JPH06289474A - レンズの開閉機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 操作つまみの僅かなスライド移動量でコンバ
ージョンレンズが瞬間的に切換え動作できるようにした
レンズの開閉機構を得る。 【構成】 ワイドコンバージョンレンズ１２を保持した
レンズホルダー１３が支点軸１１を中心として回動移動
可能に支承され、支点軸１１の近くにスライド移動する
操作つまみと連動するリンク部材１５の一端を連結し、
操作つまみのスライド移動によってワイドコンバージョ
ンレンズ１２を支点軸１１を中心として使用状態位置と
収納状態位置とに切換え移動できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば、カメラ一体型
ＶＴＲ等に適用されるコンバージョンレンズのレンズ開
閉機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種、カメラ一体型ＶＴＲにお
いて、例えば、標準撮影状態から広角（ワイド）あるい
は望遠（テレ）撮影状態に切換えるために光学機器の対
物レンズ前方にコンバージョンレンズをセットする方法
としては、コンバージョンレンズブロックをカメラ一体
型ＶＴＲ本体のレンズ部前面に取付ける一般的な方法
と、カメラ一体型ＶＴＲ本体内にコンバージョンレンズ
が内蔵され、操作つまみのスライド操作によりコンバー
ジョンレンズをレンズ部前面に切換え操作する方法とが
ある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たコンバージョンレンズブロックの場合は撮影状態にお
いてコンバージョンレンズを取付けるには、一旦、撮影
状態を中断してカメラ一体型ＶＴＲ本体を持替え、コン
バージョンレンズブロックを取付ける必要がある。この
ため、カメラ一体型ＶＴＲは録画スイッチをオフする必
要があり、このために再び撮影状態にするのに非常に手
間がかかる。そして、決定的な問題としては標準撮影か
ら広角あるいは望遠撮影への連続撮影が不可能であっ
た。

【０００４】一方、コンバージョンレンズが内蔵式の場
合は、図１１を例にとって説明すると、コンバージョン
レンズ４０を保持したレンズホルダー４１が図示しない
パネルにモールド成形したレール４２に支持され、そし
て、レンズホルダー４１に設けた操作つまみ４３をスラ
イド操作させることにより、コンバージョンレンズ４０
が光学機器の前方にセットされる使用位置と収納位置と
に切換え移動できるように構成されている。この場合、
操作つまみ４３のスライド移動量がコンバージョンレン
ズ４０の移動量となる。

【０００５】このように構成することにより、標準撮影
から広角あるいは望遠撮影は、操作つまみ４３のスライ
ド操作により連続撮影が可能であるが、操作つまみ４３
の移動距離（量）が比較的長いためコンバージョンレン
ズの瞬間的な切換え、つまり撮影チャンスを撮ることは
不可能である。また、このような構成ではコンバージョ
ンレンズを途中で停止させることも可能であるため、正
確な映像が保証できなくなる可能性がある。

【０００６】また、コンバージョンレンズの収納状態に
は操作つまみのスライド操作によりロック位置まで操作
し、コンバージョンレンズの使用位置にはロックを解除
することにより、ばね力を利用して自動的に動作できる
ようにしたものもあるが、この場合は標準撮影から広角
あるいは望遠撮影までの切換え速度が遅いのが欠点であ
る。

【０００７】本発明は、上述したような問題点を解消す
るためになされたもので、操作つまみの僅かなスライド
移動量でコンバージョンレンズが瞬間的に切換え動作で
きるようにしたレンズの開閉機構を得ることを目的とす
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によるレンズの開閉機構は、パネル内に内蔵
されたコンバージョンレンズが光学機器の前方に出し入
れ自在に切換え移動できるようにしたレンズの開閉機構
において、回動支点軸を中心として光学機器の前方及び
パネル内との２つの切換え位置に回動移動するコンバー
ジョンレンズと、僅かなスライド移動量でリンク部材を
介してコンバージョンレンズを切換え移動操作するスラ
イド操作部材とよりなるものである。

【０００９】

【作用】上述のように構成した本発明におけるレンズの
開閉機構は、スライド操作部材をスライド操作すること
で、このスライド操作部材に連動するリンク部材を介し
てコンバージョンレンズが回動支点軸を中心として回動
移動し、光学機器の前方とパネル内の収納状態とに切換
え移動できる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明におけるレンズ開閉機構の実施
例をカメラ一体型ＶＴＲに適用される内蔵式のワイドコ
ンバージョンレンズを例にとって添付した図面を参照し
て説明する。

【００１１】図１はカメラ一体型ＶＴＲの全体の斜視
図、図２はフロントパネルを裏面より見た正面図、図３
は図２のＡ−Ａ線断面図、図４は本例のレンズ開閉機構
の分解斜視図である。

【００１２】各図において、符号１はカメラ一体型ＶＴ
Ｒの本体パネル、２はこの本体パネル１の前部に組付け
られているフロントパネルを示す。本体パネル１にはビ
ューファインダー３が備えられ、そして、本体パネル１
内には図示しないＶＴＲ装置及び光学機器が収容され、
そして、本体パネル１の表面にＶＴＲ装置，光学機器を
操作する各種の操作スイッチが設けられている。

【００１３】一方、フロントパネル２の前面の一方側に
偏してレンズ開口部４が開口されている。このフロント
パネル２の前面下部には後述するワイドコンバージョン
レンズを切換え回動操作するためのスライド操作部材と
しての操作つまみ５が取付けられている。

【００１４】この操作つまみ５はフロントパネル２の外
面側から取付け片５ａをフロントパネル２に形成した横
方向にやや長いガイド孔６に挿入し、この取付け片５に
フロントパネル２の内面側から作動片７をねじ８により
固定して組付ける。これによって、操作つまみ５のスラ
イド移動と共に一体的に作動片７がスライド動作可能と
なり、操作つまみ５及び作動片７の移動量は上述したガ
イド孔６の長さ範囲（実施例では４．５ｍｍの移動量）
である。

【００１５】一方、フロントパネル２内にレンズ開口部
４と連通する開口部９を有する第１のプレート１０が取
付けられている。この第１のプレート１０の端部に支点
軸１１が突設され、この支点軸１１に凹レンズからなる
ワイドコンバージョンレンズ１２を保持した略雨滴形状
のレンズホルダー１３の端部の支点軸孔１４が支承され
ている。

【００１６】そして、このレンズホルダー１３と上述し
た操作つまみ５と一体的にスライド移動する作動片７と
がリンク部材１５を介して連結されている。すなわち、
リンク部材１５はその裏面に突設したボス１６の軸孔１
６ａを作動片７から突設した軸ピン１７に挿入し、リン
ク部材１５の先端に設けた軸ピン１８をレンズホルダー
１３の支点軸孔１４の近くに設けた軸孔１９に挿入して
連結されている。

【００１７】これによって、操作つまみ５と共に作動片
７をスライド操作する直線運動をリンク部材１５を介し
てレンズホルダー１３が支点軸１１を中心として回動す
る回転運動に変換し、レンズホルダー１３に保持された
ワイドコンバージョンレンズ１２を、第１のプレート１
０の開口部９側の回動位置する使用状態と、この開口部
９から外れた回動位置の収納状態とに切換え移動する。

【００１８】上述した動作は本発明の要部であるので図
５及び図６を参照して説明すると、レンズホルダー１３
の支点軸１１を中心として回動するワイドコンバージョ
ンレンズ１２は、支点軸１１に近ずくほど回動距離は短
くなる。従って、操作つまみ５と共にスライド移動する
リンク部材１５の軸ピン１８を支点軸１１の近くに形成
した軸孔１９に挿入して連結させることにより、作動片
７の少ない移動距離つまり、操作つまみ５の僅かな移動
距離でワイドコンバージョンレンズ１２を上述した使用
状態（図６）と収納状態（図５）とに回動移動させるこ
とができるものである。

【００１９】また、上述した操作つまみ５にはそのスラ
イド位置においてクリック感が生じるようなクリック機
構が備えられている。クリック機構の一例としては、図
７に示すように作動片７にアーム片２０ａ，２０ｂが形
成され、一方のアーム片２０ａがフロントパネル２の内
壁面に形成した突起２１ａ，２１ｂに係合可能に構成さ
れている。

【００２０】すなわち、操作つまみ５がワイドコンバー
ジョンレンズ１２を使用状態にしたスライド位置におい
ては、作動片７のアーム片２０ａを突起２１ａに係合さ
せ、また、操作つまみ５がワイドコンバージョンレンズ
１２を収納状態にしたスライド位置においては、作動片
７のアーム片２０ａを突起２１ｂに係合させて操作つま
み５のクリック動作を行っている。

【００２１】この際、作動片７と共にスライド移動する
リンク部材１５は上述したボス１６が第１のプレート１
０に形成したガイド片２２のガイド溝２３に沿って案内
され、リンク部材１５の直線移動を可能にしている。

【００２２】また、レンズホルダー１３の背後には第２
のプレート２４が配置されている。この第２のプレート
２４には上述した第１のプレート１０の開口部９と連通
する開口部２５が開口され、この開口部２５の開口縁に
形成したリブ２５ａにパネル本体１内に収容した光学機
器のレンズ鏡筒２６の先端部が支持されている。従っ
て、ワイドコンバージョンレンズ１２の使用状態ではレ
ンズ鏡筒２６の前方に回動位置するようになる。

【００２３】上述したレンズ開閉機構には、ワイドコン
バージョンレンズ１２を使用状態と収納状態とにロック
するためのロック機構が設けられている。このロック機
構の一例としては、第２のパネル２４にそれぞれＵ字形
状のスリット２７ａ，２８ａを形成してパネル厚み方向
に弾性変形する２つのばね片２７，２８を形成し、これ
ら両ばね片２７，２８の先端部裏面に半球状の突部２７
ｂ，２８ｂを設けている。

【００２４】これら突部２７ｂ，２８ｂにはレンズホル
ダー１３の表面に形成した凹部２９が係脱可能である。
すなわち、ワイドコンバージョンレンズ１２が使用状態
位置に回動したときは、凹部２９に一方のばね片２７の
突部２７ｂが係合してワイドコンバージョンレンズ１２
が使用状態位置（図８ａ，ｂ参照）にロック状態とな
り、また、ワイドコンバージョンレンズ１２が収納状態
位置に回動したときは、凹部２９に他方のばね片２８の
突部２７ｂが係合してワイドコンバージョンレンズ１２
が使用状態位置にロック状態となる。

【００２５】さらに、レンズ開閉機構には、ワイドコン
バージョンレンズ１２を使用状態位置と収納状態位置と
にばね付勢するばね機構が設けられている。このばね機
構の一例としては、レンズホルダー１３から第２のプレ
ート２４の表面側にばね掛け片３０が突出している。こ
のばね掛け片３０はレンズホルダー１３と一体的に支点
軸孔１４を中心として回動するものであるため、第２の
プレート２４に円弧形状の逃孔３１を形成してばね掛け
片３０との干渉を避けている。

【００２６】そして、上述したばね掛け片３０にトグル
ばね３３の一端３３ａを掛止めし、第２のプレート２４
から突設したばね掛け片３２にトグルばね３３の他端３
３ｂを掛止している。

【００２７】すなわち、ワイドコンバージョンレンズ１
２が使用状態位置にあるときは、図９に示すようにばね
掛け片３０とばね掛け片３２との延長線Ｌがレンズホル
ダー１３の支点軸１１より開口部２５側に存在するた
め、トグルばね３３のばね力がレンズ使用位置方向にば
ね付勢される。また、ワイドコンバージョンレンズ１２
が収納状態位置にあるときは、図１０に示すようにばね
掛け片３０とばね掛け片３２との延長線Ｌがレンズホル
ダー１３の支点軸１１より開口部２５と反対側に存在す
るため、トグルばね３３のばね力がレンズ収納位置方向
にばね付勢されることになる。

【００２８】このように本発明のレンズ開閉機構は、操
作つまみ５の僅かなスライド移動量により、ワイドコン
バージョンレンズ１２を光学機器の前方に回動させる使
用状態位置と、収納状態位置とに瞬間的に切換え動作さ
せることができ、これによって、撮影状態を中断するこ
となく標準撮影状態から広角撮影状態への切換えを容易
に行うことができ、撮影チャンスを撮ることができる。

【００２９】また、ワイドコンバージョンレンズ１２が
使用状態位置と収納状態位置とにロック機構及びばね機
構とによって確実に保持されるので、ワイドコンバージ
ョンレンズ１２が途中でふらつくようなことが解消でき
ると共に、操作つまみ５の移動量が僅か数ｍｍ（４．５
ｍｍ）であるため、操作つまみ５を途中で止めるという
操作は困難となり、従って、誤動作が完全に防止できる
としう利点がある。

【００３０】尚、本発明は、上述しかつ図面に示した実
施例に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範
囲内で種々の変形実施が可能である。

【００３１】例えば、実施例では、レンズ開閉機構のレ
ンズとしてワイドコンバージョンレンズ１２を例にとっ
て説明したが、その他、テレコンバージョンレンズの場
合であっても勿論使用可能である。

【００３２】また、本発明のレンズ開閉機構は、カメラ
一体型ＶＴＲの場合について説明したが、スチルカメラ
の場合にも広く適用可能である。

【００３３】

【発明の効果】以上、説明したように本発明によるレン
ズ開閉機構は、パネル内に内蔵されたコンバージョンレ
ンズが光学機器の前方に出し入れ自在に切換え移動でき
るようにしたレンズの開閉機構において、回動支点軸を
中心として光学機器の前方及びパネル内との２つの切換
え位置に移動するコンバージョンレンズと、僅かなスラ
イド移動量でリンク部材を介してコンバージョンレンズ
を切換え移動操作するスライド操作部材とより構成した
ので、撮影状態を中断することなく標準撮影状態から広
角撮影状態への切換えを瞬間的に行うことができ、撮影
チャンスを撮ることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本例のレンズ開閉機構を備えたカメラ一体型Ｖ
ＴＲの斜視図である。

【図２】カメラ一体型ＶＴＲのフロントパネルを裏面よ
り見た正面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】レンズ開閉機構の分解斜視図である。

【図５】リンク部材とレンズホルダーとの連結状態でレ
ンズ収納状態の平面図である。

【図６】リンク部材とレンズホルダーとの連結状態でレ
ンズ使用状態の平面図である。

【図７】操作つまみと作動片との取付け構造図である。

【図８】ロック機構の断面図である。

【図９】ばね機構のレンズ使用状態における平面図であ
る。

【図１０】ばね機構のレンズ収納状態における平面図で
ある。

【図１１】従来の内蔵式コンバージョンレンズの移動機
構の説明図である。

【符号の説明】

１ パネル本体 ２ フロントパネル ４ レンズ開口部 ５ 操作つまみ ７ 作動片 ９ 開口部 １０ 第１のプレート １１ 支点軸 １２ ワイドコンバージョンレンズ １３ レンズホルダー １４ 支点軸孔 １５ リンク部材 １６ａ 軸孔 １７，１８ 軸ピン １９ 軸孔 ２０ａ，２０ｂ アーム片 ２１ａ，２１ｂ 突起 ２４ 第２のプレート ２５ 開口部 ２６ レンズ鏡筒 ２７，２８ ばね片 ２７ａ，２８ｂ 突部 ２９ 凹部 ３０，３２ ばね掛け片 ３３ トグルばね

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パネル内に内蔵されたコンバージョンレ
   ンズが光学機器の前方に出し入れ自在に切換え移動でき
   るようにしたレンズの開閉機構において、 回動支点軸を中心として光学機器の前方及びパネル内と
   の２つの切換え位置に回動移動するコンバージョンレン
   ズと、 僅かなスライド移動量でリンク部材を介して上記コンバ
   ージョンレンズを切換え移動操作するスライド操作部材
   とよりなることを特徴とするレンズの開閉機構。
2. 【請求項２】 上記スライド操作部材に連動しスライド
   移動するリンク部材がコンバージョンレンズの支点軸の
   近くに連結されていることを特徴とする請求項１記載の
   レンズの開閉機構。
3. 【請求項３】 上記コンバージョンレンズを２つの切換
   え位置にロックするロック機構を備えたことを特徴とす
   る請求項１記載のレンズの開閉機構。
4. 【請求項４】 上記コンバージョンレンズを２つの切換
   え位置に付勢させるばね機構を備えたことを特徴とする
   請求項１記載のレンズの開閉機構。