JPH06287746A - 金属蒸着プラスチックフィルム - Google Patents

金属蒸着プラスチックフィルム

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JPH06287746A
JPH06287746A JP9689993A JP9689993A JPH06287746A JP H06287746 A JPH06287746 A JP H06287746A JP 9689993 A JP9689993 A JP 9689993A JP 9689993 A JP9689993 A JP 9689993A JP H06287746 A JPH06287746 A JP H06287746A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリプロピレン系樹脂をベースフィルムに使
用した金属蒸着プラスチックフィルムでありながら、蒸
着膜の接着強度が高く、金属蒸着面の輝度・光沢度に優
れ、さらに金属蒸着面の印刷性・ラミネート性にも優れ
たものを提供することを目的とする。 【構成】 ポリプロピレン系樹脂100重量部に非結晶
性エチレン−プロピレン共重合体2〜20重量部を含む
組成物を用いて得られるベースフィルムに金属を蒸着し
てなる金属蒸着プラスチックフィルム。または、ポリプ
ロピレン系樹脂100重量部に非結晶性エチレン−プロ
ピレン共重合体2〜20重量部および密度が0.930
g/cm3以上のポリエチレン系樹脂1〜10重量部を
含む組成物を用いて得られるベースフィルムに金属を蒸
着してなる金属蒸着プラスチックフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属蒸着プラスチックフ
ィルムにする。更に詳しくは、ポリプロピレン系樹脂を
ベースフィルムとした金属蒸着フィルムでありながら、
ベースフィルムと蒸着膜との接着強度が高く、金属蒸着
面の輝度・光沢度に優れ、蒸着面の印刷性や他フィルム
との接着性にも優れた金属蒸着プラスチックフィルムに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチックフィルムに真空下で
金属を蒸着させた金属蒸着プラスチックフィルムは、そ
の優れた装飾性、ガスバリヤー性、光線遮断性等が活用
され、既存の金銀糸、建築材料等の素材から食品を主な
対象とする包装材に至る広い範囲に用途が拡大されてい
る。特にアルミニウム蒸着プラスチックフィルムは包装
材用途を中心に広範囲に使用されており、包装材用の場
合、蒸着面(アルミニウム面)に印刷や、他フィルムと
ラミネート等を施して使用するケースがほとんどであ
る。ところで、ポリプロピレン系フィルム(ここでポリ
プロピレン系とは、プロピレンの単独重合体の他に、プ
ロピレンを主成分とするエチレンまたは他のα−オレフ
ィンとの共重合体をも包含している)はプラスチックフ
ィルムとしては主要なものであり多方面で使用されてい
る。そして、ポリプロピレン系フィルムに金属蒸着した
金属蒸着ポリプロピレン系フィルムとしても多量に使用
されてきている。しかしながら、金属蒸着ポリプロピレ
ン系フィルムは、ベースフィルムと蒸着膜との接着強
度、いわゆる蒸着強度が弱く、とくに蒸着金属がアルミ
ニウムの場合は蒸着面の印刷性や他フィルムとの接着性
が著しく低く、印刷やラミネート等が必要な用途には使
用できず、用途開発の上で大きな障害となっていた。ま
た、金属蒸着面に他フィルムをラミネート接着したフィ
ルムは、ベースフィルムと蒸着膜の界面または蒸着膜と
ラミネートしたフィルムとの界面のどちらか接着性の弱
い界面で剥離がおこる可能性があるので、ラミネート性
に優れるフィルムとするには両界面の接着性を強くしな
ければならない。蒸着強度の強い低密度ポリエチレン系
のプラスチックフィルムに金属蒸着したものは、フィル
ム表面が粗面化して金属蒸着面の光沢度が低く、美麗な
金属光沢感を呈する金属蒸着プラスチックフィルムを得
ることはできなかった。
【0003】ポリプロピレン系フィルムを用いた金属蒸
着プラスチックフィルムので蒸着強度の低い原因は、ポ
リプロピレン系樹脂が極性基を有していない点にある。
また、蒸着面の印刷性・ラミネート性の低い原因は、ベ
ースフィルム中に添加されている中和剤、スリップ剤、
酸化防止剤等の添加剤が蒸着面側では蒸着層を通過して
表面に滲出し、さらに、反対面側の表面に滲出した添加
剤が巻き重ねられたときに蒸着面に移行するため、蒸着
面の印刷性・ラミネート性を低下させる原因となる(特
公昭58-49574号,特開昭59-25829号参
照)。後者を具体的に説明すると、添加剤のうち中和剤
として使用される脂肪酸誘導体、特にステアリン酸カル
シウム、ステアリン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩やオ
レイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド
等の高級脂肪酸アミドは、その含有率が0.01重量%
前後の微量な場合でも、蒸着面(アルミニウム面)のぬ
れ指数を33dyn/cm以下に低下させ、蒸着面への
印刷やラミネート接着が不可能な状態となる。
【0004】従来、このような問題点を解決するために
種々の提案がなされている。例えば、蒸着強度を高める
方法としてはベースフィルム表面を物理的または化学的
に粗面化する方法、コロナ放電やガス炎や放射線照射等
によりベースフィルム表面を酸化して極性基を付与する
方法、あるいはベースフィルム表面に接着性材料をコー
トする方法等が知られている。しかしながらベースフィ
ルム表面を粗面化または酸化する方法は、いずれも単独
では蒸着強度がなお不充分であり、また接着性材料をコ
ートする方法は、コートに先立ちフィルム面を物理的ま
たは化学的に前処理しておく必要があって工程が複雑と
なり、蒸着フィルムのコストが高くなるといった欠点が
ある。また、蒸着強度と共に蒸着面の印刷性・ラミネー
ト性を改善する方法として、ポリプロピレンに無水マレ
イン酸等をグラフト重合させたグラフト化ポリプロピレ
ンをポリプロピレンに配合した混合ポリマーから得たフ
ィルムをベースフィルムとすることも知られている(特
開昭50-61469号、特公昭58-49574号参
照)。しかしながら、この場合もフィルムコストが高く
なり、さらにフィルム中に残存する未反応マレイン酸や
熱分解により生成した分解物により臭気が強く、食品包
装に使用した場合、内容物に異臭が移行するといった欠
点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記従
来技術の欠点を解消し、ポリプロピレン系樹脂をベース
フィルムに使用しても、蒸着膜の接着強度が高く、金属
蒸着面の輝度・光沢度に優れ、さらに金属蒸着面の印刷
性・ラミネート性にも優れた金属蒸着プラスチックフィ
ルムを得るべく種々検討した。その結果、ポリプロピレ
ン系樹脂に特定の非結晶性エチレン−プロピレン共重合
体を混合した組成物又は該組成物にさらに特定のポリエ
チレン系樹脂を混合した組成物から得られるプラスチッ
クフィルムをベースフィルムとした金属蒸着プラスチッ
クフィルムが上記課題を解決し得ることを見い出し、こ
の知見に基づき本発明を完成した。以上の記述から明ら
かなように、本発明の目的は蒸着膜の接着強度が高く、
金属蒸着面の輝度・光沢度に優れ、さらに金属蒸着面の
印刷性・ラミネート性にも優れた金属蒸着プラスチック
フィルムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は下記(1)〜
(4)の構成を有する。 (1) ポリプロピレン系樹脂100重量部に非結晶性
エチレン−プロピレン共重合体2〜20重量部を含む組
成物を用いて得られるベースフィルムに金属を蒸着して
なる金属蒸着プラスチックフィルム。 (2) ポリプロピレン系樹脂100重量部に非結晶性
エチレン−プロピレン共重合体2〜20重量部および密
度が0.930g/cm3以上のポリエチレン系樹脂1
〜10重量部を含む組成物を用いて得られるベースフィ
ルムに金属を蒸着してなる金属蒸着プラスチックフィル
ム。 (3) ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート
(MFR−PP)とポリエチレン系樹脂のメルトフロー
レート(MFR−PE)の比が、次式 0.5≦MFR−PE/MFR−PP の関係を満足するポリプロピレン系樹脂とポリエチレン
系樹脂を用いる(2)記載の金属蒸着プラスチックフィ
ルム。 (4) 非結晶性エチレン−プロピレン共重合体がエチ
レン含有量50重量%以上であり、ムーニー粘度がML
1+4(100℃)90以下である(1)、(2)もしく
は(3)のいずれか1項に記載の金属蒸着プラスチック
フィルム。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、ポリプロピレン系樹脂100重量部と非結晶性エチ
レン−プロピレン共重合体2〜20重量部からなる樹脂
組成物、あるいはポリプロピレン系樹脂100重量部と
非結晶性エチレン−プロピレン共重合体2〜20重量部
と特定のポリエチレン系樹脂1〜10重量部からなる樹
脂組成物から得られたプラスチックフィルムに金属が蒸
着してなる金属蒸着プラスチックフィルムである。蒸着
膜は通常片面だけであるが、用途によっては両面に形成
されていてもよい。また、上記樹脂組成物を最外層とし
て複数のフィルムが積層されたベースフィルムに金属蒸
着することにより得られる金属蒸着プラスチックフィル
ムも本発明に含まれる。本発明で用いられるポリプロピ
レン系樹脂とは、結晶性プロピレン単独重合体、プロピ
レンを主成分とするプロピレンとエチレンまたはプロピ
レンと他のα−オレフィンとの結晶性共重合体、または
それらの混合物である。ポリプロピレン系樹脂のうち、
プロピレン成分を80〜98重量%含有していて結晶融
点(Tm)が115〜150℃の範囲にある結晶性共重
合体が好ましく、そのうち、結晶性エチレン−プロピレ
ン共重合体、結晶性プロピレン−ブテン−1共重合体、
結晶性エチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体
(この場合エチレン:ブテン−1の含有比は10:1〜
1:15が好ましい)またはそれらの混合物が特に好ま
しい。エチレン−プロピレン共重合体と上記結晶性共重
合体とを混合した組成物から得られるフィルムは蒸着膜
に対する接着性に優れている上に、耐衝撃性、ヒートシ
ール性にも優れている。上記単独重合体および共重合体
は既知の重合法により製造することができる。例えば、
チーグラー・ナッタ型の触媒の存在下、それぞれのモノ
マーを重合させることによって得ることができる。ここ
で、結晶融点(以後、Tmと略記する)とは、走査型差
動熱量計を用い、窒素雰囲気中で10mgの試料を10
℃/分の昇温速度で結晶の融解にともなう吸熱量を測定
して得られる吸熱カーブのピーク温度をいう。プロピレ
ンを主成分とする結晶性共重合体の場合、コモノマー成
分のエチレンまたはα−オレフィンの含有量が増すとT
mが低下する。例えば、結晶性エチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体の場合、共重合体のランダムネスによっ
て若干変動するが、エチレン含有量が、2.5重量%を
越えると150℃以下になる。なお、重合条件を変えて
2段以上に多段階重合で共重合を行うと複数のTmを有
するポリマーが得られることもあるが、本発明では主ピ
ークの温度を結晶融点とする。
【0008】本発明に使用する非結晶性エチレン−プロ
ピレン共重合体は、エチレン含有量が50重量%以上、
JIS K 6300に基づいて測定したムーニー粘度
がML1+4(100℃)90以下のものが好ましい。非
結晶性エチレン−プロピレン共重合体は、例えば、
(a)少なくともマグネシウム、チタンおよびハロゲン
を含有する複合体、(b)周期律表第1ないし第3属金
属の有機金属化合物および(c)電子供与体の3成分か
ら形成される触媒を用いて、エチレンとプロピレンとを
ランダム共重合させることによって得られる。本発明に
使用する非結晶性エチレン−プロピレン共重合体のエチ
レン含有量は50重量%以上が好ましい、その理由は該
エチレン含有量が50重量%未満では金属蒸着フィルム
のラミネート性の改善効果が不十分になるおそれがあ
る。ムーニー粘度はML1+4(100℃)90以下が好
ましい、その理由は該ムーニー粘度がML1+4(100
℃)90を越えるとポリプロピレン系樹脂との相溶性が
悪くなり、得られた組成物を用いたフィルムにおいて透
明性が著しく悪化するおそれがある。本発明で用いられ
る非結晶性エチレン−プロピレン共重合体の配合割合
は、プロビレン系樹脂100重量部に対して2〜20重
量部である。該配合量を限定する理由は、2重量部未満
ではラミネート性の改善効果が見られず、また20重量
部を超えるとフィルム自体の粘着性が増し、製膜性が極
端に低下するからである。さらに20重量部を越える場
合はフィルムの巻き姿も劣り、均一な蒸着フィルムが得
られ難くなる。
【0009】本発明のポリプロピレン系樹脂と非結晶性
エチレン−プロピレン共重合体からなる樹脂組成物に、
特定のポリエチレン系樹脂を添加することによって、本
発明の課題である蒸着強度を向上させ、美麗な光沢感を
持たせ、さらに蒸着膜の印刷性、ラミネート性、蒸着フ
ィルムのスリップ性や耐ブロッキング性に優れたフィル
ムを形成でき、特に有効である。このポリエチレン系樹
脂は密度0.930g/cm3以上であり、配合量はプ
ロピレン系樹脂100重量部に対して1〜10重量部の
範囲である。なお、金属光沢の優れた蒸着フィルムを得
るためには、ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレー
ト(MFR−PP)とポリエチレン系樹脂のメルトフロ
ーレート(MFR−PE)の比が 0.5≦MFR−PE/MFR−PP になるように選択して用いるのが特に望ましい。ここ
で、メルトフローレートとはJIS K 7210に基
づき、ポリプロピレン系樹脂(MFR−PP)は試験条
件14(230℃、2.16kgf)、ポリエチレン系
樹脂(MFR−PE)は試験条件4(190℃、2.1
6kgf)で測定した値(単位:g/10min)をさ
す。本発明で用いるポリエチレン系樹脂の密度を0.9
30g/cm3以上に限定する理由は、密度が0.93
0g/cm3未満では、得られたフィルムのスリップ性
や耐ブロッキング性の改善効果が見られないからであ
る。本発明で用いるポリエチレン系樹脂の配合量をプロ
ピレン系樹脂100重量部に対して1〜10重量部に限
定する理由は、配合量が1重量部未満では得られたフィ
ルムのスリップ性や耐ブロッキング性の改善効果が見ら
れず、10重量部を超えると蒸着フィルムの光沢が悪化
するからである。ここでいうポリエチレン系樹脂とは、
エチレン単独重合体またはエチレンと若干量のポリプロ
ピレン、ブテン−1、ヘキセン−1との共重合体、また
はそれらの混合物であり、この中で高密度ポリエチレン
あるいは直鎖状低密度ポリエチレンが特に好ましい。
【0010】本発明で用いる樹脂組成物中には必要に応
じて酸化防止剤、無機充填剤、滑剤、ブロッキング防止
剤等を本発明の目的を損なわない範囲内で含有させるこ
とができる。脂肪酸及び脂肪酸形成基を含有する誘導体
等は、蒸着膜の接着性、蒸着面の印刷性、蒸着フィルム
のラミネート性を低下させることになる。酸化防止剤と
しては分子量が500以上のリン系およびフェノール系
のものが特に望ましい。具体的には、テトラキス−〔メ
チレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,
5−トリメチル−2,4,6,−トリス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,
3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−
2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、6−
〔4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアミノ)−
2,4−ビス−n−オクチルチオ−1,3,5−トリア
ジン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキスフェニル)イソシア
ヌレート、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)4,4’−ビフェニレン−ジフォスフォナイト等を
あげることができ、これらは単独で使用するかまたは二
種以上を併用することができる。含有量はポリプロピレ
ン系樹脂 100重量部に対し0.03〜0.30重量
部が適当である。上記酸化防止剤の含有は、組成物のフ
ィルム成形時およびフィルム使用時の安定性にきわめて
有効である。
【0011】また無機充填剤としては、炭酸カルシウ
ム、シリカ、クレー、タルク、ハイドロタルサイト、ゼ
オライト類等いずれも用いることができる。ポリプロピ
レン系樹脂に上記の添加物を添加する方法としては、こ
れが均一に分散する方法であればいずれでも良いが、リ
ボンブレンダー、ヘンシェルミキサー(商品名)等で混
合し、その混合物を押出機等で溶融混練する方法が好ま
しい。
【0012】本発明に用いられるベースフィルムは、上
記樹脂組成物から通常のT−ダイ法またはインフレーシ
ョン法で得られる。これらの一軸あるいは二軸延伸フィ
ルムは勿論、未延伸フィルムもベースフィルムとするこ
とができる。また、本発明においては、単層のプラスチ
ックフィルムの他に、片側または両側の表層として本発
明で用いられる樹脂組成物を使用し、複数のフィルムが
積層された複合フィルムをベースフィルムとすることも
できる。片側の表層にのみ本発明に用いる樹脂組成物を
使用した場合、金属の蒸着膜は本発明に用いる樹脂組成
物を使用した側に金属蒸着することになる。複合フィル
ムをベースフィルムとした金属蒸着プラスチックフィル
ムは、片面に金属蒸着した単層の金属蒸着プラスチック
フィルムの蒸着面の反対側に複数の単層フィルムを積層
した金属蒸着プラスチックフィルムと同じ構成となる。
【0013】以下、単層フィルムの場合について説明す
るが、複合フィルムの場合も同様である。前記樹脂組成
物から得られたプラスチックフィルムをそのまま金属蒸
着に供することが出来るが、窒素、酸素等の特殊ガス雰
囲気下または空気中でのコロナ放電処理、火炎処理等の
表面処理によりフィルム面のぬれ性を向上させて、さら
に接着性を向上させてから使用しても良い。長尺のプラ
スチックフィルム(通常ロール巻形態)に金属蒸着を施
す一般的な真空蒸着法は次のような方法である。ロール
巻きフィルムの繰り出し部、蒸着部、及び巻取り部を備
えた真空蒸着装置内の真空度を10-4Torr以下にし、こ
の装置内でアルミニウム等の金属を容器中またはフィラ
メント状で加熱して該金属を溶解蒸発させ、蒸着分子を
繰り出されたフィルム表面に連続的に蒸着させて巻き取
るということが一般に行われている。このような真空蒸
着装置を使用する方法はバッチ式であり、生産性を向上
させる必要から、最近では一本のベースフィルムロール
が幅2m以上、長さ1万−2万m巻の如く幅広、長尺巻
化している。従って、蒸着用のベースフィルムの高速蒸
着性や巻姿等に対する要求もよりシビアになっている。
【0014】真空蒸着法以外にも種々の蒸着法がある。
例えば、真空中で放電させたときに陰極を構成する金属
が飛散する現象を利用したスパッタリング蒸着や、イオ
ンプレーティングがある。なお、蒸着させる金属はアル
ミニウムが最も一般的であるが、金、銀、銅、ニッケ
ル、クロム、ゲルマニウム、セレン、チタン、スズ、亜
鉛等も金属蒸着することができる。金属蒸着層の厚さは
通常50〜800オングストロームの範囲であり、全
面、片面は勿論、部分的に蒸着することも可能である。
また、蒸着面に着色や保護用にトップコートすることも
できる。
【0015】
【実施例】以下、実施例、比較例により本発明を更に具
体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるも
のではない。実施例、比較例中に示す物性の測定方法お
よび評価の基準は下記の通りである。 (1)ヘイズ(Haze) ASTM D 1003により、蒸着前のフィルムを測定
した値(単位;%)をヘイズとして示す。この値が小さ
い程透明性及びフィルム外観が良い事を意味する。 (2)金属光沢:ASTM D 523により、蒸着フィ
ルムの蒸着面を感度1/20で測定した値(単位;%)
を光沢度として示す。この値が大きい程蒸着フィルム面
の外観が良い事を意味する。なお、指示角は20度で測
定し、光沢度70%以上を良とする。 (3)巻き姿:所定の長さの蒸着フィルムを連続して巻
取って得られたフィルムロールを肉眼で観察し、しわや
巻きこぶが無くフィルムを引き出した時に局部的に歪み
やくせの無いものを○(巻き姿良好)、しわや巻きこぶ
があり、フィルムを引き出した時にフィルムにしわが残
ったり、歪みやくせのあるものを×(巻き姿不良)と評
価した。
【0016】(4)ラミネート性(剥離強度):片面に
金属(アルミニウム)蒸着したフィルムの蒸着面と二軸
延伸ポリプロピレンフィルム(#20)とをドライラミ
ネート用の接着剤を用いて貼り合わせ、60℃で3日間
エージングし、接着剤が完全に乾固後、幅15mm裁断
し、界面での90度の剥離強度を引張試験機で測定し
た。金属蒸着面にフィルムをラミネート接着し、ラミネ
ートしたフィルムを剥離しようとすると、ベースフィル
ムと蒸着膜の界面または蒸着膜とラミネートしたフィル
ムとの界面のどちらか接着性の弱い界面で剥離するが、
今回の方法で測定した場合、ベースフィルムと蒸着膜の
界面で剥離したので、表中のラミネート性(剥離強度)
とは、実質的に蒸着膜の接着強度を表していることにな
る。剥離強度が200(g/15mm)以上を良とし
た。 (5)スリップ性(動摩擦係数):ASTM D 52
3に定められた方法で測定したベースフィルムのコロナ
処理面対非処理面の動摩擦係数でベースフィルムのスリ
ップ性を示した。この値が小さいほどスリップ性が良い
ことを示す。この測定により金属蒸着フィルムのスリッ
プ性も推測することができ、動摩擦係数1.00以下を
良とした。
【0017】実施例1〜7、比較例1〜3 ポリプロピレン系樹脂としてメルトフローレート(MF
R−PP)が6.0、Tmが140℃の結晶性エチレン
−プロピレン−ブテン−1三元共重合体(エチレンが
2.5重量%、ブテン−1が4.5重量%)100重量
部に、表1に記載してあるエチレン含有量、ムーニー粘
度を有する非結晶性エチレン−プロピレン共重合体を第
1表に示す配合量(重量%)で配合し、酸化防止剤とし
てテトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t
−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン0.10重量部、耐ブロッキング剤としてケ
イ酸アルミニウム0.20重量部を添加し、押出機を用
いてペレットとした。得られたペレットを口径65mm
φの押出機およびTダイを用いて溶融温度220℃で押
出し、エアーチャンバーおよび表面温度30℃の冷却ロ
ールで急冷してプラスチックフィルムとし、直ちにこの
フィルムの片面にぬれ指数が40dyn/cmとなるよ
うにコロナ放電処理を施しながら巻き取って、厚さ25
μ、幅60cmのロール状のプラスチックフィルムとし
た。このプラスチックフィルムをスリッターを用いて幅
50cmに裁断した後、これをベースフィルムとして連
続真空蒸着装置にセットし、フィルムを連続的に繰り出
しながらフィルムのコロナ処理面に5×10-5Torrの真
空下でアルミニウムを蒸着して巻き取り、蒸着膜の厚さ
が約350オングストローム(±15オングストローム
以内)の片面アルミニウム蒸着プラスチックフィルムを
長さ2,000mのロール状で得た。ベースフィルムお
よび金属蒸着フィルムの特性を第1表に示す。
【0018】実施例8〜10、比較例4〜6 実施例1においてポリプロピレン系樹脂として結晶性エ
チレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体の代わり
に結晶性エチレン−プロピレン共重合体(エチレン含有
量2.5重量%,MFR−PP 7,Tm 150℃)
を使用し、表2に記載してあるエチレン含有量、ムーニ
ー粘度を有する非結晶性エチレン−プロピレン共重合体
を第2表に示す配合量(重量%)で配合したこと以外は
実施例1と同様にして、片面にアルミニウムを蒸着した
ロール状の金属蒸着プラスチックフィルムを得た。ベー
スフィルム、金属蒸着フィルムの特性を第2表に示す。
【0019】実施例11〜12、比較例7〜9 実施例1においてポリプロピレン系樹脂として結晶性エ
チレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体の代わり
に、プロピレンの結晶性単独重合体(MFR−PP
8,Tm162℃)を使用し、表3に記載してあるエチ
レン含有量、ムーニー粘度を有する非結晶性エチレン−
プロピレン共重合体を第3表に示す配合量(重量%)で
配合したこと以外は実施例1と同様にして、片面にアル
ミニウムを蒸着したロール状の金属蒸着プラスチックフ
ィルムを得た。ベースフィルム、金属蒸着フィルムの特
性を第3表に示す。第1〜3表から明らかなように、本
発明で規定する樹脂組成物から得られたベースフィルム
および金属蒸着フィルムはいずれの特性も優れている
が、比較例のフィルムはいずれかの特性が大幅に劣って
いることがわかる。
【0020】実施例13〜19、比較例10〜14 ポリプロピレン系樹脂としてメルトフローレート(MF
R−PP)が6.0、Tmが140℃の結晶性エチレン
−プロピレン−ブテン−1三元共重合体(エチレンが
2.5重量%、ブテン−1が4.5重量%)100重量
部に、酸化防止剤としてテトラキス−〔メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニルプロピオネート〕メタン0.10重量部、耐ブロッ
キング剤としてケイ酸アルミニウム0.02重量部を添
加し、押出機を用いてペレットとした。このペレット状
のポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、エチレン
含有量が80重量%であり、表4に記載してあるムーニ
ー粘度を有する非結晶性エチレン−プロピレン共重合体
を第4表に示す配合量(重量%)で配合し、さらにポリ
エチレン系樹脂として第4表に記載されているMFR−
PE(g/10min)、密度(g/10min)を有
するエチレン−プロピレン共重合体(プロピレン含有量
0.3重量%)を第4表に記載の配合量(重量%)で配
合し、ブレンダーにてドライブレンドした。得られた組
成物を口径65mmφの押出機及びTダイを用いて溶融
温度220℃で押出し、エアーチャンバーおよび表面温
度30℃の冷却ロールで急冷してプラスチックフィルム
とした。直ちにこのフィルムの片面にぬれ指数が40d
yn/cmになるようにコロナ放電処理を施しながら巻
き取って、厚さ25μ、幅60cmのロール状のプラス
チックフィルムとした。このプラスチックフィルムをス
リッターを用いて幅50cmに裁断した後、これをベー
スフィルムとして連続真空蒸着装置にセットし、フィル
ムを連続的に繰り出しながらフィルムのコロナ処理面に
5×10-5Torrの真空下でアルミニウムを蒸着して
巻き取り、蒸着膜の厚さが約350オングストローム
(±15オングストローム以内)である片面にアルミニ
ウムを蒸着した金属蒸着プラスチックフィルムを長さ2
000mのロール状で得た。ベースフィルム、金属蒸着
フィルムの特性を第4表および第5表に示す。表5から
明らかなように、ポリエチレン系樹脂および非結晶性エ
チレン−プロピレン共重合体が添加された組成物からな
る蒸着フィルムは、いずれの特性についても優れている
が、比較例の蒸着フィルムは、いずれかの特性が大幅に
劣り、好ましくないことがわかる。実施例で得られた金
属蒸着プラスチックフィルムの金属蒸着面の印刷性につ
いては、全てについて良好であり問題なかった。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【発明の効果】本発明に係る金属蒸着プラスチックフィ
ルムは、そのベースフィルムとしてポリプロピレン系樹
脂を主とするプラスチックフィルムを使用したものであ
りながら、非結晶性エチレン−プロピレン共重合体、あ
るいは非結晶性エチレン−プロピレン共重合体とポリエ
チレン系樹脂を特定量配合することにより、ベースフィ
ルムと蒸着膜との接着強度が強く、蒸着面は美麗な金属
光沢感を有し、蒸着面の印刷性とラミネート性が共に極
めて優れている金属蒸着プラスチックフィルムを得るこ
とができる。これにより、包装、装飾等の用途に好適に
使用することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂100重量部に非
    結晶性エチレン−プロピレン共重合体2〜20重量部を
    含む組成物を用いて得られるベースフィルムに金属を蒸
    着してなる金属蒸着プラスチックフィルム。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系樹脂100重量部に非
    結晶性エチレン−プロピレン共重合体2〜20重量部お
    よび密度が0.930g/cm3以上のポリエチレン系
    樹脂1〜10重量部を含む組成物を用いて得られるベー
    スフィルムに金属を蒸着してなる金属蒸着プラスチック
    フィルム。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレ
    ート(MFR−PP)とポリエチレン系樹脂のメルトフ
    ローレート(MFR−PE)の比が、次式 0.5≦MFR−PE/MFR−PP の関係を満足するポリプロピレン系樹脂とポリエチレン
    系樹脂を用いる請求項2記載の金属蒸着プラスチックフ
    ィルム。
  4. 【請求項4】 非結晶性エチレン−プロピレン共重合体
    がエチレン含有量50重量%以上であり、ムーニー粘度
    がML1+4(100℃)90以下である請求項1、請求
    項2もしくは請求項3のいずれか1項記載の金属蒸着プ
    ラスチックフィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051294A (ja) * 1996-06-18 2007-03-01 Basell North America Inc 耐脆化性ポリオレフィン組成物及びそれから製造される可撓性製品
JP2014034637A (ja) * 2012-08-09 2014-02-24 Sumitomo Chemical Co Ltd 蒸着フィルム用ポリオレフィン系樹脂組成物およびそれからなる蒸着用ポリオレフィンフィルム

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JP2007051294A (ja) * 1996-06-18 2007-03-01 Basell North America Inc 耐脆化性ポリオレフィン組成物及びそれから製造される可撓性製品
JP2014034637A (ja) * 2012-08-09 2014-02-24 Sumitomo Chemical Co Ltd 蒸着フィルム用ポリオレフィン系樹脂組成物およびそれからなる蒸着用ポリオレフィンフィルム

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