JPH06292335A - 無刷子電動機の固定子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽薄短小化，低コスト化を実現する無刷子電
動機の固定子を提供する。 【構成】 巻線端巻付けピン４ｆの一部を外径面に露出
し、駆動回路固定用溝２３ａを同時に一体的に成形固化
してなる固定子２３と、駆動回路用面実装部品と、巻線
端巻付けピンを導電固定するためのコネクタ端子１６お
よび外部入力端子ピン１５を装着したプリント基板４
と、プリント基板のコネクタ端子および入力端子ピンの
一部を露出し、電気的に絶縁性を有する樹脂に駆動回路
固定用突起１７ａおよびコネクタ引掛溝１７ｂを一体的
に成形固化してなる駆動回路部と、その駆動回路部の固
定用突起と固定子の固定用溝を組合わせ、巻線端巻付け
ピンとコネクタ端子とをはんだ等により電気的に接続固
定することにより本発明の無刷子電動機が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は家庭用エアコン等の送風
ファン駆動源として用いられる無刷子電動機の固定子に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、家庭用エアコン等空調機器におい
ては、コンプレッサの能力制御をすることが主流になり
つつある。そしてこれに対応して熱交換器へ送風量も幅
広く多段階に調整できることが要求され、これらの要望
を満たすものとして従来から使われてきたファン駆動源
としての誘導電動機に替わって、速度調整の容易な無刷
子電動機を直流電源で運転する方式が採用されている。
一方この種の電動機に対しても軽薄短小化への要望がま
すます強くなりつつある。

【０００３】以下、図面にもとづき従来の無刷子電動機
について説明する。図６は従来の固定子巻線完成品側面
図であり、図７は図６の固定子巻線完成品を組込んだ従
来の無刷子電動機の斜視図である。

【０００４】図６において、巻線と巻線の間に位置する
よう駆動回路６ａを配置したプリント基板４において、
プリント基板４に設けられたプリント基板固定溝４ｅと
巻線の外側シュラウド２ｂ上に設けられた外側シュラウ
ド突起部２ｅが合わせられ、プリント基板４の巻線端巻
付け突起４ａに巻線を巻付け、はんだ等で電気的に接続
固定されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】以上のような構造にす
ると次のような問題点が考えられる。

【０００６】１．固定子鉄心端面からの軸方向必要長さ
は下式のようになる。［鉄心絶縁厚さ＋コイルエンド高
さと駆動回路用部品の最大高さの大きい方の寸法＋プリ
ント基板厚さ＋はんだ付高さ＋樹脂モールド厚さ］従来
例のような固定子の構成の仕方では、これ以上の軽薄短
小は難しくニーズに応えにくくなる。

【０００７】２．プリント基板および駆動回路用部品
は、鉄心および巻線と共にモールド樹脂により一体成形
するため、プリント基板に装着する駆動回路用部品の一
部に異常が発生した場合、もしくは巻線に異常が発生す
るとメンテナンスが不可能であるため工程不良率が高
い。

【０００８】本発明は上記従来の問題点を解決し、軽薄
短小のニーズに応えることができ、かつメンテナンスの
容易な無刷子電動機の固定子を提供することを目的とす
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の無刷子電動機の固定子は、外側シュラウドの
外径面に巻線端巻付けピンを設け、このピンへの巻線端
巻付け処理を施した固定子鉄心および巻線を熱硬化性樹
脂により巻線端巻付けピンの一部を外径面に露出した状
態で一体的に成形固化して固定子とする。このようにし
て得られた固定子の外面にチップ部品や面実装部品を実
装し樹脂成形した駆動回路を電気的に接続装着して本発
明の無刷子電動機の固定子完成品が得られる。

【００１０】

【作用】以上の構成とすることにより、プリント基板上
の駆動回路用部品が固定子樹脂モールド一体成形時に受
けるストレスを低減させることができるため、駆動回路
部の高い信頼性が得られると同時に製造工程上の不良率
も低減でき、さらに無刷子電動機の軽薄短小化を図るこ
とができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面にもとづき説
明する。

【００１２】図１は無刷子電動機の固定子巻線完成品斜
視図である。図１において、鉄心絶縁体２は固定子鉄心
１との一体成形により得たもので、歯部１ａ毎に内側シ
ュラウド２ａと外側シュラウド２ｂが形成されている。
外側シュラウド２ｂの外径面には、巻線３の端部を巻付
けるための巻線端巻付けピン４ｆが取付けられ、この巻
線端巻付けピン４ｆを固定する巻付けピン固定台２ｆが
成形してある。また、外側シュラウド２ｂ間には巻線端
を巻線端巻付けピン４ｆまで導くための巻線固定溝２ｃ
が設けられている。

【００１３】次に本発明による無刷子電動機の駆動回路
部組立状態斜視図を図２に示す。プリント基板４には面
実装部品５、チップ抵抗１０、チップコンデンサ１２、
ホール素子７から構成される駆動回路が装着され、巻線
端巻付けピン４ｆとの電気的接続を行うためのコネクタ
端子１６および外部から入力を得るために必要な入力端
子ピン１５が取付けられており、プリント基板４は電気
的絶縁性を有する樹脂により成形固化される。

【００１４】図３は上記駆動回路部組立品を樹脂により
成形した無刷子電動機の駆動回路部完成品斜視図であ
る。駆動回路部完成品１７は外部から入力を得る段階で
コネクタ付リード線を固定するためにコネクタ引掛溝１
７ｂが設けてあり、また図４に示す固定子２３に強固に
駆動回路部完成品１７を固定するために側面には駆動回
路固定用突起１７ａが形成されている。

【００１５】図４は、本発明の無刷子電動機の固定子完
成品組立状態斜視図である。図４に示されるように図１
で示した固定子巻線完成品において、巻線端巻付けピン
４ｆを外径面に一部露出させ駆動回路固定用溝２３ａを
一体的に樹脂モールド成形した固定子２３に駆動回路部
完成品１７を、駆動回路固定用突起１７ａが駆動回路固
定用溝２３ａに組合うよう挿通し、コネクタ端子１６と
巻線端巻付けピン４ｆがはんだ等で導電的に固定され
る。

【００１６】このような構成により、組立てられた本発
明の無刷子電動機の斜視図を図５に示す。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したごとく本発明の構成とする
ことにより、次のような効果が得られる。

【００１８】１．固定子鉄心端面からの軸方向必要長さ
は下式のようになり、［鉄心絶縁厚さ＋コイルエンド高
さ＋樹脂モールド厚さ］従来例に比べプリント基板厚さ
＋はんだ付高さおよび樹脂モールド厚さの一部の分だけ
短くすることができ軽薄短小のニーズに応えることがで
きる。

【００１９】２．プリント基板を樹脂モールド一体成形
したことにより、各々の製造工数および管理負担等の削
減が期待でき、またプリント基板に装着する駆動回路部
品に異常が発生した場合でも容易にメンテナンスが可能
であり、製造工程上の不良率を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における無刷子電動機の固定
子巻線完成品斜視図

【図２】本発明の一実施例における無刷子電動機の駆動
回路部組立状態斜視図

【図３】本発明の一実施例における無刷子電動機の樹脂
成形した駆動回路部完成品斜視図

【図４】本発明の一実施例における無刷子電動機の固定
子完成品組立状態斜視図

【図５】本発明の一実施例における無刷子電動機の斜視
図

【図６】従来の無刷子電動機の固定子巻線完成品斜視図

【図７】従来の無刷子電動機の斜視図

【符号の説明】

１ 固定子鉄心 ２ 鉄心絶縁体 ２ｃ 巻線固定溝 ２ｆ 巻付けピン固定台 ４ プリント基板 ４ｆ 巻線端巻付けピン ５ 面実装部品 ７ ホール素子 １０ チップ抵抗 １２ チップコンデンサ １５ 入力端子ピン １６ コネクタ端子 １７ 駆動回路部完成品 １７ａ 駆動回路固定用突起 １７ｂ コネクタ引掛溝 ２３ 固定子 ２３ａ 駆動回路固定用溝

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のスロットを有する環状の固定子鉄
   心と、前記鉄心のスロット絶縁と巻線シュラウドを一体
   に形成した鉄心絶縁体と、前記鉄心の歯部毎に施した巻
   線と、前記巻線シュラウドの外側シュラウドに前記巻線
   の終端を巻付ける巻線端巻付けピンとを備え、前記要素
   を電気的絶縁性を有する熱硬化性樹脂で、前記巻線端巻
   付けピンの一部を固定子外径面に露出し、駆動回路固定
   用溝を同時に一体的に樹脂成形した固定子完成品と、駆
   動回路用部品と、前記巻線端巻付けピンの導電固定のコ
   ネクタ端子および外部入力端子ピンを装着したプリント
   基板と、前記プリント基板のコネクタ端子および入力端
   子ピンの一部を露出し、電気的に絶縁性を有する樹脂で
   駆動回路固定用突起部およびコネクタ引掛溝を一体的に
   成形固化してなる駆動回路部とからなる固定子であっ
   て、前記駆動回路部の駆動回路固定用突起部を前記固定
   子完成品の駆動回路固定用溝に嵌合し、前記巻線端巻付
   けピンと前記コネクタ端子を接続し、導電性を有して固
   定してなる無刷子電動機の固定子。