JPH06287584A - 流体継手用組成物 - Google Patents

流体継手用組成物

Info

Publication number
JPH06287584A
JPH06287584A JP7428393A JP7428393A JPH06287584A JP H06287584 A JPH06287584 A JP H06287584A JP 7428393 A JP7428393 A JP 7428393A JP 7428393 A JP7428393 A JP 7428393A JP H06287584 A JPH06287584 A JP H06287584A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
composition
viscosity
polyorganosiloxane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7428393A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Ooenoki
等 大榎
Toshiaki Kuribayashi
利明 栗林
Tomohiro Kato
智浩 加藤
Taisei Ueda
大成 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Corp filed Critical Tonen Corp
Priority to JP7428393A priority Critical patent/JPH06287584A/ja
Publication of JPH06287584A publication Critical patent/JPH06287584A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 粘度(25℃)が50〜500,000mm
2 /sのポリオルガノシロキサンに、下式I及びIIの
化合物の少なくとも1種を0.1〜5.0重量%配合し
た流体継手用組成物。 式I 【化1】 式II 【化2】 [式中I,II中、R1 ,R2 ,R4 ,R5 ,R6 ,R
7 ,R9 ,R10は、水素及び炭素数が1〜20の一価の
炭化水素基の中から選択され、同一でも異なってもよ
い。R3 又はR8 は炭素数が1〜6の二価の炭化水素基
から選択される] 【効果】 基油であるポリオルガノシロキサンの劣化が
今まで以上に防止され、公知類似組成物より、特にトル
ク変化及び粘度変化がいっそう少なくでき、さらにはハ
ンプ特性を向上することができ、耐久性が顕著に向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性のある流体継手
用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】流体継手には、ビスカスカップリングや
ファンクラッチ(ファンカップリング)等があり、ビス
カスカップリングは駆動軸側に移動可能なように配列さ
れた複数枚のインナープレートと、スペーサーによって
一定間隔を保つように被駆動側に固定された複数枚のア
ウタープレートを交互に組み合わせてハウジング内に収
容し、これにトルク伝達用の粘性流体を充填して構成し
たものであり、駆動軸側と被駆動軸側の回転数差によ
り、前記プレート群に剪断力、即ち剪断トルクを発生さ
せて被駆動軸にトルクを伝達させるものである。
【0003】又、ファンカップリング型クラッチは、ポ
ンプシャフトの先端に取りつけられ、ポンプシャフト側
のディスク表面の溝とファン側のホイール表面の溝とが
噛み合った状態で、両者の間に所謂ラビリンスが形成さ
れ、ディスクはボディーの中でポリオルガノシロキサン
油に浸りながら回転する構造を有し、ポンプの回転に伴
ってディスクが回転し、ポリオルガノシロキサン油の特
性によりホイール側に回転動力を伝えてファンを回転さ
せるものであり、ラジエタの冷却に使用されるファンの
回転をある一定以上の速度に上昇させずに最高回転を制
限することができるものである。
【0004】近年、油圧系統作動油、流体継手用の作動
流体としてジメチルポリシロキサン、フェニル基含有の
メチルフェニルポリシロキサンなどの一般に高い粘度指
数(VI)をもつポリオルガノシロキサン油が使用され
ているが、高温度下という厳しい使用条件のもとでは、
長期にわたり安定的にトルク伝達能を維持することがま
だ不十分である。これは、高温下におけるポリオルガノ
シロキサン油の安定性が低いことに起因している。その
ためポリオルガノシロキサン油を主成分とした流体継手
用組成物において、その安定性を改善することが急務と
なっている。
【0005】従来より、ポリオルガノシロキサンの耐久
性を向上させるために、各種添加剤の配合が検討されて
いる。例えば、特開昭64-65195号には、ポリオルガノシ
ロキサンにジアルキルジチオカルバミン酸金属塩を配合
したもの、また特開平3-269093 号には、ポリオルガノ
シロキサンに金属不活性化剤0.01〜1.0 重量%を配合し
たものの開示がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、公知の組成物
では、ゲル化防止性能、粘度安定性に優れる耐久性の高
い流体継手用組成物としては、まだ不十分であった。
【0007】本発明者等は、さらに耐久性を向上させる
流体継手用組成物を幾つか開発研究してきた。
【0008】しかし、特に、トルク変化を少なくする
点、また粘度変化を少なくする点、さらにはハンプ特性
を向上する点について、未だに改善の余地が残されてい
る。
【0009】本発明は、耐熱分解性やゲル化防止性能に
優れ、またいっそうトルク変化及び粘度変化が少なく、
ハンプ特性が良く、安定で極めて耐久性の高い流体継手
用組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、25℃におけ
る粘度が50〜500,000mm2 /sのポリオルガ
ノシロキサンに、下式I及び下式IIの化合物の少なく
とも1種を0.1〜5.0重量%配合した流体継手用組
成物である。
【0011】式I
【0012】
【化3】
【0013】[式中、R1 ,R2 ,R4 ,R5 は、水素
及び炭素数が1〜20の一価の炭化水素基の中から選択
され、同一でも異なってもよい。R3 は炭素数が1〜6
の二価の炭化水素基から選択される] 式II
【0014】
【化4】
【0015】[式中、R6 ,R7 ,R9 ,R10は、水素
及び炭素数が1〜20の一価の炭化水素基の中から選択
され、同一でも異なってもよい。R8 は炭素数が1〜6
の二価の炭化水素基から選択される]本発明では、上記
特定の化学式I及び化学式IIを有するジチオカルバメ
ートを使用することにより、基油としてのポリオルガノ
シロキサンの劣化を防止し、特にトルク変化及び粘度変
化がいっそう少なくでき、耐久性がより向上する。
【0016】ジチオカルバメートとしては、下記式III
のジブチルチオカルバミン酸亜鉛のように中心に金属原
子を有するものが広く知られているが、これと違い、R
3が炭化水素基である、本発明で添加されたジチオカル
バメートは、特にトルク変化及び粘度変化を少なくする
点及びハンプ特性を良くする点において顕著な効果を示
す。この点が、本発明の極めて重要な特長である。
【0017】式 III
【0018】
【化5】
【0019】前記式I及び式II中、互いに同じても異
なってもよいR1 ,R2 ,R4 ,R5 R6 ,R7 ,R9
,R10は、水素または炭素数1〜20の一価の炭化水
素基であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i
so−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、
t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、およびオ
クタデシル基のようなアルキル基、フェニル基、ナフチ
ル基のようなアリール基、ベンジル基、1−フェニルエ
チル基、2−フェニルエチル基のようなアラルキル基、
o−,m−,p−ジフェニル基のようなアルアリール
基、o−,m−,p−クロルフェニル基、o−,m−,
p−ブロムフェニル基、3,3,3−トリフルオロプロ
ピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオル−2
−プロピル基のようなハロゲン化炭化水素基である。
【0020】特にアルキル基が好ましく、中でも炭素数
1〜8のアルキル基、特に炭素数3〜4のアルキル基が
好ましい。
【0021】式I及び式II中のR3 ,R8 の二価の炭
化水素基としては、炭素数1〜6の2価の炭化水素基、
好ましくは直鎖または分岐状のアルキル基、アリール
基、ベンジル基、アルアリール基、ハロゲン化炭化水素
基を示す。特にアルキル基が好ましく、中でも、メチレ
ン基が好ましい。
【0022】式I及び式IIの化合物の配合量は、ポリ
オルガノシロキサンに対し、0.1〜5.0重量%(両
者の合計が基準)とする。0.1重量%以下であると、
添加の効果が発現されず、5.0重量%を超える場合に
は、それ以上添加してもトルク変化及び粘度変化の改
善、耐久性の向上が見られない。これらの点を考える
と、配合量は、1.0〜4.0重量%が好ましい。特
に、1.0〜3.0重量%が好ましい。
【0023】次に、本発明の組成物の基油について説明
する。それは、25℃における粘度が50〜500,0
00mm2 /sのポリオルガノシロキサンである。代表
的には、
【0024】
【化6】
【0025】[式中、各Rは互いに同じでも異なっても
よく、1〜18の炭素原子を有する、場合によりハロゲ
ン化された炭化水素基を示し、nは1〜3000(特に
好ましくは40〜1500)の整数である]で示される
ものである。
【0026】Rとしては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、及び
オクタデシル基のようなアルキル基;フェニル基、ナフ
チル基のようなアリール基;ベンジル基、1−フェニル
エチル基、2−フェニルエチル基のようなアラルキル
基;o−、m−、p−ジフェニル基のようなアルアリー
ル基;o−、m−、p−クロルフェニル基、o−、m
−、p−ブロムフェニル基、3,3,3−トリフルオル
プロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオル
−2−プロピル基、ヘプタフルオルイソプロピル基及び
ヘプタフルオロ−n−プロピル基のようなハロゲン化炭
化水素基である。特に基Rとしては脂肪族不飽和基を除
く1〜8の炭素原子を有する弗素化炭化水素基、またメ
チル基、フェニル基が有利である。また、メチルポリシ
ロキサンとフェニルポリシロキサンの混合物を使用して
もよい。
【0027】本発明の流体継手用組成物には、より品質
を高めるために各種の添加剤を配合できる。その例とし
ては、腐食防止剤、摩耗防止剤、酸化防止剤である。
【0028】腐食防止剤としては、イソステアレート、
n−オクタデシルアンモニウムステアレート、デュオミ
ンT・ジオレート、ナフテン酸鉛、ソルビタンオレー
ト、ペンタエリスルット・オレート、オレイルザルコシ
ン、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、及びこれ
らの誘導体等があり、その使用割合はポリオルガノシロ
キサンに対して0.001〜1.0重量%、好ましくは
0.01〜0.5重量%使用するとよい。添加量が1.
0重量%を越えると沈澱発生が多く問題があり、0.0
01重量%未満であるとその添加効果がない。
【0029】燐系摩耗防止剤としては、一般式(1)〜
(6)として以下の構造のものか挙げられ、そのうち少
なくとも一種を含む化合物が有効である。
【0030】
【化7】
【0031】(式中、R1 〜R4 は水素、又は炭素数1
〜20の1価の炭化水素基、該炭化水素基として好まし
くは直鎖又は分岐状のアルキル基、アリール基、アラル
キル基、アルアリール基、ハロゲン化炭化水素基を示
し、R5 〜R7 は炭素数1〜6の2価の炭化水素基、好
ましくは直鎖又は分岐状のアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、アルアリール基、ハロゲン化炭化水素基を
示し、X1 〜X4 及びYは酸素原子又は硫黄原子であっ
て同一でも異なっていてもよいが、R1 〜R4 はYを介
さないで直接燐原子に結合していてもよく、nは0〜2
の整数を表わすが、nが0の場合にはX2 、X3 は共に
硫黄原子を表わす。)で示されるビス燐酸エステル系、
ビスチオ燐酸エステル系、又はビスジチオリン酸エステ
ル系摩耗防止剤も有効であり、中でも、炭素数1〜10
のものが金属への表面吸着性、オルガノポリシロキサン
への溶解性の観点から好ましい。
【0032】ビス燐酸エステルは一般式(1)おけるX
1 、X2 、X3 、X4 が全て酸素原子の場合であり、ビ
スチオ燐酸エステル系はX1 、X2 、X3 、X4 の4個
のうち、1〜3個が酸素原子で残りが硫黄原子の場合、
ビスジチオリン酸エステル系はX1 、X2 、X3 、X4
が全て硫黄原子の場合である。
【0033】又、ビス燐酸エステル系、ビスチオ燐酸エ
ステル系、又はビスジチオリン酸エステル系摩耗防止剤
としては、下記に示す一般式(2)、(3)、(4)に
示されるものも同様に有効である。
【0034】
【化8】
【0035】(式中R1 〜R7 、X1 〜X4 、Y及びn
は一般式(1)と同一内容を示す。)
【0036】
【化9】
【0037】(式中、R1 〜R4 は水素、又は炭素数1
〜20の1価の炭化水素基、該炭化水素基として好まし
くは直鎖又は分岐状のアルキル基、アリール基、アラル
キル基、アルアリール基、ハロゲン化炭化水素基を示
し、R5 、R6 は炭素数1〜6の2価の炭化水素基、好
ましくは直鎖又は分岐状のアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、アルアリール基、ハロゲン化炭化水素基を
示し、X1 〜X4 及びYは酸素原子又は硫黄原子であっ
て同一でも異なっていてもよいが、R1 〜R4 はYを介
さないで直接燐原子に結合していてもよく、nは0〜2
の整数を表わす。)
【0038】
【化10】
【0039】(式中、R1 、R2 は水素、炭素数1〜2
0の1価の炭化水素基、R8 は炭素数1〜20の少なく
とも1つのエステル結合を有する炭化水素基、X1 、X
2 及びYは酸素原子又は硫黄原子であって同一でも異な
っていてもよい。)尚、一般式(1)〜(4)のR1
4 については、耐熱性の観点からフェニル基、アルキ
ル化フェニル基が挙げられる。
【0040】又、一般式(5) (R−Y)3 −P=Xa (式中X、Yは硫黄原子又は酸素原子、aは0又は1、
Rは水素、又は炭素数1〜20の炭化水素基、炭化水素
基として好ましくは直鎖又は分岐状のアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基、アルアリール基、ハロゲン化炭
化水素基を示し、同一でも異なっていてもよい。)で示
される化合物も有効である。
【0041】一般式(5)で示される化合物の具体例と
しては、
【0042】
【化11】
【0043】が挙げられ、以下に具体的化合物を示す。
【0044】上記構造式(1)で示される化合物として
は、トリアリールフォスフェート等があり、例えばベン
ジルジフェニルフォスフェート、アリルジフェニルフォ
スフェート、トリフェニルフォスフェート、トリクレジ
ルフォスフェート、エチルジフェニルフォスフェート、
トリブチルフォスフェート、ジブチルフォスフェート、
クレジルジフェニルフォスフェート、ジクレジルフェニ
ルフォスフェート、エチルフェニルジフェニルフォスフ
ェート、ジエチルフェニルフェニルフォスフェート、プ
ロピルフェニルジフェニルフォスフェート、ジプロピル
フェニルフェニルフォスフェート、トリエチルフェニル
フォスフェート、トリプロピルフェニルフォスフェー
ト、ブチルフェニルジフェニルフォスフェート、ジブチ
ルフェニルフェニルフォスフェート、トリブチルフェニ
ルフォスフェート、プロピルフェニルフェニルフォスフ
ェート混合物、ブチルフェニルフェニルフォスフェート
混合物等のリン酸エステル、またラウリルアシッドフォ
スフェート、ステアリルアシッドフォスフェート、ジ−
2−エチルヘキシルフォスフェート等の酸性燐酸エステ
ルがある。
【0045】構造式(2)で示される化合物としては、
トリアリールフォスフォロチオネート等があり、例えば
トリフェニルフォスフォロチオネート、アルキルジアリ
ールフォスフォロチオネート等がある。
【0046】構造式(5)で示される化合物としては、
トリイソプロピル亜燐酸エステル、ジイソプロピル亜燐
酸エステル等がある。
【0047】構造式(6)で示される化合物としては、
トリラウリルチオフォスファイト等がある。
【0048】この中で、トリアリールフォスフェート、
又はトリアリールフォスフォロチオネートの構造を有す
る化合物が熱安定性の面での作用効果が顕著である。
【0049】又、一般式(6) R3 −Yb −P=Xa (式中X、Yは硫黄原子又は酸素原子、aは0又は1、
bは0〜2の整数、Rは水素、又は炭素数1〜20の炭
化水素基、炭化水素基として好ましくは直鎖又は分岐状
のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルアリー
ル基、ハロゲン化炭化水素基を示し、同一でも異なって
いてもよい。)で示される化合物も有効である。
【0050】一般式(6)で示される化合物の具体例と
しては、
【0051】
【化12】
【0052】
【化13】
【0053】が挙げられ、以下、具体的化合物を示す。
【0054】上記構造式(1)で示される化合物として
は、ジ−n−ブチルヘキシルフォスフォネート等があ
る。
【0055】構造式(2)で示される化合物としては、
n−ブチル−n−ジオクチルフォスフィネート等があ
る。
【0056】その他に、
【0057】
【化14】
【0058】が挙げられ、具体的には次のものが挙げら
れる。
【0059】構造式(1)で示される化合物としては、
ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド等がある。
【0060】構造式(2)で示される化合物としては、
ジブチルフォスフォロアミデート等がある。
【0061】また硫黄系摩耗防止剤としては、ジフェニ
ルスルフィド、ジフェニルジスルフィド、ジn−ブチル
スルフィド、ジ−n−ブチルジスルフィド、ジ−tert−
ドデシルジスルフィド、ジ−tert−ドデシルトリスルフ
ィド等のスルフィド類、スルファライズドスパームオイ
ル、スルファライズドジペンテン等の硫化油脂類、キサ
ンチックジサルファイド等のチオカーボネート類、又、
チオ燐酸亜鉛系摩耗防止剤としては、一級アルキルチオ
燐酸亜鉛、二級アルキルチオ硫酸亜鉛、アルキル−アリ
ールチオ燐酸亜鉛、アリルチオ燐酸亜鉛等のチオ燐酸亜
鉛等を使用することができる。
【0062】これらの摩耗防止剤の使用割合は、ポリオ
ルガノシロキサンに対して0.01重量%〜5重量%、
好ましくは0.1重量%〜3重量%使用するとよい。
【0063】これら摩耗防止剤は単独で使用してもよい
が、二種以上組み合わせて(即ち、燐系同士の組合せ、
硫黄系同士の組合せ、チオ燐酸亜鉛系同士の組合せ、更
には燐系と硫黄系のような他系との組合せ)使用するこ
とによりその相乗効果として粘度変化、トルク変化、摩
耗粉量を低くすることができる。これら混合系摩耗防止
剤の使用割合は、オルガノポリシロキサンに対して0.
01重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜3重
量%使用するとよい。
【0064】本発明の流体継手用組成物に添加され得る
酸化防止剤について説明する。
【0065】酸化防止剤は、ジオクチルジフェニルアミ
ン、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルジフェニ
ルアミン、N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチア
ジン、N,N′−ジナフチル−p−フェニレンジアミ
ン、アクリジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチ
ルフェノチアジン、ジピリジルアミン、ジフェニルアミ
ン、フェノールアミン、2,6−ジ−t−ブチル−α−
ジメチルアミノパラクレゾール等のアミン系酸化防止
剤;2,6−ジ−t−ブチルパラクレゾール、4,4′
−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等のフェノー
ル系酸化防止剤;鉄オクトエート、フェロセン、鉄ナフ
トエート等の有機鉄塩;セリウムナフトエート、セリウ
ムトルエート等の有機セリウム塩;ジルコニウムオクト
エート等の有機ジルコニウム塩等の有機金属化合物系酸
化防止剤が挙げられる。また上記の酸化防止剤は単独で
使用してもよいが、二種以上組み合せて使用することに
より相乗効果を奏するようにして使用することもでき
る。
【0066】酸化防止剤の使用割合は、オルガノポリシ
ロキサンに対して0.001〜5重量%、好ましくは
0.01〜2重量%を使用するとよい。
【0067】
【発明の効果】本発明の流体継手用組成物は、R3 又は
R8 が金属でなく炭化水素基である特定の化学式I及び
IIを有するジチオカルバメートが使用され、これによ
り、基油であるポリオルガノシロキサンの劣化が今まで
以上に防止され、公知類似組成物より、特にトルク変化
及び粘度変化がいっそう少なくでき、また、ハンプ特性
を向上することができ耐久性が顕著に向上する。
【0068】
【実施例】
実施例1〜4/比較例1〜4 ジメチルシリコーン(粘度5500mm2 /s,25
℃)に、酸化防止剤としてジフェニルアミンを1.0重
量%添加し、さらに下記IAのジチオカルバメート
(R.T.Vanderbilt Company,I
nc.製Vanlube 7723)を下記添加割合で
添加して調整したビスカップリング用組成物を25℃、
85重量%の充填率で、100枚の円板を有するビスカ
ップリング中に充填した。
【0069】ビスカップリングは、回転数差50rpm
で130℃に高温保持された浴中に保持し、50および
150時間運転した。
【0070】経過後、粘度変化とトルク変化を測定した
結果を下表に示す。尚、下表において前記III 式のジチ
オカルバミン酸亜鉛を使用した例を比較例1として示
す。さらに、ジチオカルバメート化合物を添加しない場
合を比較例2に示した。また、カルバメート化合物の代
りにベンゾトリアゾールを添加した場合を比較例3、比
較例4に示した。
【0071】
【表1】
【0072】*50時間以前にトルク急増加によりスト
ップ **150時間以前にトルク急増加によりストップ これによると本発明の流体継手用組成物はトルク変化、
粘度変化を抑制し、優れた組成物であることがわかる。
特に、カルバメート化合物が1.0重量%を超える添加
量のときに優れている。
【0073】式IA メチレンビスジブチルジチオカルバメート
【0074】
【化15】
【0075】実施例5〜8/比較例5〜6 ジメチルシリコーン(粘度200000mm2 /s,2
5℃)に、酸化防止剤としてジフェニルアミンを0.5
重量%添加し、さらに摩耗防止剤としてジチオリン酸エ
ステル、前記IA式のメチレンビス(ジブチルジチオカ
ルバメート)を下記添加割合で添加して調整したビスカ
ップリング用組成物を25℃、85容量の充填率で、1
00枚の円板を有するビスカスカップリング中に充填し
た。
【0076】ビスカスカップリングは、回転数差25r
pmで100℃に恒温保持された浴中に保持し、150
および300時間運転した。
【0077】経過後、粘度変化とトルク変化を測定した
結果を下表に示す。尚、下表において式III のZnがP
bに代わったジアミルジチオカルバミン酸鉛を使用した
例を比較例5、6として示す。
【0078】
【表2】
【0079】*300時間以前にトルク急増加によりス
トップ これによると本発明の流体継手用組成物はトルク変化、
粘度変化を抑制し、優れた組成物である。特に、カルバ
メート化合物が1.0重量%を越える添加量の時に優れ
ている。
【0080】実施例9〜12/比較例7〜8 また、上記実施例1〜4及び比較例1、3において、酸
化防止剤を配合しないで、流体継手用組成物を調製し、
粘度変化、トルク変化を測定した結果を表3に示す。
【0081】
【表3】
【0082】*150時間以前にトルク急増によりスト
ップ 実施例13〜16/比較例9〜10 ジメチルシリコーン(粘度1000mm2 /s,25
℃)に、酸化防止剤としてジフェニルアミンを1.0重
量%添加し、さらにチオリン酸エステル、式IIAのジ
チオカルバメート(R.T.Vanderbilt C
ompany Inc.製 Vanlube 732)
を下記添加割合で添加して調整したビスカップリング用
組成物を25℃、85容量の充填率で、100枚の円板
を有するビスカップリング中に充填した。
【0083】ビスカップリングは、回転数差25rpm
で130℃に恒温保持された浴中に保持し、100およ
び200時間運転した。
【0084】経過後、粘度変化とトルク変化を測定した
結果を下表に示す。尚、下表においてIII 式のジチオカ
ルバミン酸亜鉛を使用した例を比較例9として示す。ま
た、カルバメート化合物の代わりにベンゾトリアゾール
を添加した場合を比較例10に示す。
【0085】式IIA
【0086】
【化16】
【0087】
【表4】
【0088】*200時間以前にトルク急増加によりス
トップ これによると本発明の流体継手用組成物はトルク変化、
粘度変化を抑制し、優れた組成物である。特に、カルバ
メート化合物が1.0重量%を越える添加量の時に優れ
ている。
【0089】実施例17〜21/比較例11〜14 ジメチルシリコーン(粘度10000mm2 /s,25
℃)に、酸化防止剤としてジフェニルアミンを1.0重
量%添加し、さらに摩耗防止剤としてビスジチオリン酸
エステル、式IAのジチオカルバメート(R.T.Va
nderbilt Company Inc.製 Va
nlube 732)を下記添加割合で添加して調整し
たビスカスカップリング用組成物を25℃、85容量%
の充填率で、100枚の円板を有するビスカスカップリ
ング中に充填した。
【0090】ビスカスカップリングは、100℃の恒温
槽中で回転数差120rpmの入力回転数を与え、入力
トルクが500Nmに到達した時点で、一旦回転数を0
rpmとし、20分間放置した後、再度及び操作を繰り
返した。繰り返しは50サイクル行った。実験の前後で
の粘度変化と実験後の油中の鉄含有量の測定結果を下表
に示す。尚、下表においてIII 式のジチオカルバミン酸
亜鉛を使用した例を比較例11、12として示す。ま
た、カルバメート化合物の代わりにベンゾトリアゾール
を添加した場合を比較例13、比較例14に示した。
【0091】
【表5】
【0092】*50サイクル以前にハンプが起こらなく
なったため中止した。
【0093】これによると本発明の流体継手用組成物は
粘度変化を抑制し、また、プレート摩耗によりフルード
に混入する鉄量も少ない。これは、流体継手用組成物
(ビスカスカップリング用流体)としての重要な項目で
あるハンプ特性が良好なことを示している。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:02 30:06 40:04 (72)発明者 上田 大成 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 25℃における粘度が50〜500,0
    00mm2 /sのポリオルガノシロキサンに、下式I及
    び下式IIの化合物の少なくとも1種を0.1〜5.0
    重量%配合した流体継手用組成物。 式I 【化1】 [式中、R1 ,R2 ,R4 ,R5 は、水素及び炭素数が
    1〜20の一価の炭化水素基の中から選択され、同一で
    も異なってもよい。R3 は炭素数が1〜6の二価の炭化
    水素基から選択される] 式II 【化2】 [式中、R6 ,R7 ,R9 ,R10は、水素及び炭素数が
    1〜20の一価の炭化水素基の中から選択され、同一で
    も異なってもよい。R8 は炭素数が1〜6の二価の炭化
    水素基から選択される]
JP7428393A 1993-03-31 1993-03-31 流体継手用組成物 Pending JPH06287584A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7428393A JPH06287584A (ja) 1993-03-31 1993-03-31 流体継手用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7428393A JPH06287584A (ja) 1993-03-31 1993-03-31 流体継手用組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06287584A true JPH06287584A (ja) 1994-10-11

Family

ID=13542644

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7428393A Pending JPH06287584A (ja) 1993-03-31 1993-03-31 流体継手用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06287584A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010065198A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑油添加剤、潤滑油組成物及び低摩擦摺動部材

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010065198A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑油添加剤、潤滑油組成物及び低摩擦摺動部材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10183162A (ja) シリコーンゴム製ブーツを有する等速ジョイント用グリース組成物
EP0636682B1 (en) Fluid composition for fluid coupling
EP0465156B1 (en) A hydraulic, lubricating and coupling composition comprising an organopolysiloxane and a phosphorus-containing anti-wear additive
EP0462777B1 (en) A hydraulic, lubricating and coupling composition
EP0719853B1 (en) Fluid composition for use in fluid coupling
JPH06287584A (ja) 流体継手用組成物
EP0397507B1 (en) Silicone fluids for viscous couplings
JPH0450297A (ja) 流体継手用組成物
US5332515A (en) Fluid for viscous coupling
JP2999844B2 (ja) 作動・潤滑・流体継手用組成物
JP3069240B2 (ja) 流体継手用流体組成物
JP2930375B2 (ja) 流体継手用組成物
JP2930352B2 (ja) ビスカスカップリング用流体
JP2579806B2 (ja) ビスカスカップリング用流体組成物
JP3040618B2 (ja) 新規ビスカスカップリング用流体組成物
JP2004123938A (ja) 疎水性シリカを含有する潤滑油組成物
JP3370233B2 (ja) 流体継手用流体組成物
JP2987174B2 (ja) 流体継手用組成物
JPH0790289A (ja) 流体継手用流体組成物
JPH0873879A (ja) 流体継手用流体組成物
JPH08183984A (ja) 流体継手用流体組成物
JP2919908B2 (ja) ビスカスカップリング用流体
JPH1121443A (ja) オルガノポリシロキサン系流体組成物
JP2919920B2 (ja) 流体継手用組成物
JPH0450296A (ja) 流体継手用組成物