JP2005194174A - 不定形耐火物用組成物 - Google Patents

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泰史 小野
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敏 坂本
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裕 村田
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哲郎 梶
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Abstract

【目的】流動性が優れ比較的少量の水分を加えて混練すればポンプ圧送でき、流し込み成形時に振動を加えなくても気泡が自然に浮上して排出される不定形耐火物用組成物を提供する。
【構成】アルミナセメント、アルミナ、ボーキサイト、ムライト、シャモット、ジルコン、マグネシア、スピネル、炭化珪素などから選ばれる1種以上の平均粒径30μm以下の球状化処理された耐火性粒子を組成物中に2〜30重量%配合する。
【選択図】図1

Description

本発明は流動性が良好で、施工現場における施工作業の一層の省力化が可能な不定形耐火物用組成物に関する。
不定形耐火物は一般的に定形耐火物と比較すると嵩比重が小さく、耐用が劣るという欠点はあるが、その製造、施工の両面において必要とされる人手が少なく、かつ省エネルギーであるという長所がある。特に最近では分散性、すなわち流動性が良好で、混入する水分の量を少なくした成形体の嵩比重が大きい不定形耐火物用組成物が開発され、耐用が向上してコストパーフォーマンスを考慮した場合、定形耐火物より概ね優位な状況となっている。
かくして、不定形耐火物は従来の定形耐火物の使用箇所を次第に置き換えつつあり、その使用量は年々増えているのが現状である。また、省力化を更に進めてポンプ圧送が可能な流動性を有する不定形耐火物が一部実用に供され始めている。
しかしながら、ポンプによる圧送が可能な流動性を有する不定形耐火物は、通常の流し込み施工が行われる不定形耐火物と比較し、今のところ添加水分の量を相当多くしており、添加水分の量が多い分だけ得られる耐火物成形体の嵩比重が小さく、耐用が劣るという問題がある。
他方、主としてポルトランドセメントを使用する建築用のコンクリートの分野では、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7などに流動性の優れた、更にはポンプ圧送が可能なコンクリートが提案され、球状化処理されたポルトランドセメント粒子の配合がコンクリートの流動性の向上に有効であるとしている。また、特公平3−2009や特開昭62−221434には固体粒子の球状化処理に関する技術が開示されている。
また、特開昭62−221434には固体粒子の球状化処理を高速気流中で衝撃処理して行うことが提案され、この球状化処理方法によってコンクリートに使用するポルトランドセメントの球状化処理が試みられている。
特開昭62−17056号公報 特開昭63−45161号公報 特開平2−192439号公報 特開平2−311338号公報 特開平3−164454号公報 特開平3−208851号公報 特開平4−170353号公報
本発明は、従来の不定形耐火物における前述の問題点を解決し、ポンプ圧送が可能な流動性を有していて、振動を加えなくても施工でき、得られる耐火物成形体の嵩比重が通常の振動を加える流し込み施工がされた不定形耐火物と比べて遜色のない嵩比重を有する成形体が得られる不定形耐火物用組成物を提供するものである。
本発明者らは、前述の課題を達成するべく鋭意研究を進めたところ、不定形耐火物用組成物中に、球状化処理された平均粒径が30μm以下のアルミナセメント粒子を0.5重量%以上10重量%以下、好ましくは 加えて、球状化処理された平均粒径30μm以下の耐火性粒子を2〜30重量%更に配合しておくと、多種類の耐火性骨材を主な構成物とする不定形耐火物坏土の流動性を顕著に向上せしめ得ることを発見した。その結果、比較的少量の水分を加えて混練することにより自己流動性を備え、振動を加えなくても自然に流れ、内部の気泡が浮上して表面から排出され、嵩比重が大きい成形体が得られる不定形耐火物用組成物を完成した。
かくして、本発明は、以下の構成を要旨を有するものである。
(1)耐火性骨材、及び球状化処理された平均粒径が30μm以下のアルミナセメント粒子を0.5重量%以上10重量%以下含み、外掛けで6重量%の水を加えて混練した坏土を寸法が70mmφ〜100mmφ×60mmのコーン型に流し込み、コーン型を抜き取って振動を加えないで60秒間放置したときのコーンフロー値が180mm以上であることを特徴とする不定形耐火物用組成物。
(2)更に、アルミナ、チタニア、ボーキサイト、ダイアスポア、ムライト、礬土頁岩、シャモット、パイロフィライト、シリマナイト、アンダリュサイト、珪石、クロム鉱石、スピネル、マグネシア、ジルコニア、ジルコン、クロミア、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素、炭化硼素、硼化ジルコニウム及び硼化チタンから選ばれる1種以上の平均粒径が30μm以下の球状化処理された耐火性粒子を2〜30重量%含む上記(1)に記載の不定形耐火物用組成物。
(3)球状化処理されたアルミナセメント粒子の表面に、アルミナセメント粒子とは異なる材質からなり、アルミナセメント粒子の平均粒径の50%以下の平均粒径を有する金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物及び金属硼化物から選ばれる微小粒子の1種以上が固着されている上記(1)又は(2)に記載の定形耐火物用組成物。
(4)フュームドシリカまたは球状化処理された無定形のシリカ粒子が1重量%以上9重量%以下配合されている上記(1)〜(3)のいずれかに記載の不定形耐火物用組成物。
(5)アルミナセメント又は耐火性粒子の球状化処理が高速気流中での衝撃処理によってなされたものである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の不定形耐火物用組成物。
(6)アルミナセメント又は耐火性粒子の球状化処理が火炎またはプラズマ溶射によってなされたものである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の不定形耐火物用組成物。
本発明の不定形耐火物用組成物は、水を加えて混練した不定形耐火物坏土として流し込み施工するとき、添加水分の量が少なくても優れた流動性を示す。したがって、嵩比重が大きく、使用特性の優れた不定形耐火物の成形体が得られると同時に、ポンプ圧送により不定形耐火物の施工を顕著に少ない人手で行え、工事を短期間で完了することができる。現在、省力化の推進は産業が発展かつ存続するための不可欠の条件であるので、その産業上の利用価値は多大である。
本発明の不定形耐火物用組成物は、組成物中に球状化処理された平均粒径が30μm以下のアルミナセメント粒子を0.5重量%以上10重量%以下含む。アルミナセメントが0.5重量%以上2重量%未満の場合には、必然的に1.5重量%以下の他の球状化処理された耐火性粒子を組成物中に含むことになる。アルミナセメント粒子は、たとえば平均粒径が5.5μmのアルミナセメントの場合、0.3〜176μmという広い範囲に分布する粒径を有しているが、大部分は30μm以下の粒径を有する粒子であり、そのまま球状化処理して組成物に配合すればよい。
なお、本発明で平均粒径とは、レーザ回折式粒度分布計によって求められた耐火性粒子の積算粒度分布において積算重量が50重量%の位置にある粒径をいう。
本発明において、球状化処理されたアルミナセメントであってもアルミナセメントを組成物に10重量%より多く加えると、得られる耐火物成形体の性能は向上せず、むしろ耐火度が低下する傾向を示すのでアルミナセメントの配合量は10重量%以下とするのが好ましい。
アルミナセメント粒子の球状化処理は、たとえば回転ブレードを備える汎用の粉砕機中にアルミナセメント粒子の粉体を投入することによって行うことができる。この場合、粒径30μm程度以下の細かい粒子はほとんど粉砕されることなく粉砕機から排出され、尖っていた粒子の角が取れて、河原に転がっている石のように球状化され、アルミナセメント粒子の粒径は角が取れた分少々小さくなる。粒子の角が欠けて生じた微小粒子あるいは別に加えられた微小粒子が存在する場合には、微小粒子がアルミナセメント粒子の表面に固着し、アルミナセメント粒子の表面にある窪みを埋めてその球状化が促進される。
本発明の不定形耐火物用組成物では、球状化処理されたアルミナセメント粒子の表面に、アルミナセメント粒子の平均粒径の50%以下の平均粒径を有する金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、及び金属硼化物から選ばれる微小粒子の1種以上が固着されているのが好ましい。
アルミナセメント粒子の表面に固着される好ましい微小粒子の金属酸化物には、シリカ、アルミナ、ムライト、スピネル、ジルコニア、ジルコン、クロミア、チタニア、粘土があり、金属窒化物には窒化珪素、窒化アルミニウムが、金属炭化物には炭化珪素、炭化硼素が、金属硼化物には硼化チタン、硼化ジルコニウム、窒化硼素がある。
アルミナセメント粒子の球状化処理に際し、アルミナセメント粒子と異なる材質の微小粒子を加えると、アルミナセメント粒子に親水性を付与してアルミナセメント粒子の分散性を高めることができる。また、組成物中に黒鉛粒子などの非酸化物粒子が配合されている場合には、非酸化物粒子が酸化されるのを防ぐ効果を付与できるなど、耐火物の使用性能を更に向上せしめることができる。
これらの微小粒子は球状化処理されたアルミナセメント粒子の表面に固着してアルミナセメント粒子を被覆することになるので、その平均粒径はアルミナセメント粒子の平均粒径の50%以下であるのが好ましく、更には30%以下とするのが好ましい。
アルミナセメント粒子の表面に固着された微小粒子はセメント粒子の表面の性質を変える。たとえば、アルミナセメント粒子が水中に投入されたとき、マイナスのゼータ(ζ)電位の絶対値が大きい親水性の微小粒子でアルミナセメント粒子を被覆しておけば、不定形耐火物用組成物の分散性、ひいては混練された坏土の流動性を更に向上せしめる効果が得られる。
本発明の他の好ましい不定形耐火物用組成物では、上記アルミナセメント粒子の他に、アルミナ、チタニア、ボーキサイト、ダイアスポア、ムライト、礬土頁岩、シャモット、パイロフィライト、シリマナイト、アンダリュサイト、珪石、クロム鉱石、スピネル(MgAl24 、MgCrO4 など)、マグネシア、ジルコニア、ジルコン、クロミア、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素、炭化硼素、硼化ジルコニウム及び硼化チタンから選ばれる1種以上の平均粒径が30μm以下の球状化処理された耐火性粒子を含有される。
上記球状化処理された耐火性粒子の平均粒径を30μm以下としたのは、平均粒径が30μmより大きいと組成物に球状化処理された耐火性粒子を配合することによる分散性の向上効果が小さいためであり、平均粒径を30μm以下とすることにより球状化処理された耐火性粒子の配合量が少なくて済み、耐火性粒子の球状化処理に要するコストが安くなる。球状化処理された耐火性粒子は広い粒径分布を有するものであってよい。球状化処理された耐火性粒子の平均粒径は好ましくは1〜20μmである。
上記球状化処理された耐火性粒子の平均粒径を30μm以下、好ましくは球状化処理された耐火性粒子の90重量%以上の粒径を30μm以下とし、組成物の2重量%以上、好ましくは3重量%以上の球状化処理された耐火性粒子を配合することにより、水を加えて混合した不定形耐火物の坏土の流動性を顕著に向上せしめる効果が得られる。その理由は、組成物の主な構成物である耐火性骨材の隙間を球状化処理された耐火性粒子が効率よく埋め、水を加えて混練された不定形耐火物の坏土の流動性を高める働きをするためであると推定される。
平均粒径が30μm以下の球状化処理された耐火性粒子の配合量が組成物の30重量%を超えると、この分組成物に配合できる緻密な耐火性骨材の量が減って組成物に水を加えて混練された坏土の流動性が小さくなる。耐火性粒子を球状化処理する費用と手間を考慮すると、多量の球状化処理された耐火性粒子を組成物に配合するのは組成物のコストを押し上げることになるため、その配合量は30重量%以下、好ましくは20重量%以下とされる。
本発明において、コーンフロー値はJIS−R−5201に規定された方法を少々変更した方法で測定され、不定形耐火物用組成物に水を加えて混練した坏土をコーン型に流し込み、コーン型を抜き取って振動を加えないで60秒間放置したときのコーンフロー値が180mm以上であればポンプ圧送による施工が可能な自己流動性を備えている。本発明の不定形耐火物用組成物では、この組成物に外掛けで6重量%という比較的少量の水を加えて混練したときに得られる坏土のコーンフロー値が180mm以上の流動性を有する。このコーンフロー値は大きいほど施工性と耐火物成形体の性能が向上するので、190mm以上、更には200mm以上であるのが好ましい。
コーンフロー値を大きくできれば坏土のポンプ圧送が更に容易になり、坏土中の気泡の浮上が促進されて気孔率が小さく、嵩比重のより大きい成形体が得られる。坏土の流動性を表す数値として、他にJIS−A−1101に規定された寸法が100mmφ〜200mmφ×300mmのコーン型を用い、振動を加えないでフロー値を求めるスランプフロー値が使用されることもある。両方のフロー値は素直な比例関係を示さないが、本発明におけるコーンフロー値の180mm、200mm及び220mmは、概ねスランプフロー値でそれぞれ500mm、550mm及び600mmに相当する。
かくして、施工時に坏土に振動を加えて流し込む従来の成形用不定形耐火物と同等量、あるいは同等量より少ない水を加えて混練すればポンプ圧送による施工が可能となり、更には自己流動性を有していて従来のように振動を加えなくても型枠内の隅々にまで坏土が充填され、坏土の内部の気泡が自然に抜け出る。このため、耐火物の耐用を左右する成形体の嵩比重も従来の振動を加えて流し込み施工された不定形耐火物の成形体と比べて全く遜色がない。また、添加水分の量を更に減らし、振動を加えて施工すれば気孔率が更に小さく、嵩比重の大きい成形体が得られる。
本発明の他の好ましい不定形耐火物用組成物では、組成物中に分散剤としてヘキサメタ燐酸ソーダが含まれており、その含有量は0.01重量%以上、0.3重量%以下である。ヘキサメタ燐酸ソーダは、施工現場で混合しなければならない液体の分散剤と比べて、予め組成物中に配合しておける粉末状のものであるので、不定形耐火物用組成物に適した分散剤であり、施工に際して分散剤を配合する手間が省ける点で優れている。
また、ヘキサメタ燐酸ソーダは、0.01重量%以上という僅かな量の添加で組成物中の粒子が水に分散されたときのマイナスのゼータ電位の絶対値を大きくする効果があり、他の分散剤を使用するときと比べて水を混合した組成物の流動性が顕著に良好である。しかし、0.3重量%を超えるヘキサメタ燐酸ソーダが添加されても流動性はそれ以上向上しない。
本発明の不定形耐火物用組成物中には、組成物の主な構成物として、粒度配合された通常粒径が25mm以下の耐火性骨材が含まれる。これらの耐火性骨材として、たとえば、マグネシア、クロミア、ドロマイト、スピネル、アルミナ、ムライト、ジルコン、珪石、シャモット、蝋石、礬土頁岩、ボーキサイトなどの金属酸化物、炭化珪素などの金属炭化物、窒化珪素などの金属窒化物及び硼化ジルコニウムなどの金属硼化物から選ばれる1種以上が組み合わされる。
耐火物成形体の嵩比重が大きくなるように、耐火性骨材は気孔率が小さく緻密なものを選ぶのが好ましい。また、耐火性骨材には種々の嵩比重を有するものがあり、嵩比重の小さい耐火性骨材を使用する場合はその分耐火性骨材の占める嵩が大きくなって自己流動性を付与するのに必要な添加水分の量が相対的に増す。また、耐火性骨材の嵩比重が小さい場合は耐火性骨材と粒径30μm以下の耐火性粒子との間の分離(セグリゲーション)が起きやすいが、球状化処理された耐火性粒子が配合されていること、また添加水分の量が少ないことによってこの傾向が抑制される。
本発明の他の好ましい不定形耐火物用組成物では、組成物中にフュームドシリカ又は球状化処理された無定形のシリカ粒子が1重量%以上9重量%以下配合されている。フュームドシリカは気相からの析出によって得られた微小な無定形のシリカ粒子であり、従来、不定形耐火物の流動性を向上せしめるのに有効であることが知られており、本発明の不定形耐火物用組成物においても、1重量%以上添加すれば坏土の流動性を更に向上せしめる効果がある。
しかし、フュームドシリカ又は球状化処理された無定形のシリカ粒子の9重量%を超える量を組成物に添加すると、用途にもよるが耐用が損なわれる場合が多い。また、フュームドシリカに限らず、球状化処理された無定形のシリカ粒子を配合しても、同様に不定形耐火物の流動性を向上せしめる効果が得られる。
本発明の他の好ましい不定形耐火物用組成物は、球状化処理されたアルミナセメント及び/又は耐火性粒子が高速気流中で衝撃処理されたものである。高速気流中で衝撃処理する球状化処理方法は、比較的少ないエネルギーの消費で球状化処理された耐火性粒子を簡便に得られる点で好ましい手段である。また、この方法によれば、親水性のある微小粒子を耐火性粒子の表面に固着しなくても、耐火性粒子の表面が活性化されて親水性が向上し、不定形耐火物の流動性が改善されるという効果もある。
また、アルミナセメント及び/又は耐火性粒子no他の球状化処理方法として、酸素アセチレン炎などの火炎やガスプラズマを使用する溶射方法がある。これらの溶射方法によれば、非常に球体に近い耐火性粒子を得ることができ、本発明の不定形耐火物用組成物における球状化処理された耐火性粒子として配合することができる。
以下、本発明の不定形耐火物用組成物を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
耐火性粒子を球状化処理するのに、奈良機械社製の衝撃処理装置(型式NHS−3)を使用した。この装置は図1の正面断面図と図2の側面断面図に概要が示された構成を有しており、図中1はケーシング、2は前方壁、3は後方壁、4は回転板、5はブレード、6は回転軸、7は衝撃室、8は衝撃壁、9は粉体出口弁、10は粉体循環回路管、11は粉体導入弁、12はホッパーである。
この衝撃処理装置では、ホッパー12に入れられた原料の粉体は原料入口弁11を開いて円盤状の空間からなる衝撃室7内に導入される。衝撃室7中には図示されていない電動機で駆動される回転軸6に固定された回転板4と回転板4に固定されたブレード5があって共に高速で回転する。ブレード5の回転エネルギーは衝撃室7内において高速気流のエネルギーに変換され、衝撃室7に取り付けられた粉体循環回路管10の閉じた流路を気流が粉体を乗せて矢印の方向に循環する構成となっている。
衝撃処理装置の内部を循環する耐火性粒子はこの中で互いに衝突する他、高速で回転しているブレード5によって衝撃力、圧縮力、摩擦力、剪断力などの機械的作用を繰り返し受け、耐火性粒子の尖った角がとれ、微小粒子が耐火性粒子の表面に固着されることによって球状化処理される。
球状化処理によって耐火性粒子は尖った角のないアスペクト比(長径/短径の比をいう)の小さい球状あるいは楕球状の粒子形状に近づく。この方法で球状化処理された耐火性粒子は、通常アスペクト比が3以下で尖った角のない丸みを帯びた粒子になる。
衝撃処理装置のブレードの回転速度は、耐火性粒子が過度に破砕されない程度の速度に調整され、所定の時間衝撃処理を行った後、球状化処理された耐火性粒子を粉体出口弁9を開いて取り出す。
試験例
球状化処理する耐火性粒子の原料として、Al23とCaOの含有量がそれぞれ74重量%と24重量%で、粒径が0.3〜176μmの範囲にあって平均粒径が5.5μmのアルミナセメントと、Al23の純度が99.6重量%で平均粒径が4.3μmのバイヤーアルミナ粉末と、Al23とSiO2の含有量がそれぞれ71重量%と27重量%で、平均粒径が12μmの合成ムライト粉末と、SiCの含有量が99重量%で平均粒径が2μmの炭化珪素粉末を準備した。
また、アルミナセメント粒子の表面に固着せしめる微小粒子としてヘキサメタ燐酸ソーダの微粉末と、SiO2の純度が98重量%で平均粒径が約0.9μmのフュームドシリカを使用し、表1に示す配合比の混合粉体とし、これらを2kgずつ前述の衝撃処理装置に投入して球状化処理を行い、表1に示すA1、A2、A3、B、C及びDの6種類の球状化処理された耐火性粒子を得た。
球状化処理は、耐火性粒子が過度に破砕されないように、あるいは微小粒子の充分な固着強度が得られるように、回転板4の外周速度を約120m/秒とした。衝撃処理の時間は、比較的短時間で有効な処理効果が得られるように10分間に設定した。また、微小粒子を始めとする粉体の粒径と平均粒径は、篩で分級されたものを除き、レーザ回折式粒度分布計(マイクロトラック社製、モデル7FRA使用)によって測定した。
Figure 2005194174
得られた球状化処理後の耐火性粒子を表2と表3に示した割合で配合し、No.1〜14の不定形耐火物用組成物とした。すなわち、耐火性骨材としてAl23が88重量%の粗粒(粒径1.68〜6mm)、中粒(粒径0.1〜1.68mm)及び細粒(中粒を粒径0.2mm以下に粉砕しもの)としたボーキサイトの耐火性骨材、Al23の含有量が98重量%の粗粒(1.0〜6mm)、中粒(44μm〜1.0mm)及び細粒(43μm以下)とした電融アルミナの耐火性骨材、SiCの含有量が99重量%の粗粒(1.0〜5mm)、中粒(0.2〜1.0mm)及び細粒(0.2mm以下)とした炭化珪素の耐火性骨材を準備した。
また、Al23の含有量が99.5重量%の焼成アルミナ粉末(粒径43μm以下)、Al23の含有量が99.6重量%のバイヤーアルミナ粉末(平均粒径4.3μm)及びAl23とSiO2の含有量がそれぞれ71重量%と27重量%の合成ムライト粉末(粒径43μm以下)を準備し、更に組成物の分散性を向上せしめる添加物としてフュームドシリカ(SiO2 の含有量が98重量%で平均粒径が0.9μmのもの)とヘキサメタ燐酸ソーダ(すべての組成物にそれぞれ0.05重量%添加)を配合して不定形耐火物用組成物とした。
次に、これらの組成物に水を加えて混練し、各不定形耐火物の流動性をJIS−R−5201に規定された方法を少々変更した方法によるコーンフロー値で評価した。すなわち、表2と表3に示された組成物に所定量の水分を加えて万能ミキサー中で3分間混練し、混練した坏土を70mmφ〜100mmφ×60mmの長円錐台形状のフローコーン型中に流し込み、フローコーン型を上方に抜き取って60秒間振動を加えないで放置し、流動して概ね円形に広がった坏土の最大広がり寸法とその直角方向の広がり寸法を測定し、両者の平均を求めてコーンフロー値とした。
自己流動性は、コーンフロー値を測定した組成物と同様に調製した坏土を、混練後1分以内に230mm×230mm×230mmの内寸法を有する型に流し込み、鋳込んだ坏土の表面が水平になり、かつ坏土の内部に存在する気泡が浮き上がって表面から排出されるか否かを肉眼で観察して評価した。
また、ポンプ圧送性は、それぞれ約200kgの坏土を調製して5kg/cm2の圧縮空気を動力源とする圧送ポンプ(Putzmeister社製、MIXOKERT)を使用し、水平方向30m、垂直方向10mの区間における混練された坏土のポンプ圧送が可能かどうかを調べた。また、これらの坏土を油圧で駆動される複ピストン式コンクリートポンプ(Symtec社製MKW−25SVH)によって水平方向50mの圧送が可能かどうかを調べた。
気孔率と嵩比重は、コーンフロー値を測定したのと同じ混練坏土を40mm×40mm×80mmの内寸法を有する型中に流し込み、20℃の室内に24時間放置後脱型し、更に110℃で24時間乾燥した試験片につき、JIS−R−2205に規定された方法に準じて測定した。
また、比較例である組成物例No.11〜14の試験では、自己流動性がなくポンプ圧送による施工は無理であり、流し込んだだけでは満足な流し込み成形体が得られないので、従来通り振動を加えて流し込んだ成形体につと嵩比重を測定した。
圧縮強度の測定は気孔率と嵩比重を測定した後の試験片を乾燥したものについて行い、80mmの長さの稜を有する側面の中央部に40mm×40mm×40mmの金属ブロックを押し当てて圧縮荷重を加え、破壊時の最大圧縮荷重を求めて圧縮強度(kg/cm2 )とした。これらの評価結果を表2と表3に併せて示した。表2と表3に示されている組成物例中No.1〜10は本発明の実施例であり、No.11〜14は比較例である。
Figure 2005194174
Figure 2005194174
以上の試験結果から、球状化処理された耐火性粒子あるいは球状化処理されると同時にシリカなどの微小粒子が表面に固着、かつ被覆された耐火性粒子が2〜30重量%配合された不定形耐火物用組成物は、水を加えて混練された坏土の流動性が顕著に優れていることが分かる。また、6重量%程度の比較的少量の水分を加えて混練された不定形耐火物の坏土で充分な流動性が確保されているので、施工された成形体中の粒子の充填性が良好で、不定形耐火物の耐用を左右する成形体の嵩比重が大きい。
また、本発明の不定形耐火物用組成物では、外掛けで6重量%あるいはそれ以下の水分を加えて混練した不定形耐火物の坏土が優れた流動性を示すので、その施工にポンプ圧送が採用でき、型枠内に流し込まれた坏土は特に振動を加えなくても、坏土は型枠内の隅々に行きわたって坏土の表面が水平になり、坏土の内部の気泡が自然に浮き上がって排出される。
更に、本発明の不定形耐火物用組成物の坏土を流し込んで得られる成形体の嵩比重その他の物性は、従来の振動を加えて施工される不定形耐火物と比べて遜色がないので、顕著に優れたコストパーフォーマンスを示す不定形耐火物の成形体が得られる。
本発明の不定形耐火物用組成物に配合する耐火性粒子の球状化処理に使用される装置の一例の概要を示す正面断面図。 図1の側面断面図。
符号の説明
1:ケーシング
2:前方壁
3:後方壁
4:回転板
5:ブレード
6:回転軸
7:衝撃室
8:衝撃壁
9:粉体出口弁
10:粉体循環回路管
11:粉体導入弁
12:ホッパー

Claims (6)

  1. 耐火性骨材、及び球状化処理された平均粒径が30μm以下のアルミナセメント粒子を0.5重量%以上10重量%以下含み、外掛けで6重量%の水を加えて混練した坏土を寸法が70mmφ〜100mmφ×60mmのコーン型に流し込み、コーン型を抜き取って振動を加えないで60秒間放置したときのコーンフロー値が180mm以上であることを特徴とする不定形耐火物用組成物。
  2. 更に、アルミナ、チタニア、ボーキサイト、ダイアスポア、ムライト、礬土頁岩、シャモット、パイロフィライト、シリマナイト、アンダリュサイト、珪石、クロム鉱石、スピネル、マグネシア、ジルコニア、ジルコン、クロミア、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素、炭化硼素、硼化ジルコニウム及び硼化チタンから選ばれる1種以上の平均粒径が30μm以下の球状化処理された耐火性粒子を2〜30重量%含む請求項1に記載の不定形耐火物用組成物。
  3. 球状化処理されたアルミナセメント粒子の表面に、アルミナセメント粒子の平均粒径の50%以下の平均粒径を有する金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物及び金属硼化物から選ばれる微小粒子の1種以上が固着されている請求項1又は2に記載の定形耐火物用組成物。
  4. フュームドシリカまたは球状化処理された無定形のシリカ粒子が1重量%以上9重量%以下配合されている請求項1〜3のいずれかに記載の不定形耐火物用組成物。
  5. アルミナセメント又は耐火性粒子の球状化処理が高速気流中での衝撃処理によってなされたものである請求項1〜4のいずれかに記載の不定形耐火物用組成物。
  6. アルミナセメント又は耐火性粒子の球状化処理が火炎またはプラズマ溶射によってなされたものである請求項1〜5のいずれかに記載の不定形耐火物用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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