JPH06293739A - 2−アルキル−5−ホルミルイミダゾールの製造法 - Google Patents
2−アルキル−5−ホルミルイミダゾールの製造法Info
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- JPH06293739A JPH06293739A JP5107281A JP10728193A JPH06293739A JP H06293739 A JPH06293739 A JP H06293739A JP 5107281 A JP5107281 A JP 5107281A JP 10728193 A JP10728193 A JP 10728193A JP H06293739 A JPH06293739 A JP H06293739A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、窒素酸化物の発生速度を工業的規
模で処理できる程度に下げ、かつ高収率で2−アルキル
−5−ホルミルイミダゾールを製造できる方法を提供す
る。 【構成】 2−アルキル−5−ヒドロキシメチルイミダ
ゾールを硝酸酸化して2−アルキル−5−ホルミルイミ
ダゾールを製造する方法において、反応温度を80〜9
5℃に、更には反応時の液中の硝酸濃度を30重量%以
上に保つ。
模で処理できる程度に下げ、かつ高収率で2−アルキル
−5−ホルミルイミダゾールを製造できる方法を提供す
る。 【構成】 2−アルキル−5−ヒドロキシメチルイミダ
ゾールを硝酸酸化して2−アルキル−5−ホルミルイミ
ダゾールを製造する方法において、反応温度を80〜9
5℃に、更には反応時の液中の硝酸濃度を30重量%以
上に保つ。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、利尿剤、降圧剤等医薬
品の原料として有用な2−アルキル−5−ホルミルイミ
ダゾールの製造法に関する。
品の原料として有用な2−アルキル−5−ホルミルイミ
ダゾールの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】2−アルキル−5−ホルミルイミダゾー
ルは上記の如く有用な用途を有し、近年注目されている
化学品である。その製造法に関する公知文献としては例
えば、2−アルキル−5−ヒドロキシメチルイミダゾ
ールに濃硝酸を加えてスチームバスで2.5時間反応を
行うか又は室温で濃硝酸を添加したのち8〜16時間放
置後、スチームバスで15〜30分間反応を行う方法
(USP 4107308)、2−アルキルヒドロキ
シメチルイミダゾールに濃硝酸を添加してスチームバス
で加温し、褐色の気体が出なくなるまで反応を行い、収
率32%で目的物を得る方法(J.Heterocy
l.Chem.,16(2),277−82(197
9))等が挙げられる。
ルは上記の如く有用な用途を有し、近年注目されている
化学品である。その製造法に関する公知文献としては例
えば、2−アルキル−5−ヒドロキシメチルイミダゾ
ールに濃硝酸を加えてスチームバスで2.5時間反応を
行うか又は室温で濃硝酸を添加したのち8〜16時間放
置後、スチームバスで15〜30分間反応を行う方法
(USP 4107308)、2−アルキルヒドロキ
シメチルイミダゾールに濃硝酸を添加してスチームバス
で加温し、褐色の気体が出なくなるまで反応を行い、収
率32%で目的物を得る方法(J.Heterocy
l.Chem.,16(2),277−82(197
9))等が挙げられる。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば反応温度が95℃を越える場合では窒素酸化物が瞬時
に大量に発生してしまい、窒素酸化物を工業的規模で処
理するには多大の労力が必要であること、目的物である
2−アルキル−5−ホルミルイミダゾールのホルミル基
が更に酸化されてカルボン酸となり収率が低下すること
(発明者がを実施したところ収率は50%程度であっ
た。)などの欠点を有しており、工業的規模での実施に
おいては非常に不利となり満足し得る方法とは言い難
い。故に、かかる問題点を避け工業的に安全な方法でか
つ高収率で目的物が製造できる、2−アルキル−5−ホ
ルミルイミダゾールの新たな製造法の開発が当業者間で
強く望まれている。
ば反応温度が95℃を越える場合では窒素酸化物が瞬時
に大量に発生してしまい、窒素酸化物を工業的規模で処
理するには多大の労力が必要であること、目的物である
2−アルキル−5−ホルミルイミダゾールのホルミル基
が更に酸化されてカルボン酸となり収率が低下すること
(発明者がを実施したところ収率は50%程度であっ
た。)などの欠点を有しており、工業的規模での実施に
おいては非常に不利となり満足し得る方法とは言い難
い。故に、かかる問題点を避け工業的に安全な方法でか
つ高収率で目的物が製造できる、2−アルキル−5−ホ
ルミルイミダゾールの新たな製造法の開発が当業者間で
強く望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかるに本発明者はかか
る目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、2−アルキ
ル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールを硝酸酸化して
2−アルキル−5−ホルミルイミダゾールを製造する方
法において、反応温度を80〜95℃にした場合にその
目的が達成出来ることを見出し、本発明を完成するに至
った。本発明においては反応温度を100℃から80〜
95℃に下げることにより、窒素酸化物の発生速度を工
業的規模で処理できる程度に低減でき、かつ目的物の収
率を向上させることに成功したのである。以下、本発明
について詳述する。
る目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、2−アルキ
ル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールを硝酸酸化して
2−アルキル−5−ホルミルイミダゾールを製造する方
法において、反応温度を80〜95℃にした場合にその
目的が達成出来ることを見出し、本発明を完成するに至
った。本発明においては反応温度を100℃から80〜
95℃に下げることにより、窒素酸化物の発生速度を工
業的規模で処理できる程度に低減でき、かつ目的物の収
率を向上させることに成功したのである。以下、本発明
について詳述する。
【0005】本発明の反応式は化1で示される。
【化1】
【0006】本発明においては、原料の2−アルキル−
5−ヒドロキシメチルイミダゾールのアルキル基は炭素
数1〜5のアルキル基であり、好ましくはn−ブチル基
が有用である。又、イミダゾール環のN位又はC位の水
素原子は炭素数1〜12のアルキル基あるいは置換アル
キル基、ハロゲンで置換されていても差し支えない。反
応を実施するにおいては、原料である2−アルキル−5
−ヒドロキシメチルイミダゾール及び硝酸を温度50℃
以下で溶媒中に仕込み、溶解したのち、反応液を規定温
度に上昇して酸化を行う。溶媒としては、水または水と
有機溶媒との併用系が用いられる。
5−ヒドロキシメチルイミダゾールのアルキル基は炭素
数1〜5のアルキル基であり、好ましくはn−ブチル基
が有用である。又、イミダゾール環のN位又はC位の水
素原子は炭素数1〜12のアルキル基あるいは置換アル
キル基、ハロゲンで置換されていても差し支えない。反
応を実施するにおいては、原料である2−アルキル−5
−ヒドロキシメチルイミダゾール及び硝酸を温度50℃
以下で溶媒中に仕込み、溶解したのち、反応液を規定温
度に上昇して酸化を行う。溶媒としては、水または水と
有機溶媒との併用系が用いられる。
【0007】かかる反応においては、反応液中の初期硝
酸濃度が30重量%以上、特に35〜45重量%が適当
である。濃度が30重量%未満では反応が著しく遅くな
り、現実的ではない。更に好ましくは反応時の液中の硝
酸濃度を30重量%以上、特に35〜45重量%に保つ
ことが良く、反応液中に硝酸を随時滴下するなどの方法
が採られる。仕込み方法としては特に制限はないが、好
ましくは50℃以下でかつ硝酸を30重量%以上含有し
た2−アルキル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール溶
液を規定の反応温度に上昇させた反応器に連続的に供給
する場合に窒素酸化物の処理を容易に行うことができ、
工業的に非常に有利となる。
酸濃度が30重量%以上、特に35〜45重量%が適当
である。濃度が30重量%未満では反応が著しく遅くな
り、現実的ではない。更に好ましくは反応時の液中の硝
酸濃度を30重量%以上、特に35〜45重量%に保つ
ことが良く、反応液中に硝酸を随時滴下するなどの方法
が採られる。仕込み方法としては特に制限はないが、好
ましくは50℃以下でかつ硝酸を30重量%以上含有し
た2−アルキル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール溶
液を規定の反応温度に上昇させた反応器に連続的に供給
する場合に窒素酸化物の処理を容易に行うことができ、
工業的に非常に有利となる。
【0008】硝酸と2−アルキル−5−ヒドロキシメチ
ルイミダゾールとの仕込みモル比は硝酸/2−アルキル
−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが1.5以上、好
ましくは2.0〜3.0が適当である。反応時間は2〜
16時間程度が実用的であり、反応温度は80〜95
℃、好ましくは85〜90℃である。反応温度が80℃
未満では反応速度が極端に遅くなり実用的ではなく、更
に硝酸が蓄積して爆発的な反応が起こる危険がある。9
5℃を越える場合は目的物の収率が低下してしまう。反
応終了後は反応液を室温まで下げ、PHを7〜9程度に
調節して結晶を析出させたのち、かかる結晶を濾過、洗
浄、乾燥して目的物をえる。
ルイミダゾールとの仕込みモル比は硝酸/2−アルキル
−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが1.5以上、好
ましくは2.0〜3.0が適当である。反応時間は2〜
16時間程度が実用的であり、反応温度は80〜95
℃、好ましくは85〜90℃である。反応温度が80℃
未満では反応速度が極端に遅くなり実用的ではなく、更
に硝酸が蓄積して爆発的な反応が起こる危険がある。9
5℃を越える場合は目的物の収率が低下してしまう。反
応終了後は反応液を室温まで下げ、PHを7〜9程度に
調節して結晶を析出させたのち、かかる結晶を濾過、洗
浄、乾燥して目的物をえる。
【0009】
【作 用】本発明は利尿剤や降圧剤等医薬品の原料と
して有用な2−アルキル−5−ホルミルイミダゾールの
製造法として、窒素酸化物の発生濃度を工業的規模で処
理できる程度に下げ、かつ高収率で目的物が得られるの
で経済面、製造面において非常に有利である。
して有用な2−アルキル−5−ホルミルイミダゾールの
製造法として、窒素酸化物の発生濃度を工業的規模で処
理できる程度に下げ、かつ高収率で目的物が得られるの
で経済面、製造面において非常に有利である。
【0010】
【実施例】以下、本発明において実例を挙げて詳述す
る。 実施例1 2−n−ブチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール1
6.0g(純度96%)を67.8%の硝酸水溶液2
3.1gに氷冷下で加え、溶解した。かかる溶液中の硝
酸濃度は39.1%であった。予め90℃に加温したコ
ンデンサー付フラスコに定量ポンプを使い上記のイミダ
ゾール硝酸溶液を4時間にわたり連続で仕込んだ。この
間の反応液は90℃に保ち撹拌した。仕込み終了後、更
に3時間、90℃で撹拌して室温まで冷却した。25%
水酸化ナトリウム水溶液で反応液をpH8として結晶を
析出させた。かかる結晶を濾過後、濾塊を10mlの冷
水で洗浄し、乾燥して2−n−ブチル−5−ホルミルイ
ミダゾールを得た。収率は仕込み原料に対して82%で
あった。窒素酸化物を主成分とした気体の発生量は最も
激しいところで12ml/minであった。かかる2−
n−ブチル−5−ホルミルイミダゾールはHLC、I
R、NMRにより構造を確認した。
る。 実施例1 2−n−ブチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール1
6.0g(純度96%)を67.8%の硝酸水溶液2
3.1gに氷冷下で加え、溶解した。かかる溶液中の硝
酸濃度は39.1%であった。予め90℃に加温したコ
ンデンサー付フラスコに定量ポンプを使い上記のイミダ
ゾール硝酸溶液を4時間にわたり連続で仕込んだ。この
間の反応液は90℃に保ち撹拌した。仕込み終了後、更
に3時間、90℃で撹拌して室温まで冷却した。25%
水酸化ナトリウム水溶液で反応液をpH8として結晶を
析出させた。かかる結晶を濾過後、濾塊を10mlの冷
水で洗浄し、乾燥して2−n−ブチル−5−ホルミルイ
ミダゾールを得た。収率は仕込み原料に対して82%で
あった。窒素酸化物を主成分とした気体の発生量は最も
激しいところで12ml/minであった。かかる2−
n−ブチル−5−ホルミルイミダゾールはHLC、I
R、NMRにより構造を確認した。
【0011】実施例2 反応温度を85℃にした以外は実施例1に従って実験を
行ったところ収率79%で目的物を得た。 実施例3 反応温度を80℃にした以外は実施例1に従って実験を
行ったところ収率77%で目的物を得た。 実施例4 反応温度を95℃にした以外は実施例1に従って実験を
行ったところ収率71%で目的物を得た。
行ったところ収率79%で目的物を得た。 実施例3 反応温度を80℃にした以外は実施例1に従って実験を
行ったところ収率77%で目的物を得た。 実施例4 反応温度を95℃にした以外は実施例1に従って実験を
行ったところ収率71%で目的物を得た。
【0012】比較例1 反応温度を75℃にした以外は実施例1に従って実験を
行ったところ収率が22%で目的物を得た。窒素酸化物
を主成分とした気体の発生量は最も激しいところで7m
l/minであった。 比較例2 反応温度を100℃にした以外は実施例1に従って実験
を行ったところ収率が51%で目的物を得た。また窒素
酸化物を主成分とした気体の発生量は最も激しいところ
で35ml/minであり、工業的に処理するには大き
な窒素酸化物の処理設備が必要であること及び暴走反応
による反応液の吹き出しが懸念された。
行ったところ収率が22%で目的物を得た。窒素酸化物
を主成分とした気体の発生量は最も激しいところで7m
l/minであった。 比較例2 反応温度を100℃にした以外は実施例1に従って実験
を行ったところ収率が51%で目的物を得た。また窒素
酸化物を主成分とした気体の発生量は最も激しいところ
で35ml/minであり、工業的に処理するには大き
な窒素酸化物の処理設備が必要であること及び暴走反応
による反応液の吹き出しが懸念された。
【0013】
【発明の効果】本発明は、利尿剤や降圧剤等の医薬品の
原料として有用な2−アルキル−5−ホルミルイミダゾ
ールの製造方法として、窒素酸化物の発生速度を工業的
規模で処理できる程度に下げ、かつ高収率で目的物が得
られる。
原料として有用な2−アルキル−5−ホルミルイミダゾ
ールの製造方法として、窒素酸化物の発生速度を工業的
規模で処理できる程度に下げ、かつ高収率で目的物が得
られる。
Claims (3)
- 【請求項1】 2−アルキル−5−ヒドロキシメチルイ
ミダゾールを硝酸酸化して2−アルキル−5−ホルミル
イミダゾールを製造する方法において、反応温度を80
〜95℃とすることを特徴とする2−アルキル−5−ホ
ルミルイミダゾールの製造法。 - 【請求項2】 反応温度が85〜90℃であることを特
徴とする請求項1記載の製造法。 - 【請求項3】 50℃以下でかつ硝酸濃度が30重量%
以上の2−アルキル−5−ヒドロキシメチルイミダゾー
ル溶液を連続的に反応器に供給することを特徴とする請
求項1及び2記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5107281A JPH06293739A (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | 2−アルキル−5−ホルミルイミダゾールの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5107281A JPH06293739A (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | 2−アルキル−5−ホルミルイミダゾールの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06293739A true JPH06293739A (ja) | 1994-10-21 |
Family
ID=14455103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5107281A Pending JPH06293739A (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | 2−アルキル−5−ホルミルイミダゾールの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06293739A (ja) |
-
1993
- 1993-04-08 JP JP5107281A patent/JPH06293739A/ja active Pending
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