JP3461984B2 - 静電容量式絶対圧力センサ - Google Patents

静電容量式絶対圧力センサ

Info

Publication number
JP3461984B2
JP3461984B2 JP25074395A JP25074395A JP3461984B2 JP 3461984 B2 JP3461984 B2 JP 3461984B2 JP 25074395 A JP25074395 A JP 25074395A JP 25074395 A JP25074395 A JP 25074395A JP 3461984 B2 JP3461984 B2 JP 3461984B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
lid
electrode
hole
elastic diaphragm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25074395A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0989699A (ja
Inventor
藤登 田中
健二 長澤
和男 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagano Keiki Co Ltd
Original Assignee
Nagano Keiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagano Keiki Co Ltd filed Critical Nagano Keiki Co Ltd
Priority to JP25074395A priority Critical patent/JP3461984B2/ja
Publication of JPH0989699A publication Critical patent/JPH0989699A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3461984B2 publication Critical patent/JP3461984B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対向する電極間の
静電容量の変化を利用して測定流体の絶対圧力を検出す
る静電容量式絶対圧力センサに関する。
【0002】
【背景技術】従来より、対向する電極間の静電容量の変
化を利用して測定流体の圧力を検出する静電容量式の圧
力センサが用いられている。このような圧力センサに
は、測定流体の圧力を、大気圧との差(ゲージ圧)とし
て検出するものや、絶対圧力として検出するものがあ
る。
【0003】このうちゲージ圧を検出する圧力センサと
しては、本願出願人により既に提案されている特開平6
−288851号公報、特開平6−288852号公報
等に記載のものがある。このゲージ圧センサは、厚肉の
基板と、この基板に所定間隔を置いて対向配置された薄
肉の弾性ダイヤフラムとを備え、これらの基板と弾性ダ
イヤフラムとの対向面の各々に対向する電極が設けら
れ、弾性ダイヤフラムに加わる測定流体の圧力を前記電
極間の静電容量の変化により検出する構成となってい
る。また、センサ外部への電極の取り出しは、基板を貫
通するように電極取り出し用の基板穴を設け、この基板
穴の内壁面に設けられた基板内導通部により行われるよ
うになっている(いわゆるスルーホールの技術)。そし
て、基板と弾性ダイヤフラムとの間に形成された空間に
は、この基板穴の中心に形成された基板内通路を通して
外部の大気圧が導かれ、これによりゲージ圧が検出され
るようになっている。
【0004】このようなゲージ圧センサによれば、電極
の取り出しが基板を貫通する基板穴を通して行われるの
で、このような基板穴を設けずに電極の取り出しを行う
場合に比べ、つまり電極の外縁から外側に向かって延び
るように形成された導電路により電極の取り出しを行う
ような場合に比べ、対向電極間に走る電気力線を整然と
させることができ、正確な圧力の検出を行うことができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した本
願出願人によるゲージ圧センサでは、基板と弾性ダイヤ
フラムとの間に形成された空間内に、基板穴の中心に形
成された基板内通路を通して外部の大気圧が導かれる構
成となっているため、ゲージ圧は精度よく検出できるも
のの、測定流体の絶対圧力を検出することはできないと
いう問題があった。つまり、絶対圧力測定においては、
大気圧の影響をなくすために、基板と弾性ダイヤフラム
との間に形成された空間を、外部の大気と遮断すること
が必要であった。
【0006】本発明の目的は、絶対圧力を精度よく測定
できる静電容量式絶対圧力センサを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、板状の封止蓋
を設けて基板内通路の開口を塞ぐことにより前記目的を
達成しようとするものである。具体的には、本発明は、
厚肉の基板と、この基板に所定間隔を置いて対向配置さ
れた薄肉の弾性ダイヤフラムとを備え、これらの基板と
弾性ダイヤフラムとの対向面の各々に対向する電極が設
けられ、前記弾性ダイヤフラムに加わる圧力を前記電極
間の静電容量の変化により検出する静電容量式絶対圧力
センサであって、前記基板の電極設置面とは反対側の面
には、前記基板側電極用の電極端子および前記弾性ダイ
ヤフラム側電極用の電極端子が設けられ、これらの各電
極端子は、前記基板を貫通して設けられた基板穴の内壁
面に形成された基板内導通部により前記各電極にそれぞ
れ導通され、これらの各基板穴の中心には、各基板内導
通部により囲まれた基板内通路が形成され、前記基板の
電極端子設置面側には、前記各基板内通路の電極端子設
置面側の開口を塞ぐ板状の封止蓋が蓋接合部を介して設
けられ、この封止蓋により前記基板と前記弾性ダイヤフ
ラムとの間に形成された空間が外部の大気と遮断されて
いることを特徴とする。
【0008】このような本発明においては、基板内通路
の開口を塞ぐ封止蓋が設けられているので、この封止蓋
により基板と弾性ダイヤフラムとの間に形成された空間
およびこの空間と連通する基板内通路が外部の大気と遮
断され、測定流体の絶対圧力の検出が可能となる。ま
た、電極の取り出しが基板を貫通する基板穴を通して行
われるので、このような基板穴を設けずに電極の取り出
しを行う場合に比べ、対向電極間に走る電気力線を整然
とさせることができるため、精度のよい検出が行われる
ようになり、これらにより前記目的が達成される。
【0009】ここで、前記封止蓋、前記基板、および前
記弾性ダイヤフラムは、それぞれセラミック製とされ、
前記基板と前記弾性ダイヤフラムとの接合部、および前
記蓋接合部は、それぞれ少なくとも一部に低融点ガラス
を含み形成されていることが望ましい。
【0010】このような構成とした場合には、封止蓋の
材料に基板や弾性ダイヤフラムと同じ材質のものが用い
られ、かつ、封止蓋と基板との接合を、基板と弾性ダイ
ヤフラムとの接合と同様に低融点ガラスを用いて行うの
で、封止蓋と基板との接合を、基板と弾性ダイヤフラム
との接合と同じ技術(印刷・焼成技術)を使って同じ工
程で同時に行うことが可能となり、作業効率の向上が図
られる。そして、低融点ガラスを用いて基板内通路が塞
がれるので、ハンダ付けやその他の方法で塞ぐ場合に比
べ、品質の向上が図られる。
【0011】また、前記封止蓋には、前記基板の電極端
子設置位置に対応する位置とは異なる位置に、前記封止
蓋を貫通する蓋穴が設けられ、この蓋穴の両側の開口近
傍には、蓋表側端子および蓋裏側端子が設けられ、これ
らの蓋表側端子と蓋裏側端子とは、前記蓋穴の内壁面に
形成された蓋内導通部により導通され、前記蓋裏側端子
は、前記電極端子に導通されていることが望ましい。
【0012】このように封止蓋に蓋穴を設けた場合にお
いては、対向電極間の静電容量の変化は、基板穴の内壁
面に形成された基板内導通部、基板の背面(電極設置面
とは反対側の面)の電極端子、蓋裏側端子、蓋内導通
部、蓋表側端子の順に伝わり、センサ外部に取り出され
る。このため、電極が封止蓋の表側の面に取り出される
ので、電極の取り出しにあたって、リード線等がセンサ
の側面から横方向に突出するようなことはなく、基板や
弾性ダイヤフラムの面積の範囲内で電極の取り出し経路
を確保できるため、センサの小型化が図られる。そし
て、封止蓋の表側の面に、蓋表側端子を含む電極パター
ンを形成し、この電極パターンに、静電容量を計測する
計測回路を内蔵するワンチップICを直接に搭載するこ
とが可能となり、このようにした場合には、センサの小
型化がより一層図られる。
【0013】また、蓋穴は、基板の電極端子設置位置に
対応する位置とは異なる位置に設けられているので、つ
まり基板穴と蓋穴とは一直線上に配置されていないの
で、基板の背面の電極端子と蓋裏側端子との間に蓋接合
部の一部を介在させておけば、基板内通路の開口が容易
かつ確実に塞がれる。
【0014】さらに、蓋内導通部は、基板穴の内壁面に
形成された基板内導通部と同様な形成方法、例えば、真
空チャックの真空を利用して吸引する方法で、容易に形
成可能である。但し、基板穴の基板内導通部とは、別な
方法で形成する場合も本発明に含まれるものとする。
【0015】なお、本発明は、このように封止蓋に蓋穴
を設けて電極を取り出す構成にすることが望ましいが、
このような構成に限定されるものではなく、例えば、基
板の背面上において、電極端子から基板の背面の端縁方
向に向かって延びる導電路を形成し、これによって電極
をセンサの側面側に取り出すような構成としてもよい。
【0016】また、本発明において、前記封止蓋に、前
記基板と前記弾性ダイヤフラムとの間に形成された空間
内の真空引きを行う真空引き用貫通孔を設け、この真空
引き用貫通孔を、前記蓋接合部の内部に形成された真空
引き用空間を介して前記基板内通路と連通し、かつ、真
空引き後に設けられた真空封じ部材により塞ぐようにし
てもよい。
【0017】このように封止蓋に真空引き用貫通孔を設
けた場合には、封止蓋、基板、および弾性ダイヤフラム
を大気中で焼成して接合してから、真空引き用貫通孔お
よび基板内通路を通して基板と弾性ダイヤフラムとの間
の空間の真空引きを行い、その後、真空封じ部材により
真空引き用貫通孔を塞ぐことで、空間が確実に真空状態
に封じられる。このため、真空中で焼成しなくても真空
封じが行える。
【0018】なお、本発明は、このように封止蓋に真空
引き用貫通孔を設けた構成に限定されるものではなく、
封止蓋、基板、および弾性ダイヤフラムを真空中または
希薄空気中で焼成して接合することで真空封じまたは希
薄空気による封じを行った構成のものも本発明に含ま
れ、このような構成とした場合においても容易に真空封
じまたは希薄空気による封じが行える。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態を図面
に基づいて説明する。 [第一実施形態]図1から図7には、本発明の第一実施
形態に係る静電容量式の圧力変換素子10が示されてい
る。図1には、圧力変換素子10の全体的な断面図が示さ
れ、図7には、図1の部分的な拡大断面図が示されてい
る。図1において、圧力変換素子10は、絶対圧力センサ
の内部に装着され、測定流体の絶対圧力を検出するため
に、その圧力を電気的な出力信号に変換するものであ
り、通常、図示されないケース等で外側を覆われて使用
される。圧力変換素子10は、偏平な円柱状の外形の本体
10A を有し、この本体10A は、セラミック製の厚肉の基
板11と、セラミック製で測定流体の圧力により変形する
薄肉のダイヤフラム12と、基板11を挟んでダイヤフラム
12の反対側に設けられたセラミック製の板状の封止蓋70
とを備えている。基板11とダイヤフラム12とは接合部20
を介して互いに平行に所定間隔を置いて配置され、封止
蓋70と基板11とは蓋接合部80を介して互いに平行に配置
されている。また、基板11とダイヤフラム12との対向面
13, 14間には、リング状の接合部20に囲まれるように空
間30が形成されている。
【0020】基板11の対向面13には、図2にも示される
ように、中心部が抜けていない中実円形の中央電極31、
各リング状のリファレンス電極32およびシールド電極33
の合計三つの電極が設けられ、一方、ダイヤフラム12の
対向面14には、中実円形の共通電極34が設けられてい
る。これらの各電極31〜34の配置や形状は、本願出願人
により既に提案されている特開平6−288851号公
報、特開平6−288852号公報等に記載されたゲー
ジ圧センサと同様なものである。
【0021】図2は、基板11およびダイヤフラム12をそ
れぞれ対向面13, 14側から見た状態の図である(接合部
20は形成されていない状態とする)。なお、図中のハッ
チングは断面を示すものではなく、説明上見やすくする
ために記載したものであり、後述する図6、図12にお
けるハッチングも同様である。基板11の対向面13におい
て、中央電極31は中実の円状に形成され、リファレンス
電極32は中央電極31を囲むように閉じた円環状(リング
状)に形成され、さらにその外側には、シールド電極33
がリファレンス電極32を囲むように閉じた円環状(リン
グ状)に形成されている。これらの中央電極31とリファ
レンス電極32との間隔S1およびリファレンス電極32とシ
ールド電極33との間隔S2は、例えば、各々 500μm程度
である。ダイヤフラム12の対向面14において、共通電極
34は中実の円状に形成され、その外径DCは、シールド電
極33の外径DSよりも大きくなっており、この共通電極34
のシールド電極33の外縁よりも外側に位置する部分は、
電極端子形成用の外縁部38となっている。また、基板11
の対向面13のシールド電極33の外側には、共通電極34の
外縁部38と導電ペースト等の導電剤25(図1参照)によ
り導通される接続用端子39が銀パラジウムペースト等の
導電性材料で形成されている。
【0022】図1に戻って、これらの各電極により、空
間30内に封じ込められた大気を誘電体とするか、若しく
は真空状態とされた空間30を挟んで配置された合計三つ
のコンデンサーが形成されている。すなわち、中央電極
31と共通電極34とにより静電容量CMのコンデンサー35、
リファレンス電極32と共通電極34とにより静電容量CRの
コンデンサー36、シールド電極33と共通電極34とにより
静電容量CSのコンデンサー37がそれぞれ形成されてい
る。これらの各コンデンサー35, 36, 37の電極間距離T
は、接合部20の厚みにより決定され、ダイヤフラム12に
圧力が作用しない状態で、例えば、50μm程度である。
また、ダイヤフラム12の対向面14とは反対側の面は、測
定流体の圧力が付加される受圧面16となっている。圧力
変換素子10は、このダイヤフラム12の受圧面16に作用す
る測定流体の圧力によりダイヤフラム12が撓んで各コン
デンサー35, 36, 37の電極間距離がその初期値Tより変
化し、これに伴って各静電容量CM, CR,CSが変化するこ
とを利用して測定流体の絶対圧力を検出するように構成
されている。
【0023】封止蓋70の表側(図1中上側)の面71に
は、ワンチップIC60が搭載されている。このワンチッ
プIC60は、C−MOSのASIC(カスタムIC)で
あって各静電容量CM, CR, CSの変化を計測する計測回路
を内蔵している。また、封止蓋70の表側の面71には、こ
のワンチップIC60を直接に搭載するための電極パター
ン90が印刷形成されている。ワンチップIC60に内蔵さ
れた計測回路は、例えば、各コンデンサー35, 36の静電
容量CM, CRの和と差との比(CR−CM)/(CR+CM)等に
関連する出力信号を得ることができるようになってお
り、これにより空間30の誘電率の変化の影響が修正さ
れ、精度の良い計測が可能となっている。また、一番外
側のシールド電極33は、計測には使用されずに接地用と
されるか、若しくは一定電圧に保たれ、一番外側のコン
デンサー37の静電容量CSがセラミクスや低融点ガラス23
等の湿度変化による誘電率変化の影響を受けても計測に
は支障がないようになっており、これによっても精度の
良い計測が可能となっている。
【0024】図3には、電極パターン90の詳細構成が示
されている(ワンチップIC60を搭載する前の状態)。
電極パターン90は、基板11側の中央電極31の取り出し用
の蓋表側端子91、リファレンス電極32の取り出し用の蓋
表側端子92、シールド電極33の取り出し用の蓋表側端子
93、およびダイヤフラム12側の共通電極34の取り出し用
の蓋表側端子94を備え、これらの蓋表側端子91〜94はそ
れぞれスポット状に形成されている。各蓋表側端子91,
92, 93, 94には、回路パス101,102,103,104 が接続形成
され、その先端はワンチップIC60の足(ピン)の位置
に導かれている。なお、その他の三つのスポット状の蓋
表側端子95, 96, 97は、駆動電源および出力用の端子で
あり、これらにもワンチップIC60の足の位置に至る回
路パス105,106,107 が接続形成されている。
【0025】図4には、封止蓋70の裏側(図1中下側)
の面72が示されている。但し、図4は、図3との対応関
係を明確化するため、左右を反転させて描かれている。
封止蓋70の裏側の面72には、封止蓋70の表側の面71に形
成された各蓋表側端子91, 92, 93, 94の丁度裏側に相当
する位置に蓋裏側端子111,112,113,114 が形成されてい
る。そして、これらの蓋表側端子91, 92, 93, 94と蓋裏
側端子111,112,113,114 とは、封止蓋70を貫通する蓋穴
121,122,123,124 の内壁面に形成された蓋内導通部131,
132,133,134 (図1参照)により導通されている(いわ
ゆるスルーホールの技術)。各蓋穴121 〜124 の中心に
は、蓋内通路が形成されている。なお、蓋表側端子95,
96, 97に対応して蓋穴125,126,127 が設けられ、ピンを
立てることができるようになっている。また、封止蓋70
には、導電剤25(図1参照)を挿入するための導電剤挿
入孔128 が封止蓋70を貫通して設けられ、この導電剤挿
入孔128 は、後述する基板穴48と同一直線上に配置され
ている。
【0026】図5には、基板11の背面15(対向面13とは
反対側の面)に印刷形成された接続用パターン40が示さ
れている。接続用パターン40は、基板11側の中央電極31
の取り出し用の電極端子41、リファレンス電極32の取り
出し用の電極端子42、シールド電極33の取り出し用の電
極端子43、およびダイヤフラム12側の共通電極34の取り
出し用の電極端子44を備え、これらの電極端子41〜44は
それぞれスポット状に形成されている。各電極端子41,
42, 43, 44には、四角形状の接続用端子141,142,143,14
4 に至る回路パス151,152,153,154 が接続形成されてい
る。各接続用端子141,142,143,144 は、封止蓋70の裏側
の面72に形成された蓋裏側端子111,112,113,114 に対向
する位置に設けられ、これらの蓋裏側端子111,112,113,
114 と接続用端子141,142,143,144 とは、導電ペースト
等の導電剤145 (図1参照)により導通されている。従
って、蓋穴121 〜124 は、電極端子41〜44の設置位置に
対応する位置とは異なる位置に設けられており、蓋穴12
1 〜124 と後述の基板穴45〜48とは、一直線上には配置
されていない。
【0027】各電極端子41, 42, 43, 44は、図1に示す
ように、基板11を貫通するように設けられた基板穴45,
46, 47, 48に形成された基板内導通部51, 52, 53, 54に
より、中央電極31、リファレンス電極32、シールド電極
33、および接続用端子39(共通電極34に導通されるも
の)とそれぞれ導通されている(いわゆるスルーホール
の技術)。この際、各基板内導通部51, 52, 53, 54は各
基板穴45, 46, 47, 48の内壁面にそれぞれ設けられてお
り、各穴の中心には、基板内通路が形成されている。こ
のうち基板穴48内の基板内通路は、導電剤25の周囲の接
合部20により図1中下側の開口を塞がれ、残りの基板穴
45, 46, 47内の基板内通路は、詳細は後述する如く、封
止蓋70および蓋接合部80により図1中上側の開口を塞が
れている。
【0028】図1に戻って、接合部20は、基板11側の各
電極31〜33(但し、シールド電極33の一部は覆われてい
ない)を覆うように基板11側に密着配置されたオーバー
コートガラス21と、このオーバーコートガラス21とダイ
ヤフラム12との間隔を調整するためにこれらの間に設け
られスペーサーとして機能するリング状の高融点ガラス
22と、オーバーコートガラス21とダイヤフラム12との間
であって高融点ガラス22の内周側および外周側周囲に配
置された低融点ガラス23とを含み構成されている。オー
バーコートガラス21は、シールド電極33と共通電極34と
の沿面距離を大きくし、沿面抵抗を増大させるために設
けられるとともに、これにより基板11側の各電極31〜33
とダイヤフラム12側の電極34との接触防止も図られてい
る。高融点ガラス22は、結晶化ガラス等であり、その厚
みを調整することで、基板11とダイヤフラム12との間
隔、つまりは電極間距離Tを所定の間隔に保つように設
けられている。圧力レンジの変更は、一般的にダイヤフ
ラム12の板厚の変更により行われるが、この高融点ガラ
ス22の厚み調整による電極間距離Tの変更でも行うこと
が可能となっている。低融点ガラス23は、非結晶化ガラ
ス等であり、その一部分には導電剤25の挿入用の空間が
設けられている。
【0029】図6には、封止蓋70の裏側の面72に印刷さ
れた蓋接合部80が示されている。但し、図6は、図4の
場合と同様に、図3との対応関係を明確化するため、左
右を反転させて描かれている。蓋接合部80は、低融点ガ
ラスで形成され、封止蓋70の裏側の面72の外縁に沿う位
置に配置されるとともに、少なくとも蓋裏側端子111,11
2,113,114 (図4参照)の近傍位置および電極端子41〜
44(図5参照)の近傍位置にも配置されている。
【0030】蓋接合部80の内部には、蓋裏側端子111,11
2,113,114 の設置位置に対応する位置(蓋裏側端子111,
112,113,114 の図1中下側位置)に空間161,162,163,16
4が設けられ、これらの空間161 〜164 内には、蓋裏側
端子111 〜114 と接続用端子141 〜144 との導通用の導
電剤145 が挿入されるようになっている。従って、蓋接
合部80およびこれを用いて接合される封止蓋70により、
基板11側の各電極31, 32 ,33用の基板穴45, 46, 47内の
基板内通路の開口(背面15側の開口)が塞がれ、空間30
およびこれに連通する各基板穴45, 46, 47内の基板内通
路が封じられて外部の大気と遮断されている。また、蓋
接合部80の内部には、電極端子44の設置位置に対応する
位置(電極端子44の図1中上側位置)に空間168 が設け
られ、この空間168 を介して基板穴48と導電剤挿入孔12
8 とが一直線状に連通されるようになっている。さら
に、蓋接合部80の内部には、電極端子41〜43の設置位置
に対応する位置(電極端子41〜43の図1中上側位置)に
も空間を設けておいてもよく(但し、図1には、このよ
うな空間が既に図示されている)、このような空間を設
ける場合には、各基板穴45, 46, 47内の基板内通路の開
口を確実に塞ぐことができるように、空間の周囲の全周
に渡って蓋接合部80が配置されるようにしなければなら
ない。
【0031】そして、以上に述べた構成により、基板11
側の中央電極31、リファレンス電極32、およびシールド
電極33は、基板内導通部51, 52, 53、電極端子41, 42,
43、回路パス151,152,153 、接続用端子141,142,143 、
導電剤145 、蓋裏側端子111,112,113 、蓋内導通部131,
132,133 、蓋表側端子91, 92, 93、回路パス101,102,10
3 の順にそれぞれ導通され、ワンチップIC60に至るよ
うになっている。一方、ダイヤフラム12側の共通電極34
は、その外縁部38から、導電剤25、接続用端子39、基板
内導通部54、電極端子44、回路パス154 、接続用端子14
4 、導電剤145 、蓋裏側端子114 、蓋内導通部134 、蓋
表側端子94、回路パス104 の順にそれぞれ導通され、ワ
ンチップIC60に至るようになっている。
【0032】このような第一実施形態においては、以下
のようにして測定流体の絶対圧力を検出する。先ず、ダ
イヤフラム12の受圧面16に測定流体の圧力を作用させ、
ダイヤフラム12を空間30側に撓ませる。次に、このダイ
ヤフラム12の撓みに伴う各コンデンサー35, 36の電極間
距離の変化による各静電容量CM, CRの変化を、ワンチッ
プIC60に内蔵された計測回路で捉え、例えば、各コン
デンサー35, 36の静電容量CM, CRの和と差との比(CR−
CM)/(CR+CM)等に関連する出力信号を得る。そし
て、予めこの出力信号と受圧面16に作用する圧力との関
係のキャリブレーション等を行っておくことにより、検
出された出力信号に相当する測定流体の絶対圧力を得
る。
【0033】以下、本第一実施形態に係る圧力変換素子
10の製造方法の一例を説明する。先ず、製造工程(1)
において、基板11、ダイヤフラム12、および封止蓋70を
適宜な素材、例えばアルミナセラミクス等により加工成
形する。アルミナは、代表的なファインセラミクス材料
であり、高融点で硬く、電気的絶縁性に優れている。基
板11の厚みは、通常4mm程度であり、ダイヤフラム12の
厚みは、測定する圧力の圧力レンジやダイヤフラム12の
有効径との関係等によっても異なるが、通常 0.2mm〜
1.0mm程度である。また、封止蓋70の厚みは、 0.5mm程
度とするが、特にこの数値に限定されるものではない。
【0034】次に、製造工程(2)において、基板11お
よびダイヤフラム12に各電極および接合部20を印刷およ
び焼成する。この印刷および焼成は、全てハイブリッド
IC(HIC)の製造技術および製造機械を用いて行う
ことができる。製造工程(2A)において、基板11の表
の面(対向面13)に図2に示すような配置で中央電極3
1、リファレンス電極32、シールド電極33の三つの各電
極および接続用端子39をスクリーン印刷する。印刷材料
は、銀パラジウムペースト等であり、連続炉により 700
〜900 ℃程度の温度で焼成する。焼成厚みは、 5〜10μ
m程度である。この際、各基板穴45〜48を真空チャック
の真空を利用して吸引しておき、印刷中の銀パラジウム
ペーストを内壁面を伝わらせるようにして各基板穴45〜
48の中に流し込む。
【0035】製造工程(2B)において、基板11の裏の
面(背面15)に図5に示すような配置で各電極端子41〜
44を含む接続用パターン40をスクリーン印刷する。印刷
材料は、製造工程(2A)と同一の銀パラジウムペース
トであり、焼成方法、焼成厚みも製造工程(2A)と同
様である。この際にも、製造工程(2A)と同様に、各
基板穴45〜48を真空チャックの真空を利用して吸引して
おき、印刷中の銀パラジウムペーストを内壁面を伝わら
せるようにして各基板穴45〜48の中に流し込む。この対
向面13側および背面15側からの真空吸引による流し込み
により、各基板穴45〜48には、内壁面にそれぞれ基板内
導通部51〜54が形成され、中心に基板内通路が形成され
る。
【0036】製造工程(2C)において、基板11の対向
面13にオーバーコートガラス21を印刷する。印刷材料
は、パシベーションガラス等であり、連続炉により700
〜900℃程度の温度で焼成する。焼成厚みは、20〜28μ
m程度である。製造工程(2D)において、オーバーコ
ートガラス21の上にスペーサーとして機能する高融点ガ
ラス22を印刷する。印刷材料は、ガラスペーストであ
り、連続炉により 700〜900 ℃程度の温度で焼成する。
焼成厚みは、20〜50μm程度であるが、センサの測定レ
ンジによりこの厚みは異なる。製造工程(2E)におい
て、さらにオーバーコートガラス21の上に、製造工程
(2D)で印刷した高融点ガラス22の内側および外側を
囲うような配置、換言すると高融点ガラス22の両側に跨
がった配置で接合用の低融点ガラス23を印刷し、乾燥さ
せる。この際、同時に基板穴48の対応位置に導電剤25の
挿入用の空間が形成されるように、この部分を除いたマ
スクで印刷を行う。印刷材料は、ガラスペーストであ
り、乾燥厚みは、20〜50μm程度であるが、センサの計
測レンジによりこの厚みは異なる。
【0037】一方、製造工程(2F)において、ダイヤ
フラム12の対向面14に図2に示すような円状の共通電極
34を印刷する。印刷材料は、例えば金レジネートであ
り、連続炉により700 〜900 ℃程度の温度で焼成する。
焼成厚みは、 0.5〜 1μm程度である。製造工程(2
G)において、ダイヤフラム12の対向面14に、製造工程
(2E)で印刷した接合用の低融点ガラス23と同じ材料
を印刷し、乾燥させる。乾燥厚みは、20〜50μm程度で
あるが、センサの計測レンジにより異なる。なお、低融
点ガラス23は、次の製造工程(4)における焼成により
乾燥厚みに対して焼成後の厚みが大幅に減少してしまう
ため、その分を考慮した印刷が行われる。なお、製造工
程(2E)または製造工程(2G)のいずれか一方にお
ける低融点ガラス23の印刷を省略し、基板11側またはダ
イヤフラム12側の片方のみに低融点ガラス23を印刷して
接合を行う場合もある。
【0038】また、製造工程(3)において、製造工程
(2)と並行して、封止蓋70の表裏面71, 72に各端子お
よび蓋接合部80を印刷および焼成する。この印刷および
焼成は、製造工程(2)と同様に、全てハイブリッドI
C(HIC)の製造技術および製造機械を用いて行うこ
とができる。製造工程(3A)において、封止蓋70の表
側の面71に図3に示すような配置で各蓋表側端子91〜94
を含む接続用パターン90をスクリーン印刷する。印刷材
料は、製造工程(2A)と同一の銀パラジウムペースト
であり、焼成方法、焼成厚みも製造工程(2A)と同様
である。この際、各蓋穴121 〜124 を真空チャックの真
空を利用して吸引しておき、印刷中の銀パラジウムペー
ストを内壁面を伝わらせるようにして各蓋穴121 〜124
の中に流し込む。
【0039】製造工程(3B)において、封止蓋70の裏
側の面72に図4に示すような配置で各蓋裏側端子111 〜
114 をスクリーン印刷する。印刷材料は、製造工程(3
A)と同一の銀パラジウムペーストであり、焼成方法、
焼成厚みも製造工程(3A)と同様である。この際に
も、製造工程(3A)と同様に、各蓋穴121 〜124 を真
空チャックの真空を利用して吸引しておき、印刷中の銀
パラジウムペーストを内壁面を伝わらせるようにして各
蓋穴121 〜124 の中に流し込む。この封止蓋70の表側お
よび裏側からの真空吸引による流し込みにより、各蓋穴
121 〜124 には、内壁面にそれぞれ蓋内導通部131 〜13
4 が形成され、中心に蓋内通路が形成される。このよう
な蓋内導通部131 〜134 および蓋内通路の形成方法は、
前述した製造工程(2A)および(2B)の基板内導通
部51〜54および基板内通路の形成方法と同様である。
【0040】製造工程(3C)において、封止蓋70の裏
側の面72に図6に示すような配置で蓋接合部80を形成す
るための低融点ガラスを印刷し、乾燥させる。この際、
同時に蓋穴121 〜124 の対応位置に空間161 〜164 が形
成され、かつ、導電剤挿入孔128 の対応位置に空間168
が形成されるように、これらの部分を除いたマスクで印
刷を行う。印刷材料は、接合部20の形成用の低融点ガラ
ス23と同じガラスペーストであり、乾燥厚みは、30〜50
μm程度であるが、この数値に限定されるものではな
い。
【0041】続いて、製造工程(4)において、各対向
面13, 14が向かい合うように基板11とダイヤフラム12と
を合わせるとともに、基板11を挟んでダイヤフラム12の
反対側に配置されるようにして封止蓋70を基板11に合せ
る。そして、この状態で、接合部20の形成用の低融点ガ
ラス23および蓋接合部80の形成用の低融点ガラスを同時
に焼成してこれらの基板11、ダイヤフラム12、および封
止蓋70を同時に接合する。焼成温度は、約 600〜700 ℃
である。この際、真空中で焼成すると、空間30およびこ
れに連通する各基板穴45, 46, 47内の基板内通路は、真
空で封じられ、大気中で焼成すると、高温で大気圧が封
じられるので、常温では希薄空気となって封じられる。
【0042】その後、製造工程(5)において、導電剤
挿入孔128 、空間168 、基板穴48内の基板内通路をこの
順に通して導電剤25をディスペンサ等で低融点ガラス23
の内部に形成された空間に挿入するとともに、各蓋穴12
1 〜124 内の蓋内通路を通して導電剤145 をディスペン
サ等で蓋接合部80の内部に形成された各空間161 〜164
内に挿入する。そして、これらの導電剤25および導電剤
145 を焼成し、共通電極34と基板11の背面15に設けられ
たその電極端子44との導通、および各蓋裏側端子111 〜
114 と各接続用端子141 〜144 との導通を行う。焼成
は、通常 600℃以下の温度で行う。
【0043】最後に、製造工程(6)において、封止蓋
70の表側の面71の各回路パス101 〜104 の一端が集中す
る箇所、すなわちワンチップIC60の足の位置に相当す
る箇所に、ワンチップIC60の内部の計測回路を接続す
るためのピンをハンダ付けして立て、ここにワンチップ
IC60を搭載する。
【0044】このような第一実施形態によれば、次のよ
うな効果がある。すなわち、各基板穴45, 46, 47内の基
板内通路の開口を塞ぐ封止蓋70が設けられているので、
この封止蓋70により基板11と弾性ダイヤフラム12との間
に形成された空間30およびこの空間30と連通する各基板
穴45, 46, 47内の基板内通路を外部の大気と遮断でき、
測定流体の絶対圧力の検出を行うことができる。
【0045】また、封止蓋70、基板11、および弾性ダイ
ヤフラム12は、それぞれセラミック製とされ、封止蓋70
と基板11との接合(蓋接合部80の形成)を、基板11と弾性
ダイヤフラム12との接合(接合部20の形成)と同様に低
融点ガラスを用いて行うので、これらの接合を同じ工程
で同時に行うことができ(製造工程(4)参照)、作業
効率の向上を図ることができる。そして、低融点ガラス
を用いて各基板穴45, 46, 47内の基板内通路が塞がれる
ので、ハンダ付けやその他の方法で塞ぐ場合に比べ、品
質の向上を図ることができる。
【0046】さらに、各電極31〜34が封止蓋70の表側の
面71に取り出されるので、電極の取り出しにあたって、
リード線等がセンサの側面から横方向(図1中左右方
向)に突出するようなことはなく、基板11や弾性ダイヤ
フラム12の面積の範囲内で電極の取り出し経路を確保で
きるため、センサの小型化を図ることができる。
【0047】そして、各電極31〜34が封止蓋70の表側の
面71に取り出されることから、封止蓋70の表側の面71に
蓋表側端子91〜94を含む電極パターン90を形成し、この
電極パターン90に、静電容量を計測する計測回路を内蔵
するワンチップIC60を直接に搭載することができるた
め、センサの小型化をより一層図ることができる。
【0048】また、各蓋穴121 〜123 は、基板11の背面
15の各電極端子41〜43の設置位置に対応する位置とは異
なる位置に設けられているので、つまり各基板穴45〜47
と各蓋穴121 〜123 とは一直線上に配置されていないの
で、基板11の背面15の各電極端子41〜43と蓋裏側端子11
1 〜113 との間に蓋接合部80の一部を介在させておけば
(図7中のA部)、各基板穴45〜47内の基板内通路の開
口を容易かつ確実に塞ぐことができる。
【0049】さらに、蓋内導通部131 〜134 は、各基板
穴45〜48の内壁面に形成された基板内導通部51〜54と同
様な形成方法、例えば、真空チャックの真空を利用して
吸引する方法で、容易に形成することができる(製造工
程(3A)および(3B)参照)。
【0050】また、電極31〜34の取り出しが基板11を貫
通する基板穴45〜48を通して行われるので、このような
基板穴45〜48を設けずに電極の取り出しを行う場合に比
べ、対向電極間に走る電気力線を整然とさせることがで
きるため、精度のよい検出を行うことができる。
【0051】そして、基板11側の電極を中央電極31、リ
ファレンス電極32、シールド電極33に三分割したので、
前述した本願出願人による特開平6−288851号公
報、特開平6−288852号公報等に記載のゲージ圧
センサの場合と同様に、精度のよい計測を行うことがで
きる。
【0052】[第二実施形態]図8から図12には、本
発明の第二実施形態に係る静電容量式の圧力変換素子20
0 が示されている。圧力変換素子200 は、封止蓋70に基
板11と弾性ダイヤフラム12との間に形成された空間30内
の真空引きを行うための真空引き用貫通孔201 が設けら
れていることと、蓋接合部80に真空引き用空間202 が設
けられていることを除いてその構成や作用等が前述した
第一実施形態と略同一である。従って、同一部分には同
じ符号を付して詳しい説明は省略し、異なる部分のみを
説明する。図8には、圧力変換素子200 の部分断面図が
示されている。また、図9には、封止蓋70の表側の面71
が示され、図10には、封止蓋70の裏側の面72が示さ
れ、図11には、基板11の背面15が示され、図12に
は、封止蓋70の裏側の面72に印刷された蓋接合部80が示
されている。図9〜図12は、前記第一実施形態の図3
〜図6に対応している。
【0053】図8において、封止蓋70には、封止蓋70を
貫通する真空引き用貫通孔201 が設けられている。この
真空引き用貫通孔201 は、シールド電極33の取り出し用
の基板穴47と一直線上に配置されない位置に設けられて
いる。真空引き用貫通孔201 の両側の開口近傍には、封
止蓋70の表側の面71に蓋表側端子203 (図9参照)が設
けられ、封止蓋70の裏側の面72に蓋裏側端子204 (図1
0参照)が設けられている。真空引き用貫通孔201 の内
壁面には、蓋内導通部205 が設けられ、真空引き用貫通
孔201 の中心には、真空引きの際に空間30内の大気が流
通する蓋内通路が形成されている。これらの蓋表側端子
203 、蓋裏側端子204 、および蓋内導通部205 は、前記
第一実施形態の蓋表側端子91〜94、蓋裏側端子111 〜11
4 、および蓋内導通部131 〜134 と同様な方法(いわゆ
るスルーホールの技術)で同時に形成することができ
る。
【0054】図8および図12において、蓋接合部80の
内部には、真空引き用貫通孔201 内の蓋内通路と基板穴
47内の基板内通路とを連通する細長い真空引き用空間20
2 が設けられている。図11において、基板11の背面15
には、電極端子43の近傍に四角形状の接続用端子206 が
設けられている。この接続用端子206 は、蓋裏側端子20
4 に対向する位置に設けられている(図8参照)。この
接続用端子206 は、前記第一実施形態の回路パス151 〜
154 および接続用端子141 〜144 と同時に形成すること
ができる。
【0055】図8に戻って、真空引き用貫通孔201 内の
蓋内通路の一方の開口(封止蓋70の表側の開口)は、ハ
ンダ付けや接着剤等で形成された真空封じ部材208 によ
り塞がれている。また、真空封じ部材208 は、図8中二
点鎖線の如く、真空引き用貫通孔201 内の蓋内通路の他
方の開口(封止蓋70の裏側の開口)を塞ぐように設けて
もよい。そして、この二点鎖線の位置に設ける場合にお
いて、真空封じ部材208 をハンダ付けにより形成するも
のとすれば、蓋内導通部205 および接続用端子206 の存
在がハンダ付けに有効に機能する。なお、真空封じ部材
208 をハンダ付けではなく接着剤等とする場合には、蓋
表側端子203 、蓋裏側端子204 、蓋内導通部205 、およ
び接続用端子206 は、必ずしも必要なものではない。
【0056】このような第二実施形態においては、以下
のようにして圧力変換素子200 を製造する。先ず、前記
第一実施形態と同様にして、封止蓋70、基板11、および
弾性ダイヤフラム12を、蓋接合部80および接合部20を介
して接合する。この際、蓋接合部80および接合部20の焼
成は、大気中で行う。次に、空間30内の真空引きを行
い、空間30内の大気を、基板穴47内の基板内通路、真空
引き用空間202 、真空引き用貫通孔201 内の蓋内通路の
順に通して圧力変換素子200 の外部に引き出す。その
後、空間30内の真空引きが完了した時点で、真空状態の
中で真空封じ部材208 により真空引き用貫通孔201 内の
蓋内通路の開口を塞ぎ、空間30およびこれに連通された
基板穴45〜47内の基板内通路、真空引き用空間202 、真
空引き用貫通孔201 内の蓋内通路の真空封じを行う。
【0057】このような第二実施形態によれば、前記第
一実施形態と同様な効果に加えて、次のような効果が得
られる。すなわち、蓋接合部80および接合部20を真空中
で焼成しなくても空間30の真空封じを行うことができ
る。また、真空引き用貫通孔201 (蓋表側端子203 )
は、図9に示すように、ワンチップIC60の搭載位置を
外して設けられているので、ワンチップIC60を封止蓋
70の表側の面71に搭載した後に、真空引きを行うことが
できる。
【0058】また、本第二実施形態では、真空引き用貫
通孔201 および真空引き用空間202は、基板穴47内の基
板内通路と連通するように設けられているが、他の基板
穴45, 46内の基板内通路と連通するように設けられてい
てもよい。
【0059】なお、本発明は前記各実施形態に限定され
るものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成も
含み、例えば以下に示すような変形等も本発明に含まれ
るものである。すなわち、前記各実施形態では、基板11
側の電極は、中央電極31、リファレンス電極32、シール
ド電極33に三分割されていたが、本発明においては、基
板11側の電極は、必ずしもこのような分割構成になって
いる必要はなく、各電極31〜34の形状も前記各実施形態
の形状に限定されるものではない。しかし、前記各実施
形態の電極のような分割構成や形状としておくことが、
計測精度の向上を図るという点で好ましい。
【0060】また、各電極31〜34の形成方法、あるいは
蓋接合部80や接合部20の形成方法等は、前記各実施形態
の製造工程に示された方法である必要はなく、例えば各
電極31〜34はスクリーン印刷ではなく、メッキ、エッチ
ング、スパッタリング等の通常用いられる他の手段によ
り形成してもよい。
【0061】さらに、本発明の封止蓋70や基板11やダイ
ヤフラム12の厚み、蓋接合部80や接合部20の厚み、各電
極31〜34の厚み、電極間距離等の数値は、前記各実施形
態に具体的に記載した数値に限定されるものではなく、
測定対象や測定環境等に応じて適宜決定すればよい。
【0062】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、基
板内通路の開口を塞ぐ封止蓋が設けられているので、こ
の封止蓋により基板と弾性ダイヤフラムとの間に形成さ
れた空間およびこの空間と連通する基板内通路を外部の
大気と遮断でき、測定流体の絶対圧力の検出を行うこと
ができるうえ、電極の取り出しが基板を貫通する基板穴
を通して行われるので、このような基板穴を設けずに電
極の取り出しを行う場合に比べ、対向電極間に走る電気
力線を整然とさせることができるため、精度のよい検出
を行うことができるという効果がある。
【0063】また、封止蓋、基板、および弾性ダイヤフ
ラムをそれぞれセラミック製とし、基板と弾性ダイヤフ
ラムとの接合部および蓋接合部をそれぞれ少なくとも一
部に低融点ガラスを含み形成するようにした場合には、
封止蓋と基板との接合を、基板と弾性ダイヤフラムとの
接合と同じ技術(印刷・焼成技術)を使って同じ工程で
同時に行うことができるので、作業効率の向上を図るこ
とができるうえ、低融点ガラスを用いて基板内通路が塞
がれるので、ハンダ付けやその他の方法で塞ぐ場合に比
べ、品質の向上を図ることができるという効果がある。
【0064】また、封止蓋に蓋穴を設け、この蓋穴の両
側の開口近傍に、蓋表側端子および蓋裏側端子を設け、
これらの蓋表側端子と蓋裏側端子とを蓋内導通部により
導通し、蓋裏側端子を電極端子に導通した場合には、電
極を封止蓋の表側の面に取り出すことができるので、セ
ンサの小型化を図ることができるとともに、封止蓋の表
側の面に電極パターンを形成し、この電極パターンにワ
ンチップICを直接に搭載すれば、センサの小型化をよ
り一層図ることができるという効果がある。
【0065】さらに、封止蓋に基板と弾性ダイヤフラム
との間に形成された空間内の真空引きを行う真空引き用
貫通孔を設け、この真空引き用貫通孔を、蓋接合部の内
部に形成された真空引き用空間を介して基板内通路と連
通し、かつ、真空引き後に設けられた真空封じ部材によ
り塞ぐようにした場合には、基板と弾性ダイヤフラムと
の間の空間を確実に真空状態に封じることができるう
え、真空中で焼成しなくても真空封じを行うことができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の圧力変換素子の全体を
示す断面図。
【図2】第一実施形態の各電極の配置形状を示す構成
図。
【図3】第一実施形態の封止蓋の表側の面に形成された
電極パターンを示す構成図。
【図4】第一実施形態の封止蓋の裏側の面を示す構成
図。
【図5】第一実施形態の基板の背面に形成された接続用
パターンを示す構成図。
【図6】第一実施形態の封止蓋の裏側の面に印刷された
蓋接合部を示す構成図。
【図7】第一実施形態の圧力変換素子を示した図1の部
分断面図。
【図8】本発明の第二実施形態の圧力変換素子の部分断
面図。
【図9】第二実施形態の封止蓋の表側の面に形成された
電極パターンを示す構成図。
【図10】第二実施形態の封止蓋の裏側の面を示す構成
図。
【図11】第二実施形態の基板の背面に形成された接続
用パターンを示す構成図。
【図12】第二実施形態の封止蓋の裏側の面に印刷され
た蓋接合部を示す構成図。
【符号の説明】
10,200 圧力変換素子 11 基板 12 ダイヤフラム 13, 14 対向面 15 基板の背面(基板の電極設置面とは反対側の面) 20 接合部 23 低融点ガラス 30 空間 31 基板側電極である中央電極 32 基板側電極であるリファレンス電極 33 基板側電極であるシールド電極 34 弾性ダイヤフラム側電極である共通電極 41 基板側電極である中央電極用の電極端子 42 基板側電極であるリファレンス電極用の電極端子 43 基板側電極であるシールド電極用の電極端子 44 弾性ダイヤフラム側電極である共通電極用の電極端
子 45〜48 基板内通路が形成された基板穴 51〜54 基板内導通部 70 封止蓋 80 蓋接合部 91〜94 蓋表側端子 121 〜124 蓋穴 111 〜114 蓋裏側端子 131 〜134 蓋内導通部 201 真空引き用貫通孔 202 真空引き用空間 208 真空封じ部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−288852(JP,A) 特開 昭57−206842(JP,A) 特開 昭58−160832(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 9/12 G01L 7/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚肉の基板と、この基板に所定間隔を置
    いて対向配置された薄肉の弾性ダイヤフラムとを備え、
    これらの基板と弾性ダイヤフラムとの対向面の各々に対
    向する電極が設けられ、前記弾性ダイヤフラムに加わる
    圧力を前記電極間の静電容量の変化により検出する静電
    容量式絶対圧力センサであって、 前記基板の電極設置面とは反対側の面には、前記基板側
    電極用の電極端子および前記弾性ダイヤフラム側電極用
    の電極端子が設けられ、これらの各電極端子は、前記基
    板を貫通して設けられた基板穴の内壁面に形成された基
    板内導通部により前記各電極にそれぞれ導通され、これ
    らの各基板穴の中心には、各基板内導通部により囲まれ
    た基板内通路が形成され、 前記基板の電極端子設置面側には、前記各基板内通路の
    電極端子設置面側の開口を塞ぐ板状の封止蓋が蓋接合部
    を介して設けられ、この封止蓋により前記基板と前記弾
    性ダイヤフラムとの間に形成された空間が外部の大気と
    遮断されていることを特徴とする静電容量式絶対圧力セ
    ンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した静電容量式絶対圧力
    センサにおいて、前記封止蓋、前記基板、および前記弾
    性ダイヤフラムは、それぞれセラミック製とされ、前記
    基板と前記弾性ダイヤフラムとの接合部、および前記蓋
    接合部は、それぞれ少なくとも一部に低融点ガラスを含
    み形成されていることを特徴とする静電容量式絶対圧力
    センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載した静電
    容量式絶対圧力センサにおいて、前記封止蓋には、前記
    基板の電極端子設置位置に対応する位置とは異なる位置
    に、前記封止蓋を貫通する蓋穴が設けられ、この蓋穴の
    両側の開口近傍には、蓋表側端子および蓋裏側端子が設
    けられ、これらの蓋表側端子と蓋裏側端子とは、前記蓋
    穴の内壁面に形成された蓋内導通部により導通され、前
    記蓋裏側端子は、前記電極端子に導通されていることを
    特徴とする静電容量式絶対圧力センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    した静電容量式絶対圧力センサにおいて、前記封止蓋に
    は、前記基板と前記弾性ダイヤフラムとの間に形成され
    た空間内の真空引きを行う真空引き用貫通孔が設けら
    れ、この真空引き用貫通孔は、前記蓋接合部の内部に形
    成された真空引き用空間を介して前記基板内通路と連通
    され、かつ、真空引き後に設けられた真空封じ部材によ
    り塞がれていることを特徴とする静電容量式絶対圧力セ
    ンサ。
JP25074395A 1995-09-28 1995-09-28 静電容量式絶対圧力センサ Expired - Fee Related JP3461984B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25074395A JP3461984B2 (ja) 1995-09-28 1995-09-28 静電容量式絶対圧力センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25074395A JP3461984B2 (ja) 1995-09-28 1995-09-28 静電容量式絶対圧力センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0989699A JPH0989699A (ja) 1997-04-04
JP3461984B2 true JP3461984B2 (ja) 2003-10-27

Family

ID=17212385

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25074395A Expired - Fee Related JP3461984B2 (ja) 1995-09-28 1995-09-28 静電容量式絶対圧力センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3461984B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002350266A (ja) * 2001-05-24 2002-12-04 Kyocera Corp 圧力検出装置用パッケージ
JP2005134221A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Kyocera Corp 圧力検出装置用パッケージ
JP4535825B2 (ja) * 2004-09-29 2010-09-01 京セラ株式会社 圧力検出装置用パッケージおよび圧力検出装置
JP6534548B2 (ja) * 2015-03-31 2019-06-26 長野計器株式会社 センサモジュール

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0989699A (ja) 1997-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5095752A (en) Capacitance type accelerometer
JP3410095B2 (ja) 基台装着式容量型圧力センサ
JP2871381B2 (ja) 圧力センサー
JP4562762B2 (ja) 静電容量型センサ及びその製造方法
GB2194344A (en) Pressure transducer and method of fabricating same
JP2815279B2 (ja) 圧力センサー
JP3205414B2 (ja) 圧力マイクロセンサ
JP3461984B2 (ja) 静電容量式絶対圧力センサ
JP3399688B2 (ja) 圧力センサ
JP4539413B2 (ja) 静電容量型センサの構造
JPS6412329B2 (ja)
CN219396290U (zh) 用于电子烟的压电传感器及电子烟
JP6802272B2 (ja) マルチプレート静電容量型トランスデューサ
JPH10300609A (ja) 静電容量型圧力センサ
US6324914B1 (en) Pressure sensor support base with cavity
JP2003050173A (ja) 圧力センサ及びその製造方法
JP3168119B2 (ja) 静電容量式加速度センサ
JP3370810B2 (ja) 静電容量型圧力センサ
JPS63175482A (ja) 圧力センサ
JP2573872Y2 (ja) 圧力センサー
JP2572752Y2 (ja) 圧力センサー
JPH06273442A (ja) 静電容量型半導体加速度センサ及びその製造方法並びに当該静電容量型半導体加速度センサの実装構造
JPH0894468A (ja) 静電容量型圧力センサ
JPH086275Y2 (ja) 静電容量式荷重センサ
JPH09210825A (ja) 圧力センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030708

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees