JPH06287397A - 新規な帯電防止性アクリル系樹脂組成物 - Google Patents

新規な帯電防止性アクリル系樹脂組成物

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JPH06287397A
JPH06287397A JP10370093A JP10370093A JPH06287397A JP H06287397 A JPH06287397 A JP H06287397A JP 10370093 A JP10370093 A JP 10370093A JP 10370093 A JP10370093 A JP 10370093A JP H06287397 A JPH06287397 A JP H06287397A
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JP
Japan
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weight
acrylic resin
acid
dicarboxylic acid
carbon atoms
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Application number
JP10370093A
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Inventor
Tadashi Kamei
忠 亀井
Shuji Hoshina
修司 保科
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)アクリル系樹脂35〜94重量%と、
(B)(イ)炭素数6以上のアミノカルボン酸又はラク
タム、あるいは炭素数4以上のジアミンとジカルボン酸
との塩、(ロ)数平均分子量400〜4000のポリ
(アルキレンオキシド)グリコール及び(ハ)炭素数4
〜16のジカルボン酸から得られたポリエーテルエステ
ルアミド3〜25重量%と、(C)フッ化ビニリデン系
重合体3〜40重量%とから成る帯電防止性アクリル系
樹脂組成物、及びこの100重量部に対して、(D)有
機スルホン酸塩や有機リン酸塩10重量部以下を配合し
て成る帯電防止性アクリル系樹脂組成物。 【効果】 優れた永久帯電防止性と耐候性を有し、かつ
金属との剥離性が良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な帯電防止性アク
リル系樹脂組成物、さらに詳しくは、優れた永久帯電防
止性を有し、かつ耐候性に優れ、例えば照明器具、機器
銘板、メーターカバーをはじめとするエレクトロニクス
製品、家電製品、OA機器などの各種部品や看板、店
装、ディスプレー、各種機器の前面板における静電気を
防止しうる材料として好適なアクリル系樹脂組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アクリル系樹脂は優れた透明性と
耐候性、剛性などを有することから、例えばエレクトロ
ニクス製品、家電製品、OA機器などの各種部品や看
板、店装、ディスプレー、各種機器の前面板の素材とし
て幅広く使われている。
【0003】しかしながら、このアクリル系樹脂は表面
固有抵抗が高く摩擦などにより容易に帯電するため、ゴ
ミや埃が付着して外観を損ねたり、あるいは電子機器部
品などでは静電気帯電による各種トラブルを生じるなど
の欠点を有している。したがってアクリル系樹脂の優れ
た特性を保持するとともに、良好な帯電防止性を示す材
料の開発が望まれている。
【0004】一般に、アクリル系樹脂に帯電防止性を付
与する方法としては、界面活性剤を練り込んだり、表面
に塗布したりする方法がよく知られている。しかし、こ
のような方法で得られた材料は表面に存在する界面活性
剤が水洗や摩擦などで簡単に除去され、永久的な帯電防
止性を得ることはできない。
【0005】永久的な帯電防止性を付与する方法として
は、例えば(1)ポリオキシエチレン鎖及びスルホン酸
塩、カルボン酸塩あるいは第四級アンモニウム塩構造を
有するビニル共重合体をアクリル樹脂に混練する方法が
知られている(特開昭55−36237号公報、特開昭
63−63739号公報)。
【0006】しかしながら、前記の方法においては、配
合されるビニル共重合体が特殊なビニルモノマーを用い
るため、これを配合したアクリル樹脂は、コスト高にな
るのを免れない上、帯電防止性を高めるためにビニル共
重合体の配合量を多くすると、アクリル樹脂本来の耐熱
性などの好ましい物性が低下するなどの欠点がある。
【0007】他方、ポリエーテルエステルアミドは、ア
クリル系樹脂に対して優れた帯電防止性を付与しうるこ
とが知られているが(特開平3−39349号公報)、
これを配合した組成物によっても十分満足しうる物性の
製品を得ることができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、優れた永久帯電防止性を有するととも
に、耐候性その他の物性にも優れた新規なアクリル系樹
脂組成物を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、永久帯電
防止性及び耐候性に優れた新規なアクリル系樹脂組成物
を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、アクリル系樹脂に
対し、特定のポリエーテルエステルアミドとフッ化ビニ
リデン系重合体、あるいは、このものにさらに有機スル
ホン酸塩や有機リン酸塩を所定の割合で配合した場合に
その目的を達成することができ、しかも金属との剥離性
も改良されることを見出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、(A)アクリル系樹
脂35〜94重量%と、(B)(イ)炭素数6以上のア
ミノカルボン酸又はラクタム、あるいは炭素数4以上の
ジアミンとジカルボン酸との塩、(ロ)数平均分子量4
00〜4000のポリ(アルキレンオキシド)グリコー
ル及び(ハ)炭素数4〜16のジカルボン酸から得られ
たポリエーテルエステルアミド3〜25重量%と、
(C)フッ化ビニリデン系重合体3〜40重量%とから
成る帯電防止性アクリル系樹脂組成物及び前記(A)成
分35〜94重量%と(B)成分3〜25重量%と
(C)成分3〜40重量%との合計量100重量部に対
し、(D)有機スルホン酸塩及び有機リン酸塩の中から
選ばれた少なくとも1種を10重量部以下の割合で配合
して成る帯電防止性アクリル系樹脂組成物を提供するも
のである。
【0011】本発明組成物において、(A)成分として
用いられるアクリル系樹脂としてはポリメタクリル酸メ
チル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロ
ピル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸エチル、メタクリル酸メチル‐アク
リル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル‐メタクリ
ル酸エチル共重合体、メタクリル酸メチル‐メタクリル
酸ブチル共重合体、メタクリル酸メチル‐アクリル酸エ
チル共重合体などの(メタ)アクリル酸のメチル、エチ
ル、プロピル、ブチルなどのアルキルエステル化合物の
単独重合体あるいは共重合体などが挙げられる。これら
のアクリル系樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。その製造方法については特
に制限はなく公知の懸濁重合法、乳化重合法、バルク重
合法などを用いることができる。
【0012】本発明組成物において、(B)成分として
用いられるポリエーテルエステルアミドの構成成分であ
る(イ)成分の炭素数6以上のアミノカルボン酸又はラ
クタム、あるいは炭素数4以上のジアミンとジカルボン
酸との塩としては、例えばω‐アミノカプロン酸、ω‐
アミノエナント酸、ω‐アミノカプリル酸、ω‐アミノ
ペルゴン酸、ω‐アミノウンデカン酸、12‐アミノド
デカン酸などのアミノカルボン酸やカプロラクタム、エ
ナントラクタム、カプリルラクタム及びラウロラクタム
などのラクタムやヘキサメチレンジアミン‐アジピン酸
塩、ヘキサメチレンジアミン‐セバシン酸塩、ヘキサメ
チレンジアミン‐イソフタル酸塩などのジアミン‐ジカ
ルボン酸の塩などが挙げられ、特にカプロラクタム、1
2‐アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジアミン‐アジ
ピン酸塩が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】この(イ)成分の炭素数6以上のアミノカ
ルボン酸又はラクタム、あるいは炭素数4以上のジアミ
ンとジカルボン酸との塩は、ポリエーテルエステルアミ
ドの構成単位として10〜70重量%の範囲で用いられ
る。この量が10重量%未満ではポリエーテルエステル
アミドの機械的性質が劣るし、70重量%を超えると得
られる樹脂組成物の帯電防止性が低下する。
【0014】(B)成分のポリエーテルエステルアミド
における他の構成成分である(ロ)成分のポリ(アルキ
レンオキシド)グリコールとしては、例えばポリエチレ
ングリコール、ポリ(1,2‐プロピレンオキシド)グ
リコール、ポリ(1,3‐プロピレンオキシド)グリコ
ール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポ
リ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオ
キシドとプロピレンオキシドのブロック又はランダム共
重合体及びエチレンオキシドとテトラヒドロフランのブ
ロック又はランダム共重合体などが挙げられる。これら
の中でも、帯電防止性が優れる点で、特にポリエチレン
グリコールが好ましい。これらのポリ(アルキレンオキ
シド)グリコールは単独で用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0015】このポリ(アルキレンオキシド)グリコー
ルの数平均分子量は400〜4000、好ましくは60
0〜2000の範囲で選ばれる。この数平均分子量が4
00未満では得られるポリエーテルエステルアミドの機
械的性質が劣るし、4000を超えると帯電防止性が不
足するようになる。
【0016】(B)成分のポリエーテルエステルアミド
におけるさらに他の構成成分である(ハ)成分の炭素数
4〜16のジカルボン酸としては、例えばテレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン‐2,6‐ジ
カルボン酸、ナフタレン‐2,7‐ジカルボン酸、ジフ
ェニル‐4,6′‐ジカルボン酸、ジフェノキシエタン
ジカルボン酸、3‐スルホイソフタル酸ナトリウムなど
の芳香族ジカルボン酸や1,4‐シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,2‐シクロヘキサンジカルボン酸、ジシク
ロヘキシル‐4,4′‐ジカルボン酸などの脂環族ジカ
ルボン酸やコハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン
酸、ドデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸な
どが挙げられ、特にテレフタル酸、イソフタル酸、1,
4‐シクロヘキサンジカルボン酸、セバシン酸、アジピ
ン酸及びドデカンジカルボン酸が重合性、色調及び物性
の点で有利である。これらのジカルボン酸は単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】前記(ロ)成分のポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコールと(ハ)成分のジカルボン酸は、反応上
は1:1のモル比で反応するが、使用するジカルボン酸
の種類に応じて、通常仕込比を変えて供給される。
【0018】(B)成分のポリエーテルエステルアミド
の製造方法については特に制限はなく、例えば(a)
(イ)アミノカルボン酸又はラクタムと(ハ)ジカルボ
ン酸を反応させて、両末端がカルボン酸基のポリアミド
プレポリマーをつくり、これに(ロ)ポリ(アルキレン
オキシド)グリコールを真空下に反応させる方法や、
(b)前記(イ)、(ロ)、(ハ)の各化合物を反応槽
に仕込み、水の存在下又は非存在下に高温で加圧反応さ
せることにより、カルボン酸末端のポリアミドプレポリ
マーを生成させ、その後、常圧又は減圧下で重合を進め
る方法や、(c)前記(イ)、(ロ)、(ハ)の化合物
を同時に反応槽に仕込み、溶融混合したのち、高真空下
で一挙に重合を進める方法など任意の公知の方法を用い
ることができる。
【0019】本発明においては、この(B)成分のポリ
エーテルエステルアミドとして、ポリエーテルエステル
アミドに1,2‐アルキレンオキシドをグラフトして成
る変性ポリアミドエラストマーも用いることができる。
また、このポリエーテルエステルアミドは単独で用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】さらに得られたポリエーテルエステルアミ
ドの熱安定性を高めるために、各種の耐熱老化防止剤、
酸化防止剤などの熱安定剤を用いることができ、これら
は重合の初期、中期、末期のどの段階で添加してもよ
い。また、ポリエーテルエステルアミドをメタクリル系
樹脂と混練する際に添加することもできる。
【0021】この耐熱安定剤としては、例えばN,N′
‐ヘキサメチレンビス(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐
ヒドロキシケイ皮酸アミド)、4,4′‐ビス(2,6
‐ジ‐t‐ブチルフェノール)、2,2′‐メチレンビ
ス(4‐エチル‐6‐t‐ブチルフェノール)、ペンタ
エリスリチル‐テトラキス[3‐(3,5‐ジ‐t‐ブ
チル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート]など
の各種ヒンダードフェノール類やN,N′‐ビス(β‐
ナフチル)‐p‐フェニレンジアミン、N,N′‐ジフ
ェニル‐p‐フェニレンジアミン、ポリ(2,2,4‐
トリメチル‐1,2‐ジヒドロキノリン)などの芳香族
アミン類やジラウリルチオジプロピオネートなどの硫黄
化合物やリン化合物などが用いられる。
【0022】本発明組成物において、(C)成分として
用いられるフッ化ビニリデン系重合体としては、例えば
フッ化ビニリデン系重合体、フッ化ビニリデン‐トリフ
ルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン‐テトラフ
ルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン‐ヘキサフ
ルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリデン‐ヘキサフ
ルオロイソブテン共重合体、フッ化ビニリデン‐クロロ
トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン‐ヘ
キサフルオロプロペン共重合体、あるいはフッ化ビニリ
デンと前記共重合モノマーとの三元共重合体などが挙げ
られる。各共重合体におけるフッ化ビニリデン単位の含
有量は10〜95モル%の範囲にあるのが望ましい。こ
の(C)成分のフッ化ビニリデン系重合体は単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】本発明組成物においては、前記(A)成分
のアクリル系樹脂と(B)成分のポリエーテルエステル
アミドと(C)成分のフッ化ビニリデン系重合体は、そ
れらの合計重量に基づき、それぞれ35〜94重量%、
3〜25重量%及び3〜40重量%、好ましくは65〜
90重量%、5〜15重量%及び5〜20重量%の割合
で配合することが必要である。(B)成分の量が3重量
%未満では十分な帯電防止効果が得られないし、25重
量%を超えると剛性が低下する傾向がみられる。また、
(C)成分の量が3重量%未満では耐候性が不十分であ
るし、40重量%を超えると成形品に濁りや肌荒れが目
立つようになる。
【0024】本発明においては、帯電防止効果をさらに
発揮させるために(D)成分として、有機スルホン酸塩
や有機リン酸塩を用いることができる。この有機スルホ
ン酸塩や有機リン酸塩としては、例えばドデシルベンゼ
ンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、ドデシルジフ
ェニルエーテルジスルホン酸、ナフタリンスルホン酸な
どの芳香族スルホン酸、ラウリルスルホン酸のようなア
ルキルスルホン酸、亜リン酸ジフェニル、リン酸ジフェ
ニルなどの有機リン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類
金属塩などが挙げられるが、これらの中でアルカリ金属
塩が好ましく、特にナトリウム塩及びカリウム塩が好適
である。
【0025】この(D)成分は単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は前
記(A)成分のアクリル系樹脂と(B)成分のポリアミ
ドエラストマーと(C)成分のフッ化ビニリデン系重合
体との合計量100重量部に対し10重量部以下、好ま
しくは0.1〜5重量部の範囲で選ばれる。この量が1
0重量部を超えると剛性が低下したり、成形品にした場
合表面に肌荒れが生じたり、成形時に着色したりするな
ど好ましくない事態を招来する。
【0026】本発明の効果の一つは金属との剥離性に優
れていることである。熱可塑性樹脂は高温での混練で金
属に付着しやすく押出機内での滞留のもととなり熱履歴
をうけて変色や物性低下の原因になることが多い。特に
本発明で用いるポリアミドエラストマーはこの金属との
付着性が激しく、このエラストマーを用いた組成物は押
出機内で滞留しがちであり、滞留したものは黄褐色に変
色してしまう。本発明組成物のように、フッ化ビニリデ
ン系重合体を配合したものは、この金属との付着性を大
幅に改良することができる。
【0027】また、本発明組成物は、その成形品の耐候
性も改善するという予想外の効果を奏するので、屋外で
の各種用途に対しても使用できる。ポリアミドエラスト
マーは、一般にポリマー鎖に含まれるポリアミド、ポリ
エーテル、ポリエステルセグメントなどの影響で耐候性
はよくないが、本発明組成物のように、フッ化ビニリデ
ン系重合体を配合したものは、耐候性の良好な、特に表
面白化(ヘーズ値の上昇)が著しく抑制された成形品を
与える。
【0028】本発明組成物には、本発明の目的がそこな
われない範囲で、所望に応じ各種添加成分、例えば顔料
などの着色剤や、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、二酸化
ケイ素などの無機系充填剤、ポリメチルメタクリレート
架橋体、メチルメタクリレート‐ブタジエン‐スチレン
共重合架橋体、多層構造を有するアクリル系架橋弾性
体、ポリスチレン架橋体などの有機系添加剤、各種の紫
外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、離
型剤などを混練過程や成形過程のような任意の過程にお
いて、添加することができる。
【0029】このようにして得られた本発明のアクリル
系樹脂組成物は、一般の熱可塑性樹脂の成形に用いられ
ている公知の方法、例えば射出成形、押出成形、ブロー
成形、真空成形などの方法によって成形することができ
る。
【0030】
【発明の効果】本発明のアクリル系樹脂組成物は、アク
リル系樹脂とポリエーテルエステルアミドとフッ化ビニ
リデン系重合体と場合により有機スルホン酸塩や有機リ
ン酸塩とを含有するものであって、優れた永久帯電防止
性を有するとともに、耐候性及び金属との剥離性がより
一層改良されたものであり、例えば照明器具、機器銘
板、メーターカバーをはじめとして、エレクトロニクス
製品、家電製品、OA機器などの各種部品の静電気帯電
を防止しうる材料として好適に用いられる。
【0031】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0032】なお、組成物の各物性は、次に示す方法に
従って評価した。 (1)表面抵抗率 50×50×0.5mmの成形試料を用い、アデバンテ
スト(株)製のエレクトロメーターTR8651と電極
及び安藤電気(株)製のシールドボックスと電極ホルダ
ーを使用して、500V印加した際の抵抗値を測定して
表面抵抗率を求めた。
【0033】(2)全光線透過率及びヘイズ値 50×50×0.5mmの成形試料を用い、日本電色工
業(株)製の曇度計を使用して、JISK‐7105の
方法に準じて測定した。
【0034】(3)曲げ弾性率 ASTM D‐790に準じて1/8インチ厚みの試験
片を用いて、23℃、55%RHで測定した。表2では
これを弾性率と記す。
【0035】(4)耐候性の評価 50×50×0.5mmの成形試料を用い、スガ試験機
(株)製のサンシャインカーボンアークウェザーメータ
ー(以下SWMと略す)を使用して1000時間照射後
の試料のヘイズ値を前記(2)の方法で評価した。
【0036】製造例1 ポリエーテルエステルアミド
(B‐1)の製造 カプロラクタム26重量部、数平均分子量が1000の
ポリエチレングリコール73重量部及びアジピン酸9重
量部をイルガノックス1010(チバガイギー社製酸化
防止剤)0.15重量部及び三酸化アンチモン触媒0.
15重量部と共にヘリカルリボンかくはん翼を備えた反
応容器に仕込み、窒素置換して240℃で60分間加熱
かくはんして透明な均質溶液としたのち、260℃、
0.5mmHg以下の条件で4時間重合し、粘ちょうな
透明ポリマーを得た。
【0037】ポリマーを冷却ベルト上にガット状に取り
出し、ペレタイズすることによって、ペレット状のポリ
エーテルエステルアミド(B‐1)を得た。
【0038】製造例2 ポリエーテルエステルアミド
(B‐2)の製造 ナイロン6・6塩(AH塩)28重量部、数平均分子量
600のポリエチレングリコール70重量部及びアジピ
ン酸8重量部を用い、重合時間を4時間とした以外は、
製造例1と同様にして、ポリエーテルエステルアミド
(B‐2)を製造した。
【0039】実施例1〜8、比較例1〜3 表1に示す種類と量の各成分を配合し、酸化防止剤のイ
ルガノックス245(チバガイギー社製、ヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤)0.12重量部と共に、容量1
5リットルのブレンダーで約15分間混合し、次いで中
谷機械(株)製の径30ミリ2軸押出機を用いて220
〜240℃で混練し、ペレットとした。成形品はこのペ
レットを用いて東芝機械(株)製、IS80により、2
20〜250℃の射出成形温度で作成した。物性の評価
結果を表2に示す。
【0040】なお、アクリル系樹脂、フッ化ビニリデン
系重合体(PVDF)及び添加剤は次のものを用いた。 アクリル系樹脂 A‐1:アクリル樹脂デルペット80N[旭化成工業
(株)製、商品名] A‐2:メタクリル酸メチル単位85重量%とアクリル
酸エチル単位15重量%とから成る共重合樹脂 フッ化ビニリデン系重合体(PVDF) クレハKFポリマー#1000[呉羽化学工業(株)
製、商品名] 添加剤 D‐1:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム D‐2:ジフェニル亜リン酸ナトリウム
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】実施例9、比較例4 実施例1、2、3及び比較例1、2の組成物について前
記のブレンダーで混合したものをそれぞれ60g別々に
はかり取り、これを(株)東洋精機製作所製ミキサーヘ
ッドB75を用いて別々に温度240℃で10分間混練
した。
【0044】その後、混練ポリマーを取り出す際のスク
リューからのポリマーの剥離性を評価しこれを金属との
付着性の尺度とした。剥離性は事前にPVDF、PMM
A(A‐1)、ポリアミドエラストマー(B‐1)単独
を上記のミキサーヘッドで同様に混練し1〜5でランク
付けした。 付着性のランク 1…金属との付着性小(PVDF並
み) 2…1と3の中間 3…金属との付着性中(PMMA並み) 4…3と5の中間 5…金属との付着性大(ポリアミドエラストマー並み)
【0045】その結果、実施例1〜3の組成物の付着性
(実施例9)は、それぞれほとんど同じレベルで約1.
5であったが、比較例1、2の組成物の付着性(比較例
4)は、それぞれほとんど同じレベルで約3.5であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 77:00 9286−4J 27:16) 9166−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アクリル系樹脂35〜94重量%
    と、(B)(イ)炭素数6以上のアミノカルボン酸又は
    ラクタム、あるいは炭素数4以上のジアミンとジカルボ
    ン酸との塩、(ロ)数平均分子量400〜4000のポ
    リ(アルキレンオキシド)グリコール及び(ハ)炭素数
    4〜16のジカルボン酸から得られたポリエーテルエス
    テルアミド3〜25重量%と、(C)フッ化ビニリデン
    系重合体3〜40重量%とから成る帯電防止性アクリル
    系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)アクリル系樹脂35〜94重量%
    と、(B)(イ)炭素数6以上のアミノカルボン酸又は
    ラクタム、あるいは炭素数4以上のジアミンとジカルボ
    ン酸との塩、(ロ)数平均分子量400〜4000のポ
    リ(アルキレンオキシド)グリコール及び(ハ)炭素数
    4〜16のジカルボン酸から得られたポリエーテルエス
    テルアミド3〜25重量%と、(C)フッ化ビニリデン
    系重合体3〜40重量%との合計量100重量部に対
    し、(D)有機スルホン酸塩及び有機リン酸塩の中から
    選ばれた少なくとも1種を10重量部以下の割合で配合
    して成る帯電防止性アクリル系樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000248135A (ja) * 1999-03-04 2000-09-12 Denki Kagaku Kogyo Kk 帯電防止性樹脂組成物
JP2002505363A (ja) * 1998-03-06 2002-02-19 ダイネオン エルエルシー 改善された安定性を有するポリマー加工添加剤
JP2002309097A (ja) * 2000-07-06 2002-10-23 Riken Technos Corp 制電性樹脂組成物

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