JPH06291949A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JPH06291949A
JPH06291949A JP21488592A JP21488592A JPH06291949A JP H06291949 A JPH06291949 A JP H06291949A JP 21488592 A JP21488592 A JP 21488592A JP 21488592 A JP21488592 A JP 21488592A JP H06291949 A JPH06291949 A JP H06291949A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱体の分割駆動に伴う副走査方向のドット
ピッチのばらつきを抑え、記録画質を向上させる。 【構成】 サーマルヘッド上の発熱体のブロックを駆動
するためのストローブ信号S1〜S8を等時間間隔で順
次発生させるが、その時間間隔を記録ラインの黒率に応
じて変える。記録紙搬送用パルスモータを駆動するモー
タパルスMPの発生間隔を、記録ラインの黒率に応じて
変化させる。T1は25%以下黒率のライン、T2は2
5%超え50%以下黒率のライン、T3は50%超え黒
率のラインである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主走査方向に配列され
た複数ブロックの発熱体を記録ラインの画像信号に従っ
て駆動して発熱させ、その熱により、副走査方向に搬送
される記録紙(感熱記録紙)を発色させることによっ
て、またはインクリボンのインクを融解し記録紙(普通
紙)に転写させることによって、記録紙に画像を記録す
る記録装置(いわゆるサーマルプリンタ)に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のサーマルプリンタは、その主要
要素であるサーマルヘッドの高集積化、高精細度化が進
み、高解像度の画像記録が可能になっている。しかし、
サーマルヘッド上の発熱体の増加に伴い発熱体の駆動に
必要な電力(記録電力)が増加し、その電源(記録電
源)の大容量化を招き、このことが装置の小型化、軽量
化の大きな妨げとなっていた。
【0003】この問題に対処するため、サーマルヘッド
上の多数の発熱体をN個のブロックに分割し、1ブロッ
クずつ順に駆動する方式が実用されている。この方式
(単純分割駆動方式と呼ぶ)によれば、全ブロックを一
斉に駆動する方式に比べ、最大記録電力をN分の1に抑
えることができるが、その反面、1ブロック駆動時間×
Nの時間が1ラインの記録にかかるため、記録速度が非
常に遅くなるという別の問題点がある。
【0004】この単純分割駆動方式の欠点を補うため、
記録すべき1ラインの画像信号の黒率(黒画素の割合)
に応じて、記録電力が記録電源の容量を超えない範囲内
で複数ブロックを同時に駆動する方式(黒率可変分割駆
動方式と呼ぶ)が開発された。つまり、黒率が小さいラ
インでは同時に多数のブロックを駆動するが(1ライン
の分割数を減らし)、黒率が大きいラインでは同時に駆
動するブロック数を減らす(1ラインの分割数を増加さ
せる)という方式であり、黒率によって1ラインの記録
時間が変動する。
【0005】図19は、従来の黒率可変分割駆動方式に
よる記録動作を説明するためのタイミング図である。た
だし、図2に示す構成のサーマルヘッドが用いられた場
合である。
【0006】図2において、41は主走査方向に直線配
列された発熱体であり、その一方の端は記録電源(V
h)に配線される。42は発熱体41の駆動のためのゲ
ートであって、発熱体41と1対1に対応している。4
3は記録ラインの画像信号を保持するラッチ回路、44
はシリアルに入力する画像信号DATAをパラレルデー
タに変換して保持するシフトレジスタである。ゲート4
2の一方の入力はラッチ回路43の出力の対応ビットと
接続される。発熱体41は連続した一定個数毎に8個の
ブロックBL1〜BL8に分割されている。S1〜S8
は発熱体41の各ブロックに対応したストローブ信号で
あり、対応ブロックのゲート42に共通に入力する。各
ストローブ信号のパルス幅は一定であり、これは発熱体
41の1回の駆動時間(通電時間)に相当する。LAT
CHはラッチ回路43に与えられるラッチパルスであ
る。
【0007】図19において、T1とT4は黒率が25
%以下のラインの記録期間、T2は黒率が25%超え5
0%以下のラインの記録期間、T3は黒率が50%超え
のラインの記録期間である。MPは記録紙搬送用パルス
モータの駆動のためのモータパルスである。XLは記録
紙の搬送量であり、これは一定の遅れ時間を伴ってモー
タパルスMPに追従する性質がある。
【0008】各ラインの記録開始時に、ラッチパルスL
ATCHが発生しシフトレジスタ44の画像信号がラッ
チ回路43にラッチされ、その直後に次ラインの画像信
号DATAがシフトレジスタ44に入力する。ラッチ回
路43に保持された記録ラインの画像信号の黒率(これ
は予め、例えばシフトレジスタへの入力と同時に、測定
されている)に応じて、T1〜T3のいずれかのモード
となる。
【0009】T1(またはT4)のラインの場合、スト
ローブ信号S1〜S4が同時に発生し、前半分のブロッ
クBL1〜BL4が一斉に駆動される。これを終了する
とストローブ信号S5〜S8が同時に発生し、後半分の
ブロックBL5〜BL8が一斉に駆動される。つまり、
発熱体41を4ブロックずつ2回に分けて駆動すること
によって1ラインが記録される。このラインの記録時間
は最も短く、例えば10msである。
【0010】T2のラインの場合、2ブロックずつ4回
に分けて記録駆動が行なわれる。このラインの記録時間
は、T1ラインの2倍の20msとなる。T3のライン
の場合、単純な分割駆動となり、1ブロックずつ8回に
分けて記録駆動が行なわれるので、その記録時間は4倍
の40msとなる。
【0011】各モードにおいて、モータパルスMPは、
記録駆動と同期して1ライン時間を8等分するタイミン
グで発生する。そしてパルスモータの応答遅れがあるの
で、記録紙はXLに示すように、一定の遅れを伴って各
ラインの黒率に反比例する速度で移動する。各ブロック
のドット記録位置は、ストローブ信号のタイミング(よ
り厳密には発熱体が最高温度になるストローブ信号の終
了タイミング)と記録紙搬送量XLの関係から決まる。
【0012】以上から理解されるように、最大記録電力
は全ブロックを一斉に駆動する方式にくらべ8分の1に
抑えられる。1ラインの記録時間は、黒率が50%以下
であれば単純分割駆動(T3に対応)の場合の半分以下
になるが、一般的な記録画像は黒率が5から10%の程
度でありT1のモードとなる確率が大きいので、記録時
間の大幅な短縮を期待できる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この黒率に適
応した従来方式は、連続した複数ラインの黒率が大きく
変動した場合に、記録画質の悪化が著しいという問題が
ある。
【0014】例えば、図19に示したT1〜T4に対応
した4ラインの記録画像の場合、各ブロックの副走査方
向のドット記録位置が、図20に示すように、黒率の大
小によってバラツキを生じる(L1〜L4はT1〜T4
に対応したラインである)。その結果、図20において
ラインL3,L4の間で顕著に認められるように、前後
のラインのドットが部分的に重なったり、あるいは前後
ラインのドット間に余分な空白が生じることにより、記
録画像に副走査方向の黒または白の線状ノイズ(送りム
ラ)が目立ってしまう。
【0015】本発明は、上述のような画像信号の黒率変
動による送りムラの発生を抑制でき、かつ記録電源の小
容量化及び記録高速化を達成できる記録装置を提供する
ことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、発熱体の
駆動を1ブロックずつ順に等時間間隔で開始させ、また
記録紙搬送用パルスモータの駆動のための信号を等時間
間隔で発生するが、記録ラインの画像信号の黒率の程度
に応じて、駆動開始の時間間隔及びパルスモータの駆動
信号を発生させる時間間隔を変化させる、という構成を
備えたものである。
【0017】第2の発明は、基本的には、一定時間間隔
の駆動タイミングで1ブロックずつ順に発熱体の駆動を
開始させるが、駆動タイミング毎に無条件に次ブロック
の駆動を開始させるのではなく、駆動タイミング毎に、
次ブロックの駆動によって発熱体の駆動電流が最大値を
超えないか判定し、最大値を超えないと判定したときに
のみ次ブロックの駆動を開始させる。また、各ブロック
の駆動に同期して、記録紙搬送用パルスモータの駆動信
号を1ブロック分発生する、という構成を備えたもので
ある。
【0018】第3の発明は、記録ラインの画像信号の黒
率の程度に応じたブロック数毎に発熱体を分割駆動する
が、発熱体のブロック数をNとして、N/M個のブロッ
クの駆動毎に、記録紙搬送用パルスモータの駆動信号
を、1ラインの記録紙搬送量のM分の1相当量発生す
る、という構成を備えたものである。
【0019】
【作用】第1の発明によれば、同じブロックについて見
ると、黒率の大小に関係無く、1ラインの記録開始か
ら、そのブロックが駆動されるまでの記録紙の搬送量は
略一定になるため、前後ラインで黒率が大きく異なる場
合においても副走査方向のドットピッチのバラツキが生
じにくく、記録ムラの少ない高品質の画像記録が可能で
ある。また、各ブロックの駆動間隔及びパルスモータ駆
動信号の発生間隔を、記録ラインの黒率に比例させて変
化させることにより、黒率の小さなラインの多い一般的
な文書等の高速記録が可能である。また、本発明は基本
的に発熱体を分割駆動する方式であるので、分割駆動方
式のメリットである記録電源の小容量化も達成できる。
【0020】第2の発明によれば、記録ラインの画像信
号の黒画素の分布に応じて各ブロックの駆動間隔が様々
に変動する。しかし、一つのブロックの駆動される時
に、それと同期して1ブロック分のパルスモータ駆動信
号が発生するので、第1の発明と同様に、1ラインの記
録開始から、あるブロックの駆動までの記録紙搬送量は
略一定になるため、副走査方向のドットピッチは略一定
になり、送りムラの少ない画像を記録できる。記録開始
タイミングの時間間隔を十分に短く決めておくことによ
り、黒率の小さいラインに対しては短い時間間隔でブロ
ックを連続的に駆動して高速に記録することができる。
また、割駆動方式のメリットである記録電源の小容量化
も達成できる。
【0021】第3の発明によれば、発熱体の駆動に関し
ては上述した従来の黒率可変分割駆動方式と同様とな
る。一方、記録紙の搬送に関しては、N/Mブロックの
駆動毎に、1ライン搬送量のM分の1相当量のパルスモ
ータ駆動信号を発生するため、1ラインのM分割した区
間毎にドット位置が副走査方向に千鳥状にずれる。しか
し、同じブロックについてみれば、副走査方向のドット
ピッチは略一定になるため、送りムラの少ない画像を記
録できる。また、従来の黒率可変分割駆動のメリット
は、そのまま達成できる。
【0022】
【実施例】第1実施例 本実施例は第1の発明の一実施例である。以下、図1な
いし図7を参照して説明する。
【0023】図1は本実施例による記録装置のブロック
図である。図1において、1は本記録装置に画像信号
(ラスタデータ)を入力する画像信号入力手段である。
例えば、本記録装置がファクシミリ装置の記録部に用い
られる場合であれば、原稿読取用スキャナや受信データ
の復号化部などが画像信号入力手段1に相当する。2は
画像信号入力手段1から入力する画像信号をバッファリ
ングするためのラインメモリである。
【0024】3はラインメモリ2より入力する画像信号
の記録制御を行なう記録制御部である。4はサーマルヘ
ッドで、図2に示す構成のものである。5は記録紙搬送
駆動部であり、記録紙搬送用パルスモータ52と、その
駆動を行なうモータドライバ51よりなる。このパルス
モータ52の動力は、ギヤ等の動力伝達手段を介して記
録紙搬送のためのプラテンローラへ伝達される。
【0025】記録制御部3は黒率判定部310、制御部
320、サーマルヘッド4のブロック数(ここでは8)
と同数の駆動時間制御部330、モータ駆動制御部34
0から構成されている。図3は制御部320の1ライン
記録のための制御動作を示すフローチャートである。
【0026】図2に示すサーマルヘッド4の構成は既に
説明したとおりである。なお、ブロック対応のストロー
ブ信号S1〜S8は記録制御部3の駆動時間制御部33
0より供給され、ラッチパルスLATCHは駆動制御部
3の制御部320より与えられ、また画像信号DATA
はラインメモリ1より黒率判定部310経由で入力す
る。
【0027】モータ駆動制御部340は、図4のタイミ
ング図に示されるように、制御部320からのライント
リガ信号を契機にして、記録ラインの黒率(制御部32
0経由で与えられる)に応じた時間間隔で、8個のモー
タパルスMPを連続的に送出する。各駆動時間制御部3
30は、図5のタイミング図に示されるように、制御部
320より与えられる記録トリガ信号を契機にして、ス
トローブ信号(S1〜S8)を発生する。ストローブ信
号のパルス幅は一定であり、これは発熱体41の1回の
駆動時間(通電時間)に相当する。
【0028】以上のように構成された本記録装置につい
て、以下その全体的動作を説明する。図6はその説明の
ためのタイミング図である。
【0029】記録制御部3の制御部320は、図3に示
されるように、まずブロック番号カウンタnを1に初期
設定し(ST1)、これから記録しようとしているライ
ンに関して黒率判定部310より通知された黒率が25
%以下、25%超え50%以下、50%超えのいずれで
あるかを判定し、それぞれの場合にタイマを1.25m
s,2.5ms,5msにセットする(ST2〜ST
6)。
【0030】次にサーマルヘッド4に対するラッチパル
スLATCHの送出(ST7)、ラインメモリ2に対す
る次ライン画像信号出力指示(ST8)、モータ駆動制
御部340に対するライントリガ信号の送出(ST
9)、ブロックBL1の駆動時間制御部330に対する
記録トリガ信号の送出(ST10)を順次行なう。
【0031】サーマルヘッド4においては、ラッチパル
スLATCHに応答してシフトレジスタ44に蓄積され
た記録ラインの画像信号がラッチ回路43にラッチされ
る。その直後に次ライン画像信号出力指示に応答してラ
インメモリ2から次ラインの画像信号が出力され、これ
は黒率判定部310経由でシフトレジスタ44に入力す
るが、この際に黒率判定部310で黒率が判定される。
【0032】モータ駆動制御部340は、ライントリガ
信号に応答して、図4に示すような黒率に応じた時間間
隔でモータパルスMPを送出する。このモータパルスM
Pに従ってモータドライバ51はパルスモータ52を駆
動するので、記録紙の搬送速度はモータパルスMPの時
間間隔に反比例する。
【0033】ブロックBL1の駆動時間制御部330
は、記録トリガ信号に応答してストローブ信号S1を発
生する。したがって、ブロックBL1に所属する複数の
発熱体41の中で、記録ラインの画像信号の黒画素に対
応するものにだけゲート42を通じ電流が流れ発熱す
る。
【0034】制御部320は、ブロックBL1対応の記
録トリガ信号S1を送出させた直後にタイマを起動し
(ST12)、タイマのタイムアウトを待ち(ST1
3)、タイムアウトするとブロック番号カウンタnを1
だけインクリメントし(ST14)、次の(n番目の)
ブロックの駆動時間制御部330に対し記録トリガ信号
を送出し(ST10)、タイマを起動し(ST12)、
タイマのタイムアウトを待つ(ST13)。
【0035】このようにして、ストローブ信号S1〜S
8が順次発生し、ブロックBL1〜BL8が順次駆動さ
れる。制御部320は、ブロックBL8の駆動時間制御
部330に対する記録トリガ信号を発生した時は、1ラ
インに対する一連の制御を終了する(ST11)。
【0036】図6において、T1またはT4は黒率が2
5%以下のラインの記録期間である。このようなライン
の場合、タイマ値が1.25msにセットされ、ストロ
ーブ信号S1〜S8は1.25ms間隔で相当に重複し
た形で順次発生し、1ラインの記録時間は約13.75
msと短い。T2は黒率が25%超え50%以下のライ
ンの記録期間であり、タイマ値は2.5msにセットさ
れ、この間隔でストローブ信号S1〜S8が順次発生
し、このラインの記録時間は約22.5msとなる。ブ
ロックの駆動時間の重複はT1のラインより小さい。T
3は黒率が50%を超えるラインの記録期間であって、
タイマ値は5msにセットされ、各ストローブ信号S1
〜S8の重複はなく、1ライン記録時間は最大の40m
sとなる。
【0037】図6にXLとして示されるように、いずれ
の黒率のラインにおいても、記録紙は1ライン記録時間
内で黒率に略反比例した速度で等速移動する。したがっ
て、ライン毎に黒率が大きく変動した場合においても、
図7に示すように記録ドットの副走査方向ピッチは略均
一となり、従来問題となっていた副走査方向の白または
黒スジ等の送りムラが発生しにくくなり、記録画質が向
上する。
【0038】なお、図7において、L1,L2,L3,
L4は図6のT1,T2,T3,T4に相当するライン
であり、丸印は各ライン上の記録ドットを示す。
【0039】第2実施例 本実施例は第1の発明の他の実施例である。以下、図8
ないし図11を参照して説明する。図8は本実施例によ
る記録装置のブロック図であるが、図1と同一の符号は
同一部を示している。図9はサーマルヘッド4Bのブロ
ック図であり、図1と同一の符号は同一部を示してい
る。
【0040】図9に示されるように、ここで用いられる
サーマルヘッド4Bにおいては、記録ラインの画像信号
をラッチするためのラッチ回路は、ライン前半分(ブロ
ックBL1〜BL4)に対応したラッチ回路43Aと、
ライン後半分(ブロックBL5〜BL8)に対応したラ
ッチ回路43Bに分けられている。そして図8に示され
るように、それぞれのラッチ回路43A,43Bに対
し、独立したラッチパルスLATCHA,LATCHB
が記録制御部3Bの制御部320Bより供給される。
【0041】図10は本記録装置のタイミング図であ
る。この図から理解されるように、本記録装置における
記録制御動作は、次に述べる点を除いて前記第1実施例
と同じである。
【0042】すなわち、制御部320Aは、前記第1実
施例と同様に黒率に応じたタイマ値のセット(図3のS
T2〜ST6)を行なった後、ラッチパルスLATCH
Aを送出してライン前半分の画像信号をラッチ回路4A
にラッチさせ、その直後から各ブロックに対するストロ
ーブ信号S1〜S8及びモータパルスMPを発生させ
る。そして、ストローブ信号S5の発生直前にラッチパ
ルスLATCHBを発生させてライン後半分をラッチ回
路43Bにラッチさせた後、ラインメモリ2に対し次ラ
イン画像信号の出力を指示することによって、次ライン
の画像信号をシフトレジスタ44へ入力させる。
【0043】また、黒率が25%以下のライン(T1,
T4)の記録時間を10msに、黒率が25%超え50
%以下のライン(T2)の記録時間を20msに、それ
ぞれ前記第1実施例より短縮している(つまり、図19
に示した従来例と同じ記録速度である)。
【0044】そのため、図10に見られるように、T1
からT2への遷移時とT2からT3への遷移時に、前後
2ラインの記録駆動が短時間であるが重複する。個々の
ラインについてみれば、その記録に必要な電力は、全ブ
ロックを同時に駆動する方式の場合に必要な電力Pの8
分の1を超えることはないが、上記の2ラインの記録駆
動の重複時に必要電力がP/8を超えることがある。し
かし、この重複時間は十分に短いため、平均的にみれば
必要電力はP/8以下に抑えられるので、記録電源容量
の面で格別の不利益をもたらす事無く、前記第1実施例
より記録時間を短縮できる。
【0045】図11は、本記録装置による記録画像の副
走査方向のドット位置をブロック毎に示した図である。
L1,L2,L3,L4はT1,T2,T3,T4に相
当するラインであり、丸印がドットである。この図から
理解されるように、黒率が違うラインが連続した場合に
おいても、副走査方向のドットピッチは略均一であるた
め、記録ムラが発生しにくい。
【0046】第3実施例 本実施例は第2の発明の一実施例である。以下、図12
ないし図14を参照して説明する。図12は本実施例に
よる記録装置のブロック図であるが、図1または図8と
同一の符号は同一部を示している。
【0047】本記録装置の記録制御部3Cにおいては、
黒率判定部310Cが1ブロック毎に画像信号の黒画素
数をカウントして制御部320Cに通知するように変更
されるとともに、モータパルスMPを制御部320Cよ
り直接送出するように変更されている。また制御部32
0Cの制御内容が図13のフローチャートのように変更
されている。
【0048】図14は本記録装置の動作タイミング図で
ある。WPは各時点での記録駆動中の黒画素数(通電中
の発熱体41の個数)である。ストローブ信号S1〜S
8に付記された数字は、対応ブロックの黒画素数(通電
される発熱体数)を示す。以下、制御部320Cの制御
動作を中心に本記録装置の動作を詳細に説明する。
【0049】記録制御部3の制御部320Cは、図13
に示されるように、まずブロック番号カウンタnを1に
初期設定し(ST21)、1ライン目の画像信号の出力
をラインメモリ2に与える(ST22)。ラインメモリ
2より画像信号が出力され、これは黒率判定部310C
経由でサーマルヘッド4Bのシフトレジス44に入力す
る。この際に、この画像信号の黒画素数をブロック毎に
求めて制御部320へ知らせる。
【0050】制御部320Cは、1.25ms間隔で繰
り返しタイムアウトするサイクルタイマを起動する(S
T23)。つまり、本実施例においては、記録開始タイ
ミングの時間間隔を1.25msに選んでいる。この
1.25msは、1ラインの最小記録時間である10m
sの8分の1の時間に相当する。
【0051】制御部320Cはサイクルタイマのタイム
アウトを監視し(ST24)、サイクルタイマがタイム
アウトした時に、現在通電中黒画素数(各ラインの記録
開始時は0)と、これから駆動しようとしているn番目
(n=ブロック番号カウンタnの値)のブロックの黒画
素数の合計値が100以下であるか否かを判定する(S
T25)。この合計値が100を超える場合は、ST2
4に戻り、次のタイムアウトを待つ。つまり、n番ブロ
ックBLnの駆動は少なくとも1.25msだけ待たさ
れる。
【0052】上記の黒画素数の合計値が100以下の場
合の動作はnの値によって異なる。まずn=1の時(S
T26,NO、ST27,YES)、つまり1番目のブ
ロックBL1を駆動しようとしている時には、まずラッ
チパルスLATCHAを発生し(ST30)、サーマル
ヘッド4Bのシフトレジスタ44に蓄積されている1ラ
インの画像信号の前半分をラッチ43Aにラッチさせ
る。そして、ブロックBL1のストローブ信号S1を発
生させ(ST31)ブロックBL1を駆動し、またモー
タパルスMPを1個発生する(ST32)。次にカウン
タnを1だけインクリメントし(ST33)、再びサイ
クルタイマのタイムアウト監視(ST24)に戻る。
【0053】nが2、3または4の時には(ST26,
NO、ST27,NO)、n番目のブロックBLnのス
トローブ信号Snの発生、モータパルスMPの発生、カ
ウンタnのインクリメントを行ない(ST31〜ST3
3)、ST24に戻る。
【0054】n=5の時(ST26,YES)、つまり
5番目のブロックBL5の駆動を行なおうとしている時
には、ラッチパルスLATCHBを発生し(ST2
8)、現在ラインの後半分の画像信号をラッチ回路43
Bにラッチさせた後、次ラインの画像信号の出力をライ
ンメモリ2に指示し、次ラインの画像信号をシフトレジ
スタ44に入力させる。この際に、次ラインのブロック
毎の黒画素数が黒率判定部310Cから制御部320C
へ通知される。制御部320Cは次に5番ブロックBL
5のストローブ信号Snの発生、モータパルスMPの発
生、カウンタnのインクリメントを行ない(ST31〜
ST33)、ST24に戻る。
【0055】nが6または7の時には、ST31〜ST
33を経てST24に戻る。n=8の時には(ST3
4,YES)、ST31〜ST33を行なった後、次ラ
インの記録制御に備えてカウンタnを初期値1に設定し
(ST35)、ST24に戻って次ラインの記録制御を
開始する。次ラインがない時(ST36,NO)には一
連の動作を終了する。
【0056】以上のように本実施例においては、1.2
5ms時間間隔で、次ブロックを駆動してもWPが10
0を超えないか否かをチェックし、超えないときに次ブ
ロックを駆動する。したがって、図14より理解される
ように、各ブロックの駆動間隔は厳密には当間隔ではな
いが、各ブロックの駆動に同期して、その1ブロック分
(ここでは1個)のモータパルスMPが出るため、前記
各実施例と同様に副走査方向の記録ムラが起きにくい。
【0057】また、ブロッ毎の黒画素数に応じて、通電
中画素数が所定値を超えないように(記録駆動電流が最
大値を超えないように)ブロック駆動を制御するので、
1ライン全体の黒率に基づき記録タイミングを制御する
前記実施例1より1ライン記録時間、特に黒率の大きな
ラインの記録時間を短縮可能である。
【0058】本実施例においては、1ブロックに対して
1個のモータパルスMPを発生したが、1ブロック当た
り必要個数のモータパルスを発生してもよい。また、通
電中黒画素数WPは、記録電源からサーマルヘッド4B
に流れる駆動電流に比例した値であるので、この電流値
を直接的に測定しWPの代わりに用いてもよい。
【0059】第4実施例 本実施例は第3の発明の一実施例である。以下、図15
ないし図18を参照して説明する。
【0060】図15は本実施例による記録装置のブロッ
ク図であるが、図1と同一の符号は同一部を示してい
る。本記録装置は、記録制御部3Dにおける制御部32
0Dとモータ駆動制御部340Dの動作が前記第1実施
例と異なる。図16は制御部320Dの動作フローチャ
ート、図17は本記録装置の動作タイミング図、図18
は図17に示したT1〜T4に対応するラインL1〜L
4のドット記録位置をブロック毎に示した図である。
【0061】図16を参照し、制御部320Dの動作を
中心に本記録装置の動作を説明する。制御部320D
は、ブロック番号カウンタnを1に初期設定し(ST4
1)、これから記録しようとするラインの画像信号(サ
ーマルヘッド4のシフトレジスタ44(図2)に蓄積さ
れている)の黒率が25%以下、25%超え50%以
下、あるいは50%超えのいずれであるかの判定を行な
い(ST42,ST43)、黒率に応じてレジスタPに
4、2または1をセットする(ST44,ST45,S
T46)。
【0062】カウンタmにレジスタPの値をセットし
(ST47)、次にラッチパルスLATCHを発生する
(ST48)。これによりサーマルヘッド4のシフトレ
ジスタ44内の画像信号がラッチ回路43にラッチされ
る。続いて制御部320Dは次ライン画像信号の出力を
ラインメモリ2に指示し(ST49)、またモータ駆動
制御部340Dにライン前半駆動を指示する(ST5
0)。ラインメモリ2より次ラインの画像信号が出力さ
れ、これがシフトレジスタ44に入力する。また、その
黒率が黒率判定部310から制御部320Dへ通知され
る。モータ駆動制御部340Dは、ライン前半分の記録
紙搬送のための4個のモータパルスMPを一定時間間隔
で送出する。
【0063】制御部320Dは、カウンタnの値に対応
したn番ブロックBLnのストローブ信号Snを発生さ
せ(ST51)、カウンタmを1だけデクリメントし
(ST52)、カウンタmの値のゼロチェックを行なう
(ST53)。
【0064】m=0でない場合、カウンタnを1だけイ
ンクリメントし(ST56)、n=5の判定を行ない
(ST57)、nが5でなければn<8の判定を行なう
(ST59)。nが5でなく、かつn<8であればST
51に戻る。n=5であるときは、ライン後半分の記録
紙搬送のための4個のモータパルスMPをモータ駆動制
御部340Dより送出させ(ST58)、その後にST
59の判定を行なう。ST8でn≧8のときは1ライン
の記録制御を終了する。
【0065】ST53においてm=0と判定した場合、
2.5msタイマを起動してタイムアウトを待ち(ST
54)、タイムアウトするとカウンタmにレジスタPの
値をセットし(ST55)、ST56に進む。なお、
2.5msはストローブ信号のパルス幅に等しい。
【0066】以上の制御内容を図17と関連させて説明
する。図17において、T1とT4は黒率が25%以下
のラインの記録期間、T2は黒率が25%超え50%以
下のラインの記録期間、T3は黒率が50超えのライン
の記録期間である。
【0067】T1またはT4のラインの場合、ST44
でp=4にセットされるので、ST51〜ST59のル
ープを4回繰り返すことによってライン前半分の4ブロ
ックが実質的に同時に駆動され、同ループの4回目の途
中のST54で2.5msの時間待ちの後、同様のルー
プの繰り返しによってライン後半分の4ブロックが実質
的に同時に駆動される。
【0068】T2のラインの場合、ST45でp=2に
セットされるので、ST51〜ST59のループを2回
繰り返すことによってライン前半分の2ブロックBL
1,BL2を駆動し、ループの2回目の途中のST54
で2.5msの時間待ちをする。ついでループを2回繰
り返してライン前半分の次の2ブロックBL3,BL4
を駆動する。同様に、ライン後半分の2ブロックBL
5,BL6と次の2ブロックBL7,BL8をそれぞれ
2.5ms間隔で駆動する。つまり、1ラインを前半と
後半に2分割し、前半をさらに2分割、後半をさらに2
分割する。全体としては1ラインを2ブロックずつ4分
割して記録駆動を行なう。
【0069】T3のラインの場合、ST46でp=1に
セットされるので、ST51〜ST59のループの毎回
に1ブロックずつ2.5ms間隔で駆動する。つまり、
1ラインを8分割し1ブロックずつ記録駆動を行なう。
【0070】図17と図19を比較すれば、ブロック駆
動に関しては、従来の黒率可変分割駆動方式と同等であ
る。しかし、本記録装置においては、発熱体駆動と同期
させてライン前半とライン後半に分けて記録紙駆動を行
ない、記録紙を図17中のXLのように搬送するため、
図18に示されるように、記録ドットの副走査ピッチは
ほぼ均一となり、従来のような副走査方向の記録ムラが
発生しにくい。ただし、ラインを2分割して記録紙駆動
を行なう関係から、同一のライン上のドットの位置がラ
イン中央を境に2分の1ドット分だけ副走査方向にずれ
る。
【0071】なお、本実施例は1ラインの記録紙搬送量
の分割数Mを2、発熱体ブロック数Nを8とした場合で
ある。一般的には、N/M個のブロックの駆動毎に、記
録紙の1ライン搬送量のM分の1相当量だけ記録紙を搬
送させるための一定個数のモータパルスMPを発生す
る。
【0072】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、従来の黒率可変分割駆動方式と同様の記録電源の小
容量化と高速記録を達成しつつ、その欠点である送りム
ラを抑制して記録画質の劣化を防止できる、という効果
を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1による記録装置のブロック図
【図2】サーマルヘッドのブロック図
【図3】実施例1装置の記録制御のフローチャート
【図4】実施例1装置のモータパルスに関するタイミン
グ図
【図5】実施例1装置のストローブ信号に関するタイミ
ング図
【図6】実施例1装置の動作タイミング図
【図7】実施例1装置による記録ドットの副走査方向位
置をブロック毎に示す図
【図8】実施例2による記録装置のブロック図
【図9】サーマルヘッドのブロック図
【図10】実施例2装置の動作タイミング図
【図11】実施例2装置による記録ドットの副走査方向
位置をブロック毎に示す図
【図12】実施例3による記録装置のブロック図
【図13】実施例3装置の記録制御のフローチャート
【図14】実施例3装置の動作タイミング図
【図15】実施例4による記録装置のブロック図
【図16】実施例4装置の記録制御のフローチャート
【図17】実施例4装置の動作タイミング図
【図18】実施例4装置による記録ドットの副走査方向
位置をブロック毎に示す図
【図19】従来の黒率可変分割駆動方式の動作タイミン
グ図
【図20】同黒率可変分割駆動方式による記録ドットピ
ッチのバラツキを示す図
【符号の説明】
1 画像信号入力手段 2 ラインメモリ 3 記録制御部 3B 記録制御部 3C 記録制御部 3D 記録制御部 4 サーマルヘッド 4B サーマルヘッド 5 記録紙搬送駆動部 41 発熱体 42 ゲート 43 ラッチ回路 43A ラッチ回路 43B ラッチ回路 44 シフトレジスタ 51 モータドライバ 52 パルスモータ 310 黒率判定部 310D 黒率判定部 320 制御部 320B 制御部 320C 制御部 320D 制御部 330 駆動時間制御部 340 モータ駆動制御部 340D モータ駆動制御部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主走査方向に配列された複数ブロックの
    発熱体を記録ラインの画像信号に従い駆動することによ
    って、副走査方向に搬送される記録紙に画像を記録する
    記録装置であって、記録ラインの画像信号の黒率の程度
    を判定する手段と、前記判定された黒率程度に応じた時
    間間隔で前記発熱体の駆動を1ブロックずつ順に開始さ
    せる手段と、前記判定された黒率程度に応じた時間間隔
    で前記記録紙の搬送用パルスモータの駆動のための信号
    を発生する手段とを有することを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 主走査方向に配列された複数ブロックの
    発熱体を記録ラインの画像信号に従い駆動することによ
    って、副走査方向に搬送される記録紙に画像を記録する
    記録装置であって、前記発熱体の駆動を1ブロックずつ
    順に開始させるものであって、一定時間間隔の駆動タイ
    ミング毎に、次ブロックの駆動により前記発熱体の駆動
    電流が最大値を超えないか判定し、超えないと判定した
    ときにのみ次ブロックの駆動を開始させる手段と、前記
    発熱体の各ブロックの駆動に同期させて前記記録紙の搬
    送用パルスモータの駆動のための信号を1ブロック分発
    生する手段とを有することを特徴とする記録装置。
  3. 【請求項3】 主走査方向に配列されたNブロックの発
    熱体を記録ラインの画像信号に従い駆動することによっ
    て、副走査方向に搬送される記録紙に画像を記録する記
    録装置であって、記録ラインの画像信号の黒率の程度を
    判定する手段と、前記判定された黒率程度に応じて決ま
    るブロック数毎に前記発熱体を分割駆動する手段と、前
    記発熱体のM分のNブロックの駆動毎に、前記記録紙の
    搬送用パルスモータの駆動のための信号を、前記記録紙
    の1ライン分の搬送量のM分の1相当量発生する手段と
    を有することを特徴とする記録装置。
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