JPH06288851A - 圧力センサー - Google Patents

圧力センサー

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JPH06288851A
JPH06288851A JP7253193A JP7253193A JPH06288851A JP H06288851 A JPH06288851 A JP H06288851A JP 7253193 A JP7253193 A JP 7253193A JP 7253193 A JP7253193 A JP 7253193A JP H06288851 A JPH06288851 A JP H06288851A
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electrodes
pressure
diaphragm
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Eiji Muto
栄二 武藤
Akihiro Shintani
彰浩 新谷
Shigemitsu Ogawa
重光 小川
Fujitaka Tanaka
藤登 田中
Sosuke Tsuchiya
宗典 土屋
Daiji Uehara
大司 上原
Kenji Nagasawa
健二 長沢
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Honda Motor Co Ltd
Nagano Keiki Seisakusho KK
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Honda Motor Co Ltd
Nagano Keiki Seisakusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧力を正確に測定することができ、かつ製造
が容易な圧力センサーの提供。 【構成】 厚肉の基板11と、この基板11に所定間隔を置
いて対向配置された薄肉の弾性ダイヤフラム12とを備え
た静電容量式の圧力変換素子10の基板11側の電極を、順
次内側の電極を囲うように複数に分割し、この分割され
た基板11側の各電極31〜33のうち、中央の電極31を除く
電極32, 33をそれぞれ閉環状に形成し、最も外側の電極
33を接地あるいは所定の一定電圧に保った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、測定流体の圧力を検出
する圧力センサーに係り、特に、対向する電極間の静電
容量の変化を利用して圧力を検出する静電容量式の圧力
センサーに関する。
【0002】
【背景技術】図15には、静電容量式の圧力センサーに
用いられる従来の一般的な圧力変換素子900 が示されて
いる(特公昭60-34687号公報等参照;第一従来例)。圧
力変換素子900 は、厚肉の基板901 と、測定流体の圧力
により変形する薄肉のダイヤフラム902 とを備え、これ
らの基板901 とダイヤフラム902 とはリング状の接合部
903 を介して互いに平行に所定間隔を置いて配置されて
いる。基板901 とダイヤフラム902 との対向面904,905
間には、接合部903 に囲まれるように空間906 が形成さ
れている。基板901 の対向面904 には、略円形の電極91
0 が設けられ、一方、ダイヤフラム902 の対向面905 に
は、電極910 と同じ大きさの略円形の電極911 が設けら
れ、これらの対向する電極910,911 により静電容量Cの
コンデンサ912 が形成されている。また、ダイヤフラム
902 の対向面905 とは反対側の面は、測定流体の圧力が
付加される受圧面907 となっている。
【0003】電極910 の外縁の一箇所には、外端部に向
かって延びる電極取り出し用の導電路913 が連続して形
成され、一方、電極911 の外縁の一箇所には、外端部に
向かって延びる電極取り出し用の導電路914 が連続して
形成されている。また、図中点線は、電極910,911 間に
生じる電気力線の状態を示している。電気力線は、各電
極910,911 の中央付近では真っ直ぐな状態となっている
が、各電極910,911 の外縁付近では、各導電路913,914
や接合部903 の影響を受け、乱れた状態となっている。
【0004】このような第一従来例においては、空間90
6 に大気等を導いて基準圧とし、一方、受圧面907 から
測定流体の圧力を作用させ、ダイヤフラム902 をこれら
の差圧により撓ませる。そして、このダイヤフラム902
の撓みに伴って各電極910,911 間の間隔が変化し、コン
デンサ912 の静電容量Cが変化することを利用して測定
流体の圧力を検出する。また、空間906 を真空として絶
対圧力測定を行うこともある。
【0005】図16には、前記第一従来例に示す一般的
な圧力変換素子900 を改良した別の従来例である圧力変
換素子800 が示されている(特開昭60-56233号公報参
照;第二従来例)。なお、図16(B),(C)中のハ
ッチングは断面を示すものではなく、説明上見やすくす
るために記載したものである。圧力変換素子800 は、前
記第一従来例と同様に構成され、厚肉の基板801 と、薄
肉のダイヤフラム802 とは、リング状の接合部803 を介
して互いに平行に所定間隔を置いて配置されている。基
板801 とダイヤフラム802 との対向面804,805間には、
接合部803 に囲まれるように空間806 が形成されてい
る。基板801 の対向面804 には、略円形の電極810 と、
この略円形の電極810 の外側を囲むように配置され、か
つその一部を切断されたリング状(C字状)の電極811
とが設けられ、一方、 ダイヤフラム802 の対向面805
には、この外側の電極811 の外径と同じ外径を有する略
円形の電極812 が設けられている。これらの対向する電
極810 と電極812 とにより静電容量C1のコンデンサ814
が形成され、電極811 と電極812 とにより静電容量C2の
コンデンサ815 が形成されている。また、ダイヤフラム
802 の対向面805 とは反対側の面は、測定流体の圧力が
付加される受圧面807 となっている。
【0006】電極810 の外縁の一箇所には、電極811 の
切断された部分を通過し、外端部に向かって延びる電極
取り出し用の導電路816 が連続して形成され、電極811
の外縁の一箇所には、外端部に向かって延びる電極取り
出し用の導電路817 が連続して形成されている。一方、
電極812 の外縁の一箇所にも、外端部に向かって延びる
電極取り出し用の導電路818 が連続して形成されてい
る。また、基板801 には、空間806 と外部を連通する貫
通孔819 がもうけられており、この貫通孔819 から基準
圧となる大気が空間806 内に導かれる。
【0007】このような第二従来例においては、前記第
一従来例と同様に空間806 に大気を導いて基準圧とし、
一方、受圧面807 から測定流体の圧力を作用させ、ダイ
ヤフラム802 をこれらの差圧により撓ませる。そして、
このダイヤフラム802 の撓みに伴って電極810,812 間の
間隔および電極811,812 間の間隔が変化し、各コンデン
サ814,815 の静電容量C1, C2が変化することを利用して
測定流体の圧力を検出する。このような第二従来例によ
れば、各コンデンサ814,815 の静電容量C1, C2は、空間
806 内の湿度、温度等の変化に伴う誘電率εの変化の影
響を受けることになるが、図示されない計測回路により
C1/C2を検出することで、この影響を修正して圧力測定
を行うことができる。すなわち、各コンデンサ814,815
の電極間距離をD1, D2、電極面積をS1, S2とすると、 C1/C2=(ε×S1/D1)/(ε×S2/D2)=(S1×D2)
/(S2×D1) となり、誘電率εはキャンセルされるので、誘電率εの
変化の影響を修正して圧力測定を行うことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した図
15の第一従来例では、測定流体の圧力をゲージ圧で検
出する場合には、空間906 に大気を導入しなければなら
ないが、この際、空間906 内の大気の誘電率は、大気の
温度変化や湿度変化等の影響を受けて変化し、これによ
りコンデンサ912 の静電容量Cが変化するので、正確な
圧力の検出を行うことができないという問題があった。
これに加え、大気の温度、湿度変化により電極910,911
間の絶縁抵抗も変化するので、これによっても正確な圧
力の検出を行うことができないという問題があった。
【0009】また、図15の破線に示すように、各電極
910,911 の外縁付近に生じる電気力線は外側に膨らんだ
状態となっており、この外側に膨らんだ部分に配置され
た基板901 やダイヤフラム902 および接合部903 の材料
の温度、湿度変化に伴う誘電率の変化の影響を受けてコ
ンデンサ912 の静電容量Cは変化する。また、誘電率の
極端に異なる物体920 がダイヤフラム902 に接近した場
合にも、電気力線は物体920 の方に膨らみ、静電容量C
はこの影響を受ける。さらに、電極取り出し用の導電路
913,914 が各電極910,911 の外縁から外側に突出するよ
うに設けられているため、これによっても電気力線は外
側に膨らみ、静電容量Cがこの影響を受けて正確な圧力
の検出を行うことができないという問題があった。
【0010】また、前述した図16の第二従来例では、
基板801 側の電極を二分割し、二つのコンデンサ814,81
5 (静電容量C1, C2)を形成したので、図示されない計
測回路によりC1/C2を検出することで、空間806 内の湿
度、温度等の変化による誘電率εの変化の影響を修正し
て測定流体の圧力を検出することができる。しかし、基
板801 側の外側の電極811 とダイヤフラム802 側の電極
812 との間に生じる電気力線は、これらの電極取り出し
用の各導電路817,818 および接合部803 の影響を受けて
乱れるので、前述した第一従来例の場合と同様な不都
合、すなわち外側に乱れた部分に配置された基板801 や
ダイヤフラム802 および接合部803 の材料の温度、湿度
変化に伴う誘電率の変化の影響を受けてコンデンサ815
の静電容量C2が変化するという不都合が生じ、これによ
り正確な圧力の検出を行うことができないという問題が
あった。
【0011】また、基板801 側の外側の電極811 は、中
央の電極810 の導電路816 を通すために一部が切断され
たリング状(C字状)の形状となっているので、これに
よってもコンデンサ815 の静電容量C2が端末効果の影響
を受けるため、正確な圧力の検出を行うことができない
という問題があった。さらに、電極811 は、このような
一部が切断されたリング状でかつ外側に突出する導電路
817 を有する形状となっており、略円形の電極810,812
も、それぞれ外側に突出する導電路816,818 有する形状
となっており、いずれも単純な形状ではないため、製造
工程が複雑になるという問題があった。
【0012】本発明の目的は、圧力を正確に測定するこ
とができ、かつ製造が容易な圧力センサーを提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板側の電極
を複数に分割し、かつこれらの電極を単純な形状とする
ことにより前記目的を達成しようとするものである。具
体的には、本発明は、厚肉の基板と、この基板に所定間
隔を置いて対向配置された薄肉の弾性ダイヤフラムとを
備え、これらの基板と弾性ダイヤフラムとの対向面の各
々に対向する電極が設けられ、前記弾性ダイヤフラムに
加わる圧力を前記電極間の静電容量の変化により検出す
る圧力センサーであって、前記電極のうち基板側の電極
は複数に分割され、この分割された基板側の各電極は順
次内側の電極を囲うように配置され、この分割された基
板側の各電極のうち、中央の電極を除く電極はそれぞれ
閉環状に形成され、最も外側の電極は接地あるいは所定
の一定電圧に保たれていることを特徴とする。
【0014】ここで、前記基板側の電極は三分割され、
この三分割された電極のうち中央の電極は中心部が抜け
ていない中実の円状に形成され、残りの二つの電極は閉
じた円環状に形成されていることが望ましい。また、前
記電極のうち弾性ダイヤフラム側の電極は中実の略円状
に形成され、かつその全周に渡って前記基板側の電極の
最も外側の電極の外側端縁よりもさらに外側に位置する
外縁部を有し、前記基板の電極が設けられた面とは反対
側の面に、前記弾性ダイヤフラム側の電極用の電極端子
が設けられ、この電極端子と前記弾性ダイヤフラム側の
電極の外縁部とは前記基板を貫通して導通されているこ
とが望ましい。
【0015】
【作用】このような本発明においては、測定流体の圧力
を弾性ダイヤフラムに作用させてこれを撓ませ、この時
の対向電極間の距離の変化に伴う静電容量の変化を捉え
て測定流体の圧力を検出する。この際、複数に分割した
基板側の各電極のうち最も外側の電極を例えば接地して
計測には不使用のものとする。従って、この接地した基
板側の電極と弾性ダイヤフラム側の電極との間の電気力
線のみが外側に膨んでその静電容量が周囲の材料の影響
を受けることになり、計測に使用する基板側の残りの電
極と弾性ダイヤフラム側の電極との間の電気力線は略真
っ直ぐに形成されてその静電容量は周囲の材料の影響を
受けない。このため、基板や弾性ダイヤフラムおよびこ
れらの接合部等の周囲の材料の温度、湿度が変化して誘
電率が変化しても、計測にはその影響は及ばず、精度の
よい計測が行われる。また、基板側の最も外側の電極を
除いた残りの電極すなわち計測に使用する電極と弾性ダ
イヤフラム側の電極とにより形成される複数のコンデン
サにおいて、計測回路により各コンデンサの静電容量の
比あるいは和と差との比などを検出することで、基板と
弾性ダイヤフラムとの間の空間内の大気の誘電率変化の
影響が修正され、前述した接地による周囲の材料の影響
を排除した計測に加え、さらに精度の良い計測が行われ
る。
【0016】さらに、複数に分割した基板側の各電極の
うち中央の電極を除く電極はそれぞれ閉環状に形成され
ており、前述した第一、第二従来例のような外側に突出
する部分や切断された部分を有する形状とはなっていな
いため、前述した端末効果の影響が少なくなり、計測の
精度が良くなる。また、このような単純な電極形状であ
るため、製造工程が簡略化され、これらにより前記目的
が達成される。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1から図6には、本発明の第一実施例に係る静
電容量式の圧力変換素子10が示されている。図1におい
て、圧力変換素子10は、図示されない圧力センサーの内
部に装着され、測定流体の圧力を検出するために、その
圧力を電気的な出力信号に変換するものである。圧力変
換素子10は、偏平な円柱状の外形の本体10A を有し、こ
の本体10A は、セラミック製の厚肉の基板11と、セラミ
ック製で測定流体の圧力により変形する薄肉のダイヤフ
ラム12とを備え、これらの基板11とダイヤフラム12とは
接合部20を介して互いに平行に所定間隔を置いて配置さ
れている。基板11とダイヤフラム12との対向面13, 14間
には、リング状の接合部20に囲まれるように空間30が形
成されている。
【0018】基板11の対向面13には、図2にも示される
ように、中心部が抜けていない中実円形の中央電極31、
各リング状のリファレンス電極32およびシールド電極33
の合計三つの電極が設けられ、一方、ダイヤフラム12の
対向面14には、中実円形の共通電極34が設けられてい
る。図2は、基板11およびダイヤフラム12をそれぞれ対
向面13, 14側から見た状態の図である(接合部20は形成
されていない状態とする)。なお、図中のハッチングは
断面を示すものではなく、説明上見やすくするために記
載したものであり、後述する図3(A),図9における
ハッチングも同様である。基板11の対向面13において、
中央電極31は中実の円状に形成され、リファレンス電極
32は中央電極31を囲むように閉じた円環状(リング状)
に形成され、さらにその外側には、シールド電極33がリ
ファレンス電極32を囲むように閉じた円環状(リング
状)に形成されている。これらの中央電極31とリファレ
ンス電極32との間隔S1およびリファレンス電極32とシー
ルド電極33との間隔S2は、例えば、各々 500μm程度で
ある。ダイヤフラム12の対向面14において、共通電極34
は中実の円状に形成され、その外径DCは、シールド電極
33の外径DSよりも大きくなっており、この共通電極34の
シールド電極33の外縁よりも外側に位置する部分は、後
述する電極端子形成用の外縁部38となっている。また、
基板11の対向面13のシールド電極33の外側には、共通電
極34の外縁部38と導通される接続用端子39が銀パラジウ
ムペースト等の導電性材料で形成されている。
【0019】図1に戻って、これらの各電極により空間
30内の大気を誘電体とする合計三つのコンデンサーが形
成されている。すなわち、中央電極31と共通電極34とに
より静電容量CMのコンデンサー35、リファレンス電極32
と共通電極34とにより静電容量CRのコンデンサー36、シ
ールド電極33と共通電極34とにより静電容量CSのコンデ
ンサー37がそれぞれ形成されている。この各コンデンサ
ー35, 36, 37の電極間距離Tは、接合部20の厚みにより
決定され、ダイヤフラム12に圧力が作用しない状態で、
例えば、50μm程度である。また、ダイヤフラム12の対
向面14とは反対側の面は、測定流体の圧力が付加される
受圧面16となっている。圧力変換素子10は、このダイヤ
フラム12の受圧面16に作用する測定流体の圧力と空間30
内の大気圧との差圧によりダイヤフラム12が撓んで各コ
ンデンサー35, 36, 37の電極間距離がその初期値Tより
変化し、これに伴って各静電容量CM, CR, CSが変化する
ことを利用して測定流体の圧力を検出するように構成さ
れている。
【0020】基板11の背面15(対向面13とは反対側の
面)には、ワンチップIC60が搭載されている。このワ
ンチップIC60は、詳細は後述するように、C−MOS
のASIC(カスタムIC)であって各静電容量CM, C
R, CSの変化を計測する計測回路65(後述の図5参照)
を内蔵している。また、基板11の背面15には、このワン
チップIC60を直接に搭載するための電極パターン40が
印刷形成されている。図3には、電極パターン40の詳細
構成が示されており、(A)は、ワンチップIC60を搭
載する前の状態であり、(B)は、ワンチップIC60を
搭載した後の状態である。電極パターン40は、基板11の
背面15の外縁部にリング状に形成された回路パス63A を
備え、この回路パス63A の図中右側部分の内側突出部に
基板11側のシールド電極33用の電極端子43が電気的導通
状態で形成されている。一方、回路パス63A の内側にお
いて、基板11側の中央電極31、リファレンス電極32用の
各電極端子41, 42およびダイヤフラム12側の共通電極34
用の電極端子44がそれぞれスポット状に形成され、これ
らの各電極端子41, 42, 44からそれぞれ鍵形の各回路パ
ス61, 62, 64が形成され、その先端はワンチップIC60
の足(ピン)の位置に導かれている。この際、共通電極
34用の電極端子44および回路パス64の周囲には、所定間
隔をおいて回路パス63B が設けられ、この回路パス63B
は、リング状の回路パス63Aの図中左側部分の内側に接
続されて回路パス63A と一体化されている。また、回路
パス63B は、回路パス64の先端の両側に位置するワンチ
ップIC60の足の位置を通過するように配置され、ワン
チップIC60の接地用端子に接続されるようになってい
る。これらのシールド電極33用の電極端子43と導通され
た各回路パス63A,63B は、接地されている。したがっ
て、中央電極31用の電極端子41を含む回路パス61および
リファレンス電極32用の電極端子42を含む回路パス62
と、共通電極34用の電極端子44を含む回路パス64とは、
接地電極としての回路パス63A,63B により互いに隔離さ
れた配置状態となっている。このため、これらの間の絶
縁抵抗低下によるリーク電流の増加の影響を低減できる
ようになっている。
【0021】各電極端子41, 42, 43, 44は、図1に示す
ように、それぞれ基板11を貫通するように設けられた電
極穴45, 46, 47, 48に形成された導通部51, 52, 53, 54
により、それぞれ中央電極31、リファレンス電極32、シ
ールド電極33、および共通電極34に導通される接続用端
子39と導通している。この際、各導通部51, 52, 53, 54
は各電極穴45, 46, 47, 48の内壁面にそれぞれ設けられ
ており、各穴の中心には、スルーホールが形成されてい
る。このうち電極穴48のスルーホールは後述する導電ペ
ースト25により塞がれているが、残りの電極穴45, 46,
47のスルーホールのうち少なくとも一つは両側の入口を
開放されており、空間30に外部の大気を導くことができ
るようになっている。
【0022】図4には、接合部20の詳細断面が示されて
いる。接合部20は、シールド電極33の外周側を覆うよう
に基板11側に密着配置されたオーバーコートガラス21
と、このオーバーコートガラス21とダイヤフラム12との
間隔を調整するためにこれらの間に設けられスペーサー
として機能するリング状の高融点ガラス22と、オーバー
コートガラス21とダイヤフラム12との間であって高融点
ガラス22の内周側および外周側周囲に配置された低融点
ガラス23とを含み構成されている。オーバーコートガラ
ス21は、シールド電極33と共通電極34との縁面距離を大
きくし、縁面抵抗を増大させるために設けられている。
高融点ガラス22は、結晶化ガラス等であり、その厚みを
調整することで、基板11とダイヤフラム12との間隔、つ
まりは電極間距離Tを所定の間隔に保つように設けられ
ている。圧力レンジの変更は、一般的にダイヤフラム12
の板厚の変更により行われるが、この高融点ガラス22の
厚み調整による電極間距離Tの変更でも行うことが可能
となっている。低融点ガラス23は、非結晶化ガラス等で
あり、その一部分には空間24が設けられている。この空
間24には、共通電極34の外縁部38と接続用端子39とを導
通する導電ペースト25が挿入されており、空間24は、後
述する製造工程での導電ペースト25の挿入時のはみ出し
防止のために空間30に対して低融点ガラス23により仕切
られている。これにより、共通電極34は、その外縁部38
から、導電ペースト25、接続用端子39、導通部54の順序
で基板11の背面15の電極端子44に導通されている。ま
た、オーバーコートガラス21の対応する位置にも導電ペ
ースト25が挿入される空間24の一部が形成されている。
なお、このような空間24は、高融点ガラス22の配置によ
っては高融点ガラス22内に設けられていてもよい。
【0023】図5には、ワンチップIC60に内蔵された
計測回路65が示されている。図5において、計測回路65
は、詳細は後述するように圧力変換素子10の本体10A 内
のコンデンサー35, 36の各静電容量CM, CRの和と差との
比に関連する出力信号を得る回路手段である回路70を備
え、その他に計測回路65の出力信号のゼロ点を調整する
ゼロ点調整手段であるゼロ点調整回路71と、本体10A の
ダイヤフラム12に入力付加される測定流体の圧力とこれ
に対して得られる計測回路65の出力信号との関係におい
て入力側の圧力の範囲と出力側の出力信号の範囲との大
小関係(スパン)を調整するスパン調整手段であるスパ
ン調整回路72と、入力付加される圧力とこれに対して得
られる出力信号との関係の直線性を補正する直線性補正
手段である直線性補正回路73とを有している。
【0024】回路70は、オペアンプ83を備え、このオペ
アンプ83のマイナス端子には、スパン調整回路72および
直線性補正回路73の出力信号が入力されるようになって
いる。オペアンプ83の出力側は、スイッチ75の一端子に
直接に接続されるとともに、オペアンプ84を介してスイ
ッチ74の一端子に接続されている。これらの各スイッチ
75, 74のコモン端子は、それぞれコンデンサー35, 36の
一方の電極である中央電極31、リファレンス電極32に接
続されている。各コンデンサー35, 36の他方の電極であ
る共通電極34は、スイッチ76を介してオペアンプ85のマ
イナス端子に接続されており、オペアンプ85の出力側
は、各スイッチ75, 74の他方の端子に共通接続されると
ともに、オペアンプ86のマイナス端子に接続されてい
る。また、オペアンプ85の出力側とマイナス端子との間
にはデータホールド用(詳細は後述)のコンデンサ77
(静電容量C0)が設けられている。オペアンプ86のマイ
ナス端子には、ゼロ点調整回路71の出力信号が入力され
るようになっており、このオペアンプ86の出力側は、出
力端子78に接続されるとともに、直線性補正回路73に出
力信号をフィードバックするようになっている。なお、
各オペアンプ83〜86のプラス端子はそれぞれ接地されて
いる。
【0025】ゼロ点調整回路71、スパン調整回路72、直
線性補正回路73は、それぞれデジタル・アナログコンバ
ーター80(DAC)に並列接続された複数のツェナー・
ザップ・ダイオード81を有し(図5中n個の表示)、こ
れらを必要なビット数だけトリミングすることにより、
各機能に応じた出力信号の調整を行うことができるよう
になっている。
【0026】図5において、回路70は、三つのスイッチ
74, 75, 76を備え、これらは図中の点線と実線との間で
切り換わるようになっている。先ず、各スイッチ74, 7
5, 76が点線の状態では、本体10A 内の各コンデンサー3
5, 36にはオペアンプ83の出力電圧VIとオペアンプ84の
出力電圧−VIとがかけられ、各静電容量CM, CRに応じた
電荷QM, QRがQM=−CM×VI、QR=CR×VIにより蓄えられ
る。ここで、電圧、静電容量等の具体例をあげると、電
圧VIは2.5V程度(2×VI=5V)であり、各静電容量CM,
CRは例えば30pFで、ダイヤフラム12の撓みによって、通
常コンデンサー35の静電容量CMは 6〜 8pF程度変化し、
一方、コンデンサー36の静電容量CRは 1〜2pF 変化し、
両方の静電容量の差は、 5〜 6pF程度のものとなる。次
に、各スイッチ74, 75, 76が実線の状態では、各コンデ
ンサー35, 36に蓄えられた電荷QM, QRの差ΔQが静電容
量C0のコンデンサー77へ移動する。この時、QR>QMとす
ると、各コンデンサー35, 36の電圧VXは、次式の状態で
平衡する。 VX=(QR−ΔQ)/CR=(QM+ΔQ)/CM これより、ΔQ=(CM×QR−CR×QM)/(CR+CM)が得
られる。従って、この電荷ΔQの移動によりオペアンプ
85の出力電圧VOは、 VO=VX=(QR−ΔQ)/CR =〔CR×VI−{(CM×QR−CR×QM)/(CR+CM)}〕/CR =〔CR×VI−{(CM×CR×VI+CR×CM×VI)/(CR+CM)}〕/CR ={(CR−CM)/(CR+CM)}×VI となり、各コンデンサー35, 36の静電容量CM, CRの和と
差との比に関連する出力信号を得ることができるように
なっている。
【0027】このような第一実施例においては、以下の
ようにして測定流体の圧力を検出する。先ず、ダイヤフ
ラム12の受圧面16に測定流体の圧力を作用させると同時
に、空間30内へ各電極穴45, 46, 47に形成されたスルー
ホールのうちの少なくとも一つを通して大気を導き、空
間30内を大気圧とする。この時、ダイヤフラム12はその
受圧面16側と空間30側との差圧により撓む。通常、空間
30側に撓むが、測定流体の圧力が負圧(大気圧以下)の
時は逆側に撓む。次に、このダイヤフラム12の撓みに伴
う各コンデンサー35, 36の電極間距離の変化による各静
電容量CM, CRの変化を計測回路65で捉え、各コンデンサ
ー35, 36の静電容量CM, CRの和と差との比に関連する出
力信号を得る。そして、予めこの出力信号と圧力との関
係のキャリブレーション等を行っておくことにより、検
出された出力信号に相当する測定流体の圧力を得る。
【0028】以下、本第一実施例に係る圧力変換素子10
の製造方法の一例を説明する。先ず、製造工程(1)に
おいて、基板11およびダイヤフラム12を適宜な素材、例
えばアルミナセラミクスにより加工成形する。アルミナ
(Al2O3 )は、代表的なファインセラミクス材料であ
り、高融点で硬く、電気的絶縁性に優れている。基板11
の厚みは、通常4mm程度であり、ダイヤフラム12の厚み
は、測定する圧力の圧力レンジやダイヤフラム12の有効
径との関係等によっても異なるが、通常 0.2mm〜 1.0mm
程度である。
【0029】次に、製造工程(2)において、基板11お
よびダイヤフラム12に各電極および接合部20を印刷およ
び焼成する。この印刷および焼成は、全てハイブリッド
IC(HIC)の製造技術および製造機械を用いて行う
ことができる。製造工程(2A)において、基板11の表
の面(対向面13)に図2に示すような配置で中央電極3
1、リファレンス電極32、シールド電極33の三つの各電
極および接続用端子39をスクリーン印刷する。印刷材料
は、銀パラジウムペースト等であり、連続炉により 700
〜900 ℃程度の温度で焼成する。焼成厚みは、 5〜10μ
m程度である。この際、各電極穴45〜48を真空チャック
の真空を利用して吸引しておき、印刷中の銀パラジウム
ペーストを内壁面を伝わらせるようにして各電極穴45〜
48の中に流し込む。製造工程(2B)において、基板11
の裏の面(背面15)に図3(A)に示すような配置で各
電極端子41〜44を含む電極パターン40をスクリーン印刷
する。印刷材料は、製造工程(2A)と同一の銀パラジ
ウムペーストであり、焼成方法、焼成厚みも製造工程
(2A)と同様である。この際にも、製造工程(2A)
と同様に、各電極穴45〜48を真空チャックの真空を利用
して吸引しておき、印刷中の銀パラジウムペーストを内
壁面を伝わらせるようにして各電極穴45〜48の中に流し
込む。この対向面13側および背面15側からの真空吸引に
よる流し込みにより、各電極穴45〜48には、図6の断面
に示すように、内壁面にそれぞれ導通部51〜54が形成さ
れ、中心にスルーホールが形成される。また、これらの
各電極穴45〜48に形成されたスルーホールのうち、共通
電極34用の電極穴48は、後述の製造工程(4)で挿入さ
れる導電ペースト25(図4参照)により片側の入口を塞
がれているが、他の中央電極31、リファレンス電極32、
シールド電極33用の電極穴45〜47のうち少なくとも一つ
は、空間30に大気を導くための低圧ポートとして両側の
入口を開放されている。
【0030】製造工程(2C)において、基板11の対向
面13にオーバーコートガラス21を図1,4に示した配置
で印刷する。印刷材料は、パシベーションガラス等であ
り、連続炉により 700〜900 ℃程度の温度で焼成する。
焼成厚みは、20〜28μm程度である。製造工程(2D)
において、オーバーコートガラス21の上(図1,4に示
した配置)にスペーサーとして機能する高融点ガラス22
を印刷する。印刷材料は、ガラスペーストであり、連続
炉により 700〜900 ℃程度の温度で焼成する。焼成厚み
は、20〜50μm程度であるが、圧力センサーのレンジに
よりこの厚みは異なる。製造工程(2E)において、さ
らにオーバーコートガラス21の上に、製造工程(2D)
で印刷した高融点ガラス22の内側および外側を囲うよう
な配置、換言すると高融点ガラス22の両側に跨がった配
置(図1,4に示した配置)で接合用の低融点ガラス23
を印刷し、乾燥させる。この際、同時に電極穴48の対応
位置に空間24が形成されるように、この部分を除いたマ
スクで印刷を行う。印刷材料は、ガラスペーストであ
り、乾燥厚みは、20〜50μm程度であるが、圧力センサ
ーの計測レンジによりこの厚みは異なる。
【0031】一方、製造工程(2F)において、ダイヤ
フラム12の対向面14に図2に示すような円状の共通電極
34を印刷する。印刷材料は、例えば金レジネートであ
り、連続炉により700 〜900 ℃程度の温度で焼成する。
焼成厚みは、 0.5〜 1μm程度である。製造工程(2
G)において、ダイヤフラム12の対向面14に、製造工程
(2E)で印刷した接合用の低融点ガラス23と同じ材料
を図1,4に示した配置で印刷し、乾燥させる。乾燥厚
みは、20〜50μm程度であるが、圧力センサーの計測レ
ンジにより異なる。なお、低融点ガラス23は、次の製造
工程(3)における焼成により乾燥厚みに対して焼成後
の厚みが大幅に減少してしまうため、その分を考慮した
印刷が行われる。また、製造工程(2E)または製造工
程(2G)のいずれか一方における低融点ガラス23の印
刷を省略し、基板11側またはダイヤフラム12側の片方の
みに低融点ガラス23を印刷して接合を行う場合もあり、
要するに低融点ガラス23は、次の製造工程(3)におけ
る焼成後に図4に示した断面配置形状になるように少な
くとも一方の側に印刷される。
【0032】続いて、製造工程(3)において、各対向
面13, 14が向かい合うように基板11とダイヤフラム12と
を合わせ、低融点ガラス23を焼成してこれらを接合す
る。焼成温度は、約 600〜700 ℃である。その後、製造
工程(4)において、電極穴48に形成されたスルーホー
ルを通して導電ペースト25(図3参照)を細い線の先等
に付けて空間24に挿入し、これを焼成して共通電極34と
基板11の背面15に設けられたその電極端子44との導通を
行う。焼成は、通常 600℃以下の温度で行う。最後に、
製造工程(5)において、基板11の背面15の各回路パス
61〜64の一端が集中する箇所、すなわちワンチップIC
60の足の位置に相当する箇所に、ワンチップIC60の内
部の計測回路65を接続するためのピンをハンダ付けして
立て、ここにワンチップIC60を搭載する。
【0033】このような第一実施例によれば、次のよう
な効果がある。すなわち、基板11側の電極を中央電極3
1、リファレンス電極32、シールド電極33に三分割した
ので、接合部20近傍の基板11の材料であるセラミクスや
接合部20を構成する低融点ガラス23等の影響は、一番外
側すなわち接合部20側のコンデンサー37(静電容量CS)
のみが受け、この内側のコンデンサー35, 36(静電容量
CM, CR)はこれらの影響を受けないものとすることがで
きる。つまり、接合部20の存在によりシールド電極33と
共通電極34とを結ぶ電気力線は外側に膨らむように形成
され、静電容量CSがセラミクスや低融点ガラス23等の湿
度変化による誘電率変化の影響を受けるのに対し、中央
電極31およびリファレンス電極32と共通電極34とを結ぶ
電気力線は空間30内に略真っ直ぐに形成される正常なも
のとなり、静電容量CM, CRは空間30の大気の誘電率のみ
の影響を受けることになる。このため、一番外側すなわ
ち接合部20側のシールド電極33を計測には使用せずに接
地用とし、この内側の中央電極31およびリファレンス電
極32により計測を行うことで、前述のセラミクスや低融
点ガラス23等の影響を受けずに精度良く計測を行うこと
ができる。
【0034】また、図5に示されるように、回路70によ
り出力端子78の電圧VはV∝VO={(CR−CM)/(CR+
CM)}×VIとなり、各コンデンサー35, 36の静電容量C
M, CRの和と差との比に関連する出力信号を得ることが
できるので、空間30の大気の誘電率が温度、湿度等の影
響を受けて変化し、これに伴い静電容量CM, CRが変化し
た場合でも、この影響を補正することができ、前述のシ
ールド電極33を設けたことによる効果に加え、さらに測
定精度を向上させることができる。つまり、静電容量C
M, CRは、それぞれ電極面積をAM, AR、電極間距離をDM,
DR、その変化量をDMP, DRP(DMP > DRP)とすると、 CM=ε×AM/(DM−DMP ),CR=ε×AR/(DR−DRP ) となるが、ここで誘電率εが空間30の大気の温度、湿度
等の影響を受けて変化しても、出力端子78の電圧Vが静
電容量CM, CRの和と差との比となっているので、この影
響をキャンセルすることができる。
【0035】また、中央電極31を円状に形成し、リファ
レンス電極32およびシールド電極33を閉じた円環状に形
成するので、容易に製造することができる。さらに、共
通電極34を円状に形成したので、基板11とダイヤフラム
12との接合時にその方向性を考慮することなく接合作業
を行うことができるので、製造を容易なものとすること
ができる。そして、この円状の共通電極34の外縁部38
は、基板11側の一番外側のシールド電極33の外縁の位置
よりも外側に位置しているので、これにより基板11の背
面15への共通電極34用の電極端子44の取り出しを容易に
実現することができる。
【0036】また、シールド電極33が設けられているの
で、湿度の増加に伴って基板11の材料であるセラミクス
や接合部20を構成する低融点ガラス23等の縁面抵抗が低
下した場合にリファレンス電極32から共通電極34へ流れ
る漏れ電流(リーク電流)をシールド電極33により吸収
することができる。このシールド電極33は、計測には使
用されていないため、結局、シールド電極33の設置によ
り計測における湿度の影響を少なくすることができる。
【0037】また、接合部20は、スペーサーとして機能
する高融点ガラス22を有し、この周囲に接合用の低融点
ガラス23が配置された構成となっているので、高融点ガ
ラス22の厚みを調整することで、基板11とダイヤフラム
12との間隔、つまりは電極間距離Tを平行かつ所定の間
隔に容易に設定することができる。さらに、接合部20
は、オーバーコートガラス21を有し、これはシールド電
極33と共通電極34との縁面距離を大きくし、縁面抵抗を
増大させるため、これらの間の漏れ電流を減少させるこ
とができる。そして、このオーバーコートガラス21をシ
ールド電極33の一部分だけでなく、中央電極31やリファ
レンス電極32も覆うように印刷することで、ダイヤフラ
ム12が過変形した場合に、これらの電極と共通電極34と
が短絡してしまうことを防止することができる。また、
オーバーコートガラス21は、シールド電極33の一部分を
覆い、リファレンス電極32側の一部分が空間30の大気に
直接露出しているので、リファレンス電極32から漏れ電
流が発生した場合にこれを吸収しやすい構造となってい
る。このため、前述したシールド電極33による接合部20
の縁面に沿ったリファレンス電極32から共通電極34への
漏れ電流の防止効果を向上させることができる。さら
に、低融点ガラス23およびオーバーコートガラス21に予
め空間24が設けられているので、共通電極34の外部取り
出し用の導電ペースト25を挿入する時にこれが空間30に
はみ出してしまうという不都合を未然に防止することが
できる。
【0038】また、基板11の背面15に設けられた電極パ
ターン40において、シールド電極33用の電極端子43と導
通された回路パス63A,63B は、共通電極34用の電極端子
44を含む回路パス64を囲むように配置されており、中央
電極31用の電極端子41を含む回路パス61およびリファレ
ンス電極32用の電極端子42を含む回路パス62と、共通電
極34用の電極端子44を含む回路パス64とは、接地電極と
しての回路パス63A,63B により互いに隔離された配置状
態となっている。このため、電極パターン40に接する大
気の湿度が増加した場合に、中央電極31用の回路パス61
およびリファレンス電極32用の回路パス62から共通電極
34用の回路パス64への漏れ電流をシールド電極33用の回
路パス63A,63B により吸収することができ、精度のよい
計測を行うことができる。
【0039】また、このような電極パターン40の配置に
より大気の湿度変化の影響を減少させることで、従来の
ような漏れ電流の影響が無視できる程度の大きな静電容
量変化を得るために圧力センサーが大型化するという不
都合を防止することができる。さらに、従来のように湿
度変化の影響を減少させるために電極パターン40に接す
る大気を密封する必要がなくなり、密封用部品、密封工
程を削減することができるので、コストダウンすること
ができるうえ、密封のためのスペースも不要となるた
め、この点からも圧力センサーを小型化することができ
る。そして、低圧ポートである各電極穴45, 46, 47に形
成されたスルーホールのうちの少なくとも一つの入口部
分を除いて、電極パターン40を覆うように基板11の背面
15に溶融樹脂等を滴下して閉塞する処理、いわゆるポッ
ティングを施すことで、厳しい環境においても使用可能
なものとすることができる。ポッティング材料には、ポ
リウレタン樹脂等を用いることができる。また、このよ
うな電極パターン40の配置により、前述したような外乱
の影響を減少させることができるため、微弱電流を検出
することができる。このため、増幅素子の増幅感度を上
げ、圧力変換素子10を微小容量のものとすることができ
るので、圧力センサーを小型化することができる。
【0040】また、空間30に測定の基準圧となる大気を
導く通路(低圧ポート)を、各電極穴45, 46, 47に形成
されたスルーホールを利用して確保しているので、基板
11の背面15側の電極パターン40と対向面13側の各電極と
を導通する製造工程(2A),(2B)のみで低圧ポー
トを確保することができ、低圧ポートを形成するための
別の製造工程を省略することができる。
【0041】さらに、計測回路65を全てワンチップIC
60の内部に収め、このワンチップIC60を基板11の背面
15上の電極パターン40に直接に搭載したので、従来例の
ような別部材として設けられたプリント基板等の上に多
数の部品で構成された計測回路を搭載する場合に比べ、
計測回路を構成する部品自体の削減、およびこれらを搭
載するプリント基板等の部材の省略を図ることができ、
部品点数を削減することができる。このため、これらの
計測回路を構成する部品やプリント基板等の装着工程が
削減されて製造工程を簡略化することができるうえ、プ
リント基板等の設置スペースを省略できるので、圧力セ
ンサーを小型化することができる。
【0042】また、基板11の背面15側の電極パターン40
と、対向面13側の中央電極31、リファレンス電極32、シ
ールド電極33、および接続用端子39とは、ともに低粘度
で延びのよい銀パラジウムペーストにより印刷されてい
るので、確実にこれらの導通を行うことができる。そし
て、これらの組合せとして一般的に行われている金レジ
ネートと銀パラジウムペーストとの導通において起こる
不都合、すなわち異種材料でかつ金レジネートの焼成後
の厚みが薄いことから、これらの異種材料が互いに接す
る部分で、片側の材料である金レジネートが、他方の材
料である銀パラジウムペーストの中に拡散してなくなっ
てしまういわゆる金側の食われ現象が発生して導通不良
を起こすという不都合を解消することができる。さら
に、基板11の背面15側の電極パターン40と、対向面13側
の中央電極31、リファレンス電極32、シールド電極33、
および接続用端子39との両側を金レジネートで印刷し、
各電極穴45〜48のスルーホール処理を行うと、金レジネ
ートが薄く仕上がるため導通部51〜54の印刷量が極めて
少なくなり、導通不良が発生することがあるが、本実施
例のように両側を銀パラジウムペーストとしたスルーホ
ール処理では、このような不都合を生じることはなく、
確実に導通を行うことができる。
【0043】図7及び図8には、本発明の第二実施例に
係る静電容量式の圧力変換素子100が示されている。圧
力変換素子100 は、ワンチップICに内蔵される計測回
路を除いてその構成、作用等が前述した第一実施例と略
同一であり、製造方法も同一である。従って、同一部分
には同じ符号を付して詳しい説明は省略し、異なる部分
のみ説明する。図7には、圧力変換素子100 の本体10A
とこの本体10A 内に形成された各コンデンサー35, 36,
37の静電容量CM, CR, CSの変化を計測する計測回路165
との接続状態が示されており、図8には、その計測原理
が示されている。また、基板11の背面15には、前述の図
3(A)に示した第一実施例と同一の電極パターン40が
形成されており、この電極パターン40に計測回路165 を
内蔵したワンチップIC160 が直接に搭載されている。
【0044】図7および図8において、計測回路165 は
発振器(交流電源)170 を備え、この発振器170 からの
電圧は、オペアンプ171,172 を通して正確な正・反転信
号としてコンデンサー35(静電容量CM)、コンデンサー
36(静電容量CR)に印加される。この際、コンデンサー
35, 36の両電極間に発生する電圧VM, VRは、それぞれ、
dVM /dt=IM/CM、 dVR/dt=IR/CRを満たす値とな
り、各コンデンサー35,36に流れる電流IM, IRは、各静
電容量CM, CRに比例した値となる。なお、発振器170 に
より印加される信号は、正弦波であっても、三角形波で
あってもよい。これにより、増幅素子であるオペアンプ
173 の入力端子174 には、各コンデンサー35, 36の静電
容量の差(CM−CR)に比例した電流Iが流れる。従っ
て、各静電容量CM, CRを略等しく設定しておき、測定流
体の圧力によるダイヤフラム12の撓みに応じた各静電容
量CM, CRの変化量ΔCM, ΔCRをΔCM>ΔCRとなるように
各コンデンサー35, 36を配置することで、すなわちダイ
ヤフラム12の撓み量の大きい中央側にコンデンサー35
(静電容量CM)を配置することで、オペアンプ173 の出
力端子175 に、ダイヤフラム12の受圧面16に作用する測
定流体の圧力の関数としての出力信号を得ることができ
る。
【0045】図7中の点線は、各電極間に走る電気力線
を示しており、発振器170 の信号に応じて一定周期で方
向を逆転させながらこのような状態の電気力線が形成さ
れるようになっている。シールド電極33用の電極端子43
と導通された回路パス63A,63B (図3参照)は、共通電
極34用の電極端子44を含む回路パス64を囲むように配置
され(図8中点線に相当)、接地用端子176,177 からバ
ッファ素子178 に接続されて接地されている。これらの
接地用端子176,177 は、オペアンプ173 の入力端子174
と、各オペアンプ171,172 からの信号印加用端子179,18
0 とを隔てるように配置されている。
【0046】このような第二実施例によれば、前述した
第一実施例と略同様に高精度の計測、圧力センサーの小
型化等の効果を得ることができる。また、本第二実施例
では、各コンデンサー35, 36の静電容量の差(CM−CR)
として出力を検出するので、前述した第一実施例のよう
な空間30の大気の温度変化や湿度変化等による誘電率変
化の影響の回避はできないが、シールド電極33が設けら
れているので、第一実施例と同様にセラミクスや低融点
ガラス23等の影響は回避することができる。そして、本
第二実施例では、前述した第一実施例に比べ簡易な回路
で上記の各効果を実現することができる。
【0047】図9から図11には、本発明の第三実施例
に係る静電容量式の圧力変換素子200 が示されている。
圧力変換素子200 は、ワンチップICに内蔵される計測
回路および基板の背面の電極パターンを除いてその構
成、作用等が前述した第一実施例および第二実施例と略
同一であり、製造方法も同一である。従って、同一部分
には同じ符号を付して詳しい説明は省略し、異なる部分
のみ説明する。図9には、圧力変換素子200 の電極パタ
ーン240 の詳細構成が示されており、図10には、圧力
変換素子200 の本体10A とこの本体10A 内に形成された
各コンデンサー35, 36, 37の静電容量CM, CR, CSの変化
を計測する計測回路265 との接続状態が示されており、
図11には、その計測原理が示されている。
【0048】図9において、圧力変換素子200 の基板11
の背面15には、前述の第一実施例および第二実施例とは
異なる電極パターン240 が設けられており、この電極パ
ターン240 に直接にワンチップIC260 が搭載されるよ
うになっていて、図9は、このワンチップIC260 を搭
載する前の状態である。本第三実施例の電極パターン24
0 は、前記第一、第二実施例の電極パターン40(図3参
照)と同じ位置に中央電極31、リファレンス電極32、シ
ールド電極33、および共通電極34用の各電極端子41, 4
2, 43, 44を有しており、このうちの電極端子41, 42, 4
4からワンチップIC260 の足(ピン)の位置に導かれ
た鍵形の各回路パス261,262,264 も前記第一、第二実施
例の各回路パス61, 62, 64と同じ配置形状となってい
る。また、電極端子43に導通され、基板11の背面15の外
縁部にリング状に形成された回路パス263Aも前記第一、
第二実施例の回路パス63A と同じ配置形状となってい
る。ところが、本第三実施例の電極パターン240 は、前
記第一、第二実施例の電極パターン40の回路パス63B と
は異なる配置形状の回路パス263Bを有している。すなわ
ち、前記第一、第二実施例の電極パターン40の回路パス
63B が、リング状の回路パス63A の図3中左側部分の内
側に接続され、かつ共通電極34用の電極端子44および回
路パス64を囲むように配置されているのに対し、本第三
実施例の電極パターン240 の回路パス263Bは、リング状
の回路パス263Aの図9中右側部分の内側突出部に接続さ
れ、かつ中央電極31用の電極端子41を含む回路パス261
およびリファレンス電極32用の電極端子42を含む回路パ
ス262 をそれぞれ別々に所定間隔をおいて囲むように配
置されている。また、この回路パス263Bは、各回路パス
261,262,264 の先端と交互の配置位置となるワンチップ
IC260 の足の位置を通過していて後述の接地用端子27
7,278,279 に接続されるようになっている。これらのシ
ールド電極33用の電極端子43と導通された各回路パス26
3A,263B は、接地されている。したがって、共通電極34
用の電極端子44を含む回路パス264 と、中央電極31用の
電極端子41を含む回路パス261 およびリファレンス電極
32用の電極端子42を含む回路パス262 とは、接地電極と
しての回路パス263A,263B により互いに隔離された配置
状態となっている。このため、これらの間の絶縁抵抗低
下によるリーク電流の増加の影響を低減できるようにな
っている。
【0049】図10および図11において、本第三実施
例に係る計測回路265 は、前記第二実施例の計測回路16
5 とは異なり、共通電極34側から電源が印加されてい
る。計測回路265 は発振器(交流電源)270 を備え、こ
の発振器270 の信号をコンデンサー35(静電容量CM)、
コンデンサー36(静電容量CR)に共通電極34から印加
し、これらを励振させて電流Iを流す。この時、各静電
容量CM, CRに比例した電流IM, IRが入力端子271,272 に
流れる。この入力信号をそれぞれオペアンプ273,274 に
より増幅し、その差分を演算回路275 で演算して出力端
子276 に出力する。これにより、出力端子276 にダイヤ
フラム12の受圧面16に作用する測定流体の圧力の関数と
しての出力信号を得ることができる。なお、発振器270
により印加される信号は、正弦波であっても、三角形波
であってもよい。ここで、具体的数値の一例を示すと、
圧力センサーの仕様が 0〜2000mmH2O 程度である場合に
は、発振器270 から交流の信号が印加され、各静電容量
CM, CRを例えば30pFとすると、ダイヤフラム12の撓みに
よって、通常コンデンサー35の静電容量CMは 6〜 8pF程
度変化し、一方、コンデンサー36の静電容量CRは 1〜2p
F変化し、両方の静電容量の差は、 5〜 6pF程度のもの
となる。
【0050】図10中の点線は、各電極間に走る電気力
線を示しており、発振器270 の信号に応じて一定周期で
方向を逆転させながらこのような状態の電気力線が形成
されるようになっている。シールド電極33の電極端子43
と導通された回路パス263A,263B (図9参照)は、中央
電極31用の電極端子41を含む回路パス261 およびリファ
レンス電極32用の電極端子42を含む回路パス262 をそれ
ぞれ別々に囲むように配置され(図11中点線に相
当)、接地用端子277,278,279 からバッファ素子280 に
接続されて接地されている。これらの接地用端子277,27
8,279 は、発振器270 からの信号印加用端子281 および
各オペアンプ273,274 への入力端子271,272 をそれぞれ
別々に隔てるように配置されている。このため、これら
の間の絶縁抵抗低下によるリーク電流の増加の影響を低
減できるようになっている。
【0051】このような第三実施例によれば、前述した
第一、第二実施例と略同様に高精度の計測、圧力センサ
ーの小型化等の効果を得ることができる。また、本第三
実施例では、演算回路275 により電流IM, IRの差分を取
って出力を検出するので、前述した第一実施例のような
空間30の大気の温度変化や湿度変化等による誘電率変化
の影響の回避はできないが、シールド電極33が設けられ
ているので、第一実施例と同様にセラミクスや低融点ガ
ラス23等の影響は回避することができる。そして、本第
三実施例では、前述した第一実施例に比べ簡易な回路で
上記の各効果を実現することができる。
【0052】なお、本発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成も含
み、例えば以下に示すような変形等も本発明に含まれる
ものである。すなわち、前記各実施例では、基板11側の
中央電極31は円状に形成されているが、この形状に限定
されるものではなく、例えば図12に示すようにリファ
レンス電極32およびシールド電極33と同様な閉じた円環
状(リング状)の電極90としてもよく、あるいは図13
に示すように四角形等の多角形の電極91としてもよく、
要するに端末効果の影響の少ない単純な形状であればよ
い。そして、図12に示すような閉じた円環状の電極90
とすることで、その内側に大気を空間30内に導く低圧ポ
ート92を形成することもできる。なお、図12,13中
のハッチングは断面を示すものではなく、説明上見やす
くするために記載したものである。また、これに伴いリ
ファレンス電極32およびシールド電極33も円環状に形成
されている必要はなく、例えば図13に示すような四角
形等の多角形の環状の電極93, 94であってもよく、要す
るに閉じた環状になっていればよい。
【0053】さらに、前記各実施例では、ダイヤフラム
12側の共通電極34は円状に形成されているが、円状に限
定されるものではなく、例えば円に近い多角形形状等で
あってもよく、要するに、その外縁が基板11側のシール
ド電極33の外縁よりも全周に渡って外側に位置していれ
ばよい。
【0054】また、前記各実施例では、基板11側に中央
電極31、リファレンス電極32およびシールド電極33の三
つの電極が形成されているが、四つ以上の電極が形成さ
れていてもよく、例えば中央電極31とリファレンス電極
32との間にさらにシールド電極に相当するような接地あ
るいは所定の一定電圧に保たれる電極を設けるようにし
てもよい。
【0055】さらに、前記第一実施例では、計測回路65
により各コンデンサー35, 36の静電容量CM, CRの和と差
との比(CR−CM)/(CR+CM)に関連する出力信号を得
ることができる構成となっており、前記第二、第三実施
例では、それぞれ計測回路165,265 により各コンデンサ
ー35, 36の静電容量CM, CRの差(CM−CR)に比例した出
力信号を得ることができる構成となっているが、静電容
量CM, CRの比CM/CR等に関連する出力信号を得る構成と
してもよく、この場合にも前記第一実施例の場合と同様
に空間30内の大気の温度、湿度変化等の影響を修正した
計測を行うことができる。例えば、図14のようなスイ
ッチ95A,95B,95C を有する計測回路96を設け、これらの
スイッチ95A,95B,95C をスイッチングすることで、静電
容量CM, CRの比CR/CMに関連する出力信号を出力端子97
に得ることができる。この場合、スイッチ95A を電源98
側に接続した時には、スイッチ95B は閉、スイッチ95C
は開とされ、静電容量CM, CRの各コンデンサーに電荷が
蓄えられる。一方、スイッチ95A を接地側に接続した時
には、スイッチ95B は開、スイッチ95C は閉とされ、コ
ンデンサー99に所要の電荷がサンプルホールドされる。
【0056】また、各電極31〜34の形成方法や接合部20
の形成方法等は、前記各実施例の製造工程に示された方
法である必要はなく、例えば各電極31〜34はスクリーン
印刷ではなく、メッキ、エッチング、スパッタリング等
の通常用いられる他の手段により形成してもよい。さら
に、本発明の基板11やダイヤフラム12の厚み、各電極31
〜34の厚み、電極間距離、各コンデンサー35〜37の静電
容量CM, CR, CS、圧力センサーの仕様等の数値は、前記
各実施例に具体的に記載した数値に限定されるものでは
なく、測定対象や測定環境等に応じて適宜決定すればよ
い。
【0057】また、前記各実施例では、空間30は大気圧
とされ、測定流体の圧力をゲージ圧として検出するよう
になっているが、空間30にも測定流体(気体)を導入
し、この空間30内の圧力と受圧面16に付加される圧力と
の差圧を検出するようにしてもよい。さらに、本発明の
圧力変換素子10を内蔵する圧力センサーの圧力測定対象
である測定流体(受圧面16に作用する流体)は、液体で
あってもよく、気体であってもよい。
【0058】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、基
板側の電極を複数に分割し、この分割した基板側の各電
極のうち最も外側の電極は接地あるいは所定の一定電圧
に保たれて計測には使用しないので、周囲の物体の温
度、湿度変化等の影響を受けずに圧力を正確に測定する
ことができるうえ、基板側の各電極のうち中央の電極を
除く電極は閉環状に形成された単純な電極形状を有する
ため、製造工程を簡略化することができるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す断面図。
【図2】第一実施例の分解図。
【図3】第一実施例の背面の電極パターンを示す構成
図。
【図4】第一実施例の要部を示す断面図。
【図5】第一実施例の計測回路を示す構成図。
【図6】第一実施例の別の要部を示す断面図。
【図7】本発明の第二実施例を示す構成図。
【図8】第二実施例の計測回路の説明図。
【図9】本発明の第三実施例の背面の電極パターンを示
す構成図。
【図10】第三実施例を示す構成図。
【図11】第三実施例の計測回路の説明図。
【図12】本発明の変形例を示す概略構成図。
【図13】本発明の別の変形例を示す概略構成図。
【図14】本発明のさらに別の変形例を示す概略説明
図。
【図15】第一従来例を示す断面図。
【図16】第二従来例を示す構成図。
【符号の説明】
10,100,200 圧力変換素子 11 基板 12 ダイヤフラム 20 接合部 31 中央電極 32 リファレンス電極 33 シールド電極 34 共通電極 35 コンデンサー(静電容量CM) 36 コンデンサー(静電容量CR) 37 コンデンサー(静電容量CS) 38 外縁部 44 共通電極用の電極端子 40,240 電極パターン 60,160,260 ワンチップIC 65,165,265,96 計測回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 重光 長野県上田市中央西2−14−2 (72)発明者 田中 藤登 長野県小県郡東部町大字和5463 (72)発明者 土屋 宗典 長野県上田市古里694−1 (72)発明者 上原 大司 長野県上田市材木町1−9−4 (72)発明者 長沢 健二 長野県上田市大字上田160−5

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚肉の基板と、この基板に所定間隔を置
    いて対向配置された薄肉の弾性ダイヤフラムとを備え、
    これらの基板と弾性ダイヤフラムとの対向面の各々に対
    向する電極が設けられ、前記弾性ダイヤフラムに加わる
    圧力を前記電極間の静電容量の変化により検出する圧力
    センサーであって、 前記電極のうち基板側の電極は複数に分割され、この分
    割された基板側の各電極は順次内側の電極を囲うように
    配置され、 この分割された基板側の各電極のうち、中央の電極を除
    く電極はそれぞれ閉環状に形成され、最も外側の電極は
    接地あるいは所定の一定電圧に保たれていることを特徴
    とする圧力センサー。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した圧力センサーにおい
    て、前記基板側の電極は三分割され、この三分割された
    電極のうち中央の電極は中心部が抜けていない中実の円
    状に形成され、残りの二つの電極は閉じた円環状に形成
    されていることを特徴とする圧力センサー。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載した圧力
    センサーにおいて、前記電極のうち弾性ダイヤフラム側
    の電極は中実の略円状に形成され、かつその全周に渡っ
    て前記基板側の電極の最も外側の電極の外側端縁よりも
    さらに外側に位置する外縁部を有し、 前記基板の電極が設けられた面とは反対側の面に、前記
    弾性ダイヤフラム側の電極用の電極端子が設けられ、こ
    の電極端子と前記弾性ダイヤフラム側の電極の外縁部と
    は前記基板を貫通して導通されていることを特徴とする
    圧力センサー。
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