JPH06287075A - 不定形耐火物用組成物 - Google Patents

不定形耐火物用組成物

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JPH06287075A
JPH06287075A JP6001635A JP163594A JPH06287075A JP H06287075 A JPH06287075 A JP H06287075A JP 6001635 A JP6001635 A JP 6001635A JP 163594 A JP163594 A JP 163594A JP H06287075 A JPH06287075 A JP H06287075A
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JP
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refractory
particles
composition
weight
spheroidized
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JP6001635A
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Inventor
Yasushi Ono
泰史 小野
Satoshi Sakamoto
敏 坂本
Yutaka Murata
裕 村田
Tetsuo Kaji
哲郎 梶
Yasuhiko Endo
康彦 遠藤
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】流動性が優れ比較的少量の水分を加えて混練す
ればポンプ圧送でき、流し込み成形時に振動を加えなく
ても気泡が自然に浮上して排出される不定形耐火物用組
成物を提供する。 【構成】アルミナセメント、アルミナ、ボーキサイト、
ムライト、シャモット、ジルコン、マグネシア、スピネ
ル、炭化珪素などから選ばれる1種以上の平均粒径30
μm以下の球状化処理された耐火性粒子を組成物中に2
〜30重量%配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流動性が良好で、施工現
場における施工作業の一層の省力化が可能な不定形耐火
物用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】不定形耐火物は一般的に定形耐火物と比
較すると嵩比重が小さく、耐用が劣るという欠点はある
が、その製造、施工の両面において必要とされる人手が
少なく、かつ省エネルギーであるという長所がある。特
に最近では分散性、すなわち流動性が良好で、混入する
水分の量を少なくした成形体の嵩比重が大きい不定形耐
火物用組成物が開発され、耐用が向上してコストパーフ
ォーマンスを考慮した場合、定形耐火物より概ね優位な
状況となっている。
【0003】かくして、不定形耐火物は従来の定形耐火
物の使用箇所を次第に置き換えつつあり、その使用量は
年々増えているのが現状である。また、省力化をさらに
進めてポンプ圧送が可能な流動性を有する不定形耐火物
が一部実用に供され始めている。
【0004】しかしながら、ポンプによる圧送が可能な
流動性を有する不定形耐火物は、通常の流し込み施工が
行われる不定形耐火物と比較し、今のところ添加水分の
量を相当多くしており、添加水分の量が多い分だけ得ら
れる耐火物成形体の嵩比重が小さく、耐用が劣るという
問題がある。
【0005】他方、主としてポルトランドセメントを使
用する建築用のコンクリートの分野では、特開昭62−
17056、特開昭63−45161、特開平2−19
2439、特開平2−311338、特開平3−164
454、特開平3−208851、特開平4−1703
53などに流動性の優れた、さらにはポンプ圧送が可能
なコンクリートが提案され、球状化処理されたポルトラ
ンドセメント粒子の配合がコンクリートの流動性の向上
に有効であるとしている。また、特公平3−2009や
特開昭62−221434には固体粒子の球状化処理に
関する技術が開示されている。
【0006】また、特開昭62−221434には固体
粒子の球状化処理を高速気流中で衝撃処理して行うこと
が提案され、この球状化処理方法によってコンクリート
に使用するポルトランドセメントの球状化処理が試みら
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の不定形
耐火物における前述の問題点を解決し、ポンプ圧送が可
能な流動性を有していて、振動を加えなくても施工で
き、得られる耐火物成形体の嵩比重が通常の振動を加え
る流し込み施工がされた不定形耐火物と比べて遜色のな
い嵩比重を有する物成形体が得られる不定形耐火物用組
成物を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を達
成すべくなされたものであり、本発明の不定形耐火物用
組成物は、アルミナセメント、アルミナ、チタニア、ボ
ーキサイト、ダイアスポア、ムライト、礬土頁岩、シャ
モット、パイロフィライト、シリマナイト、アンダリュ
サイト、珪石、クロム鉱石、スピネル、マグネシア、ジ
ルコニア、ジルコン、クロミア、窒化珪素、窒化アルミ
ニウム、炭化珪素、炭化硼素、硼化ジルコニウムおよび
硼化チタンから選ばれる1種以上の平均粒径が30μm
以下の球状化処理された耐火性粒子を2〜30重量%含
む組成物からなり、外掛けで6重量%の水を加えて混練
した坏土を寸法が70mmφ〜100mmφ×60mm
のコーン型に流し込み、コーン型を抜き取って振動を加
えないで60秒間放置したときのコーンフロー値が18
0mm以上であることを特徴とする。
【0009】本発明の発明者らは、不定形耐火物用組成
物中に球状化処理された平均粒径30μm以下の耐火性
粒子を2〜30重量%配合しておくと、多種類の耐火性
骨材を主な構成物とする不定形耐火物坏土の流動性を顕
著に向上せしめ得ることを発見し、多種類の耐火性骨材
を主な構成物とする組成物で比較的少量の水分を加えて
混練することにより自己流動性を備え、振動を加えなく
ても自然に流れ、内部の気泡が浮上して表面から排出さ
れ、嵩比重が大きい成形体が得られる不定形耐火物用組
成物を完成した。
【0010】不定形耐火物用組成物に配合される球状化
処理された耐火性粒子は、アルミナセメント、アルミ
ナ、チタニア、ボーキサイト、ダイアスポア、ムライ
ト、礬土頁岩、シャモット、パイロフィライト、シリマ
ナイト、アンダリュサイト、珪石、クロム鉱石、スピネ
ル(MgAl24 、MgCrO4 など)、マグネシ
ア、ジルコニア、ジルコン、クロミア、窒化珪素、窒化
アルミニウム、炭化珪素、炭化硼素、硼化ジルコニウム
および硼化チタンから選ばれる1種以上であればよい。
【0011】球状化処理された耐火性粒子の平均粒径を
30μm以下としたのは、平均粒径が30μmより大き
いと組成物に球状化処理された耐火性粒子を配合するこ
とによる分散性の向上効果が小さいためであり、平均粒
径を30μm以下とすることにより球状化処理された耐
火性粒子の配合量が少なくて済み、耐火性粒子の球状化
処理に要するコストが安くなる。球状化処理された耐火
性粒子は広い粒径分布を有するものであってよい。
【0012】球状化処理された耐火性粒子の平均粒径は
好ましくは1〜20μmである。本発明で平均粒径と
は、レーザ回折式粒度分布計によって求められた耐火性
粒子の積算粒度分布において積算重量が50重量%の位
置にある粒径をいう。
【0013】組成物に配合される球状化処理された耐火
性粒子の平均粒径を30μm以下、好ましくは球状化処
理された耐火性粒子の90重量%以上の粒径を30μm
以下とし、組成物の2重量%以上、好ましくは3重量%
以上の球状化処理された耐火性粒子を配合することによ
り、水を加えて混合した不定形耐火物の坏土の流動性を
顕著に向上せしめる効果が得られる。その理由は、組成
物の主な構成物である耐火性骨材の隙間を球状化処理さ
れた耐火性粒子が効率よく埋め、水を加えて混練された
不定形耐火物の坏土の流動性を高める働きをするためで
あると推定される。
【0014】平均粒径が30μm以下の球状化処理され
た耐火性粒子の配合量が組成物の30重量%を超える
と、この分組成物に配合できる緻密な耐火性骨材の量が
減って組成物に水を加えて混練された坏土の流動性が小
さくなる。耐火性粒子を球状化処理する費用と手間を考
慮すると、多量の球状化処理された耐火性粒子を組成物
に配合するのは組成物のコストを押し上げることになる
ため、その配合量は30重量%以下、好ましくは20重
量%以下とされる。
【0015】本発明において、コーンフロー値はJIS
−R−5201に規定された方法を少々変更した方法で
測定され、不定形耐火物用組成物に水を加えて混練した
坏土をコーン型に流し込み、コーン型を抜き取って振動
を加えないで60秒間放置したときのコーンフロー値が
180mm以上であればポンプ圧送による施工が可能な
自己流動性を備えている。本発明の不定形耐火物用組成
物では、この組成物に外掛けで6重量%という比較的少
量の水を加えて混練したときにコーンフロー値が180
mm以上の流動性を有する坏土が得られる。このコーン
フロー値は大きいほど施工性と耐火物成形体の性能が向
上するので、190mm以上、さらには200mm以上
であるのが好ましい。
【0016】コーンフロー値を大きくできれば坏土のポ
ンプ圧送がさらに容易になり、坏土中の気泡の浮上が促
進されて気孔率が小さく、嵩比重のより大きい成形体が
得られる。坏土の流動性を表す数値として、他にJIS
−A−1101に規定された寸法が100mmφ〜20
0mmφ×300mmのコーン型を用い、振動を加えな
いでフロー値を求めるスランプフロー値が使用されるこ
ともある。両方のフロー値は素直な比例関係を示さない
が、本発明におけるコーンフロー値の180mm、20
0mmおよび220mmは、概ねスランプフロー値でそ
れぞれ500mm、550mmおよび600mmに相当
する。
【0017】かくして、施工時に坏土に振動を加えて流
し込む従来の成形用不定形耐火物と同等量、あるいは同
等量より少ない水を加えて混練すればポンプ圧送による
施工が可能となり、さらには自己流動性を有していて従
来のように振動を加えなくても型枠内の隅々にまで坏土
が充填され、坏土の内部の気泡が自然に抜け出る。この
ため、耐火物の耐用を左右する成形体の嵩比重も従来の
振動を加えて流し込み施工された不定形耐火物の成形体
と比べて全く遜色がない。また、添加水分の量をさらに
減らし、振動を加えて施工すれば気孔率がさらに小さ
く、嵩比重の大きい成形体が得られる。
【0018】本発明の好ましい不定形耐火物用組成物
は、組成物中に球状化処理された平均粒径が30μm以
下のアルミナセメント粒子を0.5重量%以上10重量
%以下含む。アルミナセメントが0.5重量%以上2重
量%未満の場合には、必然的に1.5重量%以下の他の
球状化処理された耐火性粒子を組成物中に含むことにな
る。アルミナセメント粒子は、たとえば平均粒径が5.
5μmのアルミナセメントの場合、0.3〜176μm
という広い範囲に分布する粒径を有しているが、大部分
は30μm以下の粒径を有する粒子であり、そのまま球
状化処理して組成物に配合すればよい。
【0019】また、球状化処理されたアルミナセメント
であってもアルミナセメントを組成物に10重量%より
多く加えると、得られる耐火物成形体の性能は向上せ
ず、むしろ耐火度が低下する傾向を示すのでアルミナセ
メントの配合量は10重量%以下とするのが好ましい。
【0020】耐火性粒子の球状化処理は、たとえば回転
ブレードを備える汎用の粉砕機中に耐火性粒子の粉体を
投入することによって行うことができる。この場合、粒
径30μm程度以下の細かい耐火性粒子はほとんど粉砕
されることなく粉砕機から排出され、尖っていた耐火性
粒子の角が取れて、川原に転がっている石のように球状
化され、耐火性粒子の粒径は角が取れた分少々小さくな
る。耐火性粒子の角が欠けて生じた微小粒子あるいは別
に加えられた微小粒子が存在する場合には、微小粒子が
耐火性粒子の表面に固着し、耐火性粒子の表面にある窪
みを埋めてその球状化が促進される。
【0021】本発明の他の好ましい不定形耐火物用組成
物では、球状化処理された耐火性粒子の表面に、耐火性
粒子と異なる材質からなり、耐火性粒子の平均粒径の5
0%以下の平均粒径を有する金属酸化物、金属窒化物、
金属炭化物、および金属硼化物から選ばれる微小粒子の
1種以上が固着されている。
【0022】耐火性粒子の表面に固着される好ましい微
小粒子の金属酸化物にはシリカ、アルミナ、ムライト、
スピネル、ジルコニア、ジルコン、クロミア、チタニ
ア、粘土があり、金属窒化物には窒化珪素、窒化アルミ
ニウムが、金属炭化物には炭化珪素、炭化硼素が、金属
硼化物には硼化チタン、硼化ジルコニウム、窒化硼素が
ある。
【0023】耐火性粒子の球状化処理に際し、耐火性粒
子と異なる材質の微小粒子を加えると、耐火性粒子に親
水性を付与して耐火性粒子の分散性を高めることがで
き、組成物中に黒鉛粒子などの非酸化物粒子が配合され
ている場合には、非酸化物粒子が酸化されるのを防ぐ効
果を付与できるなど、耐火物の使用性能をさらに向上せ
しめることができる。
【0024】これらの微小粒子は球状化処理された耐火
性粒子、たとえばアルミナセメント粒子の表面に固着し
てアルミナセメント粒子を被覆することになるので、そ
の平均粒径は耐火性粒子の平均粒径の50%以下である
のが好ましく、さらには30%以下とするのが好まし
い。
【0025】耐火性粒子の表面に固着された微小粒子は
耐火性粒子の表面の性質を変える。たとえば耐火性粒子
が水中に投入されたとき、マイナスのゼータ(ζ)電位
の絶対値が大きい親水性の微小粒子で耐火性粒子を被覆
しておけば、不定形耐火物用組成物の分散性、ひいては
混練された坏土の流動性をさらに向上せしめる効果が得
られる。
【0026】本発明の他の好ましい不定形耐火物用組成
物では、アルミナセメント粒子の他に球状化処理された
アルミナの耐火性粒子を含む。アルミナセメント粒子を
球状化処理しないで、同時に配合するアルミナの耐火性
粒子を球状化処理して不定形耐火物用組成物に配合して
も、施工に際して球状化処理されたアルミナセメント粒
子を配合した不定形耐火物の坏土と同程度に優れた流動
性を有する不定形耐火物の坏土が得られる。
【0027】本発明の他の好ましい不定形耐火物用組成
物では、組成物中に分散剤としてヘキサメタ燐酸ソーダ
が含まれており、その含有量は0.01重量%以上、
0.3重量%以下である。ヘキサメタ燐酸ソーダは、施
工現場で混合しなければならない液体の分散剤と比べ
て、予め組成物中に配合しておける粉末状のものである
ので、不定形耐火物用組成物に適した分散剤であり、施
工に際して分散剤を配合する手間が省ける点で優れてい
る。
【0028】また、ヘキサメタ燐酸ソーダは、0.01
重量%以上という僅かな量の添加で組成物中の粒子が水
に分散されたときのマイナスのゼータ電位の絶対値を大
きくする効果があり、他の分散剤を使用するときと比べ
て水を混合した組成物の流動性が顕著に良好である。し
かし、0.3重量%を超えるヘキサメタ燐酸ソーダが添
加されても流動性はそれ以上向上しない。
【0029】本発明の不定形耐火物用組成物中には、球
状化処理された耐火性粒子と球状化処理されていない耐
火性粒子の他、組成物の主な構成物である粒度配合され
た通常粒径が25mm以下の耐火性骨材が含まれてい
る。これらの耐火性骨材として、たとえば、マグネシ
ア、クロミア、ドロマイト、スピネル、アルミナ、ムラ
イト、ジルコン、珪石、シャモット、蝋石、礬土頁岩、
ボーキサイトなどの金属酸化物、炭化珪素などの金属炭
化物、窒化珪素などの金属窒化物および硼化ジルコニウ
ムなどの金属硼化物から選ばれる1種以上が組み合わさ
れる。
【0030】耐火物成形体の嵩比重が大きくなるよう
に、耐火性骨材は気孔率が小さく緻密なものを選ぶのが
好ましい。また、耐火性骨材には種々の嵩比重を有する
ものがあり、嵩比重の小さい耐火性骨材を使用する場合
はその分耐火性骨材の占める嵩が大きくなって自己流動
性を付与するのに必要な添加水分の量が相対的に増す。
また、耐火性骨材の嵩比重が小さい場合は耐火性骨材と
粒径30μm以下の耐火性粒子との間の分離(セグリゲ
ーション)が起きやすいが、球状化処理された耐火性粒
子が配合されていること、また添加水分の量が少ないこ
とによってこの傾向が抑制される。
【0031】本発明の他の好ましい不定形耐火物用組成
物では、組成物中にフュームドシリカまたは球状化処理
された無定形のシリカ粒子が1重量%以上9重量%以下
配合されている。フュームドシリカは気相からの析出に
よって得られた微小な無定形のシリカ粒子であり、従
来、不定形耐火物の流動性を向上せしめるのに有効であ
ることが知られており、本発明の不定形耐火物用組成物
においても、1重量%以上添加すれば坏土の流動性をさ
らに向上せしめる効果がある。
【0032】しかし、9重量%を超える量を組成物に添
加すると、用途にもよるが耐用が損なわれる場合が多
い。また、フュームドシリカに限らず、球状化処理され
た無定形のシリカ粒子を配合しても、同様に不定形耐火
物の流動性を向上せしめる効果が得られる。
【0033】本発明の他の好ましい不定形耐火物用組成
物は、球状化処理された耐火性粒子が高速気流中で衝撃
処理されたものである。高速気流中で衝撃処理する球状
化処理方法は、比較的少ないエネルギーの消費で球状化
処理された耐火性粒子を簡便に得られる点で好ましい手
段である。また、この方法によれば、親水性のある微小
粒子を耐火性粒子の表面に固着しなくても、耐火性粒子
の表面が活性化されて親水性が向上し、不定形耐火物の
流動性が改善されるという効果もある。
【0034】また、他の球状化処理方法として、酸素ア
セチレン炎などの火炎やガスプラズマを使用する溶射方
法があり、これらの溶射方法によれば、非常に球体に近
い耐火性粒子を得ることができ、本発明の不定形耐火物
用組成物における球状化処理された耐火性粒子として配
合することができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の不定形耐火物用組成物を実施
例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施
例によってなんら限定されるものではない。
【0036】耐火性粒子を球状化処理するのに、奈良機
械社製の衝撃処理装置(型式NHS−3)を使用した。
この装置は図1の正面断面図と図2の側面断面図に概要
が示された構成を有しており、図中1はケーシング、2
は前方壁、3は後方壁、4は回転板、5はブレード、6
は回転軸、7は衝撃室、8は衝撃壁、9は粉体出口弁、
10は粉体循環回路管、11は粉体導入弁、12はホッ
パーである。
【0037】この衝撃処理装置では、ホッパー12に入
れられた原料の粉体は原料入口弁11を開いて円盤状の
空間からなる衝撃室7内に導入される。衝撃室7中には
図示されていない電動機で駆動される回転軸6に固定さ
れた回転板4と回転板4に固定されたブレード5があっ
て共に高速で回転する。ブレード5の回転エネルギーは
衝撃室7内において高速気流のエネルギーに変換され、
衝撃室7に取り付けられた粉体循環回路管10の閉じた
流路を気流が粉体を乗せて矢印の方向に循環する構成と
なっている。
【0038】衝撃処理装置の内部を循環する耐火性粒子
はこの中で互いに衝突する他、高速で回転しているブレ
ード5によって衝撃力、圧縮力、摩擦力、剪断力などの
機械的作用を繰り返し受け、耐火性粒子の尖った角がと
れ、微小粒子が耐火性粒子の表面に固着されることによ
って球状化処理される。
【0039】球状化処理によって耐火性粒子は尖った角
のないアスペクト比(長径/短径の比をいう)の小さい
球状あるいは楕球状の粒子形状に近づく。この方法で球
状化処理された耐火性粒子は、通常アスペクト比が3以
下で尖った角のない丸みを帯びた粒子になる。
【0040】衝撃処理装置のブレードの回転速度は、耐
火性粒子が過度に破砕されない程度の速度に調整され、
所定の時間衝撃処理を行った後、球状化処理された耐火
性粒子を粉体出口弁9を開いて取り出す。
【0041】試験例 球状化処理する耐火性粒子の原料として、Al23
CaOの含有量がそれぞれ74重量%と24重量%で、
粒径が0.3〜176μmの範囲にあって平均粒径が
5.5μmのアルミナセメントと、Al23 の純度が
99.6重量%で平均粒径が4.3μmのバイヤーアル
ミナ粉末と、Al23 とSiO2 の含有量がそれぞれ
71重量%と27重量%で、平均粒径が12μmの合成
ムライト粉末と、SiCの含有量が99重量%で平均粒
径が2μmの炭化珪素粉末を準備した。
【0042】また、アルミナセメント粒子の表面に固着
せしめる微小粒子としてヘキサメタ燐酸ソーダの微粉末
と、SiO2 の純度が98重量%で平均粒径が約0.9
μmのフュームドシリカを使用し、表1に示す配合比の
混合粉体とし、これらを2kgずつ前述の衝撃処理装置
に投入して球状化処理を行い、表1に示すA1 、A2
3 、B、CおよびDの6種類の球状化処理された耐火
性粒子を得た。
【0043】球状化処理は、耐火性粒子が過度に破砕さ
れないように、あるいは微小粒子の充分な固着強度が得
られるように、回転板4の外周速度を約120m/秒と
した。衝撃処理の時間は、比較的短時間で有効な処理効
果が得られるように10分間に設定した。また、微小粒
子を始めとする粉体の粒径と平均粒径は、篩で分級され
たものを除き、レーザ回折式粒度分布計(マイクロトラ
ック社製、モデル7FRA使用)によって測定した。
【0044】
【表1】
【0045】得られた球状化処理後の耐火性粒子を表2
と表3に示した割合で配合し、No.1〜14の不定形
耐火物用組成物とした。すなわち、耐火性骨材としてA
23 が88重量%の粗粒(粒径1.68〜6m
m)、中粒(粒径0.1〜1.68mm)および細粒
(中粒を粒径0.2mm以下に粉砕しもの)としたボー
キサイトの耐火性骨材、Al23 の含有量が98重量
%の粗粒(1.0〜6mm)、中粒(44μm〜1.0
mm)および細粒(43μm以下)とした電融アルミナ
の耐火性骨材、SiCの含有量が99重量%の粗粒
(1.0〜5mm)、中粒(0.2〜1.0mm)およ
び細粒(0.2mm以下)とした炭化珪素の耐火性骨材
を準備した。
【0046】また、Al23 の含有量が99.5重量
%の焼成アルミナ粉末(粒径43μm以下)、Al2
3 の含有量が99.6重量%のバイヤーアルミナ粉末
(平均粒径4.3μm)およびAl23 とSiO2
含有量がそれぞれ71重量%と27重量%の合成ムライ
ト粉末(粒径43μm以下)を準備し、さらに組成物の
分散性を向上せしめる添加物としてフュームドシリカ
(SiO2 の含有量が98重量%で平均粒径が0.9μ
mのもの)とヘキサメタ燐酸ソーダ(すべての組成物に
それぞれ0.05重量%添加)を配合して不定形耐火物
用組成物とした。
【0047】次に、これらの組成物に水を加えて混練
し、各不定形耐火物の流動性をJIS−R−5201に
規定された方法を少々変更した方法によるコーンフロー
値で評価した。すなわち、表2と表3に示された組成物
に所定量の水分を加えて万能ミキサー中で3分間混練
し、混練した坏土を70mmφ〜100mmφ×60m
mの長円錐台形状のフローコーン型中に流し込み、フロ
ーコーン型を上方に抜き取って60秒間振動を加えない
で放置し、流動して概ね円形に広がった坏土の最大広が
り寸法とその直角方向の広がり寸法を測定し、両者の平
均を求めてコーンフロー値とした。
【0048】自己流動性は、コーンフロー値を測定した
組成物と同様に調製した坏土を、混練後1分以内に23
0mm×230mm×230mmの内寸法を有する型に
流し込み、鋳込んだ坏土の表面が水平になり、かつ坏土
の内部に存在する気泡が浮き上がって表面から排出され
るか否かを肉眼で観察して評価した。
【0049】また、ポンプ圧送性は、それぞれ約200
kgの坏土を調製して5kg/cm2 の圧縮空気を動力
源とする圧送ポンプ(Putzmeister社製、M
IXOKERT)を使用し、水平方向30m、垂直方向
10mの区間における混練された坏土のポンプ圧送が可
能かどうかを調べた。また、これらの坏土を油圧で駆動
される複ピストン式コンクリートポンプ(Symtec
社製MKW−25SVH)によって水平方向50mの圧
送が可能かどうかを調べた。
【0050】気孔率と嵩比重は、コーンフロー値を測定
したのと同じ混練坏土を40mm×40mm×80mm
の内寸法を有する型中に流し込み、20℃の室内に24
時間放置後脱型し、さらに110℃で24時間乾燥した
試験片につき、JIS−R−2205に規定された方法
に準じて測定した。
【0051】また、比較例である組成物例No.11〜
14の試験では、自己流動性がなくポンプ圧送による施
工は無理であり、流し込んだだけでは満足な流し込み成
形体が得られないので、従来通り振動を加えて流し込ん
だ成形体につと嵩比重を測定した。
【0052】圧縮強度の測定は気孔率と嵩比重を測定し
た後の試験片を乾燥したものについて行い、80mmの
長さの稜を有する側面の中央部に40mm×40mm×
40mmの金属ブロックを押し当てて圧縮荷重を加え、
破壊時の最大圧縮荷重を求めて圧縮強度(kg/cm
2 )とした。これらの評価結果を表2と表3に併せて示
した。表2と表3に示されている組成物例中No.1〜
10は本発明の実施例であり、No.11〜14は比較
例である。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】以上の試験結果から、球状化処理された耐
火性粒子あるいは球状化処理されると同時にシリカなど
の微小粒子が表面に固着、かつ被覆された耐火性粒子が
2〜30重量%配合された不定形耐火物用組成物は、水
を加えて混練された坏土の流動性が顕著に優れているこ
とが分かる。また、6重量%程度の比較的少量の水分を
加えて混練された不定形耐火物の坏土で充分な流動性が
確保されているので、施工された成形体中の粒子の充填
性が良好で、不定形耐火物の耐用を左右する成形体の嵩
比重が大きい。
【0056】また、本発明の不定形耐火物用組成物で
は、外掛けで6重量%あるいはそれ以下の水分を加えて
混練した不定形耐火物の坏土が優れた流動性を示すの
で、その施工にポンプ圧送が採用でき、型枠内に流し込
まれた坏土は特に振動を加えなくても、坏土は型枠内の
隅々に行きわたって坏土の表面が水平になり、坏土の内
部の気泡が自然に浮き上がって排出される。
【0057】さらに、本発明の不定形耐火物用組成物の
坏土を流し込んで得られる成形体の嵩比重その他の物性
は、従来の振動を加えて施工される不定形耐火物と比べ
て遜色がないので、顕著に優れたコストパーフォーマン
スを示す不定形耐火物の成形体が得られる。
【0058】
【発明の効果】球状化処理された耐火性粒子が配合され
た本発明の不定形耐火物用組成物は、水を加えて混練し
た不定形耐火物坏土として流し込み施工するとき、添加
水分の量が少なくても優れた流動性を示す。したがっ
て、嵩比重が大きく、使用特性の優れた不定形耐火物の
成形体が得られると同時に、ポンプ圧送により不定形耐
火物の施工を顕著に少ない人手で行え、工事を短期間で
完了することができる。現在、省力化の推進は産業が発
展かつ存続するための不可欠の条件であるので、その産
業上の利用価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不定形耐火物用組成物に配合する耐火
性粒子の球状化処理に使用される装置の一例の概要を示
す正面断面図。
【図2】図1の側面断面図。
【符号の説明】
1:ケーシング 2:前方壁 3:後方壁 4:回転板 5:ブレード 6:回転軸 7:衝撃室 8:衝撃壁 9:粉体出口弁 10:粉体循環回路管 11:粉体導入弁 12:ホッパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶 哲郎 兵庫県高砂市梅井5丁目6番1号 旭硝子 株式会社高砂工場内 (72)発明者 遠藤 康彦 東京都千代田区丸の内二丁目1番2号 旭 硝子株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミナセメント、アルミナ、チタニア、
    ボーキサイト、ダイアスポア、ムライト、礬土頁岩、シ
    ャモット、パイロフィライト、シリマナイト、アンダリ
    ュサイト、珪石、クロム鉱石、スピネル、マグネシア、
    ジルコニア、ジルコン、クロミア、窒化珪素、窒化アル
    ミニウム、炭化珪素、炭化硼素、硼化ジルコニウムおよ
    び硼化チタンから選ばれる1種以上の平均粒径が30μ
    m以下の球状化処理された耐火性粒子を2〜30重量%
    含む組成物からなり、外掛けで6重量%の水を加えて混
    練した坏土を寸法が70mmφ〜100mmφ×60m
    mのコーン型に流し込み、コーン型を抜き取って振動を
    加えないで60秒間放置したときのコーンフロー値が1
    80mm以上であることを特徴とする不定形耐火物用組
    成物。
  2. 【請求項2】請求項1において、組成物中に球状化処理
    された平均粒径が30μm以下のアルミナセメント粒子
    を0.5重量%以上10重量%以下含む不定形耐火物用
    組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、球状化処理さ
    れた耐火性粒子の表面に、耐火性粒子とは異なる材質か
    らなり、耐火性粒子の平均粒径の50%以下の平均粒径
    を有する金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物および金
    属硼化物から選ばれる微小粒子の1種以上が固着されて
    いる不定形耐火物用組成物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1つにおいて、組
    成物中に分散剤としてヘキサメタ燐酸ソーダが含まれ、
    その含有量が0.3重量%以下である不定形耐火物用組
    成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1つにおいて、組
    成物中にフュームドシリカまたは球状化処理された無定
    形のシリカ粒子が1重量%以上9重量%以下配合されて
    いる不定形耐火物用組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1つにおいて、耐
    火性粒子の球状化処理が高速気流中での衝撃処理によっ
    てなされたものである不定形耐火物用組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれか1つにおいて、耐
    火性粒子の球状化処理が火炎またはプラズマ溶射によっ
    てなされたものである不定形耐火物用組成物。
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