JP2919908B2 - ビスカスカップリング用流体 - Google Patents

ビスカスカップリング用流体

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐久性のあるビスカスカップリング用流体
に関する。
〔従来の技術〕
近年、ジメチルポリシロキサン、フェニル基含有のメ
チルフェニルポリシロキサンなどのオルガノポリシロキ
サン油は、油圧系統作動油、流体継手(ビスカスカップ
リング(VC)ともいう)用の作動流体などとして使用さ
れ、その使用条件もますます苛酷なものとなっている。
流体継手(VC)とは、駆動軸側に移動可能なように配
列された複数枚のインナープレートと、スペーサーによ
って一定間隔を保つように被駆動側に固定された複数枚
のアウタープレートを交互に組み合わせてハウジング内
に収容し、これにトルク伝達用の粘性流体であるジメチ
ルポリシロキサン油を充填して構成したものである。こ
のような構成のもとに駆動軸側と被駆動軸側の回転数差
により、前記プレート群に剪断力、即ち剪断トルクを発
生させ、被駆動軸にトルクを伝達させようとするもので
ある。
この種の流体継手(VC)には、一般に高い粘度指数
(VI)をもつジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコ
ーン油ともいう)が使用されているが、高温度下という
厳しい使用条件のもとで長期にわたり安定的にトルク伝
達能を維持することは困難である。これは、特に高温下
におけるジメチルシリコーン油の耐熱安定性が低いこと
に起因しているものである。従って、前記した流体継手
(VC)という応用面に限らず、ますます使用条件が苛酷
なものとなっており、ジメチルシリコーンを主成分とし
たシリコーン油において、その耐熱安定性を改善するこ
とは急務となっている。
この酸化及びゲル化作用を防止するために、オルガノ
ポリシロキサン油に対して例えば鉄オクタノエート、フ
ェニルアミン系誘導体、フエロセン誘導体等の酸化防止
剤が添加されてきた。
しかしながらこれらの酸化防止剤を添加すると、高熱
下での一定のゲル化防止効果を得られるが、現実のビス
カスカップリングにおいて連続使用していると粘度が増
大するという問題が現実に生じている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、熱分解、又ゲル化を防止するのに優れ、安
定性のあるビスカスカップリング用流体の提供を課題と
する。
〔課題を解決するための手段〕
そのため、本発明のビスカスカップリング用流体は、
オルガノポリシロキサンを基油とするビスカスカップリ
ング用流体に、燐系摩耗防止剤を添加することを特徴と
する。
すなわち、本発明によれば、オルガノポリシロキサン
を基油とするビスカスカップリング用流体において、次
に示す(A)〜(D)の構造式を持つ化合物からなる群
より選ばれる少なくとも一つの燐系摩耗防止剤を添加し
たことを特徴とするビスカスカップリング用流体が提供
される。
(A):(RX)(R)3-aPX (B):(RX)(R)3-aP (C):(R2N)(RO)3-aPX (D):[(RO)2PX−S]− (式中、Rは、水素、アルキル基、アリール基、又はベ
ンジル基で、同じであっても異なっていてもよい。X
は、O又はS、aは、0、1、2又は3である。) ただし、上記(A)、(B)及び(C)は、次に示す
(E)の構造式を持つ化合物を除く。
(E):(R2bH3-bX3PXc (式中、R2は、一価の炭化水素基、Xは、O又はS、b
は、1、2又は3、cは、0又は1である。) また、本発明によれば、更に、酸化防止剤を添加した
ことを特徴とする上記のビスカスカップリング用流体が
提供される。
オルガノポリシロキサンとしては、式 (式中、Rは1〜18の炭素原子を有する、同じか又は異
なる、場合によりハロゲン化された炭化水素基を示し、
nは1〜2000の整数である。) で示されるものである。
Rとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブ
チル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、及びオクタデ
シル基のようなアルキル基、フェニル基、ナフチル基の
ようなアリール基、ベンジル基、1−フェニルエチル
基、2−フェニルエチル基のようなアラルキル基、o
−、m−、p−ジフェニル基のようなアルアリール基、
o−、m−、p−クロルフェニル基、o−、m−、p−
ブロムフェニル基、3,3,3−トリフルオルプロピル基、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオル−2−プロピル基、ヘプ
タフルオルイソプロピル基及びヘプタフルオル−n−プ
ロピル基のようなハロゲン化炭化水素基である。特に基
Rとしては脂肪族不飽和基を除く1〜8の炭素原子を有
する弗素化炭化水素基が有利であり、またメチル基、フ
ェニル基が有利であり、またメチルポリシロキサン、フ
ェニルポリシロキサンの混合物を使用してもよい。
本発明は、オルガノポリシロキサンに燐系摩耗防止剤
を添加したことを特徴とする。
燐系摩耗防止剤としては、一般式として以下の構造
〜のうち少なくとも一種を含む化合物が有効である。
尚、下記式中、Rは水素、アルキル基、アリール基、又
はベンジル基で同じでも異なっていてもよい。
以下、具体的化合物を示す。
上記構造式で示される化合物としては、トリアリー
ルフォスフェート等があり、例えばベンジルジフェニル
フォスフェート、アリルジフェニルフォスフェート、ト
リフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェー
ト、エチルジフェニルフォスフェート、トリブチルフォ
スフェート、ジブチルフォスフェート、クレジルジフェ
ニルフォスフェート、ジクレジルフェニルフォスフェー
ト、エチルフェニルジフェニルフォスフェート、ジエチ
ルフェニルフェニルフォスフェート、プロピルフェニル
ジフェニルフォスフェート、ジプロピルフェニルフェニ
ルフォスフェート、トリエチルフェニルフォスフェー
ト、トリプロピルフェニルフォスフェート、ブチルフェ
ニルジフェニルフォスフェート、ジブチルフェニルフェ
ニルフォスフェート、トリブチルフェニルフォスフェー
ト、プロピルフェニルフェニルフォスフェート混合物、
ブチルフェニルフェニルフォスフェート混合物等のリン
酸エステル、またラウリルアシッドフォスフェート、ス
テアリルアシッドフォスフェート、ジ−2−エチルヘキ
シルフォスフェート等の酸性燐酸エステルがある。
構造式で示される化合物としては、ジ−n−ブチル
ヘキシルフォスフォネート等がある。
構造式で示される化合物としては、n−ブチル−n
−ジオクチルフォスフィネート等がある。
構造式で示される化合物としては、トリアリールフ
ォスフォロチオネート等があり、例えばトリフェニルフ
ォスフォロチオネート、アルキルジアリールフォスフォ
ロチオネート等がある。
構造式で示される化合物としては、トリイソプロピ
ル亜燐酸エステル、ジイソプロピル亜燐酸エステル等が
ある。
構造式で示される化合物としては、トリラウリルチ
オフォスファイト等がある。
構造式で示される化合物としては、ヘキサメチルフ
ォスフォリックトリアミド等がある。
構造式で示される化合物としては、ジブチルフォス
フォロアミデート等がある。
構造式で示される化合物としては、Rがオクチル基
のものがある。
構造式で示される化合物としては、Rがオクチル基
のものがある。
この中でトリアリールフォスフェート、又はトリアリ
ールフォスフォロチオネートの構造を有する化合物が熱
安定性の面で作用効果が顕著である。
燐系摩耗防止剤の使用割合は、オルガノポリシロキサ
ンに対して0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量
%〜3重量%使用するとよい。また上記燐系摩耗防止剤
は単独で使用してもよいが、二種以上組み合わせて使用
することもできる。
本発明のビスカスカップリング用流体には、更に酸化
防止剤が添加されてもよい。
酸化防止剤は、例えばジオクチルジフェニルアミン、
フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルジフェニルア
ミン、N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジ
ン、N,N′−ジナフチル−p−フェニレンジアミン、ア
クリジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェ
ノチアジン、ジピリジルアミン、ジフェニルアミン等の
アミン系酸化防止剤、2.6−ジ−t−ブチルパラクレゾ
ール、4.4′−メチレンビス(2.6−ジ−t−ブチルフェ
ノール)、2.6−ジ−t−ブチルフェノール等のフェノ
ール系酸化防止剤、また鉄オクトエート、フェロセン、
鉄ナフトエート等の有機鉄塩、セリウムナフトエート、
セリウムトルエート等の有機セリウム塩、ジリコニウム
オクトエート等の有機ジリコニウム塩等の有機金属化合
物系酸化防止剤を使用するとよい。また上記の酸化防止
剤は単独で使用してもよいが、二種以上組み合わせて使
用することにより相乗効果を奏するようにして使用する
こともできる。
上記の酸化防止剤の使用割合はオルガノポリシロキサ
ンに対して0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量
%を使用するとよい。
[作用] 従来のビスカスカップリング用流体においては、その
高熱下での使用に伴う熱的劣化による増粘作用を防止す
る観点から、酸化防止剤の改良を中心にしてその改善が
図られてきた。しかしながら、酸化防止剤を添加したビ
スカスカップリング用流体を現実のビスカスカップリン
グに適用した場合、それでも粘度上昇が生じている。
本発明者等は、その原因が単に酸化防止剤の効果向上
のみでは解決しえないとして、その原因を検討した結
果、ビスカスカップリングにおける円板同士の金属接触
が極めて大きな影響を与えることを見出した。即ち、こ
の金属接触により生じる金属板の新生面が、オルガノポ
リシロキサン劣化の触媒作用をし、ビスカスカップリン
グ用流体の劣化に作用しているものと思われる。
そのため本発明は、ビスカスカップリング用流体に、
摩耗防止剤を添加し金属新生面に被膜形成させて金属新
生面による触媒作用を抑制することにより、ビスカスカ
ップリング用流体の増粘現象を殆ど無くすことができる
ものである。
更に、本発明のビスカスカップリング用流体において
は、酸化防止剤と共に使用されることにより、耐熱性を
一層高めることができ、ビスカスカップリング用流体の
耐久性を向上させることができるものである。
以上、ビスカスカップリング用流体について説明した
が、本発明の流体は、例えばフルードカップリング用流
体としても使用しうる。
フルードカップリング型クラッチは、ポンプシャフト
の先端に取りつけられ、ポンプシャフト側のディスク表
面の溝とファン側のホイール表面の溝とが噛み合った状
態で、両者の間に所謂ラビリンスが形成され、ディスク
はボディーの中でオルガノポリシロキサン油に浸りなが
ら回転する構造を有し、ポンプの回転に伴ってディスク
が回転し、オルガノポリシロキサン油の特性によりホイ
ール側に回転動力を伝えてファンを回転させるものであ
り、ラジエタの冷却に使用されるファンの回転をある一
定以上の速度に上昇させずに最高回転を制限することが
できるものである。
このようにビスカスカップリング用流体と同様の使用
条件下にあるフルードカップリング用流体としても、そ
の耐熱性を一層高めると共に、耐久性の向上を図ること
ができる。
〔実施例1〕 ジメチルシリコーン(粘度50000mm2/s、25℃)に、酸
化防止剤としてジフェニルアミンを1.0重量%添加し、
更に燐系摩耗防止剤としてトリクレジルフォスフェート
を下記添加割合で添加して調整したビスカスカップリン
グ用流体を、25℃、85容量%の充填度で、111枚の円板
を有するビスカスカップリング中に充填した。回転差数
50rpm。
ビスカスカップリングは130℃に恒温保持された浴中
に保持し、50時間運転した。
経過後、粘度変化とトルク変化を測定した結果を次表
に示す。尚下表において燐系摩耗防止剤を添加しない場
合も同時に示す。
また摩耗防止剤の耐熱性を調べるために、ホットチュ
ーブコーキングテストを行い、ガラスチューブ中試料が
ゲル化又はコーキングにより閉塞する温度を10℃きざみ
に測定した。その最低温度を下表に同時に示す。
また、上記実施例において酸化防止剤を使用しないで
ビスカスカップリング用流体を調製し、同様に粘度変化
とトルク変化を測定した。その結果を下表に示す。
この表から、酸化防止剤を添加しなくても上記同様の
ビスカスカップリング用流体となしえることがわかる。
〔実施例2〕 ジメチルシリコーン(粘度50000mm2/s、25℃)に、酸
化防止剤としてジフェニルアミンを1.0重量%添加し、
更に燐系摩耗防止剤としてトリクレジルフォスフェート
(A)及びトリフェニルフォスフォロチオネート(B)
を下記添加量(重量%)で添加して調製したビスカスカ
ップリング用流体を、実施例1と同様にして試験した。
ホットチューブコーキングテストの結果と合わせて、下
表に示す。
また、上記実施例において酸化防止剤を使用しないで
ビスカスカップリング用流体を調製し、同様に粘度変化
とトルク変化を測定した。ホットチューブコーキングテ
ストの結果と合わせて下表に示す。
この表から、酸化防止剤を添加しなくても上記同様の
ビスカスカップリング用流体となしえることがわかる。
〔比較例1〕 ジメチルシリコーン(粘度50000mm2/s、25℃)に、酸
化防止剤としてジフェニルアミン1.0重量%、硫黄系摩
耗防止剤ジベンジルジスルフィドを下記添加割合で添加
して調製したビスカスカップリング用流体を、実施例1
同様にして試験した。その結果を下表に示す。また実施
例1同様にホットチューブコーキングテストの結果も同
時に示す。
また、上記比較例において酸化防止剤を使用しないで
ビスカスカップリング用流体を調製し、同様に粘度変化
とトルク変化を測定した。ホットチューブコーキングテ
ストの結果を含めて下表に示す。
この比較例1からわかるように、ビスカスカップリン
グ用流体に添加する摩耗防止剤として、硫黄系も燐系と
ほぼ同等のトルク安定性を有している。しかしながら、
硫黄系摩耗防止剤の場合には、添加剤自体の耐熱性が基
油であるオルガノポリシロキサンよりも劣るため、ホッ
トチューブコーキング試験において、黒色の添加剤劣化
物が生成するコーキングの現象が観察され、摩耗防止剤
の添加によってビスカスカップリング用流体の熱安定性
を低下させる結果となった。
〔実施例3〕 ジメチルシリコーン(粘度100,000mm2/s、25℃)に、
燐系摩耗防止剤としてトリクレジルフォスフェートを下
記添加割合で添加して調製したビスカスカップリング用
流体を、25℃、85容量%の充填度で、111枚の円板を有
するビスカスカップリング中に充填した。回転差数25rp
m。ビスカスカップリングは170℃に恒温保持された浴中
に保持し、50時間運転した。
経過後、粘度変化とトルク変化を測定した結果を次表
に示す。尚下表において摩耗防止剤を添加しない場合も
同時に示す。
〔実施例4〕 実施例3において、燐系摩耗防止剤トリクレジルフォ
スフェートに代えて、トリフェニルフォスフェートを下
記添加割合で添加して調製したビスカスカップリング用
流体を、実施例3同様にして試験した。その結果を下表
に示す。
〔実施例5〕 実施例3において、燐系摩耗防止剤トリクレジルフォ
スフェートに代えて、トリフェニルフォスフォロチオネ
ートを下記添加割合で添加して調製したビスカスカップ
リング用流体を、実施例3同様にして試験した。その結
果を下表に示す。
〔比較例2〕 実施例3において、燐系摩耗防止剤トリクレジルフォ
スフェートに代えて、硫黄系摩耗防止剤ジベンジルジス
ルフィドを下記添加割合で添加して調製したビスカスカ
ップリング用流体を、実施例3同様にして試験した。そ
の結果を下表に示す。
〔比較例3〕 実施例3において、燐系摩耗防止剤トリクレジルフォ
スフェートに代えて、硫黄系摩耗防止剤ポリスルフィド
を下記添加割合で添加して調製したビスカスカップリン
グ用流体を、実施例3同様にして試験した。その結果を
下表に示す。
これらの比較例2、3からわかるように、実施例1、
2及び比較例1の比較的低温での条件においては、ビス
カスカップリング用流体の粘度変化、トルク変化におい
て燐系、硫黄系共に良い耐久性を示すが、高温の条件下
では、燐系のものの方が良い耐久性を示すことがわか
る。
これは、硫黄系の摩耗防止剤が耐熱性に劣るため、高
温条件下でジメチルシリコーン、或いはビスカスカップ
リング本体内とプレートとの反応が過度に及んだもの
で、これに対して燐系摩耗防止剤は、耐熱性が高いこと
によるものと考えられる。
またこのビスカスカップリング用流体の臭いについ
て、実施例3で調製したビスカスカップリング用流体
は、比較例で調製したものに見られる強い硫黄臭がな
く、無臭であり、作業者に対する環境を考慮すると、こ
の点においても燐系摩耗防止剤が硫黄系摩耗防止剤に対
して有利である。
〔実施例6〕 ジメチルシリコーン(粘度50,000mm2/s、25℃)に燐
系摩耗防止剤としてトリフェニルフォスフェートを下記
添加割合で添加して調製したビスカスカップリング用流
体を、25℃、80容量%の充填度でオートクレーブ内に充
填、窒素置換し、恒温炉内で200℃において24時間保持
した。
試験後、粘度変化を測定した結果を次表に示す。
〔比較例4〕 実施例6において、燐系摩耗防止剤トリフェニルフォ
スフェートに代えて、硫黄系摩耗防止剤ジベンジルスル
フィドを下記添加割合で添加して調製したビスカスカッ
プリング用流体を、実施例6同様にして試験した。その
結果を下表に示す。
〔比較例5〕 実施例6において、燐系摩耗防止剤トリフェニルフォ
スフェートに代えて、硫黄系摩耗防止剤としてポリスル
フィドを下記添加割合で添加して調製したビスカスカッ
プリング用流体を、実施例6同様にして試験した。その
結果を下表に示す。
上記実施例6、比較例4〜5において、耐熱性に劣る
硫黄系摩耗防止剤は、その耐熱性不足のために劣化し、
これがジメチルシリコーンの粘度低下、及び劣化を引き
起こすことがわかる。
これに対して、実施例6に見られるように燐系摩耗防
止剤は、ジメチルシリコーンに対して安定であり、これ
はここで添加されている燐系摩耗防止剤の耐熱性が高い
ことによるものと考えられる。
[発明の効果] 本発明のビスカスカップリング用流体は、オルガノポ
リシロキサンを基油とし、特定(燐系)の摩耗防止剤を
添加することにより、オルガノポリシロキサンの粘度低
下、劣化をひきおこすことが殆どないので、ビスカスカ
ップリングにおける作動において、耐熱性を一層高める
と共に耐久性のあるビスカスカップリング用流体とする
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 30:08 40:04 40:08 (56)参考文献 特開 平2−91196(JP,A) 特公 昭48−24985(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10M 107/50 C10M 137/04 - 137/10 C10N 30:08 C10N 40:04 C10N 40:08 F16D 35/00 WPI/L(QUESTEL)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オルガノポリシロキサンを基油とするビス
    カスカップリング用流体において、次に示す(A)〜
    (D)の構造式を持つ化合物からなる群より選ばれる少
    なくとも一つの燐系摩耗防止剤を添加したことを特徴と
    するビスカスカップリング用流体。 (A):(RX)(R)3-aPX (B):(RX)(R)3-aP (C):(R2N)(RO)3-aPX (D):(RO)2PX−S−S−XP(OR) (式中、Rは、水素、アルキル基、アリール基、又はベ
    ンジル基で、同じであっても異なっていてもよい。X
    は、O又はS、aは、0、1、2又は3である。) ただし、上記(A)、(B)及び(C)は、次に示す
    (E)の構造式を持つ化合物を除く。 (E):(R2bH3-bX3PXc (式中、R2は、一価の炭化水素基、Xは、O又はS、b
    は、1、2又は3、cは、0又は1である。)
  2. 【請求項2】更に、酸化防止剤を添加したことを特徴と
    する請求項1記載のビスカスカップリング用流体。
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