JP5853657B2 - 不定形耐火組成物 - Google Patents

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本発明は、耐火性骨材に水等の液体を添加、混練し、流動状態とした後に施工する流し込み施工用耐火物等に使用可能な不定形耐火組成物に関し、特に、低水分量で高流動性を有する不定形耐火組成物に関する。
製鉄用などで使用される流し込み施工用耐火物等の不定形耐火組成物は、水や有機溶媒等(以下、「液体」と記載する)を添加して混練し、ある程度の高い流動性の混練物とした後に、型枠内に施工するのが一般的である。不定形耐火組成物は、液体を添加して混練するが、使用の際には乾燥して液体分を除去した後使用される。その際、液体が存在していた部分は気孔として残存する。不定形耐火組成物の気孔量を可能な限り少なくすることで、スラグの浸透を抑制し、耐食性を向上させ、ひいては不定形耐火組成物の耐用性を上げる努力がなされてきた。
ある配合の不定形耐火組成物を考えると、添加液体量の増加によって流動性が増し、逆に液体量の低下によって流動性が低下する。型枠内に流し込み施工しようとすると、一定の流動特性が必要となる。この一定の流動性を得る液体量を仮に標準液体量と呼ぶことにする。標準液体量を低下させることで、液体の添加量を低減することができ、その結果、気孔率を減らすことができるようになる。標準液体量を減らすためには、通常、耐火性骨材の粒度構成を最適化するなどの方策が試みられているが、限界に達しつつある。
これは、通常の耐火性骨材が原鉱ないしクリンカーを破砕・粉砕して得た粒子であるため角張っており、粒子間での相互に干渉しやすく、流動しにくい、つまり粒子間の位置を変えにくいためである。従って、角のない、球状に近い形状の粒子であれば、容易に位置を変えることができ、そのため流動性を向上させることができる。よって、不定形耐火組成物の流動性には、粒子の形状が大きく影響するが、球状粒の材質(組成)は、流動性に影響を及ぼすものではなく、不定形耐火組成物を構成する耐火性骨材として球状粒、特に、真球のものを使用することが望ましい。
即ち、耐火性骨材として球状の粒子を使用することで、同一粒度配合であってもより高流動性で低水分施工可能な不定形耐火組成物を得る試みがなされてきた。例えば、特許文献1には、平均粒子径1〜100μmの球状耐火物粉1〜50wt%を含む耐火性骨材と、適量の結合剤および分散剤とを主材とした圧入施工用耐火物;球状耐火物粉の長軸:短軸の長さ比が1〜1.3である前記圧入施工用耐火物が開示されている。
また、特許文献2には、炭素含有不定形耐火物に、粒子径が2〜500μmで、固定炭素を98%以上含む球状炭素粒子を使用することが開示されており、また、球状炭素粒子は施工時に材料の流動性を向上し、型枠に流し込んだ時に優れた充填性が得られることが記載されている。なお、特許文献2には、球状炭素粒子の形状は必ずしも真球である必要はなく、充填性を損なうような角状でなければ良い旨の記載もある。
更に、特許文献3には、アルミナ、スピネル、ボーキサイト等の耐火性骨材を主体とする流し込み成形用耐火物であって、0.75以上の球形度の球状耐火性骨材が全体の10〜50重量%を占め、かつ、0.75以上の球形度の球状ピッチが1〜5重量%含まれていることを特徴とする流し込み成形用耐火物が開示されている。なお、特許文献3において、球形度は、最も長い直径D1に対するその位置から90度の位置におけるD2の比として規定されている。
また、特許文献4には、キャスタブル耐火物に、ムライト球状粒子を配合することにより、流し込み施工際の流動性や充填性を向上することができ、耐熱衝撃性が大きく、亀裂が発生し難くなることを開示している。
更に、特許文献5には、骨材として粒子径1〜10mmの球状アルミナ30〜70wt%、及びスピネル5〜30wt%、結合剤としてアルミナセメント1〜10wt%と、残部の微粉部に粒子径1mm未満のアルミナ10〜40wt%を含むことを特徴とする溶融金属の真空精錬容器内張り用流し込み不定形耐火物;球状アルミナが、その長軸/短軸比1〜1.3で、カッティングエッジを有しない形状であることを特徴とする前記溶融金属の真空精錬容器内張り用流し込み不定形耐火物が開示されている。
また、特許文献6には、嵩密度が1.0g/cm以上、3.0g/cm以下で、粒子径が0.1mm以上、2.0mm以下の球状耐火物粉を、耐火性骨材の10重量%以上、35重量%以下に配合したことを特徴とする不定形耐火物;上記球状耐火物粉が、中空粒子または造粒化粒子もしくはこれらの混合物からなることを特徴とする前記不定形耐火物が開示されている。なお、特許文献6には、球状耐火物粉は真球であることが望ましいが、角張った粒子でなければ真球でなくても良い旨の開示もある。
更に、特許文献7には、マグネシア3〜15質量%、揮発シリカ0〜2質量%、残部がアルミナ主材の耐火骨材100質量%にアルミナセメントおよび分散剤を添加して成り、且つ前記アルミナのうち耐火骨材100質量%中に占める割合で50〜70質量%をアルミナ質ラウンド粒子として溶鋼取鍋湯当たり部用不定形耐火物が開示されている。ここで、アルミナ質ラウンド粒子は、角張りのない粒子表面性状を有したアルミナ質粒子であって、球状、楕円球のほか、角が滑らかな非破砕粒も包含される旨の開示もある。
また、特許文献8には、圧入施工用不定形耐火物を構成する耐火性粉体として、球状化処理された粉体を40〜90質量%使用することが開示されている。ここで、球状化処理された粉体とは、転動法、加圧成形法、高速気流衝撃法、加熱法、乾式反応法、湿式反応法等の処理が施された粉体であって、球形度が0.7以上のものをいう旨の記載があり、更に、球形度は、実体顕微鏡や走査型電子顕微鏡で撮影した試料粒子の像を、画面解析装置に取り込み、試料粒子の像から試料粒子の投影面積Sと、周囲長Lとを測定し、円周Lの真円の面積をAとすると、試料粒子の球形度はS/Sとして定義され、任意の100個の粒子の平均値であることが記載されている。
更に、特許文献9には、KO及びNaOを合計で2質量%以上含む炉内容物と接しうる部位に施工される不定形耐火物の粒径1mm未満の微粉域に、粒径が75μm以上の球状化処理されたアルミナ質粒子を使用することが開示されている。なお、特許文献9における球状化処理は、特許文献8に記載の球状化処理に準ずるものである。
また、特許文献10には、アルミナ40〜90重量%、シリカ60〜10重量%の合成ムライトを主とする球状物からなり、該球状物が、30〜1180μmの粒度分布を有し、かつ6万〜180万/d(dは球状物の平均粒子径(μm))の範囲の単位体積あたりの表面積(cm/cm)を有することを特徴とする鋳型用砂が開示されている。また、特許文献10では、1g当たりの実際の砂粒の表面積を理論表面積(砂粒が全て球であると仮定した場合の表面積)で割った値である粒形係数が1.2以下であることが好ましい旨記載されている。
特開平3−115176号公報 特許第3014555号公報 特開平7−267745号公報 特開平8−175875号公報 特開平9−278550号公報 特開平11−92241号公報 特許第4388190号公報 特開2010−163338号公報 特開2011−111334号公報 特許第3878496号公報
しかしながら、耐火性骨材を真球として安価かつ工業的に多量に得ることは困難であるため、上述の特許文献のように球に似たものを称して球状の粒子,あるいは球状粒、球状粒子と称して流し込み材に使用しているのが現状であり、これらの球状粒を耐火性骨材として使用することにより、不定形耐火組成物の施工液体量をある程度低減できることは確認されているが、不定形耐火組成物の耐用性の観点から、更なる不定形耐火組成物の低液体分化が要求されている。
なお、球に近い形状を表す指標を球形度と呼ぶが、その定義も、上述の特許文献によって様々であるが、いずれの評価方法でも、3次元を2次元に投影して解析し、それが円であれば、球と判定する方法を採用している。具体的には、観察する粒子少量をスライドガラスに乗せ,数滴の水を垂らし,カバーガラスをかけたプレパラートを作成する。そのプレパラートを光学顕微鏡などで観察して球形度を求める、あるいは投影画像を取り込んで画像解析するなどして球形度を求めていた。
更に、上述のような特許文献では耐火性骨材粒子の形状面が主に議論されており、粒子表面の性状については、表面が凸凹になることによって流動性が低下することは言及されているものの、表面の滑らかさによって粒子が滑ることまで注目しているものはない。
従って、本発明の目的は、低液体分施工が可能な、特に、流動性の優れる、耐火性骨材に液体を添加、混練し、流動状態とした後に施工するための不定形耐火組成物を提供することにある。
即ち、本発明は、耐火性球状粒子を含む耐火性骨材に液体を添加、混練し、流動状態とした後に施工するための不定形耐火組成物において、耐火性球状粒子は粒子の光学顕微鏡での投影画像を画像解析して粒子投影断面の面積と同じ面積の真円の円周長/粒子投影断面の外周長で求めた球形度が0.97〜1.0で且つ風砕法により製造された安息角が32°以下のアルミナ質粒子であり、且つ耐火性球状粒子の配合量が3〜70質量%であることを特徴とする不定形耐火組成物の製造方法を提供することにある。
本発明によれば、流動性に優れた不定形耐火組成物を容易に得られ、低液体分施工が可能となり、緻密質で高耐食性を有する施工体と施工することができる。
比較品1〜5、本発明品1〜3に使用したアルミナ質粒子の球形度の値に対する添加水量(%)の関係を示したグラフである。 比較品1〜5、本発明品1〜3に使用したアルミナ質粒子の安息角の値に対する添加水量(%)の関係を示したグラフである。
本発明の不定形耐火組成物のベースは、アルミナ、シリカ、マグネシア、クロミア、ジルコニア、スピネル、ムライト、シャモット、ハイアルミナ、アンダルサイト、ジルコン、炭化珪素などから選ばれる1種または2種以上の成分から構成される。
本発明の不定形耐火組成物には、安息角が32°以下の耐火性球状粒子を使用するところに特徴がある。ここで、耐火性球状粒子の安息角は、一般的な測定方法で測定することができ、例えば、(1)注入法、(2)排出法、(3)傾斜法等の従来から知られており方法を用いることができる。なお、これらの測定方法によれば、ほぼ同等の安息角の値を得ることができる。なお、後述の実施例で示す安息角の測定には傾斜法を採用した。傾斜法による測定には、例えば三輪式円筒回転法安息角測定器などが利用できる。
耐火性粒子の形状が球状でないと一定値以下の低い安息角を得ることができないため、本発明に用いる耐火性粒子は球状粒子である。安息角が小さくなるほど流動性が向上するが、耐火性球状粒子の安息角を32°以下とすることで流し込み材に高い流動性を付与することが可能となる。耐火性球状粒子の安息角が32°より大きいと、流し込み材へ耐火性粒子を添加した際の流動性付与効果が顕著ではない。より好ましくは、耐火性球状粒子の安息角は、30°以下である。安息角が32°より小さい耐火性球状粒子を使用することで、流動性特性が向上し、その結果、一定の流動性を得るに必要な添加水分量が低減する。そのため、乾燥後の施工体の気孔率が低減し、耐食性と耐スラグ浸透性に優れた施工体を得ることが可能となる。
耐火性球状粒子の安息角が32°以下とすると、不定形耐火組成物の流動性が特に良好となる理由は以下のように考えられる:
即ち、耐火性球状粒子の安息角が32°以下となるためには、耐火性球状粒子ができるだけ真球に近い形状を有することと、耐火性球状粒子の表面が滑らかであることの双方の特性を持ち合わせる必要となる。耐火性球状粒子ができるだけ真球に近い形状を有することと、粒子表面が滑らかであることは、それぞれ安息角を低減する効果があるものの、その片方の特性だけでは、安息角の低減効果はある程度限られる。真球に近い耐火性球状粒子自体が回転することによって接触した別の耐火性球状粒子を回転させる効果がある。また、耐火性球状粒子の表面が滑らかなことによって耐火性球状粒子の表面で別の耐火性球状粒子が滑ることができるような特性とを併せ持つことにより、耐火性球状粒子の安息角が低下し、流し込み材の流動特性が向上する。流し込み材では水を添加して混練するため、耐火性球状粒子間に存在する水がいわば潤滑剤として働き、耐火性球状粒子の表面が極めて滑らかであれば、接触した別の耐火性球状粒子を滑らせることができるものと考えられる。
上述のような32°以下の安息角を有する耐火性球状粒子を得る方法は、特には限定されるものではないが、当該耐火性球状粒子を得る工業的な方法としては、主として以下の4つの方法が知られている:(1)耐火性微粒子を球状に成形し、焼結によって耐火性球状粒子を得る方法である。転動しながら焼結する方法、噴霧造粒焼結法、造粒成形焼成法、加圧成形焼成法などがある;(2)粉砕粒子の角をとる方法で、転動研磨法、高速気流衝撃法などがある;(3)一旦加熱し溶融させる方法で、火炎・プラズマ中で溶融軟化させる加熱溶融法、溶融物を噴霧固化する方法、溶融物を滴下固化させる方法、溶融物に高圧エアを吹き付けてなる方法(風砕法)などがある;(4)合成時から球状とする方法で、乾式反応法、湿式反応法がある。
上述のような各種の製造方法の中で、溶融法によって製造された粒子は、表面が液体の自由表面に近い性状となっているため他の方法に比べて滑らかなので、低い安息角を得やすい。その中でも特に風砕法によって得られた耐火性球状粒子がもっとも好ましい。風砕法では、原料を加熱溶解し、流出する溶融物に高圧エアを吹き付けることによって溶融体が細かくなって吹き飛ばされ、それぞれの粒子は表面張力によって真円に近い球状になり、それら粒子が空中にある間に冷却・固化する。そのため、真球に近い形状と、液体自由表面の固化による極めて滑らかな表面とを同時に併せ持った球状粒子となり、前述のように安息角が32°以下となるよう球状粒子となるのである。また、表面が極めて滑らかで真球に近い球状粒子が比較的安価に得られるという利点もあるため、その使用がより好ましい。
また、焼結法で作成した球状粒子であっても、表面を研磨するなどして滑らかにすれば、安息角が上述の範囲にある耐火性球状粒子を得ることができる。
本発明の不定形耐火組成物に使用する耐火性球状粒子の配合量は、3〜70質量%の範囲内であり、好ましくは、8〜45質量%の範囲内である。耐火性球状粒子の配合量が、3質量%未満では、流動性の向上効果が発現し難いために好ましくなく、また、70質量%を超えると、配合効果が飽和してしまい、配合量の増加に見合う効果が見込めず、経済的にも好ましくない。
耐火性球状粒子の粒径は特に限定されるものではなく、不定形耐火組成物に耐火性骨材として用いる一般的な粒度が利用でき、例えば、5μmから50mmまで、好ましくは50μmから5mmまでの粒径のものが利用できる。耐火性球状粒子の粒径が5μm未満では、流し込み材に添加される他の微粒子とのファンデアワールス力の影響で配合効果が得難いために好ましくなく、また、50mmを超えると、通常の流し込み材では施工厚との関係から流し込み材が型枠内の細部に入り込まなくなる危険性が増大するために好ましくない。
耐火性球状粒子の組成は、特に限定されるものでなく、例えばAl、SiO、MgO、CaO、Cr、ZrOなどからなる群から選択される1種または2種以上の成分またはその混合物等から構成することができる。その際、多少の不純物を含んでも差し支えない。また、溶融法で粒子を作成する際に使用する少量のフラックス成分を含むこともできる。
更に、本発明の不定形耐火組成物には、カーボン、ピッチなどの炭素類、SiCなどの炭化物、Al、Siなどの金属を配合することもできる。これらの成分の配合量は、20質量%以下、好ましくは15質量%以下の範囲内である。これらの成分の配合量が20質量%を超えると、耐食性の劣化や、異常膨張などの弊害が起こるために好ましくない。
また、本発明の不定形耐火組成物には、結合材を配合することができる。結合材としては、例えばアルミナセメント、ρ−アルミナ、燐酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、水ガラス、フェノールレジンなどを用いることができる。なお、結合材の配合量は、1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%の範囲内である。結合材の配合量が1質量%未満では、十分な結合強度が得られないために好ましくなく、また、20質量%を超えると、耐食性が劣るようになるために好ましくない。
本発明の不定形耐火組成物には、上記成分に加えて、トリポリリン酸ナトリウム等の無機系分散剤、あるいはポリカルボン酸塩などの有機系分散剤のような分散剤を配合することができる。分散剤の配合量は、0.01〜0.5質量%、好ましくは0.02〜0.3質量%の範囲内である。分散剤の配合量が0.01質量%未満では、分散効果が十分に得られないために好ましくなく、また、0.5質量%を超えると、分散効果が飽和して経済的でなくなるために好ましくない。
本発明の不定形耐火組成物の施工方法は特には限定されるものではないが、多量に混練する場合には、例えばボルテックスミキサーなどが利用でき、また、少量の混練であれば例えば平ミキサーなどを利用して施工水分と混練することできる。また、施工方法も特には限定なれるものではなく、型枠内や中子などを使用して通常の不定形耐火組成物と同様の施工が可能である。
以下、実施例により本発明の不定形耐火組成物を更に説明する。
実施例1
以下の表1に示す配合割合を有するアルミナ・マグネシア質不定形耐火組成物において、従来から知られている球状粒子と、安息角が32°以下の耐火性球状粒子を使用した場合の添加水量と、耐食性の比較を行った。
Figure 0005853657
表1において、アルミナ質粒子の粒径は、いずれも0.3〜1mmの範囲内のものを使用した。
ここで、通常粉砕粒は、純度99質量%以上のアルミナ成形体を焼成して得たクリンカーを粉砕し、分級したものであり、かさ密度3.82のものである;
ラウンド粒は、純度99質量%以上のアルミナ粉末の成形体を粉砕、整粒し、ロータリーキルンにて焼成したものであり、かさ密度は3.82のものである;
球状粒Aは、純度99質量%以上のアルミナ粉末をブリケットマシーンで球状粒に成形し、焼成・焼結した表面に凹凸を有するものであり、かさ密度は3.79のものである;
扁平粒は、純度99質量%以上のアルミナ粉末をブリケットマシーンで扁平粒に成形し、焼成・焼結したものであり、かさ密度は3.77のものである;
球状粒Bは、純度99質量%以上のアルミナを高温で溶融し、膜状に流出させ、そこに圧縮空気を吹付けて飛散、冷却させることにより作製した中空品であり、かさ密度は0.94のものである;
球状粒1は、ばん土頁岩をアーク溶解炉で溶解し、2100℃の温度で流出させ、そこに空気管からエアを吹付けて、溶融流出物を風砕することにより球状粒子としたものである。得られた球状粒子を分級したものを球状粒1とした。アルミナが95%の耐火性球状粒子であり、かさ密度は2.96のものである;
球状粒2は、アルミナとシリカを含む合成ムライト原料を2050℃の温度で溶解した他は球状粒1と同様の操作にて得られたアルミナが75%の耐火性球状粒子であり、かさ密度は2.06のものである;
球状粒3は、シャモットとアルミナの混合物を2000℃の温度で溶解した他は球状粒1と同様の操作にて得られたアルミナが63%の耐火性球状粒子であり、かさ密度は1.88のものである。
なお、上述のアルミナ質粒子の球形度は、プレパラートを作成し、光学顕微鏡で投影画像をパソコンに取り込み、画像解析により粒子投影断面の面積と同じ面積の真円の円周長/粒子投影断面の外周長で求めたものである
また、上述のアルミナ質粒子の安息角は、傾斜法を採用した三輪式円筒回転法安息角測定器を用いて測定したものである。
また、添加する粒子の密度が異なる場合、添加量はいずれも体積分率が比較例1と同等となるように調整した。球状粒B、球状粒1〜3が該当する。
次に、参考品1、比較品1〜5及び本発明品1〜3の不定形耐火組成物に、水を所定量添加し、5分間、万能混練機で混練した後、振動フロー値を測定した。即ち、JIS R2521に記載のフローコーンを用い、添加水量を適宜変えて流動性を測定して、振動フロー値が200となる添加水量を求めた。振動フロー値は2.3Gの振動を30秒間かけた値である。添加水量が増加すると振動フロー値は単調に増加する。添加水量を適宜変えて振動フロー値を測定し、添加水量に対する振動フロー値をプロットする。そのプロットを滑らかな曲線で結び、フロー値200と交差する水分量をその配合での添加水量とした。
耐蝕性は、高周波炉内張法で行い、転炉スラグを用い、1680℃で5時間の浸食試験とした。その間、1時間毎にスラグ300gを入れ替えた。試験後、試験体を中央で切断し、溶損面積を測定した。表1では、溶損面積について比較例1を100とした指数で表示した。指数が低いものほど高耐食性であることを示す。
図1は、表1の比較品1〜5、本発明品1〜3に使用したアルミナ質粒子の球形度の値に対する添加水量(%)の関係を示したものであるが、全般的には球形度が1.0に近づくほど添加水量が低下する傾向にはあった。しかし、高い球形度でも添加水量が多い場合、あるいは、球形度が同等でも添加水量が異なる場合が発生しており、球形粒子の評価基準として球形度のみを用いても不定形耐火組成物に高流動性を付与するための指標にはならないことが解る。
図2は、表1の比較品1〜5、本発明品1〜3に使用したアルミナ質粒子の安息角の値に対する添加水量(%)の関係を示したものであり、比較品1〜5並びに本発明品1〜3は、それぞれ安息角と添加水量には良い相関があり、安息角が小さくなるに従って添加水量が減り、流動性が増す傾向にあった。即ち、不定形耐火組成物に使用される粒子の安息角による評価方法は、球形度による評価よりも有用な方法である。なお、比較品1〜5による相関は、安息角が32°以下の領域では成立せず、安息角が32°以下の範囲で添加水量低減の効果が大きくなっていることが解る。
また、添加水量が減ると耐食性が向上するが、これは施工体の気孔率の低下によるものと考えられる。
実施例2
表1の参考品1(ベース配合物)と同一の配合を用い、球状粒1の添加量を変えて、添加水分量の変化を求めた。得られた結果を表2に示す。安息角が32°以下の粒子を3質量%以上添加すれば、十分な流動性向上効果が得られることが解る。
Figure 0005853657
実施例3
表3の参考品2(ベース配合物)を使用してムライト質不定形耐火組成物について、実施例1と同様な検討を行った。得られた結果を表3に示す。実施例1とほぼ同様な結果が得た。
Figure 0005853657
本発明の不定形耐火組成物は、流し込み施工用耐火物として使用できる他、流し込み施工用耐火物より多量の水を加えて混練し、適当な流動性を持たせた上で施工する不定形耐火物としても利用できる。具体的には、微粉部にアルミナセメントを多量に含有する一般的な流し込み材、超微粉を含み添加するアルミナセメントを低減させた低セメント流し込み材、ショットクリートとも呼ばれる湿式吹き付け材、混練した上で圧送して施工する圧送施工材、混練した上で型枠内に施工するプレキャストブロック用の材料等にも利用可能である。

Claims (1)

  1. 耐火性球状粒子を含む耐火性骨材に液体を添加、混練し、流動状態とした後に施工するための不定形耐火組成物において、耐火性球状粒子は粒子の光学顕微鏡での投影画像を画像解析して粒子投影断面の面積と同じ面積の真円の円周長/粒子投影断面の外周長で求めた球形度が0.97〜1.0で且つ風砕法により製造された安息角が32°以下のアルミナ質粒子であり、且つ耐火性球状粒子の配合量が3〜70質量%であることを特徴とする不定形耐火組成物の製造方法
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