH),
1.7(m,2H),1.9(m,2H)2.0(m,
2H)。 (c) 4−アミノ−4−ヒドロキシメチル−1−メチ
ルピペリジン 乾燥テトラヒドロフラン(THF)(600ml)に溶
かした水素化アルミニウムリチウム粉末(15.62
g,0.412モル)を15分間還流しながら加熱し、
その後4−アミノ−1−メチルピペリジン−4−カルボ
ン酸(31.0g,0.916モル)を乾燥粉末の形
で、窒素気流中で、能率的に掻き混ぜながら、部分的に
加えた。添加完了後、この反応混合物を4時間還流しな
がら加熱し、能率的に掻き混ぜながら、窒素気流中で0
℃まで冷却し、水(20ml)、15%のNaOH水溶
液(20ml)そして再び水(10ml)を注意深くゆ
っくりと加えて徐々に行なった。反応混合物は瀘過
れ、沈澱物は煮え立っているTHF(3×150ml)
で抽出された。このTHF瀘過液と抽出物は混ぜ合わさ
れ、溶剤は25mmHgの減圧で取り除かれて、黄色の
粘着性の油(28.0g,収率98.9%)ができた。 R(無処理)3320(NH),3200(br.O
H),1587(NH),1468,1448cm
−1m/z:144(M,15%):127(M−O
H);113(MCOH);96(100%);7
0(41%)。 H−NMR(300MH,CDCl),δ1.4
1(m,2H),160(m,2H),224(s,C
−N),229(m,2H),248(m,2
H),250(br,−NH),3.29(s,C
OH)。 (d) 1−メチルピペリジン−4−スピロ−4’−
(2,−メチル−1’,3’−オキサゾリン)(AF5
1) 4−アミノ−4−ヒドロキシメチル−1−メチルピペリ
ジン(1.80g)と酢酸(20ml)およびキシレン
(20ml)との混合物を28時間共沸蒸留した。残留
酢酸とキシレンは減圧して(25mmHg)取り除か
れ、粘着性の油が残留する。この油はKCOの水溶
液でpH11になるよう塩基性にした。クロロホルムを
用いて抽出し、その抽出物を蒸発させることにより、少
量の褐色の残油(0.27g)がられた。クロロホル
ムによる抽出後に残っている水溶液は蒸発させて水を取
り除き、残留固体はクロロホルムで抽出し、抽出物は乾
燥して(NaSO)蒸発させて、残留物として非常
に吸湿性のある固体(3.0g)を産出した。TLC
は、後者が主として1つの斑点をつくり、それは開始材
料のアミノ・アルコールよりもさらに極性があることを
あきらかにした。150−160℃でけるこの吸湿性
固体の一部を真空で加熱し、ほぼ同時に45℃/0.1
5mmHgで無色の油として蒸留を開始した。この油
は、フリーザーで保管すると室温でける針状の結晶と
なった。この留出物は表題の合物の酢酸塩であった。 IR(無処理)1664(−C=N);1565&13
98(−CO −−;1256(C−O)cm−1m/
z:168(遊離塩基のM);109=70。H−
NMR(300MH,CDCl);δ1.77
(m,2H),1.96(m,2H),1.98(s,
CH−),2.0(s,CH−),2.49(s,
CH−N−),2.91(m,4H),3.95
(s,−CHO−),9.30(br.s−CO
H)。13 C−NMR(300MH,CDCL);δ1
4.0(CO ),22.9(C=N
−),35.6(CおよびC),44.4(CH
),51.1(CおよびC),67.0
(C),77,4(C ),164.3(C−=
N),176.7(−CO−)。 遊離塩基のH−NMR(300MHCDCl):
δ1.64(m,2H),1.84(m,2H),1.
98(s,CH−),2.26(m,2H),2.3
0(s,CH−),2.69(m,2H),3.9
4,(s,−CH−)。
【0018】例81−メチルピペリジン−4−スピロ
−4’−(2’−エチル−1’,3’−オキサゾリン) 4−アミノ−4−ヒドロキシメチル−1−メチルピペリ
ジン(3.0g)とプロピオン酸(50ml)および
シレン(90m1)との混合物を5時間共沸蒸留した。
残留物(7ml)はKCOの水溶液でpH11−1
2になるよう塩基性にした。クロロホルムを用いて抽出
し、その抽出物を蒸発させることにより、無極性合物
(0.80g)が得られた。クロロホルムによる抽出後
に残っている水溶液は、蒸発させて水を取り除き、残留
固体はクロロホルムで抽出し、抽出物は乾燥して(Na
SO)蒸発させて、残留物として吸湿性のある固体
(3.6g)を産出した。TLCは、後者が主として1
つの斑点をつくり、それは開始材料のアミノ・アルコー
ル(シリカゲル,溶剤40:58:2メタノール−クロ
ロホルム−アンモニア水溶液)よりもさらに極性がある
ことを明らかにした。この吸湿性固体(1.5g)の
を真空で加熱し、ほぼ同時に50℃/0.1mmHg
で粘着性のある無色の油として蒸留を開始した。この留
出物は、表題の合物のプロピオン酸塩である。 m/z:182(遊離塩基のM,14%);167
(5%),154(71%),125(9%),109
(100%),96(45%),81(30%),74
(57%),70(89%),57(64%)。 H−NMR(300HM,CDCL):δ1.1
2(t,J=7,5HCHCH−),1.17
(t,J=7.6HCH CH−),1.75
(m,2H),2.00(m,2H),2.29(q,
J=7.5,CH CH −),2.30(q,J=
7.6,CH CH −),2.56(s,CH
−),3.02(m,2−CH−),3.95(s,
−CHO−),7.52(br.−COH)。 クロロホルムに溶かした上述のプロピオン酸塩(700
mg)を掻き混ぜた溶液に、KCOの飽和水溶液を
COの発生が止むまで加えた。この混合物はその時
0.5時間掻き混ぜられ、いくつかに分かれた。水溶
液の相はクロロホルムで抽出され、混合相はクロロホル
ム相と分離され、抽出物は乾燥され(NaSO)、
溶剤は蒸発させて、表題の合物を遊離塩基の形で、T
LC上に単一の斑点となった。無色の残留油(550m
l)として産出した。 H−NMR(300MH,CDCl):δ1.1
7(t,J=7.6H,C CH−),1.61
(m,−CH−),1.86(m,−CH−),
2.18(m,−CH−),2.29(q,J=7.
6,CH CH −),2.30(s,CHN−),
2.71(m,−CH−),3.94(s,−CH
O−)。 m/z:182(M,25%),167(9%),1
54(78%),125(17%),109(100
%),96(65%),81(54%),70(96
%),57(77%)。 AF150やAF151のような合物の選択の仕方は
[化71]式に示されるように、適切なアミドの環式脱
水による。
【化71】 ,硫酸,BF−エーテル類,CaClのよ
うな脱水剤およびモルキュラーシーブを、上述の反応に
用いることができる。P を用いる類似の反応によ
り、オキサゾリンの代わりに類似のチアゾリンが得られ
る。
【0019】例92−メチル−スピロ(1,3−チア
ゾリン−5,4’)−1’−メチルピペリジン(II;
R=R’=メチル−”AF150(S)” (a) 4−アセトアミドメチル−4−ヒドロキシ−1
−メチルピペリジン4−アミノメチル−4−ヒドロキシ
−1−メチルピペリジン(0.83g,5.7mmol
e)を10mlのクロロホルムに溶かし、無水酢酸
(0.58g,5.7mmole)を加えた。この反応
混合物は自然に40−50℃まで温度が上がった。30
分後、溶剤は蒸発させて、33:67の2%アンモニア
−メタノール水溶液を溶離液として用いて、残油をシリ
カゲルカラム(Merck 7734)でクロマトグラ
フを見た。 m/z:186(M)。 H−NMR(300MH,CDCl):δ1.6
0(多重,4H,H3およびH4),2.01(一重,
3H,CH−C),2.29(一重,3H,CH
N),2.38(多重,2H,H1),2.55(多
重,2H,H2),2.98(多重,1H,NH),
3.26(二重,2H,H5)ppm。 H−NMR(300MH,DO):δ1.42
(多重,4H,H3およびH4),1.81(一重,3
H,CH−C),2.08(一重,3H,CH
N),2.27(多重,2H,H1),2.46(多
重,2H,H2),3.03(一重,2H,H)pp
m。 不純物は3.44ppmで最高になる。 (b) 2−メチル−スピロ(1,3−チアゾリン−
5,4’)−1’−メチルピペリジン 4−アセトアミドメチル−4−ヒドロキシ−1−メチル
ピペリジン(6.5g,35mmole)と、五硫化リ
ン(10g,22モル)との混合物を220℃で30分
加熱し、冷却し、30mlの濃縮塩酸に溶かした。この
酸の溶液を100mlの冷たい水酸化ナトリウムの濃縮
水溶液に移し、2×100mlのクロロホルムで抽出
し、混合抽出物を乾燥し、蒸発させて5gの黒色の油性
の残留物を産出した。これを75℃/1mmHgで蒸留
して精製し、1.8gの澄んだ液体を生成した。 m/z:184(M H−NMR(300MH,CDCl):δ1.8
−2.0(m,4H),2.17(t,3H,CH
C),2.2(s,3H,CH−N),3.9(q,
2H,CH−チアゾリン還)。生物学的試験 この発明による化合物は、薬理的活性を示し、したがっ
て医薬品として、例えば治療用に役に立つ。特に、作用
物質は以下に詳述する試験で活性を示す。このような試
験結果を報告する表の中では、次の参照番号によって一
定の化合物を示すことがある: (1)カルバコル,(2)オキソトレモリン−M,
(3)オキソトレモリン,(4)AF102B*,
(5)AF150◆,(6)AF151◆,(7)AF
150(S)◆,(8)AF125◆,(9)McN−
A−343,(10)ピレンゼピン,(11)アトロピ
ン,(12)スコポラミン,(13)AF125(N)
◆,(14)AF123◆,(15)AF125(P
h)◆ *シス−2−メチルスピロ(1,3−オキサチオレン−
5’,3)キナクリディン(米国特許第4,855,2
90号) ◆ 今回の発明で例証された化合物
【0020】試験1テンジクネズミの腸の分離標本 本発明の化合物は、テンジクネズミの腸のための調合に
おける作用活性および反作用活性について試験された。
表2は試験されたいくつかの化合物について得られた結
果を質的に要約したものであるが、その中では最も効き
目のある作用物質はAF125であった。AF125
は、テンジクネズミの腸のための調合で完全な作用物質
であることがわかり、またそのEC50は1.3μMと
算定された。AF125のEPMR ACh は、AF10
2Bについて判明した50−100まで変化する値に比
べ約14であった。この化物はまた、その脳のムスカリ
ン結合部分に高い親和性示した。事実、AF102B
とAF125とを比較すると、AF125はAF102
Bよりも、テンジクネズミの腸を収縮させる効力におい
て一桁分活発であることが明らかになった。したがっ
て、AF125は同じ濃度でAF102Bよりもはるか
に大きな収縮反応を起こさせた。 AF125のアミノ類似化合物、[AF125(N)]
また作用物質として有効であったが、腸を収縮させる
にはこの化合物には高濃度が必要だった。AF125
(N)はご承知のように、AF102Bに比べて一桁高
い濃度でのみ効き目がある。AF125(Ph)は反作
用物質(IC 50 =0.7μM)である。AF125の
アミノ類似化合物とは対照的にAF123は反作用物質
であることがわかった。同様の試験によって例5の化合
物(AF150)が、EC 50 =0.8μM(アトロピ
ン10μMで遮断された)を有する完全なムスカリン作
用物質であることが明らかになた。アセチルコリン(A
Ch)と比較すると、AF150は130%という(A
Ch=100%)腸の最大収縮を起こすことができる。
驚いたことには、AF150の曲線の形はAChと比べ
ると異なっており、この曲線は2面または3面モデルで
分析される。これは、AF150がこの調合で見つかっ
たムスカリン・リセプターの亜類型に異なった親和性を
持つことを示し得る。さらに、例7(AF151)の化
合物もまた、EC 50 =3μM(アトロピン10μMで
遮断された)を有する完全なムスカリン作用物質であ
る。
【0021】試験2脳のムスカリン・リセプターへの
結合 M1ムスカリン・リセプターへの作用物質の結合および
グワニリル・イミドリン酸塩(GppNH)の効果。
作用物質は、蛋白質(G蛋白質)を結合するグアニン・
ヌクレオチドで結びつけられることで知られる。M2ム
スカリン・リセプター(低親和性ピレンゼピン)に作用
物質を結合させる数多くの研究がこれまでになされてき
たが、M1ムスカリン(高親和性ピレンゼピン)リセプ
ターへの結合を調べた研究は比較的に少なかった。おも
な理由は、たいていの作用物質が(例えばAF102B
は除く、米国特許第4,855290号)M1ムスカリ
ン・リセプターに対するよりも、M2亜類型に対して一
層高い親和性を持つためと思われる。GppNHpのよ
うな非加水分解グアニン・ヌクレオチドはリセプターか
らG蛋白質を分離し、作用物質に対してリセプターの親
和性を減らすが、反作用物質に対しては減らさない。特
殊な条件のもとでは、M1ムスカリン・リセプターを持
つ作用物質の効能と親和性とを、H−ピレンゼピン(
H=PZ)のK以下の低い濃度のものを使って分析
することが可能である。[Potter他、Cell.
Molec.Niurobiol.8号:181−19
1頁,1988年;PotterおよびF−erren
delli,J.Pharmacol.Exp.The
r.248号:974−978頁,1989年;Fly
nn他、Eur.J.Pharmacol.172号:
363−372頁,1989年、参照]。このような条
件のもとで、高い効能(「完全作用物質」)の作用物質
は、二つの親和性を有するM1リセプター亜類型に直接
結合する。M1リセプター亜類型の親和性の状態が高い
ほどグアニン・ヌクレオチドに対して敏感であり、例え
ば、GppNHpは高親和性状態を低親和状態に転換す
る。M1リセプターの低親和性と高親和性の割合(K
/K)は、作用物質の相対的効能を予測し、推定上の
M1リセプター媒介二次伝達子システムを活性化するこ
ともある。表3は、選択M1作用物質AF102B(米
国特許第4,855,290号)、AF150およびA
F151に対するオキソトレモリン−Mとカルバコール
(2つの完全非選択M1およびM2作用物質)の試験結
果を要約するものである。予想通り第四完全作用物質、
オキソトレモリン−Mとカルバコールは二つの親和状態
を示し、これらの化合物の相対的効能はK/Kの割
合で予測される。一方AF102BAF125は質量
作用曲線を示す。 表3に関する註:Ki=Kまたは、K=IC 50
1+C/K、その時C=4.4nMは放射性リガンド
H−PZ)の濃度であり、K=13.9nMはそ
の解離定数である。K ,K,%Hおよび%Lは、高
親和性サイトおよび低親和性サイト各々に対する試験リ
ガンドの見かけ上の抑制定数である。GはGppNHp
(グアニリル・イミドジリン酸塩)で、0.1mM濃度
で使われた。大脳皮質の結合サイトからH−PZの排
除は、25℃で1時間、Tris/Mn緩衝剤を用いて
行なった;緩衝剤には1mMのEDTAおよび2mMの
Mn++イオンが含まれていた。試験方法は、Pott
erおよびFerrendelli(J.Pharma
col.Exptl.Terap.248号:974−
978頁,1989年、参照)の記述にある手順と同様
である。結合のデータはGraphPADプログラムを
用いて分析され、1つないし2つの成分に合わせた。数
値は三つ組で行なわれた1つないし3つの実験の平均で
ある。驚いたことには、AF150とAF151は、A
F150に対して非常に高いK/K比を持つH−
PZの存在下では、典型的な2つの親和状態を示す。さ
らに、GppNHpは高親和状態を低親和状態に変え
た。AF150とAF151は、M1の推定上のリセプ
ターに対して高親和性も、また同じリセプターに対し高
効能も示す。これは、使われた濃度(そのKの1/
3)のH−PZがM1リセプターにのみ結合するため
と断定できる。このデータからAF150もAF151
も、M1リセプターを活性化する非常に効き目のある作
用物質であり、したがって例えばホスファチジン酸イノ
シトール物質交代やCa2+易動のような、M1のリセ
プターに結合した二次伝達子に関わる処理メカニズムの
活性化が期待されると言える。HサイトとLサイト両方
の同時活性化が機能的効果には必要だとわかり得る。こ
れについては、AF150やAF151は、SDATの
ようなコリン性機能低下を伴う病気の治療に特に適し
得る。
【0022】試験3 AF150の2つの親和性状態は、10mMの塩化カリ
ウム緩衝剤を使ってH−PZの排除が行なわれても、
ラットの大脳皮質のホモジュネートに残存している。こ
れは、他の推定上のムスカリン作用物質(表4)に比べ
て独特の作用物質であることを示している。AF150
は、表4および表5に示されるとおり、M1リセプター
に対し優れた選択性と効能を示す。これについてはAF
150はSDATのようなコリン性機能低下を伴う病
気の治療に優れた薬品であるといえる。それはM1の
選択性と高い効能とが、この種の病気に特に治療価値が
あると思われているからである。本発明の化合物の効き
目(および他のコリン刺激性化合物との比較)は、ラッ
トの脳のホモジュゲート、小脳または前頭皮質から、次
Hに類する化合物、すなわち、(−)H−キナク
リジニル・ベンジレート(H−QNB;非選択M1お
よびM2反作用物質)およびH−ピレンゼピン(
−PZ;選択M1反作用物質)を排除して調べられた。
比較のためにはオキソトレモリン(M2>M1第三作用
物質)、オキソトレモリン−Mとカルバコール(混合M
2およびM1/M2第四作用物質)、AF102B(米
国特許第4,855,290号参照)およびMcN−A
−343(M1第四作用物質)が含まれた。試験結果は
表4および表5に示される。 H−PZおよびH−QNB結合の排除は、10mM
と50mMのリン酸塩緩衝剤を使って行なわれ、各々K
i=KまたはKは表3に示されたとおりである。
H−PZおよびH−QNBに対するKの値は各々1
3.9および0.093nMであった(Fish−er
他、J.Pharmacol.Exptl.Thera
p.,1991年、印刷中)。 競合曲線は1面モデル(質量作用曲線)に一層はっきり
適合していた。 註:Kの値は表1に示されたように、
GRAPHPAD−2の2面および1面分析および統計
を用いるデータの、非直線、最小自乗法曲線適合により
だされた。H−QNB結合(0.093nMのH−
QNBに対するKの値)の排除は、37℃で1時間5
0mMリン酸塩を用いて行なわれた(Fisher他、
J.pharmacol.Exptl.thera
p.,1991年、印刷中)。表4および表5から、A
F150はM1ムスカリン・リセプターに対して高い選
択性を示すことがわかる。事実、AF125が見かけ上
のM2選択性を示す場合は、AF150はM1リセプタ
ーに対して驚くほど高い選択性を示す。
【0023】試験4皮質膜へのムスカリン作用物質の
結合のCu++処理による変更 遷位金属イオンとグアニン・ヌクレオチドは、ムスカリ
ン・リセプターに対する作用物質の親和性に強い影響を
与える。それはおそらく、異なった作用物質の結合状態
の割合に変化が生じたためである(Gurwitzおよ
びSokolovsky,Biochem.Bioph
ys,Res,ommun.96号:1296−13
01頁,1980年;Aronstam他、Mol.P
harmacol.14号:575−582頁,197
8年、参照)。Cu++の添加は、他の転位金属イオン
同様、蛋白質スルフヒドリル残留物を持つ安定配位化合
物を生成することが知られているが、高い親和性サイト
の割合を増やし、グアニン・ヌクレオチドに対する過敏
性をなくすことにより、ムスカリン作用物質の見かけ上
の親和性の増加を明らかにしている。(Ferrarお
よびHoss,Thans,Am.Soc.Neuro
chem.13号:250頁,1982年;Gurwi
tz,Biochem.Biophys.Res.Co
mmun.120号:271−276頁,1984年、
参照)。表6に示されるように、Cu++処理はM1選
択反作用ピレンゼピンばかりでなく、古典派の非選択ム
スカリン反作用アトロピンおよびスコポラミンに対して
も観察された親和性を変えなかった。一方、古典派非選
択作用物質、カルバコールやオキソトレモリンの結合パ
ラメータは、Cu++処理がその見かけ上の親和性を増
やした、すなわち、競合曲線は作用物質の低い方の濃度
に変わったことを示した。2面モデルによる競合結合デ
ータの分析は表6に要約されるが、Cu++処理は高い
親和性結合サイトを、オキソトレモリンに対しては32
%から51%へ、またカルバコールに対しては25%か
ら44%へと、その2つの親和性定数KおよびK
大きな変更をせずに増やしたことを示す。AF102B
に対する結合パラメータもまたCu++によって影響を
受けた。表6のデータに示されるように、未処理の膜に
対する相互作用は、Ki=3.3μMのサイトの単一固
体集団への結合を表わし、一方、Cu++処理後、高い
親和性結合状態も観察され、K=0.02μMの全サ
イトの26%を表わす。低い親和性結合定数には何も変
化が見られなかった。したがって、AF102Bは大脳
皮質膜用調合では、作用物質に典型的であるように、ム
スカリン・リセプターと相互作用するすなわち、リセ
プター−リガンド合成分がG−蛋白質(Gurwitz
他による討論を参照せよ)と相互作用することもあるこ
とを示す。AF150もまた、これらの研究において作
用物質の結合特徴を示した。未処理の膜において、これ
は多重の親和性状態を示した(高親和性および低親和性
サイトに対して各々、0.32μMおよび33.5μ
M)。高い親和性サイトの割合は、Cu++処理後14
%から37%へ増加した。それは、AF150が大脳皮
質ムスカリン・リセプターに対し、作用物質として働い
たことを示した。表6 :Cu++処理済みおよび未処理のラットの大脳皮
質ホモジュネートへの(−)H−QNB結合を用いた
Kiの値
【表6】 上の表中に示され数値は、少なくとも3つの実験の平均
ISEMである。各実験は、三つ組の試料で行なわれ
た。分析はクレプス緩衝剤を用いてpH7.4,25℃
で2時間予備処理をして行ない、ラットの大脳皮質膜に
Cu++(100μM)がある場合は、予備処理をせず
に30分間行なった。(Fisher他、J,Phar
macol.Exptl.Therap.,1991
年、印刷中)実験5ムスカリン・リセプターの亜類型の細胞ライン
の発現における試験化合物の効果 薬理上のデータに基づいて、ムスカリン・リセプター
は3つの亜類型(M1,M2およびM3)に分けられて
きた。分子のクローニングの研究で5つの遺伝子上異な
ったムスカリン・リセプターの亜類型(m−m)が
確認されている。これらの遺伝子の機能の現われ方は、
遺伝学的かつ薬理学的に定義された亜類型を示し、ここ
ではM1=m,mおよびm;M2=m;および
M3=m(Buc−kley他、Mol.Pharm
acol.35号:469−476頁,1989年、
)である。mおよびmリセプターの刺激はホスホ
シティデス(PI)加水分解の投薬依存性の増加を
招く。mリセプターの作用物質の活性化もまた、基礎
およびフォルスコリン刺激性cAMPの増加を招く。一
方、mリセプターは細胞内cAMP濃度に影響を与え
ない(BuckおよびFraser,Biochem.
Biophys.Res.Comm.173号:662
−672頁,1990年、参照)。ムスカリン作用物質
によるmおよびmの刺激は、アデニルチクラーゼ
(AC)活性の選択的抑制を招く(Mei他、Life
Scien−ce,45号:1831−1851頁,
1989年、参照)。新化合物AF150,AF15
1,AF150(S)およびAF125は、mおよび
リセプターで各々トランスフェクトされたCHO細
胞(BuckおよびFraser,上記引用箇所
)、また主にm亜類型を示すが、m亜類型ではな
い、培養した人間の神経芽腫細胞、ラインSK−N−S
HにおいてPIを刺激する能力について分析検査された
(P−inkas−Kramarski他、Neuro
sci.Lett.188号:335−340頁,19
90年;Luthin他、Mol.Pharmaco
l.34号:327−333頁,1988年、参照)。
これらの化合物は、主にm亜類型リセプターを示し、
AC活性の抑制に結びつく、培養PC12細胞について
も分析検査された(Pinkas−Kramarski
他、上記引用箇所)。PIの障害の刺激については、S
tein他(EMBO J.7号:3031−3035
頁,1988年、参照)により記述されている方法を用
いて分析し、また、AC活性の調整については、Ste
in他著の上記引用箇所やPinkas−Kramar
ski他(FEBS Lett.,239号:174−
178頁,1988年参照)の方法で分析された。分
析結果は、表7に示され、完全ムスカリン作用物質(M
1/M2混合型)、カルバコールおよびAF102Bと
比較される。
【0024】表7:m,mおよびmリセプター亜
類型を示す培養細胞におけるPI加水分解とAC活性に
関する試験化合物の効果
【表7】 表7についての註: EC 50 :50%活性における薬効濃度 +++ カルバコールと比較して完全な作用物質(完全
な作用物質活性は1mM化合物全てに対して試験され
た。) + カルバコールと比較して部分的作用物質 − PIの刺激またはACの抑制がない。 PI ホスホイノシティデス加水分解 AC cAMP濃度の変化により示されるアデニルチク
ラーゼ活性 NT 試験しない a:カルバコール効果の% b:効果を引き起こす薬効濃度(μM) c:22μM AF102Bが1mMカルバコールの効
果を抑制した d:1mM AF102Bが1mMカルバコールの効果
を抑制した 表7でmリセプターに対する作用物質の効果は、PI
加水分解とAC活性の増加で証明される。一方
セプターの刺激はAC活性の抑制で表される。mの刺
激はPI加水分解の増加を招く。この表から、驚くほど
AF150もAF151もmおよびmムスカリン・
リセプター亜類型に対しては完全作用物質であるが、m
亜類型に対しては部分的作用物質であることが明白で
ある。さらに、PI加水分解で証明されるように、AF
150とAF151はmリセプターに対して完全作用
物質であるのに、これらの化合物は驚くほど、この同じ
リセプターに対するAC活性の相乗作用の効果が非常に
弱いことから証明されるように、カルバコールと異な
。したがって、mムスカリン・リセプターのカルバ
コール誘発性活性は、基礎およびフォルスコリン刺激性
cAMP(各々232−356%および546−138
2%)の増加を招くが、AF150もAF151もこの
試験では、等しく非常に効力が弱い(各々33%および
76%)。SK−A−SH神経芽腫細胞に関する代表的
な実験では、イノシトール−1−リン酸塩(IP)の
累積は、10mMカルバコールで基準以上7.46倍、
1mMオキソトレモリン−Mで5.24倍、また1mM
AF125で1.42倍刺激された。対照的に、M1
選択作用物質AF102B(米国特許第4,855,2
90号)は、1mMでもこれらの細胞中でホスホイノシ
ティデス加水分解を刺激しなかった。一方、この濃度で
オキソトレモリン−M−誘発性信号を完全に遮断でき
た。この抑制はオキソトレモリン−Mの濃度に左右され
た。例えば、1mMのAF102Bは、1mMのオキソ
トレモリン−Mの信号を34%抑制しながら、10μM
のオキソトレモリン−Mで誘発されたホスホイノシティ
デス加水分解を完全に遮断した。さらに、カルバコール
とある新しい化合物による、ホスホイノシティデス加水
分解の結合刺激が調べられた。この同じ実験で、IP
の累積は、10mMカルバコールと1mM AF125
との結合により基準以上6.11倍刺激された。このよ
うに、新化合物AF125は、非選択完全作用物質カル
バコールで得られた刺激の約20−25%まで、人間の
神経芽腫細胞SK−N−SHにおいてホスホイノシティ
デス加水分解を刺激し、一方で最小限度(10−20
%)だけカルバコールの効果を妨げる。このような結果
の意義は、AF125が主としてmムスカリン・リセ
プター亜類型を示すこの細胞ラインで、ムスカリン作用
物質として独特の活性を示すことである。結論として、
これらの化合物は独特の活性と選択性とを示し、したが
って、SDATの治療用に特に役立つと考えられる(B
raan他、FEBS.Lett.230:90−9
4,1988参照)。
【0025】試験6シナプトソームのアセチルコリン
(ACh)放出に対する試験化合物の効果 H−AChの基礎的放出およびKによる誘引放出に
対するAF150(および比較用AF125,MeN−
A−343およびオキソトレモリン)の効果が、ラット
の大脳皮質を用いたシナプトソームについてPitte
l他によって詳述されている方法で研究された(J.N
eurochem.,55:665−672,199
0)。試験結果は表8に示される。驚いたことには、こ
の2つの密接な関係にある化学構造、AF150とAF
125にはH−ACh放出に対して異なった効果があ
った。したがって、AF125(1mM)がKが引き
出すAChの放出を抑制したのに、AF150(1m
M)は驚くほどこれを増強した。このような結果は、A
F125が古典派M2作用物質、オキソトレモリンのよ
うにプリシナプティック・リセプターに作用することを
示す。一方、AF150のプリシナプティック・ムスカ
リン・リセプターに対する作用は、Kが引き出すAC
hの放出を増加させるが、M2の反作用物質の効果か、
または、M1の作用物質の効果と考えられる。Hadh
azyおよびSzerb(Brain Res.123
:311−322,1977参照)や、またG
ulya他(Neurochem.Int.15:1
53−156,1989参照)がムスカリン反作
用物質がKが引き出すAChの放出を刺激することを
実証した。鈴木他(Neurosci.Lett.84
:209−2122,1988参照)と、Pi
ttel他(上記引用箇所)のは、ムスカリン反作用物
質はAChの基礎的放出も刺激することを示した。後者
の研究では、AChの放出を調整する刺激性のムスカリ
ン・リセプターはCNS中に存在し、薬理学的にはM1
亜類型であると考えられるとしている。AChの放出を
増やすムスカリンの自動リセプターの存在は、平滑筋標
本のPNSにおいても証明された(Kilbinger
およびNafziger,Naunyn Schmie
debergs Arch.Pharmacol.32
:304−309,1985参照)。表8 :ラットの大脳皮質シナプトソームからのアセチル
コリン(ACh)の基礎的放出およびK 誘引放出に対
する試験化合物の効果
【表8】 表8についての註: 試験結果は他に指定しない限り1ないし3の実験による
*。 NT=実験しない ◆nM K 誘引 H−ACh放出(表8からわかるように)に
対するAF150の相乗効果へのピレンゼピン(M1反
作用物質)の反作用物質効果は、AF150がM1の作
用物質で、したがってM1の刺激性の自動リセプターを
活性化したことを示すことができた。しかしAF150
の作用のメカニズム、すなわち、これが例えば(a)M
1ポスト−およびプリ−シナプティック作用物質活性に
よるものか、それとも(b)M1ポスト−シナプティッ
クおよびM2プリ−シナプティック反作用物質効果によ
るものかということには関係なく、この化合物はSDA
Tとそれに関連のある病気の抑制に対して特に前途有望
であろう。
【0026】試験7ラットの海馬スライスにおけるA
F150の電気生理学的評価 アセチルコリン(ACh)は哺乳動物の脳にいろいろと
効能がある。主な効能は海馬スライスで観察されたが次
のようなものがある: (1)分極防止作用(I)により活性化された発信持
続カリウム(K)電流の遮断; (2)スロー後過分極(AHP)の下を流れるCa++
依存K電流の遮断; (3)静止持続K電流の遮断; (4)過渡発信K電流; (5)ポストシナプティック・ポテンシャル(自然発生
での増加と誘発での減少)およびCa++電流に対する
AChの効果の報告。(Segal.Brain.Re
s.452号:79−98頁,1988年;Dutta
rおよびNicoll,J.Neurosci.8号:
4214−4224頁,1988年、参照。) ガラミン(M2反作用物質)とピレンゼピン(PZ,M
1反作用物質)を用いた結果から、M2リセプターがE
PSPの低下とIの遮断を調整できると考えられる。
対照的に、分極防止作用とAHPの遮断は、ガラミンに
無反応で0.3μMのPZで遮断されて、M1リセプタ
ーで調整されるようである。(DuttarおよびNi
coll,上記引用箇所参照)。一般的条件として、A
F150,AChおよびPZの微量点滴の効果は、細胞
内に記録されるラットの海馬細胞に適用された。リセプ
ター・サイトの薬品の正確な濃度は、この方法では不明
である。しかし、この方法には、還流法よりも利点があ
り、それは電気生理学的見地から、さらに正確な映像が
得られることである。(Segal,上記引用箇所
)。海馬スライスのCA1ニューロンの、AF150
に対する細胞内反応は、Segalの方法を用いて記録
された。小さい過分極電流パルス(電流トレースは示さ
れない)は、ポストシナプティック・ポテンシャルをつ
くるSchafferの神経交連求心性繊維の刺激
互に行なわれた。微量点滴(100μM)により局部的
に用いられたAF150によって、効き目のある分極防
止反応が起きた。ポテンシャルを制御するために細胞を
過分極にすることにより、静止状態での入力抵抗の実際
の増加がわかる。AF150は、Ca++依存Kコン
ダクタンスで調整されたスローAHPを遮断する。AF
150は、ポストシナプティック・ポテンシャル(PS
Ps)を少し減少させる。ピレンゼピン(10μ,M
1ムスカリン反作用物質)は、AF150により引き起
こされる分極防止作用を明らかに減らした。静止状態で
の入力抵抗の増加もまた、ピレンゼピンにより防止され
た。AF150によるスローAHPの遮断は、ピレンゼ
ピンで処理したスライスで明らかに減少した。AF15
0によるPSPsの減少は、ピレンゼピンに影響された
ものではなかった。結論 (1)AF150は分極防止作用を起こし、入力抵抗を
増し、またスローAHPを遮断する。その効果はM1リ
セプター反作用物質ピレンゼピンで相殺される。しかし
AChに比べると小さいがPSPsへの影響が検出さ
れ、ピレンゼピンによる影響は受けなかった。 (2)驚いたことには、AF150はM2リセプターに
対するよりも、M1リセプターに対して一層特別な作用
物質になるようである。 (3)AF102Bに比べると、AF150ははるかに
効果的であり、AF102Bの場合には見られない(ピ
レンゼピンにより遮断される)分極防止作用を起こすこ
とは明白である。AF150もAF102BもスローA
HP(ピレンゼピンに敏感なM1効果)を遮断する。
【0027】試験8薬効学的プロフィールと一般毒性 パートA 1.目的:この研究の目的は、AF150を3レベルの
投薬量で注射した後のマウスを観察することにより、基
本的な薬効学的プロフィールを確立することと、AF1
50の一般毒性の数値を求めることである。 2.材料と方法: a.動物:マウス、雄のCD系、20−30g b.グループサイズ:n=5 c.投薬経路:腹膜注入(i.p.) d.投薬レベル:1,5および10ml/kg e.投薬量:10ml/kg f.試験材料の準備:AF150を塩水に溶かした。 g.AF150を3投薬レベルで腹膜注入(i.p.)
でマウスに投与した(n=5)。投薬後2時間までの挙
動の変化を記録し、さらに死に至る24時間後までの投
薬について観察した。無痛覚効果を、投薬後15,3
0,60および120分に尻尾をつまむ方法で数値を求
めた。無痛覚を除いては次のような効果について動物を
観察した:振戦,けいれん,呼吸困難,唾液分泌,下
痢,瞳孔径の変化,エクサフサラムス(exa−pht
halamus),運動調整力,体温低下または上昇,
および発声の発生 3.実験結果 1mg/kg i.p. :注射後、約30分の間にごく
わずかの唾液分泌と下痢が観察された。観察期間中に
は、無痛覚は見られなかった。その他の中枢性または自
律神経系の効果も見られなかった。5mg/kg i.p. :投薬後60分までには、運動
活動の減少が見られたが、その後正常な活動状態に戻っ
た。注射後15分で、部分的無痛覚が見られた。注射後
30分までに運動調整力が減少した。注射後5分で散瞳
が観察された。注射後10ないし60分で、わずかな唾
液分泌と下痢が見られた。10mg/kg i.p. :5ないし75分で実験動物
のうち2匹に完全な体温低下が認められ、他の3匹は1
20分後に回復した。注射後10分で短期間わずかな振
戦が認められた。運動調整力には観察した2時間中、明
らかな影響があった。注射後15分および30分には、
無痛覚は完全であった。60分以後には無痛覚は見られ
なかった。注射後5分で、中程度の唾液分泌,下痢,流
涙および散瞳が見られ、注射後10分には激しくなっ
た。しかし、その激しさは減少し、注射後90分には、
すべての兆候がなくなった。パートB AF123,AF125およびAF125(N)につい
て行なわれたこの研究を通じて、体重が18−26gの
CD−1系(Charles River.UK)の雄
の白色マウスが使われた。AF125 50ないし200mg/kgの投薬レベルの範囲で、A
F125をマウスに腹膜を通して注射し、投薬範囲を見
出す試行実験によると、この毒物致死投薬量は、100
ないし200mg/kgであることがわかった。さら
に、これらの初めの試行実験で、処理に対する反応の主
な兆候は主に、振戦,唾液分泌,下痢,無痛覚,体温低
下および血管拡張のような実験動物の潜在的なコリン刺
激性作用に特有な兆候であることをはっきりと証明し
た。生き残った実験動物には、注射後2ないし3時間で
回復の最初の兆候が見られた。AF125の不致死投薬
量でのp.osおよびi.v.注射後の結果を次の表9
に示す。
【表9】 AF125の致死投薬量中央値(LD 50 ) 次のようなLD 50 (信頼限度95%)の値が得られ
た; I.静脈注射 68.9mg/kg(66.6−71.
2) II.経口投薬 134.4mg/kg(188.4−
152.5) マウスを使って得られた最初のスクリーニング実験の結
果をみると、AF125は主にコリン性刺激作用を持っ
ているようである。投薬量にもよるが、作用の持続時間
に関しては、投薬後、約1ないし2時間で回復が開始さ
れたことも指摘すべきである。特に経口投薬の場合、ほ
とんどの回復開示時間は相対的に速いようであった。2
つの各々のLD 50 の値の間の見かけ上の狭い比率を見
ると、i.v.またはp.os処置後のかなりの「活
性」投薬レベルと同様に、AF125は腸内でかなり速
く吸収されることがわかる。AF125(N),AF123 これらの2つの化合物の一般的な薬学的効果を表10に
示す。
【表10】
【0028】試験9スコポラミン投薬ラットにおける
無抵抗回避(PA)の枠組での試験化合物の効果 生後3ケ月の純粋な雄のスプレイグ−ダウレイ・ラット
(英国、チャールズ・リバー・ブリーディング社から得
た)を用いた(体重200−300g)。これらのラッ
トの場合、記憶喪失症をスコポラミンで誘発したこと以
外は、無抵抗回避(PA)試験は、Fisher他著、
(Neurosci.Lett.102号:325頁,
1989年、参照)にしたがって行なった。17−20
匹の純粋なラットの8グループを用いた。各グループ
7−10匹の2つの小グループに分けた。小グループ1
には、スコポラミン臭酸(0.5mg/kg塩水中、
s.c.,ショックの15分前)を注射し、小グループ
2には、塩水(1ml/kgs.c.,ショック15
分前)を注射した。7グループには、ショック後1分以
内に次のいずれかの投薬量、すなわち、0.1,0.
5,1,3,5,8,10mg/kg(塩水中、i.
p.)で、試験用化合物を投与し、また1グループには
塩水(1ml/kg i.p)を投与した。AF125 初期潜伏度と持続潜伏度を、2方アノヴァ(ANOV
A)(ショック前スコポラミン処置/ショック後AF1
25処置)で分析した。表11と表12は、各々初期お
よび持続潜伏度の平均と±S.E.M.を示す。表11 :ショック前スコポラミン−ショック後AF12
5処置ラットの初期潜伏度
【表11】 表12:ショック前スコポラミン−ショック後AF12
5処置ラット持続潜伏度
【表12】
【0029】結論 ショック前の処理としてスコポラミンを使用し、ショッ
ク後の処理としてAF125を使用して、反転スクリー
ニング実験によって重要な使用量応答曲線が得られた。
3,5,8および10mg/kgの使用量は他のどんな
使用量に比較しても、明らかに有利であった。上記の使
用量で処理したラットは塩類で処理したラットと比較し
た場合、最も長い持続潜伏度(刺激と反応の間の時間の
保持力)を示した。より低い使用量は認識に関する機能
に何の改善も示さずに短い持続潜伏度を示した。試験さ
れた全てのグループ間には初めの保持力に重要な相違は
何も認められなかった。ショック後のAF125処理の
効果は重大であり(F=104.77、df=1/12
6、p<0.001),10mg/kg(p<0.0
5)の使用量はスコポラミン処理のラットの持続潜伏度
を著しく増大した。さらに、AF125(5mg/k
g)はショック前の塩類処理のラットの持続潜伏度を大
幅に増大した(p<0.05)。最終的に、ショック前
スコポラミン処理−ショック後塩類処理したラットとシ
ョック前塩類処理−ショック後塩類処理したラット(p
<0.001)との持続潜伏度の間に重大な相違が観察
された。3,5,8および10mg/kgの使用量でA
F125のショック後処理を受けたショック前塩類処理
の全てのラットは副作用に羅った。3mg/kgの使用
量で処理を受けたグループは軽い下痢に羅り、5mg/
kgで処理したグループはより強い下痢に羅り、8ない
し10mg/kgで処理したグループは流涙を伴ったひ
どい下痢に羅った。ショック前にスコポラミン処理を行
なったラットはAF125処理に続いて起こる副作用を
示さなかったことに注意することは重要である。AF1
02B(米国特許No.4,855,290)と比較し
て、AF125はもっと広い使用量−応答曲線を示し
た。つまりAF102Bは3ないし5mg/kgの使用
量で保持力に対する効果を顕著に向上したが、AF12
5の向上効果は3mg/kgから10mg/kgのより
広い範囲にって存続した。このような全ての結果は、
このモデルにおけるAF125の有益な効果が認識機能
に密接に関連されたムスカリンレセプターに対するその
強い中心作用物質の効果に起因していることを示してい
る。 AF125(N) 実験材料 未経験の雄のSprague−Dawly ラットの
3ケ月齢(英国のチャールスリバー飼育場から入手され
た)が使用された(体重200−300g)。 行動試験 18〜20匹の未使用のラットの8グループがそれぞれ
使用された。各グループはそれぞれ9〜10匹の2つの
サブグループに分けられた。すなわちサブグループ1は
スコポラミンHBrを注射され(ショック15分前、塩
水中に0.5mg/kg、s.c.)サブグループ2は
塩水を注射された(ショック15分前に1ml/kg、
s.c.)。ショック後1分以内に7グループがAF1
25(N)の次のような使用量、すなわち0.1,0.
5,1,3,5,8あるいは10mg/kg(塩水中、
i.p.)の10236の1つで試験された。そして1
つのグループが(1ml/kg,i.p.)の塩で処理
された。初期潜伏度および持続潜伏度の測定は2つのA
NOVA法(ショック前スコポラミン処理ショック前
スコポラミン、ショック後AF125(N)処理)によ
って解析された。表13と14は初期潜伏度と持続潜伏
度の平均値±標準的概算モジュールをそれぞれ表わして
いる。
【0030】表13:ショック前スコポラミン−ショッ
ク後AF125(N)処理ラットの初期潜伏度測定
【表13】 初期潜伏度における大きな相違〔F(7/140)=
2.37,p<0.05〕がAF125(N)で処理さ
れたグループ間で認められた(表13)。AF125
(N)処理とショック前処理間(塩類対スコポラミン)
との間のの相互作用もまた観察された〔F(7/14
0)=22.43,p<0.05〕。シエフ(Sche
ffe)試験はさらに詳しく、ショック前スコポラミン
−ショック後AF125(N)0.5mg/kg処理ラ
ットに対する初期潜伏時間(62.9±17.4秒)が
対照グループ(ショック前スコポラミン−ショック後塩
類処理ラットに対する初期潜伏時間、39.1±17.
6秒)より大幅に長く(p<0.025)なった。ショ
ック前塩類−ショック後AF125(N)5mg/kg
処理のグループはまた対照グループすなわちショック前
塩類−ショック後塩類処理グループに比較した場合、大
幅に長い初期潜伏時間が得られた(26.7±4.7対
65.1±18.5秒、p<0.001)。ショック後
AF125(N)処理の効果は重要であることがわかっ
た〔F(7/140)=3.51、p<0.05〕(表
14)。シエフ試験は、AF125(N)の0.5mg
/kgの使用量は塩類処理ラットと比較した場合、スコ
ポラミン処理ラットの持続潜伏(保持反応)時間は大幅
に長くなる(141.1±5.秒対332.7±80.
9秒、p<0.005)ことを示した。表14 :ショック前スコポラミン−ショック後AF12
5(N)処理ラットの保持反応時間測定
【表14】 さらに、AF125(N)(5mg/kg,i.p.)
は、対照グループと比べた場合ショック前塩類処理ラッ
トの保持反応時間は大幅に減少した(483.6±6
4.9秒対290.3±52.1秒、p<0.00
5)。最終的に、重大な相違が、ショック前スコポラミ
ン処理−ショック後塩類処理ラットとショック前塩類処
理−ショック後塩類処理ラットとの保持反応時間の間に
観察された(483.6±64.9対141.1±5
5.5秒、p<0.001)。AF125(N)を使用
した処理はスコポラミン後或いは塩類後のいずれかの投
薬で与えられたどの使用量においても明らかな副作用を
惹起しなかった。ショック前処理としてスコポラミンと
ショック後の処理としてAF125(N)を使用してい
る反転スクリーニング実験は次のような一使用量だけ、
すなわち0.5mg/kg.i.p.によって明確な重
要な反応が得られた。この使用量で処理したラットは塩
類で処理したラットと比較した場合、より長い保持反応
時間を示した。
【0031】試験10:無抵抗回避(PA)の範例にお
けるAF64A処理ラットでのAF150の効果。 この動物モデルはSDAT(Fisher and H
anin,Ann,Rev,Pharmacol.To
xicol.26:161−181頁,1986年、
参照)におけるコリン性の機能低下に、ある程度までに
よく似ている。Fisher等(J.Pharmaco
l.Exptl.Therap.,1991年、定期刊
行物おびNeurosci.Lett.102:3
25−331頁,1989年、参照)の方法がここで使
用された。その結果は表15に示される。その表からわ
かるように、AF150はi.p.注射によって試験さ
れた3つの使用量の全部でこの動物モデルにおいて有益
であった。さらに、AF150は(遊離塩基型で)経口
で0.2および1.0mg/kgで投薬された場合、A
F64A処理ラットの反応時間保持力を非常に改善した
(示されていない)。後者の知見は、その化合物がよく
吸収されて、経口で非常に低い使用量で投薬されたとき
有効であることを示している。特に、そのPA試験にお
ける低い効果的な使用量は明白な副作用が現われない。
このように、PAのような学習試験や記憶試験で立証さ
れたように、AF150は広い安全限界を持っている。
初期潜伏度の試験で、つまり20秒から31秒の範囲に
る試験でテストされた動物の種々のグループ間には大
きな相違はなかった。AF150を使用している実験の
全部において、遊離塩基としてのその化合物は、pH
7.35の10mM燐酸緩衝液に溶解された。 15:AF150に関する無抵抗回避研究
【表15】 表15での注意 F(2.54)=6.33、p<0.
005のときの重要な相互作用。シエフの主要な対照に
よって記載されている先行する資料を解析することによ
って、次のような重要な結果が証明された。 AF64A−緩衝液 対(p<0.005)AF150
(0.1mg/kg) AF64A−緩衝液 対(p<0.025)A64A−
AF150(0.2mg/kg) AF64A−緩衝液 対(p<0.001)A64A−
AF150(1.0mg/kg) AF64A−AF150(0.2mg/kg)対(p<
0.05)A64A−AF150(1.0mg/kg) AF64A−緩衝液 対(p<0.05)塩類−緩衝液 AF64A−AF150(1.0mg/kg)対(p<
0.005)塩類−緩衝液塩類−AF150(1.0m
g/kg)対(p<0.025)塩類−緩衝液試験11:8本の放射状腕の迷路(RAM)範例におけ
るAF64Aで処理したラットでのAF125とAF1
50の効果。 この動物モデルはSDAT(Fisher and H
anin,前期引用箇所、および;Fisher他のN
eurosci.Lett.102:325−331
頁,1989年、参照)におけるコリン性の機能低下と
認識に関する機能傷害によく似ているすなわち後者の
出版物に記述された方法がここに使用された。
【0032】パートA−AF125 逆転している記憶劣勢におけるAF125の潜在的効果
が、RAM範例におけるAF64Aを注射した成熟した
ラットの行動に対して評価された。方法 (a)試験材料 この研究に使用された48匹の雄の成熟ラット(11〜
12ケ月齢)。それらはAF64A(3ナノモル/2μ
l/半身)を有するicvを8ケ月早くに3ケ月齢で注
射された。行動試験の1週間前にラットは個々のケージ
に移され、自由に飼育されている体重の90%になるま
で食物を制限された(ラットは水については自由であっ
た)。その部屋は1日12時間(6時から18時まで)
照明され、行動試験の時限は午前中に実施された。自由
な飼育体重の90%になった後で、ラットは体重をさら
に減少するために、1日当たり約4個の食物ペレット
(錠)を食べさせられた(アルトロミン15g)。行動
試験の2日前に、ラットは迷路(maze)での強化用
に後で使用された正確ペレット(Bioserv社製)
を食べさせられた。 (b)装置 行動試験はポリビニルクロライドで作られた、位置が高
められた(70cm)8本腕の放射状の迷路で管理され
た。その腕(長さ75cm幅10cm)8角形の中央
の闘技場(幅40cm)から伸びていた。各腕の末端に
自己飼育器が設置された(45mg錠ディスペンサー形
式8000)(Lafayette Instrume
nt社製)。 (c)行動試験 (1) 予行訓練 実際の試験を開始する前にそのラット群はRAMに習熟
させられた。ペレットが迷路の全面にまき散らされた。
ラットは中央の闘技場にいつも同じ方向に向かって一度
に置かれ、腕から腕へ8本の腕を全部動き廻るまで或い
は10分間が経過するまで動くにまかされる。予行訓練
は2週間(1週間当たり5日間)続けた。 (2) 訓練 そのバッチの大きさ(48匹のラット)に因して実験
は2相で行なわれた。12匹のAF64Aを注射された
ラットと12匹の塩類を注射されたラットが各相に参加
させられた。ラットは任意に異なった相に割り当てられ
た。各相でラットはさらに薬剤処理と照査の2つのサブ
グループに分けられた。各訓練日にラットはAF125
(0.5mg/kg.塩類溶液中、i.p.)或いは塩
類(1mgokg,i.p.)のいずれかの注射に続い
て30分間中央の闘技場に放された。ラットは8個のペ
レットが受取られか或いは15分間経過するまで、腕か
ら腕へ走り廻るにまかされる。各ラットの正確な選択に
対してエラーの数と5日の訓練日の総計時間が1ブロッ
クに寄せ集められた。正確な選択、エラー数および総計
時間数が2ANOVA法(2×2)( AF64A注射
或いは塩類注射とAF125、0.5m/kg処理或い
は塩類処理)によって解析された。 正確な選択:AF64A注射のラットの行動(6.0±
0.24)と塩類注射のラットの行動(6.8±0.1
5)の間の最初の8つの入り込みの正確な選択の平均数
に重要な相違が証明された〔F(1/36)=9.2
9)、p<0.005〕。さらに注射と処理との間の重
要な相互作用が観察された〔F(1/36)=6.3
5、p<0.025〕。シエフの試験はAF125がA
F64Aを注射したラットの行動(6.53±0.3
6)を塩類処理ラットの行動(5.49±0.26)に
比較して改善した事を示した(p<0.025)。さら
に、AF64Aを注射したAF125で処理したラット
の行動と塩類を注射し塩類でしたラットの行動との間に
は大幅な相違は見られなかった。 エラーの数:AF64Aを注射したラットは塩類を注射
したラット(3.5±0.59)より大幅にエラーを行
なった(7.69±1.1)〔F=(1/36)=1
0.11,p<0.001〕。AF125処理はこのパ
ラメータには、いかなる効果も及ぼさなかった。 数計時間数:総計時間の測定においては、どのグループ
間にも重要な相違はなかった。 体重:t検定による行動試験前のラットの平均重量を比
較して、AF64Aを注射したラット(489.5g)
と塩類注射ラット(579g)との間に全体としての大
幅な相違〔t=(38)=4.05,p<0.001〕
が明らかになった。体重に及ぼすAF125の効果はラ
ットが給飼制限を受けたので調べられなかった。 副作用:この研究に使用された0.5mg/kgの使用
量はMWM実験に使用されたより高い使用量(1および
3mg/kg)よりは副作用の発生が少なかった。2匹
の塩類注射しAF125で処理したラットだけが下痢に
羅った。他の副作用は認められなかった。 結論 1.AF64Aを注射したラットは、両方のパラメータ
すなわち最初の8つの入り込みの正確な選択数およびエ
ラー数に表現された行動に大幅な減少を示した。 2.AF125(0.5mg/kg,i.p.)はAF
64Aを注射したラットの行動を大幅に改善した。この
結果は最初の8つの正確な入り込みのパラメータによっ
てのみ示された。 3.試験化合物AF125の副作用はMWM実験に使用
された、より高濃度使用量(1および3mg/kg)に
比較して、恐らく低い使用量つまり0.5mg/kgに
帰因して最小であった。
【0033】パートB、AF150 要約すれば、塩類で前処理されたラットとAF64Aで
前処理された(3ナノモル/2μl/半身、icv)ラ
ットがこれらの実験に、精神的打撃後2.5ケ月で使用
された。その実験は3週間に亙って実施された。最初の
週の間、ラットは迷路の8本全部の腕で食物のペレット
を見つけるように訓練された。仕事を習得した後に、そ
のラットは遅らせた手法を使って訓練された。活動期間
を遅らす前の期間中は、迷路の4本の腕は閉塞されラッ
トは開放されたままになっている4本の腕から食物のペ
レットを受取った。この仕事期間中、記憶エラーは記録
された。2時間遅れに続いて、ラットはその迷路に戻さ
れた。その迷路の腕全部が今や開放されたが、それらの
4本だけは活動期間を遅らす前の期間中閉塞された腕に
おびき寄せられた。遅れる前の期間中であろうと遅れた
後の期間であれ、ラットはペレットのえさを以前に訪れ
たどの腕にも入って行くことなしに受取らねばならなか
った。基線のレベルに到達した後はラットは3週間の
実験中の行動について試験され、その実験で10m
Mの燐酸緩衝液 (pH7.3)或いはAF150〔1
0mMの燐酸緩衝液(pH7.3)に溶かした0.07
或いは1.0mg/kg遊離塩基〕が5日間毎日1回遅
れる前の期間の直後i.p.で投薬された。その結果は
週(II或いはIII)に従って一覧表に記入され表1
6に示される。表16 :仕事記憶エラー(期間I)
【表16】 その仕事記憶エラーはAF64Aを溶かした緩衝液処理
のラットのグループで遅れる前の期間中に増加した。つ
まりプロセス習得が進行するにつれて、そのようなラッ
トは多分、以前の経験が助長しなくて、むしろ次の仕事
に支障をきたすだろうから、さらに混乱したようであ
る。AF150は試験された使用量で(0.07或いは
1.0mg/kg,i.p.)、AF64Aで処理した
ラットの遅れる前の期間だけでは仕事記憶を強化するこ
とに大幅に有益であった。事実0.07mg/kg,
i.p.より低い使用量は試験されたより高い使用量よ
り幾らか優れている。この実験でのAF150の有益効
果はAF64Aで処理したラットでは単純に改善するよ
りはむしろ悪化の阻止である。AF150はラットのエ
ラーがまたその期間中に増加したけれども、遅らせた後
の期間中、仕事記憶エラーには改善効果を及ぼさなかっ
た。この効果に対する理由は、(a)遅れる前の期間は
遅れた後の期間よりはもっと簡単な仕事である。それ
認識に関する能力はより少なくてすみ改善することは
より容易であるだろう。 (b)AF150は遅れる前の期間後に投薬されたの
で、4つの最初の入り込みの記憶の痕跡の強化を改善す
るだろう。その薬剤のこの投薬後は遅らす後の期間には
何の効果も及ぼさなかった。すなわち異なった認識に関
するプロセスである他の4つの入り込みの習得に効果を
及ぼさなかったことはあり得るだろう。PA試験でAF
150の結果と一緒に得られたこれらの結果は、この化
合物がAF102Bよりは驚く程さらに強力な認識に関
する活性剤であることを示しているように見える。それ
ゆえ、AF150はSDATの抑制用に特に将来有望で
あると言えよう。
【0034】試験12Morrisの水の迷路(MW
M)の範例におけるAF64Aで処理したラットでのA
F151の効果。 SDATでの自律神経繊維のコリン作動性の機能低下と
認識に関する損傷によく似ているこの動物のモデルはF
isher等著の(J.Pharmacol.Expt
l.Therap.1991年、定期刊行物参照)に
記述されたように使用された。ラットはAF64Aで
(3ナモル/2μl/半身、icv)或いは塩類(2μ
l.,icv)で燐酸緩衝液或いはAF151の存在で
注射された。その結果はラットが動き廻った通路の長さ
cm)によって表17に示される。AF151は3段
階の投薬量の全部で、AF64Aで処理したラットでの
認識に関する損傷を回復することに有益な効果を左右す
る重要な使用量を示した。このようにして、AF151
は明白な副作用を示さずに、非常に低い使用量で効果的
であるので、SDATの治療に将来有望な薬剤であろ
う。表17に記録された資料の統計的に重要なものは次
のようなものである。すなわち、 AF151(1.0mg/kg,i.p.)対AF64
A+燐酸緩衝液:p<0.01 AF151(0.3mg/kg,i.p.)対AF64
A+燐酸緩衝液:p<0.05 AF151(0.07mg/kg,i.p.)対AF6
4A+燐酸緩衝液:p<0.07表17 :MWM試験でラットが動き廻った道の長さ(c
m)
【表17】 表17に対する注意:簡単に言えば(Fisher等
.Pharmacol.Exptl.Therap.
1991年、定期刊行物、参照)、訓練は各日に各ラッ
トは4つの試みを課して、5日間連続で続けられた。結
果はロック(例えば1日当たり4つの試み)で表現さ
れる。1から16までの試験中(14日、訓練段
階)、舞台はプールの北西の4分の1区の中心に位置づ
けされた。5日験番号17でその舞台はプールか
ら完全に除かれた(移動試験)。この試験でそのラット
は限定された期間(60秒間)水につけられその空間
の斜線が測定された。5日目に試験1821では、そ
の舞台は南東の4分の1区の中心に移動された(反転試
験)。4つの出発点が使用された。つまりプールの周辺
の北、南、東、或いは西である。位置の順序は各日にな
かば任意に変えられた。AF151と燐酸緩衝液は5日
間1日1回試験の30分前に投薬された。実験はマイコ
ン(8MZHz−IBM AT、Galai Labo
ratories社)に連結された像解析機(シス型−
Z)からなっている追跡システムを使用して行なわれ
た。この発明のある好ましい実施例が詳細に記述された
が、多くの修正や変化が行なわれることができること
は、その技術分野で高い技術の人々には明白なことだろ
う。この発明は従ってそのような好ましい実施例に限定
されるように解釈されるべきではなく、むしろその概
念、範囲、考え方は請に関して理解されるべきであ
る。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 513/10 8415−4C (72)発明者 エズラ シリン イスラエル国、テル アビブ、 レメズ ストリート 22番地 (72)発明者 イーシャイ カートン イスラエル国、ネス ジオナ、 ビアリク ストリート 37番地 (72)発明者 ハイム メシュラム イスラエル国、バト ヤム、 ハリショニ ム ストリート 13番地

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それの鏡像異性体、ラセミ化合物、酸付
    加物および第四級塩を含めて、[化81]の構造式(I)
    および(II) 【化81】 をもっている化合物であって、[化81]の構造式(I)
    でQは6員環の1',4'或いは1',5'の位置に結合し
    た、(CH2)m 或いはC(CH32であり、ここでm
    は1,2或いは3であり、[化81]の構造式(II)でQ
    は2個の水素原子、(CH2)m、或いはC(CH32
    であり、ここでmは1,2或いは3であり、さらにnと
    Pはn+P=1乃至3を除いて各独立に0,1,2或い
    は3であり、R°は水素、メチル、或いはハイドロキシ
    ルであり、その一部分としての[化31]は[化32]或い
    は[化33]を表しており、 【化31】 【化32】 【化33】 Rは水素、NH2、NH−C1-6−アルキル、アルキル、
    N(C1-6−アルキル)2、C1-6−アルキル、C2-6−ア
    ルキル、C3-7−シクロアルキル、1−6ハロゲン原子
    で置換されたC1-6−アルキル、ハイドロキシ−C1-6
    アルキル、C1-6−アルコキシ、C1-6−アルキルチオ、
    1-6−アルコキシ−C1-6−アルキル、カルボキシ−C
    1-6−アルキル、(C1-6−アルコキシ)カルボニル−C
    1-6−アルキル、アミノ−C1-6−アルキル−、モノ(C
    1-6−アルキル)アミノ−C1-6−アルキル、ジ−(C
    1-6−アルキル)アミノ−C1-6−アルキル、2−オキソ
    ーピロリジン−1−イル−メチル、アリル、ジアリルメ
    チロールおよび1個或いは2個のアリルグループで置換
    されたC1-6−アルキルから選ばれ、R'はRが選ばれる
    グループおよびC1-6−アルカノイルとアリルカルボニ
    ルから独立的に選ばれ、アリルは構造式(II)の場合に
    下記の(i),(ii),(iii)および(iv)を条件として、置換
    されないフェニル或いはハロゲン、C1-6−アルキル、C
    1-6−アルコキシおよびCF3から選ばれる1乃至3成分
    で置換されたフェニルを表わしている化合物。 (i)Qが2個の水素原子であるときn=P=1、R°
    は水素、RはNH2そしてR'はメチルであり、そのと
    き、その一部分としての[化34]は[化35]以外のもの
    である。 【化34】 【化35】 (ii)Qが2個の水素原子である場合、n=P=1で、
    R°は水素そしてRはフェニルであり、そのときR'は
    第三級ブチルではない。 (iii)Qが2個の水素原子である場合、n=P=1
    で、R°は水素、RはP−クロロフェニル、そしてR'
    は第三級ブチルであり、そのとき、その一部分としての
    [化36]は[化37]でなく、[化38]でもない。 【化36】 【化37】 【化38】 (iv)Qが2個の水素原子である場合、n=P=1で、
    R°は水素、Rは3,5−ジクロロフェニル、R'は第
    3ブチルであり、そのとき、その一部分としての[化3
    9]は[化40]以外のものである。 【化39】 【化40】
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の化合物であって、その
    中で、[化81]の構造式(I)と(II)での各記号は次
    のような例外があるものの、請求項1で定義した意味を
    持っている。すなわち、その一部分としての[化41]は
    [化42]或いは[化43]だけを表し、 【化41】 【化42】 【化43】RはC1-6−アルコキシ或いはC1-6−アルキル
    チオではない化合物。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の化合物であって、それ
    は次のグループの中から選ばれ、その化合物の鏡像異性
    体、ラセミ化合物および酸付加物およびそれの4元素か
    らなる塩を含んでいる化合物。 2−アミノスピロ(1,3−オキザゾリン−5,3')
    キナクリジン 2−メチルスピロ(1,3−オキザゾリン−5,3')
    キナクリジン 2−エチルスピロ(1,3−オキザゾリン−5,3')
    キナクリジン 2−フェニルスピロ(1,3−オキザゾリン−5,
    3')キナクリジン 1−メチルピペリジン−4−スピロ−4'−(2'−メチ
    ル−1',3'−オキザゾリン)、1−メチルピペリジン
    −4−スピロ−4'−(2'−エチル−1',3'−オキザ
    ゾリン)、2−メチルスピロ(1,3−オキザゾリン−
    5,4')−1'−メチルピペリジン、2−メチルスピロ
    (1,3−チアゾロリン−5,4')−1'−メチルピペリ
    ジン、2−エチルスピロ(1,3−オキザゾリン−5,
    4')−1'−メチルピペリジン。
  4. 【請求項4】 哺乳動物の中枢および末梢の神経系の病
    気を治療することに使用され、前記 (ii),(iii)および
    (iv)の条件は適用しないことを別にして、それらの鏡像
    異性体、ラセミ化合物および医療的に両立できる付加物
    および4元素からなる塩を含んで、請求項1に定義され
    ている[化81]の構造式(I)および(II)の化合物よ
    りなるグループの少なくとも1つからなり、上記病気の
    治療に使用される薬剤組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の薬剤組成物であって、
    前記 (ii),(iii) および(iv)の条件は適用しないこと
    を除いて、請求項2で定義されたような[化81]の構造
    式(I)と(II)との化合物。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の薬剤組成物であって、
    その[化81]の構造式(I)と(II)の化合物は請求項3で
    定義されているものである、薬剤組成物。
  7. 【請求項7】 請求項4乃至6のいずれかに記載の薬剤
    組成物であって、それは経口、直腸により、非経口的
    な、或いは経皮的に、或いは吸入法とか鼻への噴霧によ
    る投薬に適した形式の薬剤組成物。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のもので、経皮的に投薬
    するに適した形式のものであり、補助的な成分、つまり
    低分子量の脂肪酸で構成される薬剤組成物。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載のもので、単位投薬形式
    の薬剤組成物。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載のもので、そこで少なく
    とも既述の一部材が、不活性の保持剤或いは希釈剤と共
    存し、同部材の量が、約0.5mgから約100mgまでの範囲で
    存在し、好ましくは、約5mgから約100mgまでの範囲で
    存在し、さらに好ましくは約10mgから50mgまでの範囲で
    存在している薬剤組成物。
  11. 【請求項11】 哺乳動物の中枢および末梢の神経系の病
    気の治療に使用される薬剤組成物であって、次の成分
    (A),(B)および(C)のうちの少なくとも成分
    (A)および(B)を含む薬剤組成物。 (A) 鏡像異性体、ラセミ化合物および医療的に両立
    できる付加物と4元素からなる塩とを含み、請求項4に
    定義された[化81]の構造式(I)および(II)の化合
    物からなるグループの1つの部材であって、上記病気の
    治療のために有効な量をもつもの。 (B) フィソスチグミン、テトラヒドラミノアクリジ
    ン、塩素、レシチン、ピラセタム、アンイラセタム、プ
    ラミラセタム、オキシラセタム、4−アミノピリジン、
    3,4−ジアミノピリジン、ソマトスタチン、ピレンゼ
    ピン、N−メチルアトロピン、N−ブチルスコポラミ
    ン、スコポラミン、クロニジン、クボンファミシン、プ
    ロパンテリン、メタンテリン、グリコピロレート、トロ
    ペンジリウム、ノルトリプチリン、アミトリプチリン、
    イミプラミン、ミナプリン、セコベリン、AFDX−11
    6、ニコチン、アラプロクレート、ジメリジン、デプレ
    ニルおよび神経成長因子のグループから選ばれた少なく
    とも1つの化合物。 (C) 不活性の保持剤或いは希釈剤。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の薬剤組成物であって、
    [化81]の構造式(I)および(II)の化合物は請求項
    2で定義されたとおりのものであるが、前記の条件(i
    i),(iii) および(iv)は適用されない薬剤組成物。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の薬剤組成物であって、
    [化81]の構造式(I)と(II)の化合物が請求項3で定
    義されたとおりのものである薬剤組成物。
  14. 【請求項14】 請求項11から13までのいずれか1つに記
    載の薬剤組成物であって、経口または直腸によるか、或
    いは非経口的または経皮的な投薬に適した、或いは吸入
    とか鼻への噴霧による投薬に適した形式の薬剤組成物。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の薬剤組成物であって、
    経皮的投薬に適した形式を有し、付加的な成分として低
    分子量の脂肪酸よりなる薬剤組成物。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の薬剤組成物であって、
    単位投薬量形式の薬剤組成物。
  17. 【請求項17】 請求項14に記載された薬剤組成物であっ
    て、少なくとも不活性の保持剤或いは希釈剤と共存し、
    既述の一部材が、約0.5mgから約100mgまでの範囲で存在
    し、好ましくは約5mgから約100mgまでの範囲で存在
    し、さらに好ましくは約10mgから約50mgまでの範囲で存
    在する薬剤組成物。
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