JP2525106B2 - アクリル系樹脂組成物 - Google Patents

アクリル系樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な帯電防止性透明
アクリル系樹脂組成物、さらに詳しくは、優れた永久帯
電防止性を有し、かつ安価で、透明性が良好であって、
例えば照明器具、機器銘版、メーターカバーをはじめと
し、エレクトロニクス製品、家電製品、OA機器などの
各種部品における静電気帯電を防止し得る材料などとし
て好適なアクリル系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アクリル系樹脂は優れた透明性と
剛性とを有することから、例えばエレクトロニクス製
品、家電製品、OA機器などの各種部品の素材として幅
広く使われている。しかしながら、このアクリル系樹脂
は表面固有抵抗が高く摩擦などにより容易に帯電するた
め、ゴミやほこりが付着して外観を損ねたり、あるいは
電子機器部品などでは静電気帯電による好ましくない事
態を招来するなどの欠点を有している。したがって、ア
クリル系樹脂の優れた特性を保持するとともに、帯電防
止性が付与された材料の開発が望まれている。
【0003】該アクリル系樹脂に帯電防止性を付与する
方法としては、例えば界面活性剤を練り込んだり、表面
に塗布する方法などがよく知られている。しかし、この
ような方法では、表面に存在する界面活性剤が水洗や摩
擦などによって除去されやすく、永久的な帯電防止性を
付与することが困難である。永久的な帯電防止性を付与
する方法としては、例えば(1)ポリオキシエチレン鎖
及びスルホン酸塩、カルボン酸塩あるいは第四級アンモ
ニウム塩構造を有するビニル共重合体をアクリル樹脂に
混練する方法(特開昭55−36237号公報、特開昭
63−63739号公報)、(2)ポリエーテルエステ
ルアミドをメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン
共重合体(MBS樹脂)やメタクリル酸メチル−アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(MABS
樹脂)に混練する方法(特開昭62−119256号公
報)、(3)アクリル樹脂にポリアミドエラストマー及
びカルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシ
ル基などの少なくとも1種の官能基を含有する変性ビニ
ル系重合体、さらに必要に応じてゴムグラフト共重合体
を添加し、層状剥離のない表面光沢に優れる永久帯電防
止樹脂とする方法(特開平1−308444号公報)な
どが提案されており、さらに、(4)アクリル樹脂にポ
リエーテルブロックアミドを混練する方法(特開昭64
−90246号公報)なども提案されている。
【0004】しかしながら、前記(1)の方法において
は、配合されるビニル共重合体が特殊なビニルモノマー
を用いるため高価であって、これを配合したアクリル樹
脂は製造コストが高くつくのを免れない上、特に特開昭
55−36237号公報記載の方法では、ビニル共重合
体の配合量が多く、アクリル樹脂本来の耐熱性などが低
下するなどの欠点がある。一方、前記(2)の方法にお
いては、非晶質ポリエーテルエステルアミドとMBS樹
脂やMABS樹脂との屈折率差を0.02以下として、
得られる組成物の透明性を保持しているが、組み合わせ
の自由度が少なく、代表的なアクリル樹脂であるポリメ
タクリル酸メチルでは屈折率を合わせにくく、透明性が
損なわれるという欠点がある。
【0005】また、前記(3)の帯電防止樹脂はアクリ
ル樹脂にそれと相溶しないポリアミドエラストマーと官
能基を含有する変性ビニル重合体とを添加して相溶性を
向上させ、層状剥離を防止して帯電防止効果を付与した
ものであるが、透明性については必ずしも満足し得るも
のではない。更に、前記(4)の帯電防止樹脂に於いて
も全光線透過率の値から見て透明性は満足のいくもので
はない。
【0006】ところで、アクリル系樹脂は透明性に優れ
ていることが大きな特徴であり、該アクリル系樹脂に永
久帯電防止性を付与するために高分子化合物を混練する
場合、相溶性に劣り透明性が損なわれることが多い。ま
た、透明性の良いものが得られたとしても、十分な帯電
防止効果が得られなかったり、耐熱性が低下したりす
る。さらには十分な帯電防止効果を発揮させるために、
複雑な構造の高分子化合物を製造すると、製造コストが
高くなり、安価な帯電防止性を有するアクリル系樹脂と
することができない。
【0007】このような事情のもとで、優れた永久帯電
防止性を有し、かつ安価で透明性の良好なアクリル系樹
脂組成物の開発が望まれていた。本発明者等は、優れた
帯電防止性と透明性とを有するアクリル系樹脂組成物に
ついて研究を重ね、先にハードセグメントの含有量が少
ないポリアミドイミドエラストマーが、アクリル系樹脂
に良好な親和性を有し、微分散して透明で帯電防止性に
優れる組成物を与えることを見いだした(特開平2−2
55753公報)。しかしながら、このポリアミドイミ
ドエラストマーは淡黄色を呈しており、このものを含有
するアクリル系樹脂は淡黄色に着色するという点で必ず
しも満足するものではない。また、該アクリル樹脂組成
物は水中に浸漬した場合に透明性が低下するという点で
も必ずしも満足するものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、優れた永久帯電防止性を有し透明性が良
好でかつ着色が極めて少ないアクリル系樹脂組成物であ
って、水中に浸漬した場合でも透明性の低下が極めて少
ないアクリル系樹脂組成物を提供することを目的として
なされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記の好
ましい性質を有するアクリル系樹脂組成物を開発すべく
鋭意研究を重ねた結果、特定の割合でポリオキシエチレ
ン残基を含有する特定の数平均分子量のポリエーテルセ
グメントから成るソフトセグメントと、ポリアミドセグ
メントから成るハードセグメントとを特定の割合でブロ
ック重合して得たポリアミドエラストマーは、着色が少
なく、アクリル系樹脂との親和性が良好であって、アク
リル系樹脂に所定の割合で配合することによって、帯電
防止性に優れ、かつ透明で着色度の極めて少なく、水中
に浸漬した場合の透明性の低下が極めて少ない組成物を
与え得ること、及びさらに前記ポリアミドエラストマー
とともに特定の化合物を所定の割合で配合することによ
り、帯電防止性がより一層優れた組成物を与えることを
見いだし、この知見に基ずいて本発明を完成するに至っ
た。
【0010】すなわち、本発明は次の通りである。 1.(A)アクリル系樹脂70〜97重量%及び(B)
ポリアミドエラストマー3〜30重量%を含有し、
(B)成分が、(a)ポリアミドセグメントと(b)ポ
リエーテルセグメントから構成され、(a)成分の含有
量が25〜60重量%、(b)成分がポリオキシエチレ
ン残基を30〜99重量%含有し、かつ500〜400
0の数平均分子量を有するポリオキシアルキレン残基か
ら構成されていることを特徴とするアクリル系樹脂組成
物。
【0011】
【0012】.(b)成分として用いられるポリエー
テルセグメントを構成するポリオキシエチレン以外のポ
リオキシアルキレン残基が、ポリオキシプロピレン、ポ
リオキシテトラメチレン、ポリオキシヘキサメチレン、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールブ
ロック共重合体の残基である上記1のアクリル系樹脂組
成物。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明組
成物において、(A)成分として用いられるアクリル系
樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリ
ル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリ
ル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エ
チル、メタクリル酸メチル−アクリル酸メチル共重合
体、メタクリル酸メチル−メタクリル酸エチル共重合
体、メタクリル酸メチル−メタクリル酸ブチル共重合
体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エチル共重合体な
どの(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、
ブチルなどのアルキルエステル化合物の単独重合体ある
いは共重合体などが挙げられる。これらのアクリル系樹
脂は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよ
く、またその製造方法については特に限定されず、公知
の懸濁重合法、乳化重合法、バルク重合法などが用いら
れる。
【0014】本発明においては、(B)成分として用い
られるポリアミドエラストマーの中の(a)成分として
用いられるポリアミドセグメントは、炭素数6以上のア
ミノカルボン酸又はラクタム、及び/又は、炭素数4以
上のジアミンとジカルボン酸との塩などのポリアミド形
成性モノマーと、連結剤としてジカルボン酸又はジアミ
ンを用いた重合体から成り、ポリアミド形成性モノマー
としては、例えばω−アミノカプロン酸、ω−アミノエ
ナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン
酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン
酸、12−アミノドデカン酸、カプロラクタム、エナン
トラクタム、カプリルラクタム、ラウリンラクタム、ヘ
キサメチレンジアミンーアジピン酸塩、ヘキサメチレン
ジアミンーセバシン酸塩、ヘキサメチレンジアミンード
デカンジ酸塩、ヘキサメチレンジアミンーイソフタル酸
塩、ヘキサメチレンジアミン−テレフタル酸塩などが挙
げられ、特にω−アミノカプロン酸、11−アミノウン
デカン酸、12−アミノドデカン酸、カプロラクタム、
ラウリンラクタム、ヘキサメチレンジアミン−アジピン
酸塩、ヘキサメチレンジアミン−セバシン酸塩などが好
ましく用いられる。これらは1種用いても良いし、2種
以上組み合わせて用いても良い。
【0015】ハードセグメントであるポリアミドセグメ
ントは該エラストマーの耐熱性、強度、硬度やアクリル
系樹脂との親和性に関係するものであり、エラストマー
中での含有量は25〜60重量%〔すなわち、(b)成
分のポリエーテルセグメントの含有量が75〜40重量
%〕の範囲にあることが必要である。好ましくは25〜
45重量%である。この含有量が25重量%未満ではア
クリル系樹脂に混練した場合に帯電防止性が低くなる
し、60重量%を超えるとアクリル系樹脂に混練した場
合に親和性が悪くなり透明性が低下する。
【0016】また、このポリアミドセグメントの数平均
分子量は、通常400〜3000、好ましくは500〜
1200の範囲で選ばれる。この数平均分子量が400
未満では融点が低く得られる組成物の耐熱性が劣るし、
3000を超えると組成物の透明性が低下する傾向がみ
られ好ましくない。(b)成分のポリエーテルセグメン
トは、両末端をアミノ基で変性したポリオキシエチレン
由来のポリオキシエチレン残基と、他の両末端をアミノ
基で変性したポリオキシアルキレン由来のポリオキシア
ルキレン残基とから構成されていても良いし、ポリオキ
シエチレングリコール由来のポリオキシエチレン残基と
他のポリオキシアルキレングリコール由来のポリオキシ
アルキレン残基から構成されていても良いが、原料入手
の容易なグリコール類を用いた場合について以下説明す
る。ポリオキシエチレングリコール以外のポリオキシア
ルキレングリコールとしては、例えば、ポリオキシプロ
ピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコー
ル、ポリオキシヘキサメチレングリコールやポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレングリコールブロック共重
合体などが用いられ、更にブタンジオール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノンな
どをエーテル成分として共重合したものも用いることが
できる。
【0017】これらのグリコール類の内、特にポリオキ
シエチレングリコールとポリオキシテトラメチレングリ
コールまたはポリオキシプロピレングリコールとの組み
合わせ、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
グリコールブロック共重合体、さらに、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレングリコールブロック共重合体
とポリオキシエチレングリコールとの組み合わせが比較
的広い構成比率の範囲で透明なエラストマーが得られ好
ましい。特にポリオキシエチレングリコールとポリオキ
シテトラメチレングリコールの組み合わせが好ましい。
【0018】上記のグリコール類のうちポリオキシエチ
レングリコール以外のポリオキシアルキレングリコール
は、得られるエラストマーの親水性を適度に低下させる
作用を有し、その量によって親水性を調節することがで
きるが、本発明においてはグリコール類中のポリオキシ
エチレングリコールの量が99〜30重量%であるよう
に選ぶことが必要であり、特に95〜50重量%となる
ように選ぶのが好ましい。ポリオキシエチレングリコー
ルが99重量%を超える量では、得られたエラストマー
を用いたアクリル系樹脂組成物は吸湿条件下での安定性
が低く、ヘーズ値の増加傾向と共に、帯電防止性能の低
下が見られる。また30重量%未満の量では透明なエラ
ストマーが得にくく、かつ帯電防止性能の付与能力も小
さくなり好ましくない。
【0019】該グリコール類は、それら全体の数平均分
子量が500〜4000の範囲であることが必要であ
り、各グリコールの構成比によってこの範囲内になるよ
うに各グリコールの数平均分子量を選定する必要があ
る。この数平均分子量が500未満では、エラストマー
中のハードセグメントであるポリアミドセグメントの数
平均分子量が小さくなって、得られるエラストマーの融
点が低くなり、固まりにくくなる。一方、数平均分子量
が4000を超えると透明なエラストマーが形成されに
くくなる。
【0020】ポリアミドセグメントとポリエーテルセグ
メントとの連結基は、アミド基、エステル基又はアミド
基とエステル基が共存していても良く、連結剤として
は、ジカルボン酸又はジアミンを使用することができ
る。ジカルボン酸としては脂肪族ジカルボン酸であって
もよいし、芳香族ジカルボン酸であってもよく、このよ
うなものとしては、例えばアジピン酸、セバシン酸、ド
デカンジ酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸などが挙げられ、これらは1種用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。この
ジカルボン酸は、前記グリコール類と実質上等モル使用
することで、高分子量のポリアミドエラストマーが得ら
れる。
【0021】本発明に使用される(B)成分であるポリ
アミドエラストマーは下記化3中の(I)及び/又は
(II)式で示されるものが好ましい。
【0022】
【化3】
【0023】上記、ポリアミドエラストマーの製造方法
については、均質で透明なエラストマーが得られる方法
であればよく、特に制限はないが、例えば前記のポリア
ミド形成性モノマー、グリコール及びジカルボン酸と
を、グリコールとジカルボン酸とが実質的に等モルにな
るような割合で混合し、溶媒の存在下又は不存在下で、
反応で生成する重合物中の水分を、反応系中に窒素ガス
を流すかあるいは700〜300トール程度に減圧する
ことによって系外へ除去しながら、好ましくは150〜
300℃、より好ましくは180〜280℃の範囲の温
度において重合させる方法などを用いることができる。
【0024】この方法においては、脱水縮合させる際
に、チタニウムアルコキサイドやジルコニウムアルコキ
サイドなどの脱水縮合触媒を用いると反応時間が短縮さ
れ、ポリマーの着色も防止できるので有利である。これ
らの触媒は水が存在すると失活しやすいので、未反応の
アミド形成性モノマーの留去とともに反応系中の水を系
外へ除去した後に添加するのが有利である。このように
することにより、短時間で高重合度化することができ、
着色度も極めて少ない透明なポリアミドエラストマーが
得られる。
【0025】用いる溶媒としては、N−メチルカプロラ
クタム、N−メチル−2−ピロリドン、スルホランな
ど、ポリアミドセグメントとポリエーテルセグメントの
両方に対して相溶性の高い溶媒を用いることが望まし
い。本発明組成物において、用いられるポリアミドエラ
ストマーは、肉厚1mmでのヘイズ数が50%以下の透
明性を有することが望ましく、このヘイズ数が50%を
超えると得られる組成物の透明性が低下する傾向がみら
れる。
【0026】本発明組成物に用いるポリアミドエラスト
マーの重合度を必要に応じて変えることができるが、該
エラストマー濃度が0.5重量/容量%のメタクレゾー
ル溶液の温度30℃で測定した相対粘度が1.5以上で
あることが望ましく、この相対粘度が1.5未満では機
械的物性に劣り、アクリル系樹脂に混練した場合に組成
物の機械的物性が不足するおそれがある。好ましい相対
粘度は1.6以上である。
【0027】さらに、得られたポリアミドエラストマー
の熱安定性を高めるために、各種の耐熱老化防止剤、酸
化防止剤などの耐熱安定剤を用いることができ、これら
は重合の初期、中期、末期のどの段階で添加してもよ
い。また、ポリアミドエラストマーをアクリル系樹脂と
混練する際に添加することもできる。この耐熱安定剤と
しては、例えば1,3,5−トリメチル−2,4,6−
トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシケイ皮酸アミ
ド)、4,4′−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノ
ール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t
−ブチルフェノール)、ペンタエリスリチル−テトラキ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]などの各種ヒンダードフェノ
ール類;N,N′−ビス(β−ナフチル)−p−フェニ
レンジアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレン
ジアミン、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジ
ヒドロキノリン)などの芳香族アミン類;ジラウリルチ
オジプロピオネートなどのイオウ化合物やトリス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトなどのリ
ン化合物などが用いられる。
【0028】本発明の組成物は、前記(A)成分のアク
リル系樹脂を70〜97重量%、好ましくは80〜95
重量%、更に好ましくは85〜95重量%含有し、
(B)成分のポリアミドエラストマーを3〜30重量
%、好ましくは5〜20重量%、更に好ましくは5〜1
5重量%含有するように配合される。該(B)成分の配
合量が3重量%未満では十分な帯電防止効果が得られな
いし、30重量%を超えると剛性が低下する傾向がみら
れる。
【0029】このようにして得られたアクリル系樹脂組
成物は優れた帯電防止性と透明性を有し、透明アクリル
系樹脂組成物として用いる場合、2mm厚みでのヘイズ
数が15%以下のものが好ましく用いられる。本発明の
樹脂組成物は、(A)成分と(B)成分の混合物を公知
の方法、例えばバンバリーミキサー、ミキシングロー
ル、一軸もしくは二軸の押出機などを使用して混練する
方法を用いることができる。この際の混練温度は180
〜280℃の範囲で行うのが好ましい。
【0030】本発明においては、帯電防止効果をさらに
発揮させるために、(C)成分として有機スルホン酸塩
や有機リン酸塩を用いることができる。この有機スルホ
ン酸塩や有機リン酸塩としては、例えばドデシルベンゼ
ンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルジフ
ェニルエーテルジスルホン酸、ナフタリンスルホン酸な
どの芳香族スルホン酸、ラウリルスルホン酸のようなア
ルキルスルホン酸、亜リン酸ジフェニル、リン酸ジフェ
ニルなどの有機リン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類
金属塩などが挙げられるが、これらの中でアルカリ金属
塩が好ましく、特にナトリウム塩及びカリウム塩が好適
である。
【0031】この(C)成分は1種用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよく、その含有量は、好
ましくは0.05〜10重量%、更に好ましくは0.1
〜5重量%、特に好ましくは0.5〜2重量%の範囲で
選ばれる。この量が10重量%を超えると剛性が低下し
たり、成形品にした場合表面の肌荒れが生じたり、成形
時に着色したりするなど好ましくない事態を招来する。
【0032】本発明の樹脂組成物には、その物性をそこ
なわない範囲において他の成分、例えば染料、紫外線吸
収剤、耐候剤、熱安定剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、
離型剤、ポリオキシエチレングリコールやその他の重合
体などを、混練過程や成形過程などの任意の過程におい
て含有させることができる。このようにして得られた本
発明のアクリル系樹脂組成物は、一般の熱可塑性樹脂の
成形に用いられている公知の方法、例えば射出成形、押
出成形、ブロー成形、真空成形などの方法によって成形
することができる。
【0033】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、組成物及びエラストマーの各物
性は次に示す方法で求めた。 (1)エラストマーの相対粘度 メタクレゾール中30℃、0.5重量/容量%の条件で
測定した。 (2)エラストマーのヘイズ数 厚み0.4mmのポリカーボネート透明フィルム〔帝人
化成(株)製、パンライトシート〕にエラストマーをは
さんでエラストマーの肉厚が1mmのシートを作成し、
JIS K−7105に準拠して日本電色工業社製の曇
度計によって、ポリカーボネートのフィルムごとヘイズ
数を測定した。 (3)組成物の表面抵抗率 50×50×2mmの成形試料を用い、アデバンテスト
社製のエレクトロメーターTR8651と電極及び安藤
電気社製のシールドボックスと電極ホルダーを使用し
て、500V印加した際の抵抗値を測定して表面抵抗率
を求めた。 (4)組成物の全光線透過率及びヘイズ数 50×50×2mmの成形試料を用い、日本電色工業社
製の曇度計を使用して、JIS K−7105の方法に
準じて測定した。 (5)組成物の黄色度 50×50×2mmの成形試料を用い、日本電色工業社
製の測色色差計を使用して、JIS K−7103の方
法に準じて透過法で測定した。 (6)組成物の曲げ弾性率 ASTM D−790に準じて1/8インチ厚みの試験
片を用いて、23℃、55%RHで測定した。
【0034】
【製造例1】 ポリアミドエラストマー(A−1)の製造 かきまぜ機、窒素導入口、留去管、触媒投入ポットを取
り付けた10リットルのSUS製反応器に数平均分子量
1490のポリオキシエチレングリコール2240g、
数平均分子量1830のポリオキシテトラメチレングリ
コール560g、テレフタル酸301g、カプロラクタ
ム1250g、及び1,3,5−トリメチル−2,4,
6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン8gを仕込み、窒素を100ml/
minで流しながら220℃で2時間、更に窒素を10
00ml/minで流しながら250℃で2時間反応さ
せた。次いで、徐々に減圧度を上げて未反応のカプロラ
クタムを留去した後、減圧下で触媒ポットからテトラブ
トキシジルコニウム8gをカプロラクタム50gに溶か
した液を反応系に添加し、250℃、1トールで3時間
反応させた。反応器の底部から溶融ポリマーをストラン
ド状にして水中に抜き出して冷却し、ペレタイザーでカ
ットして透明なポリアミドエラストマーのチップを得
た。
【0035】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ント含有量が70重量%で、そのうちポリオキシエチレ
ン残基を80重量%含有し、ヘイズ数9%、相対粘度
1.9であった。
【0036】
【製造例2】 ポリアミドエラストマー(A−2)の製造 製造例1と同様の反応器に、数平均分子量1490のポ
リオキシエチレングリコール1980g、数平均分子量
1830のポリオキシテトラメチレングリコール500
g、テレフタル酸267g、12−アミノドデカン酸5
50g、及び1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン8gを仕込み、窒素を100ml/min
で流しながら250℃で2時間反応させた。更にカプロ
ラクタム1160gを添加して窒素を1000ml/m
inで流しながら250℃で3時間反応させた。次い
で、徐々に減圧度を上げて未反応のカプロラクタムを留
去した後、減圧下で触媒ポットからテトラブトキシジル
コニウム8gをカプロラクタム50gに溶かした液を反
応系に添加し、250℃、1トールで3時間反応させ
た。以後、製造例1と同様にしてポリアミドエラストマ
ー(A−2)のチップを得た。
【0037】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ント含有量が62重量%で、そのうちポリオキシエチレ
ン残基を80重量%含有し、ヘイズ数6%、相対粘度
2.0であった。
【0038】
【製造例3】 ポリアミドエラストマー(A−3)の製造 製造例1と同様の反応器に、数平均分子量1490のポ
リオキシエチレングリコール2050g、数平均分子量
1830のポリオキシテトラメチレングリコール510
g、セバシン酸335g、カプロラクタム1520g、
ヘキサメチレンジアミンーアジピン酸塩43g及び1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン8g
を仕込み、窒素を1000ml/minで流しながら2
50℃、3時間反応させた。次いで、徐々に減圧度を上
げて未反応のカプロラクタムを留去した後、減圧下で触
媒ポットからテトラブトキシジルコウム8gをカプロラ
クタム50gに溶かした液を反応系に添加し、240
℃、1トールで4時間反応させた。以後、製造例1と同
様にしてポリアミドエラストマー(A−3)のチップを
得た。
【0039】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ント含有量が64重量%で、そのうちポリオキシエチレ
ン残基を80重量%含有し、ヘイズ数7%、相対粘度
2.1であった。
【0040】
【製造例4】 ポリアミドエラストマー(A−4)の製造 製造例1と同様の反応器に、数平均分子量1490のポ
リオキシエチレングリコール1920g、数平均分子量
1830のポリオキシテトラメチレングリコール480
g、アジピン酸239g、カプロラクタム1750g、
ヘキサメチレンジアミンーアジピン酸塩117g及びペ
ンタエリスリチルーテトラキス[3ー(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
8gを仕込み、窒素を1000ml/minで流しなが
ら250℃、3時間反応させた。以後製造例1と同様に
してポリアミドエラストマーのチップ(A−4)を得
た。
【0041】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ント含有量が59重量%で、そのうちポリオキシエチレ
ン残基を80重量%含有し、ヘイズ数11%、相対粘度
2.1であった。
【0042】
【製造例5】 ポリアミドエラストマー(A−5)の製造 かきまぜ機、窒素導入口、留去管を取り付けた500m
lのガラス製反応器に数平均分子量1490のポリオキ
シエチレングリコール64.0g、数平均分子量183
0のポリオキシテトラメチレングリコール64.0g、
セバシン酸15.8g、カプロラクタム77.5g、ヘ
キサメチレンジアミンーアジピン酸塩2.0g及びペン
タエリスリチルーテトラキス[3ー(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
0.4gを仕込み、窒素を90ml/minで流しなが
ら260℃、4時間反応させた。次いで、徐々に減圧し
て未反応のカプロラクタムを留去したのち、常圧にもど
してからテトラブトキシジルコニウム0.4gを添加し
て、260℃、1トールで1.0時間反応させた。反応
器から溶融ポリマーをストランド状にして水中に抜き出
して冷却し、ペレタイザーでカットして透明なポリアミ
ドエラストマーのチップ(A−5)を得た。
【0043】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ント含有量が63重量%で、そのうちポリオキシエチレ
ン残基を50重量%含有し、ヘイズ数9%、相対粘度
2.1であった。
【0044】
【製造例6】 ポリアミドエラストマー(A−6)の製造 数平均分子量3330のポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレングリコールブロック共重合体〔日本油脂
(株)社製 商品名 プロノン 204〕134g、セ
バシン酸8.2g、カプロラクタム85g、及びペンタ
エリスリチルーテトラキス[3ー(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.
4gを仕込んだ以外は、製造例5と同様にしてポリアミ
ドエラストマーのチップ(A−6)を得た。
【0045】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ント含有量が67重量%で、そのうちポリオキシエチレ
ン残基を40重量%含有し、ヘイズ数15%、相対粘度
2.1であった。
【0046】
【製造例7】 ポリアミドエラストマー(A−7)の製造 製造例5と同様な反応器に数平均分子量993のポリオ
キシエチレングリコール88g、数平均分子量1830
のポリオキシテトラメチレングリコール22g、セバシ
ン酸20.5g、ヘキサメチレンジアミンーアジピン酸
塩81.0g、三酸化アンチモン0.06g、N−メチ
ル−2−ピロリドン100g及び1,3,5−トリメチ
ル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)ベンゼン0.4gを仕込み、窒
素を10ml/minで流しながら200℃で1時間反
応させた。次いで、窒素を90ml/minで流しなが
ら260℃で3時間反応させた後、減圧にして溶媒を留
去した。常圧にもどしてからテトラブトキシジルコニウ
ム0.4gを添加して、260℃、1トールで2.0時
間反応させた。以後、製造例5と同様にしてポリアミド
エラストマーのチップ(A−7)を得た。
【0047】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ント含有量が55重量%で、そのうちポリオキシエチレ
ン残基を80重量%含有し、ヘイズ数12%、相対粘度
1.8であった。
【0048】
【製造例8】 ポリアミドエラストマー(A−8)の製造 数平均分子量1490のポリオキシエチレングリコール
104g、数平均分子量1830のポリオキシテトラメ
チレングリコール26g、セバシン酸24.2g、ヘキ
サメチレンジアミンーセバシン酸塩51.8g、三酸化
アンチモン0.06g、N−メチル−2−ピロリドン1
00g及び1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン0.4gを仕込んだ以外は、製造例7と同
様にしてポリアミドエラストマーのチップ(A−8)を
得た。
【0049】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ント含有量が65重量%で、そのうちポリオキシエチレ
ン残基を80重量%含有し、ヘイズ数10%、相対粘度
2.0であった。
【0050】
【製造例9】 ポリアミドエラストマー(A−9)の製造 数平均分子量1490のポリオキシエチレングリコール
85g、数平均分子量1830のポリオキシテトラメチ
レングリコール21g、セバシン酸13.8g、11−
アミノウンデカン酸88g、三酸化アンチモン0.06
g、N−メチル−2−ピロリドン100g及び1,3,
5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン0.4g
を仕込んだ以外は、製造例7と同様にしてポリアミドエ
ラストマーのチップ(A−9)を得た。
【0051】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ント含有量が53重量%で、、そのうちポリオキシエチ
レン残基を80重量%含有し、ヘイズ数9%、相対粘度
1.9であった。
【0052】
【製造例10】 ポリアミドエラストマー(A−10)の製造 製造例5と同様な反応器に数平均分子量1490のポリ
オキシエチレングリコール96g、数平均分子量183
0のポリオキシテトラメチレングリコール24g、ドデ
カンジ酸17.8g、12−アミノドデカン酸67.8
g及び1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン0.4gを仕込み、窒素を10ml/minで
流しながら200℃で1時間反応させた。次いで、窒素
を90ml/minで流しながら260℃で1時間反応
させた後、減圧にして生成水を留去した。常圧にもどし
てからテトラブトキシジルコニウム0.4gを添加し
て、260℃、1トールで1.0時間反応させた。以
後、製造例5と同様にしてポリアミドエラストマーのチ
ップ(A−10)を得た。
【0053】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ント含有量が60重量%で、そのうちポリオキシエチレ
ン残基を80重量%含有し、ヘイズ数4%、相対粘度
2.2であった。
【0054】
【製造例11】 ポリアミドエラストマー(A−11)の製造 数平均分子量1490のポリオキシエチレングリコール
80g、数平均分子量1830のポリオキシテトラメチ
レングリコール20g、ドデカンジ酸14.8g、12
−アミノドデカン酸92.8g及び1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン0.4gを仕込んだ
以外は製造例10と同様にしてポリアミドエラストマー
のチップ(A−11)を得た。
【0055】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ント含有量が50重量%で、そのうちポリオキシエチレ
ン残基を80重量%含有し、ヘイズ数5%、相対粘度
2.1であった。
【0056】
【製造例12】 ポリアミドエラストマー(A−12)の製造 数平均分子量1830のポリオキシテトラメチレングリ
コール140g、テレフタル酸12.7g、カプロラク
タム66g、及び1,3,5−トリメチル−2,4,6
−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン0.4gを仕込んだ以外は、製造例5
と同様にしてポリアミドエラストマーのチップ(A−1
2)を得た。
【0057】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ント含有量が68重量%で、ポリオキシエチレン残基を
含有せず、ヘイズ数6%、相対粘度1.9であった。
【0058】
【製造例13】 ポリアミドエラストマー(A−13)の製造 数平均分子量993のポリオキシエチレングリコール1
10g、セバシン酸22.5g、ヘキサメチレンジアミ
ンーアジピン酸塩78.3g、三酸化アンチモン0.0
6g、N−メチル−2−ピロリドン100g及び1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン0.
4gを仕込んだ以外は、製造例7と同様にしてポリアミ
ドエラストマーのチップ(A−13)を得た。
【0059】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ントがポリオキシエチレン残基のみで構成され、その含
有量が55重量%であり、ヘイズ数15%、相対粘度
1.8であった。
【0060】
【製造例14】 ポリアミドエラストマー(A−14)の製造 数平均分子量1490のポリオキシエチレングリコール
130g、セバシン酸17.7g、ヘキサメチレンジア
ミンーセバシン酸塩58.3g、三酸化アンチモン0.
06g、N−メチル−2−ピロリドン100g及び1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン0.
4gを仕込んだ以外は、製造例7と同様にしてポリアミ
ドエラストマーのチップ(A−14)を得た。
【0061】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ントがポリオキシエチレン残基のみで構成され、その含
有量が65重量%であり、ヘイズ数11%、相対粘度
2.0であった。
【0062】
【製造例15】 ポリアミドエラストマー(A−15)の製造 数平均分子量1490のポリオキシエチレングリコール
120g、ドデカンジ酸18.7g、12−アミノドデ
カン酸67.0g及び1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン0.4gを仕込んだ以外は、製
造例10と同様にしてポリアミドエラストマーのチップ
(A−15)を得た。
【0063】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ントがポリオキシエチレン残基のみで構成され、その含
有量が60重量%であり、ヘイズ数4%、相対粘度2.
2であった。
【0064】
【製造例16】 ポリアミドエラストマー(A−16)の製造 数平均分子量1490のポリオキシエチレングリコール
2560g、セバシン酸348g、カプロラクタム15
00g、ヘキサメチレンジアミンーアジピン酸塩45g
及び1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン8gを仕込んだ以外は、製造例3と同様にして
ポリアミドエラストマー(A−16)のチップを得た。
【0065】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ントがポリオキシエチレン残基のみで構成され、その含
有量が64重量%であり、ヘイズ数8%、相対粘度2.
1であった。
【0066】
【製造例17】 ポリアミドエラストマー(A−17)の製造 数平均分子量1980のポリオキシエチレングリコール
2800g、無水トリメリット酸272g、カプロラク
タム1330g、1,3,5−トリメチル−2,4,6
−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン8gを仕込んだ以外は、製造例3と同
様にして重合した。次いで、反応器底部からストランド
状に抜き出して窒素ガス気流下で冷却ロールで冷却し、
回収したストランドをペレタイザーでカットしてポリア
ミドエラストマー(A−17)のチップを得た。
【0067】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ントがポリオキシエチレン残基のみで構成され、その含
有量が71重量%であり、ヘイズ数8%、相対粘度2.
3であった。
【0068】
【製造例18】 ポリアミドエラストマー(A−18)の製造 製造例5と同様な反応器に数平均分子量4000の両末
端アミンのポリオキシエチレン〔三洋化成工業(株)社
製 商品名 イオネットY400)94g、数平均分子
量1100のポリオキシテトラメチレングリコール40
g、N−メチル−ε−カプロラクタム50g及び1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン0.
4gを仕込み、100℃に加熱して溶解した。その後、
セバシン酸12.2g、カプロラクタム65.8gを添
加して、窒素を10ml/minで流しながら200℃
で1時間反応させた。次いで、窒素を90ml/min
で流しながら260℃で4時間反応させた後、減圧にし
て溶媒と少量のカプロラクタムを留去した。常圧にもど
してからテトラブトキシジルコニウム0.4gを添加し
て、260℃、1トールで2.0時間反応させた。以
後、製造例5と同様にしてポリアミドエラストマーのチ
ップ(A−18)を得た。
【0069】このエラストマーは、ポリエーテルセグメ
ント含有量が67重量%で、そのうちポリオキシエチレ
ン残基を70重量%含有し、ヘイズ数13%、相対粘度
1.9であった。
【0070】
【実施例1〜15、比較例1〜10】表1及び表2に示
す組成の各成分を一軸押出機で230℃或いは250℃
で混練したストランドを水冷してペレット化した。次い
で、得られたペレットを乾燥した後、シリンダー温度2
30℃或いは250℃、金型温度60℃で射出成形し
た。
【0071】成形した試料は23℃、55%RHに2日
間放置してから物性を測定した。また、その成形体を2
3℃で水中に1日浸漬した後の透明性(ヘイズ数)を測
定した。その結果を表3及び表4に示す。なお、実施例
及び比較例で用いたアクリル系樹脂及び添加剤の記号は
次を意味する。()内の温度は、組成物の混練及び射出
時のシリンダー温度である。 <アクリル系樹脂> B−1:メタクリル酸メチル単位90重量%とアクリル
酸メチル単位10重量%とから成る共重合樹脂〔デルペ
ット(商標)60N 旭化成工業(株)製〕(230
℃) B−2:メタクリル酸メチル単位85重量%とアクリル
酸エチル単位15重量%とから成る共重合樹脂(230
℃) B−3:メタクリル酸メチル単位97.5重量%とアク
リル酸メチル単位2.5重量%とから成る共重合樹脂
〔デルペット(商標)80N 旭化成工業(株)製〕
(230℃) B−4:メタクリル酸メチル単位94重量%とアクリル
酸メチル単位6重量%とから成る共重合樹脂〔デルペッ
ト(商標)LP−1 旭化成工業(株)製〕(250
℃) <添 加 剤> C−1:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム C−2:ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナト
リウム C−3:ジフェニル亜リン酸ナトリウム
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【発明の効果】本発明のアクリル系樹脂組成物は、優れ
た永久帯電防止性を有するとともに、水中に浸漬した場
合の透明性の低下が極めて小さく、着色度も極めて低
く、かつ安価であるなどの特徴を有し、例えば照明器
具、機器銘版、メーターカバーをはじめとして、エレク
トロニクス製品、家電製品、OA機器などの各種部品の
静電気帯電を防止し得る材料などとして好適に用いられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 77:00) C08L 77:00)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アクリル系樹脂70〜97重量%
    及び(B)ポリアミドエラストマー3〜30重量%を含
    有し、(B)成分が、(a)ポリアミドセグメントと
    (b)ポリエーテルセグメントから構成され、(a)成
    分の含有量が25〜60重量%、(b)成分がポリオキ
    シエチレン残基を30〜99重量%含有し、かつ500
    〜4000の数平均分子量を有するポリオキシアルキレ
    ン残基から構成されていることを特徴とするアクリル系
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (b)成分として用いられるポリエーテ
    ルセグメントを構成するポリオキシエチレン以外のポリ
    オキシアルキレン残基が、ポリオキシプロピレン、ポリ
    オキシテトラメチレン、ポリオキシヘキサメチレン、ポ
    リオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールブロ
    ック共重合体の残基である請求項1記載のアクリル系樹
    脂組成物。
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